JP4185728B2 - ガス中の微量不純物の分析方法及び分析装置 - Google Patents

ガス中の微量不純物の分析方法及び分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス中の微量不純物の分析方法及び分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ガス中の微量不純物を分析する方法及び装置は、例えば半導体の製造分野で用いられている。
半導体の製造分野では、デバイスの製造プロセスに多くの気相工程が用いられる。かかる気相工程中で用いられる高純度バルクガス中に、微量のガス不純物が存在すると、デバイス性能に悪影響を及ぼす、そのため、高純度バルクガス中の微量不純物の監視分析が必要とされている。
【0003】
高純度ガス中の不純物濃度監視分析においては、例えばppbレベル高感度分析計が必要とされる。この様な用途に用いられる高感度分析方法としては、ガスクロマトグラフ/大気圧イオン化質量分析法(GC/APIMS分析方法;APIMSはAtmospheric Pressure Ionization Mass Spectrometer)等が公知である。
【0004】
APIMSは大気圧下で一般にはコロナ放電または放射線源より発せられるベータ線により試料ガスをイオン化するもので、引き続き生じるイオン分子反応によって選択的に不純物をイオン化することができる。生成したイオンは質量分離された後二次電子増倍管等で検出される。
さらにAPIMSの適用範囲を拡大するためにGC/APIMSが開発された。GC/APIMS分析方法においては、まずGCに、試料ガス源から、例えば数mlの試料ガスを導入すると、この試料がキャリヤーガスに同伴されて分離カラムの入口に入り、分離カラムを通過するうちに、主成分ガスと、各微量不純物に、物質毎に単離される。
単離された微量不純物は、キャリヤーガスと共に分離カラムの出口から流出する。
ついで、一般には分離カラムから流出する微量不純物を含むキャリヤーガスに、さらにキャリヤーガスと同じ種類のガスからなるメークアップガス(添加ガス)が導入され、混合される。メークアップガスは、後述する質量分析計に導入するガスの量を調整し、たとえばコロナ放電を利用した質量分析計のイオン源の放電を安定化させるために添加される。
この様にキャリヤーガス、微量不純物、及びメークアップガスの混合ガスは、イオン源部に導入され、大気圧下で前記微量不純物がイオン化される。そして、このイオン化した微量不純物が、質量分析計で検出、定量される。
【0005】
しかしながら、従来のGC/APIMS分析方法は、分析の感度、精度が不充分なことがあった。例えば、微量不純物の種類によって分析の感度や精度が異なる場合があり、微量不純物の種類によっては精度の良い分析が困難であった。
よって、本発明は、より高精度の分析が可能なガス中の微量不純物の分析方法及び装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、
請求項1にかかる発明は、ガスクロマトグラフの分離カラムで試料ガス中の微量不純物を分離し、当該微量不純物をイオン源部でイオン化し、質量分離する質量分析装置を用いるガス中の微量不純物の分析方法において、
前記質量分析装置に供給するガスの量と、該質量分析装置から排出するガスの量を調整することにより、前記分離カラムから前記イオン源部までの圧力を、大気圧よりも高く維持しながら、分析を行うものであり、
質量分析装置から排出するガスの量の調整が、前記イオン源部の後段側に設けられた排出経路から排出するガスの量と、前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間に設けられた排出経路から排出するガスの量の両方を調整するものであることを特徴とするガス中の微量不純物の分析方法である。
請求項2にかかる発明は、前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間に設けられた排出経路またはイオン源部後段側に設けられた排出経路の少なくとも一方の背圧を基準として、前記質量分析装置に供給するガスの量と、該質量分析装置から排出するガスの量を調整することを特徴とする請求項1に記載の分析方法である。
請求項3にかかる発明は、ガスクロマトグラフと、該ガスクロマトグラフの分離カラムで分離された試料ガス中の微量不純物をイオン源部でイオン化し、質量分離する質量分析装置を用いてガス中の微量不純物の分析装置において、
前記分離カラムから前記イオン源部の圧力を、大気圧よりも高い圧力に制御する制御手段を備え、
この制御手段が、当該質量分析装置に供給するガスの量を調整する流量制御手段と、該質量分析装置から排出するガスの量を調整する流量制御手段とからなり、
前記質量分析装置から排出するガスの量を調整する流量制御手段が、前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間またはイオン源部後段側に設けられた排出経路の少なくとも一方が具備する背圧制御手段と、
前記イオン源部の後段側に設けられた排出経路から排出するガスの量を制御する流量制御手段と、
前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間に設けられた排出経路から排出するガスの量を制御する流量制御手段とを備えていることを特徴とするガス中の微量不純物の分析装置である
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の分析方法に用いる分析装置の系統図の一例を示したものである。この分析装置は、ガスクロマトグラフ(GC)3と、その出口側に設けられた、質量分析計20とから概略構成されている。
なお、質量分析計20は質量分析計20に導入されたガスをイオン化するイオン源部19、導入されたガスのうち、余分なガスを排気し、イオン源部19で生成されたイオンと少量のガスを後述する質量分離部に導入するための差動排気部(図示せず)と、前記イオンを質量ごと(種類ごと)に分離する質量分離部(図示せず)と、この分離された成分を検出する検出部(図示せず)とから概略構成されている。
【0008】
GC3に設けられた分離カラム2からイオン源部19までの間(すなわち分離カラム2、分離ガス流出経路10、GC/APIMS接続経路11、イオン源ガス導入経路15、及びイオン源部19)の内部の圧力は、分析装置に供給されるガスの量と、分析装置から排出されるガスの量を調整することにより、大気圧よりも高い圧力に一定に制御することができる。
すなわち、初期に供給されるガス(キャリヤーガス、メークアップガス等)の流量よりも、排出されるガスの流量を小さくすることにより、分析装置内部の圧力を大気圧よりも大きくすることができる。圧力等の設定にもよるが、例えば供給するガスの流量を、排出するガスの流量に対して1.1〜10倍、好ましくは1.5〜3倍とすることにより、分離カラム2からイオン源部19までの間に圧力をかけることができる。
なお、分析中において、分析装置内部の圧力が設定された初期の圧力(設定圧力)より高くなった場合には、排出するガスの量を増やし、前記内部の圧力が、前記設定圧力よりも低くなった場合には、排出するガスの量を減らす様にすると、分析中においても、前記内部の圧力を前記設定圧力の通りに一定に維持することができる。この分析中の内部の圧力の制御は、後述する様に、例えば、ガスを排出する経路に設けられた背圧制御装置により、その制御部の背圧(上流側または一次側の圧力)の測定値を基準として、ガスを排出する量を制御することにより行うことができる。
【0009】
この例の分析装置において、精製ガス源6から供給される精製ガスは、精製ガス流路6aを通って、その先端でキャリヤーガス流路7aとメークアップガス経路9とに分岐し、それぞれに設けられた流量制御装置(分析装置に供給するガスの量を調整する流量制御手段)7、8によって分析装置に供給される、各ガスの流量が制御される様になっている。
排出されるガスの流量は、分離カラム2の出口からイオン源部19の入口との間に分岐して設けられた排出分流経路12を経て、排出経路14から排出されるガスの量を、背圧制御装置(バックプレッシャーレギュレーター)13で制御するとともに、イオン源部19の後段側(出口側)に設けられた排出経路18から排出されるガスの量をイオン源排気流量制御装置17によって制御することにより、調整することができる。よって、この例において、前記質量分析装置から排出するガスの量を制御する流量制御手段とは、背圧制御装置13とイオン源排気流量制御装置17であり、背圧制御装置13は背圧制御手段と排出経路14から排出するガスの量を調整するガス流量制御手段をかねている。
なお、圧力調整の点から背圧制御装置13はイオン源部19に近い位置に設けることが好ましい。
【0010】
この様にイオン源部19の前段(入口側)と後段(出口側)とに設けられた排出経路14、18からガスを排出するとともに、各排出経路14、18から排出されるガスの量のバランスを保つ様に制御することにより、分離カラム2からイオン源部19までの間の圧力を安定に保持することができる。
具体的には、例えば質量分析計20の差動排気部に接続された排出経路18から、質量分離部に導入するガスを除いた余分なガスを排出するとともに、背圧制御装置13によって測定される背圧の測定値を基準として、背圧の測定値が、内部の圧力を設定圧力に保持できる背圧の値よりも高くなってきたときには、背圧制御装置13の作用により、排出経路14から排出するガスの量を多くし、反対に背圧の測定値が低くなってきたときには、排出するガスの量を少なくする。
例えば流路10を流れるキャリアガスが100cc、流路9を流れるメイクアップガスが500cc、分析装置のイオン源部19から質量分離部(図示せず)に流入するガスを100cc程度とすると、まず流路18のイオン源からの排出量を流量制御装置17によって400ccに制御し、質量分離部へ供給されるガス量が100cc多くなる条件とする。
このとき排出分流経路12の内部の設定圧力を、排出分流経路12に設けた背圧制御装置13で背圧として制御する場合、その背圧が上昇し、0.02MPaGを超えたときには、背圧制御装置13によって、上流側の排出分流経路12の圧力を0.02MPaGに保つように適宜排出するガスの流量を増やすと、イオン源部19を含むガス系内の圧力を一定に保つことができる。また、0.02MPaよりも小さくなったときには、背圧制御装置13によって排出するガスの流量を低下させることによって、設定圧力を維持することができる。
なお、背圧制御装置13は、排出経路14、18のいずれか一方あるいは両方に設けることができる。
【0011】
なお、イオン源部19内部の圧力は背圧制御装置13で制御された値とほぼ等しくなる。分離ガス流出経路10、GC/APIMS接続経路11、及びイオン源ガス導入経路15内の圧力も、構造上、通常イオン源部19内の圧力と同程度である。分離カラム2内には分離剤が充填されているので、分離カラム2内の圧力は、入口側(試料ガス源1側)の方が出口側(分離ガス流出経路10側)よりも高くなる。
【0012】
このとき、分離カラム2からイオン源部19の範囲の内部の圧力は、0.005MPaG以上、好ましくは0.01MPaG以上とされる。
0.005MPa未満では、分析の精度向上の効果が得られないおそれがある。
上限値は特に限定せず、測定装置に設けられるマスフローコントローラー等の機器の耐圧、質量分析計の耐圧、質量分析計の質量分離部を仕様の真空下に維持するための排気ポンプ能力等の諸条件によって決定することができる。一般的には、例えば1MPa以下、好ましくは0.3MPaG以下とされる。
なお、測定系内の水分量等によっても左右されるが、通常0.3MPa以下とすれば効果が得られる。より好ましくは0.13MPa未満とすることが望ましい。
【0013】
なお、分析しようとする微量不純物の感度を最適化(高感度)するために、最適な流量、圧力等を選択すると好ましい。すなわち、微量不純物の種類によって、最も高感度となる条件は異なることがある。
自動分析等においては、微量不純物の種類毎に流量、圧力等の設定値が最適な値に設定される様に自動化して、常に最も感度の高い状態で微量不純物毎の分析を行う様に制御する制御装置を用いることもできる。
【0014】
以下、測定操作を追って分析方法の例について説明する。
まず、予め、分析装置に供給されるガスの流量を制御する流量制御装置7、8を所定の流量にセットするとともに、分析装置から排出されるガスの流量を制御する背圧制御装置13、イオン源排気流量制御装置17を所定の流量にセットして、分離カラム2からイオン源部19までの間の内部の圧力が大気圧よりも高くなる様に制御しながら、精製ガス源6からメークアップガスとキャリアガスを流す。
【0015】
分析にあたっては、まず試料ガス源1から試料ガスを流す。試料ガスを導入すると、8方ガス切換コック4に接続された2つの計量管5、5の内の一方に試料ガスが導入され、一定量の試料ガスが採取される。
その後、この試料ガスは、8方ガス切換コック4を介して、キャリヤーガスに同伴されて、分離剤が充填された分離カラム2に導入される。なお、分離剤にはモレキュラーシーブス系、ユニビーズ系等の任意の分離剤を用いることができる。
分離カラム2に導入された試料ガスは、分離カラム2を通過するうちに、主成分のガスと、試料ガス中に含まれる微量不純物の種類毎に単離され、分離カラム2の出口に接続された分離ガス流出経路10に流出する。
【0016】
分離ガス流出経路10の他端にはメークアップガス経路9が接続されており、微量不純物を含むガスは、メークアップガスと混合されながら、GC/APIMS接続経路11と、その先端で分岐するイオン源ガス導入経路15を通ってイオン源部19に導入される。
なお、メークアップガスは必須ではなく、上述の様に質量分析計20のイオン化を安定化させるために用いられているもので、質量分析計20で検出するために充分なガスの量を添加するものである。
メークアップガスの流量は、例えば質量分析計20の特性やキャリヤーガスの流量とのバランス等によって決定される。
また、GC/APIMS接続経路11の、イオン源ガス導入経路15との分岐部分には排出分流経路12と、これに続く排出経路14が接続されており、排出分流経路12と排出経路14との間に設けられた背圧制御装置13の作用により、GC/APIMS接続経路11とイオン源ガス導入経路15との間から分岐して所定流量のガスが排出される。
【0017】
そして、質量分析計20のイオン源部19にてイオン化された試料は、イオン源部19に設けられたスリット(図示せず)を通る。ついで、イオン源部19で生成されたイオンは、前記質量分離部で質量ごと(種類毎)に分離された後、検出部に導入され、検出される。
なお、イオン源部19にはイオン源排出ガス排出経路18が接続されており、ここから余分なガスが排出される。排出されるガスの量はイオン源排気流量制御装置17によって制御される。
【0018】
ところで、本発明において、分析精度が向上するのは、質量分析計20中の水分量(水分ブランク濃度)を小さくすることができるからであると推測される。大気圧でイオン分子反応を利用する質量分析計20において、水分共存下に微量不純物を測定すると、水分より電子親和力の小さい不純物(水素等)、あるいは水分よりイオン化ポテンシャルが高い微量不純物(二酸化炭素等)に対し、共存する水分が悪影響を及ぼし、その結果、この様な種類の微量不純物の分析の精度と感度が悪くなる。
一方、GCの分離カラム内の分離剤には、水分が吸着しているのが通常である。そして、この吸着水分は、一般に用いられている水分量を低下させたキャリヤーガスをパージするだけでは短時間で充分に低下させることができず、前記分離剤は分析中も長時間に渡って微量の水分を吐き続け、その濃度が変動する。
場合によっては質量分析計20中に存在する水分が数ppb〜数十ppbレベルになることがある。
このような吸着水分の影響は、大気圧でイオン分子反応を利用してイオン化する質量分析計20にGC3を接続したことにより生じる特有の問題であると考えられる。
【0019】
そこで、分離カラム2からイオン源部19の範囲の内部圧力を高くすると、分離カラム2中の分離剤から水分が脱着しにくくなる。その結果、分離カラム2の分離剤中の水分が、分離カラム2とイオン源部19とを結ぶ配管を通って、質量分析計20内に導入されることを防ぐことができ、これにより微量不純物の分析精度と感度が向上するものと考えられる。そして、本発明の分析方法と分析装置においては、繰り返し精度が良好となる。これは、水分ブランク濃度が低減されるので、測定回毎の水分ブランク濃度のばらつきによる分析値のばらつきが軽減されるためであると推測される。
例えば、図1に示した装置において、分離カラム2からイオン源部19の範囲に0.04MPaの圧力を掛けた場合、質量分析計20において、大気圧では数十ppb以上測定された水分濃度が、数ppbまで減少することが実験によって確認されている。
なお、例えば質量分析計20の前段のイオン源部19内の圧力のみを大気圧よりも高くしても、水分ブランク濃度を充分に低減させることはできず、特に分離カラム2からイオン源部19の全体の圧力を大気圧よりも高くすることが重要である。
【0020】
さらに、この様な圧力制御を行うことにより、イオン源部19に設けられたスリットを通るガスの流量を増加させることができ、分析の感度が向上するものと推測される。実験では0.04MPaの圧力を掛けた場合スリットを通過するガスの流量が、大気圧で制御している場合の1.5倍に増加し、微量不純物のピークが大きくなり、分析の精度が向上することが確認されている。
【0021】
なお、分析方法と分析装置は図1に示したものに限らず、GCと質量分析計とを組み合わせたもので、かつGCの分離カラムからイオン源部までの間の圧力を制御することができるものであれば特に限定されない。
また、本発明の分析方法と分析装置は、例えば上述の様な半導体デバイスの製造プロセスの気相工程に用いられる高純度バルクガスの分析や、配管施工後のリーク検査、精製器の品質保証等に用いることができる。
測定対象とする試料ガスは特に限定することはないが、主成分のガスとして、例えば窒素、アルゴン等の希ガスを含み、微量不純物として、水分より電子親和力の小さい不純物(水素等)、あるいは水分よりイオン化ポテンシャルが高い微量不純物(二酸化炭素等)を含むガスについて特に高い効果が得られる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
図1に示したものと同様の分析装置を用いて圧力と分析の精度の関係を検討した。測定対象は、窒素ガス(主成分)中の水素(微量不純物)とした。
測定条件は以下の様にした。
【0023】
キャリヤーガス、メークアップガス:ヘリウム、
分離カラム:モレキュラーシーブス13XS(製品名、ジーエルサイエンス社製)をステンレス製カラム(2mmφ×2m)に充填したもの、
試料ガスの採取量:3ml、
精製ガス源の圧力:0.2MPa、
キャリヤーガスの流量:56ml/分、
メークアップガスの流量:500ml/分。
【0024】
背圧制御装置13とイオン源排気流量制御装置17を制御して、分離カラム2からイオン源部19の間の圧力を大気圧よりも高い圧力としたときに検出された水分ブランク濃度を、大気圧条件下で検出された水分ブランク濃度と比較した。結果を表1に示した。
なお、分離カラム2からイオン源部19の間の圧力としてはイオン源部19の圧力を代表して示した。上述の様に装置の構成上、分離カラム2の出口側、分離ガス流出経路10、GC/APIMS接続経路11、及びイオン源ガス導入経路15の圧力は、ほぼイオン源部19内の圧力と同じである。分離カラム2の入口側の圧力は、イオン源部19内の圧力よりもやや高くなっているのが通常である。
【0025】
【表1】
Figure 0004185728
【0026】
表1に示した結果から、大気圧よりも高い圧力とすることにより、水分ブランク濃度が著しく減少することがわかった。
【0027】
ついで、7.2ppbの水素不純物を含む窒素ガスについて、10回繰り返して分析した際の繰り返し精度を表2示した。変動係数が小さく、良好な繰り返し精度であることが確認できた。この様に繰り返し精度が良好であることから、水分ブランクの影響が低減されていることが推測できた。
【0028】
【表2】
Figure 0004185728
【0029】
また、分離カラム2からイオン源部19内の圧力を変化させたときの水素のピーク強度を、図2にグラフで示した。測定圧力範囲内においては圧力をかける程、ピーク強度が向上し、感度が向上することが確認できた。
また、イオン源部19内の圧力が0のときと、0.06MPaGの場合のクロマトグラフを図3に示した。大気圧よりも大きな圧力とすることにより、大気圧の場合と比べて、ピーク強度が増大し、検出下限は数倍となり、感度が大きく増大した。
【0030】
以上の実験の結果より、分離カラム2からイオン源部19の圧力を大気圧よりも高くするという簡便な手法によって、微量不純物の検出感度が大幅に向上し、その分析精度が大きく向上することが確認できた。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、高精度の分析が可能なガス中の微量不純物の分析方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分析方法を用いた分析装置の一例を示した系統図である。
【図2】 実施例において、イオン源部19内の圧力を変化させたときの水素のピーク強度を示したグラフである。
【図3】 実施例で得られたクロマトグラフを示した図である。
【符号の説明】
1 試料ガス源、
2 分離カラム、
3 ガスクロマトグラフ(GC)
4 8方ガス切換コック
5 計量管
6 精製ガス源
6a 精製ガス流路
7 流量制御装置
7a キャリヤーガス流路
8 流量制御装置
9 メークアップガス経路
10 分離ガス流出経路
11 GC/APIMS接続経路
12 排出分流経路
13 背圧制御装置(バックプレッシャーレギュレーター)
14 排出経路
15 イオン源ガス導入経路
17 イオン源排気流量制御装置
18 イオン源排出ガス排出経路

Claims (3)

  1. ガスクロマトグラフの分離カラムで試料ガス中の微量不純物を分離し、当該微量不純物をイオン源部でイオン化し、質量分離する質量分析装置を用いるガス中の微量不純物の分析方法において、
    前記質量分析装置に供給するガスの量と、該質量分析装置から排出するガスの量を調整することにより、前記分離カラムから前記イオン源部までの圧力を、大気圧よりも高く維持しながら分析を行うものであり、
    質量分析装置から排出するガスの量の調整が、前記イオン源部の後段側に設けられた排出経路から排出するガスの量と、前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間に設けられた排出経路から排出するガスの量の両方を調整するものであることを特徴とするガス中の微量不純物の分析方法。
  2. 前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間に設けられた排出経路またはイオン源部後段側に設けられた排出経路の少なくとも一方の背圧を基準として、前記質量分析装置に供給するガスの量と、該質量分析装置から排出するガスの量を調整することを特徴とする請求項1に記載の分析方法。
  3. ガスクロマトグラフと、該ガスクロマトグラフの分離カラムで分離された試料ガス中の微量不純物をイオン源部でイオン化し、質量分離する質量分析装置を用いてガス中の微量不純物の分析装置において、
    前記分離カラムから前記イオン源部の圧力を、大気圧よりも高い圧力に制御する制御手段を備え、
    この制御手段が、当該質量分析装置に供給するガスの量を調整する流量制御手段と、該質量分析装置から排出するガスの量を調整する流量制御手段とからなり、
    前記質量分析装置から排出するガスの量を調整する流量制御手段が、前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間またはイオン源部後段側に設けられた排出経路の少なくとも一方が具備する背圧制御手段と、
    前記イオン源部の後段側に設けられた排出経路から排出するガスの量を制御する流量制御手段と、
    前記分離カラムの出口と前記イオン源部の入口との間に設けられた排出経路から排出するガスの量を制御する流量制御手段とを備えていることを特徴とするガス中の微量不純物の分析装置。
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