JP4185221B2 - 射出成形同時絵付装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形と同時に型内で図柄や文字等が施された絵付シートを射出樹脂成形体の表面に一体的に接着積層して加飾積層製品を得るための射出成形同時絵付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
射出成形と同時に射出樹脂成形体の表面に絵付シートを一体的に接着する射出成形同時絵付方法としては、従来より幾つもの態様が提案されているが、それらの大半は、次の(a)〜(i)の工程の全部又は幾つかを記述順に又はその順番を入れ換えて、順次、又は複数の工程を同時に重複してもしくは並列的に行うようにされている(特公昭50−19132号、実公平3−56344号、特公平7−41637号公報等を参照)。
【0003】
(a)絵付シートを射出成形に用いられる雌型のパーティング面上に供給するシート供給工程。
(b)絵付シートを雌型のパーティング面に固定保持するクランプ工程。
(c)絵付シートを熱盤等により加熱軟化させる加熱軟化工程。
(d)絵付シートを真空吸引及び/又は圧空供給等により雌型のキャビティに沿わせるように延伸させる延伸工程(予備成形工程)。
(e)雌型と雄型の一方(通常は雌型)を他方(通常は雄型)側へ移動させて型締めを行う型締め工程。
【0004】
(f)雌型と雄型との間に形成されるキャビティ内に雄型側から流動状態の樹脂(熔融樹脂)を注入充填して射出成形を行う射出成形工程。
(g)雌型と雄型とを離間させる型開き工程。
(h)絵付シートのうちの射出樹脂成形体に接着付随させるべき部分を他の部分(余剰部分)から切り離すシートトリミング工程。
(i)絵付シートが接着積層された積層成形品を雄雌両成形型から取り出す取出工程。
【0005】
なお、複数の工程を同時に重複して行うとは、複数の工程が一工程に含まれることをいい、例えば、前記(e)の型締め工程において絵付シートを雌型と雄型との間に挟んで固定保持するようになせば、該型締め工程と同時に重複して前記(b)のクランプ工程が行われたことになり、また、前記(f)の射出成形工程において絵付シートを射出された熔融樹脂の熱と圧力により延伸させるようになせば、該射出成形工程と同時に重複して前記(d)の延伸工程が行われたことになる場合をいう。
【0006】
また、絵付シートとしては、製品種別に応じて貼合わせ積層シート(ラミネートシート)と転写シートのいずれかが用いられ、ラミネートシートである場合には、射出成形によりそのままで絵付けが行われたことになり、射出樹脂成形体の表面にシート全層が接着一体化して化粧層となる。それに対し、絵付シートが転写シートである場合には、射出樹脂成形体の表面に一体化した絵付シートのうちの支持体シートを剥離し、装飾層等の転写層のみを射出樹脂成形体側に残留させて化粧層となすことにより絵付けが完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記した如くの射出成形同時絵付方法により得るべき加飾積層製品には、例えば、図7に示される如くに、絵付シートSを外周から中央部内周にまで回り込ませる必要のある窓部(開口部)W等を設ける場合がある。前記窓部W等を設けるにあたっては、通常、図6に示される如くに、雌型キャビティ13の底部に、前記窓部W等に対応した凸状孤立部12aを突設しておき、前記延伸工程において、前記雌型キャビティ13に開口する真空吸引孔等を通じて絵付シートを真空吸引し、それによって、前記キャビティ13全体、すなわち、前記凸状孤立部12aの外周面にも絵付シートSを沿わせて密着させ、以後、前記した如くの射出成形工程等を行うようにされる。
【0008】
しかしながら、従来においては、上記のように雌型キャビティ13に凸状孤立部12aを突設して窓部W等を形成した場合には、図6に示される如くに、絵付シートSを真空吸引によって雌型キャビティ13(凸状孤立部12aを含む)に沿わせる延伸工程において、前記凸状孤立部12aにおける外周角部(ここでは4箇所)の根元付近にしわGが発生することが多い。このように、凸状孤立部12aにおける外周角部の根元付近にしわGが発生すると、図7に示される如くに、得られた加飾積層製品Pの窓部Wの4隅付近にしわGが残り、製品の品質を大きく低下させることになる。
【0009】
前記のようなしわGの発生は、延伸工程において、絵付シートSがしわ発生部位より先にその両側の部位に吸引密着せしめられたことに起因していると考えられる。
かかるしわGの発生を抑えるための一つの方策として、絵付シートの加熱条件を調節すること、例えば、しわGが発生しやすい部位の加熱温度を他の部位より高く設定すること等が考えられるが、絵付シートの加熱温度を精密に調節することは極めて難しく、安定的な改善は見込めない。
【0010】
本発明は、上述した如くの従来の問題を解消すべくなされたもので、その目的とするところは、絵付シートの延伸工程において、凸状孤立部の外周角部にしわが発生しないようにでき、もって、窓部等にしわが生じていない高品質の加飾積層製品を得ることのできる射出成形同時絵付装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成すべく、本発明に係る射出成形同時絵付装置は、基本的には、雌型及び雄型と、絵付シートを前記雌型のパーティング面に押圧して固定保持するクランプ手段と、前記絵付シートを前記雌型のキャビティに沿うように延伸させる真空吸引手段と、前記雌型と雄型との間に形成されたキャビティ内に前記雄型側から流動状態の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、を備え、前記雌型には、得るべき加飾積層製品の窓部等を形成するための、キャビティ底部から突出する凸状孤立部が設けられており、前記真空吸引手段による前記絵付シートの吸引を、前記凸状孤立部の外周角部から優先的に行うようにされていることを特徴としている。
【0012】
本発明装置の好ましい具体的な態様では、前記凸状孤立部における外周角部の根元付近に真空吸引用の溝ないし孔が設けられる。
また、他の好ましい態様では、前記凸状孤立部が入れ子型とされ、この凸状孤立部と雌型本体部との間に真空吸引用の隙間が形成される。
この場合、より好ましい態様では、前記凸状孤立部における外周角部の根元付近及び/又はこれに対向する前記雌型本体部の対向部位に、前記真空吸引用の隙間より広い真空吸引用の溝ないし孔が設けられる。
【0013】
上記の如くの構成とされた本発明に係る射出成形同時絵付装置の好ましい態様においては、凸状孤立部における外周角部の根元付近に真空吸引用の溝ないし孔が設けられて、真空吸引手段による絵付シートの吸引を、前記凸状孤立部の外周角部から優先的に行うようにされている。言い換えれば、絵付シートの延伸工程において、絵付シートは、まず最初に、しわの発生しやすい凸状孤立部における外周角部の根元付近に、そこに設けられた真空吸引用の溝ないし孔を通じて吸引されて、そこに沿うように密着せしめられ、しかる後、その両側周辺部に沿うように吸引密着せしめられる。
【0014】
このように、絵付シートの吸引を凸状孤立部の外周角部から優先的に行うようにしたことにより、絵付シートの延伸工程において、凸状孤立部の外周角部にしわが発生しないようにでき、その結果、窓部等にしわが生じていない高品質の加飾積層製品を得ることができる。
【0015】
また、しわの発生を気にする必要がなくなったので、絵付シート加熱条件の制約が低減され、加熱条件を柄伸び等の他の不具合の対応に当てることが可能となった。
本発明の射出成形同時絵付装置において、雄雌両成形型は、鉄等の金属あるいはセラミックス等で作製され、それらに必要に応じて、真空吸引や圧空供給用に小孔(真空吸引孔等)を設ける。
【0016】
また、雌型を複数の分割部分の集合体で構成(いわゆる入れ子構造に)し、隣合う分割部分間にスリット状の隙間を形成してこの隙間を真空吸引孔として用いて真空吸引を行うようにしてもよい。本発明装置では、好ましくは、前記のように、凸状孤立部を入れ子型として、それと雌型本体部との間に真空吸引用の隙間を形成し、さらに好ましくは、前記凸状孤立部における外周角部の根元付近及び/又はこれに対向する前記雌型本体部の対向部位に、前記真空吸引用の隙間より広い真空吸引用の溝ないし孔を設け、これによって、絵付シートの吸引を凸状孤立部の外周角部から優先的に行うようになす。
【0017】
前記雄型には、流動状態の樹脂を射出するためのランナーとゲートを設ける。ランナー、ゲートの本数、位置、形状等は、得るべき製品の形状等を勘案して自由に設定することができる。
【0018】
また、本発明装置においては、通常、ロール状に巻き取られた長尺帯状の絵付シート(シートロール)を先端側から1ショット分ずつ順次巻き出し、この巻き出された絵付シートの先端側1ショット分を前記雌型のパーティング面上に搬送するシート供給手段が備えられる。このシート供給手段としては、その搬送方式により二つに大別できる。その一つは、例えば、特開昭60−212314号公報や実公平1−10185号公報等にも見られるように、ロール状に巻き取られた長尺帯状の絵付シートの1ショット分を雌型上流から巻出機で巻き出すとともに、雌型下流にて巻取機で巻き取る巻き出し巻き取り方式(ロール/ロール方式)をとるものであり、他の一つは、例えば特開平6−315950号等にも見られるように、巻出機、搬送チャック、受取固定チャックを有し、前記巻出機から巻き出される長尺帯状の絵付シートの先端部付近を前記搬送チャックで把持してその1ショット分を前記雌型のパーティング面上に供給するとともに、シート先端部を受取固定チャックに受け取らせて把持固定し、かかる状態で、クランプ手段により絵付シートを雌型パーティング面上に押圧して固定保持し、しかる後、絵付シートをクランプ手段より上流側で幅方向に切断して枚葉シートとなす搬送チャック方式をとるものである。
【0019】
さらに、絵付シートを雌型パーティング面に押圧固定すべくクランプ手段を付設する。クランプ手段としては、枠状ないし井桁状の押さえ板等を用いることができ、その駆動は、型締め動作等の成形用駆動力を用いたり、イジェクターピン駆動機構の動力を利用したりすることができる他、別途に流体圧アクチュエーター等の駆動手段を設けることによりなされる。
【0020】
絵付シートは、基材シートとその上に積層された装飾層からなり、基材シートを成形品と密着一体化させたまま最終製品として使用する貼り合わせ積層シート(ラミネートシート)、あるいは一旦絵付シートと成形品とを一体化させた後、装飾層(転写層)のみを成形品側に残して基材シート(支持体シート)を剥離する転写シートのいずれも使用することができる。
【0021】
前記貼合わせ積層シートの場合、基材シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を用いることができる。基材シートの厚さは、通常20〜500μm程度である。装飾層としては、印刷絵柄、着色又は透明塗装、金属薄膜、あるいは、硬質塗膜、防曇塗料、導電性層等の機能性層等を用いることができる。
【0022】
前記転写シートの場合は、一旦剥離性の支持体シート上に形成した絵柄層等よりなる転写層を、別の被転写体に転移させるためのもので、支持体シート上には必要に応じて離型層を設けても良く、転写層としては、剥離層、装飾層、接着剤層、等からなり、装飾層以外の層は必要に応じて選択する。装飾層としては、絵柄層、金属薄膜層(部分又は全面)あるいは硬質塗膜、防曇塗膜、導電性層等の機能性層から選ばれる。
【0023】
支持体シートは、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィルムあるいはそれらの積層体が好ましい。
【0024】
射出成形用の樹脂としては、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂を加熱熔融して液状ないし流動状態となったもの、あるいは、二液硬化型、触媒硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等の未硬化液等の射出成形同時絵付用として従来より知られている材料を使用でき、製品の要求物性やコスト等に応じて選定される。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1、図2は、本発明に係る射出成形同時絵付装置の一実施形態を示している。
本実施形態の射出成形同時絵付装置10により得るべき加飾積層製品は、前述した図7に示される如くの、窓部Wを有する縦断面外形がコ字状の比較的深絞り形状の角形のトレー形パネルであり、射出樹脂成形体Pr(図2)の表面(窓部Wを含む)に、例えば木目模様の装飾層を有する絵付シートS(ラミネートシート)を接着積層したものである。
【0026】
本実施形態の射出成形同時絵付装置10においては、前記積層製品に対応した凹凸形状の雌型12と雄型30とを備え、雌型12は、その底部(図の左端側)が図示していない可動盤に固定されていて、流体圧シリンダのラムにより水平方向(図1のX方向)、言い換えれば、雄型30に対して接近離隔する方向に進退動するようされている。
【0027】
なお、本実施形態では、上記のように雌型12が可動型とされていて水平方向に移動するようにされているが、これに限定される訳ではなく、例えば、雄型、雌型を上下に対向配置してそれらの一方(この場合でも、通常は雌型の方)を鉛直方向に移動させる等の形態を採用することもできる。
【0028】
前記雌型12には、得るべき加飾積層製品Pに対応したキャビティ13が設けられるとともに、前記積層製品Pの窓部Wを形成するための、キャビティ13底部から突出する断面矩形の凸状孤立部12aが設けられている。この凸状孤立部12aは、雌型本体部12Aの略中央部に組み込まれた断面T字状の入れ子型12Bの天辺部からなっている。
【0029】
前記キャビティ13には、絵付シートSを該キャビティ13に沿わせるように延伸させるべく、真空吸引するための複数本の真空吸引孔15がコーナー部付近に開口せしめられ、この真空吸引孔15、15、…は、真空吸引通路18及び導管19を介して外部の真空ポンプ等からなる真空源(図示せず)に接続されている。
【0030】
また、前記入れ子型12Bの縦辺部と前記雌型本体部12Aとの間には、図3に拡大図示されているように、前記真空吸引通路18に連通する環状の連通路16が形成され、また、前記凸状孤立部12a(の下面)と雌型本体部12A(のキャビティ13の底面)との間には、前記連通路16に連通するように、間隔維持用のスペーサ(図示せず)等が挿入されている環状の真空吸引用の隙間17が形成されている。
【0031】
そして、さらに、前記凸状孤立部12aにおける外周角部(4箇所)の根元付近(下面側)には、図4及び図5(図4のV矢視部分拡大図)に示される如くに、前記連通路16に連通する、前記真空吸引用の隙間17より広い(厚みが大きな)真空吸引用の溝40が穿設されている。該溝40は、凸状孤立部12aの外周角部の丸み(アール)に沿う形状の弧状溝部41と該弧状溝部41と前記連通路16とを結ぶ直線部42とからなっている。
【0032】
上記に加え、前記雌型12のパーティング面14の外周側には、Oリング22が装着された環状の装着溝23が設けられている。前記Oリング22は、後述する矩形枠状ないし井桁状のクランパー20が、間に絵付シートSを挟んで雌型12のパーティング面14に押し付けられた際、前記キャビティ12と外部とを気密的に遮断する役目を果たす。
【0033】
一方、前記雄型30は、射出成形機のノズルが装着される固定盤に固定されており、この雄型30には、前記積層製品形状に対応した凸状コア部31が設けられるとともに、その内部には、熔融樹脂射出用の2本のゲート33、33とそれに連なるランナー32が設けられている。
【0034】
また、本装置10には、図示はされていないが、ロール状に巻き取られた長尺帯状の絵付シートを先端側から1ショット分ずつ順次巻き出し、この巻き出された絵付シートSの先端側1ショット分を前記雌型12のパーティング面14上に搬送するシート供給機構が備えられている。このシート供給機構は、図示は略すが、前記の巻き出し巻き取り方式、及び搬送チャック方式のいずれを用いてもよい。
【0035】
さらに、前記雌型12には、供給された1ショット分の絵付シートSを前記パーティング面14上に押圧して固定保持すべく、矩形枠状ないし井桁状のクランパー20が設けられている。このクランパー20は、その四隅に連結された4本の摺動ロッド(図示省略)を介して図示されていない駆動手段により前記パーティング面14に対して垂直方向(図のX方向)に進退動できるようになっている。
【0036】
また、予備成形を行うべく、絵付シートを加熱軟化させるための、例えば非接触の赤外線加熱方式の熱盤80を備える。熱盤80は、図示していない熱盤駆動機構により、前記雌型12の一側の待機位置から前記雌型12のパーティング面14上のシート加熱位置(図1に示される位置)に移動せしめられるようになっている。
【0037】
上記した如くの構成とされた射出成形同時絵付装置10により、射出成形同時絵付けを行うにあたっては、まず、シート供給機構により1ショット分の絵付シートSを雌型パーティング面14上に供給し、続いて、クランパー20をパーティング面14側に前進させて、絵付シートSをこのクランパー20によって前記パーティング面14に押圧固定し、次いで、熱盤80を、クランパー20により押圧固定されている絵付シートS上のシート加熱位置まで移動させて、絵付シートSを、その表面温度が例えば100°Cとなるまで加熱軟化させる。
【0038】
続いて、前記真空吸引通路18、雌型キャビティ13に開口する真空吸引孔15、前記入れ子型12Bの縦辺部と前記雌型本体部12Aとの間に設けられた連通路16、前記凸状孤立部12a(の下面)と雌型本体部12A(のキャビティ13の底面)との間に形成された真空吸引用の隙間17、前記凸状孤立部12aにおける外周角部(4箇所)の根元付近(下面側)に設けられた真空吸引用の溝40等で構成される真空吸引手段による真空吸引を行って、前記絵付シートSを雌型キャビティに沿って密着させるべく延伸させる(図1の延伸工程)。
【0039】
ここで、上記延伸工程においては、前記凸状孤立部12aにおける外周角部の根元付近に設けられた真空吸引用の溝40(図5参照)を通じて、絵付シートの吸引を、前記凸状孤立部12aの外周角部から優先的に行うようにされている。言い換えれば、絵付シートSの延伸工程において、絵付シートSは、まず最初に、しわの発生しやすい凸状孤立部12aにおける外周角部の根元付近に、そこに設けられた真空吸引用の溝40を通じて吸引されて、そこに沿うように密着せしめられ、しかる後、前記真空吸引用の隙間17を通じてその両側周辺部に沿うように吸引密着せしめられる。
【0040】
このように、絵付シートSの吸引を凸状孤立部12aの外周角部から優先的に行うようにしたことにより、絵付シートSの延伸工程において、凸状孤立部12aの外周角部にしわが発生しないようにでき、その結果、窓部等にしわが生じていない高品質の加飾積層製品を得ることができる。
また、しわの発生を気にする必要がなくなったので、絵付シート加熱条件の制約が低減され、加熱条件を柄伸び等の他の不具合の対応に当てることが可能となった。
【0041】
なお、延伸工程後は、図2に示される如くに、雌型12を雄型30側に前進させて、雄型30と雌型12との型締めを行って、両成形型12、30間に成形キャビティを形成し(型締め工程)、続いて、前記成形キャビティ内に流動状態の樹脂Prを注入充填し、得られる射出樹脂成形体と前記絵付シートSとを積層して一体化させ(射出成形工程)、その後、前記射出樹脂成形体が完全に固化した後、前記雌型12を元の位置まで後退させて、雄雌両成形型12、30の型開きを行い(形開き工程)、得られた積層成形品を当該雄雌両成形型間から取り出し、その後、積層成形品における絵付シートの余剰部分をトリミングするトリミング工程等を行う。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、絵付シートの延伸工程において、凸状孤立部の外周角部にしわが発生しないようにでき、その結果、窓部等にしわが生じていない高品質の加飾積層製品を得ることのできる射出成形同時絵付装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形同時絵付装置の一実施形態の全体構成(延伸工程)を示す縦断面図。
【図2】図1に示される装置の射出成形工程を示す縦断面図。
【図3】図1に示される装置の凸状孤立部周辺を示す部分拡大横断面図。
【図4】図1に示される装置の凸状孤立部を示す斜視図。
【図5】図4のV矢視部分拡大図。
【図6】絵付シートに発生するしわの説明に供される斜視図。
【図7】窓部にしわが発生した加飾積層製品の一例を示す斜視図。
【符号の説明】
S 絵付シート
W 窓部
10 射出成形同時絵付装置
12 雌型
12a 凸状孤立部
12B 入れ子型
13 キャビティ
14 パーティング面
15 真空吸引孔
16 連通路
17 真空吸引用の隙間
20 クランパー
30 雄型
40 真空吸引用の溝

Claims (4)

  1. 雌型及び雄型と、絵付シートを前記雌型のパーティング面に押圧して固定保持するクランプ手段と、前記絵付シートを前記雌型のキャビティに沿うように延伸させる真空吸引手段と、前記雌型と雄型との間に形成されたキャビティ内に前記雄型側から流動状態の樹脂を注入充填する樹脂射出手段と、を備え、前記雌型には、得るべき加飾積層製品の窓部等を形成するための、キャビティ底部から突出する凸状孤立部が設けられており、前記真空吸引手段による前記絵付シートの吸引を、前記凸状孤立部の外周角部から優先的に行うようにされていることを特徴とする射出成形同時絵付装置。
  2. 前記凸状孤立部における外周角部の根元付近に真空吸引用の溝ないし孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の射出成形同時絵付装置。
  3. 前記凸状孤立部が入れ子型とされ、この凸状孤立部と雌型本体部との間に真空吸引用の隙間が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形同時絵付装置。
  4. 前記凸状孤立部における外周角部の根元付近及び/又はこれに対向する前記雌型本体部の対向部位に、前記真空吸引用の隙間より広い真空吸引用の溝ないし孔が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の射出成形同時絵付装置。
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