JP4184477B2 - チューブ状容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、突刺密封性フィルムに突刺注出具を突き刺して外気が容器内に混入しない状態で内容物を取り出すことのできるチューブ状容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各家庭等で使用されている液体洗剤等の詰め替え用の包装袋としては自立性袋の形状のものが一般的であり、小出し容器に洗剤を詰め替えるには、通常の自立袋の場合は上端角部をカットして開口を形成してその開口から小出し容器に詰め替える方法により、また、上端部に注出口が形成された自立袋の場合は注出口から小出し容器に詰め替える方法により行われている。しかしながら、上記のようにして詰め替える場合には、小出し容器の口部が狭いこともあって、詰め替えに手間がかかる上に詰め替えの際に内容物を零してしまうおそれがあった。また、詰め替え時に内容物に外気が混入するので内容物の変質や微生物の繁殖等の問題があり、液体歯磨き等のように口に入れて使用する内容物の包装用としては好ましくないという欠点があった。
【0003】
それらの欠点を改良した、小出し容器に内容物を詰め替える必要のない液体収納袋としては、例えば、特許第2661868号に記載されているような、注出具の先端を袋に突き刺して内容物を取り出すことのできる液体収納袋が知られている。この液体収納袋は、延伸ナイロンとポリオレフィン系フィルムとからなる第1のラミネートフィルムにて底部以外の部分を形成し、未延伸ナイロンとポリオレフィン系フィルムとからなる第2のラミネートフィルムにて底部を形成したスタンドパックタイプの袋であって、この液体収納袋は小出し容器本体の内部に上下逆にして収納し、ポンプ部材を備えた蓋体を小出し容器本体の上端に取り付けると同時に、ポンプ部材のチューブをスタンドパックタイプの液体収納袋の底部を形成するフィルムに突き刺して内容物を取り出す構成のものである。この液体収納袋の場合、詰め替える手間が省け且つ清潔さを保つことができるが、液体収納袋の形状がスタンドパックタイプであって、液体収納袋の上下を逆にして使用されるものであり、洗面台や化粧台に置く商品に要求される省スペース化、スリムボディ化の点で劣るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、突刺注出具を突刺密封性フィルムに突き刺すだけで外気が容器内に混入しない状態で簡単に内容物を取り出すことのできるチューブ状容器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
内面に熱可塑性樹脂層を有する可撓性に優れた筒状体の一方の端部に密封性を保持させた状態で突き刺し可能な蓋材が熱接着されるとともに他方の端部を折り畳んで熱接着し内容物を収納したチューブ状容器であって、前記筒状体の一方の筒状の開口状態のままの端部の内側周面に中央部に大きい円形の開口を有する環状体である注出口が当該注出口の外周面が熱接着されることにより取り付け形成され、前記突き刺し可能な蓋材が前記注出口の前記開口を覆って前記注出口の上端を成す環状の平面に熱接着され、かつ、突刺し注出具の突刺し筒を突き刺した状態において密封性が確保されてなることを特徴とするチューブ状容器である。この場合、突刺し注出具の突刺し筒を突き刺し可能な蓋材に突き刺してポンプにより吸い出すことにより、簡単に内容物を取り出すことができる。また、筒状体が可撓性を有するので収納されている内容物が減少するにつれて筒状体が圧潰されて容積が減少してゆき内容物を残らず取り出すことができる。上記の形状とすることにより容器のスリム化が可能となり、省スペース化が求められる洗面台や化粧台に置く容器として特に適したものとなる。
【0006】
上記のチューブ状容器において、突き刺し可能な蓋材を可撓性の優れたポリオレフィン系樹脂により構成するか、ないしは突き刺し可能な蓋材を外面側をガスバリヤー性の優れたプラスチック層とし内面側を可撓性の優れたポリオレフィン系樹脂とした構成とすることにより、突き刺し可能な蓋材に突刺し筒を突き刺した際の密封性を確保することができる。また、内容物の保存性に優れたチューブ状容器とすることができる。
【0007】
上記のチューブ状容器において、四角形状の積層フィルムの対向する端縁を重ねて熱接着して形成した筒状体ないしはプラスチックの押出成形により成形した筒状体を使用し、筒状体の端部に射出成形により開口を有する注出口を成形して取り付けた構成とすることにより、注出口に突刺密封性フィルムを熱接着により取り付けて密封することが容易となる。
【0008】
上記のチューブ状容器において、注出口が形成された筒状体をプラスチックのブロー成形により作製することにより、製造工程を簡略化することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を引用して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明のチューブ状容器の第1実施形態を示す斜視図、図2(イ)は図1におけるI−I断面図で(ロ)は(イ)と直角方向の断面図、図3は第1実施形態における内容物を取り出した状態を示す図2(イ)に対応する断面図、図4は本発明の第2実施形態を示す図2(ロ)に対応する断面図、図5は第1実施形態のチューブ状容器を小出し容器に収納して内容物を取り出す状態を示す断面図であって、1,1’はチューブ状容器、2,2’は筒状体、3は側端熱接着部、4は底熱接着部、5,5’は注出口、6,6’は開口、7は突刺密封性フィルム、8は注出口熱接着部、10は小出し容器本体、11は蓋体、12は係合部、13はポンプ付注出具、14は突刺し筒をそれぞれ表す。
【0010】
本発明の第1実施形態のチューブ状容器1は図1、図2に示すとおりである。四角形状の積層フィルムの対向する端縁を重ね合わせて側端熱接着部3にて接着して形成された筒状体2からなり、筒状体2の一方の端縁にプラスチックの成型品からなり中央部に開口6を備えた注出口5が取り付けられ、注出口5の開口6を覆って突刺密封性フィルム7が注出口熱接着部8にて熱接着されて密閉されるとともに、他方の端縁は筒状体2を折り畳んで底熱接着部4にて密封された構成である。第1実施形態においては、四角形状の積層フィルムの対向する端縁を重ね合わせ熱接着して形成された筒状体2を使用しているが、プラスチックの押出成型により作製された筒状体を使用してもよく、その場合はガスバリヤー層を含む多層押出しによりガスバリヤー性の筒状体とするのが好ましい。
【0011】
第1実施形態の断面形状は図2(イ)、(ロ)に示すとおりであり、筒状体2に取り付けられる注出口5はプラスチックの射出成型により作製されるものであり、注出口5の形状は中央部に大きい円形の開口6を備えた環状体である。注出口5は筒状体2の一方の端縁の内側に挿入されて筒状体2の内面と注出口5の外周面とが熱接着されて取り付けられている。注出口5には開口6を覆って円形の突刺密封性フィルム7が周縁の注出口熱接着部8にて熱接着されて密封されている。筒状体2の他方の端縁は筒状体2を折り畳んで底熱接着部4にて対向する積層フィルムの内面間を接着して密封された構成である。第1実施形態の筒状体2を作製するために使用する積層フイルムとしては、積層フィルムの対向する端縁を重ね合わせて側端熱接着部3にて接着して形成されるものであるため、内面および外面が熱可塑性樹脂層からなる構成のものを使用することが必要である。
【0012】
本発明のチューブ状容器から内容物を取り出すにはポンプ付注出具を使用して行う。図3に示すように、ポンプ付注出具の突刺し筒14を突刺密封性フィルム7を貫通させてチューブ状容器1の内部に突き刺してポンプを操作することにより内容物を小出しして取り出すことができる。突刺し筒14を突刺密封性フィルム7を貫通させて突き刺した際に、突き刺し部において突刺し筒14と突刺密封性フィルム7間の気密性が保持されるので、内容物が取り出されて減少してくるとそれにつれてチューブ状容器の筒状体2が圧潰されて容積も減少してくる。したがって、内容物を残らず取り出すことができるものである。
【0013】
本発明の第2実施形態のチューブ状容器1'は、第1実施形態のチューブ状容器1のように、筒状体2の一方の端縁にプラスチックの射出成型により作製された注出口5を取り付けた構成ではなく、図4に示すとおりであって、プラスチックのブロー成型により作製された注出口5'付き容器の底部を切断して除去することにより作製されるもので、筒状体2'の一方の端縁に一体的に注出口5'が形成された構成からなり、注出口5'の開口6を覆って周縁部に円形の突刺密封性フィルム7が熱接着されて密封されており、筒状体2'の他方の端縁は筒状体2'を折り畳んで底熱接着部4にて密封された構成である。第2実施形態のチューブ状容器1'は、プラスチックのブロー成型により作製されるものであり、ポリオレフィン系樹脂からなる単層構成、外面層および内面層がポリオレフィン系樹脂からなり中間層がガスバリヤー性プラスチックからなる多層構成とすることができる。
【0014】
内容物を取り出すための小出し容器としては、例えば、図5に示すような、小出し容器本体10とポンプ付注出具13を備えた蓋体11とからなり蓋体11の係合部12を小出し容器本体10のフランジに係合させて取り付けられる小出し容器が使用できる。小出し容器本体10の内部にチューブ状容器1を挿入して、蓋体11の係合部12を小出し容器本体10のフランジに係合して蓋体11を取り付けると同時に突刺し筒14を突刺密封性フィルム7に突き刺して突刺し筒14の先端をチューブ状容器1の内部に差し込み、ポンプ付注出具13を操作することにより内容物を小出しすることができる。チューブ状容器1内の内容物が取り出されて減少してゆくと、突刺し筒14が突き刺された突刺密封性フィルム7の突き刺し部は気密性が保持されているので、外部から空気がチューブ状容器1内に進入することがなく、内容物の減少した容積分だけ筒状体2が圧潰されてゆき、図3に示すように、チューブ状容器1に収納された内容物を残らず取り出すことができる。小出し容器を各家庭等に備えておくことにより、使い終わった際に新しいチューブ状容器と取り替えるだけで、詰め替え用として繰り返し使用できる。
【0015】
注出口の開口を覆って接着する突刺密封性フィルムとしては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー(IO)およびエチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMA)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)等のエチレン−アクリル酸系モノマー共重合体からなるポリオレフィン系フィルム、ないしは上記の2種類以上の樹脂からなる多層フィルムが使用される。多層構成のフィルムとすることにより突き刺し性、突き刺し密封性の優れたものとすることができる。突刺密封性フィルムの積層構成としは、例えば、LLDPE/MDPE/LLDPE、LLDPE/MDPE/LDPE/MDPE/LLDPE、LLDPE/EVA/LLDPE、LLDPE/IO/LLDPE、LLDPE/EAA/LLDPE、LLDPE/EEA/LLDPE、LLDPE/EMA/LLDPE、LLDPE/EMMA/LLDPE等である。多層の突刺密封性フィルムを製造するには共押出しが適しており、必要により層間に接着樹脂層を入れてもよい。
【0016】
突刺密封性フィルムを構成するポリエチレンとしては、低密度ポリエチレンは密度が0.915〜0.925のものが、線状低密度ポリエチレンは密度が0.915〜0.925のものが、中密度ポリエチレンは密度が0.930〜0.935のものがよい。突刺密封性フィルムの厚さとしては、0.10〜0.20mmが好ましく、3層構成とする場合の厚さの比率は、1.0:0.2〜0.8:1.0が好ましい。
【0017】
ガスバリヤー性の優れた突刺密封性フィルムとしては、上記のポリオレフィン系フィルムの外側に、ガスバリヤー性の優れたプラスチック層を積層した構成のものが使用できる。ガスバリヤー性の優れたプラスチック層としては、未延伸ナイロン(CN)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)コート未延伸ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等が使用できる。ガスバリヤー性の優れた突刺密封性フィルムの構成としては、例えば、CN/接着剤/LLDPE/MDPE/LLDPE、PVDCコートCN/接着剤/LLDPE/MDPE/LLDPE、EVOH/接着剤/LLDPE/MDPE/LLDPE等である。
【0018】
第1実施形態のチューブ状容器の筒状体を作製するための積層フィルムとしては、外面層と中間層と内面層の積層体からなり、外面層および内面層が低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリオレフィン系樹脂であり、中間層が2軸延伸フィルム、アルミニウム箔(AL)と2軸延伸フィルムの積層体、金属ないしは金属酸化物を蒸着した2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)等である構成のものが使用される。積層フィルムの構成としては、例えば、LLDPE/PET/接着剤/AL/LLDPE、LLDPE/金属酸化物蒸着PET/LLDPE、LLDPE/PET/金属酸化物蒸着PET/LLDPE等であり、積層フィルムの厚さは300〜500μが適当である。絵柄は中間層となるフィルム面にグラビア印刷方式等により印刷した後に積層される。
【0019】
プラスチックの押出成型により作製される筒状体の構成、ないしはブロー成形により作製される注出口が形成された筒状体の構成としては、例えば、LLDPE/高密度ポリエチレン(HDPE)/LLDPE、LLDPE/エチレン−ビニルアルコール共重合(EVOH)/LLDPE、ポリプロピレン(PP)/EVOH/PP、LDPE/ポリ塩化ビニリデン系樹脂/LDPE等であり、必要により各層間に接着層を介在させてもよい。絵柄は筒状体を成形した後にその表面に紫外線硬化型インキを使用したオフセット印刷等により行われる。
【0020】
【発明の効果】
内面に熱可塑性樹脂層を有する可撓性に優れた筒状体の一方の端部に密封性を保持させた状態で突刺密封性フィルムが熱接着されるとともに他方の端部を折り畳んで熱接着した構成のチューブ状容器であるので、突刺し注出具の突刺し筒を突刺密封性フィルムに突き刺してポンプにより吸い出すことにより、簡単に内容物を取り出すことができる。また、筒状体が可撓性を有するので収納されている内容物が減少するにつれて容積が縮小してゆき内容物を余すことなく取り出すことができる。上記の形状とすることにより容器のスリム化が可能となり、省スペース化が求められる洗面台や化粧台に置く容器として特に適したものとなる。
上記のチューブ状容器において、突刺密封性フィルムを可撓性の優れたポリオレフィン系樹脂により構成するか、ないしは突刺密封性フィルムを外面側をガスバリヤー性の優れたプラスチック層とし内面側を可撓性の優れたポリオレフィン系樹脂とした構成とすることにより、突刺密封性フィルムに突刺し筒を突き刺した際の突き刺し部における密封性を確保することができ、内容物の保存性に優れたチューブ状容器とすることができる。
上記のチューブ状容器において、四角形状の積層フィルムの対向する端縁を重ねて熱接着した筒状体ないしはプラスチックの押出成形により成形した筒状体を使用し、筒状体の端部に射出成形により開口を有する注出口を成形して取り付けた構成とすることにより、注出口に突刺密封性フィルムを熱接着により取り付けて密封することができるとともに、ガスバリヤー性および印刷効果の優れたチューブ状容器とすることができる。
また、注出口が形成された筒状体をプラスチックのブロー成形により作製することにより、製造工程が簡略化され低価格化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチューブ状容器の第1実施形態を示す斜視図。
【図2】(イ)は図1におけるI−I断面図で(ロ)は(イ)と直角方向の断面図。
【図3】第1実施形態における内容物を取り出した状態を示す図2(イ)に対応する断面図。
【図4】本発明の第2実施形態を示す図2(ロ)に対応する断面図。
【図5】第1実施形態のチューブ状容器を小出し容器に収納して内容物を取り出す状態を示す断面図。
【符号の説明】
1,1’ チューブ状容器 10 小出し容器本体
2,2’筒状体 11 蓋体
3 側端熱接着部 12 係合部
4 底熱接着部 13 ポンプ付注出具
5,5’ 注出口 14 突刺し筒
6,6’ 開口
7 突刺密封性フィルム
8 注出口熱接着部
Claims (1)
- 内面に熱可塑性樹脂層を有する可撓性に優れた筒状体の一方の端部に密封性を保持させた状態で突き刺し可能な蓋材が熱接着されるとともに他方の端部を折り畳んで熱接着し内容物を収納したチューブ状容器であって、前記筒状体の一方の筒状の開口状態のままの端部の内側周面に中央部に大きい円形の開口を有する環状体である注出口が当該注出口の外周面が熱接着されることにより取り付け形成され、前記突き刺し可能な蓋材が前記注出口の前記開口を覆って前記注出口の上端を成す環状の平面に熱接着され、かつ、突刺し注出具の突刺し筒を突き刺した状態において密封性が確保されてなることを特徴とするチューブ状容器。
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