JP4182839B2 - 中性嵩高紙および中性嵩高紙の製造方法 - Google Patents

中性嵩高紙および中性嵩高紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、嵩高かつ摩擦係数低下が小さく、更にサイズ度が高い中性嵩高紙と、その製造法に関する。
近年の活字離れを反映して、急激にコミック本やペーパーバックが普及してきた。これに伴い、紙にも軽量化が求められている。ここで、紙の軽量化とは、紙の厚さは維持した上での軽量化、すなわち嵩高化(低密度化)のことを指す。環境問題が叫ばれている現在、森林資源から製造される製紙用パルプを有効に活用する上でも、紙の軽量化は避けて通れない問題である。
紙を嵩高にする従来の技術としては、パルプと疎水性繊維の混合物に架橋剤を反応させて得られる嵩高性パルプ組成物を使用する方法がある(特許文献1参照)。また、セルロースパルプ、特定形態のポリエステル複合繊維、および熱融着性バインダーとを混抄し、嵩高パルプシートを製造する方法がある(特許文献2参照)。しかし、架橋パルプや合成繊維等の使用は紙のリサイクルを不可能にしてしまうという問題がある。また、中空球状バテライト型炭酸カルシウムを充填して嵩高中性紙を製造する技術がある(特許文献3参照)が、特殊な填料であるという問題がある。また、パルプと加熱発泡性粒子とを抄紙して低密度の嵩高紙を製造する方法がある(特許文献4参照)。発泡性粒子を用いる方法では紙力が著しく低下するという問題がある。また、バクテリアセルロースと発泡性粒子を用いる方法(特許文献5参照)があるが、バクテリアセルロースという特殊なセルロースを使用しなければならなく、実用的ではない。
また、界面活性剤を用いる方法では、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物を含有する紙用嵩高剤が開示されている(特許文献6参照)。また、非イオン界面活性剤を用いる方法がある(特許文献7参照)。また、多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物からなる紙用嵩高剤(特許文献8参照)が開示されており、この紙用嵩高剤を板紙に応用した技術がある(特許文献9参照)。この多価アルコールと脂肪酸のエステルを添加すると紙を嵩高にすることは可能であるが、同時に急激な紙の摩擦係数低下が起こるため、この方法で得られた紙をオフセット印刷する場合、紙流れと言われる紙の走行不良や、紙替え時のテンション変動などの印刷走行性上のトラブル問題が発生するという問題がある。
これらの嵩高剤を用いて紙を嵩高にする技術では、特別な方法や装置を用いないため比較的容易に嵩高紙を得ることができる。しかしながら、親水性が高い界面活性剤にはサイズ性を阻害する働きがある。一方、疎水性が高い界面活性剤を使用することにより、サイズ性が向上することが期待されるが、いまだその様な性能をもつ界面活性剤は存在していない。
非界面活性剤系の嵩高剤の技術としては、特定構造のカチオン性化合物、アミン、アミンの酸塩及び両性化合物から選ばれた少なくとも1種以上の化合物を含有する紙用嵩高剤が開示されている(特許文献10参照)。また、脂肪酸ポリアミドポリアミン型の嵩高剤もある。また、離水度が4%以上となる化合物であって、嵩、白色度、不透明度のいずれか2つ以上の紙質向上効果を有する化合物が記載されている(特許文献11参照)。更に、離水度が4%以上となる化合物であって、嵩、白色度、不透明度のいずれか1つ以上の紙質向上効果を有する化合物を使用するパルプシートの製造方法が開示されている(特許文献12参照)。
特許第2903256号明細書 特許第2591685号明細書 特許第1755152号明細書 特開平5-230798号公報 特開平11200282号公報 国際公開98/03730号パンフレット 特開平11-200283号公報 特許第2971447号明細書 特許第3041294号明細書 特開平11-269799号公報 特許第3283248号明細書 特開2003-105685号公報
本発明の課題は、嵩高かつ摩擦係数低下が小さく、更にサイズ度が高い中性嵩高紙と、その製造法を提供することにある。
主成分が炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸モノアミドである、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドの少なくとも1種類であり、そのエマルション粒子のレーザー回折散乱法で測定した平均粒子径が0.3〜20μmであり、かつ標準静摩擦係数低下率が20%以下である嵩高剤と、アルキルケテンダイマーサイズ剤とを併用することで解決できる。
炭素数が12〜22である直鎖状飽和脂肪酸モノアミドである、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドの少なくとも1種類を主成分とし、そのエマルション粒子のレーザー回折散乱法で測定した平均粒子径が0.3〜20μmであり、かつ標準静摩擦係数低下率が20%以下である紙用嵩高剤と、アルキルケテンダイマーサイズ剤とを内添併用し、中性抄紙して得られた紙は、嵩高かつ摩擦係数低下が小さく、更にサイズ度が高い。
第1の発明である中性嵩高紙の製造方法について説明する。本発明で使用する嵩高剤は、炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸モノアミドである、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドの少なくとも1種類を主成分とするものである。これは、炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸に1つのアミノ基が結合した構造であり、好ましくは炭素数16〜18の直鎖状飽和脂肪酸モノアミドである。炭素数が11以下では嵩高効果が劣り、炭素数が23以上では脂肪酸モノアミドの分散または乳化が不良となり良好な分散液が得られない。これら直鎖状飽和脂肪酸モノアミドは、単独で使用しても2種類以上を混合して使用してもよい。


また、本発明で使用する嵩高剤は、直鎖状飽和脂肪酸モノアミドを乳化分散したエマルションである。前記の直鎖状飽和脂肪酸モノアミドを熱水と乳化剤と共にホモミキサー等の乳化装置に入れ、乳化時に溶融温度以上にして熱溶融させ、乳化分散する。乳化剤の種類と添加量、乳化時の撹拌強度、乳化時間などを適宜調節して、良好な粒度分布を持つエマルション粒子が得られる。中でも乳化剤は重要である。乳化剤は、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性、から選ばれる1種類または2種類以上を組み合わせて使用される。
アニオン性の乳化剤としては、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、高級アルコール硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、硫酸化脂肪酸エステル、硫酸化オレフィン等の硫酸エステル類、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、パラフィンスルホン酸、スルホコハク酸ジエステル等のスルホン酸エステル類、高級アルコールリン酸エステル類等の燐酸エステルとアルカリ金属、アルカリ土類金属、あるいはアミン等の塩等が挙げられる。
カチオン性あるいは両性の乳化剤としては、塩化アルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩、塩化アルキルピリジウム塩、あるいはアルキルベタイン、カチオン化デンプン(第3級または第4級)などが挙げられる。
ノニオン性の乳化剤としては、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物等のポリエチレングリコール型、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリストールの脂肪酸エステル、ソルビトールの脂肪酸エステル、ソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等の多価アルコール型、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
エマルション粒子の平均粒子径は0.3〜20μmである。0.3μm未満でも20μmを超えても、嵩高性が低下する。この原因は明らかではないが、平均粒子径0.3μm未満の場合、抄紙時、湿紙中への該エマルション粒子の歩留まりが低い結果、嵩が出にくいことが考えられる。また、平均粒子径20μm超の場合、湿紙中のエマルション粒子の数が少ないため、湿紙中での該エマルション粒子の存在が不均一となり、嵩が出にくいことが考えられる。乳化剤の添加量については、エマルション粒子の平均粒子径が0.3〜20μmの範囲に入るように適宜決められ、特に限定はないが、通常、嵩高剤に対して0.1〜50重量%(有姿)の範囲が好ましい。0.1重量%未満では安定したエマルションが得難く、50重量%を超えて添加しても平均粒子径は小さくなり難い。更に、本発明の嵩高剤を充填した紙の紙質(嵩、摩擦係数、サイズ度を除く)をあまり変化させない観点から、0.1〜20重量%がより好ましい。
かくして得られる本発明で使用する嵩高剤は、エマルション粒子のレーザー回折散乱法で測定した平均粒子径が0.3〜20μmであり、濃度は0.5〜50重量%が好ましく、ゼータ電位は−50〜+50mVが好ましい。
炭素数が12〜22である直鎖状飽和脂肪酸モノアミドを主成分とし、そのエマルション粒子のレーザー回折散乱法で測定した平均粒子径が0.3〜20μmである嵩高剤は、下記に定義する標準静摩擦係数低下率が20%以下となる。
[標準静摩擦係数低下率の定義]
パルプ分としてLBKP(濾水度CSF450ml)を使用し、これに硫酸バンドを対パルプ当たり1.0固形分重量%(50固形分重量の硫酸バンド製品)、カチオン化デンプンを対パルプ当たり0.5重量%となるように添加して紙料を調製する。この紙料を使用し、実験用配向性抄紙機(熊谷理機工業)を用いて抄紙速度900m/minで、坪量60g/m2となるように抄紙する。抄紙した湿紙を4.18kg/cm2の有効プレス圧にてプレスし、鏡面ドライヤーを用い、105℃で3分間乾燥して手抄き紙を得る。この手抄き紙の静摩擦係数をISO 15359に準拠して測定し、これをAとする。硫酸バンド、カチオン化デンプンの他に嵩高剤を対パルプ当たり1.0固形分重量%添加して紙料を調製し、以下前記と同様の処理をして手抄き紙の静摩擦係数を測定し、これをBとする。次式から、標準静摩擦係数低下率を計算する。
標準静摩擦係数低下率(%)=100×(A-B)/A
尚、摩擦係数の測定は、F面とW面を重ね合わせ、MD方向について測定する。
第1の発明である中性嵩高紙の製造方法について説明する。本発明の中性嵩高紙は、各種パルプから通常の製紙工程によって製造される。原料パルプには化学パルプ、機械パルプ、古紙パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが出来る。なお、紙の原料に用いるパルプに機械パルプ及び/または古紙パルプが含まれた場合でも、前記の嵩高剤は良好な嵩高性を示す。
嵩高剤の添加場所は抄紙工程以前であり、内添される。抄造工程以前の場所であれば特に制限されるものではないが、好ましくはミキシングチェストや二次ファンポンプ前などであり、歩留向上剤を添加する前が良い。
嵩高剤はパルプ繊維間の結合の阻害要因となるために、一般に紙の強度が低下する傾向が見られる。また、ある一定以上の添加量を増やしても、その効果は頭打ちになることも散見される。そのため、原料パルプに対して嵩高剤を0.1〜20固形分重量%の範囲で添加することが好ましく、紙質(嵩、摩擦係数、サイズ度を除く)をあまり変化させずに効果を十分に発現させるには0.2〜5固形分重量%がより好ましい。
本発明者らは、前記の嵩高剤と、中性サイズ剤との併用について検討した結果、中性サイズ剤がアルケニル無水コハク酸(ASA)や中性ロジンサイズ剤の場合にはサイズ度が著しく低下または発現しなく、中性サイズ剤がアルキルケテンダイマー(AKD)の場合にのみ特異的に高いサイズ度が発現し、しかもAKDのみの添加に比較して、該嵩高剤とAKDを併用添加したほうが高いサイズ性を得ることができることを見出した。サイズ度を一定とすれば、AKD使用量を低減できるという効果が生じる。従って、本発明の中性嵩高紙の内添サイズ剤は、AKDに限定される。
一般に嵩高剤として使用される多価アルコールと脂肪酸のエステル化合物を添加すると嵩高化と同時に摩擦係数が急激に低下するが、前記の嵩高剤は摩擦係数の低下が抑えられるため、添加量を従来の嵩高剤よりも増やすことができ、その結果、より低密度の紙を製造できるという特徴がある。更に前述のように、中性サイズ剤であるAKDのサイズ発現性を促進するという特徴も有する。AKDは摩擦係数を低下させる特性があることは良く知られており、AKDを減配できれば、更に摩擦係数の低下を抑制できるという効果も生じる。このように、嵩高性に優れ、摩擦係数の低下が少なく、しかもサイズ発現を阻害しない嵩高剤は、未だかつて開発されていない。
中性嵩高紙は填料無配合でも良いし、配合しても良い。填料を配合する場合、填料としては中性抄紙で一般に使用されているものが使用でき、特に限定されるものではないが、例えば、クレー、焼成カオリン、デラミカオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、非晶質シリカ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛などの無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料が単独でまたは適宜2種類以上を組み合わせて使用される。
本発明の中性嵩高紙の製造方法において、従来から使用されている各種のノニオン性、カチオン性の歩留まり剤、濾水度向上剤、紙力向上剤等の製紙用内添助剤が必要に応じて適宜選択して使用される。
また、製紙用内添助剤を添加しても良く、例えば、硫酸バンド、塩化アルミニウム、アルミン酸ソーダや、塩基性塩化アルミニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等の塩基性アルミニウム化合物や、水に易分解性のアルミナゾル等の水溶性アルミニウム化合物、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の多価金属化合物、シリカゾル等が挙げられる。
その他製紙用助剤として各種澱粉類、ポリアクリルアミド、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド、ポリアミン樹脂、ポリアミン、ポリエチレンイミン、植物ガム、ポリビニルアルコール、ラテックス、ポリエチレンオキサイド、親水性架橋ポリマー粒子分散物及びこれらの誘導体あるいは変成物等の各種化合物を使用できる。
更に、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添剤を用途に応じて適宜添加することもできる。
抄紙機の型式は特に限定は無く、長網抄紙機、ツインワイヤー機、ヤンキー抄紙機等で適宜抄紙できる。プレス線圧は通常の操業範囲内で用いられる。サイズプレスの型式は限定はなく、2ロールサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、シムサイザーのような液膜転写方式サイズプレスなどを適宜用いることができる。キャレンダーは通常の操業範囲内の線圧で用いられるが、嵩高紙を製造する観点から、紙の平滑性を維持できる範囲で寝るべく低線圧が好ましく、また、ソフトキャレンダーが好ましい。
第2の発明である中性嵩高紙について説明する。本発明の中性嵩高紙は、嵩高性に優れ、摩擦係数が比較的に高く、かつサイズ度が高いという特徴を有する。該中性嵩高紙の用途は特に限定はないが、例えば、オフセット印刷用紙、筆記用紙として好適である。その他にも凸版印刷用紙、電子写真用紙、あるいはインクジェット記録用紙、感熱記録紙、感圧記録紙、PPC用紙、フォーム用紙などの情報記録用紙の中性原紙にも使用することができる。また、塗工紙用原紙としても使用できる。最近では、環境問題の高まりに伴い、古紙パルプを高配合する傾向が随所に見られてきている。第1の発明の嵩高剤は古紙パルプの量にかかわらず、著しい嵩高性を示す。そのため、中性新聞用紙はもちろんのこと、板紙・白板紙でも効果を発揮する。
以下に、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<供試脂肪酸アミドエマルション>
[EM−1]
ラウリン酸アミド25g、乳化剤としてヤシ脂肪酸カリウム2.5g、95℃の熱水472.5gを高圧ホモジナイザー(A.P.V.Gaulin Inc製)に入れ、圧力550kg/cm2の下で10分間処理する。処理時の最高温度は、約120℃となっている。高圧ホモジナイザー処理後、直ちに15℃の清水で希釈し、脂肪酸アミドエマルションを得た。得られたエマルション粒子の平均粒子径は、レーザー粒度分布計(マスターサイザー:Malvern Instruments製)にて測定した体積の積算分布の50%に対する粒子径である。乳化は良好で平均粒子径0.3μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は12.5%であった。
[EM−2]
EM−1のラウリン酸アミドをパルミチン酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径が0.3μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は13.6%であった。
[EM−3]
EM−1のラウリン酸アミドをステアリン酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径0.4μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は14.0%であった。
[EM−4]
EM−1のラウリン酸アミドをベヘン酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径0.6μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は15.2%であった。
[EM−5]
EM−1のラウリン酸アミドをパルミチン酸アミド/ステアリン酸アミド=50/50(固形分重量比)に替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径が0.4μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は13.9%であった。
[EM−6]
乳化を200kg/cm2の圧力下で5分間行った以外はEM−3と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径8.9μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は13.2%であった。
[EM−7]
乳化を100kg/cm2の圧力下で5分間行った以外はEM−3と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径19.8μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は13.5%であった。
[EM−8]
乳化を700kg/cm2の圧力下で15分間行った以外はEM−3と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径0.2μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は10.4%であった。
[EM−9]
乳化を150kg/cm2の圧力下で5分間行った以外はEM−3と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径24.5μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は10.5%であった。
[EM−10]
EM−1のラウリン酸アミドをカプリン酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径0.3μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は8.6%であった。
[EM−11]
EM−1のラウリン酸アミドをリグノセリン酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行いエマルションの調製を試みたが、乳化が不良であった。
[EM−12]
EM−1のラウリン酸アミドをイソステアリン酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径0.4μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は6.5%であった。
[EM−13]
EM−1のラウリン酸アミドをオレイン酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径2.3μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は10.1%であった。
[EM−14]
EM−1のラウリン酸アミドをリノール酸アミドに替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径3.6μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は8.3%であった。
[EM−15]
EM−1のラウリン酸アミドをオレイン酸アミド/リノール酸アミド=50/50(固形分重量比)に替えた以外はEM−1の調整と同様に行った。乳化は良好で平均粒子径が3.2μmのエマルションが得られた。標準静摩擦係数低下率は9.1%であった。
以上の脂肪酸アミドエマルションの調製結果を表1にまとめた。
Figure 0004182839
<中性嵩高紙の製造>
パルプ分としてLBKP(ろ水度 CSF450ml)を使用した。これに嵩高剤を対パルプ当たり1.0固形分重量%、硫酸バンドを対パルプ当たり1.0重量%(50固形分重量の硫酸バンド製品)、カチオン化デンプンを対パルプ当たり0.5固形分重量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤を対パルプ当たり0.2固形分重量%、重質炭酸カルシウムを3固形分重量%となるように添加して紙料を調製した。そして実験用配向性抄紙機(熊谷理機工業)を用いて抄紙速度900m/minで坪量60g/m2となるように抄紙し、4.18kg/cm2で5分間プレスし、鏡面ドライヤーを用い、105℃で3分間乾燥して中性紙を得た。この中性紙の密度、静摩擦係数、動摩擦係数、ステキヒトサイズ度を測定した。
・ステキヒトサイズ度:JIS P 8122に準拠して測定した。摩擦係数の測定は、F面とW面を重ね合わせ、MD方向について測定した。
本発明の中性嵩高紙を以下の実施例22〜実施例32で記述した。
[実施例1]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−1を使用した。
[実施例2]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−2を使用した。
[実施例3]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−3を使用した。
[実施例4]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−4を使用した。
[実施例5]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−5を使用した。
[実施例6]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−6を使用した。
[実施例7]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−7を使用した。
[比較例1]
実施例1のエマルションEM−1に替え、エマルションEM−8を使用した。
[比較例2]
実施例1のエマルションEM−1に替え、エマルションEM−9を使用した。
[比較例3]
実施例1のエマルションEM−1に替え、エマルションEM−10を使用した。
[比較例4]
実施例1のエマルションEM−1に替え、エマルションEM−11を使用した。
[比較例5]
実施例1のエマルションEM−1に替え、エマルションEM−12を使用した。
[比較例6]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−13を使用した。
[比較例7]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−14を使用した。
[比較例8]
嵩高剤として、嵩高剤エマルションEM−15を使用した。
[比較例9]
実施例1のエマルションEM−1に替え、ペンタエリスリトールとステアリン酸のジエステル体を成分とする市販の嵩高剤を使用した。
[比較例10]
実施例1のエマルションEM−1を添加しない以外は、実施例1と同様に行った。
Figure 0004182839
表1と表2の結果から、炭素数12〜22の直鎖状飽和脂肪酸アミドの少なくとも1種類を主成分とし、平均粒子径が0.3〜20μmであり、かつ標準静摩擦係数低下率が20%以下である嵩高剤と、アルキルケテンダイマーサイズ剤とを併用内添した中性紙は、嵩高性が優れ(低密度)、かつ静摩擦係数の低下が抑えられるおり、更に高いサイズ性を持つことが分かる。更に、実施例1〜7の中性嵩高紙は、アルキルケテンダイマーサイズ剤を内添した比較例10の中性紙よりも、サイズ度が高くなっていることが分かる。

Claims (2)

  1. 炭素数が12〜22である直鎖状飽和脂肪酸モノアミドである、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドの少なくとも1種類を主成分とし、そのエマルション粒子のレーザー回折散乱法で測定した平均粒子径が0.3〜20μmであり、かつ標準静摩擦係数低下率が20%以下となる紙用嵩高剤と、アルキルケテンダイマー中性サイズ剤とを、抄紙工程以前で内添することを特徴とする中性嵩高紙の製造方法。
  2. 炭素数が12〜22である直鎖状飽和脂肪酸モノアミドである、ラウリル酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドの少なくとも1種類を主成分とし、そのエマルション粒子のレーザー回折散乱法で測定した平均粒子径が0.3〜20μmであり、かつ標準静摩擦係数低下率が20%以下となる紙用嵩高剤と、アルキルケテンダイマー中性サイズ剤とを、抄紙工程以前で内添し、抄紙して得られることを特徴とする中性嵩高紙。
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