JP4180292B2 - フィルム状接着剤、及び該接着剤を積層した積層部材 - Google Patents

フィルム状接着剤、及び該接着剤を積層した積層部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温、低圧での仮圧着性を有することにより、加工時の作業性を向上させたフィルム状接着剤及び該接着剤を積層した積層部材に関する。本発明のフィルム状接着剤及び積層部材は、多層フレキシブル印刷回路基板をはじめとする低温圧着性、耐熱性、接着性が要求される積層材料において有用である。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の高機能化、高性能化、小型化が進んでおり、それに伴って、用いられる電子部品の小型化、軽量化が求められてきている。そのため、半導体素子パッケージ方法やそれらを実装する配線材料または配線部品も、より高密度、高機能かつ高性能なものが求められるようになってきた。特に、半導体パッケージ、COL及びLOCパッケージ、MCM(Multi Chip Module)等の高密度実装材料や多層FPC等のプリント配線板材料として好適に用いることのできる、耐熱性、電気信頼性、接着性に優れた材料が求められている。特に、携帯電話等の小型電子機器用途として近年盛んに用いられるようになっている多層FPCでは、従来のエポキシ含浸プリプレグに代わる材料として、ポリイミド系接着材料に市場の注目が集まりつつある。
【0003】
多層FPCはその製造工程において、層間を本圧着する前に、位置合わせとして本圧着よりも低い温度、圧力条件で、低接着強度で圧着する(以下、仮圧着という)場合があるが、接着力発現に高温、高圧が必要とされるポリイミド系接着材料では、低温、低圧で仮圧着を行うことが困難であり、本圧着時の接着強度も十分ではない。
【0004】
ポリイミド系接着剤に比較的低温での接着性、ならびに高い接着強度を発現させる手段としては、例えば、特開2000−109645のような、可溶性の熱可塑性ポリイミドとエポキシ樹脂とをブレンドすることが挙げられる。この手法で作製した接着剤は、ポリイミドの耐熱性とエポキシ樹脂の低温加工性を併せ持つため、比較的低温での高い接着強度を実現しつつ、耐熱性に優れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本用途では、より低温、低圧で加工を行う仮圧着性も要求されるため、更なる低温加工性が要求される。上記のブレンド型接着剤でも、ある程度の低温仮圧着性を有するが、更に低温、例えば120℃以下で接着層硬化物に対し仮圧着性を発現させるためには、熱可塑性ポリイミドのガラス転移温度(Tg)を大幅に下げる、もしくはエポキシ樹脂の割合を多くする必要が生じる。そうするとポリイミド系材料の長所である耐熱性や柔軟性が損なわれるという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、上記課題を解決し、ポリイミド系材料の長所である耐熱性を損なうことなく、低温、低圧での仮圧着が可能なフィルム状接着剤ならびに接着性積層部材を提供することを目的とし、鋭意研究を行った結果、本発明を完成するに至った。
【0007】
本発明の要旨とするところは、熱可塑性ポリイミド樹脂、及びエポキシ樹脂を主成分とし、スチレン誘導体またはそのオリゴマー、エポキシ硬化剤を含有するフィルム状接着剤、及び該接着剤をポリイミドからなる絶縁フィルムの少なくとも片面に積層してなる接着性積層部材である。さらに該フィルム状接着剤及び積層部材は、温度120℃以下、かつ圧力5kgf/cm2以下、線速0.5m/min以下の条件で、仮圧着が可能であり、仮圧着後も引き剥がし、再度仮圧着が可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のフィルム状接着剤は、熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対して、エポキシ樹脂を10〜100重量部含有し、下記一般式(1)で示されるスチレン誘導体、または該スチレン誘導体の20量体以下のオリゴマーのうち少なくとも1種を、熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部含し、エポキシ硬化剤を含有することを特徴とするフィルム状接着剤である。
【0009】
【化4】
Figure 0004180292
(式中、R1は水素原子、またはメチル基を示し、R2は独立して、炭素数4以下の有機基、ハロゲン基、ニトリル基を示し、nは0または1〜5の整数を示す)。
【0010】
本発明のスチレン誘導体は、モノマー状態、オリゴマー状態のどちらでも良いが、オリゴマー状態で添加する場合、20量体以下、好ましくは10量体以下が好ましい。具体例としては、スチレン、スチレンオリゴマー(4〜6量体混合物)、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、ブロモスチレン、メトキシスチレンなどが挙げられる。オリゴマーの分子量が高すぎると、他成分との相溶性が低下する可能性があり好ましくなく、モノマー状態、特にスチレンモノマーが入手性、熱特性等により好ましい。添加割合としては、熱可塑性ポリイミド100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは5〜20重量部加えるのが望ましい。少なすぎると低温での仮圧着性を十分に発現せず、多すぎると耐熱性に劣るものとなる。添加の際には、他成分との相溶性を向上させるため、有機溶媒で希釈した状態で添加するのが好ましい。有機溶媒の種類は特に限定しないが、他成分の溶媒と同一のものを用いた方が好ましい。
【0011】
本発明のように熱可塑性を有するスチレン誘導体もしくはオリゴマーを用いることにより、熱可塑性ポリイミドの大幅なTg低下、及びエポキシ樹脂割合の大幅な増加を行うことなく、従来の熱可塑性ポリイミド、エポキシ樹脂ブレンド型接着剤よりも更に低温での仮圧着を発現させることが可能となった。すなわち、スチレン誘導体もしくはオリゴマーを導入することにより、接着剤の見かけ上のガラス転移温度(Tg)を下げることができ、低温、低圧での仮圧着性を発現する。また、エポキシ部数を極端に増やす必要が無いため、単層シート状態での柔軟性を保つことができ、本圧着時には高い接着性を示す。そのため、耐熱性、柔軟性と仮圧着性のバランスに優れたフィルム状接着剤が得られる。
【0012】
本発明のフィルム状接着剤に用いる熱可塑性ポリイミドは、低温、低圧での仮圧着性を発現するために、Tgが200℃以下であることが望ましい。Tgが200℃よりも高い場合、より高い加工温度、圧力が必要となる。それを補うためにエポキシ樹脂もしくはスチレン誘導体の割合を増やすと、耐熱性と加工性の両立を取ることが困難となる。
【0013】
さらに、本発明のフィルム状接着剤に用いる熱可塑性ポリイミドは、環状エーテル系溶媒に固形分濃度10%以上の溶解性を示すことが望ましい。環状エーテル系溶媒を使用することで、接着剤溶液塗布後、比較的低温で溶媒を除去できる。N,N−ジメチルホルムアミドやN−メチル−2−ピロリドン等の高沸点溶媒のみを用いた場合、エポキシ樹脂のBステージ状態と残留溶媒のバランスを取ることが困難であった。しかし、環状エーテル系溶媒を使用することにより、フィルム中からの溶媒除去が容易になり、残溶媒を著しく低減させる乾燥条件を適用しても、各物性を発現させることが可能となった。
【0014】
この熱可塑性ポリイミドは、下記一般式(2)で表されるエステル酸二無水物ならびに下記一般式(3)で表されるジアミン化合物のうち少なくとも1種を用いる。
【0015】
【化5】
Figure 0004180292
(式中、Xは−(CH2j−、もしくは芳香環を含む二価の有機基を示す。jは1以上10以下の整数である。)
【0016】
【化6】
Figure 0004180292
(式中、Yは独立して、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2k−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=O)O−、または単結合を示す。k及びmは1以上5以下の整数である。)。
【0017】
一般式(3)で表されるジアミンと類似した構造を持つものとして、アミノ基がメタ位以外のオルト位、パラ位に結合しているものも存在しうるが、一般式(3)で表されるメタ位についているのが好ましい。メタ位にアミノ基があることにより、生成されるポリイミドの有機溶媒への溶解性がより良好となり、加工性に優れた接着剤溶液が得られる。一般式(3)で表されるジアミンは、1種または2種以上混合して用いうる。
【0018】
これらの酸二無水物、及びジアミンは、それぞれ各成分の50モル%以上用いることが好ましく、80モル%以上用いるのがさらに好ましく、100モル%用いるのが特に好ましい。50モル%よりも少ないと、有機溶媒に対する溶解性を十分に発現しなくなる。
【0019】
一般式(2)で表されるエステル酸二無水物の具体例としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビフェニレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,4−ナフタレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,2−エチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,3−トリメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,4−テトラメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,5−ペンタメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)、1,6−ヘキサメチレンビス(トリメリット酸モノエステル無水物)等が挙げられるが、下記一般式(4):
【0020】
【化7】
Figure 0004180292
で表される2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、もしくは下記一般式(5):
【0021】
【化8】
Figure 0004180292
で表される3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
【0022】
本発明にかかるフィルム状接着剤に用いる熱可塑性ポリイミド樹脂は、その前駆体であるポリアミド酸重合体を脱水閉環して得られる。このポリアミド酸溶液は、アルゴン、窒素などの不活性雰囲気中において、前記一般式(2)で表されるエステル酸二無水物及び前記一般式(3)で表される1種以上のジアミンをそれぞれ各成分の50モル%以上用い、全酸二無水物と全ジアミンとが実質的に等モルになるように使用し、有機極性溶媒中で重合して得られる。
【0023】
各モノマーの添加順序は特に限定されず、酸二無水物成分を有機極性溶媒中に先に加えておき、ジアミン成分を添加し、ポリアミド酸重合体の溶液としても良いし、ジアミン成分を有機極性溶媒中に先に適量加えて、次に酸二無水物を加え、最後に残りのジアミン成分を加えて、ポリアミド酸重合体の溶液としても良い。この他にも、当業者に公知の様々な添加方法がある。
【0024】
上記で得られたポリアミド酸重合体を、熱的または化学的方法により、脱水閉環し、ポリイミド樹脂を得る。イミド化の方法としては、ポリアミド酸溶液を加熱処理して脱水する熱的方法、脱水剤を用いて脱水する化学的方法が挙げられる。
【0025】
化学的方法による脱水剤としては、例えば、無水酢酸等の脂肪族酸無水物、及び芳香族酸無水物が挙げられる。また、触媒としては、トリエチルアミン等の脂肪族第3級アミン類、ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン類、ピリジン、イソキノリン等の複素環第3級アミン類等が挙げられる。
【0026】
上記のようにして得られた熱可塑性ポリイミドはそのまま溶液として用いることができる。あるいはポリアミド酸の重合に用いた、溶媒を良く溶かすが、ポリイミドが溶解しにくい貧溶媒中に、ポリイミド溶液を投入して、ポリイミド樹脂を析出させて未反応モノマーを取り除いて精製し、乾燥させ固形のポリイミド樹脂としてから、適宜、本発明の接着剤溶液に用いることもできる。
【0027】
熱的方法としては、例えば、ポリアミド酸を重合した後に真空オーブン中に投入し、減圧下で加熱することによってイミド化を行い、固形のポリイミド樹脂として取り出す手法が挙げられる。
【0028】
本発明のフィルム状接着剤は、成分中にエポキシ樹脂を含んでいるため、ポリイミドの有する優れた耐熱性に、さらに良好な低温加工性が付与されている。使用されるエポキシ樹脂の例としては、エピコート828(油化シェル社製)等のビスフェノールA型樹脂、180S65(油化シェル社製)等のオルソクレゾールノボラック樹脂、157S70(油化シェル社製)等のビスフェノールAノボラック樹脂、1032H60(油化シェル社製)等のトリスヒドロキシフェニルメタンノボラック樹脂、ESN375等のナフタレンアラルキルノボラック樹脂、テトラフェニロールエタン1031S(油化シェル社製)、YGD414S(東都化成)、トリスヒドロキシフェニルメタンEPPN502H(日本化薬)、特殊ビスフェノールVG3101L(三井化学)、特殊ナフトールNC7000(日本化薬)、TETRAD−X,TETRAD−C(三菱瓦斯化学社製)等のグリシジルアミン型樹脂などが挙げられる。
【0029】
エポキシ樹脂の混合割合は、前記熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対して、10〜100重量部、好ましくは20〜70重量部加えるのが望ましい。少なすぎると仮圧着性を十分に発現せず、多すぎると可撓性、耐熱性に劣るものとなる。
【0030】
該接着剤には、エポキシ硬化剤、または硬化促進剤を添加することが好ましい。エポキシ硬化剤としては、例えば3,3−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4−ジアミノフェニルスルフォン等を含む市販のものを使用することができ、特に限定されない。硬化促進剤としては、イミダゾール系化合物、例えば2−アルキルイミダゾール、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−アルキル−4−エチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−アルキルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2,4−ジフェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等がある(アルキル基の炭素数は1から4が好ましい)。他の硬化促進剤としては、酸無水物、例えば無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸等がある。さらに他の硬化促進剤としては、アミン系物質、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、メタキシレンジアミン、ジアミンフェニルメタン等が挙げられる。これらは単独、もしくは2種以上混合して用いることが出来る。さらに吸水性、耐熱性、接着性等の向上のために、種々のカップリング剤を添加することもできる。
【0031】
本発明のフィルム状接着剤は、有機溶媒に前記熱可塑性ポリイミド樹脂、スチレン誘導体もしくはオリゴマー、エポキシ樹脂、及びその硬化剤を溶解させた接着剤溶液を、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等、支持体となる高分子フィルム上に塗布乾燥させた後に剥離することによって得られる。
【0032】
また、本発明の接着性積層部材は、該接着剤溶液をポリイミドからなる絶縁フィルムの少なくとも片面に流延または塗布し、その後乾燥して得られる。また本発明のフィルム状接着剤はポリイミド系接着剤の単層フィルムであるので、これをポリイミドフィルムとラミネートして同様の構成の接着性積層部材として用いることも可能である。
【0033】
接着剤を構成する各成分を溶解させる有機溶媒としては、乾燥工程の温度を低くできるため熱硬化性樹脂の硬化が進みすぎないという点、ならびに溶媒残留による物性低下を抑えられるという点から、低沸点の環状エーテル系溶媒を主成分とすることが好ましい。環状エーテル系溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、ジオキソラン等が挙げられる。これらのエーテル系溶媒を単独もしくは混合し、あるいは有機極性溶媒と組み合わせて用いる。例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒が挙げられる。組み合わせる溶媒の種類、数、混合する順番は特に限定しないが、全溶媒量に対して、上記エーテル系溶媒を好ましくは30重量%以上、更に好ましくは60重量%以上含んでいることが好ましい。これらの溶媒に上記成分を溶解させることにより、接着剤溶液を得る。この時、熱可塑性ポリイミドを溶媒に溶解させた後、残りの成分を添加し、接着剤溶液として用いても良いし、各成分をそれぞれ溶媒に溶解させた後、それらの溶液を混合して用いても良い。熱可塑性ポリイミド樹脂を溶解させる際に溶解しにくいようであれば、必要に応じて加熱を行う。ただし、環状エーテル系溶媒は沸点が低く揮発しやすいため、加熱温度、加熱時間は必要最低限に留める。また、熱硬化性樹脂を溶解させる際は、できるだけ加熱を控えた方が好ましい。
【0034】
接着層の塗布法としては、アプリケーター、バーコーター、スピンコーター、グラビアコーター等が挙げられるが、特に限定しない。いずれの手法を取るにしても、接着層の厚みとしては、3〜60μm程度が好ましい。接着剤塗布後の乾燥工程については、特に手法を限定しないが、ある程度の厚みを有する場合、発泡を防ぐために、低い温度から段階的に昇温しながら乾燥を行うことが好ましい。また、乾燥時間にもよるが、エポキシ成分の硬化が進みすぎるのを防ぐため、乾燥温度は200℃以下に留めるのが好ましい。
【0035】
本発明の積層部材は、必要に応じて離型フィルムを少なくとも片面に配する。使用する離型フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)が挙げられる。離型フィルムの厚みは使用状況に応じて選択するため、ここでは限定しないが、加工工程時の剥離を容易にするために、接着層に接する面には剥離処理が施されていることが好ましい。処理法としては、シリコン処理、アルキッド処理、フッ素処理、ポリオレフィン処理などが挙げられるが、特に限定しない。フィルム状接着性積層部材の接着層に対する離型フィルムの接着強度は、1〜50gf/cmの範囲にあることが望ましく、さらに望ましくは5〜20gf/cmである。接着強度が低すぎると使用前に剥離する可能性が生じ、接着強度が高すぎるとスムーズな剥離が困難になる。離型フィルムのラミネート法については特に限定しないが、シワ及び気泡が入るのを防ぐために、ある程度の圧力をかけながら貼り合わせることが望ましい。また、離型フィルムが必要以上に接着してしまうのを避けるため、ラミネート温度は140℃以下に留めるのが望ましい。
【0036】
上記のようにして得られる本発明のフィルム状接着剤及び積層部材は、多層FPCのような積層材料等に好適に用いられる特性を有する。具体的には、耐熱性を損なうことなく、温度120℃以下、圧力5kgf/cm2以下、線速0.5m/min以下という低温、低圧での条件で、仮圧着が可能であり、10gf/cm以上、100gf/cm以下の強度を示し、さらに仮圧着後に引き剥がしても、再度仮圧着が可能である。繰り返し使用するためには、仮圧着強度が上記、10gf/cm以上、100gf/cm以下であることが好ましく、10gf/cm以下であると、位置ずれ等を起こし仮圧着したことにならず、また100gf/cm以上であると、引き剥がしが困難になり、不具合が起こる。
【0037】
本発明にかかるフィルム状接着剤及び積層部材は、仮圧着だけでなく、銅箔等の金属箔やポリイミドフィルムと本圧着する際にも比較的低温での接着が可能であり、使用に際し加工性に優れる。この場合の接着条件としては、接着硬化するために必要十分である接着条件で有れば良く、具体的には加熱温度150〜250℃、圧力1〜100kgf/cm2で加熱時間5〜20分程度の条件で加熱加圧する事が好ましい。また、エポキシ成分の硬化反応を十分に進行させるため、必要に応じてアフターキュアを行ってもかまわない。アフターキュアの条件としては、温度150〜250℃、1〜3時間程度の条件が好ましいが、特に限定されるものではない。
【0038】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0039】
実施例及び比較例における仮圧着温度の決定、及び最終引き剥し強度の評価法は次のとおりである。
【0040】
(仮圧着温度の決定)
以下の手順でフィルム状接着剤もしくは積層部材と、それらの硬化物との仮圧着温度を評価した。
1)実施例及び比較例で得られたフィルム状接着剤ならびに積層部材を200℃で1時間乾燥し、接着剤を硬化させ硬化部材とする。
2)各フィルム状接着剤、積層部材の片面に上記硬化部材を重ね、熱ラミネート装置にて貼り合わせる。ラミネート装置は、本ラミネートロール、徐冷ラミネートロールをそれぞれ1対ずつ有する熱ラミネート装置(ロール材質:シリコンゴム)を用いた。
【0041】
温度:90〜150℃まで10℃刻みでラミネート
圧力:3kgf/cm2
速度:0.3m/min
3)硬化部材との引き剥がし強度を測定。
4)10gf/cm以上の接着強度を発現する最も低いラミネート温度を、仮圧着温度とする。引き剥がし強度は、JIS C6481に従って測定した。但し、導体ではなく各フィルム状接着剤、積層部材を1cm幅で引き剥がして測定した。
【0042】
(最終引き剥がし強度)
以下の手順で銅箔を接着したときの引剥強度の測定を行った。各フィルム状接着剤もしくは積層部材と18μmの圧延銅箔とを重ね合わせ、温度200℃、圧力30kgf/cm2で5分間加熱加圧し、銅張フレキシブル積層板を得た。得られた銅張りフレキシブル積層板の引剥強度を、JIS C6481に従って測定した。但し、導体幅は3mmで測定した。
【0043】
(合成例1)容量1000mlのガラス製フラスコにN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFという)を327g、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APBという)を0.20mol加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物(以下、ESDAという)を0.20mol徐々に添加した。氷浴下で30分間攪拌し、粘度が1500poiseに達したところで攪拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
【0044】
このポリアミド酸溶液300gを、テフロン(登録商標)コートしたバットに移し、真空オーブンで200℃×3時間、5mmHg(約0.007気圧)の圧力で減圧加熱した。真空オーブンより取り出し、85gの熱可塑性ポリイミドを得た。
【0045】
(合成例2)容量1000mlのガラス製フラスコにDMFを388g、3,3’−ビス(アミノフェノキシフェニル)スルフォン(以下、BAPS−Mという)を0.19mol、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル(以下、HABという)を0.01mol加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物(以下、TMEGという)を0.20mol徐々に添加した。氷浴下で30分間攪拌し、粘度が1500poiseに達したところで攪拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
【0046】
このポリアミド酸溶液300gを、テフロン(登録商標)コートしたバットに移し、真空オーブンで200℃×3時間、5mmHg(約0.007気圧)の圧力で減圧加熱した。真空オーブンより取り出し、85gの熱可塑性ポリイミドを得た。
【0047】
(合成例3)容量1000mlのガラス製フラスコにDMFを326g、APBを0.19mol、HABを0.01molを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、TMEGを0.20mol徐々に添加した。氷浴下で30分間攪拌し、粘度が1500poiseに達したところで攪拌をやめ、ポリアミド酸溶液を得た。
【0048】
このポリアミド酸溶液300gを、テフロン(登録商標)コートしたバットに移し、真空オーブンで180℃×3時間、5mmHg(約0.007気圧)の圧力で減圧加熱した。真空オーブンより取り出し、84gの熱可塑性ポリイミドを得た。
【0049】
(実施例1)合成例1で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス70gにエピコート1032H60(油化シェル社製)のジオキソラン溶液(SC=30%)を30g、スチレンモノマーのジオキソラン溶液(SC30%)を10g、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン(以下、4,4’−DDSという)のジオキソラン溶液(SC=20%)を13.5g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0050】
上記で得た接着剤溶液を25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での硬化処理を行う前後どちらにおいても、十分な柔軟性を有していた。
【0051】
(実施例2)合成例2で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス85gにNC−3000(日本化薬製)のジオキソラン溶液(SC=30%)を25g、スチレンモノマーのジオキソラン溶液(SC=30%)を5g、4,4’−DDSのジオキソラン溶液(SC=20%)を11.3g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0052】
上記で得た接着剤溶液を25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での硬化処理を行う前後どちらにおいても、十分な柔軟性を有していた。
【0053】
(実施例3)合成例3で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス70gにエピコート1032H60(油化シェル社製)のジオキソラン溶液(SC=30%)を30g、スチレンモノマーのジオキソラン溶液(SC=30%)を10g、4,4’−DDSのジオキソラン溶液(SC=20%)を13.5g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0054】
上記で得た接着剤溶液を25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での硬化処理を行う前後どちらにおいても、十分な柔軟性を有していた。
【0055】
(実施例4)合成例1で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス70gにTETRAD−C(三菱瓦斯化学社製)のジオキソラン溶液(SC=30%)を30g、スチレンの4〜6量体の混合物であるオリゴマーのジオキソラン溶液(SC=30%)を5g、4,4’−DDSのジオキソラン溶液(SC=20%)を13.5g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0056】
上記で得た接着剤溶液を25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での硬化処理を行う前後どちらにおいても、十分な柔軟性を有していた。
【0057】
(実施例5)実施例1と同様にして得られた接着剤溶液を12.5μm厚のポリイミドフィルム(アピカル12.5NPI、鐘淵化学工業社製)上に流延し、60℃で2分間乾燥した。反対面にも同様に流延し、60℃で2分間乾燥した。更に、このフィルムを金枠に固定して150℃で5分間乾燥し、総厚22.5μmのフィルム状積層部材を得た。
【0058】
(実施例6)実施例2と同様にして得られた接着剤溶液を12.5μm厚のポリイミドフィルム(アピカル12.5NPI、鐘淵化学工業社製)上に流延し、60℃で2分間乾燥した。反対面にも同様に流延し、60℃で2分間乾燥した。更に、このフィルムを金枠に固定して150℃で5分間乾燥し、総厚22.5μmのフィルム状積層部材を得た。
【0059】
(比較例1)合成例1で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス70gにエピコート1032H60(油化シェル社製)のジオキソラン溶液(SC=30%)を30g、4,4’−DDSのジオキソラン溶液(SC=20%)を13.5g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0060】
上記で得た接着剤溶液を25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での硬化処理を行う前後どちらにおいても、十分な柔軟性を有していた。
【0061】
(比較例2)合成例1で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス40gにエピコート1032H60(油化シェル社製)のジオキソラン溶液(SC=30%)を60g、4,4’−DDSのジオキソラン溶液(SC=20%)を27g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0062】
上記で得た接着剤溶液を25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での硬化処理後は脆く、柔軟性が不十分であった。
【0063】
(比較例3)合成例1で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス70gにエピコート1032H60(油化シェル社製)のジオキソラン溶液(SC=30%)を30g、4,4’−DDSのジオキソラン溶液(SC=20%)を13.5g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0064】
上記で得た接着剤溶液を12.5μm厚のポリイミドフィルム(アピカル12.5NPI、鐘淵化学工業社製)上に流延し、60℃で2分間乾燥した。反対面にも同様に流延し、60℃で2分間乾燥した。更に、このフィルムを金枠に固定して150℃で5分間乾燥し、総厚22.5μmのフィルム状積層部材を得た。
【0065】
(比較例4)合成例1で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニス70gにスチレンモノマーのジオキソラン溶液(SC=30%)を10g添加し、撹拌を行って均一に混合させ、接着剤溶液を得た。
【0066】
上記で得た接着剤溶液を25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での加熱処理を行う前後どちらにおいても、十分な柔軟性を有していた。
【0067】
(比較例5)合成例1で得たポリイミド粉末30gを、70gのジオキソランに添加し、撹拌を行って溶解させ、ワニスを得た(SC=30%)。このワニスを25μm厚のPETフィルム(セラピールHP、東洋メタライジング社製)上に流延し、60℃で5分間乾燥を行った。乾燥後のシートをPETから剥離した後に金枠に固定し、さらに120℃で5分間、150℃で10分間乾燥し、厚み20μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤は、200℃×1時間での加熱処理を行う前後どちらにおいても、十分な柔軟性を有していた。
【0068】
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。表1に示すように、本発明のフィルム状接着剤ならびに接着性積層部材は、低温、低圧下で接着層硬化物と仮圧着が可能であった。スチレン誘導体および/またはエポキシ樹脂を用いない比較例のフィルム状接着剤では、仮圧着性とエポキシ樹脂部数(フィルム柔軟性)のバランスを取ることが困難であった。
【表1】
Figure 0004180292
【0069】
【発明の効果】
本発明のフィルム状接着剤ならびに接着性積層部材は、低温、低圧下で仮接着が可能であり、接着層硬化物と繰り返しラミネートすることができ、本圧着時には高い接着強度を示すことができる。加えて優れた耐熱性、加工性、接着性を示す。

Claims (7)

  1. 熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対して、エポキシ樹脂を10〜100重量部含有し、下記一般式(1)で示されるスチレン誘導体、または該スチレン誘導体の20量体以下のオリゴマーのうち少なくとも1種を、熱可塑性ポリイミド樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部含し、エポキシ硬化剤を含有することを特徴とするフィルム状接着剤:
    Figure 0004180292
    (式中、R1は水素原子、またはメチル基を示し、R2は独立して、炭素数4以下の有機基、ハロゲン基、ニトリル基を示し、nは0または1〜5の整数を示す)。
  2. 前記スチレン誘導体がスチレンモノマーであることを特徴とする請求項1記載のフィルム状接着剤。
  3. 前記熱可塑性ポリイミド樹脂が、ガラス転移温度(Tg)200℃以下であり、かつテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジオキソランのいずれかの環状エーテル系溶媒に固形分濃度(SC)10%以上の溶解性を示すことを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  4. 前記熱可塑性ポリイミドが、下記一般式(2):
    Figure 0004180292
    (式中、Xは−(CH2j−、もしくは芳香環を含む二価の有機基を示す。jは1以上10以下の整数である。)で表されるエステル酸二無水物、ならびに下記一般式(3):
    Figure 0004180292
    (式中、Yは独立して、−C(=O)−、−SO2−、−O−、−S−、−(CH2k−、−NHCO−、−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=O)O−、または単結合を示す。k及びmは1以上5以下の整数である。)で表されるジアミン化合物のうち少なくとも1種を、各成分の50モル%以上用いて得られることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  5. 接着剤の厚みが3〜60μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  6. 温度120℃以下、圧力5kgf/cm2以下、及び線速0.5m/min以下の条件で、多層FPC積層材料に対して10gf/cm以上、100gf/cm以下の圧着強度を示す仮圧着が可能であり、仮圧着後も引き剥がし、再度仮圧着が可能であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤。
  7. ポリイミドからなる絶縁フィルムの少なくとも片面に接着剤層を積層してなる接着性積層部材であって、該接着剤層が、請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム状接着剤であることを特徴とする積層部材。
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