図1は、本発明の一実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図中、1はスタンプ処理装置、11は文書ファイル読込手段、12はスタンプデータ生成/記憶手段、13はスタンプ選択手段、14は領域分割手段、15は空白領域検索手段、16はスタンプ位置決定手段、17はスタンプ処理手段、18はノイズ除去手段である。
本発明の一実施形態に係るスタンプ処理装置1は、文書ファイルに電子スタンプ処理を施す際のスタンプ位置を検索・決定して、決定したスタンプ位置に電子スタンプ処理を施す装置であり、自動押印装置とも謂える。ここでの電子スタンプ処理とは、スタンプ合成処理とも謂え、文書ファイルにスタンプデータを手作業無しに合成するなどして挿入する処理であるが、スタンプ挿入時に文書ファイルの内容がその出力形態においてずれたりしないように、例えばスタンプ画像を重ねるなどして挿入する。例えば、キャドシステムなどに保存されている図面(画像ファイルやキャドファイル)の中から、図面がかかれていない領域(=空白領域)を検出して、その空白領域に電子押印を行い、印刷、配信、再保存などを行う。
また、本発明において取り扱う文書ファイルとは、文書,表,図,画像等やそれらを組み合わせたものが記録された電子文書を指し、そのページ数も1ページに限らず複数ページであってもよい。また、本発明では、複数の文書ファイルにも対応可能である。また、後述するが、文書ファイルの形式も、ビットマップ形式だけに限らずベクタ形式のファイルであっても対応可能となる。
また、本発明において取り扱うスタンプデータとは、その例を他の実施形態で後述するが、スタンプの画像データやテキストデータなど、どのようなデータであってもよく、またその形式もビットマップ形式に限らずベクタ形式(文字データの場合はアウトラインフォント)であってもよい。但し、スタンプデータを文書ファイルに挿入(合成)する際には、そのデータに合った挿入方法を採用するか、或いは全ての種類のスタンプデータに対して画像データ(ビットマップ形式)に変換して挿入する方法、或いは文書ファイルの形式をスタンプデータに併せて変換して挿入する方法、予め複数形式のスタンプデータを用意しておく方法や、さらには文書ファイルを階層状のファイルとして上層にそのスタンプデータを挿入する方法など、適宜、挿入する際の前処理が必要となる場合がある。また、スタンプデータとしては、スタンプ処理を行う日付け,日時,押印者名,部署,連続番号などが自動的に組み込まれるものを採用してもよい。
スタンプ処理装置1は、文書ファイル読込手段11,スタンプデータ生成/記憶手段12,領域分割手段14,空白領域検索手段15,スタンプ位置決定手段16,スタンプ処理手段17を少なくとも備え、好ましくはスタンプ選択手段13及びノイズ除去手段18を備えるものとする。但し、スタンプデータ生成/記憶手段12に関しては、スタンプデータを記憶する手段を少なくとも備えていればよい。
文書ファイル読込手段11では、文書ファイルを読み込む。文書ファイルの読み込み元はスタンプ処理装置1内に限らず、外部からネットワークを介するなどして読み込んでもよい。
本発明においては後述するように、基本的にスタンプデータ或いはその出力画像領域が予め分かっている必要があるため、スタンプデータ記憶手段或いはスタンプデータ生成手段(スタンプデータ生成/記憶手段12として図示)を備える。スタンプデータは、通常、スタンプ処理で使用するものやその雛型などをスタンプ処理装置1内に予め登録しておくが、そうでない場合には外部からスタンプ処理装置1で読み出すか、或いはスタンプ処理装置1内のスタンプデータ生成手段にて生成するようにすればよい。スタンプ生成手段は、ユーザが、スタンプデータを生成する手段である。なお、生成したスタンプデータはスタンプデータ記憶手段に記憶してもよい。スタンプデータは、その出力画像領域のサイズ(幅や高さ)を読み込み可能としておき、そのスタンプに対する空白領域を検索可能としておく。
スタンプ選択手段13は、スタンプデータ記憶手段12で記憶したスタンプデータから、スタンプ処理手段17で使用するスタンプデータを選択する手段であり、通常、デフォルト設定又はユーザ選択に基づいて選択がなされることとなる。その選択は、文書ファイルの種類(形式)別,業種別などに応じて選択するようにしてもよいし、その選択の設定をユーザ選択させるようにしてもよいし、全てユーザ選択させるようにしてもよい。勿論、同様の画像を示すスタンプデータを、ビットマップ形式,ベクタ形式の両形式のデータとして記憶しておくことで、後段のスタンプ処理手段17のスタンプ処理で好適に利用できる。
領域分割手段14では、文書ファイル読込手段11で読み込んだ文書ファイルに対し、ページ上の画像領域を、スタンプデータ記憶手段に記憶されたスタンプデータの出力画像領域に相当する広さより少なくとも広い部分領域に分割する。スタンプデータの出力画像領域に相当する広さとは、電子ファイルにスタンプ処理を施し、表示デバイスに表示した後や印刷装置に印刷した後を想定したスタンプ押下領域に相当する大きさを指す。スタンプデータは、スタンプデータ生成手段で生成され、スタンプデータ記憶手段に一時的に格納されたものであってもよい。また、スタンプ処理装置1にスタンプ選択手段13を備え、スタンプデータ記憶手段に記憶された複数のスタンプデータの中から、ユーザが所望のスタンプデータをユーザに選択させることによって、スタンプ選択手段13が後段で用いるスタンプデータを選択するようにしてもよい。
領域分割手段14では、ページ上の画像領域を、分割した結果としての各部分領域が重なり合うことを許して、部分領域への分割を行うようにしてもよい。これは、後段の空白領域検索手段15における検索をより正確にするための手段であり、部分領域の重なりを許可せず分割したときには、隣り合う部分領域の境界を挟んで検索したい空白領域が存在した場合であってもこの空白領域を検索できないということになってしまう。
空白領域検索手段15では、領域分割手段14で分割した各部分領域に対し、スタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を検索する。空白領域検索手段15は、各部分領域がスタンプデータの出力画像領域に適しているか否かを判定する領域判定手段とも謂え、一方で、スタンプ位置を検索するスタンプ位置検索手段とも謂える。
ここで、空白領域検索手段15の様々な形態を説明する。空白領域検索手段15では、その一形態として、領域分割手段14で分割された各部分領域に対し、文字を構成する画素及び図形を構成する画素を検出することで、検出した画素以外の領域から、スタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を検索する。若しくは、空白領域検索手段15は、領域分割手段14で分割された各部分領域に対し、背景を構成する画素を検出することで、検出した画素の領域から、スタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を検索するようにしてもよい。
文字及び図形を構成する画素(例えば黒画素)を検出する場合には、検出した画素以外の領域がスタンプデータの出力画像領域に相当する広さを構成するか否かを判定することで、空白領域を検索するようにすればよく、背景を構成する画素(例えば白画素)を検出する場合には、検出した画素の領域がスタンプデータの出力画像領域に相当する広さを構成するか否かを判定することで、空白領域を検索するようにすればよい。また、画素の検出は、文字及び図形の色、或いは背景の色に基づくようにすればよい。すなわち、文字及び図形を構成する所定色(複数色でもよい)の画素、或いは背景を構成する色の画素を検出する。また、図形としては、線画に限らず、例えば塗り潰しのものなども含むものとする。
空白領域検索手段15は、その他の形態として、領域分割手段14で分割された各部分領域に対し、文字を構成する画素及び図形を構成する画素を検出し、検出した画素数をカウントし、カウントした画素数が所定値より小さい部分領域を、空白領域の検索結果として出力するようにしてもよい。この形態にあっては、分割領域内でカウントした画素数が所定値以下の場合に空白領域として判定するので、文字及び図形を構成する画素が少し含まれるものであっても空白領域としてみなすこととなる。しかしながら、スタンプデータは、一般的に出力時に情報が租な画像であり、埋め込むスタンプデータがベクタ形式である場合に限らず、ビットマップ形式であった場合にも情報領域(及びその近隣)だけのデータを埋め込むようにすればよいので、多少の文字及び図形を構成する画素が存在してもスタンプ処理を施して問題がない。なお、ここでの画素の検出も同様に画素色に基づく検出とするとよい。また、画素の部分領域内での色分布に基づいて判定を下すようにしてもよい。
また、同様の考えに則って、空白領域検索手段15は、領域分割手段14で分割された各部分領域に対し、背景を構成する画素を検出し、検出した画素数をカウントし、カウントした画素数が所定値より大きい部分領域を、空白領域の検索結果として出力するようにしてもよい。
また、空白領域は、空白或いは白色の領域でなくとも、スタンプデータの画像出力時においてスタンプ画像(スタンプデータを表示或いは印字出力した画像)が識別し易い色の領域、すなわちスタンプ画像が目立つ色の領域としてもよい。文書ファイル読込手段11では、文書ファイルにおける文書の色情報も併せて読み込むことは通常であり、そこで色情報も併せて識別することは可能である。いずれの場合であっても、空白領域検索手段15では、空白領域を、データの有無の情報及び色情報を検索することで、空白に相当する色の部分を検索することができる。色情報の使用の如何に拘らず、空白領域をデータ無し或いは白色の領域とするならば、単に0/1のビット単位で0の部分に対して指定したスタンプサイズ情報と照らし合わせて空白スペースを検索するようにすればよい。
また、他の実施形態で後述するが、文書ファイルがベクトルデータからできているCAD(キャド)ファイルなど、ビットマップデータでない場合にも、文書ファイル読込手段11で単にファイルを読み込むだけでなくそのデータ(ここではベクトルデータ)をビットマップデータに展開し、その後、空白領域の検索を行うようにすることもできる。いずれの場合でも、この検索によって、スタンプの位置の候補として空白領域を検索する。従って、本発明においては基本的にスタンプデータ或いはその出力画像領域が予め或いはスタンプデータを読み込んだ際に分かっているものとする。
スタンプ位置決定手段16では、空白領域検索手段15で検索された空白領域のうち、所定条件を満たす1つの空白領域をスタンプ位置として決定する。ここで所定条件とは、ユーザ設定或いは装置側のデフォルト設定に基づく条件であり、例えば、所定の位置に距離が最も近い空白領域であるといった条件が該当する。また、他の実施形態で後述するが、この所定の位置を検索の初期位置、すなわち検索中心点として空白領域の検索を行うようにしてもよい。さらに、1つの部分領域内で2以上の空白領域が見つかる場合もあるが、領域分割手段14において分割された部分領域の大きさがスタンプデータの出力画像領域と略同じ場合には、所定条件として、所定の位置からの距離が最も近い部分領域内にあるといった条件も適用可能である。この場合、最も近い部分領域内の空白領域をスタンプ位置として決定することとなり、また、上述したような、所定位置を検索中心点としての空白領域の検索を実行する形態の場合にも採用し易い。
また、本実施形態において、空白領域検索手段15及びスタンプ位置決定手段16における処理を、所定の初期位置に距離が近い部分領域から空白領域を検索して、空白領域が見つかった時点で検索を終了するようにしてもよい。すなわち、空白領域検索手段15では、領域分割手段14で分割した各部分領域に対し、所定の初期位置に距離が近い部分領域から、スタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を検索し、スタンプ位置決定手段16では、空白領域検索手段15で検索された空白領域をスタンプ位置として決定し、空白領域検索手段15における検索を終了するようにする。この形態にあっても、スタンプデータの出力画像領域の広さと同等の広さをもつ部分領域が、空白領域に該当するか否かの判定を行うことで、検索を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態において、スタンプ処理装置1にノイズ除去手段18をさらに備えるようにしてもよい。ノイズ除去手段18は、空白領域検索手段15における検索より少なくとも前の段階で、文書ファイルからノイズ画素を除去する。従って、この形態の場合、空白領域検索手段15における検索対象データは、ノイズを除去した画像となる。ノイズ画素は、基本的に文書ファイルの作成者が意図せず生じた画素であり、例えば、文書ファイルが画像読取装置などによってスキャンされた画像ファイルであった場合に生じてしまうことがある。ノイズ除去処理により除去される対象となる画素単位は、1画素単位でも、ノイズとみなされる画素が複数連結した画素群単位であってもよく、さらには連結数や連結した形状を規定しておいてもよい。例えば、「画素の連結成分矩形が所定の大きさであるノイズを除去する」といった設定としておいてもよく、「黒画素の連結成分矩形が例えば2×2画素以内の矩形は除去する」といった設定としておくなどしてもよい。
ノイズ画素は、図形や文字の一部と誤認する可能性をもっており、ノイズ除去手段18が検索より前の段階でこのようなノイズ画素を除去しておくことで、必要となる空白領域の検索をより高精度に行うことが可能となる。ノイズ除去手段18は、特に、文字及び図形を構成する画素や背景を構成する画素を検出(又は検出・カウント)する際に有用となる。
上述したように、原稿からの画像読み取り処理及び読み取ったデータに対するスタンプ処理を可能としてもよい。すなわちスタンプ処理装置1に、スキャナ等の画像読取装置をさらに備えるようにしてもよい。画像読取装置では、原稿を読み取って原稿画像データを出力する。この場合、文書ファイル読込手段11では、画像読取装置で出力された原稿画像データを文書ファイルとして読み込む。本実施形態では、詳細は省略するが、上述した特許文献1,2等の押印処理も可能となる。
スタンプ処理手段17では、スタンプ位置決定手段16で決定されたスタンプ位置に、そのスタンプデータによる電子スタンプ処理を施す。ここで、電子スタンプ処理とは、文書ファイルに対し決定されたそのスタンプ位置に、スタンプデータの出力画像が合成されるようにそのスタンプデータを挿入する処理である。すなわち、スタンプ処理手段17は、文書ファイルの表示又は印刷時にそのスタンプがその位置にあるように、スタンプデータを挿入する手段である。
本実施形態に係るスタンプ処理装置1においては、自動的に文書ファイル内の各ページ及び複数の文書ファイルに対してスタンプ処理を行えるようにすることが好ましい。複数ページに対する自動スタンプとしては、空白領域検索手段15が文書ファイルの各ページに対して電子スタンプ処理を施す位置を検索し、スタンプ位置決定手段16がその中からスタンプ位置を決定し、スタンプ処理手段17が各ページに応じた(連番等で)電子スタンプ処理を施すようにすればよい。また、複数文書ファイルに対する自動スタンプとしては、空白領域検索手段15が複数の文書ファイルに対して電子スタンプ処理を施す位置を検索し、スタンプ位置決定手段16がその中からスタンプ位置を決定し、スタンプ処理手段17が各文書ファイルに応じた(連番等で)電子スタンプ処理を施すようにすればよい。
また、空白領域検索手段15を空白領域検出装置として、スタンプ処理手段17を押印装置として、スタンプ位置決定手段16を押印位置決定装置として、単独装置として構成させてもよい。また、スタンプ処理装置1としてはそれら装置及びそれらの装置を制御する制御装置が接続されることで構成させることもできる。例えば、空白領域検出装置では、図面データ等の文書ファイルの一部の部分領域を入力画像として、その画像中に、文字や線画を構成している黒画素がどの程度含まれているかを検出する。具体的には、入力される画像は二値画像であるとすると、その黒画素数をカウントする。このように、空白領域検出(空白領域検知)装置では、図面を押印するスタンプよりも少なくとも大きな領域に分割した部分領域内の黒(所定の色の画素の)画素数をカウントし空白領域を検出し、押印位置決定装置では、予めユーザが指定した初期位置(=デフォルト位置)と、空白領域検出装置で検出された空白領域との距離(及び空白領域内の黒画素数)から最適な押印位置を決定し、押印装置で電子押印する、といった処理となる。
上述の各実施形態によれば、電子ファイルに電子スタンプ処理を施す際に、スタンプ位置指定やその確認を目視により行う必要もなく目視の省力化が可能となり、且つスタンプ処理可能領域を短い検索時間で検索してスタンプ位置を見つけ出すことが可能となり、また目視によるスタンプ位置指定を必要とせず高速に電子ファイルに電子スタンプ処理を施すことが可能となる。従って、電子文書の検印作業の自動化を行うこともできる。
図1のスタンプ処理装置1或いは各手段11〜18は、コンピュータプログラム及びそのプログラムを実行する制御手段や記憶手段などによって構成することが一般的に行われる。図1のスタンプ処理装置1,スタンプ処理手段17、又は各手段11〜16,18に対応するスタンプ処理プログラム、又はスタンプ位置決定プログラムの処理手順例を、図2及び図3を参照して説明する。
図2は、図1の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図3は、図2における一連のスタンプ位置決定処理例を説明するための図で、図3(A)は文書ファイルのページ上の画像領域の例を示す図、図3(B)は図3(A)の画像領域を分割した部分領域の例を示す図、図3(C)は空白領域検索結果例及びそれに基づくスタンプ位置決定処理例を説明するための図で、図中、40は文書ファイルの表示画面、41は初期位置、42は図形描写領域、43は部分領域、44a,44b,44c,44dは検索結果としての空白領域である。
ここで、文書ファイルが複数ページからなる図面とし、そのうち表示画面40で例示するページ上の画像領域に対し、スタンプ処理を施すものとして説明する。まず、文書ファイルをスタンプ処理装置1内或いは装置1外から文書ファイル読込手段11が読み込む(ステップS1)。読み込む際に、デフォルトで1ページ目の図面に対し電子スタンプを押印する、或いはユーザに画面上でページを選択させるなど、様々な例が採用できる。そして、スタンプ選択手段13が、読み込んだ文書ファイルに対して挿入するスタンプを選択する(ステップS2)。
また、領域分割手段14が、ステップS1で読み込んだ文書ファイルに対し、ページ上の画像領域(ここでは表示画面40上の画像領域)をスタンプデータの出力画像領域より広い部分領域43に分割する(ステップS3)。部分領域43の大きさは、押印したいスタンプを押すために必要十分な大きさとすることが好ましい。例えば、スタンプの直径が10mmの場合で、図面が400dpiでスキャンされた画像の場合は、400dpiで10mmは160画素に相当するので、ここでの部分領域43は160画素以上の領域とする。なお、図3(B)では、部分領域43は、お互いに重なりを持たない例を図示しているが、部分領域は重なりをもっていても構わない。例えば、上述の160画素四方の部分領域43に分割する場合にあっては、図面の例では160画素おきに部分領域を設定しているが、その移動量は部分領域幅の1/2の80画素としても構わない。
次に、空白領域検索手段15が、分割した各部分領域43に対し、ノイズを除去してスタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を検索する(ステップS4)。なお、ここでは空白領域(すなわちスタンプデータの出力画像領域の広さの領域)が部分領域43のいずれかとなるように、分割を実行した例を示している。1つの部分領域の空白検知が完了すると、図3(B)中の他の部分領域43を同じ方法で空白検知を行う。ここで、例えば、黒画素数が所定の値以下の場合に空白領域として判断を行う。
また、ステップS4における検索結果を、空白領域44a〜44dで例示する。ノイズ除去は、このように、部分領域毎にノイズ除去を施して検索するといった処理を、各部分領域に対して施すようにしてもよいが、例えば、文書ファイル全体に対して最初に施してもよいし、スタンプ処理を施すページ上(のビットマップ形式のデータ)に対してのみ最初に施してもよい。
このように複数の空白領域が出現する場合は、その中から最適な押印位置を選ぶ必要がある。次に、スタンプ位置決定手段16が、ステップS4で検索された空白領域(ここでは空白領域44a〜44d)のうち1つを、スタンプ位置として決定する(ステップS5)。スタンプ位置は、例えば、初期位置41を前もって表示画面40上でのユーザ設定或いはデフォルト設定によって登録しておき、その初期位置41から距離が一番近い空白領域(ここでは空白領域44bとする)に決定する。具体的な例としては、予めユーザが指定した初期位置に距離が最も近い空白領域を、そのスタンプ位置(押印位置)として決定する。より具体的には、初期位置と空白領域の中心座標との距離を求め、その距離が最も近い空白領域に押印するという方法を採用してもよい。
ここで、初期位置と空白領域との距離に加え、検出した画素数(例えば黒画素数)もパラメータとして、押印位置を決定しても良い。例えば、下式のKの値が最も小さい位置に押印する。但し、A,Bを所定の重み係数とする。
K=(A×初期位置と空白領域の距離)+(B×黒画素数)
次に、スタンプ処理手段17が、そのスタンプ位置に電子スタンプ処理を施す(ステップS6)。そして、スタンプ処理手段17が、若しくは別途設けた出力手段が、ステップS6でスタンプ処理を施された文書ファイルを、ネットワークを介して配信するか、印刷装置に印刷するか、元の保管場所に再保存(上書き保存)するなどして出力する(ステップS7)。
また、図1乃至図3で上述したスタンプ処理装置1や、そこに含まれる各手段11〜18のいずれか1又は複数は、ハードウェアで構成してもよいが、上述したように、PC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータやサーバコンピュータにプログラムを組み込むことで構成してもよく、その場合の各種処理について、図4に示す一般的な情報処理装置の構成例を参照して説明する。図4は、一般的な情報処理装置の構成例を示すブロック図で、図中、1aはスタンプ処理プログラム、31はCPU、32はRAM、33はROM、34は入力装置、35は表示装置、36は出力装置、37はバスである。
本発明における装置1や装置1における各手段で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM32に蓄積され、その後、各種ROM33に格納され、必要に応じて、CPU31によって読み出し、修正・書き込みが行われる。また、コンピュータを本発明における装置1や各手段として機能させるためのプログラムは、図4でスタンプ処理プログラム1aとして例示したように、ROM33に蓄積されており、CPU31が読み出すことによって実行される。コンピュータ等に搭載される場合のこのプログラムは、上述の各手段(及び他の形態で後述する各手段)としてコンピュータのCPU31等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。
また、処理の途中経過や途中結果は、CRT,LCD等の表示装置35を通して装置ユーザに提示され、必要な場合には、キーボード,マウス(ポインティングデバイス)等の入力装置34から装置ユーザが処理に必要なパラメータを入力指定すればよい。このプログラムは、装置ユーザが使用する際に容易となるように、表示装置35用のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えるようにするとよい。出力装置36は、ネットワークに接続して通信を行うためのネットワークボード等の通信機器や、その他、印刷装置等の出力デバイス用の出力装置である。なお、CPU31,RAM32,ROM33,入力装置34,表示装置35,出力装置36は、バス37などで接続されていればよい。
図5は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図6は、図5の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図中、11aは形式判定手段、11bは形式変換手段であり、その他、図1と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図4で説明した各実施形態の装置において、読み込んだ文書ファイルの形式にかかわらず、ビットマップ形式での空白領域検索を実行することを可能とした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。
本実施形態における文書ファイル読込手段11は、形式判定手段11a及び形式変換手段11bを有する。形式判定手段11aは、読み込んだ文書ファイル(読み込んだ文書ファイルのファイル形式)がビットマップ形式であるか否か(例えばビットマップ形式であるか或いはベクタ形式であるか)を判定する手段である。形式変換手段11bは、その文書ファイルが、形式判定手段11aの判定によりビットマップ形式でなかった場合に、その文書ファイルをビットマップ形式に変換(ラスタライズ,ラスタライゼーション,展開などとも謂える)する手段である。従って、本実施形態での空白領域検索手段15における検索対象データは、変換したビットマップ形式のデータ、例えばキャドファイル(ベクトルデータ)であった場合にはビットマップデータに展開した画像となる。
ここで、図2での説明と同様の前提に基づいて本実施形態に係るスタンプ処理を説明する。まず、図2のステップS1と同様に文書ファイルをスタンプ処理装置1内或いは装置1外から文書ファイル読込手段11が読み込む(ステップS11)。その後、形式判定手段11aが読み込んだ文書ファイルのファイル形式を判別し(ステップS12)、ビットマップ形式でなかった場合のみ(ステップS13でNO)、文書ファイルをビットマップ形式に変換する(ステップS14)。
その後の処理は、図2のステップS2〜S7と同じである(ステップS15〜S20)。但し、スタンプ処理手段17におけるスタンプ処理は、文書ファイルがビットマップ形式でなかった場合には、形式変換手段11bで変換した文書ファイル、すなわちビットマップ形式の文書ファイルに対して、実行しても、他の形式のまま実行してもよい。
図7は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図8は、図7の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図中、17aは形式判定手段、17bは形式変換手段、17cはスタンプ合成手段であり、その他、図1と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図4、或いは図5及び図6で説明した各実施形態の装置において、読み込んだ文書ファイルの形式とスタンプデータの形式の如何にかかわらず、スタンプ処理を実行可能とした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。但し、ここでは図1乃至図4で説明した実施形態に基づく説明のみを行う。
本実施形態におけるスタンプ処理手段17は、形式判定手段17a,形式変換手段17b,スタンプ合成手段17cを有する。形式判定手段17aは、文書ファイルとスタンプデータのデータ形式が異なるか否かを判定する手段であり、形式変換手段17bは、形式判定手段17aでデータ形式が異なると判定された場合、一方のデータ形式を他方のデータ形式に変換する手段である。なお、ビットマップデータからベクトルデータへの変換は、画像のエッジを検出するなどしてアウトラインを読み取り、ラインアートにする(ベクトルデータに変換する)とよい。
スタンプ合成手段17cは、スタンプ位置決定手段16で決定されたスタンプ位置に該当する、文書ファイルのページ上の画像領域に、スタンプデータの出力画像が重なるように、文書ファイルにそのスタンプデータを合成する手段である。
本実施形態においては、例えば、文書ファイル及びスタンプデータがビットマップ形式のデータであった場合には、スタンプ処理手段17が、スタンプ位置決定手段16で決定されたスタンプ位置に該当する、文書ファイルのページに係わるビットマップデータ上に、スタンプデータの出力画像が合成されるようにスタンプデータを合成(挿入)する。また、文書ファイルがベクタ形式のデータ(ベクトルデータ)で、且つスタンプデータがビットマップ形式のデータであった場合には、スタンプ処理手段17が、スタンプ位置決定手段16で決定されたスタンプ位置に該当するベクトルデータ上に、スタンプデータの出力画像が合成されるようにそのスタンプデータをベクトル形式に変換して挿入する。さらに、他の例として、スタンプ処理を施す際にスタンプデータをベクトルデータ上に埋め込むようにしてもよく、対象となる文書ファイルの形態に応じて、ベクトルデータであった場合にそれをビットマップデータに変換してから空白領域を検索し、元の文書ファイルのファイル形式と同じ形式(ここではベクタ形式)にスタンプデータを変換し、変換したスタンプデータを挿入する。さらに、文書ファイル及びスタンプデータがベクタ形式のデータであった場合には、スタンプ処理手段17が、スタンプ位置決定手段16で決定されたスタンプ位置に該当するベクトルデータ上に、スタンプデータの出力画像が合成されるようにそのスタンプデータを挿入する。
ここで、図2での説明と同様の前提に基づいて本実施形態に係るスタンプ処理を説明する。まず、図2のステップS1〜S5と同様にスタンプ位置を決定する(ステップS21〜25)。そして、形式判定手段17aが文書ファイルとスタンプデータの形式が異なるか否かを判定する(ステップS26)。異なる形式であった場合(ステップS27でYES)、形式変換手段17bが一方のデータ形式を他方のデータ形式に変換する(ステップS28)。その後、スタンプ合成手段17cが文書ファイルにスタンプデータを合成し(ステップS29)、図2のステップS7と同様にじで配信,印刷,再保存などが行われる(ステップS30)。なお、形式判定及び形式変換は、ステップS29の前であればいずれの段階で実行されいてもよい。
図9は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図10は、図9における文書ファイルの検索範囲指定処理及びスタンプデータの例を示す図で、図10(A)は文書ファイルの検索範囲指定処理例を説明するための図、図10(B)はスタンプデータの例を示す図である。また、図11は、図9の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図中、19は検索範囲指定手段、19aはユーザ設定手段、50は文書ファイルの表示画面、51は検索範囲、52,53,54はスタンプ画像であり、その他、図1と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図4、或いは図5及び図6、或いは図7及び図8で説明した各実施形態の装置において、予め検索範囲を絞って検索し、高速の検索を可能とした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。但し、ここでは図1乃至図4で説明した実施形態に基づく説明のみを行う。
本実施形態に係るスタンプ処理装置1は、検索範囲指定手段19を備えるものとする。検索範囲指定手段19は、文書ファイル読込手段11で読み込んだ文書ファイルに対し、予めデフォルトで或いは表示画面上で予め又は適時ユーザ設定により、ページ上の画像領域からスタンプ位置の検索範囲を指定する手段である。本実施形態における領域分割手段14は、検索範囲指定手段19で指定した検索範囲内の画像領域に対し、領域分割を行う。
検索範囲指定手段19では、文書ファイル読込手段11で読み込んだ文書ファイルに対し、スタンプ位置の検索範囲を指定する。ここで、スタンプ位置の検索範囲は、電子スタンプを埋め込む処理が可能な電子ファイル上の領域を検索する範囲を指す。図1乃至図8で説明した実施形態では、文書ファイル全て或いは文書ファイルの或るページ全てを検索対象としていたため検索に時間がかかったが、本実施形態における検索は、右下部分,中央部分といったように、予め合成したい大まかな範囲を指定してそのおおよその検索範囲で実行するため、すなわち曖昧に位置を指定して検索することが可能となるので、検索範囲も狭まり高速検索が可能となる。それゆえ、本実施形態に係る検索はスタンプ曖昧位置指定検索とも謂える。また、検索範囲の指定は、後述するようにユーザ設定手段19aによるユーザ設定に基づいて指定してもよい。
検索範囲の指定に伴う空白領域検索手段15の例としては、読み込んだ文書ファイルから検索範囲に該当するデータを抽出する手段を有するようにしてもよい。ここでの空白領域検索手段15では、抽出したデータ(検索範囲のみの文書ファイルのデータ)から、スタンプ処理手段17で使用するスタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を、スタンプ位置として検索する。この抽出は、文書ファイルがその検索段階においてビットマップなどの点のデータで表現されているときに特に有効である。また、後述するが、文書ファイルがビットマップデータでない場合にも、そのデータ(ここではベクトルデータ)をビットマップデータに展開して、空白領域の検索を行うようにすることもできる。
また、文書ファイル読込手段11において、文書ファイルをその出力形式で読み込むようにし、領域分割手段14及び空白領域検索手段15において、検索範囲指定手段19で指定した検索範囲を読み込んだ出力形式での検索範囲に当てはめて、空白領域を検索するようにしてもよい。例えば、いずれの形式の文書ファイルであってもその表示デバイスや汎用プリンタ,複写機,複合機(MFP:Multi−Function Product/Printer/Peripheral)などの印刷装置への出力形式は、ビットマップデータのごとき0か1(及び色情報)のデータの集まりであるとも謂えるので、その出力形式での検索範囲に当てはめることは容易である。また、上述したデータ抽出を行う場合にも、同様に容易に実行できる。
さらに、領域分割手段14は、文書ファイルにおける上下左右のいずれか又は全部の余白設定部分を検索対象から外して検索する部分領域を生成するようにしてもよい。勿論、余白設定部分を検索対象から外すことは検索範囲指定手段19或いはそのユーザ設定手段19aでも可能である。また、余白設定部分に限らず、他の部分に対しても押印除外範囲の指定を可能としてもよい。なお、勿論、押印箇所を指定してスタンプ処理を行う機能を併せて持たせてもよい。
ユーザ設定手段19aは検索範囲をユーザに設定させ、その設定を受け付ける手段であり、検索範囲指定手段19では、その設定に基づいて、文書ファイル読込手段11で読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する。ユーザ設定手段19aには、文書ファイルのページ上の領域を複数に分割した場合の各領域から、検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させる手段を有するようにしてもよい。文書ファイルのページ上の領域の分割とは、ページ設定が一様である文書ファイルに対してはそのページ設定を読み込ませておきそれを分割するようにする、或いはどのようなページ設定に対しても単に一様に分割するようにする、など様々な方法で実行できるようにしておけばよい。さらに、ユーザ設定手段19aでは、その分割の数をユーザに設定させる手段を有するようにしてもよく、この形態の場合、この分割数に基づいて、ページを平均的に或いは縦方向又は横方向に平均的に分割するようにしてもよい。
ユーザ設定手段19aを備える形態においては、領域分割手段14では、文書ファイル読込手段11で読み込んだ文書ファイルのページ設定及びユーザの選択に基づいた検索範囲から、領域の分割を実行するようにすればよい。ここでは、文書ファイルのページ設定に基づいてページ展開し、ユーザ設定された分割数に基づいてページ上の領域を複数に分割し、ページをその領域に分割して、ユーザ設定の指定分割領域に基づいて空白領域の検索を実行するなどすればよい。
また、ユーザ設定手段19aに、検索範囲のうち優先して検索する範囲を設定する手段を備えておき、領域分割手段14及び空白領域検索手段15では、検索範囲指定手段19で指定された優先順位に基づいて空白領域を検索するようにしてもよい。ここでは、その優先された検索範囲から空白領域を検索し、見つからなければ次に優先された検索領域を検索するなどして、見つかるまで検索を実行することが可能である。
また、ユーザ設定手段19aの他の例としては、見本となる所定の画面或いは文書ファイルのプレビュー画面を表示し、検索範囲として領域をユーザに選択させる手段を有するようにしてもよい。この形態では、上述したような領域分割を行う訳ではなく、レイアウトエディタなどを起動させておき、見本となる所定の画面(一般的な縦長の画面又は横長の画面など)や、読み込んだ文書ファイルのプレビュー画面を表示しておき、ユーザに、例えば、マウスでクリックすることで開始点を選択しそのままマウスを移動させ終了点でクリックを離すクリックアンドドラッグなどを行わせることで、検索範囲として領域を選択させ、その選択された領域を検索範囲に設定する。すなわち、この形態では、ユーザにとってみれば、画面上で自由に検索範囲を作成し指定可能となる。
検索範囲指定手段19の他の例としては、分割領域或いは分割無しの全領域或いはユーザ指定の領域に対して、検索範囲の中の検索中心点を指定する手段を備えるようにしてもよい。この形態では、領域分割手段14は検索に際し、指定された検索中心点を中心として部分領域の生成を開始するようにする。勿論、ユーザ設定手段19aにおいて、分割開始点(中心点)が入力設定可能なようにしてもよい。
図9の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムの処理手順例としては、まず、図2のステップS1と同様に文書ファイルをスタンプ処理装置1内或いは装置1外から文書ファイル読込手段11で読み込む(ステップS41)。そして、読み込んだ文書ファイルに対し、検索範囲指定手段19でスタンプ位置の検索範囲を指定する(ステップS42)。ここでの指定は、読み込む文書ファイルに対し一様の指定であっても、読み込んだ文書ファイル用の指定であってもよい。
文書ファイルが図10(A)のように表示画面50で表示されるべき(或いは印刷装置で印刷されるべき)ものであった場合、検索範囲の指定は、矩形点線で示す検索範囲51のように曖昧にページの左上などに指定しておいてもよく、それゆえ曖昧位置指定とも謂える。検索範囲の指定は、その他、文書ファイルのページ上の領域を複数に分割した場合の各領域から、検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させて、その選択に基づいて、読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する方法や、クリックアンドドラッグを画面上(例えば表示画面50(縮小表示も可)上や見本の画面上)でユーザに行わせる方法など、様々な方法がある。
また、図2のステップS2と同様に、スタンプ選択手段13が、読み込んだ文書ファイルに対して挿入するスタンプを選択する(ステップS43)。選択するスタンプは、スタンプデータ生成/記憶手段12から取得したものとし、図10(B)に例示するようにそのデータの渡し先を表すスタンプ画像のデータ(例えば「○○製作所向け特注仕様」52),承認日53aを含む承認印53,そのデータに図示する物の特徴を表すスタンプ画像のデータ(例えば「表面つや消し加工」54)等、画像データに限らずテキストデータなど、どのようなものであってもよい。スタンプデータを生成する場合には生成されたものが基本的に選択される。また、ここでの選択も、読み込む文書ファイルに対し一様の指定であっても、読み込んだ文書ファイル用の指定であってもよい。
次に、領域分割手段14で、指定した検索範囲(例えば検索範囲51)内の画像領域を複数の部分領域に分割する(ステップS44)。そして空白領域検索手段15が、各部分領域に対し、ノイズ除去を行い、スタンプ処理手段17で使用するスタンプデータ(例えばスタンプ画像52)の出力画像領域に相当する広さの空白領域を、スタンプ位置として検索する(ステップS45)。そして、スタンプ位置決定手段16が検索された空白領域のうち1つをスタンプ位置として決定する(ステップS46)。次に、スタンプ処理手段17が、検索されたスタンプ位置に、例えばスタンプ画像52を合成するなどして、電子スタンプ処理を施す(ステップS47)。その後、この電子ファイルは配信,印刷,再保存などされる(ステップS48)。
図12は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図13は、図12の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図中、15aは空白領域色変更手段、20はスタンプ色変更手段、21はスタンプ画像縮小手段であり、その他、図9と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図4、図5及び図6、図7及び図8、図9乃至図11で説明した各実施形態の装置において、空白領域が見つからなかった場合に色を変えたりスタンプ画像を縮小したりして再検索することを可能とした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。なお、ここでは、図9乃至図11の実施形態に基づいてのみ説明を行う。
本実施形態における空白領域検索手段15は、空白領域色変更手段15aを備えるものとする。空白領域色変更手段15aは、検索により空白領域が見つからなかった場合に、空白領域の色を変更する手段である。空白領域はスタンプデータの画像出力時においてスタンプ画像が識別し易い色の領域とする。すなわち、スタンプデータを構成する画素群の色と異なる色をもつ画素群の領域である。空白領域色変更手段15aでは、例えば、スタンプの標準色が赤色で、空白領域の標準色が白色であり且つ文書ファイルが殆ど薄いピンク色であった場合、白色では見つからないのでその薄いピンク色を空白領域の色として変更するとよい。空白領域が見つからなかった場合(どの段階でもよい)のためのアラート機能を設けるなど、対処策も設定可能としておくとよい。アラート機能としては、「見つかりませんでした」などの文章を音声やポップアップ表示するなどするとよい。
また、本実施形態においては、空白領域色変更手段15aの代わり或いはそれに加えて、スタンプデータの方の色を変更するようにしてもよい。この形態では、スタンプ位置検索手段にスタンプ色変更手段20を備えるようにする。スタンプ色変更手段20では、スタンプデータの画像出力時における色を変更する。例えば、スタンプの標準色が青色で、空白領域の標準色が白色であり且つ文書ファイルが殆ど水色であった場合、スタンプの色を赤色などに変更するとよい。空白領域が見つからなかった場合のためのアラート機能を設けるなど、対処策も設定可能としておくとよい。スタンプ色変更手段20は、空白領域が見つからなかった場合だけでなく単に変更したいときにも援用できる。
また、本実施形態においては、空白領域色変更手段15aやスタンプ色変更手段20の代わり或いはそれに加えて、スタンプ画像を縮小するようにしてもよい。この形態では、スタンプ位置検索手段にスタンプ画像縮小手段21を備えるようにする。スタンプ画像縮小手段21では、スタンプ処理手段17で使用するスタンプデータ自体の出力画像領域を縮小する。そして、空白領域検索手段15では、その縮小したスタンプ画像に基づいて空白領域を検索する。空白領域が見つからなかった場合のためのアラート機能を設けるなど、対処策も設定可能としておくとよい。スタンプ画像縮小手段21は、空白領域が見つからなかった場合だけでなく単にスタンプデータを縮小したいときにも援用できる。なお、これとは逆の考えで、文書ファイル自体を拡大するような形態も採用できる。
図12の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムの処理手順例としては、まず、図11のステップS41〜S45と同様に、空白領域を検索する(ステップS51〜S55)。そこで、空白領域は見つかったか否かを判断し(ステップS56)、見つかっていればステップS46〜S48と同様の電子スタンプ処理を施す(ステップS58〜60)。一方、空白領域が見つからなかった場合には、空白領域或いはスタンプ画像の色を変更するか、スタンプ画像を縮小する(ステップS57)。そしてステップS54に戻り、再検索を行い、見つかるまでこの処理を繰り返し、見つかった空白領域に電子スタンプ処理を施す。
図14は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図15は、図14の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。また、図16は、図14における文書ファイルの検索範囲指定処理及びその設定画面の例を示す図で、図16(A)は検索設定画面の一例で、図16(B)は文書ファイルの検索範囲指定処理及び電子スタンプ処理を施した後の画面の一例である。
図中、22は表示手段、22aは表示デバイス、23はページ指定手段、55は横方向分割線、56は縦方向分割線、60は設定画面、61は空白検索・スタンプ処理ボタン、62は画面位置設定欄、63はスタンプ選択欄であり、その他、図12と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図4、図5及び図6、図7及び図8、図9乃至図11、図12及び図13で説明した各実施形態の装置において、ユーザが表示を見ながら検索範囲を設定できるようにした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。なお、ここでは図12及び図13で説明した装置に基づいて説明する。
本実施形態に係るスタンプ処理装置1は、表示手段22及びページ指定手段23を備えるものする。表示手段22では、文書ファイル読込手段11で読み込んだ文書ファイルを表示デバイス22aに表示する。ページ指定手段23では、表示手段22で表示した文書ファイル内においてスタンプを挿入するページを指定する。なお、上述したように、ユーザ設定手段におけるユーザ入力なども表示デバイス22aを介して行われる。
図14の装置のスタンプ位置決定プログラム及びスタンプ処理プログラムの処理手順例としては、図13のステップS51〜S60と基本的に同様であり、検索範囲から空白領域を見つかるまで検索し電子スタンプ処理を施す(ステップS61,S66〜S73)。但し、本実施形態では、検索範囲指定処理(図13のステップS52)が異なる。
まず、ステップS61で読み込んだ文書ファイルに対し、ユーザ設定手段19aにて分割数をユーザに選択させる(ステップS62)。上述したようにここでの選択はその文書ファイルに特有なものであっても他の文書ファイルにも適用可能であるものであってもよい。なお、通常、ここでのユーザ選択も表示デバイス22aでの表示に基づいて行われる。また、図16の例では、分割数が4に設定してあるものを示す。
そして、図16(B)に示すように、表示手段22にて、読み込んだ文書ファイルをその分割数(ここでは4分割)で分割した表示を表示デバイス22aで行う(ステップS63)。図16(B)では、文書ファイルの内容がスペースシャトルの設計図面である例において、4分割した表示として横方向分割線55及び縦方向分割線56が表示された例を示している。なお、図16(B)ではスタンプ処理後のページを図示しているが、分割線55,56はスタンプ処理後に表示,印刷等、出力しないようにする方がよい。
次に、ユーザ設定手段19aにて、分割した各領域から検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させる(ステップS64)。図16(A)の設定画面(環境設定画面)60では、1つ目のスタンプ処理に対して、検索範囲として画面位置設定(指定)欄62で「画面左上」がユーザ選択され、スタンプデータ(スタンプの種類)としてスタンプ選択欄63で「sample」(例えばスタンプ画像54)がユーザ選択されようとしている例を示している。検索範囲の選択は、ページ上のその領域をユーザがクリックすることで行うことが可能なようにしてもよい。空白検索・スタンプ処理ボタン61をチェックするなどして、「OK」ボタンをユーザがクリックすることでユーザ選択を完了する。検索範囲指定手段19では、その選択に基づいて、読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する(ステップS65)。そして、スタンプ処理装置1は、ステップS66〜S73の処理を実行し、スタンプデータの出力画像領域のサイズ(幅や高さ)を読み込み、空白領域を検索し、結果として図16(B)に示すように、画面左上に「表面つや消し加工」というスタンプ画像54が埋め込まれることとなる。
同様に、検索範囲として画面位置指定欄62で「画面左下」、スタンプデータとしてスタンプ選択欄63で「sample2」(例えばスタンプ画像52)がユーザ選択され、さらに検索範囲として画面位置指定欄62で「画面右下」、スタンプデータとしてスタンプ選択欄63で「sample3」(例えばスタンプ画像53)がユーザ選択され、空白検索・スタンプ処理ボタン(スタンプ挿入処理ボタン)61をチェックするなどして、「OK」ボタンをユーザがクリックすることで、空白検索が各所に対してなされ、図9(B)のように、画面左下に「○○製作所向け特注仕様」というスタンプ画像52が、承認日の入った承認印のスタンプ画像53が、それぞれ埋め込まれるスタンプ処理がなされることとなる。本発明では、このように、1ページに対して複数の検索範囲の指定及び/又はスタンプデータの挿入を実行することも可能である。
また、他の実施形態として、表示手段22をスタンプ処理装置1としては備えず、文書ファイル読込手段11で読み込んだ文書ファイル内においてスタンプを挿入するページを指定するページ指定手段をのみを備えるようにしてもよく、文書ファイルの種別等に基づいて、全ページ指定や先頭ページ指定などを行う際にこのページ指定手段は有用である。
文書判別について説明する。文書ファイルから、文書の種類及び/又は業務を判別する。文書の種類とは、例えばtxtファイル,bmpファイル,jpegファイル,gifファイル,TIFFファイル,Officeファイル(エクセルファイル,ワードファイル等),PDFファイル,キャドファイル等、文書ファイルの形式や、例えば図面,文書(契約書,稟議書等),写真などの文書ファイルの内容などを指す。また、文書の業務とは、例えば、その文書がどの部門の文書であるのか、どういった業務での文書であるのか、などを指す。スタンプ選択手段13では、この文書判別手段(スタンプ処理装置1に具備する。但し図示せず)で判別した結果に基づいて、スタンプ処理手段17で使用するスタンプデータをスタンプデータ記憶手段に記憶されたスタンプデータの中から抽出するようにしてもよい。
図17は、本発明の一実施形態に係る電子承認システムの一構成例を示す図で、図中、1aはスタンプ処理プログラム、2は文書ファイルデータベース、2aは文書管理プログラム、3は承認者のクライアント装置、4はネットワークである。
本発明の一実施形態に係る電子承認システム(以下、本システムという)は、図1乃至図16で説明した各実施形態のスタンプ処理装置を備え、電子ファイルの認証(及び発行)を可能としたシステムであり、上述した装置と同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。また、本システムを図14乃至図16の実施形態に係るスタンプ処理装置1を備えたものとしてのみ説明を行う。
本システムは、上述したいずれかの実施形態のスタンプ処理装置と共に、文書ファイルを記憶する文書ファイル記憶装置と文書ファイルを承認する承認者が使用するクライアント装置3とを備えるものとする。本システムでスタンプ処理されることによって承認処理がなされる対象は、文書ファイル記憶装置に記憶・格納された文書ファイルである。なお、図17では、スタンプ処理装置の例として、サーバ装置にスタンプ処理プログラム1aが組み込まれたものとして例示し、また、文書ファイル記憶装置の例として、文書ファイルデータベース(DB)2を、文書管理プログラム2aが組み込まれたサーバ装置からアクセス可能な状態で備え、サーバ装置でそのDB2を管理しているものとして例示している。
また、ここでは、クライアント装置3がネットワーク4を介してスタンプ処理装置及び文書ファイル記憶装置(スタンプ処理プログラム1a及び文書管理プログラム2a,DB2)を備えるサーバ装置に接続されているものとして説明するが、本発明に係る電子承認システムは、クライアント装置3にスタンプ処理プログラム1aを組み込むなどしてスタンプ処理装置を内蔵した形態など、様々な形態が採用可能である。
クライアント装置3は、文書ファイルDB2から文書ファイルを読み出す手段と、読み出した文書ファイルを承認者が承認する際に、スタンプ処理装置を起動させる手段と、を備えるものとする。サーバ装置に、クライアント装置3がこれらの手段を機能させるための手段を備えておくとよい。スタンプ処理プログラム1a及びそれを実行するハードウェアは、その承認者用のスタンプデータを使用して電子スタンプ処理を行う。文書ファイル記憶装置は、スタンプ処理が施された文書ファイルを記憶する手段を備えるものとする。この例では、サーバ装置が、スタンプ処理が施された文書ファイルを文書ファイルDB2に記憶する手段を備えるものとしている。
本システムでは、クライアント装置3にて承認者が、サーバ装置にアクセスして文書ファイルDB2から文書ファイルを読み込む。このとき、スタンプ処理プログラム1aもその文書ファイルを読み込む。そして、サーバ装置におけるスタンプ処理装置(ここではサーバ装置に組み込まれたスタンプ処理プログラム1a)は、読み込んだ文書ファイルに対し、分割数を承認者にクライアント装置3にて選択させる。次にスタンプ処理プログラム1aは、クライアント装置3の表示デバイスに対し、読み込んだ文書ファイルをその分割数で分割した表示を行い、分割した各領域から、検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させる。
スタンプ処理プログラム1aは、その選択に基づいて、読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する。さらに、スタンプ処理プログラム1aは、読み込んだ文書ファイルに対し、承認者用のスタンプを、承認者の情報を格納したDBやクライアント装置3から読み出し選択する。そして、スタンプ処理プログラム1aは、指定した検索範囲から、挿入するスタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を、領域分割,空白領域検索によって空白領域が見つかるまで検索する。見つからなかった場合には、空白領域或いはスタンプ画像の色を変更するか、スタンプ画像を縮小する。スタンプ処理プログラム1aは、空白領域が見つかったら、検索されたスタンプ位置に、承認者用のスタンプで電子スタンプ処理を施す。最後に、文書ファイル記憶装置が、電子スタンプ処理が施された文書ファイルを記憶する。この例ではサーバ装置が文書ファイルDB2に対し、電子スタンプ処理が施された文書ファイルを格納する。
ここで、上述したサーバ装置,各種DB,クライアント装置,ネットワークに関して補足的に説明する。DB2等のデータベースは、サーバ装置に物理的に含まれている形態でも、サーバ装置にDBがネットワークを介して接続され、物理的に離散している形態を採用してもよい。またDBは、その構成上別々のものでも一体型のものでもよく、要はデータベースとしての機能がはたせる形態であればよい。DBを管理するサーバ装置は、上述の文書管理プログラム2aのような、DBの維持・運用を行う専用のソフトウェア(DB管理システム)を備えるようにすることが好ましい。これにより、DB内のデータを本発明に係る各機能を実現するプログラム(アプリケーションソフト)から物理的,論理的に独立させ、各種アプリケーションのバージョンアップやシステム構築が容易になる上に、データの整合性(一貫性)を保て、データのセキュリティの確保が行い易くなる。また、サーバ装置は、WWWサーバ,ユーザ(ここでは承認者が主たるユーザ)認証サーバ,DB管理サーバ等、処理に応じた階層構造をもつサーバとしてもよい。
さらに、上述したクライアント装置3やサーバ装置など、PC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータやサーバコンピュータにおける各種情報の処理について、再度図4に示す一般的な情報処理装置の構成例を参照して説明する。サーバ装置に搭載される場合のこのプログラムは、上述又は後述するサーバ装置の各手段としてコンピュータのCPU31等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。同様に、クライアント装置3に搭載される場合のプログラムとしては、上述又は後述するクライアント装置3の各手段として、コンピュータのCPU等を制御するプログラムである。これらのプログラムは、装置ユーザ(システムの管理者、クライアント装置のユーザ)が使用する際に容易となるように、図3(A),(B)や図10や図16に例示するような画面を提示するなど、表示装置35用のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えるようにするとよい。
また、ネットワーク4等の本明細書中に記載のネットワークとしては、通信回線(有線,無線に限らず)を使用したイントラネット,エクストラネット等のネットワークシステムで構成され、インターネットでも構成することもある。このネットワークシステムはLAN(Local Area Network)環境に限らずサーバ装置の設置場所によってはWAN(Wide Area Network)環境やMAN(Metropolitan Area Network)環境で構築される場合もある。また、このネットワークは、専用回線の使用、伝送データの暗号化、各クライアント装置等を使用するユーザの認証など様々な方法によるセキュリティの強化を行うことが好ましい。
上述の各実施形態のシステムによれば、電子ファイルを承認者が承認するに際し、スタンプ位置指定やその確認を目視により行う必要もなく目視の省力化が可能となり、且つスタンプ処理可能領域を短い検索時間で検索してスタンプ位置を見つけ、高速に電子ファイルに電子スタンプ処理を施すことが可能となる。従って、電子文書の検印作業の自動化を行うこともできる。
図18は、本発明の他の実施形態に係る電子承認システムの一構成例を示す図で、図中、5は文書管理サーバ装置、5aは文書ファイルDB、5bは文書ファイル、6はクライアント装置、6aはスタンプ処理後の文書ファイル、6bはPDFファイル、6cは印刷書類、7はスタンプツール、7aは承認印である。
本発明の他の実施形態に係る電子承認システム(以下、本システムという)は、図17の各実施形態で説明したシステムにおいて、業務指示書を発行可能とした指示書発行システムであり、上述したシステム及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。
本システムを、製造指示書を発行するシステムとして説明する。本システムは、文書ファイルDB5aを管理する文書管理サーバ装置5と、それにネットワーク接続された承認者(ここでは製造指示書発行者)のクライアント装置6と、様々な指示書発行手段と、を備えるものとする。
本システムでは、製造指示書を作成した者が文書ファイルDB5aに格納した文書や図面等でなる製造指示書の文書ファイル5bを、製造指示書発行者がクライアント装置6を操作して、読み出し、スタンプツール7を起動させて、承認印7aをスタンプ合成する。そして、クライアント装置6では、承認印7a入りのスタンプ処理後の文書ファイル6aを、PDFファイル6bとしてファイル保存出力したり、印刷装置で印刷書類6cとして印字出力したりして、製造指示書を発行する。
また、本発明に係る電子承認システムの他の実施形態として、外部からの指示に基づいて、文書ファイルを検索し、その文書ファイルにスタンプ処理を施すシステムも採用可能であり、以下に、その実施形態をその変更箇所のみ説明する。
図19は、本発明の他の実施形態に係る電子承認システムの一構成例を示す図で、図中、9は受注・生産管理サーバ装置、9aは受注・生産管理DBであり、その他、図18と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本実施形態に係る電子承認システムにおけるスタンプ処理装置は、文書ファイル,スタンプデータを示す情報を含む発行指示データを、外部(ここでは受注・生産管理サーバ装置9)から受け取る指示書受取手段を有するものとする。発行指示データとしては、例えば、ファイル名や使用して欲しいスタンプの情報などが挙げられる。
文書ファイル読込手段11は、指示書受取手段で受け取った発行指示データに基づいて、その発行指示データに含まれる情報が示す文書ファイルを文書ファイル記憶装置から検索して読み出す。スタンプ処理装置(ここではスタンプツール7)は、発行指示データに含まれる情報が示すスタンプデータをスタンプデータ記憶手段(ここでは文書DB5a)から読み出して、スタンプ処理に用いる。スタンプ処理装置は、スタンプ処理されたデータをPDFファイル6b等のファイル或いは印刷書類6cとして出力する。ユーザがレイアウトエディタなどで図面を編集し加工する際に同時にスタンプ処理を施すようにしてもよい。
以上、図1乃至図19を参照しながら、本発明の装置、システム、及びプログラム(及びその処理手順)を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、上述した各実施形態における装置及びシステムに係る図4を参照した説明で述べたように、コンピュータをスタンプ位置決定に係わる各手段又はスタンプ処理装置(又は装置における各手段)として機能させるためのプログラム、或いはコンピュータを電子承認システム(或いはシステムにおける各手段)として機能させるためのプログラム、或いはコンピュータにそれら装置或いはシステムの処理手順やそれら処理手順を実行させるためのプログラムとしても、或いは、それらのいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も採用できる。
本発明によるスタンプ位置決定(或いはそのうちの検索),スタンプ処理,電子承認の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、上述した本発明の各実施形態の装置やシステムの機能をコンピュータに実行させ、スタンプ位置決定,スタンプ処理,電子承認の機能を実現するためのプログラムを、これら記録媒体に記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そして、図4で例示したようなコンピュータ等の情報処理装置に、上述のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記録媒体に当プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わるスタンプ位置決定,スタンプ処理,電子承認の機能を実行することができる。
1…スタンプ処理装置、1a…スタンプ処理プログラム、2,5a…文書ファイルデータベース、2a…文書管理プログラム、3,6…承認者のクライアント装置、4…ネットワーク、5…文書管理サーバ装置、5b…文書ファイル、6a…スタンプ処理後の文書ファイル、6b…PDFファイル、6c…印刷書類、7…スタンプツール、7a…承認印、9…受注・生産管理サーバ装置、9a…受注・生産管理DB、11…文書ファイル読込手段、11a,17a…形式判定手段、11b,17b…形式変換手段、12…スタンプデータ生成/記憶手段、13…スタンプ選択手段、14…領域分割手段、15…空白領域検索手段、15a…空白領域色変更手段、16…スタンプ位置決定手段、17…スタンプ処理手段、17c…スタンプ合成手段、18…ノイズ除去手段、19…検索範囲指定手段、19a…ユーザ設定手段、20…スタンプ色変更手段、21…スタンプ画像縮小手段、22…表示手段、22a…表示デバイス、23…ページ指定手段、31…CPU、32…RAM、33…ROM、34…入力装置、35…表示装置、36…出力装置、37…バス、40,50…文書ファイルの表示画面、41…初期位置、42…図形描写領域、43…部分領域、44a,44b,44c,44d…検索結果としての空白領域、51…検索範囲、52,53,54…スタンプ画像、55…横方向分割線、56…縦方向分割線、60…設定画面、61…空白検索・スタンプ処理ボタン、62…画面位置設定欄、63…スタンプ選択欄。