図1は、本発明の一実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図中、1はスタンプ処理装置、11はスタンプ処理手段、12は文書ファイル読込手段、13は検索範囲指定手段、13aはユーザ設定手段、14は位置検索手段、15はスタンプデータ生成/記憶手段、16はスタンプ選択手段である。
本発明の一実施形態に係るスタンプ処理装置1は、文書ファイルに電子スタンプ処理を施す際のスタンプ位置を検索するスタンプ位置検索手段及びスタンプ処理手段11を備え、スタンプ処理手段11において、スタンプ位置検索手段で検索されたスタンプ位置に電子スタンプ処理を施す装置である。ここでの電子スタンプ処理とは、スタンプ合成処理とも謂え、文書ファイルにスタンプデータを手作業無しに合成するなどして挿入する処理であるが、挿入時に文書ファイルの内容がその出力形態においてずれたりしないように例えばスタンプ画像を重ねるなどして挿入する必要がある。
また、本発明において取り扱う文書ファイルとは、文書,表,図,画像等やそれらを組み合わせたものが記録された電子文書を指し、そのページ数も1ページに限らず複数ページであってもよい。また、本発明では、複数の文書ファイルにも対応可能である。
また、本発明において取り扱うスタンプデータとは、その例を後述するが、スタンプの画像データやテキストデータなど、どのようなデータであってもよい。但し、スタンプデータを文書ファイルに挿入する際には、そのデータに合った挿入方法を採用するか、或いは全ての種類のスタンプデータに対して画像データに変換して挿入する方法、或いは文書ファイルを階層状のファイルとして上層にそのスタンプデータを挿入する方法を採用する必要がある。また、スタンプデータとしては、スタンプ処理を行う日付け,日時,押印者名,部署,連続番号などが自動的に組み込まれるものを採用してもよい。
スタンプ位置検索手段は、文書ファイル読込手段12,検索範囲指定手段13,位置検索手段14を少なくとも備え、スタンプデータ生成/記憶手段15,スタンプ選択手段16を好ましくは備えるものとする。ここでは、検索範囲指定手段13にユーザ設定手段13aを備え、検索範囲をユーザが予め或いは適時に設定可能なような形態を説明する。
文書ファイル読込手段12では、文書ファイルを読み込む。検索範囲指定手段13では、文書ファイル読込手段12で読み込んだ文書ファイルに対し、スタンプ位置の検索範囲を指定する。ここで、スタンプ位置とは、電子スタンプを埋め込む電子ファイル上の位置を指し、その検索範囲は、電子スタンプを埋め込む処理が可能な電子ファイル上の領域を検索する範囲を指す。従来の検索方法では、文書ファイル全てを検索対象としていたため検索に時間がかかったが、本発明における検索は、右下部分,中央部分といったように、予め合成したい大まかな範囲を指定してそのおおよその検索範囲で実行するため、すなわち曖昧に位置を指定して検索することが可能となるので、検索範囲も狭まり高速検索が可能となる。それゆえ、本発明に係るスタンプ位置検索手段はスタンプ曖昧位置指定手段とも謂える。また、検索範囲の指定は、後述するようにユーザ設定に基づいて指定してもよい。
位置検索手段14では、検索範囲指定手段13で指定した検索範囲から空白領域をスタンプ位置として検索する。読み込む文書ファイルの形式に応じた検索手段を備えておいてもよい。文書ファイルがビットマップファイルのときには、空白領域を白色領域とした場合、0/1のビット単位で0の部分を空白であるとして検索すればよい。また、文書ファイルがベクトルデータからできているCAD(キャド)ファイルなど、ビットマップデータでない場合にも、文書ファイル読込手段12で単にファイルを読み込むだけでなくそのデータ(ここではベクトルデータ)をビットマップデータに展開し、その後、空白領域の検索を行うようにすることもできる。いずれの場合でも、この検索によって、スタンプの位置を決定する。ここでの空白領域とは、スタンプ処理手段11で使用するスタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白の領域であり、出力空白領域とも謂える。従って、本発明においては基本的にスタンプデータ或いはその出力画像領域が予め分かっているものとする。また、スタンプデータの出力画像領域に相当する広さとは、電子ファイルにスタンプ処理を施し、表示デバイスに表示した後や印刷装置に印刷した後を想定したスタンプ押下領域に相当する大きさを指す。
本発明においては基本的にスタンプデータ或いはその出力画像領域が予め分かっている必要があるため、スタンプ位置検索手段には、スタンプデータ記憶手段或いはスタンプデータ生成手段(スタンプデータ生成/記憶手段15として図示)を備えるものとする。スタンプデータは、スタンプ処理で使用するものやその雛型などがスタンプ処理装置1内に予め登録しておくが、そうでない場合にはスタンプ処理装置1内に読み出すか、或いはスタンプ処理装置1においてスタンプデータ生成手段にて生成するようにすればよい。なお、生成したスタンプデータはスタンプデータ記憶手段に記憶してもよい。スタンプデータは、その出力画像領域のサイズ(幅や高さ)を読み込み可能としておき、そのスタンプに対する空白領域を検索可能としておく。
スタンプ選択手段16は、スタンプデータ記憶手段を採用した場合に、そこで記憶したスタンプデータから挿入するスタンプデータを選択する手段であり、その選択は、後述するように文書ファイルの種類(形式)別,業種別などに応じて選択するようにしてもよいし、その選択の設定をユーザ選択させるようにしてもよいし、全てユーザ選択させるようにしてもよい。
ユーザ設定手段13aは検索範囲をユーザに設定させ、その設定を受け付ける手段であり、検索範囲指定手段13では、その設定に基づいて、文書ファイル読込手段12で読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する。ユーザ設定手段13aには、文書ファイルのページ上の領域を複数に分割した場合の各領域から、検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させる手段を有するようにしてもよい。文書ファイルのページ上の領域の分割とは、ページ設定が一様である文書ファイルに対してはそのページ設定を読み込ませておきそれを分割するようにする、或いはどのようなページ設定に対しても単に一様に分割するようにする、など様々な方法で実行できるようにしておけばよい。さらに、ユーザ設定手段13aでは、その分割の数をユーザに設定させる手段を有するようにしてもよく、この形態の場合、この分割数に基づいて、ページを平均的に或いは縦方向又は横方向に平均的に分割するようにしてもよい。
ユーザ設定手段13aを備える形態においては、位置検索手段14では、文書ファイル読込手段12で読み込んだ文書ファイルのページ設定及びユーザの選択に基づいた検索範囲から、空白領域を検索するようにすればよい。ここでは、文書ファイルのページ設定に基づいてページ展開し、ユーザ設定された分割数に基づいてページ上の領域を複数に分割し、ページをその領域に分割して、ユーザ設定の指定分割領域に基づいて空白領域の検索を実行するなどすればよい。
また、ユーザ設定手段13aに、検索範囲のうち優先して検索する範囲を設定する手段を備えておき、位置検索手段14では、検索範囲指定手段13で指定された優先順位に基づいて空白領域を検索するようにしてもよい。ここでは、その優先された検索範囲から空白領域を検索し、見付からなければ次に優先された検索領域を検索するなどして、見付かるまで検索を実行することが可能である。
また、ユーザ設定手段13aの他の形態としては、見本となる所定の画面或いは文書ファイルのプレビュー画面を表示し、検索範囲として領域をユーザに選択させる手段を有するようにしてもよい。この形態では、上述したような領域分割を行う訳ではなく、レイアウトエディタなどを起動させておき、見本となる所定の画面(一般的な縦長の画面又は横長の画面など)や、読み込んだ文書ファイルのプレビュー画面を表示しておき、ユーザに、例えば、マウスでクリックすることで開始点を選択しそのままマウスを移動させ終了点でクリックを離すクリックアンドドラッグなどを行わせることで、検索範囲として領域を選択させ、その選択された領域を検索範囲に設定する。すなわち、この形態では、ユーザにとってみれば、画面上で自由に検索範囲を作成し指定可能となる。
検索範囲指定手段13の他の形態としては、分割領域或いは分割無しの全領域或いはユーザ指定の領域に対して、検索範囲の中の検索中心点を指定する手段を備えるようにしてもよい。この形態では、位置検索手段14は検索に際し、指定された検索中心点を中心として検索を開始するようにする。勿論、ユーザ設定手段13aにおいて、検索の中心点が入力設定可能なようにしてもよい。
また、空白領域は、空白或いは白色の領域でなくとも、スタンプデータの画像出力時においてスタンプ画像(スタンプデータを表示或いは印字出力した画像)が識別し易い色の領域、すなわちスタンプ画像が目立つ色の領域としてもよい。文書ファイル読込手段12では、文書ファイルにおける文書の色情報も併せて読み込むことは通常であり、そこで色情報も併せて識別することは可能である。いずれの場合であっても、位置検索手段14では、空白領域を、データの有無の情報及び色情報を検索することで、空白に相当する色の部分を検索することができる。色情報の使用の如何に拘らず、空白領域をデータ無し或いは白色の領域とするならば、単に0/1のビット単位で0の部分に対して指定したスタンプサイズ情報と照らし合わせて空白スペースを検索するようにすればよい。
位置検索手段14の他の形態としては、読み込んだ文書ファイルから検索範囲に該当するデータを抽出する手段を有するようにしてもよい。この位置検索手段14では、抽出したデータ(検索範囲のみの文書ファイルのデータ)から、スタンプ処理手段11で使用するスタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を、スタンプ位置として検索する。この抽出は、文書ファイルがその検索段階においてビットマップなどの点のデータで表現されているときに特に有効である。また、上述したように文書ファイルがビットマップデータでない場合にも、そのデータ(ここではベクトルデータ)をビットマップデータに展開して、空白領域の検索を行うようにすることもできる。
また、文書ファイル読込手段12において、文書ファイルをその出力形式で読み込むようにし、位置検索手段14において、検索範囲指定手段13で指定した検索範囲を読み込んだ出力形式での検索範囲に当てはめて、空白領域を検索するようにしてもよい。例えば、いずれの形式の文書ファイルであってもその表示デバイスや汎用プリンタ,複写機,複合機(MFP:Multi−Function Product/Printer/Peripheral)などの印刷装置への出力形式は、ビットマップデータのごとき0か1(及び色情報)のデータの集まりであるとも謂えるので、その出力形式での検索範囲に当てはめることは容易である。また、上述したデータ抽出を行う場合にも、同様に容易に実行できる。
さらに、位置検索手段14は、スタンプ位置を検索する際、文書ファイルにおける上下左右のいずれか又は全部の余白設定部分を検索対象から外して検索する手段を有するようにしてもよい。勿論、余白設定部分を検索対象から外すことは検索範囲指定手段13或いはそのユーザ設定手段13aでも可能である。また、余白設定部分に限らず、他の部分に対しても押印除外範囲の指定を可能としてもよい。なお、勿論、押印箇所を指定してスタンプ処理を行う機能を併せて持たせてもよい。
また、スタンプ処理手段11では、スタンプ位置検索手段で検索された空白領域(スタンプ位置)に、スタンプデータの出力画像が合成されるようにそのスタンプデータを挿入する。すなわち、スタンプ処理手段11は、文書ファイルの表示又は印刷時にそのスタンプがその位置にあるように、スタンプデータを挿入する手段である。
本実施形態に係るスタンプ処理装置1においては、自動的に文書ファイル内の各ページ及び複数の文書ファイルに対してスタンプ処理を行えるようにすることが好ましい。複数ページに対する自動スタンプとしては、スタンプ位置検索手段が文書ファイルの各ページに対して電子スタンプ処理を施す位置を検索し、スタンプ処理手段11が各ページに応じた(連番等で)電子スタンプ処理を施すようにすればよい。また、複数文書ファイルに対する自動スタンプとしては、スタンプ位置検索手段が複数の文書ファイルに対して電子スタンプ処理を施す位置を検索し、スタンプ処理手段11が各文書ファイルに応じた(連番等で)電子スタンプ処理を施すようにすればよい。
上述の各実施形態によれば、電子ファイルに電子スタンプ処理を施す際に、スタンプ位置指定やその確認を目視により行う必要もなく目視の省力化が可能となり、且つスタンプ処理可能領域を短い検索時間で検索してスタンプ位置を見つけ出すことが可能となり、また目視によるスタンプ位置指定を必要とせず高速に電子ファイルに電子スタンプ処理を施すことが可能となる。従って、電子文書の検印作業の自動化を行うこともできる。
図2は、図1の装置のスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の一実施形態に係るスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図3は、図2における文書ファイルの検索範囲指定処理及びスタンプデータの例を示す図で、図3(A)は文書ファイルの検索範囲指定処理例を説明するための図、図3(B)はスタンプデータの例を示す図で、図中、40は文書ファイルの表示画面、41は検索範囲、42,43,44はスタンプ画像である。
図1のスタンプ位置検索手段,スタンプ処理装置1は、コンピュータプログラム及びそのプログラムを実行する制御手段や記憶手段などによって構成することが一般的に行われる。図1のスタンプ位置検索手段,スタンプ処理装置1に対応するスタンプ位置検索プログラム,スタンプ処理プログラムの処理手順例を、図2及び図3を参照して説明する。
まず、文書ファイルをスタンプ処理装置1内或いは装置1外から文書ファイル読込手段12で読み込む(ステップS1)。そして、読み込んだ文書ファイルに対し、検索範囲指定手段13でスタンプ位置の検索範囲を指定する(ステップS2)。ここでの指定は、読み込む文書ファイルに対し一様の指定であっても、読み込んだ文書ファイル用の指定であってもよい。
文書ファイルが図3(A)のように表示画面40で表示されるべき(或いは印刷装置で印刷されるべき)ものであった場合、検索範囲の指定は、矩形点線で示す検索範囲41のように曖昧にページの左上などに指定しておいてもよく、それゆえ曖昧位置指定とも謂える。検索範囲の指定は、その他、文書ファイルのページ上の領域を複数に分割した場合の各領域から、検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させて、その選択に基づいて、読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する方法や、クリックアンドドラッグを画面上(例えば表示画面40(縮小表示も可)上や見本の画面上)でユーザに行わせる方法など、様々な方法がある。
また、読み込んだ文書ファイルに対し、スタンプ選択手段16で、挿入するスタンプを選択する(ステップS3)。選択するスタンプは、スタンプデータ生成/記憶手段15から取得したものとし、図3(B)に例示するようにそのデータの渡し先を表すスタンプ画像のデータ(例えば「○○製作所向け特注仕様」42),承認日43aを含む承認印43,そのデータに図示する物の特徴を表すスタンプ画像のデータ(例えば「表面つや消し加工」44)等、画像データに限らずテキストデータなど、どのようなものであってもよい。スタンプデータを生成する場合には生成されたものが基本的に選択される。また、ここでの選択も、読み込む文書ファイルに対し一様の指定であっても、読み込んだ文書ファイル用の指定であってもよい。
次に、位置検索手段14で、指定した検索範囲(例えば検索範囲41)から、スタンプ処理手段11で使用するスタンプデータ(例えばスタンプ画像42)の出力画像領域に相当する広さの空白領域を、スタンプ位置として検索する(ステップS4)。そして、スタンプ処理手段11において、位置検索手段14で検索されたスタンプ位置に、例えばスタンプ画像42を合成するなどして、電子スタンプ処理を施す(ステップS5)。
また、図1乃至図3で上述したスタンプ処理装置1や、そこに含まれるスタンプ処理手段11,スタンプ位置検索手段などは、ハードウェアで構成してもよいが、上述したように、PC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータやサーバコンピュータにプログラムを組み込むことで構成してもよく、その場合の各種処理について、図4に示す一般的な情報処理装置の構成例を参照して説明する。図4は、一般的な情報処理装置の構成例を示すブロック図で、図中、1aはスタンプ処理プログラム、31はCPU、32はRAM、33はROM、34は入力装置、35は表示装置、36は出力装置、37はバスである。
本発明における装置1や装置1における各手段で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM32に蓄積され、その後、各種ROM33に格納され、必要に応じて、CPU31によって読み出し、修正・書き込みが行われる。また、コンピュータを本発明における装置1や各手段として機能させるためのプログラムは、図4でスタンプ処理プログラム1aとして例示したように、ROM33に蓄積されており、CPU31が読み出すことによって実行される。コンピュータ等に搭載される場合のこのプログラムは、上述の各手段(及び他の形態で後述する各手段)としてコンピュータのCPU31等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。
また、処理の途中経過や途中結果は、CRT,LCD等の表示装置35を通して装置ユーザに提示され、必要な場合には、キーボード,マウス(ポインティングデバイス)等の入力装置34から装置ユーザが処理に必要なパラメータを入力指定すればよい。このプログラムは、装置ユーザが使用する際に容易となるように、表示装置35用のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えるようにするとよい。出力装置36は、ネットワークに接続して通信を行うためのネットワークボード等の通信機器や、その他、印刷装置等の出力デバイス用の出力装置である。なお、CPU31,RAM32,ROM33,入力装置34,表示装置35,出力装置36は、バス37などで接続されていればよい。
図5は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図6は、図5の装置のスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図中、14aは空白領域色変更手段、17はスタンプ色変更手段、18はスタンプ画像縮小手段であり、その他、図1と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図4で説明した各実施形態の装置において、空白領域が見付からなかった場合に色を変えて再検索することを可能とした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。
本実施形態における位置検索手段14は、検索によりスタンプ位置としての空白領域が見付からなかった場合に、空白領域の色の設定を変更する空白領域色変更手段14aを有するものとする。例えば、スタンプの標準色が赤色で、空白領域の標準色が白色であり且つ文書ファイルが殆ど薄いピンク色であった場合、白色では見付からないのでその薄いピンク色を空白領域の色として変更するとよい。空白領域が見付からなかった場合(どの段階でもよい)のためのアラート機能を設けるなど、対処策も設定可能としておくとよい。アラート機能としては、「見付かりませんでした」などの文章を音声やポップアップ表示するなどするとよい。
また、本実施形態においては、空間領域色変更手段14aの代わり或いはそれに加えて、スタンプデータの方の色を変更するようにしてもよい。この形態では、スタンプ位置検索手段にスタンプ色変更手段17を備えるようにする。スタンプ色変更手段17では、スタンプデータの画像出力時における色を変更する。例えば、スタンプの標準色が青色で、空白領域の標準色が白色であり且つ文書ファイルが殆ど水色であった場合、スタンプの色を赤色などに変更するとよい。空白領域が見付からなかった場合のためのアラート機能を設けるなど、対処策も設定可能としておくとよい。スタンプ色変更手段17は、空白領域が見付からなかった場合だけでなく単に変更したいときにも援用できる。
また、本実施形態においては、空間領域色変更手段14aやスタンプ色変更手段17の代わり或いはそれに加えて、スタンプ画像を縮小するようにしてもよい。この形態では、スタンプ位置検索手段にスタンプ画像縮小手段18を備えるようにする。スタンプ画像縮小手段18では、スタンプ処理手段11で使用するスタンプデータ自体の出力画像領域を縮小する。そして、位置検索手段14では、その縮小したスタンプ画像に基づいて空白領域を検索する。空白領域が見付からなかった場合のためのアラート機能を設けるなど、対処策も設定可能としておくとよい。スタンプ画像縮小手段18は、空白領域が見付からなかった場合だけでなく単にスタンプデータを縮小したいときにも援用できる。なお、これとは逆の考えで、文書ファイル自体を拡大するような形態も採用できる。
図5の装置のスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムの処理手順例としては、まず、図2のステップS1〜S4と同様に、検索範囲から空白領域を検索する(ステップS11〜S14)。そこで、空白領域は見付かったか否かを判断し(ステップS15)、見付かっていればステップS5と同様の電子スタンプ処理を施す(ステップS17)。一方、空白領域が見付からなかった場合には、空白領域或いはスタンプ画像の色を変更するか、スタンプ画像を縮小する(ステップS16)。そしてステップS14に戻り、再検索を行い、見付かるまでこの処理を繰り返し、見付かった空白領域に電子スタンプ処理を施す(ステップS17)。
図7は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図8は、図7の装置のスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。また、図9は、図8における文書ファイルの検索範囲指定処理及びその設定画面の例を示す図で、図9(A)は検索設定画面の一例で、図9(B)は文書ファイルの検索範囲指定処理及び電子スタンプ処理を施した後の画面の一例である。
図中、19は表示手段、19aは表示デバイス、20はページ指定手段、45は横方向分割線、46は縦方向分割線、50は設定画面、51は空白検索・スタンプ処理ボタン、52は画面位置設定欄、53はスタンプ選択欄であり、その他、図1,図5及び図3と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図6で説明した各実施形態の装置において、ユーザが表示を見ながら検索範囲を設定できるようにした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。なお、ここでは図5及び図6で説明した装置に基づいて説明する。
本実施形態におけるスタンプ位置検索手段は、表示手段19及びページ指定手段20を備えるものする。表示手段19では、文書ファイル読込手段12で読み込んだ文書ファイルを表示デバイス19aに表示する。ページ指定手段20では、表示手段19で表示した文書ファイル内においてスタンプを挿入するページを指定する。なお、上述したように、ユーザ設定手段におけるユーザ入力なども表示デバイス19aを介して行われる。
図8の装置のスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムの処理手順例としては、まず、図6のステップS11〜S17と同様に、検索範囲から空白領域を見付かるまで検索し電子スタンプ処理を施す(ステップS21,S25〜S30)。但し、ステップS25における検索範囲の指定の処理が図6のそれと異なる。
まず、ステップS21で読み込んだ文書ファイルに対し、ユーザ設定手段13aにて分割数をユーザに選択させる(ステップS22)。上述したようにここでの選択はその文書ファイルに特有なものであっても他の文書ファイルにも適用可能であるものであってもよい。なお、通常、ここでのユーザ選択も表示デバイス19aでの表示に基づいて行われる。また、図9の例では、分割数が4に設定してあるものを示す。
そして、図9(B)に示すように、表示手段19にて、読み込んだ文書ファイルをその分割数(ここでは4分割)で分割した表示を表示デバイス19aで行う(ステップS23)。図9(B)では、文書ファイルの内容がスペースシャトルの設計図面である例において、4分割した表示として横方向分割線45及び縦方向分割線46が表示された例を示している。なお、図9(B)ではスタンプ処理後のページを図示しているが、分割線45,46はスタンプ処理後に表示,印刷等、出力しないようにする方がよい。
次に、ユーザ設定手段13aにて、分割した各領域から検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させる(ステップS24)。図9(A)の設定画面(環境設定画面)50では、1つ目のスタンプ処理に対して、検索範囲として画面位置設定(指定)欄52で「画面左上」がユーザ選択され、スタンプデータ(スタンプの種類)としてスタンプ選択欄53で「sample」(例えばスタンプ画像44)がユーザ選択されようとしている例を示している。検索範囲の選択は、ページ上のその領域をユーザがクリックすることで行うことが可能なようにしてもよい。空白検索・スタンプ処理ボタン51をチェックするなどして、「OK」ボタンをユーザがクリックすることでユーザ選択を完了する。検索範囲指定手段13では、その選択に基づいて、読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する(ステップS25)。そして、スタンプ処理装置1は、ステップS26〜S30の処理を実行し、スタンプデータの出力画像領域のサイズ(幅や高さ)を読み込み、空白領域を検索し、結果として図9(B)に示すように、画面左上に「表面つや消し加工」というスタンプ画像44が埋め込まれることとなる。
同様に、検索範囲として画面位置指定欄52で「画面左下」、スタンプデータとしてスタンプ選択欄53で「sample2」(例えばスタンプ画像42)がユーザ選択され、さらに検索範囲として画面位置指定欄52で「画面右下」、スタンプデータとしてスタンプ選択欄53で「sample3」(例えばスタンプ画像43)がユーザ選択され、空白検索・スタンプ処理ボタン(スタンプ挿入処理ボタン)51をチェックするなどして、「OK」ボタンをユーザがクリックすることで、空白検索が各所に対してなされ、図9(B)のように、画面左下に「○○製作所向け特注仕様」というスタンプ画像42が、承認日の入った承認印のスタンプ画像43が、それぞれ埋め込まれるスタンプ処理がなされることとなる。本発明では、このように、1ページに対して複数の検索範囲の指定及び/又はスタンプデータの挿入を実行することも可能である。
また、他の実施形態として、表示手段19をスタンプ処理装置1としては備えず、文書ファイル読込手段12で読み込んだ文書ファイル内においてスタンプを挿入するページを指定するページ指定手段をのみを備えるようにしてもよく、後述する文書ファイルの種別等に基づいて、全ページ指定や先頭ページ指定などを行う際にこのページ指定手段は有用である。
図10は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図11は、図10の装置のスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の他の実施形態に係るスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図中、21は文書判別手段であり、その他、図1,図5,図7と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図9で説明した各実施形態の装置において、読み込んだ文書ファイルの種別等を判別してそれに応じたスタンプ処理を可能とした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。但し、本実施形態における装置ではアクセス可能な場所にスタンプデータ記憶手段を備えるものとする。なお、ここでは図7乃至図9で説明した装置に基づいて説明する。
本実施形態におけるスタンプ位置検索手段は、文書判別手段21を備えるものとする。文書判別手段21では、文書ファイルから、文書の種類及び/又は業務を判別する。文書の種類とは、例えばtxtファイル,bmpファイル,jpegファイル,gifファイル,TIFFファイル,Officeファイル(エクセルファイル,ワードファイル等),PDFファイル,キャドファイル等、文書ファイルの形式や、例えば図面,文書(契約書,稟議書等),写真などの文書ファイルの内容などを指す。また、文書の業務とは、例えば、その文書がどの部門の文書であるのか、どういった業務での文書であるのか、などを指す。
スタンプ選択手段16では、文書判別手段21で判別した結果に基づいて、スタンプ処理手段11で使用するスタンプデータをスタンプデータ記憶手段に記憶されたスタンプデータの中から抽出するようにすればよい。
図10の装置のスタンプ位置検索プログラム及びスタンプ処理プログラムの処理手順例としては、まず、図8のステップS21〜S30と同様に、検索範囲から空白領域を見付かるまで検索し電子スタンプ処理を施す(ステップS41〜S50)。但し、ステップS46におけるスタンプ選択の処理が図8のそれと異なる。
まず、読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定(ステップS45)した後、読み込んだ文書ファイルに対し、文書判別手段21で種別等を判別し、その種別等に応じたスタンプを選択する(ステップS46)。ここで選択されたスタンプのスタンプデータによって後段で検索及び電子スタンプ処理が施されることとなる。
図12は、本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置の一構成例を示す図で、図中、22は画像読取装置であり、その他、図1,図5,図7,図10と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の他の実施形態に係るスタンプ処理装置は、図1乃至図11で説明した各実施形態の装置において、原稿からの画像読み取り処理及び読み取ったデータに対するスタンプ処理を可能とした装置であり、上述した装置及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。なお、ここでは図10及び図11で説明した装置に基づいて説明する。
本実施形態におけるスタンプ処理装置1は、スキャナ等の画像読取装置22をさらに備えるものとする。画像読取装置22では、原稿を読み取って原稿画像データを出力する。そして、文書ファイル読込手段12では、画像読取装置22で出力された原稿画像データを文書ファイルとして読み込む。本実施形態では、詳細は省略するが、上述した特許文献1,2等の押印処理も可能となる。
図13は、本発明の一実施形態に係る電子承認システムの一構成例を示す図で、図14は、図13のシステム装置における電子承認プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図で、本発明の一実施形態に係る電子承認プログラムにおける処理手順例を説明するためのフロー図でもある。図中、1aはスタンプ処理プログラム、2は文書ファイルデータベース、2aは文書管理プログラム、3は承認者のクライアント装置、4はネットワークであり、その他、図1,図5,図7,図10,図12と同じ或いは同様の構成要素には同じ符号を付してある。
本発明の一実施形態に係る電子承認システム(以下、本システムという)は、図1乃至図12で説明した各実施形態のスタンプ処理装置を備え、電子ファイルの認証を可能としたシステムであり、上述した装置と同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。
本システムは、上述したいずれかの実施形態のスタンプ処理装置と共に、文書ファイルを記憶する文書ファイル記憶装置と文書ファイルを承認する承認者が使用するクライアント装置3とを備えるものとする。本システムでスタンプ処理されることによって承認処理がなされる対象は、文書ファイル記憶装置に記憶・格納された文書ファイルである。なお、図12では、スタンプ処理装置の例として、サーバ装置にスタンプ処理プログラム2aが組み込まれたものとして例示し、また、文書ファイル記憶装置の例として、文書ファイルデータベース(DB)2を、文書管理プログラム2aが組み込まれたサーバ装置からアクセス可能な状態で備え、サーバ装置でそのDB2を管理しているものとして例示している。
また、ここでは、クライアント装置3がネットワーク4を介してスタンプ処理装置及び文書ファイル記憶装置(スタンプ処理プログラム1a及び文書管理プログラム2a,DB2)を備えるサーバ装置に接続されているものとして説明するが、本発明に係る電子承認システムは、クライアント装置3にスタンプ処理プログラム2aを組み込むなどしてスタンプ処理装置を内蔵した形態など、様々な形態が採用可能である。また、本システムを図7及び図8で説明した装置を備えたものとして説明する。
クライアント装置3は、文書ファイルDB2から文書ファイルを読み出す手段と、読み出した文書ファイルを承認者が承認する際に、スタンプ処理装置を起動させる手段と、を備えるものとする。サーバ装置に、クライアント装置3がこれらの手段を機能させるための手段を備えておくとよい。スタンプ処理プログラム1a及びそれを実行するハードウェアは、その承認者用のスタンプデータを使用して電子スタンプ処理を行う。文書ファイル記憶装置は、スタンプ処理が施された文書ファイルを記憶する手段を備えるものとする。この例では、サーバ装置が、スタンプ処理が施された文書ファイルを文書ファイルDB2に記憶する手段を備えるものとしている。
本システムでは、クライアント装置3にて承認者が、サーバ装置にアクセスして文書ファイルDB2から文書ファイルを読み込む(ステップS61)。このとき、スタンプ処理プログラム1aもその文書ファイルを読み込む。そして、サーバ装置におけるスタンプ処理装置(ここではサーバ装置に組み込まれたスタンプ処理プログラム1a)は、読み込んだ文書ファイルに対し、分割数を承認者にクライアント装置3にて選択させる(ステップS62)。次にスタンプ処理プログラム1aは、クライアント装置3の表示デバイスに対し、読み込んだ文書ファイルをその分割数で分割した表示を行い(ステップS63)、分割した各領域から、検索範囲として1又は複数領域をユーザに選択させる(ステップS64)。
スタンプ処理プログラム1aは、その選択に基づいて、読み込んだ文書ファイルの検索範囲を指定する(ステップS65)。さらに、スタンプ処理プログラム1aは、読み込んだ文書ファイルに対し、承認者用のスタンプを、承認者の情報を格納したDBやクライアント装置3から読み出し選択する(ステップS66)。そして、スタンプ処理プログラム1aは、指定した検索範囲から、挿入するスタンプデータの出力画像領域に相当する広さの空白領域を、スタンプ位置として、空白領域は見付かるまで(ステップS68でYES)検索する(ステップS67)。見付からなかった場合には、空白領域或いはスタンプ画像の色を変更するか、スタンプ画像を縮小する(ステップS69)。スタンプ処理プログラム1aは、空白領域が見付かったら、検索されたスタンプ位置に、承認者用のスタンプで電子スタンプ処理を施す(ステップS70)。最後に、文書ファイル記憶装置が、電子スタンプ処理が施された文書ファイルを記憶する(ステップS71)。この例ではサーバ装置が文書ファイルDB2に対し、電子スタンプ処理が施された文書ファイルを格納する。
ここで、上述したサーバ装置,各種DB,クライアント装置,ネットワークに関して補足的に説明する。DB2等のデータベースは、サーバ装置に物理的に含まれている形態でも、サーバ装置にDBがネットワークを介して接続され、物理的に離散している形態を採用してもよい。またDBは、その構成上別々のものでも一体型のものでもよく、要はデータベースとしての機能がはたせる形態であればよい。DBを管理するサーバ装置は、上述の文書管理プログラム2aのような、DBの維持・運用を行う専用のソフトウェア(DB管理システム)を備えるようにすることが好ましい。これにより、DB内のデータを本発明に係る各機能を実現するプログラム(アプリケーションソフト)から物理的,論理的に独立させ、各種アプリケーションのバージョンアップやシステム構築が容易になる上に、データの整合性(一貫性)を保て、データのセキュリティの確保が行い易くなる。また、サーバ装置は、WWWサーバ,ユーザ(ここでは承認者が主たるユーザ)認証サーバ,DB管理サーバ等、処理に応じた階層構造をもつサーバとしてもよい。
さらに、上述したクライアント装置3やサーバ装置など、PC(パーソナルコンピュータ)等の汎用コンピュータやサーバコンピュータにおける各種情報の処理について、再度図4に示す一般的な情報処理装置の構成例を参照して説明する。サーバ装置に搭載される場合のこのプログラムは、上述又は後述するサーバ装置の各手段としてコンピュータのCPU31等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。同様に、クライアント装置3に搭載される場合のプログラムとしては、上述又は後述するクライアント装置3の各手段として、コンピュータのCPU等を制御するプログラムである。これらのプログラムは、装置ユーザ(システムの管理者、クライアント装置のユーザ)が使用する際に容易となるように、図3や図9に例示するような画面を提示するなど、表示装置35用のグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を備えるようにするとよい。
また、ネットワーク4等の本明細書中に記載のネットワークとしては、通信回線(有線,無線に限らず)を使用したイントラネット,エクストラネット等のネットワークシステムで構成され、インターネットでも構成することもある。このネットワークシステムはLAN(Local Area Network)環境に限らずサーバ装置の設置場所によってはWAN(Wide Area Network)環境やMAN(Metropolitan Area Network)環境で構築される場合もある。また、このネットワークは、専用回線の使用、伝送データの暗号化、各クライアント装置等を使用するユーザの認証など様々な方法によるセキュリティの強化を行うことが好ましい。
上述の各実施形態のシステムによれば、電子ファイルを承認者が承認するに際し、スタンプ位置指定やその確認を目視により行う必要もなく目視の省力化が可能となり、且つスタンプ処理可能領域を短い検索時間で検索してスタンプ位置を見つけ、高速に電子ファイルに電子スタンプ処理を施すことが可能となる。従って、電子文書の検印作業の自動化を行うこともできる。
図15は、本発明の他の実施形態に係る電子承認システムの一構成例を示す図で、図中、5は文書管理サーバ装置、5aは文書ファイルDB、5bは文書ファイル、6はクライアント装置、6aはスタンプ処理後の文書ファイル、6bはPDFファイル、6cは印刷書類、7はスタンプツール、7aは承認印である。
本発明の他の実施形態に係る電子承認システム(以下、本システムという)は、図13及び図14の各実施形態で説明したシステムにおいて、業務指示書を発行可能とした指示書発行システムであり、上述したシステム及びプログラムと同様の箇所や応用形態の説明はその効果の説明も含め省略する。
本システムを、製造指示書を発行するシステムとして説明する。本システムは、文書ファイルDB5aを管理する文書管理サーバ装置5と、それにネットワーク接続された承認者(ここでは製造指示書発行者)のクライアント装置6と、様々な指示書発行手段と、を備えるものとする。
本システムでは、製造指示書を作成した者が文書ファイルDB5aに格納した文書や図面等でなる製造指示書の文書ファイル5bを、製造指示書発行者がクライアント装置6を操作して、読み出し、スタンプツール7を起動させて、承認印7aをスタンプ合成する。そして、クライアント装置6では、承認印7a入りのスタンプ処理後の文書ファイル6aを、PDFファイル6bとしてファイル保存出力したり、印刷装置で印刷書類6cとして印字出力したりして、製造指示書を発行する。
以上、図1乃至図15を参照しながら、本発明の装置、システム、及びプログラム(オ及びその処理手順)を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、上述した各実施形態における装置及びシステムに係る図4を参照した説明で述べたように、コンピュータをスタンプ位置検索手段又はスタンプ処理装置(或いは装置における各手段)として機能させるためのプログラム、或いはコンピュータを電子承認システム(或いはシステムにおける各手段)として機能させるためのプログラム、或いはコンピュータにそれら装置或いはシステムの処理手順やそれら処理手順を実行させるためのプログラムとしても、或いは、それらのいずれかのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も採用できる。
本発明によるスタンプ位置検索,スタンプ処理,電子承認の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、上述した本発明の各実施形態の装置やシステムの機能をコンピュータに実行させ、スタンプ位置検索,スタンプ処理,電子承認の機能を実現するためのプログラムを、これら記録媒体に記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そして、図4で例示したようなコンピュータ等の情報処理装置に、上述のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記録媒体に当プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わるスタンプ位置検索,スタンプ処理,電子承認の機能を実行することができる。
1…スタンプ処理装置、1a…スタンプ処理プログラム、2,5a…文書ファイルデータベース、2a…文書管理プログラム、3,6…承認者のクライアント装置、4…ネットワーク、5…文書管理サーバ装置、5b…文書ファイル、6a…スタンプ処理後の文書ファイル、6b…PDFファイル、6c…印刷書類、7…スタンプツール、7a…承認印、11…スタンプ処理手段、12…文書ファイル読込手段、13…検索範囲指定手段、13a…ユーザ設定手段、14…位置検索手段、14a…空白領域色変更手段、15…スタンプデータ生成/記憶手段、16…スタンプ選択手段、17…スタンプ色変更手段、18…スタンプ画像縮小手段、19…表示手段、19a…表示デバイス、20…ページ指定手段、21…文書判別手段、22…画像読取装置、31…CPU、32…RAM、33…ROM、34…入力装置、35…表示装置、36…出力装置、37…バス、40…文書ファイルの表示画面、41…検索範囲、42,43,44…スタンプ画像、45…横方向分割線、46…縦方向分割線、50…設定画面、51…空白検索・スタンプ処理ボタン、52…画面位置設定欄、53…スタンプ選択欄。