JP4178989B2 - Iii−v族化合物半導体ウェーハの製造方法 - Google Patents

Iii−v族化合物半導体ウェーハの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、III−V族化合物半導体ウェーハの製造方法に関し、さらに詳しくは、オフアングルのIII−V族化合物半導体ウェーハを製造する際に、単結晶インゴットの切断に伴なう単結晶の損失部分を低減し、オフアングルのウェーハを効率良く製造できる方法に関する。ここで、オフアングルとは、低指数面からずれた表面を持つという意味で、低指数面とは面指数(hkl)の値が(100)、(110)、(111)などのように小さい整数で表される結晶面である。
【0002】
【従来技術】
III−V族化合物半導体ウェーハは、発光素子、レーザ素子や受光素子等の光学化合物半導体デバイス製造に際して、エピタキシャル用の基板として用いられるものである。III−V族化合物半導体とは、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化インジウム(InAs)等である。上記III−V族化合物半導体の単結晶は、一般に液体封止チョクラルスキー(LEC)法、水平ブリッジマン(HB)法、垂直ブリッジマン(VB)法、垂直温度勾配(VGF)法によって製造される。
例えば、リン化ガリウム単結晶ウェーハ(以下、GaPウェーハと略称することもある。)は、発光素子用のエピタキシャル膜を成長させるための基板として広く用いられている。このエピタキシャル工程では、液相エピタキシャル成長法あるいは気相エピタキシャル成長法で基板上に発光層が形成される。
【0003】
近年、発光素子の高出力化、長寿命化のため等の性能向上にともない、GaPウェーハとしては、良質な発光素子用エピタキシャル膜を得るために残留歪や結晶欠陥の少ない良質な単結晶であることと同時に、特定の結晶方位に傾いたオフアングルのウェーハであることが重要である。エピタキシャル層を成長させる基板として、主に低指数面の(100)ウェーハが用いられるが、例えば、{100}面から特定の<110>の方向へ数度偏位した面方位を持つオフアングルのウェーハが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
なお、本明細書中では、結晶面及び結晶の方位の表示について以下のような記号を用いて説明することとする。
例えば(100)の()記号は特定の結晶面を示し、{100}の{}記号は(100)面と等価な結晶面、(100)、(−100)、(010)、(0−10)、(001)、(00−1)面を含む。また、例えば[110]の[]記号は特定の結晶方位を示し、<110>の<>記号は等価な結晶方位を表す。図1に、GaPの(100)面を中心とした結晶面および結晶方位の関係を示す。
図中の面指数は負数の場合、整数の上に線を引いて示している。
【0005】
従来、オフアングルの結晶面を持つGaPウェーハの工業的製造プロセスは、以下の工程からなる。
(1)結晶育成
LEC法では、縦型単結晶育成炉の高圧容器の中心に配置された石英ルツボの中に、原料のGaP多結晶とn型不純物を装入し、更にその上に液体封止剤を載せる。次いで、高圧容器内を不活性ガス雰囲気下で高圧とした後、GaPの融点以上まで昇温する。GaP原料が融解後、上部シャフトに取り付けた<100>方向の種結晶を降下させて、GaP融液に浸ける。その後、融液界面の温度を所定温度に下げ、界面の融液を凝固させ、種結晶を徐々に引き上げることでGaP単結晶が育成される。
【0006】
(2)加工
育成された端面が(100)面の単結晶インゴットは、円筒研削機を用いて円筒研削された後、X線結晶方位測定器で結晶の円筒面上の[01−1]方位を検出してウェーハの方位を示すためのオリエンテーションフラット(以下、単に「OF」と呼称することがある。)を研削する。次に、OFの付いた円筒研削後の単結晶インゴットは、以下のいずれかの方法で厚さ250〜400μmのウェハに切断される。
▲1▼内周刃切断機に取り付けて、(100)面に対して、[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]の結晶方位に所定のオフアングルで切断する。▲2▼内周刃切断機で単結晶インゴットの端面を所定のオフアングルに予め切断した後、ワイヤーソーに取り付けて前記切断した単結晶インゴットの端面に平行に切断する。
【0007】
(3)評価
得られたGaPウェーハは電気特性、加工精度、反り、結晶欠陥、外観を検査し、合格したものが所定のオフアングルの結晶面を持つ、エピタキシャル用の単結晶ウェーハとなる。
【0008】
上記のように、<100>方向に育成された、端面が(100)面の単結晶インゴットから、所定の角度に傾けて切断してオフアングルのウェーハを得る方法(以下、(100)インゴット法と呼称することがある。)では、切断において前記単結晶インゴットを傾けた分だけ損失となる部分が発生する。例えば、直径55mmで直胴長100mmの単結晶から10゜のオフアングルのウェーハを切断する場合には、55mm×tan10゜=9.7mmの長さの単結晶部分、即ち直胴長の約10%の部分が切断損失となる問題がある。
【0009】
ところで、<100>方向から特定の方位に傾けたオフアングルの単結晶インゴットを育成し、結晶の軸に対して直角方向に切断する方法(以下、オフアングルインゴット法と呼称することがある。)では、オフアングルに伴なう前記切断損失を無くすことができる。しかしながら、前記オフアングルインゴット法が有効なのは(100)面に対して[0±1±1]方位にオフアングルを持つ場合に限られる。(100)面に対して[0±1±1]方位のオフアングルを持つ場合については、(100)面に対して[0±1±1]方位のオフアングルを持つ単結晶を育成後、結晶の軸に対して直角方向に切断することによるウェーハの製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0010】
上記の(100)面に対して[0±1±1]方位のオフアングルの場合であれば、単結晶の円筒面上の一組の向かい合う等価な<110>方位は、オフアングルの分だけ{110}面から傾くが、X線結晶方位測定器の入出射X線の軌跡に対して直角方向の傾きであるので検出できる。また、単結晶の円筒面上の他の一組の向かい合う等価な<110>方位は、{110}面にほぼ垂直であるので検出でき、円筒面上の<110>方位を検出してウェーハの方位を示すためのOFが研削される。
【0011】
ところが、(100)面から[10−1]、[110]、[101]ないしは[1−10]方位に傾いた結晶面を持つオフアングルで育成した単結晶の場合、OFとして研削した平面は、単結晶の円筒面上の二組の向かい合う等価な<110>方位からオフアングルに相応する分だけ{110}面から傾くため、X線結晶方位測定器では十分な強度のX線回折ピークが得られず、<110>方位が検出されない。したがって、これまでは、(100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位に傾いた結晶面を持つオフアングルのGaPウェーハの製造には、前記(100)インゴット法すなわち<100>方位で育成した単結晶を円筒研削機で円筒およびOF研削してから、所定の方位とオフアングルに傾けて切断する方法を用いてきた。この方法では、上記したように、切断において単結晶インゴットを傾けた分だけ切断損失が発生するので、切断損失の低減が望まれている。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−83926号公報(第1頁、第2頁)
【特許文献2】
特許第2882355号公報(第1頁、第2頁)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、オフアングルのIII−V族化合物半導体ウェーハを製造する際に、単結晶インゴットの切断に伴なう単結晶の損失部分を低減し、オフアングルのウェーハを効率良く製造できる方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために、(100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位に所定のオフアングルの結晶面を持つIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法について、鋭意研究を重ねた結果、(100)面から特定の[0±1±1]方位に所定のオフアングルから算出した角度に傾いた結晶面を持つ単結晶を育成する工程と該単結晶を特定の方位に所定のオフアングルから算出した前記角度だけ傾いた方向に切断してウェーハを得る工程を組合せて行ったところ、所望のオフアングルのウェーハが得られ、かつ取得枚数が増加することを見出し、本発明を完成した。
【0015】
すなわち、本発明の第1の発明によれば、(100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位に所定のオフアングル(α)の結晶面を持つIII−V族化合物半導体ウェーハを製造する方法であって、(100)面から[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位、あるいは[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位に下記の式(1)を満足する角度(β)だけ傾いた方向の結晶面を持つ単結晶を育成する工程と、該単結晶を[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位に前記角度(β)だけ傾いた方向に切断してウェーハを得る工程を含むことを特徴とするIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法が提供される。
【0016】
β=cos−1[{2/((1/cosα)+1)}1/2] (1)
【0017】
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記オフアングル(α)が、5〜20°であることを特徴とするIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法が提供される。
【0018】
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、さらに、前記ウェーハを得る工程に先立って、単結晶をX線結晶方位測定器を付属する自動円筒研削装置を用いて円筒研削した後、[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位を検出してオリエンテーションフラットを研削する工程を含むことを特徴とするIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法が提供される。
【0019】
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記III−V族化合物半導体ウェーハが、リン化ガリウム単結晶ウェーハであることを特徴とするIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法が提供される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法を詳細に説明する。
本発明に係るIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法は、オフアングルのIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法において、単結晶インゴットの切断に伴なう単結晶の損失部分を低減し、オフアングルのウェーハを効率良く製造するものである。
【0021】
本発明において、(100)面に対して[0±1±1]方位のオフアングルであれば、単結晶の円筒面上の一組の向かい合う等価な<110>方位はオフアングルの分だけ{110}面から傾くが、X線結晶方位測定器の入出射X線の軌跡に対して直角方向の傾きであるため、該測定器で検出でき、OFが研削できるということが重要である。これによって、(100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位に傾いた結晶面を持つ所定のオフアングル(α)のIII−V族化合物半導体ウェーハの新規の製造方法が得られ、この製造方法において単結晶の切断損失の低減が達成される。
【0022】
すなわち、(100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位に傾いた結晶面を持つオフアングルαのIII−V族化合物半導体ウェーハを製造する場合には、<100>方位から[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位に角度βだけ傾けた結晶面で単結晶を育成し、該単結晶を円筒研削機で円筒研削した後、X線結晶方位測定器で(01−1)面ないし(0−11)面を検出しOFを研削してから、[01−1]ないし[0−11]方位に角度βだけ傾けて切断する。なお、角度βは、(100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位にオフアングルαだけ傾いた結晶面の[0±1±1]方位成分の傾きの角度であり、上記式(1)にて算出される。
【0023】
このとき、角度βは、オフアングルαに比べて低い数値になるので、本発明の方法に従い単結晶インゴットを角度βに切断するほうが、前記(100)インゴット法即ち(100)面を持つ単結晶インゴットからオフアングルαだけ傾けて切断する方法よりも、切断の角度が小さくなるので切断に伴なう損失部分を低減でき、取得するウェーハ枚数を増やすことができる。
【0024】
本発明に係るIII−V族化合物半導体としては、特に限定されるものではなく、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化インジウム(InAs)等のIII−V族化合物半導体が含まれるが、その中で特に発光素子用の化合物半導体として広く使用されているリン化ガリウム(GaP)が好ましく用いられる。
【0025】
(1)単結晶を育成する工程
本工程は、(100)面から[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位に上記の式(1)を満足する角度(β)だけ傾いた方向の結晶面を持つ単結晶を育成する工程である。
本発明において、III−V族化合物半導体の単結晶を育成する工程の方法としては、特に限定されるものではなく、LEC法、HB法、VB法、VGF法等の公知の方法を使うことができる。
【0026】
例えば、LEC法でGaP単結晶を育成する場合には、縦型単結晶育成炉の高圧容器の中心に配置された石英ルツボの中に、原料のGaP多結晶とS、Te、又はSiから選ばれるn型不純物を装入し、更にその上に液体封止剤を載せる。
液体封止剤は、原料融解時にGaP融液の上に液体封止層を形成してリンの揮発分解を防止するためのもので、通常はBが用いられる。
次いで、高圧容器内を窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で高圧とし、前記育成炉の黒鉛ヒーターに通電してGaPの融点以上まで昇温する。GaP原料が融解後、上部シャフトに取り付けた<100>方向の種結晶を降下させて、液体封止層の直下に位置するGaP融液に浸ける。その後、石英ルツボを回転させながら、融液界面の温度を所定温度に下げ、続いて種結晶を回転させながら上昇させることで界面の融液を凝固させ、GaP単結晶が育成される。
【0027】
(2)オリエンテーションフラットを研削する工程
本工程は、特に限定されるものではなく、単結晶の切断に先立って単結晶を円筒研削した後、所定の方位を検出してオリエンテーションフラットを研削する工程が用いられるが、工業的な効率性から、単結晶をX線結晶方位測定器を付属する自動円筒研削装置を用いて円筒研削した後、[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位を検出してオリエンテーションフラットを研削する工程が好ましい。例えば、育成された単結晶インゴットは、自動円筒研削機を用いて、外形を整えるために円筒研削された後、同装置に付属されているX線結晶方位測定器で結晶の円筒面上の所定の方位を自動的に検出してウェーハの方位を示すためのオリエンテーションフラットを研削する。ここで、オリエンテーションフラットを研削する方法としては、特に限定されるものではなく、市販の自動円筒研削装置、例えば齋藤精機社製の自動円削機やウエダ技研商事社製のMS−h200NAH−Bが用いられる。
【0028】
(3)ウェーハを得る工程
ウェーハを得る工程は、前記単結晶を[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位に前記角度(β)だけ傾いた方向に切断してウェーハを得る工程である。OFの付いた円筒研削後の単結晶インゴットは、以下のいずれかの方法で厚さ250〜400μmのウェハに切断される。
▲1▼内周刃切断機に取り付けて、[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位に前記角度(β)だけ傾いた方向に切断する。
▲2▼内周刃切断機で単結晶インゴットの端面を[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位に前記角度(β)で予め切断した後、ワイヤーソーに取り付けて前記切断した単結晶インゴットの端面に平行に切断する。
本発明において、オフアングルのウェーハを得る方法としては、特に限定されるものではなく、公知の内周刃切断機及びワイヤーソーを用いて行うことができる。
【0029】
本発明において、オフアングルαは、特に限定されるものではなく、種々の角度が選定できるが、発光ダイオード用の良質なエピタキシャル膜を得るためには、一般的に角度5〜20°が好ましい。
【0030】
上記のように、本発明の方法で、(100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位に傾いた結晶面を持つオフアングルαのIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法が得られ、かつこの製造方法において単結晶の切断損失の低減が達成される。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明の実施例および比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
(100)面に対して[10−1]方位にオフアングル10゜で傾いた結晶面のGaPウェーハの製造を、以下の方法で行った。
【0032】
(1)単結晶を育成する工程
LEC法による育成炉の高圧容器の中心に配置された石英ルツボの中に、原料のGaP多結晶とn型不純物のSを装入し、さらに原料の上に液体封止剤Bを載せた。
【0033】
次に、高圧容器内をアルゴン雰囲気下で高圧とし、前記育成炉の黒鉛ヒーターに通電してGaPの融点以上まで昇温した。GaP原料が融解後、上部シャフトに取り付けた<100>方位から[0−1−1]方位に7.1゜傾いている結晶面をもつ種結晶を降下させて、液体封止層の直下に位置するGaP融液に浸けた。その後、石英ルツボを回転させながら、融液界面の温度を所定温度に下げ、続いて種結晶を回転させながら上昇させ、直径55mm、直胴長110mmのGaP単結晶を育成した。
【0034】
(2)オリエンテーションフラットを研削する工程
次いで、自動円筒研削装置で直径53mmに円筒研削した後、当該装置に付加されているX線結晶方位測定器で、(01−1)面を検出しOFを研削した。
(3)ウェーハを得る工程
次に(100)面に対して[0−1−1]方位に7.1゜傾いている結晶面が出ている単結晶インゴット端部の結晶面が、[01−1]方位にも7.1゜傾いた結晶面になるように内周刃切断機で切断して調整した。このとき、調整代として10mmを使ったため、直胴長は100mmとなった。単結晶インゴット側面の(0−1−1)面側を試料台に貼りつけてからワイヤーソーに取り付け、単結晶インゴット端部の結晶面がワイヤーと平行になるよう位置調整した後、厚さ350μmのウェハに切断した。製造されたGaPウェーハの枚数は、184枚であった。
【0035】
図2の(a)に、以上の工程で得られたGaPウェーハの模式図を示す。図2(a)において、実線は切断するときの単結晶インゴットの傾斜角度とその方位を、破線はオフアングルの結晶面の傾斜角度とその方位を表す。図2(a)より、以上の工程で得られたGaPウェーハは、(100)面に対して[10−1]方位にオフアングル10゜で傾いた結晶面を持っていることが分かる。
【0036】
(比較例1)
<100>方位の種結晶であることを除いては実施例1と同様に行って、直径55mm、直胴長110mmのGaP単結晶を得た。次いで自動円筒研削機で直径53mmに円筒研削した後、当該装置に付加されているX線結晶方位測定器で(01−1)面を検出しOFを研削した。次に(100)面が出ている単結晶インゴット端部の結晶面が、[10−1]方位に10゜傾いた結晶面になるように内周刃切断機で切断して調整した。このとき調整代として10mmを使ったため、直胴長は100mmとなった。
【0037】
図2の(b)に、以上の工程で得られたGaPウェーハの模式図を示す。図2(b)において、実線は切断するときの単結晶インゴットの傾斜角度とその方位を、破線はオフアングルの結晶面の傾斜角度とその方位を表す。単結晶インゴット側面の(010)面側を試料台に貼りつけてからワイヤーソーに取り付け、単結晶インゴット端部の結晶面がワイヤーと平行になるよう位置調整した後、厚さ350μmのウェハに切断した。得られたGaPウェーハの枚数は179枚であった。
【0038】
以上より、本発明の方法に従って行われた実施例1では、単結晶の切断後に得られたGaPウェーハの枚数が、比較例1に比べて約3%増えた。この増加率は、育成した単結晶の切断角度の差2.9゜(10°−7.1°)に相当する割合の2.7%((53mm×tan2.9゜)/100mm≒0.027)と合致することから、本発明の方法に従って行われた実施例1では切断角度が小さくなることによって、切断に伴なう損失部分が減少したことを示している。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法は、単結晶インゴットの切断に伴なう損失部分を低減し、オフアングルのウェーハを効率良く製造できる方法であり、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(100)面を中心とした結晶面と結晶方位の関係を表す図である。
【図2】GaPウェーハの模式図を表す図である。

Claims (4)

  1. (100)面から[10−1]、[110]、[101]又は[1−10]方位に所定のオフアングル(α)の結晶面を持つIII−V族化合物半導体ウェーハを製造する方法であって、
    (100)面から[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位、あるいは[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位に下記の式(1)を満足する角度(β)だけ傾いた方向の結晶面を持つ単結晶を育成する工程と、該単結晶を[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位に前記角度(β)だけ傾いた方向に切断してウェーハを得る工程を含むことを特徴とするIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法。
    β=cos−1[{2/((1/cosα)+1)}1/2] (1)
  2. 前記オフアングル(α)が、5〜20°であることを特徴とする請求項1に記載のIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法。
  3. さらに、前記ウェーハを得る工程に先立って、単結晶をX線結晶方位測定器を付属する自動円筒研削装置を用いて円筒研削した後、[01−1]ないし[0−11]のいずれかの方位、あるいは[011]ないし[0−1−1]のいずれかの方位を検出してオリエンテーションフラットを研削する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載のIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法。
  4. 前記III−V族化合物半導体ウェーハが、リン化ガリウム単結晶ウェーハであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のIII−V族化合物半導体ウェーハの製造方法。
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