JP4178689B2 - 加工機における工具経路生成方法及び工具経路生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工機における工具経路生成方法及び工具経路生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に係り、より詳しくは、加工時間を短縮することができる工具経路を高精度に生成することができる工具経路生成方法及び工具経路生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ワーク(工作物)に対して加工機によりNC(数値制御)加工を行う場合、まずCADシステムで製品の形状設計を行い、次にCAMシステムで上記CADシステムで設計した製品形状に沿った工具経路を示す情報であるCLデータを生成する。
【0003】
このCLデータを加工機固有のコードデータに変換したものが‘NCデータ’であり、加工機のコントローラに該NCデータを転送することによってワークに対する加工が開始される。
【0004】
一方、従来より、NC加工の信頼性の向上を目的として、ワークに対する実際の加工に先立って、該加工をコンピュータにより模擬的にシミュレーションし、ディスプレイ等にグラフィック表示することによって加工状態を検証するNC加工シミュレータが開発されている。
【0005】
この種のシミュレータで用いることができるワークの形状データの形式としては、多面体に近似するB−rep、画素単位で近似するPIXEL法による形式、直方体や立方体を組み合わせて近似するVOXEL法による形式、等の種々のものがある。これらの形状データの形式には、各々近似誤差が存在するが、グラフィック表示等によって視覚的なシミュレーションを行うには、十分な精度とされている。
【0006】
ところで、前述したようなNC加工を行う際には、通常、直方体等のシンプルな素形材から加工を始めるため、例えばCAD/CAMによって得られた工具経路による加工範囲より素形材が小さい場合、素形材の外周には加工が行われない経路(以下、空切削工具経路という。)が生じる。また、素形材と工具経路の関係によっては外周以外にも空切削工具経路が生じ得る。一般に、この空切削工具経路における工具移動速度は、実際に加工が行われる経路(以下、実切削工具経路という。)における速度と同一とされているため、空切削工具経路において工具が必要以上に遅く移動され、無駄な加工時間が費やされていた。
【0007】
このような要因による加工時間の長時間化を解決するために適用し得る技術として、特開平11−90774号公報及び特開平7−121221号公報の各公報に記載の技術があった。
【0008】
特開平11−90774号公報に記載の技術は、前述したようなシミュレーション技術を応用して、形状データの体積情報に基づいて工具経路1点1点の加工体積を求め、工具の撓みに応じて工具移動速度を最適化するものである。
【0009】
また、特開平7−121221号公報に記載の技術は、空切削工具経路を削減するものであり、形状データの形式としてエリアマップという一種のVOXEL法を用いてワーク形状を近似し、該エリアマップの最高突出値で空切削工具経路における工具上昇位置を制限するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平11−90774号公報に記載の技術は、上述したようにシミュレーションによって工具移動速度を最適化するものであるため、ワークの形状データの近似誤差が上記加工体積に大きな影響を与え、工具移動速度を正確に最適化することが困難である、という問題点があった。例えば、工具経路の点間距離が形状データの近似誤差よりも小さくなる部分では、実際には加工しているにもかかわらず、ワーク形状が変化しないため、加工体積は零になってしまう。このような場合、無負荷と判断され、工具移動速度は増加方向に最適化されるので、工具の移動時に当該工具に大きな負荷が加わり、欠損、飛散する危険性がある。
【0011】
この問題点を具体的に示すと次のようになる。ワーク形状のデータ形式として直方体に近似するVOXEL法を用いてシミュレーションを行う場合、図17に示すように、工具経路1により除去された部分を通る工具経路2、すなわち、
点間距離L<近似誤差ε
である工具経路2は、実際は加工しているにもかかわらず、加工体積が零となり、空切削工具経路と誤判定されてしまう。これは、多面体に近似するB−repや画素単位で近似するPIXEL法、直方体や立方体で近似するVOXEL法等、データ形式として近似手法を適用する場合に共通する問題点である。
【0012】
このように、一般に、シミュレーションによって空切削工具経路を判定する場合、工具経路の点間距離が形状データの近似誤差よりも小さくなる部分ではワーク形状が変化しないため、本当は実切削工具経路であるにもかかわらず、空切削工具経路と誤判定してしまう。このように、実切削工具経路を空切削工具経路と誤判定した場合、実切削工具経路であるにもかかわらず、工具移動速度を上げてしまい、加工に重大な欠陥をもたらす。
【0013】
これとは逆に、空切削工具経路を実切削工具経路と誤判定した場合、空切削工具経路であるにもかかわらず工具移動速度を大きくすることができず、無駄な加工時間が増加する。
【0014】
このような問題点を解消するためにワーク形状の近似精度を高くした場合、空切削工具経路の誤判定頻度は減少するものの、完全に無くなることはなく、更にメモリ等の記憶手段の記憶容量を増大する必要があると共に、加工シミュレーションに要する時間も増大してしまうため、実用的ではなかった。
【0015】
一方、上記特開平7−121221号公報に記載の技術は、工具が加工エリア間を移動する際の工具上昇位置を制限するものであるので、加工エリア内部の空切削工具経路については改善されることがなく、十分な加工時間の短縮を実現できない、という問題点があった。
【0016】
本発明は上記問題点を解消するために成されたものであり、ワークの形状データの近似誤差に左右されることなく空切削工具経路を確実に判定することができると共に、加工時間を大幅に短縮することができる工具経路を生成することができる工具経路生成方法及び工具経路生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の加工機における工具経路生成方法は、初期工具経路及び加工前のワーク形状の各々を示す情報を取得する情報取得工程と、前記加工前のワーク形状から前記初期工具経路に基づいて得られる加工後のワーク形状を取り除くことによって、加工による除去形状を導出する除去形状導出工程と、前記除去形状に基づいて空切削工具経路を判定する空切削工具経路判定工程と、前記空切削工具経路の連続区間において、工具系とワーク系との間で干渉が発生しない1又は複数の2連結点で、かつ前記連続区間における始点から終点に至る2連結点間の距離の合計が最小となる前記1又は複数の2連結点を抽出する2連結点抽出工程と、抽出された前記1又は複数の2連結点により構成される経路を最終的な工具経路として生成する工具経路生成工程と、を有するものである。
【0018】
請求項1記載の工具経路生成方法によれば、情報取得工程によって初期工具経路及び加工前のワーク形状の各々を示す情報が取得され、除去形状導出工程によって上記加工前のワーク形状から上記初期工具経路に基づいて得られる加工後のワーク形状が取り除かれることによって、加工による除去形状が導出される。
【0019】
また、請求項1記載の工具経路生成方法では、空切削工具経路判定工程により、上記除去形状導出工程によって導出された除去形状に基づいて空切削工具経路が判定され、2連結点抽出工程により、上記空切削工具経路判定工程によって判定された空切削工具経路の連続区間において、工具系とワーク系との間で干渉が発生しない1又は複数の2連結点で、かつ上記連続区間における始点から終点に至る2連結点間の距離の合計が最小となる上記1又は複数の2連結点が抽出され、更に工具経路生成工程により、上記2連結点抽出工程によって抽出された上記1又は複数の2連結点により構成される経路が最終的な工具経路として生成される。なお、上記工具系には、工具、ホルダ、クイル、及び主軸頭が含まれ、上記ワーク系には、ワーク、ワークを載置するテーブル、ワークを所定のワーク取付位置に取り付ける取付治具が含まれる。
【0020】
すなわち、本請求項1記載の発明は、一例として図16に示すように、上記除去形状を基準として工具系とワーク系の干渉を判定している、すなわちワークが存在し得る最大誤差範囲を対象に判定しているので、点間距離Lが近似誤差εより小さくても確実に判定することができるのである。
【0021】
このように、請求項1に記載の工具経路生成方法によれば、除去形状に基づいて空切削工具経路を判定すると共に、該空切削工具経路の連続区間において、工具系とワーク系との間で干渉が発生しない1又は複数の2連結点で、かつ上記連続区間における始点から終点に至る2連結点間の距離の合計が最小となる上記1又は複数の2連結点を抽出し、かつ抽出された上記1又は複数の2連結点により構成される経路を最終的な工具経路として生成しているので、空切削工具経路を確実に判定することができると共に、空切削区間を最短距離で移動して加工時間を大幅に短縮することができる工具経路を生成することができる。
【0022】
また、請求項2記載の工具経路生成方法は、請求項1記載の発明において、前記工具経路生成工程が、前記最終的な工具経路を示す情報に対して、前記抽出された1又は複数の2連結点の間の工具移動速度を増加させる情報を付加することを特徴としたものである。
【0023】
請求項2記載の工具経路生成方法によれば、請求項1記載の発明における工具経路生成工程によって、最終的な工具経路を示す情報に対して、2連結点抽出工程により抽出された1又は複数の2連結点の間の工具移動速度を増加させる情報が付加される。
【0024】
このように、請求項2に記載の工具経路生成方法によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、最終的な工具経路を示す情報に対して、抽出された1又は複数の2連結点の間の工具移動速度を増加させる情報を付加しているので、より加工時間を短縮することができる工具経路を生成することができる。
【0025】
なお、請求項3記載の工具経路生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータに対して請求項1記載の発明と同様に作用させるプログラムを記録した記録媒体であり、該記録媒体には、フロッピィディスク、ハードディスク、CD−ROM、光磁気ディスク、磁気テープ、ROM(リードオンリメモリ)等が含まれる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る加工機における工具経路生成方法の実施の形態について詳細に説明する。まず、図1を参照して、本発明の工具経路生成方法を適用した加工システム10の構成について説明する。
【0027】
同図に示すように、本実施の形態に係る加工システム10は、CAMシステム20、加工機コントローラ30、及び加工機40を備えている。
【0028】
CAMシステム20は図示しないCADシステムによって生成された形状データをもとに工具経路を示す情報であるCLデータを生成し、更に加工機40の固有のコード(NCデータ22)に変換して加工機コントローラ30に出力するものである。
【0029】
また、加工機コントローラ30は、該加工機コントローラ30全体の動作を司るCPU32、該CPU32によって実行されるプログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM34、及びCPU32による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(ランダムアクセスメモリ)35を備えており、上記CAMシステム20から入力されたNCデータ22に基づいて加工機40の動作を制御するための制御点データ36を生成した後、該制御点データ36を最適化した新制御点データ38を生成して加工機40に出力するものである。
【0030】
更に加工機40は、加工機コントローラ30から入力されたデジタルデータである新制御点データ38をアナログデータに変換するD−A変換部42及び該D−A変換部42によって得られたアナログデータに基づいて駆動される各種モータ44を備えており、加工機コントローラ30から入力された新制御点データ38に基づいて、ワークの切削加工を行うものである。
【0031】
この加工機40には、図2に示す主軸頭52、クイル54、ホルダ56、及び工具58を含んで構成された工具系50(図1では図示省略)が備えられており、加工機40は上記各種モータ44を駆動して工具系50の移動や工具58の回転駆動を制御することにより、ワークの切削加工を行う。
【0032】
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る加工機コントローラ30が新制御点データ38を生成する際の作用について説明する。
【0033】
なお、図3は、CAMシステム20からNCデータ22が入力され、該NCデータ22に基づいて制御点データ36を生成してRAM35の所定領域に記憶した後にCPU32で実行される工具経路生成プログラムのフローチャートであり、該工具経路生成プログラムはROM34に予め記憶されている。従って、ROM34が本発明の記録媒体に相当する。
【0034】
また、ここでは、ワーク形状のデータ形式としてVOXEL法を用いたものを適用すると共に、ワーク(素形材)の状態が図4に示すような直方体であり、NCデータ22に基づいて生成した制御点データ36に含まれる工具経路(本発明の初期工具経路に相当)が図4に示すようにワーク12の平面を加工するものとされている場合について説明する。
【0035】
図3のステップ100では、加工前のワークの形状データを入力し、この形状データと制御点データ36に含まれる工具経路を示すデータとに基づいて、加工シミュレーションを行う。
【0036】
前述したように、加工前のワーク12の形状は図5に示す直方体とされている。このワーク12に対して図4に示される工具経路により加工シミュレーションを行うと、加工後のワーク12の形状は図6に示すものとなる。
【0037】
次のステップ102では、ワーク12に対して加工を行った場合の該加工によってワーク12から除去される部分の形状(以下、除去形状という。)を、加工前のワーク12の形状(図5も参照)から加工後のワーク12の形状(図6も参照)を取り除くことにより導出する。これによって、図7に示す除去形状が得られる。
【0038】
次のステップ104では、上記ステップ102によって得られた除去形状に基づいて空切削工具経路の判定を行う。
【0039】
本ステップ104では、除去形状と重複する工具経路が実切削工具経路であるものと判定し、除去形状と重複しない工具経路が空切削工具経路であるものと判定する。この結果、図8に黒丸で示すような実切削工具経路と、図8に白丸で示すような空切削工具経路が得られる。なお、図8は、除去形状に対する実切削工具経路と空切削工具経路を平面視で示したものである。
【0040】
次のステップ106では、上記ステップ104によって得られた空切削工具経路に基づいて、この空切削工具経路の連続区間における1又は複数の2連結点の抽出を行う。以下に、図9〜図12を参照して、本ステップ106による2連結点の抽出処理について詳細に説明する。
【0041】
まず、図9に示すように、空切削工具経路の連続区間として始点Ps(1)から点P16に至る区間(Ps(1)、P1、P2、・・・、P16の区間)について着目した場合、始点PS(1)とそれ以外の点との間を工具系50が直線的に移動したときに、工具系50とワーク系(ワークとしては加工前形状を適用)とが干渉するか否かを判定し、この判定結果を第一次連結点としてRAM35の所定領域に記憶する。
【0042】
図10には、上記第一次連結点の一例が示されている。同図に示す第一次連結点では、始点Ps(1)と点P1から点P13までの各点との間の距離L1〜L13に各々対応する区間では工具系50とワーク系とは干渉せず、始点Ps(1)と点P14から点P16までの各点との間の距離L14〜L16に各々対応する区間では干渉することが示されている。
【0043】
次に、RAM35の所定領域に記憶された第一次連結点を示すデータ(図10参照)から、干渉しないものと判定された2連結点(始点Ps(1)と点P1から点P13までの各点)について、該2連結点の終点側(点P16側)の点と、この点より終点側に位置する各点との間を工具系50が直線的に移動したときに、工具系50とワーク系とが干渉するか否かを判定し、この判定結果を第二次連結点としてRAM35の所定領域に記憶する。
【0044】
例えば、第一次連結点として図10に示すものが記憶されており、距離L11に対応する2連結点、すなわち始点Ps(1)と点P11とに着目した場合、図11に示すように、終点側に位置する点P11と、この点より終点側に位置する点(点P12から点P16までの各点)との間を工具系50が直線的に移動したときに、工具系50とワーク系とが干渉するか否かを判定し、この判定結果を第二次連結点としてRAM35の所定領域に記憶する。図11に示す例では、点P11と点P16との間を工具系50が直線的に移動した際に工具系がワーク系に当接してしまうため、この場合は干渉するものと判定される。
【0045】
図12には、以上のようにして、第一次連結点において干渉が発生しなかった点P11、P12、及びP13の各点に着目した場合のRAM35に記憶される第二次連結点の一例が示されている。同図に示すように、例えば点P11に着目した場合、点P16に対する距離L11,16に対応する区間では工具系とワーク系との間で干渉が発生し、点P14や点P15までの各点に対する距離L11,14、L11,16に各々対応する区間では干渉が発生しないことがわかる。
【0046】
以上の2連結点間の干渉の有無の判定及び該判定結果のRAM35への記憶を終点側の点がなくなるまで繰り返して行う。これによって、工具系50とワーク系との干渉が発生しない第t次連結点(t=1、2、・・・)がRAM35に記憶され、従ってこのときの各連結点間の距離Ln、Ln,m、・・・(n=1、2、・・・、m=n+1、n+2、・・・)がRAM35に記憶されることになる。
【0047】
最後に、RAM35に記憶された距離Ln、Ln,m・・・に基づいて、Ln+Ln,m+・・・の値が最小になる1又は複数の2連結点を抽出する。図9に示す始点Ps(1)から点P16に至る連続区間では、2連結点として始点Ps(1)と点P11、点P11と点P15、点P15と点P16、の3組の2連結点が抽出される。
【0048】
同様に、始点Ps(1)から点P16に至る連続区間以外の空切削工具経路の連続区間についても2連結点の抽出を行う。この結果、図11に示すように、始点Ps(1)から点P16に至る連続区間以外の空切削工具経路の連続区間について、各々、点Ps(2)と点Pe(2)、点Ps(3)と点Pe(3)、点Ps(4)と点Pe(4)、点Ps(5)と点Pe(5)、点Ps(6)と点Pe(6)、及び点Ps(7)と点Pe(7)が2連結点として抽出される。
【0049】
次のステップ108(図3参照)では、制御点データ36に含まれる工具経路を示すデータから、上記ステップ106によって抽出された各空切削工具経路における2連結点の間に位置する点を削除すると共に、その間に実切削工具経路における工具移動速度よりも速い速度を示す速度指令コードFmaxを挿入することによって、新工具経路を生成し、該新工具経路を含む新制御点データ38をRAM35の所定領域に記憶する。
【0050】
例えば、制御点データ36に含まれる工具経路を示すデータが図13で示されるものである場合、図14に示すように2連結点Ps(n)とPe(n)との間の点が削除されると共に、2連結点Ps(n)とPe(n)との間に速度指令コードFmaxが挿入されて新工具経路(本発明の最終的な工具経路に相当)が生成される。制御点データ36に含まれる工具経路が図8に示す状態である場合には、新工具経路は図15に示す状態となる。すなわち、始点Ps(1)から点P16に至る区間では、工具系50は始点Ps(1)から点P11まで直線的かつ高速に移動し、同様に点P11から点P15まで直線的かつ高速に移動した後、点P15から点P16まで直線的かつ高速に移動する。
【0051】
ステップ100の処理が本発明の情報取得工程に、ステップ102の処理が本発明の除去形状導出工程に、ステップ104の処理が本発明の空切削工具経路判定工程に、ステップ106の処理が本発明の2連結点抽出工程に、ステップ108の処理が本発明の工具経路生成工程に、各々相当する。
【0052】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係る加工機の工具経路生成方法では、除去形状に基づいて空切削工具経路を判定すると共に、該空切削工具経路の連続区間において、工具系とワーク系との間で干渉が発生しない1又は複数の2連結点で、かつ上記連続区間における始点から終点に至る2連結点間の距離の合計が最小となる上記1又は複数の2連結点を抽出し、かつ抽出された上記1又は複数の2連結点により構成される経路を最終的な工具経路として生成しているので、空切削工具経路を確実に判定することができると共に、加工時間を大幅に短縮することができる工具経路を生成することができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、加工機コントローラにおいて制御点データを最適化する場合に本発明を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図18に示すように、CAMシステムにおいてCLデータを最適化する場合に適用する形態としてもよく、また、図19に示すように、CAMシステム及び加工機コントローラから分離した形でNCデータを最適化する場合に適用する形態とすることもできる。
【0054】
また、本実施の形態では、抽出された2連結点の間に位置する点を削除すると共に、その間に実切削工具経路における工具移動速度よりも速い速度を示す速度指令コードFmaxを挿入する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、抽出された2連結点の間に位置する点を削除するのみとし、速度指令コードFmaxを挿入しない形態とすることもできる。この場合、本実施の形態に比較して加工時間の短縮効果は少なくなるものの、最適化手順を単純化することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、工具経路生成プログラムをROMによって記録しておく場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ハードディスク、フロッピィディスク、CD−ROM等の外部記録媒体に記録しておき、該外部記録媒体を読み取ることにより工具経路生成プログラムを取得する形態とすることもできる。この場合は、上記外部記録媒体が本発明の記録媒体に相当する。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1及び請求項3記載の発明によれば、除去形状に基づいて空切削工具経路を判定すると共に、該空切削工具経路の連続区間において、工具系とワーク系との間で干渉が発生しない1又は複数の2連結点で、かつ上記連続区間における始点から終点に至る2連結点間の距離の合計が最小となる上記1又は複数の2連結点を抽出し、かつ抽出された上記1又は複数の2連結点により構成される経路を最終的な工具経路として生成しているので、空切削工具経路を確実に判定することができると共に、空切削区間を最短距離で移動して加工時間を大幅に短縮することができる工具経路を生成することができる、という効果が得られる。
【0057】
また、請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の効果を奏することができると共に、最終的な工具経路を示す情報に対して、抽出された1又は複数の2連結点の間の工具移動速度を増加させる情報を付加しているので、より加工時間を短縮することができる工具経路を生成することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る加工システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1における加工機に備えられた工具系の構成を示す側面図である。
【図3】実施の形態に係る加工機コントローラで新制御点データを生成する際に実行されるプログラムの流れを示すフローチャートである。
【図4】工具経路とワーク(素形材)の状態の一例を示す斜視図である。
【図5】図4に示す素形材の加工前のワーク形状を示す斜視図である。
【図6】図4に示す素形材の加工後のワーク形状を示す斜視図である。
【図7】図4に示す素形材の除去形状を示す斜視図である。
【図8】空切削工具経路の判定処理の説明に供する図であり、除去形状に対する実切削工具経路と空切削工具経路の状態を示した平面図である。
【図9】2連結点の抽出処理の説明に供する図であり、第一次連結点の抽出手順を示す平面図である。
【図10】2連結点の抽出処理の説明に供する図であり、第一次連結点の一例を示す概略図である。
【図11】2連結点の抽出処理の説明に供する図であり、第二次連結点の抽出手順を示す平面図である。
【図12】2連結点の抽出処理の説明に供する図であり、第二次、及び第t次連結点の一例を示す概略図である。
【図13】制御点データに含まれる工具経路(初期工具経路)の具体例を示す概略図である。
【図14】新制御点データに含まれる工具経路(最終的な工具経路)の具体例を示す概略図である。
【図15】新工具経路の状態の一例を示す平面図である。
【図16】請求項1記載の発明の説明に供する図であり、除去形状に対する工具経路の状態を示す斜視図である。
【図17】従来の技術の問題点の説明に供する図であり、ワークに対する工具経路(実切削工具経路及び空切削工具経路)の状態を示す斜視図である。
【図18】本発明に係る図1とは異なる加工システムの構成例を示すブロック図である。
【図19】本発明に係る更に異なる加工システムの構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 加工システム
12 ワーク
20 CAMシステム
22 NCデータ
30 加工機コントローラ
32 CPU
34 ROM(記録媒体)
40 加工機
50 工具系
52 主軸頭
54 クイル
56 ホルダ
58 工具
Claims (3)
- 初期工具経路及び加工前のワーク形状の各々を示す情報を取得する情報取得工程と、
前記加工前のワーク形状から前記初期工具経路に基づいて得られる加工後のワーク形状を取り除くことによって、加工による除去形状を導出する除去形状導出工程と、
前記除去形状に基づいて空切削工具経路を判定する空切削工具経路判定工程と、
前記空切削工具経路の連続区間において、工具系とワーク系との間で干渉が発生しない1又は複数の2連結点で、かつ前記連続区間における始点から終点に至る2連結点間の距離の合計が最小となる前記1又は複数の2連結点を抽出する2連結点抽出工程と、
抽出された前記1又は複数の2連結点により構成される経路を最終的な工具経路として生成する工具経路生成工程と、
を有することを特徴とする加工機における工具経路生成方法。 - 前記工具経路生成工程が、前記最終的な工具経路を示す情報に対して、前記抽出された1又は複数の2連結点の間の工具移動速度を増加させる情報を付加することを特徴とする請求項1記載の加工機における工具経路生成方法。
- 初期工具経路及び加工前のワーク形状の各々を示す情報を取得する情報取得手順と、
前記加工前のワーク形状から前記初期工具経路に基づいて得られる加工後のワーク形状を取り除くことによって、加工による除去形状を導出する除去形状導出手順と、
前記除去形状に基づいて空切削工具経路を判定する空切削工具経路判定手順と、
前記空切削工具経路の連続区間において、工具系とワーク系との間で干渉が発生しない1又は複数の2連結点で、かつ前記連続区間における始点から終点に至る2連結点間の距離の合計が最小となる前記1又は複数の2連結点を抽出する2連結点抽出手順と、
抽出された前記1又は複数の2連結点により構成される経路を最終的な工具経路として生成する工具経路生成手順と、
をコンピュータに実行させる工具経路生成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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