JP4177236B2 - スクータ型車両の灯火器配置構造 - Google Patents

Description

本発明は、スクータ型車両の灯火器配置構造に関するものである。

従来のスクータ型車両の灯火器配置構造として、車体前部に設けた前側カバーにウインカを配置したものが知られている（例えば、特許文献１参照。）。
特許第３２６３８２３号公報

特許文献１の図３を以下の図１０（ａ）で説明し、特許文献１の図４を以下の図１０（ｂ）で説明する。なお、符号は振り直した。
図１０（ａ），（ｂ）は従来のスクータ型車両を示す説明図である。
（ａ）は車体前部の要部側面図であり、フロントフォークを操舵自在に支持するヘッドパイプを前側カバー２０１及び後側カバー２０２で覆い、前側カバー２０１を、左右のウインカとしてのフラッシャ２０３，２０４（手前側の符号２０３のみ示す。）を備える上カバー部２０６と、張出部２０７を形成した下カバー部２０８とから構成し、フラッシャ２０３，２０４を後傾させたスクータ型車両を示す。

（ｂ）は正面図であり、上カバー部２０６の下部に左右の切欠き凹部２１１，２１２を形成するとともに、上カバー部２０６の下部に下カバー部２０８の上部を沿わせ、上カバー部２０６の切欠き凹部２１１，２１２と下カバー部２０８とで形成される灯火器取付部２１４，２１５にフラッシャ２０３，２０４を配置したことを示す。なお、２１７は左右のフラッシャ２０３，２０４間に配置したフラッシャ取付カバーである。

（ａ），（ｂ）において、上部カバー部２０６にフラッシャ２０３，２０４を設けるため、例えば、上カバー部２０６の前方に入れ物としてのかご、荷台等の部品を配置する場合には、フラッシャ２０３，２０４の視認性を確保するために上記部品の大きさに制限があることから、かごに収納できる量又は荷台に載せられる量が制限される。即ち、かご又は荷台を配置できるスペースが制限される。
また、フラッシャ２０３，２０４については、その視認性がより高い方が望ましい。

本発明の課題は、スクータ型車両の灯火器配置構造において、フロントカバーの前方にかご、荷台等を配置するためのスペースをより大きくし、しかも、ウインカの視認性をより高めることにある。

請求項１に係る発明は、ヘッドパイプの前方をフロントカバーで覆い、ヘッドパイプの側方をフロントカバーの下縁に沿って配置したフロントサイドカバーで覆ったスクータ型車両において、側面視でフロントサイドカバーの前部に、前側に凸状とした、くの字形状のウインカを配置し、ウインカが、くの字の傾斜した上縁でフロントカバーと接し、フロントサイドカバーの前縁が、側面視で前上がりに傾斜して設けられ、ウインカでは、その前縁が側面視でフロントサイドカバーの前縁と連続した形状を成し、ウインカが、フロントサイドカバーの前部端部に位置していることを特徴とする。

フロントサイドカバーの前部にウインカを配置して、例えば、フロントカバーにウインカを設けるのに比べて、フロントカバーの前方にかご、荷台等を配置するスペースを大きくする。更に、ウインカを側面視くの字形状として上下に長くし、ウインカの前方からの視認性を高める。

また、ウインカのくの字の上縁とフロントカバーが接するため、ウインカをフロントサイドカバー側に配置しつつ、ウインカの後上がりの上縁をより高くする。また、ウインカの上縁とフロントカバーの下縁とを連続するように且つ前下がりに傾けることが可能になり、スピード感のある側面外観性を得る。

請求項２に係る発明は、側面視で、フロントカバーの下端と、前輪の上方を覆うために前輪を操舵自在に支持するフロントフォークに取付けたフロントフェンダの上端とを、ウインカの前端とほぼ同一高さに位置させたことを特徴とする。

フロントフェンダはフロントフォークと共に左右動する可動式であるため、フロントフェンダとフロントカバーと左右のフロントサイドカバーで囲まれる部分に隙間が出来るが、本発明では、フロントカバーの下端とフロントフェンダの上端とをウインカの前端とほぼ同一高さにし、上記の隙間をより小さくすることを可能にした。

請求項３に係る発明は、側面視で、ウインカの前縁を、フロントサイドカバーの前縁と連続した形状とし、ウインカの後縁を、フロントサイドカバーの後縁に沿った形状とし、正面視で、フロントカバーの下縁とウインカの内縁とを、ほぼＭ字形状を成す連続する曲線を描くようにしたことを特徴とする。

側面視で、ウインカの前縁がフロントサイドカバーの前縁に連続し、ウインカの後縁がフロントサイドカバーの後縁に沿い、正面視で、フロントカバーの下縁とウインカの下縁とがほぼＭ字形状の連続する曲線を描くことで、ウインカ、フロントカバー及びフロントサイドカバーが一体になった印象を与える。

請求項４に係る発明は、フロントカバーの前方に前かごを配置し、この前かごよりも下方にウインカを配置し、フロントカバーより上方で且つハンドルを覆うハンドルカバーにヘッドランプを取付たことを特徴とする。

前かごよりも下方にウインカを配置し、ハンドルカバーにヘッドランプを取付けることで、フロントカバーの前方のスペース全体に前かごを配置することが可能になる。

請求項１に係る発明では、フロントサイドカバーの前部にウインカを配置し、ウインカが、くの字の傾斜した上縁でフロントカバーと接し、フロントサイドカバーの前縁が、側面視で前上がりに傾斜して設けられ、ウインカでは、その前縁が側面視でフロントサイドカバーの前縁と連続した形状を成し、ウインカが、フロントサイドカバーの前部端部に位置していることで、例えば、フロントカバーにウインカを設けるのに比べて、フロントカバーの前方のスペースをより大きくすることができ、例えば、大きなかご、荷台等を配置することができる。しかも、側面視くの字形状のウインカであるから上下に長いために、ウインカの前方からの視認性をより高めることができる。

また、ウインカのくの字の上縁とフロントカバーが接するため、ウインカをフロントサイドカバー側に配置しつつ、ウインカの後上がりの上縁をより高く位置させることができ、視認性をより一層向上させることができる。また、ウインカの上縁とフロントカバーの下縁とを連続するように且つ前下がりに傾けることができ、スピード感のある側面外観性を得ることができるから、魅力ある外観とすることができ、スクータ型車両の商品性を向上させることができる。

請求項２に係る発明では、側面視で、フロントカバーの下端とフロントフェンダの上端とをウインカの前端とほぼ同一高さにしたことで、フロントフェンダとフロントカバーと左右のフロントサイドカバーで囲まれる部分の隙間をより小さくすることができる。従って、走行風の巻き込みを少なくすることができ、また、車両前方からの外観性を向上させることができる。

請求項３に係る発明では、側面視で、ウインカの前縁がフロントサイドカバーの前縁に連続し、ウインカの後縁がフロントサイドカバーの後縁に沿い、正面視で、フロントカバーの下縁と左右のウインカの内縁とがほぼＭ字形状の連続する曲線を描くことで、ウインカ、フロントカバー及びフロントサイドカバーが一体になった印象を与えることができ、外観性としてまとまりのあるものとすることができて、スクータ型車両の商品性向上を図ることができる。

請求項４に係る発明では、前かごよりも下方にウインカを配置し、ハンドルカバーにヘッドランプを取付けることで、フロントカバーの前方のスペース全体に前かごを配置することができ、ウインカの視認性を確保しつつ、前かごの容量をより大きくすることができ、スクータ型車両の使い勝手を向上させることができる。

本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図１は本発明に係る灯火器配置構造を備えたスクータ型車両の第１斜視図であり、車両前方斜め左方から見た図である。
スクータ型車両１０は、車体前部上部をフロントカバー１１で覆い、このフロントカバー１１の側部下方に左右のフロントサイドカバー１２，１３（手前側の符号１２のみ示す。）を配置することで、車体前部下部の側部をフロントサイドカバー１２，１３で覆い、これらのフロントサイドカバー１２，１３の前部端部にそれぞれ灯火器としてのウインカ（即ち、ターンシグナルランプである。）１５，１６を取付け、フロントカバー１１の前方に前かご、荷台、ナンバープレート等を配置するために車体側から延ばした取付部材を通す左右の流線形状とした開口部１７，１８を設けた自動二輪車である。

ここで、２５はハンドル２６を覆うハンドルカバー、２７はハンドルカバー２５に取付けたヘッドランプ、２８は前輪２９を制動するための前輪用ブレーキレバー、３１は前輪・後輪用ブレーキレバー、３２，３２はバックミラー、３４は前輪２９の上方を覆うフロントフェンダである。

図２は本発明に係るスクータ型車両の側面図であり、スクータ型車両１０は、フロントカバー１１の後部にフロントインナカバー４１を取付け、運転者及び同乗者が足を載せるステップフロア４２の側部をサイドカバー４３，４４（手前側の符号４３のみ示す。）で覆い、更にサイドカバー４３，４４の下方をアンダカバー４６で覆い、シート４７の下方周囲をボディカバー５１及びボディサイドカバー５２，５３（手前側の符号５２のみ示す。）で覆い、車体の後部に同乗者が掴まるキャリア一体型のグラブレール５４を取付け、このグラブレール５４の下方にテールランプ５６を配置し、ボディカバー５１及びボディサイドカバー５２の下方から露出するパワーユニット５７の後端に後輪５８を取付け、この後輪５８の上方をリヤフェンダ６１で覆い、パワーユニット５７の後端と車体側との間にリヤクッションユニット６２を渡したものである。

図３は本発明に係るスクータ型車両の第２斜視図であり、車両後方斜め左方から見た図である。
スクータ型車両１０は、フロントインナカバー４１の左側の内部に収納室６５を設け、この収納室６５に収納物を出し入れするためにフロントインナカバー４１に上下に長いリッド６６を設け、フロントインナカバー４１の右側にキーシリンダ式のイグニッションスイッチ６７及びこのイグニッションスイッチ６７の下方に配置した外部に開口する物入れ６８を設けたものである。

上記の収納室６５とイグニッションスイッチ６７、物入れ６８とは、ヘッドパイプ７６（図４参照）を挟んで左右に配置したものであり、これによって、収納室６５の容量を十分確保しつつ、他方でリッドのない使いやすい物入れ６８を設けることで種々の用途に対応することができる。

また、リッド６６に開閉をロックするロック部６６ａを設けることで、収納室６５内の収納物の持ち出しを禁止することができる。
更に、収納室６５と物入れ６８との間のフロントインナカバー４１に窪み４１ａを設け、この窪み４１ａに荷掛けフック１４８を配置することにより、荷掛けフック１４８に掛けた荷物が運転者側に突出する量を少なくすることができ、運転者の足元を広くすることができる。

また更に、物入れ６８の上方にイグニッションスイッチ６７を配置し、イグニッションスイッチ６７のキー挿入部を物入れ６８の後端よりも車体前方側に配置したことにより、上部の高い位置にイグニッションスイッチ６７を配置できるとともに、物入れ６８の上方に、収納物の出し入れのためのスペースを確保することができ、物入れ６８への収納物の出し入れを容易に行うことができる。

図４は本発明に係るスクータ型車両の詳細構造を示す側面図であり、スクータ型車両１０は、車体フレーム７５の前端に備えるヘッドパイプ７６に図示せぬステアリングシャフトを回転自在に取付け、このステアリングシャフトの下端にフロントフォーク７７を取付け、このフロントフォーク７７の下端に前輪２９を取付け、ステアリングシャフトの上端にハンドルポスト７８を一体的に設け、このハンドルポスト７８の上端にハンドル２６を取付け、ヘッドパイプ７６側からほぼ前方へ上部ステー８１及び下部ステー８２を延ばし、これらの上部ステー８１及び下部ステー８２のそれぞれの先端に前かご８３を取付けた二輪車である。

車体フレーム７５は、ヘッドパイプ７６と、このヘッドパイプ７６からほぼ下方に延ばしたダウンフレーム８６と、このダウンフレーム８６の途中から下方そして後方更に後方斜め上方へ延ばした左右のサイドフレーム８７，８８（手前側の符号８７のみ示す。）と、これらのサイドフレーム８７，８８にサイドプレート９１，９２（手前側の符号９１のみ示す。）を介して取付けた円弧状の湾曲フレーム９３，９４（手前側の符号９３のみ示す。）とを備える。

また、スクータ型車両１０は、ステップフロア４２の下方のサイドフレーム８７，８８に燃料タンク１０１を取付け、この燃料タンク１０１の後方の湾曲フレーム９３，９４の後端にパワーユニット５７を上下スイング自在に取付けるとともに一方のサイドフレーム８７の後端に前述のリヤクッションユニット６２を介してパワーユニット５７の後端を取付け、サイドフレーム８７，８８の後部にラゲッジボックス１０２及びグラブレール５４を取付け、このラゲッジボックス１０２の上部にシート４７を取付け、グラブレール５４の後部に後部収納ボックス１０３を取付けたものである。

ラゲッジボックス１０２は、詳しくは、その前部を、サイドフレーム８７，８８に取付けた前側クロスパイプ１０４で前側プレート１０５を介して支持し、後部を、サイドフレーム８７，８８に取付けた門形フレーム１０６で支持した部材である。

グラブレール５４は、詳しくは、サイドフレーム８７，８８からそれぞれ上方に延ばした後部ステー１０７，１０８（手前側の符号１０７のみ示す。）で支持した部材である。
上記した前側クロスパイプ１０４、前側プレート１０５、門形フレーム１０６、後部ステー１０７，１０８は車体フレーム７５を構成する部材である。

ここで、１１１はバッテリ、１１２は内部に転倒センサを備えるとともに燃料タンク１０１内に設けた燃料ポンプ、１１３は燃料タンク１０１の給油口を塞ぐキャップ、１１４，１１６はパワーユニット５７を構成するエンジン及び変速機、１１７はスロットルボディ、１１８はエアクリーナ、１２１はエンジン１１４から後方へ延ばした排気管、１２２は排気管１２１の後端に接続したマフラ、１２３，１２４はラゲッジボックス１０２内に収納したヘルメットである。

図５は本発明に係るスクータ型車両の車体フレームを示す平面図（矢印（ＦＲＯＮＴ）は車両前方を表す。以下同じ。）であり、ヘッドパイプ７６側から前方へ下部ステー８２を延ばし、サイドフレーム８７，８８間に、下側第１クロスパイプ１２７、下側第２クロスパイプ１２８、前側クロスパイプ１０４、門形フレーム１０６及び後側クロスパイプ１３１をそれぞれ渡し、前側クロスパイプ１０４に、ラゲッッジボックス１０２（図４参照）の前部下部を支持するための前側プレート１０５を取付け、後側クロスパイプ１３１にナンバープレートを取付ける後部ブラケット１３２を取付けたことを示す。

図６は本発明に係るスクータ型車両の車体前部を示す要部側面図であり、ヘッドパイプ７６の上部にほぼ車両前方に延びる上部ステー８１を取付け、ヘッドパイプ７６の下部前部にコ字状金具１３４を取付け、このコ字状金具１３４にボルト１３５で第１ステー１３６を取付け、これらの上部ステー８１及び第１ステー１３６にそれぞれ支持ボルト１３７・・・（・・・は複数個を示す。以下同じ。）を介して前かご８３をビス１４１・・・で取付けたことを示す。

詳しくは、第１ステー１３６は、フロントカバー１１の内側に配置したものであり、フロントカバー１１の開口部１７，１８に支持ボルト１３７・・・を通すとともにこれらの支持ボルト１３７・・・を第１ステー１３６の先端に設けためねじにねじ込み、これらの支持ボルト１３７・・・に前かご８３をビス１４１・・・で取付ける。
上記のコ字状金具１３４、ボルト１３５及び第１ステー１３６は、下部ステー８２を構成する部材である。

バッテリ１１１は、バッテリケース１４４に収納したものであり、バッテリケース１４４は、上部ステー８１と第１ステー１３６とに取付けたものである。
このように、バッテリケース１４４を上部ステー８１と第１ステー１３６とに取付けることで、バッテリケース１４４を強固に支持することができるとともに、上部ステー８１と第１ステー１３６との剛性を高めることができ、前かご８３を支持する支持剛性を高めることができる。

１４６は警報を発するホーンであり、フロントカバー１１の内側に配置した部品である。フロントカバー１１に開口部１７，１８を設けることにより、ホーン１４６から警報を発したときに、開口部１７，１８から警報が車体前方へ良く通るようにした。
１４８は荷掛けフックであり、ヘッドパイプ７６から後方へ延ばした後部ステー１５１の端部にビス１５２でフロントインナカバー４１と共締めした部材である。

図７は本発明に係るスクータ型車両の前部を構成するカバー類を示す要部側面図であり、フロントカバー１１の下縁１１ａを前側が後側よりも低くなるように傾斜させ、この下縁１１ａに接するようにフロントサイドカバー１２，１３（手前側の符号１２のみ示す。）の上縁１２ａ，１３ａ（手前側の符号１２ａのみ示す。）を傾斜させ、フロントサイドカバー１２，１３の前部端部に、側面視で車両前方に凸で且つ、くの字形状としたウインカ１５，１６（太線で示した部分である（以下同じ）。手前側の符号１５のみ示す。）を取付け、これらのウインカ１５，１６よりも前方に突出するようにフロントフェンダ３４を設けたことを示す。

ウインカ１５，１６は、くの字の後上がりに傾斜した上縁１５ａ，１６ａ（手前側の符号１５ａのみ示す。）でフロントカバー１１の下縁１１ａと接し、ウインカ１５，１６の前縁１５ｂ，１６ｂ（手前側の符号１５ｂのみ示す。）は、フロントサイドカバー１２，１３の前縁１２ｂ，１３ｂ（手前側の符号１２ｂのみ示す。）と連続した形状を成し、ウインカ１５，１６の後縁１５ｃ，１６ｃ（手前側の符号１５ｃのみ示す。）は、フロントサイドカバー１２，１３の後縁１２ｃ，１３ｃ（手前側の符号１２ｃのみ示す。）に沿った形状を成す。

フロントカバー１１の下端１１ｂとフロントフェンダ３４の上端３４ａとは、ウインカ１５，１６の前端である頂部１５ｄ、１６ｄ（手前側の符号１５ｄのみ示す。）とほぼ同一高さに位置する。

このように、ウインカ１５，１６を側面視くの字形状とすることで、ウインカ１５，１６の上下寸法を大きくすることができ、例えば、ウインカが車両後方に傾斜して配置された場合にウインカの上下寸法が小さくなるのに比べて、本発明では、車両前方からのウインカ１５，１６の視認性を高めることができる。
更に、ウインカ１５，１６をくの字形状としたことで、ウインカ１５，１６の前後寸法を小さくでき、フロントサイドカバー１２，１３の前後寸法を小さくすることができて、スクータ型車両１０（図１参照）の前部を小型でコンパクトにすることができる。

図８は本発明に係るスクータ型車両の前部を構成するカバー類を示す正面図であり、フロントカバー１１の下縁１１ａとウインカ１５，１６の内縁１５ｅ，１６ｅとで、ほぼＭ字形状を成す連続した曲線を描き、また、フロントカバー１１に正面視Ｖ字状の稜線１１ｃを形成し、この稜線１１ｃに沿って流線形状の輪郭を有するほぼ上下に長い開口部１７，１８を左右に設けたことを示す。なお、１５５は前かご８３（図６参照）を取付けるためにフロントカバー１１の中央上部に開けたかご取付用穴である。

このように、左右の開口部１７，１８を稜線１１ｃに沿わせ且つ流線形に形成することで、前かご８３を取付けない状態では、スクータ型車両１０（図２参照）の前部にシャープな印象を与えることができる。

また、図７において、側面視で、フロントカバー１１の下端１１ｂとフロントフェンダ３４の上端３４ａとをウインカ１５，１６の頂部１５ｄ，１６ｄとほぼ同一高さにしたことで、図８に示した、フロントフェンダ３４とフロントカバー１１と左右のフロントサイドカバー１２，１３で囲まれる部分の隙間１５８をより小さくすることができる。

図９は本発明に係るスクータ型車両の前部を構成するカバー類を示す平面図であり、フロントカバー１１の車両前方に凸状に湾曲した輪郭１１ｄから外方に膨出するようにウインカ１５，１６を配置したことを示す。このように、フロントカバー１１の輪郭１１ｄからウインカ１５，１６を膨出させることで、ウインカ１５，１６を車両前方、車両の前方斜め側方及び車両側方というように、どの方向からも確認することができる。

以上の図６、図７及び図８で説明したように、本発明は第１に、ヘッドパイプ７６の前方をフロントカバー１１で覆い、ヘッドパイプ７６の側方をフロントカバー１１の下縁に沿って配置したフロントサイドカバー１２，１３で覆ったスクータ型車両１０（図１参照）において、側面視でフロントサイドカバー１２，１３の前部に、前側に凸状とした、くの字形状のウインカ１５，１６を配置したことを特徴とする。

フロントサイドカバー１２，１３の前部にウインカ１５，１６を配置したことで、例えば、フロントカバーにウインカを設けるのに比べて、フロントカバー１１の前方のスペースをより大きくすることができ、例えば、大きな前かご８３、荷台等を配置することができる。しかも、側面視くの字形状のウインカ１５，１６であるから上下に長いために、ウインカ１５，１６の前方からの視認性をより高めることができる。

本発明は第２に、ウインカ１５，１６のくの字の傾斜した上縁１５ａ，１６ａでフロントカバー１１と接するようにしたことを特徴とする。
ウインカ１５，１６のくの字の上縁１５ａ，１６ａとフロントカバー１１が接するため、ウインカ１５，１６を、フロントカバー１１より低い位置にあるフロントサイドカバー１２，１３側に配置しても、ウインカ１５，１６の後上がりの上縁１５ａ，１６ａ、詳しくは上縁１５ａ，１６ａの後部をより高く位置させることができ、視認性をより一層向上させることができる。また、ウインカ１５，１６の上縁１５ａ，１６ａとフロントカバー１１の下縁１１ａとを連続するように且つ前下がりに傾けることができ、スピード感のある側面外観性を得ることができるから、魅力ある外観とすることができ、スクータ型車両１０の商品性を向上させることができる。

本発明は第３に、側面視で、フロントカバー１１の下端１１ｂと、前輪２９（図２参照）の上方を覆うために前輪２９を操舵自在に支持するフロントフォーク７７（図２参照）に取付けたフロントフェンダ３４の上端３４ａとを、ウインカ１５，１６の前端である頂部１５ｄ，１６ｄとほぼ同一高さに位置させたことを特徴とする。

側面視で、フロントカバー１１の下端１１ｂとフロントフェンダ３４の上端３４ａとをウインカ１５，１６の頂部１５ｄ，１６ｄとほぼ同一高さにしたことで、フロントフェンダ３４とフロントカバー１１と左右のフロントサイドカバー１２，１３で囲まれる部分の隙間１５８をより小さくすることができる。従って、走行風の巻き込みを少なくすることができ、また、車両前方からの外観性を向上させることができる。
更に、側面視では、フロントカバー１１の下部と、ウインカ１５，１６の頂部１５ｄ，１６ｄと、フロントフェンダ３４の上部とが、凹部を形成するため、車体の一側方から他側方を見たときに、他側方のウインカ１５（又はウインカ１６）を見え易くしている。

本発明は第４に、側面視で、ウインカ１５，１６の前縁１５ｂ，１６ｂを、フロントサイドカバー１２，１３の前縁１２ｂ，１３ｂと連続した形状とし、ウインカ１５，１６の後縁１５ｃ，１６ｃを、フロントサイドカバー１２，１３の後縁１２ｃ，１３ｃに沿った形状とし、正面視で、フロントカバー１１の下縁１１ａとウインカ１５，１６の内縁１５ｅ，１６ｅとを、ほぼＭ字形状を成す連続する曲線を描くようにしたことを特徴とする。

側面視で、ウインカ１５，１６の前縁１５ｂ，１６ｂがフロントサイドカバー１２，１３の前縁１２ｂ，１３ｂに連続し、ウインカ１５，１６の後縁１５ｃ，１６ｃがフロントサイドカバー１２，１３の後縁１２ｃ，１３ｃに沿い、正面視で、フロントカバー１１の下縁１１ａと左右のウインカ１５，１６の内縁１５ｅ，１６ｅとがほぼＭ字形状の連続する曲線を描くことで、ウインカ１５，１６、フロントカバー１１及びフロントサイドカバー１２，１３が一体になった印象を与えることができ、外観性としてまとまりのあるものとすることができて、スクータ型車両１０の商品性向上を図ることができる。

本発明は第５に、フロントカバー１１の前方に前かご８３を配置し、この前かご８３よりも下方にウインカ１５，１６を配置し、フロントカバー１１より上方で且つハンドル２６を覆うハンドルカバー２５にヘッドランプ２７を取付たことを特徴とする。

前かご８３よりも下方にウインカ１５，１６を配置し、ハンドルカバー２５にヘッドランプ２７を取付けることで、フロントカバー１１の前方のスペース全体に前かご８３を配置することができ、ウインカ１５，１６の視認性を確保しつつ、前かご８３の容量をより大きくすることができ、スクータ型車両１０の使い勝手を向上させることができる。

本発明のスクータ型車両の灯火器配置構造は、二輪車に好適である。

本発明に係る灯火器配置構造を備えたスクータ型車両の第１斜視図である。 本発明に係るスクータ型車両の側面図である。 本発明に係るスクータ型車両の第２斜視図である。 本発明に係るスクータ型車両の詳細構造を示す側面図である。 本発明に係るスクータ型車両の車体フレームを示す平面図である。 本発明に係るスクータ型車両の車体前部を示す要部側面図である。 本発明に係るスクータ型車両の前部を構成するカバー類を示す要部側面図である。 本発明に係るスクータ型車両の前部を構成するカバー類を示す正面図である。 本発明に係るスクータ型車両の前部を構成するカバー類を示す平面図である。 従来のスクータ型車両を示す説明図である。

符号の説明

１０…スクータ型車両、１１…フロントカバー、１１ａ…下縁、１２，１３…フロントサイドカバー、１２ｂ，１３ｂ…前縁、１２ｃ，１３ｃ…後縁、１５，１６…ウインカ、１５ａ，１６ａ…上縁、１５ｂ，１６ｂ…前縁、１５ｃ，１６ｃ…後縁、１５ｄ，１６ｄ…前端（頂部）、１５ｅ，１６ｅ…内縁、２５…ハンドルカバー、２６…ハンドル、２７…ヘッドランプ、２９…前輪、３４…フロントフェンダ、３４ａ…上端、７６…ヘッドパイプ、７７…フロントフォーク、７８…ハンドルポスト、８３…前かご。

Claims (4)

1. ヘッドパイプの前方をフロントカバーで覆い、前記ヘッドパイプの側方を前記フロントカバーの下縁に沿って配置したフロントサイドカバーで覆ったスクータ型車両において、
   側面視で前記フロントサイドカバーの前部に、前側に凸状とした、くの字形状のウインカを配置し、
   前記ウインカは、くの字の傾斜した上縁で前記フロントカバーと接し、
   前記フロントサイドカバーの前縁は、側面視で前上がりに傾斜して設けられ、
   前記ウインカは、その前縁が側面視で前記フロントサイドカバーの前縁と連続した形状を成し、前記フロントサイドカバーの前部端部に位置していることを特徴とするスクータ型車両の灯火器配置構造。
2. 側面視で、前記フロントカバーの下端と、前輪の上方を覆うために前輪を操舵自在に支持するフロントフォークに取付けたフロントフェンダの上端とは、前記ウインカの前端とほぼ同一高さに位置することを特徴とする請求項１記載のスクータ型車両の灯火器配置構造。
3. 側面視で、前記ウインカの前縁は、前記フロントサイドカバーの前縁と連続した形状を成し、ウインカの後縁は、フロントサイドカバーの後縁に沿った形状を成し、正面視で、前記フロントカバーの下縁と前記ウインカの内縁とは、ほぼＭ字形状を成す連続する曲線を描くことを特徴とする請求項１又は請求項２記載のスクータ型車両の灯火器配置構造。
4. 前記フロントカバーの前方に前かごを配置し、この前かごよりも下方に前記ウインカを配置し、フロントカバーより上方で且つハンドルを覆うハンドルカバーにヘッドランプを取付たことを特徴とする請求項１〜請求項３のいずれか１項記載のスクータ型車両の灯火器配置構造。

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