JP4176969B2 - 打刻彫刻装置における打刻方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、打刻彫刻装置における打刻方法に関し、さらに詳細には、数値制御により、被加工物の加工面を打刻して当該加工面に所定の打刻画像を形成する打刻彫刻装置に用いて好適な打刻彫刻装置における打刻方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、マイクロ・コンピューターによって全体の動作を制御され、XYZ直交座標系のY軸方向に移動可能な台座に載置された被加工物の加工面上を、X軸方向に移動可能なスタイラス(打刻針)を備え、スタイラスによって被加工物の加工面を打刻することにより当該加工面に所定の打刻画像を形成するようにした打刻彫刻装置が知られている。
【0003】
この打刻彫刻装置においては、任意の文字や図形などを示す画像データ(図1(a)参照)に基づいて、被加工物の加工面への打刻が行われる。
【0004】
図1(b)には、従来の打刻方法により、画像データに基づいてスタイラスが被加工物の加工面を打刻して形成するドットが示されている。この図1(b)に示すように、従来の打刻方法によれば、被加工物の加工面の所定の打刻領域を構成する複数のピクセルそれぞれにドットが形成されて、打刻領域内に画像データに基づいた打刻画像(図1(c)参照)が形成される。
【0005】
この際、スタイラスの先端部が被加工物の加工面に当接する際の圧力(なお、本明細書においては、「スタイラスの先端部が被加工物の加工面に当接する際の圧力」を、「打刻力」と適宜に称することとする。)は、画像データの示す所定の画像の白黒の明度変化の階調(グレースケール)に応じて変化するようになされている。
【0006】
画像データの示す所定の画像の明るい領域(図1(a)において白抜きで示した領域参照)に対応するピクセルには、スタイラスの先端部が強い打刻力で当接し、スタイラスの略円錐形形状の先端部が被加工物の加工面に深く入り込んで、直径の大きなドットが形成される(図1(b)参照)。
【0007】
逆に、画像データの示す所定の画像の暗い領域(図1(a)において塗りつぶしあるいはハッチングで示した領域参照)に対応するピクセルには、ドットが形成されないか、あるいは、スタイラスの先端部が弱い打刻力で当接し、スタイラスの略円錐形形状の先端部が被加工物の加工面に浅く当たり、直径の小さなドットが形成される(図1(b)参照)。
【0008】
つまり、こうした打刻彫刻装置においては、打刻領域の各ピクセル毎に画像データに応じた大きさのドットが形成されることによって陰影が表現され、良好な打刻画像を得ることができるものである。
【0009】
しかしながら、打刻彫刻装置においては、作業者が被加工物を台座の所定の位置に載置するときにずれが生じたり、あるいは、打刻彫刻装置を組み付ける際の誤差などの各種の機械的な誤差が集積したりすることなどにより、スタイラスの先端部と台座に載置された被加工物の加工面との間隔が所定の間隔に維持されない場合がある。
【0010】
このような場合には、打刻画像の形成に際してスタイラスが所定の間隔(高さ)分だけ下降しても、スタイラスが所定の打刻力で被加工物の加工面に当接することができなくなる。このため、被加工物の加工面にスタイラスが所定の深度で入り込まず、画像データの示す画像のグレースケールに応じた陰影が表現されなくなってしまう。
【0011】
つまり、打刻彫刻装置において従来の打刻方法を用いると、被加工物を台座に載置するときのずれや打刻彫刻装置における各種機械的な誤差などによって、打刻結果が劣化するので、被加工物の加工面に形成される打刻画像の画質が安定しないという問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被加工物を載置手段に載置するときのずれや、打刻彫刻装置における各種機械的な誤差などが生じても、良好な打刻結果が得られるようにして、被加工物の加工面に形成される打刻画像の画質を高品質に安定させることができるようにした打刻彫刻装置における打刻方法を提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、画像データに基づいて被加工物の加工面を打刻してドットを形成することにより、上記画像データの示す画像を上記被加工物の加工面に打刻画像として形成する打刻彫刻装置における打刻方法において、被加工物の加工面の打刻領域に、画像データに応じたドットを千鳥状に形成するようにしたものである。
【0014】
従って、本発明のうち請求項1に記載の発明によれば、被加工物の加工面の所定の打刻領域において、画像データに応じたドットが千鳥状に形成されるので、被加工物を載置手段に載置するときのずれや、打刻彫刻装置における各種機械的な誤差などが生じても、良好な打刻結果が得られるようになり、被加工物の加工面に形成される打刻画像の画質を高品質に安定させることができる。
【0015】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、画像データに基づいて被加工物の加工面を打刻してドットを形成することにより、上記画像データの示す画像を上記被加工物の加工面に打刻画像として形成する打刻彫刻装置における打刻方法において、被加工物の加工面上に、一連のピクセルからなるバンドを各ピクセルが格子状に配置されるように複数設定した打刻領域に、上記複数のバンドのそれぞれにおいては、1つ置きのピクセルに画像データに応じたドットを形成し、かつ、上記複数のバンドのうち隣り合うバンド同士においては、当該バンド間において各ピクセルに相補的に画像データに応じたドットを形成するようにしたものである。
【0016】
従って、本発明のうち請求項2に記載の発明によれば、バンド内においては1つ置きのピクセルにドットが形成されるとともに、隣り合うバンドにおいてはドットが形成されるピクセルが相補的に位置するようになるので、画像データに基づいて打刻領域に形成されるドットは、千鳥状に配置されるようになり、良好な打刻結果が得られ、被加工物の加工面に形成される打刻画像の画質を安定させることができる。
【0017】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の発明において、画像データの示す画像の白黒の明度変化の階調のうち所定の階調以下の階調に対応するドットは形成しないようにしたものである。
【0018】
従って、本発明のうち請求項3に記載の発明によれば、打刻画像の劣化が回避されるようになり、被加工物の加工面に形成される打刻画像の画質を一層高画質に安定させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に基づいて、本発明による打刻彫刻装置における打刻方法の実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0020】
図2には、本発明による打刻彫刻装置における打刻方法を実施するための打刻彫刻装置の概略構成説明図が示されている。
【0021】
この打刻彫刻装置10は、固定系のベース部材12と、ベース部材12の左右両端でベース部材12に直交して配設された側方部材14L、14Rと、左右2つの側方部材14L、14Rを連結する後方部材16と、ベース部材12上においてY軸方向(図2における座標系を示す参考図を参照する。)に移動自在に配設された台座18と、左右2つの側方部材14L、14R間においてY軸方向と直交するX軸方向(図1における座標系を示す参考図を参照する。)に延長するとともに互いに平行して配設されて左右2つの側方部材14L、14Rを連結するシャフト20−1、20−2と、シャフト20−1、20−2とに図示しない滑り軸受を介してX軸方向に移動自在に配設されたキャリッジ22と、台座18と対向するようにしてキャリッジ22に固定的に配設された打刻手段24とを有して構成されている。
【0022】
ここで、この実施の形態においては、説明を簡略化して理解を容易にするために、被加工物200は金属材料により形成される直方体として説明することとする。つまり、被加工物200は、矩形形状の平面たる表面200aならびに裏面200bを有し、所定の厚みTを有するものである(図3参照)。
【0023】
また、この被加工物200の表面200aを加工面とし、表面200aに打刻画像が形成されるものとする。
【0024】
打刻彫刻装置10の台座18の上面18aは、XYZ直交座標系におけるXY平面における平坦度が維持された平面であり、X軸方向に沿って延長されたX軸中心線とY軸方向に沿って延長されたY軸中心線とが形成されている(後述する図4参照)。また、この台座18の上面18aはZ軸方向において昇降自在となされている。
【0025】
従って、作業者は、台座18の上面18aのX軸中心線とY軸中心線との交点Pを基準にして、上面18aに被加工物200を載置することができる。また、作業者が位置決め用のレベラー(図示せず)を用いることにより、台座18の上面18aは上面18aに載置された被加工物200とともに、打刻彫刻装置10のZ軸方向における所定の高さ位置のXY平面上に位置するように調整される。
【0026】
一方、打刻手段24は、Z軸方向において昇降自在に配設されたスタイラス26を有する。スタイラス26の先端部26aは、略円錐形形状となされており、工業用ダイヤモンドが配設されている。さらに、このスタイラス26は、打刻手段24に配設されているソレノイド(図示せず)に接続されている。
【0027】
また、打刻手段24は、スタイラス26の先端部26aと台座18の上面18aに載置された被加工物200とが対向するとともに、打刻彫刻装置10のZ軸方向における所定の高さに位置するように、キャリッジ22に固定的に配設されている。
【0028】
次に、図3には、本発明による打刻方法を実施するための打刻彫刻装置10の全体の動作を制御する制御システムのブロック構成図が示されており、この制御システムはマイクロ・コンピューター100により全体の動作の制御が行われる。
【0029】
マイクロ・コンピューター100は、後述するリード・オンリ・メモリ(ROM)104に格納されたプログラムに従って処理を実行する中央処理装置(CPU)102と、CPU102が実行するプログラムなどを格納したROM104と、画像データを記憶する画像データ記憶部106−1や、CPU102の制御によって本発明による打刻彫刻装置10の動作が行われる際のワーキング・エリアとしての領域などが設定されたランダム・アクセス・メモリ(RAM)106とを有して構成されている。
【0030】
ここで、画像データ記憶部106−1に記憶される画像データは、任意の文字や図形などを示すものである。また、画像データの示す画像は、白黒の明度変化の階調(グレースケール)を有する。
【0031】
なお、この画像データは、例えば、打刻彫刻装置10の外部の記憶手段から打刻彫刻装置10に入力され、画像データ記憶部106−1に記憶される。
【0032】
そして、この打刻彫刻装置10においては、マイクロ・コンピューター100により画像データに基づいた所定の制御信号が打刻手段24に送出される。この制御信号によって、打刻手段24のソレノイド(図示せず)の駆動が制御され、ソレノイドの駆動に従ってスタイラス26がZ軸方向に移動される。
【0033】
また、マイクロ・コンピューター100の制御によって、所定の分解能に応じて駆動手段たるモーター(図示せず)の駆動が制御され、このモーターの駆動によって、キャリッジ22がシャフト20−1、20−2に沿ってX軸方向に移動され、また、被加工物200が載置された台座18が、ベース部材12上をY軸方向に移動する。
【0034】
つまり、スタイラス26がX軸方向とZ軸方向とに移動可能であって、被加工物200がY軸方向に移動可能である。従って、台座18に載置されてY軸方向に移動される被加工物200の表面200a(即ち、加工面)に対向した状態で、スタイラス26の先端部26aがX軸方向に移動するとともに、Z軸方向に下降して、被加工物200の表面200aを打刻する。
【0035】
以上の構成において、図4ならびに図5を参照しながら、上記した打刻彫刻装置10において、本発明の打刻方法により、被加工物200の表面200a(即ち、加工面)に打刻画像を形成する際の動作の説明を行うものとする。
【0036】
ここで、本発明の理解を容易にするために、本発明による打刻方法により打刻画像を形成する際の動作の概要を説明すると、本発明は、加工面たる被加工物200の表面200aの打刻領域に、画像データに基づいて千鳥状にドットを形成し、これにより打刻領域に打刻画像を形成するものである。
【0037】
まず、本発明の打刻方法により被加工物200の表面200aに打刻画像を形成するには、被加工物200を台座18の上面18aに載置する。
【0038】
具体的には、作業者は、裏面200bの中心部位が台座18の上面18aの交点Pと対向するようにして、被加工物200を台座18の上面18aに載置する。これにより、加工面たる被加工物200の表面200aが、打刻手段24のスタイラス26と対向するようになる(図3ならびに図4(a)参照)。
【0039】
ここで、被加工物200の表面200aと打刻手段24のスタイラス26の先端部26aとの間隔が、所定の間隔W(図3参照)になるようにして、作業者により被加工物200の初期位置の設定が行われる。
【0040】
より詳細には、作業者が位置決め用レベラー(図示せず)を用ることにより、被加工物200の厚みTに応じて、台座18を上面18aに載置された被加工物200とともにZ軸方向に昇降させ、被加工物200の表面200aと打刻手段24のスタイラス26の先端部26aとの間隔を所定の間隔Wに一致させる。
【0041】
こうした被加工物200の初期位置の設定により、被加工物200の中心部位が台座18の上面18aの交点Pに位置し、加工面たる表面200aとスタイラス26の先端部26aとの間隔が所定の間隔Wと一致した状態で、被加工物200が台座18の上面18aに載置される。
【0042】
そして、スタイラス26の先端部26aと台座18の上面18aに載置された被加工物200の表面200aとが対向した状態で、画像データに基づいた制御信号により打刻手段24のソレノイド(図示せず)が駆動されて、スタイラス26が所定の間隔W(高さ)分だけZ軸方向における下方方向に下降する。これにより、スタイラス26の先端部26aは被加工物200の表面200aに当接して、表面200aが打刻される。
【0043】
スタイラス26により被加工物200の表面200aが打刻されると、スタイラス26の先端部26aが被加工物200の表面200aに当接した深度に応じた大きさのドットが形成されて、打刻画像が表面200aに形成される。
【0044】
ここで、被加工物200の表面200aにおいて打刻画像が形成される領域は、台座18の上面18aの交点Pを中心とした打刻領域であり、被加工物200の初期位置の設定により台座18の上面18aに載置された被加工物200の表面200aの中心部位に位置するようになる。
【0045】
図4(b)には、打刻領域を拡大して模式的に表す説明図が示されている。図4(b)に示すように、画像データに従って打刻画像が形成される打刻領域は、複数のピクセルが格子状の配置されて、複数のピクセルの集合によって構成されている。そして、このピクセルにドットが形成されて打刻領域全体に所定の打刻画像が形成される。
【0046】
より詳細には、ドットの形成は、打刻領域のX軸方向に延長する1本のライン上に位置する一連のピクセル(以下、「バンド」と称することとする。)を打刻単位として行われる。
【0047】
ここで、1バンドを構成する複数のピクセルのうち、端部に位置するピクセル(この実施の形態の場合には、図4(b)において左側に位置するピクセルである。)を基準として、順位が奇数番目であるピクセルを奇数ピクセルと称し、順位が偶数番目であるピクセルを偶数ピクセルと称する。
【0048】
そして、打刻領域を構成する複数のバンドそれぞれの所定の順位に従って、バンド1、バンド2、バンド3、・・・バンドn(ただし、「n」は打刻領域を構成するバンドの総数を示す正の整数である。)の順で、各バンドを構成するピクセルにドットが形成される。なお、図4(b)は「n=10」の場合が示されており、それぞれ10個のピクセルによりなる10個のバンドにより打刻領域が構成されている。
【0049】
本発明による打刻方法においては、複数のバンドのうち奇数番目のバンド(例えば、バンド1やバンド3)については、当該奇数番目のバンドを構成する複数のピクセルのうち奇数ピクセルにのみドットが形成され、偶数ピクセルにはドットが形成されない。
【0050】
逆に、複数のバンドのうち偶数番目のバンド(例えば、バンド2やバンド4)については、当該偶数番目のバンドを構成する複数のピクセルのうち、偶数ピクセルにのみドットが形成され、奇数ピクセルにはドットが形成されない。
【0051】
この結果、所定のバンド内においては1つ置きのピクセルにドットが形成されるとともに、隣り合うバンドにおいてはドットが形成されるピクセルが相補的に位置するようになるので、打刻領域に形成されるドットは千鳥状に配置されるようになる(図4(b)参照)。
【0052】
そして、千鳥状に形成されるドットそれぞれの大きさは、画像データの示す画像のグレースケールに応じて変化する打刻力に対応したものである。図5(a)には、画像データの示す画像のグレースケールと形成されるドットの大きさとの関係を示すグラフが示されており、図5(b)には、打刻力と形成されるドットの大きさとの関係を示すグラフが示されている。
【0053】
図5(a)(b)に示すように、画像データの示す画像のグレースケールが明るい(白に近い)場合には、強い打刻力により直径の大きなドットが形成され、この直径の大きなドットにより打刻画像の陰影は明るく(白っぽく)なる。
【0054】
一方、画像データの示す画像のグレースケールが暗い(黒に近い灰色)場合には、弱い打刻力により直径の小さなドットが形成され、この直径の小さなドットにより打刻画像の陰影は暗く(黒っぽく)なる。
【0055】
ここで、本発明による打刻方法においては、画像データの示す画像のグレースケールの所定の値(例えば、256階調のうちの40階調)以下は、ローカットによりドットの形成がなされない(図5(a)参照)。
【0056】
つまり、画像データの示す画像のグレースケールの階調のうち、目視により黒と判別がつかない灰色の範囲は、制御信号によりスタイラス26の先端部26aが被加工物200の表面200aに当接することが回避されて、ドットは形成されず、打刻画像の陰影が暗く(黒く)表現される。
【0057】
従って、画像データの示す画像の明るい領域に対応するピクセルには、画像データに基づいた制御信号によるソレノイドの駆動に応じて、スタイラス26の先端部26aが強い打刻力で当接する。その結果、スタイラス26の略円錐形形状の先端部26aが被加工物200の表面200aに深く入り込んで、直径の大きなドットが形成される(図4(b)におけるバンド1、バンド2、バンド3ならびにバンド4参照)。
【0058】
逆に、画像データの示す画像の暗い領域に対応するピクセルには、画像データに基づいた制御信号によるソレノイドの駆動に応じて、スタイラス26の先端部26aが弱い打刻力で当接する。その結果、スタイラス26の略円錐形形状の先端部26aが被加工物200の表面200aに浅く当たり、直径の小さなドットが形成される(図4(b)におけるバンド8、バンド9ならびにバンド10参照)。
【0059】
そして、上記したようにして画像データに基づいて千鳥状に所定の大きさでドットが形成されると、表面100aの平面がドットの形成位置で凹状に窪むことなる。この際、金属材料により形成される表面100aのドットの外周側には、打刻したドットの影響で光る領域(図6(b)参照)が形成される。
【0060】
しかしながら、ピクセルに形成されたドットが千鳥状に位置しているので、直径の大きなドットが形成されている領域においてもドットの相互の間隔が広いので、各ドットの外周側の光る領域が干渉することがない。
【0061】
こうした本発明の打刻方法により千鳥状の形成されるドットについて、従来の打刻方法により形成されるドットと比較しながら、より詳細に説明することとする(図6(a)(b)参照)。
【0062】
まず、上記した「従来の技術」の項における図1(b)や、図6(a)に示すように、従来の打刻方法によると、打刻領域を構成する格子状に配置された複数のピクセル全てにドットが形成され、形成されたドットは格子状に配置される。
【0063】
そして、従来の打刻方法の解像度、即ち、1バンド内の隣り合う2つのピクセルそれぞれの中心と中心との間の距離は、およそ1/203×25.4mmである。
【0064】
また、格子状にドットが形成されるのでドットの相互の間隔が制限されて、上記した解像度1/203×25.4mmのときに所定のピクセルに形成されるドットの直径は、最大およそ0.1mmから最小およそ0.05mmの範囲になる。
【0065】
このため、従来の打刻方法によって、加工面(被加工物200の表面200a)にドットが格子状に形成されると、特に、打刻領域のうちの直径が最大(およそ0.1mm)のドットが形成されている領域においては、ドットが互いに近接してしまい、ドットの外周側の光る領域が干渉してしまう。
【0066】
このため、こうした直径が最大(およそ0.1mm)のドットが形成されている領域においては、白色の飽和が生じ易く、目視した打刻画像が白っぽく見えてしまうので、画像データの示す画像のグレースケールに応じた陰影が表現されないことがあった。
【0067】
また、従来の打刻方法においては、ローカット(図5(a)参照)は行われていない。つまり、画像データの示す画像のグレースケールの所定の値(例えば、256階調のうちの40階調)以下でも、グレースケールの値が「0」でない限りは、グレースケールの値に応じた大きさのドットが形成される(図5(a)における破線カーブ参照)。
【0068】
しかし、グレースケールの所定の値(例えば、256階調のうちの40階調)以下のドットが形成されても、形成されたドットは格子状に位置するので、白色飽和を生起し易い要因となり、画像データの示す画像のグレースケールに応じた陰影の表現が実現されるとは限らなかった。
【0069】
このように、従来の打刻方法においては、被加工物を載置手段に載置するときのずれや、打刻彫刻装置における各種機械的な誤差などの他にも、ドットが格子状に形成されることに起因して、白色飽和が生起し易くなり、打刻結果が劣化するので、被加工物の加工面に形成される打刻画像の画質が安定しなかった。
【0070】
一方、こうした従来の打刻方法により格子状に形成されるドットに比べて、本発明の打刻方法により千鳥状に形成されるドットは、具体的な解像度は、例えば、およそ1/254×25.4mmである(図6(b)参照)。
【0071】
また、千鳥状にドットが形成されるので、従来の打刻方法による格子状のドット形成に比べてドットの相互の間隔が広くなり、上記した解像度1/254×25.4mmのときに所定のピクセルに形成されるドットの直径は、最大およそ0.13mmから最小およそ0.05mmの範囲になる。
【0072】
つまり、本発明の打刻方法により形成可能な最大のドットの直径(0.13mm)は、従来の打刻方法により形成可能な最大のドットの直径(0.1mm)のおよそ1.3倍になる。
【0073】
即ち、図6(b)に示すように、本発明による打刻方法においては、従来の打刻方法により形成可能な最大のドットの直径のおよそ1.3倍の直径のドットを、従来の打刻方法による最大の打刻力よりも大きな打刻力で形成することができる。
【0074】
従って、本発明の打刻方法によれば、従来の打刻力に比べて大きな打刻力で、従来の打刻方法により形成可能な最大のドットの1.3倍の大きさのドットを形成することができる。
【0075】
上記したようにして、本発明による打刻方法は、画像データに基づいて、打刻領域において千鳥状にドットを形成するようにしたため、被加工物200を台座18の上面18aに載置するときのずれや、打刻手段24を打刻彫刻装置10に組み付ける際の誤差などの各種の機械的な誤差が集積した場合においても、良好な打刻結果が得られるようになり、被加工物200の加工面に形成される打刻画像の画質を安定させることができる。
【0076】
また、本発明による打刻方法は、打刻領域において千鳥状にドットを形成するようにしたため、従来の打刻力に比べて大きな打刻力で、従来の打刻方法により形成可能な最大のドットより大きなドットを形成することができる。このため、被加工物200を台座18の上面18aに載置するときのずれや、打刻手段24を打刻彫刻装置10に組み付ける際の誤差などの各種の機械的な誤差の集積などの影響が少なくなるとともに、各ドットの外周側の光る領域が干渉しないので(図6(b)参照)、白色飽和が回避されるようになり、被加工物200の加工面に形成される打刻画像の画質を高画質に安定させることができる。
【0077】
さらにまた、本発明による打刻方法は、画像データの示す所定の画像のグレースケールの所定の値(例えば、256階調のうちの40階調)以下は、ローカット(図5(a)参照)によりドットの形成がなされないようにしたため、白色飽和が回避されるようになり、被加工物200の加工面に形成される打刻画像の画質を一層高画質に安定させることができる。
【0078】
従って、本発明による打刻方法によれば、従来の打刻方法では、比較的打刻画像が劣化し易いとされていた画像、例えば、人物の画像なども、被加工物200の加工面200aに高画質で安定した打刻画像を形成することができるようになる。即ち、本発明による打刻方法によれば、打刻彫刻装置10において用られる画像データの種類に左右されずに、いずれの種類の画像データを用いて場合においても、良好な打刻結果を得ることができるようになる。
【0079】
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に説明するように変形してもよい。
【0080】
(1)上記した実施の形態においては、被加工物200は金属材料により形成される直方体として説明したが、これに限られるものではないことは勿論である。被加工物は、三次元の空間的広がりを備えた所定の形状の被加工物であって、例えば、熱可塑性樹脂材料などにより形成されるものであってもよい。また、具体的には、金、銀、銅、プラチナ、真鍮、アルミならびに鉄などにより形成される被加工物であってもよい。
【0081】
(2)上記した実施の形態においては、打刻手段24のスタイラス26が被加工物200の表面200a(加工面)に当接してドットが形成されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、例えば、レーザーなどにより被加工物の加工面に接触することなしにドットが形成されるようにしてもよい。
【0082】
(3)上記した実施の形態においては、奇数番目のバンドにおいては奇数ピクセルにのみドットが形成され、偶数番目のバンドにおいては偶数ピクセルにのみドットが形成されるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、奇数番目のバンドにおいては偶数ピクセルにのみドットが形成され、偶数番目のバンドにおいては奇数ピクセルにのみドットが形成されるようにしてもよく、要は、打刻領域に形成されるドットが、千鳥状に位置するようにすればよい。
【0083】
(4)上記した実施の形態ならびに上記(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。
【0084】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、被加工物を載置手段に載置するときのずれや、打刻彫刻装置における各種機械的な誤差などが生じても、良好な打刻結果が得られるようになり、被加工物の加工面に形成される打刻画像の画質を高品質に安定させることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、打刻彫刻装置において用いられる画像データが示す画像を模式的に示す説明図であり、(b)は、打刻彫刻装置において従来の打刻方法により、(a)に示す画像データに基づいて形成されるドットを示す説明図であり、(c)は、(a)に示す画像データに基づいて被加工物の加工面に形成された打刻画像を示す説明図である。
【図2】本発明による打刻彫刻装置における打刻方法の実施するための打刻彫刻装置を示す概略構成説明図である。
【図3】本発明による打刻方法を実施するための打刻彫刻装置の全体の動作を制御する制御システムのブロック構成図である。
【図4】(a)は、被加工物の初期位置の設定により台座の上面に載置された被加工物と打刻領域とを模式的に示す説明図であり、(b)は、(a)における打刻領域を拡大して模式的に示す説明図である。
【図5】(a)は、本発明の打刻方法における画像データの示す画像のグレースケールと形成されるドットの大きさとの関係(実線カーブ)と、従来の打刻方法における画像データの示す画像のグレースケールと形成されるドットの大きさとの関係(破線カーブ)とをそれぞれ示すグラフであり、(b)は、本発明の打刻方法における打刻力と形成されるドットの大きさとの関係を示すグラフと、従来の打刻方法における打刻力と形成されるドットの大きさとの関係を示すグラフである。
【図6】(a)は、従来の打刻方法により打刻領域において格子状に形成されるドットを示す説明図であり、(b)は、本発明の打刻方法により打刻領域において千鳥状に形成されるドットを示す説明図である。
【符号の説明】
10 打刻彫刻装置
12 ベース部材
14L、14R 支柱
16 後方部材
18 台座
18a 上面
20−1、20−2 シャフト
22 キャリッジ
24 打刻手段
26 スタイラス
26a 先端部
100 マイクロ・コンピューター
102 中央制御装置(CPU)
104 リード・オンリ・メモリ(ROM)
106 ランダム・アクセス・メモリ(RAM)
106−1 画像データ記憶部
108 表示装置
200 被加工物
200a 表面
200b 裏面

Claims (3)

  1. 画像データに基づいて被加工物の加工面を打刻してドットを形成することにより、前記画像データの示す画像を前記被加工物の加工面に打刻画像として形成する打刻彫刻装置における打刻方法において、
    被加工物の加工面の打刻領域に、画像データに応じたドットを千鳥状に形成する
    ものである打刻彫刻装置における打刻方法。
  2. 画像データに基づいて被加工物の加工面を打刻してドットを形成することにより、前記画像データの示す画像を前記被加工物の加工面に打刻画像として形成する打刻彫刻装置における打刻方法において、
    被加工物の加工面上に、一連のピクセルからなるバンドを各ピクセルが格子状に配置されるように複数設定した打刻領域に、前記複数のバンドのそれぞれにおいては、1つ置きのピクセルに画像データに応じたドットを形成し、かつ、前記複数のバンドのうち隣り合うバンド同士においては、該バンド間において各ピクセルに相補的に画像データに応じたドットを形成する
    ものである打刻彫刻装置における打刻方法。
  3. 請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の打刻彫刻装置における打刻方法において、
    画像データの示す画像の白黒の明度変化の階調のうち所定の階調以下の階調に対応するドットは形成しない
    ものである打刻彫刻装置における打刻方法。
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