JP4173913B2 - Obタンパク質組成物を用いて血中脂質レベルを減少させ又は減少した血中脂質レベルを維持する方法 - Google Patents

Obタンパク質組成物を用いて血中脂質レベルを減少させ又は減少した血中脂質レベルを維持する方法 Download PDF

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Description

発明の分野
本発明は、血中脂質レベルを減少させ又は減少した血中脂質レベルを維持するためにOBタンパク質組成物を使用する方法に関する。本発明は、高コレステロール、高トリグリセリドレベル、動脈斑、高血圧の治療、および胆石形成の予防に向けられている。
背景
肥満の分子的基礎はほとんど知られていないが、「OB遺伝子」およびコードされるタンパク質(「OBタンパク質」)の同定により、身体の脂肪沈着を調節するために身体が用いているメカニズムが、ある程度解明されてきている(Zhangら,Nature 372: 425-432(1994);また、Nature 374: 479(1995)の訂正も参照されたし)。OBタンパク質は、ob/ob突然変異マウス(OB遺伝子産物の産生の欠損によるマウスの肥満)および正常な野生型マウスの両方でインビボで活性である。その生物活性により、とりわけ、体重減少が生じる。一般的には、Barinaga,“Obese”Protein Slims Mice,Science 269: 475-476(1995)を参照されたし。
OBタンパク質の他の生物効果は、十分に特徴づけられていない。ob/ob突然変異マウスにOBタンパク質を投与すると、例えば、血清インスリンレベルおよび血清グルコースレベルが減少することが公知である。また、ob/ob突然変異マウスにOBタンパク質を投与すると、体脂肪が減少することが公知である(Pelleymounterら,Science 269: 540-543(1995);Halaasら,Science 269: 543-546(1995))。これは、ob/ob突然変異マウスおよび非肥満正常マウスの両方で認められた[Halaasら,前掲;また、Campfieldら,Science 269: 546-549(1995)(ミクログラム用量のOBタンパク質の末梢および中枢投与により、ob/obおよび食餌誘導肥満マウスでは食物摂取および体重が減少したが、db/db肥満マウスでは減少しなかった)も参照されたし]。これらの報告ではいずれも、最高用量においても毒性は認められていない。
OBタンパク質の他の生物学的効果(特に、体重減少が有益でないか又は必要ないと考えられる動物に関するもの)を解明すれば、OBタンパク質のさらなる用途が提供されるであろう。
本発明が提供するそのような1つの用途は、心臓血管療法におけるものである。
現在のところ、血中脂質の治療に使用される薬物は、様々な程度の副作用を有する(以下の概要は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版(1990,Mack Publishing Co.,Easton,PA 18042)第41章855〜859頁に十分に説明されている)。
コレスチラミン樹脂および塩酸コレスチポールは、腸内で胆汁酸に結合させることにより、高コレステロール血症における胆汁酸の吸収を予防するのに使用される。認められる副作用としては、便秘(20〜50%)、胸やけおよび消化不良、疝痛、おくび、鼓張、胆汁うっ滞および胆石の存在、脂肪便および吸収不良症候群(24g/日を超える用量の場合)、結果的に生じるビタミンA、DおよびK不足症などが挙げられる。その他の副作用も認められている。
クロフィブラートは、高トリグリセリド血症のヒトにおいて超低密度リポタンパク(「VLDL」)を低下させるために使用される。その作用様式は、遊離脂肪酸が脂肪細胞から放出されるのを抑制するものであると考えられている。副作用としては、悪心、消化不良、下痢、口内炎および鼓張(患者の10%において)、じんま疹、かゆみ症および口内炎、脱毛症、頭痛、めまい、無力症、筋肉痛、皮膚炎、体重の微増、男性における***の圧痛、リビドーの減少、インポテンス、女性における毛の乾燥および脆化(種々の頻度で生じる)などが挙げられる。コレステロール石の発生率は、2倍増加することが認められた。その他の副作用も認められている。
ジェムフィブロジルは、VLDLの肝合成を減少させるために使用される。副作用としては、腹痛、上腹部痛、下痢、悪心、嘔吐、鼓張などが挙げられる。
ロバスタチンは、コレステロールの合成に必要な酵素を阻害するために使用される。副作用は通常は軽く一過性であり、頭痛、膨満、腹痛/痙攣、下痢、発疹/かゆみ症、便秘、悪心、筋肉痛、めまい、視覚のかすみ、筋肉痙攣、味覚不全などが挙げられる。睡眠異常が頻繁に認められる。
プロブコールは、初期段階でコレステロール合成を減少させ、LDLの異化を増加させ、胆汁酸の***を増加させることにより、血漿低密度リポタンパク(「LDL」)およびコレステロールを低下させるのに使用される。副作用としては、下痢、一過性の鼓張、腹痛、悪心、多汗症、臭汗、嘔吐、めまい、胸部痛、動悸などが挙げられる。
したがって、現在入手可能な薬物で認められる副作用を伴うことなく、特に非肥満患者において、血中脂質レベルをモジュレーションする治療用組成物が得られれば有用であろう。そのような組成物は、高コレステロールレベル、高トリグリセリドレベル、動脈斑および関連した高血圧、ならびに胆石形成の治療に有用であろう。
発明の概要
本発明は、上昇したコレステロールレベルを有する肥満動物にOBタンパク質を投与すると、血清コレステロールレベルが正常レベルまで減少するという観察に由来する。したがって、OBタンパク質は、体重減少剤として作用する以外に、血中脂質に影響を及ぼす薬剤として作用する能力を有する。そのような場合、体重減少が必ずしも有益とは限らない患者に対しても、多数の心臓血管療法が期待される。
血中脂質レベル、特にコレステロールレベルおよびトリグリセリドレベルと、動脈硬化症および冠状動脈閉塞症との間には正の相関がある(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版(1990,Mack Publishing Co.,Easton,PA 18042)第41章855〜859頁)。いくつかの研究では、抗高脂血薬と低脂肪食との組み合わせが冠動脈心疾患の予防効果を有することが示されている。血中脂質レベルの減少は、体重減少を伴わない場合であっても、心臓血管領域において著しい治療効果を有するであろう。
例えば、OBタンパク質(またはその類似体もしくは誘導体)の投与は、これらの血中脂質レベルが上昇した患者において血清コレステロールおよびトリグリセリドを減少させるのに有用である。
したがって、本発明の1つの態様は、肥満または非肥満の動物において、上昇した血中脂質レベルを治療する方法である。
より詳しくは、本発明は、血中コレステロールを減少させる方法を含む。関連して、コレステロールレベルが上昇した個体、特に家族性高コレステロール血症の患者を治療する場合、黄色腫の発生率を減少しうる。
本発明はまた、患者においてトリグリセリドレベルを減少させるか又は減少したトリグリセリドレベルを維持するための治療方法を提供する。
これと関連して、本発明のもう1つの態様は、動脈斑の形成を減少させるか又は予防するための、肥満または非肥満の動物の治療方法である。動脈斑は大部分が、脂肪およびコレステロールよりなる。コレステロールレベルの減少につながる血中脂質レベルの減少は、動脈斑の減少につながるであろう。また、動脈斑を減少させることにより、アテローム性動脈硬化症が改善されるかもしれない。
また、動脈斑の減少により、血流が増加し、したがって血圧が低下しうる(例えば、収縮期高血圧の場合)。したがって、本発明のもう1つの態様は、高血圧の治療における抗高血圧症剤としての、OBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体の使用である。
さらに、血中脂質の減少は、胆石を有する人々に有益かもしれない。胆石は、胆嚢における胆汁の不適切なプロセシングの結果として形成される。胆汁は、肝臓により血液から抽出される脂肪物質(特にコレステロール)中に豊富に存在する。胆汁はまた、古い赤血球からヘモグロビンが分解して形成される物質であるビリルビンを含有する。これらの物質の平衡が損なわれると、小さな固体粒子が胆嚢中に形成される。その周囲で固化する物質が増えるにつれて、その粒子は成長しうる。したがって、さらにもう1つの態様では、本発明は、胆石の形成を予防しまたは追加的な胆石の形成を抑制するための、OBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体の使用を提供する。
さらに本発明で期待されるのは、血中脂質レベルを減少させる(OBタンパク質の投与を行なわない場合のレベルと比較した場合)のに十分であり体重減少(あるいは、OBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体が患者に既に投与されている場合は、さらなる体重減少)を引き起こさない用量のOBタンパク質(またはその類似体もしくは誘導体)を非肥満患者に投与する一連の療法である。
詳細な説明
本発明の方法は、OBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体を投与することにより血中脂質レベルを減少させるための個体の治療方法である。これらの方法には、血中コレステロールレベル、血中トリグリセリドレベル(すなわち、低密度リポタンパク(LDL)または超低密度リポタンパク(VLDL))を減少させるか又は減少したそれらのレベルを維持する方法、ならびに動脈斑の存在および形成を減少させる方法が含まれる。血中脂質の減少は、アテローム性動脈硬化症に有益な効果を及ぼすと考えられ、また、血流を増加させ、それにより高血圧を抑制しうる。さらに、大部分がコレステロールからなる胆石の形成が予防されうる。
OBタンパク質は、後記(配列番号2)の組換えマウスタンパク質、またはZhangら(Nature,前掲)に記載されている組換えヒトタンパク質または28位のグルタミニル残基を欠くものから選択することができる(Zhangら,Nature,前掲428頁を参照されたし)。また、1)35位にリシンの代わりにアルギニンを含有し、2)74位にイソロイシンの代わりにロイシンを含有する配列番号4に記載の組換えヒトOBタンパク質類似体を使用することもできる(この類似体の略語は、組換えヒトR->L35、I->L74である)。組換えヒト類似体および組換えマウスタンパク質のアミノ酸配列は、−1位にメチオニル残基が存在するものとして以下に記載されているが、これらのOBタンパク質および類似体のいずれにおいても、該メチオニル残基は存在していなくてもよい。
該マウスタンパク質は、該ヒトタンパク質と実質的に相同である(特に、成熟タンパク質として、そしてさらに特にN末端において)。該組換えヒトタンパク質の類似体は、該組換えヒト配列内の、該マウス配列と異なるアミノ酸を改変(例えば、アミノ酸残基を置換)することにより製造することができる。該組換えヒトタンパク質はマウスにおいて生物活性を有するため、そのような類似体は、おそらくヒトにおいて活性であろう。例えば、残基35にリシンを及び残基74にイソロイシンを有する(最初のアミノ酸がバリンであり146位のアミノ酸がシステインである配列番号4の番号付けによる)ヒトタンパク質を使用して、32、35、50、64、68、71、74、77、89、97、100、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145位のアミノ酸の1以上を別のアミノ酸で置換することができる。マウスタンパク質(配列番号2)の対応位置のアミノ酸または別のアミノ酸を選択することができる。
さらに、ラットOBタンパク質配列に基づき、「コンセンサス」分子を製造することができる(Murakamiら,Biochem.Biophys.Res.Comm.209: 944-952(1995))。ラットOBタンパク質は、以下の位置(配列番号4の番号付けを使用)がヒトOBタンパク質と異なる:
Figure 0004173913
異なっているこれらのアミノ酸の1以上を別のアミノ酸で置換することができる。太字の位置は、マウスOBタンパク質およびラットOBタンパク質がヒトOBタンパク質と異なっている位置であり、したがって改変に特に適した位置である。対応するラットOBタンパク質からのアミノ酸または別のアミノ酸を、1以上の位置において置換することができる。
ラットおよびマウス双方のOBタンパク質は、成熟ヒトOBタンパク質と以下の位置が異なる:4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145。前記アミノ酸の1以上が別のアミノ酸(例えば、対応するラットまたはマウス配列のアミノ酸)で置換されている配列番号4のOBタンパク質も有効かもしれない。
他の類似体は、タンパク質アミノ酸配列の一部を欠失させることにより製造することができる。例えば、該成熟タンパク質は、リーダー配列(−22〜−1)を欠く。ヒトOBタンパク質分子の以下のトランケート化形態(配列番号4の番号付けを使用している)を製造することができる:
(a)アミノ酸98〜146
(b)アミノ酸1〜32
(c)アミノ酸40〜116
(d)アミノ酸1〜99および(それが接続している)112〜146
(e)アミノ酸100〜111の1以上がアミノ酸99と112との間に位置するアミノ酸1〜99および(それが接続している)112〜146。
さらに、該トランケート化形態はまた、ヒトOBタンパク質と異なるアミノ酸(ラットまたはマウスヒトOBタンパク質内)の1以上が改変されていてもよい。
本タンパク質(本発明において「タンパク質」なる語は、特に示さない限り、「ペプチド」およびOB類似体(例えば以下に挙げるもの)を包含するものとして使用する)はまた、1以上の化学的部分がタンパク質部分に結合することにより誘導体化することができる。その化学的に修飾された誘導体はさらに、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、静脈内、経口、鼻内、肺内、局所または他の経路で投与するよう製剤化することができる。生物学的に活性なタンパク質の化学修飾により、ある状況下ではさらなる利点(例えば、該治療用タンパク質の安定性および循環時間の増加ならびに免疫原性の減少)が得られることが判明している。1979年12月18日付け発行のDavisら,米国特許第4,179,337号を参照されたし。概説としては、Abuchowskiら,Enzymes as Drugs(J.S.HolcerbergおよびJ.Roberts編,pp.367-383(1981))を参照されたし。タンパク質の修飾および融合タンパク質を記載している総説としては、Francis,Focus on Growth Factors 3: 4-10(1992年5月号)(Mediscript,Mountview Court,Friern Barnet Lane,London N20,OLD,UK発行)が挙げられる。
誘導体化に適した化学的部分は、種々の水溶性重合体から選択することができる。選択する重合体は、それが結合するタンパク質が水性環境(例えば、生理的環境)中で沈殿しないよう、水溶性でなければならない。最終生成物を治療用に使用する場合には、該重合体は、好ましくは、医薬上許容されるものである。当業者であれば、該重合体/タンパク質結合体を治療用に使用するか否かの考慮、また、そうであれば所望の用量、循環時間、タンパク質分解に対する抵抗性およびその他の考慮に基づき、所望の重合体の選択が可能であろう。本タンパク質およびペプチドでは、誘導体化の有効性は、誘導体を所望の形態で(すなわち、浸透ポンプにより、あるいはより好ましくは注射または注入により、あるいは、例えば経口、肺または鼻送達のためにさらに製剤化することにより)投与し、生物学的効果を観察することにより確認することができる。
該水溶性重合体は、例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(ホモ重合体またはランダム共重合体のいずれか)、およびデキストランまたはポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオールおよびポリビニルアルコールよりなる群から選択することができる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは水中で安定であるため、製造上有利かもしれない。
該重合体は、任意の分子量のものであってもよく、また、分枝状であっても非分枝状であってもよい。ポリエチレングリコールでは、好ましい分子量は、取り扱いおよび製造の容易さの点で、約2kDa〜約100kDaである(「約」なる語は、ポリエチレングリコール調製物のうち、ある分子は、示されている分子量より大きく、ある分子は小さいことを示す)。所望の治療プロフィール(例えば、所望の徐放性の持続時間、生物活性に対する存在する効果、取り扱い易さ、抗原性の程度または喪失、および治療用タンパク質または類似体に対するポリエチレングリコールの他の公知の効果)に応じて、他のサイズを用いることができる。
このように結合するポリマー分子の数は、様々であることが可能であり、当業者であれば、機能に対するその効果を確認することができるであろう。モノ−誘導体化(mono-derivatize)を行なってもよいし、同じまたは異なる化学的部分(例えば、種々の重量のポリエチレングリコールなどの重合体)により、ジ−、トリ−、テトラ−誘導体化あるいは誘導体化のいくつかの組み合わせを行なってもよい。タンパク質(またはペプチド)分子に対する重合体分子の比率は、反応混合物中のそれらの濃度と同様、特に限定されるものではない。一般に、最適な比率(過剰な未反応タンパク質または重合体が存在しないという観点からの反応効率に関して)は、誘導体化の所望の程度(例えば、モノ−、ジ−、トリ−など)、選択した重合体の分子量、該重合体が分枝状か非分枝状か、反応条件などの因子により決定されることとなる。
ポリエチレングリコール分子(または他の化学的部分)は、該タンパク質の機能ドメインまたは抗原ドメインに対する効果を考慮すると、該タンパク質に結合させるべきである。多数の結合方法が当業者に利用可能であり、例えば、参考として本明細書に組入れるEP 0 401 384(G-CSFに対するPEGの結合)を参照されたし。また、Malikら,Exp.Hematol.20: 1028-1035(1992)(塩化トレシルを用いるGM-CSFのPEG化(pegylation)を報告している)も参照されたし。例えば、ポリエチレングリコールは、反応性基(例えば、遊離アミノまたはカルボキシル基)を介してアミノ酸残基により共有結合させることができる。反応性基は、活性化されたポリエチレングリコール分子が結合しうる基である。遊離アミノ基を有するアミノ酸残基には、リシン残基およびN末端アミノ酸残基が含まれうる。遊離カルボキシル基を有するものには、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、およびC末端アミノ酸残基が含まれうる。また、ポリエチレングリコール分子を結合させるための反応性基として、スルフヒドリル基を使用してもよい。治療目的に好ましいのは、アミノ基における結合、例えば、N末端またはリシン基における結合である。受容体結合が望まれる場合には、受容体結合に重要な残基での結合は避けるべきである。
N−末端で化学修飾されたタンパク質が特に望ましい場合もある。ポリエチレングリコールを本組成物の例示として用いて説明すると、種々のポリエチレングリコール分子(分子量、分枝などにより)から、反応混合物中のタンパク質(またはペプチド)分子に対するポリエチレングリコール分子の比率、行なうPEG化反応、およびN末端がPEG化された選択したタンパク質の入手方法を、選択することができる。N末端がPEG化された調製物の入手方法(すなわち、必要に応じて、他のモノPEG化部分からこの部分を分離すること)は、PEG化されたタンパク質分子の集団から、N末端がPEG化された物質を精製することにより行なうことができる。選択的なN末端の化学修飾は、ある特定のタンパク質の誘導体化に利用可能な種々のタイプの一級アミノ基の反応性の相違(リシン対該N末端)を利用する還元的アルキル化により達成することができる。適当な反応条件下で、カルボニル基含有重合体による、該タンパク質の実質的に選択的なN末端での誘導体化が達成される。例えば、リシン残基のε−アミノ基と該タンパク質のN末端残基のα−アミノ基との間のpKaの相違が利用可能なpHで反応を行なうことにより、該タンパク質のN末端を選択的にPEG化することができる。そのような選択的な誘導体化により、タンパク質に対する水溶性重合体の結合が制御される。すなわち、該重合体との結合は該タンパク質のN末端で優先的に生じ、他の反応性基(例えば、リシン側鎖アミノ基)の有意な修飾は生じない。還元的アルキル化を用いる場合は、該水溶性重合体は、前記のタイプのものであってもよく、該タンパク質に結合するための単一の反応性アルデヒドを有するべきである。単一の反応性アルデヒドを含有するポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドを使用してもよい。
治療剤の製造の容易さの点で、N末端がモノPEG化された誘導体が好ましい。N末端のPEG化の場合には、生成物の特徴付けがジ−、トリ−または他の多PEG化生成物に比べて単純化されるため、均一な生成物が保証される。N末端生成物の製造には、商業的製造の容易さのため、前記の還元的アルキル化方法を使用することが好ましい。約6kD〜約50kDのポリエチレングリコールを用いてN末端がモノPEG化されたヒト組換えメチオニルOBタンパク質1〜146が、該タンパク質の循環時間を延長させるのが望ましい場合には特に好ましい。
本発明のさらに別の態様では、該タンパク質および誘導体の医薬組成物の使用方法を提供する。そのような医薬組成物は、注射投与用、または経口、肺内、鼻内、経皮または他の形態の投与用であってもよい。一般に、本発明のタンパク質または誘導体生成物の有効量と、医薬上許容される希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤および/または担体とを含んでなる医薬組成物が、本発明に包含される。そのような組成物は、種々の緩衝液含有物(例えば、Tris−HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pHおよびイオン強度の希釈剤;洗浄剤および可溶化剤(例えば、Tween 80、Polysorbate 80)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、Thimersol、ベンジルアルコール)、充填物質(例えば、ラクトース、マンニトール)などの添加剤;該物質が重合性化合物(例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸など)の粒子調製物内またはリポソーム内へ封入されたものを含む。また、ヒアルロン酸を使用してもよく、これは、循環の持続化を促進する効果を有するかもしれない。そのような組成物は、本タンパク質および誘導体の物理学的状態、安定性、インビボ放出の速度、およびインビボクリアランスの速度に影響を及ぼしうる。例えば、参考として本明細書に組入れるRemington′s Pharmaceutical Sciences,第18版(1990,Mack Publishing Co.,Easton,PA 18042)第1435〜1712頁を参照されたし。該組成物は、液体形態または乾燥粉末(例えば、凍結乾燥形態)として製造することができる。移植可能な徐放製剤、および経皮製剤も期待される。
参考として本明細書に組入れるRemington′s Pharmaceutical Sciences,第18版,1990(Mack Publishing Co.,Easton,PA 18042)第89章に一般的に記載されている経口固体投与形態の使用が、本発明で期待される。固体投与形態には、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤またはロゼンジ、カシェ剤またはペレット剤が含まれる。また、リポソームまたはプロテイノイド封入により、本組成物を製剤化してもよい(例えば、米国特許第4,925,673号で報告されているプロテイノイドミクロスフェアとして)。リポソーム封入を利用してもよく、また、種々の重合体で該リポソームを誘導体化してもよい(例えば、米国特許第5,013,556号)。治療用の可能な固体投与形態の説明は、参考として本明細書に組入れるMarshall,K.,Modern Pharmaceutics,G.S.BankerおよびC.T.Rhodes編,第10章,1979に記載されている。一般には、該製剤は、該タンパク質(または類似体もしくは誘導体)と、胃環境に対する保護および生物学的に活性な物質の腸内放出を許容する不活性成分とを含むであろう。
また、前記の誘導体化されたタンパク質の経口投与形態が特に期待される。該誘導体の経口送達が有効となるよう、タンパク質を化学修飾することができる。期待される化学修飾は、一般には、(a)タンパク質分解の抑制および(b)胃または腸から血流中への取込みを許容する少なくとも1つの部分が、タンパク質(またはペプチド)分子自体に結合することである。また、該タンパク質の全体的な安定度が増加すること、および体内循環時間が増加することが望ましい。そのような部分には、例えば、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびポリプロリンが含まれる。AbuchowskiおよびDavis,Soluble Polymer-Enzyme Adducts,“Enzymes as Drugs”,HocenbergおよびRoberts編,Wiley-Interscience,New York,NY,(1981),pp 367-383; Newmarkら,J.Appl.Biochem.4: 185-189(1982)を参照されたし。使用しうる他の重合体としては、ポリ−1,3−ジオキソランおよびポリ−1,3,6−チオキソカンが挙げられる。前記の医薬用途に好ましいのは、ポリエチレングリコール部分である。
タンパク質(または誘導体)の場合、放出部位は、胃、小腸(十二指腸、空腸または回腸)、または大腸であってもよい。胃内で溶解しないが該物質を十二指腸またはその他の腸内部位で放出する製剤は、当業者において入手可能である。好ましくは、該タンパク質(または誘導体)を保護するか又は胃環境を越えた部位(例えば、腸内)で生物学的に活性な物質を放出するかのいずれかにより、その放出は、胃環境の悪影響から回避されるであろう。
完全な胃抵抗性を確実にするためには、少なくともpH5.0まで不透過性であるコーティングが不可欠である。腸溶性コーティングとして使用されるより一般的な不活性成分としては、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP 50、HPMCP 55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、セルロースアセテートフタレート(CAP)、Eudragit L、Eudragit SおよびShellacが挙げられる。これらのコーティングは、混合フィルムとして使用してもよい。
コーティングまたはコーティング混合物はまた、錠剤上で使用することもでき、これらは、胃に対する保護を意図するものではない。これには、糖衣、または錠剤の飲み込みを容易にするコーティングが含まれる。カプセル剤は、乾燥した治療剤(すなわち粉末)を送達するための硬い殻(例えば、ゼラチン)よりなるものであってもよく、液体形態の場合には、軟ゼラチン殻を使用してもよい。カシェ剤の殻物質は、濃厚なデンプンまたは他の可食性紙であってもよいであろう。丸剤、ロゼンジ、成形錠剤または錠剤粉末化物では、湿性塊化技術を用いることができる。
該治療剤は、粒径約1mmの顆粒剤またはペレット剤の形態の細かい多粒子として製剤中に含まれていてもよい。また、カプセル剤で投与する場合には、粉末剤、軽く圧縮されたプラグとして又はさらに錠剤として、物質を製剤化することもできるであろう。該治療剤は、圧縮により調製することができるであろう。
着色剤および香味剤がすべて含まれていてもよい。例えば、該タンパク質(または誘導体)を製剤化し(例えば、リポソームまたはミクロスフェア封入により)、ついでさらに、食用品(例えば、着色剤および香味剤を含有する冷却された飲料)内に含有させてもよい。
該治療剤の用量を不活性物質で希釈または増加させてもよい。これらの希釈剤には、炭水化物、特にマンニトール、α−ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、修飾デキストランおよびデンプンが含まれうる。また、ある種の無機塩、例えば三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩化ナトリウムなどを、充填剤として使用してもよい。いくつかの商業的に入手可能な希釈剤としては、Fast-Flo、Emdex、STA-Rx 1500、EmcompressおよびAvicellが挙げられる。
該治療剤の固体投与形態への製剤化では、崩壊剤を加えてもよい。崩壊剤として使用する物質には、デンプンをベースとした市販の崩壊剤であるExplotabなどのデンプンが含まれるが、これらに限定されるものではない。デンプングリコール酸ナトリウム、Amberlite、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラミロペクチン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジの皮、酸カルボキシメチルセルロース、天然スポンジおよびベントナイトはすべて使用可能である。崩壊剤のもう1つの形態は、不溶性陽イオン交換樹脂である。崩壊剤および結合剤として粉末ガムを使用してもよく、これには、寒天、Karaya、トラガカントなどの粉末ガムが含まれうる。アルギン酸およびそのナトリウム塩も、崩壊剤として有用である。
結合剤は、治療剤を結合させて硬質の錠剤を形成させるのに使用することができ、結合剤には、アラビアゴム、トラガカント、デンプン、ゼラチンなどの天然産物由来の物質が含まれる。その他には、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。ポリビニルピロリドン(PVP)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は共に、該治療剤を顆粒化するためにアルコール性溶液中で使用することができるであろう。
製剤化工程中の固着を防ぐために、該治療剤の製剤化において減摩剤を加えてもよい。該治療剤と打ち抜き型の壁との間の層として滑沢剤を使用してもよく、これには、ステアリン酸(そのマグネシウム塩およびカルシウム塩を含む)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油およびワックスが含まれうるが、これらに限定されるものではない。また、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、種々の分子量のポリエチレングリコール、Carbowax 4000および6000などの可溶性滑沢剤を使用してもよい。
製剤化中の薬物の流動特性を改善することが可能で圧縮中の再配列を補助する滑り剤を加えてもよい。該滑り剤には、デンプン、タルク、発熱性シリカ、水化ケイ酸アルミニウムが含まれうる。
該治療剤が水性環境中に溶解するのを補助するために、湿潤剤として界面活性剤を加えてもよい。界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホン酸ジオクチルナトリウムなどの陰イオン性洗浄剤が含まれうる。陽イオン性洗浄剤を使用してもよく、これには、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムが含まれうる。界面活性剤として製剤中に加えうる可能な非イオン性洗浄剤としては、ラウロマクロゴール400、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシエチレン水素化ひまし油10、50および60、グリセロールモノステアレート、ポリソルベート40、60、65および80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースが挙げられる。これらの界面活性剤は、タンパク質または誘導体の製剤中に単独でまたは種々の比率の混合物として存在させることができるであろう。
該タンパク質(または誘導体)の取込みを潜在的に増強する添加剤としては、例えば、脂肪酸であるオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸が挙げられる。
徐放製剤が望ましいかもしれない。該薬物は、拡散または浸出のいずれかのメカニズムによる放出を許容する不活性マトリックス(すなわち、ガム)中に取込ませることができるであろう。また、徐々に変性するマトリックスを製剤中に取込ませてもよい。この治療剤の徐放のもう1つの形態は、浸透作用により単一の小さな開口から水が浸入し薬物を押し出すのを許容する半透膜中に該薬物を封入するOros治療系(Alza Corp.)に基づく方法によるものである。また、いくつかの腸溶性コーティングは徐放効果を有する。
他のコーティングを製剤化に使用してもよい。これらには、コーティングパン内で適用しうる種々の糖が含まれる。また、該治療剤は、フィルムコーティングされた錠剤として得ることもでき、この場合に用いる物質は、2つの群に分類される。1つめは、非腸溶性物質であり、これには、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシブロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロビドンおよびポリエチレングリコールが含まれる。第2の群は、一般にはフタル酸のエステルである腸溶性物質よりなる。
最適なフィルムコーティングを得るために、物質の混合物を使用してもよい。フィルムコーティングは、パンコーター内または流動床内で、または圧縮コーティングにより行なってもよい。
また、本タンパク質(またはその誘導体)の肺送達も本発明で期待される。該タンパク質(または誘導体)は、吸入されながら哺乳動物の肺に送達され、肺上皮内層を越えて血流に入る。(これについての他の報告には、Adjeiら,Phamaceutical Research 7: 565-569(1990); Adjeiら,International Journal of Pharmaceutics 63: 135-144(1990)(酢酸ロイプロリド); Braquetら,Journal of Cardiovascular Pharmacology 13(増刊5): s.143-146(1989)(エンドテリン−1); Hubbardら,Annals of Internal Medicine 3: 206-212(1989)(α1−抗トリプシン); Smithら,J.Clin.Invest.84: 1145-1146(1989)(α−1−プロテイナーゼ);Osweinら,“Aerosolization of Proteins”,Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery II,Keystone,Colorado,1990年3月(組換えヒト成長ホルモン); Debsら,The Journal of Immunology 140: 3482-3488(1988)(インターフェロン−γおよび腫瘍壊死因子アルファ)およびPlatsら,米国特許第5,284,656号(顆粒球コロニー刺激因子)が含まれる)。
治療生成物の肺送達用に設計された多種多様な機械装置(例えば、噴霧器、定量吸入器、粉末吸入器などの、いずれも当業者によく知られているものが含まれるが、これらに限定されるものではない)を本発明の実施で使用することが期待される。
本発明の実施に適した商業的に入手可能な装置のいくつかの具体例としては、Mallinckrodt,Inc.(St.Louis,Missouri)製のUltravent噴霧器、Marques Medical Products(Englewood,Colorado)製のAcorn II噴霧器、Glaxo Inc.(Research Triangle Park,North Carolina)製のVentolin定量吸入器およびFisons Corp.(Bedford,Massachusetts)製のSpinhaler粉末吸入器が挙げられる。
そのようないずれの装置においても、タンパク質(または類似体もしくは誘導体)の投薬に適した製剤を使用することが必要である。典型的には、各製剤は、用いる装置の型に特有のものであり、治療に有用な希釈剤、補助剤および/または担体に加えて、適当な噴射物質の使用を含むことがある。
該タンパク質(または誘導体)は、遠位の肺へ最も有効に送達されるためには、10μm(またはミクロン)未満、最も好ましくは0.5〜5μmの平均粒径を有する粒子形態で製造されるのが最も有利であるはずである。
担体には、トレハロース、マンニトール、キシリトール、スクロース、ラクトース、ソルビトールなどの炭水化物が含まれる。製剤中で使用する他の成分には、DPPC、DOPE、DSPCおよびDOPCが含まれうる。天然または合成界面活性剤を使用してもよい。ポリエチレングリコールを使用してもよい(これは、該タンパク質または類似体の誘導体化におけるその使用と独立していてもよい)。シクロデキストランなどのデキストランを使用してもよい。胆汁酸塩および他の関連した増強剤を使用してもよい。セルロースおよびセルロース誘導体を使用してもよい。アミノ酸(例えば、緩衝液の調製で使用したもの)を使用してもよい。
また、リポソーム、マイクロカプセルまたはミクロスフェア、包接複合体、または他の型の担体の使用も期待される。
噴霧器(ジェット式または超音波式のいずれか)と併用するのに適した製剤は、典型的には、溶液1mL当たり生物学的に活性なタンパク質約0.1〜25mgの濃度で水に溶解したタンパク質(または誘導体)を含むであろう。また、該製剤は、緩衝剤および単純な糖(例えば、タンパク質の安定化および浸透圧の調節用のもの)を含んでいてもよい。また、エーロゾルの形成において該溶液の噴霧により生じる該タンパク質の界面誘導凝集を抑制または予防するために、噴霧製剤が界面活性剤を含有していてもよい。
定量吸入装置と併用する製剤は、一般に、界面活性剤の助けをかりて噴射剤に懸濁したタンパク質(または誘導体)を含有する微細化された粉末を含むであろう。該噴射剤は、この目的に用いる通常の任意の物質(クロロフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、または炭化水素、例えばトリクロロフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタノール、1,1,1,2−テトラフルオロエタンなど、またはそれらの組み合わせ)であってもよい。適当な界面活性剤には、ソルビタントリオレエートおよび大豆レシチンが含まれる。オレイン酸も界面活性剤として有用かもしれない。
粉末吸入装置からの投薬のための製剤は、タンパク質(または誘導体)を含有する微細化された乾燥粉末を含むであろう。また、該製剤には、その装置からの粉末の分散を促進する量(例えば、該製剤の50〜90重量%)の増量剤(例えば、ラクトース、ソルビトール、スクロース、マンニトール、トレハロースまたはキシリトール)が含まれていてもよい。
また、該タンパク質(または類似体もしくは誘導体)の鼻送達も期待される。鼻送達によれば、治療生成物を鼻へ投与した後、該生成物の肺内での沈析を要することなく、該タンパク質を直接血流へ通過させることが可能となる。鼻送達用の製剤には、デキストランまたはシクロデキストランを含有する製剤が含まれる。他の粘膜を越える輸送を介した送達も期待される。
当業者であれば、投与および所望の治療効果の観察により、有効な投与量を確認することができるであろう。好ましくは、該分子の製剤化は、約0.10μg/kg/日〜10mg/kg/日で所望の治療効果が得られるように行なう。有効な投与量は、時間経過に対して診断手段を使用することにより決定することができる。例えば、まず、血液(または血漿または血清)中のOBタンパク質の量を測定するための診断を用いて、OBタンパク質の内因性レベルを測定してもよい。そのような診断手段は、抗体サンドイッチアッセイなどの抗体アッセイの形態であってもよい。まず、内因性OBタンパク質を定量し、基線を決定する。内因性および外因性のOBタンパク質(すなわち、自己産生されたか又は投与されたかのいずれかの、体内で見出されるタンパク質、類似体または誘導体)の定量を治療の経過中に継続しながら、治療量を決定する。したがって、該用量は、治療の経過中に変化させてもよく、最初は、治療上の利益が認められるまで比較的高い用量を用い、そして治療上の利益を維持するために、より低い投与量を用いることができる。
一般には、血中脂質レベルの減少を望むヒトに対する有効用量は、コレステロールまたはトリグリセリドのレベルを減少させ又はその減少したレベルを正常範囲内に維持するのに十分であろう。100ミリリットル当たり200ミリグラムを超える血中コレステロールレベルを有するヒトは、コレステロールレベルの減少から利益を得るであろう。100ミリリットル当たり250ミリグラムのトリグリセリドレベルを有するヒトは、一般に、トリグリセリドレベルの減少またはその低下したレベルの維持から利益を得るであろう。
理論的には、血中脂質レベルの減少のみが望まれる場合、または血中脂質レベベルの減少の維持が望まれる場合には、その用量は、体重減少を引き起こすには不十分であろう。したがって、肥満のヒトの最初の一連の治療においては、体重の減少およびそれに伴う血中脂質レベルの低下が達成される用量を投与してもよい。十分な体重減少が達成されたら、体重が再び増加するのを防ぐのに十分であって、所望の血中脂質レベルを維持するのに十分な用量を投与してもよい。OBタンパク質の効果は可逆的であるため、これらの用量は実験的に決定することができる(例えば、Campfieldら,Science 269: 546-549(1995)p.547)。したがって、体重減少を望まない場合に、ある用量で体重減少が生じることが認められたら、所望の血中脂質レベルを達成すると同時に所望の体重を維持するために、より低い用量を投与することとなろう。
本方法は、糖尿病の治療に有用な薬(例えば、インスリンおよび恐らくアミリン)、コレステロールおよび血圧降下薬(例えば、前記のもの)、活性増強薬(例えば、アンフェタミン)などの他の薬と共に用いてもよい。また、食欲抑制剤を使用してもよい。そのような投与は、同時にまたは連続的に行なうことができる。
さらに、本方法は、身体の全体的な外観を変えるよう意図された整容手術(例えば、体重を減少させるよう意図された脂肪吸引またはレーザー手術)などの外科的方法と共に用いてもよい。動脈斑などの脂肪の沈着による血管の遮断阻害により引き起こされる有害な状態を緩和するよう意図された心臓手術(バイパス手術その他の手術)から得られる健康上の利益は、本組成物および方法の併用により増強されるかもしれない。また、超音波またはレーザー法などの胆石を除去する方法を、一連の本治療方法の前、間または後のいずれかで使用してもよい。
したがって、本発明は、患者において血中脂質レベルを減少させるか、または上昇した血中脂質レベルを有する患者において、減少した血中脂質レベルを維持する方法であって、該方法が、該血中脂質レベルを減少させるか又は減少したそのレベルを維持するには十分であるが体重減少を引き起こすには不十分な量のOBタンパク質、その類似体または誘導体を投与することを含んでなり、該OBタンパク質、その類似体または誘導体が、
(a)配列番号2(後記)または配列番号4(後記)に記載のアミノ酸配列1〜146;
(b)35位にリシン残基を有し74位にイソロイシン残基を有する配列番号4(後記)に記載のアミノ酸配列1〜146;
(c)4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145位(配列番号4の番号付けを使用し、28位にグルタミニル残基が存在しない場合であっても同じ番号付けを維持している)の1以上の位置で置換された異なるアミノ酸を有する(b)項のアミノ酸配列;
(d)28位のグルタミニル残基が所望により欠けていてもよい(a)、(b)または(c)項のアミノ酸配列;
(e)N末端にメチオニル残基を有する(a)、(b)、(c)または(d)項のアミノ酸配列;
(f)トランケート化OBタンパク質類似体であって、以下の(i)〜(xi)(配列番号4の番号付けを使用している)から選ばれるもの:
(i)アミノ酸98〜146、
(ii)アミノ酸1〜32、
(iii)アミノ酸40〜116、
(iv)アミノ酸1〜99および112〜146、
(v)アミノ酸100〜111の1以上がアミノ酸99と112との間に位置するアミノ酸1〜99および112〜146、
(vi)アミノ酸100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145の1以上が別のアミノ酸で置換されている(i)項のトランケート化OB類似体、
(vii)アミノ酸4および32の1以上が別のアミノ酸で置換されている(ii)項のトランケート化類似体、
(viii)アミノ酸50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108および111の1以上が別のアミノ酸で置換されている(iii)項のトランケート化類似体、
(vix)アミノ酸4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、118、136、138、142および145の1以上が別のアミノ酸で置換されている(iv)項のトランケート化類似体、
(x)アミノ酸4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145の1以上が別のアミノ酸で置換されている(v)項のトランケート化類似体、および
(xi)N末端メチオニル残基を有する(i)〜(x)項のいずれかのトランケート化類似体;
(g)タンパク質部分に結合した化学的部分を含む、(a)〜(f)のいずれかのOBタンパク質または類似体の誘導体;
(h)該化学的部分が水溶性重合体部分である(g)項の誘導体;
(i)該水溶性重合体部分がポリエチレングリコールである(h)項の誘導体;
(j)該ポリエチレングリコール部分が該タンパク質部分のN末端のみに結合している(i)項の誘導体;および
(k)医薬上許容される担体中の(a)〜(h)項のいずれかのOBタンパク質、類似体または誘導体から選ばれることを特徴とする方法を提供する。
もう1つの態様では、本発明は、該患者が、上昇した血清コレステロールレベルを有しているか、そのような上昇したレベルを有していたことがあり、該OBタンパク質類似体または誘導体の用量が、該患者の血清コレステロールレベルを減少させ、および/または該血清コレステロールレベルを正常レベルに維持するのに十分である前記の方法を提供する。好ましくは、このレベルは、240mgコレステロール/100ml以下、より好ましくは、200mgコレステロール/100ml以下であろう。
もう1つの態様では、本発明は、該患者が、上昇した血清トリグリセリドレベルを有し、該OBタンパク質類似体または誘導体の用量が、該患者のトリグリセリドレベルを減少させ、および/または該トリグリセリドレベルを正常レベルに維持するのに十分である前記の方法を提供する。好ましくは、このレベルは、500mg/100ml以下、より好ましくは250mg/100ml以下であろう。特に、例えば、家族性高トリグリセリド血症の個体は、トリグリセリドレベルが上昇しているにもかかわらずコレステロールレベルは正常な場合があり、本発明はそのような個体に有益であろう。
さらに別の態様では、本発明は、該患者が、上昇した動脈斑レベルを有し、該OBタンパク質類似体または誘導体の用量が、該患者の動脈斑レベルを減少させるか又は該動脈斑レベルを正常レベルに維持するのに十分である前記の方法を提供する。好ましくは、該用量は、罹患した血管を通る正常な血流を許容または維持するのに十分なものとなろう。
さらに、胆嚢内での胆石の形成は血中コレステロールレベルに関連しているため、本発明は、胆石の形成を予防または抑制する前記の方法を提供する。
また、本発明は、血中脂質レベルの上昇の治療、例えば、高コレステロール、トリグリセリドレベルの上昇、高血圧および高レベルの動脈斑の治療、ならびに前記の胆石の形成の予防または抑制に用いる医薬の製造のための、前記OBタンパク質、その類似体および誘導体の使用を提供する。
以下の実施例は、本発明をより完全に例示するものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
この実施例では、肥満ではなく血中脂質レベルが上昇していない正常マウスにおいて、マウス組換えOBタンパク質の投与によりコレステロールおよびトリグリセリドのレベルが低下することを示す。正常なCD1マウスに、組換えマウスOBタンパク質を連続的な注入により投与した(後記の「材料および方法」を参照されたし)。投与した用量において、その動物の体重は減少した。表1に示すとおり、それらのマウスは、血清コレステロールおよびトリグリセリドの用量依存的な実質的な減少を示した。
Figure 0004173913
また、ob/ob突然変異マウスでは、同様の結果が認められ、体重の減少も認められたが、(後記表2)正常な血中脂質レベルを有するC57(+/+)では、何ら変化が示されなかった。
Figure 0004173913
これらのデータは、OBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体が、有効な血中脂質低下剤であることを示す。
実施例2
肥満のヒトの患者に、体重を減少させる目的で、OBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体を投与する。その肥満患者はまた、200mg/100ml以上に上昇したコレステロールレベルを含む、上昇した血中脂質レベルを有する。その患者では、OB療法の経過中に、満足しうる体重減少が得られる。OBタンパク質または類似体もしくは誘導体の維持量を、その非肥満患者に投与して、200mg/100ml未満に低下したコレステロールレベルを含む、低下した血中脂質レベルを維持する。その投与量は、さらに体重減少を引き起こすには不十分である。投与は、長期間継続する。循環するOBタンパク質または類似体もしくは誘導体のレベルは、OBタンパク質(または適用可能な他の抗原源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いてモニターすることができる。
実施例3
非肥満のヒト患者に、冠状動脈バイパス手術または進行した段階の動脈斑の形成を緩和する他の侵襲性治療を施す。その手術の後、動脈斑の再形成を防ぐために、その患者にOBタンパク質または類似体もしくは誘導体の維持量を投与する。その投与量は、体重減少を引き起こすには不十分である。投与は、長期間継続する。循環するOBタンパク質または類似体もしくは誘導体のレベルは、OBタンパク質(または適用可能な他の抗原源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いてモニターすることができる。
実施例4
閉塞した動脈からの血流が制限されたことにより高血圧となっている非肥満のヒト患者がいる。その患者に、動脈の閉塞を引き起こしている動脈斑を減少させるのに十分な量のOBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体を投与する。その後、さらなる動脈斑の形成および高血圧に関して、患者をモニターする。その状態が再び現れたら、血流を回復するには十分であるが体重減少を引き起こすには不十分な有効量のOBタンパク質、類似体または誘導体を患者に再投与する。循環するOBタンパク質または類似体もしくは誘導体のレベルは、OBタンパク質(または適用可能な他の抗原源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いてモニターすることができる。
実施例5
胆石を有するヒト患者がいる。いずれの胆石も除去せず、追加的な胆石の形成を防ぐよう努める。あるいは、胆石は除去するが胆嚢は維持し(例えば、レーザーまたは超音波手術により行なう)、追加的な胆石の形成を防ぐよう努める。追加的な胆石の蓄積または胆石の再蓄積を予防するために、OBタンパク質、その類似体または誘導体の有効量を、その患者に投与する。循環するOBタンパク質または類似体もしくは誘導体のレベルは、OBタンパク質(または適用可能な他の抗原源)に対する抗体アッセイなどの診断キットを用いてモニターすることができる。
材料および方法
動物:実施例1(表1のデータのもの)では、野生型CD1マウスを使用した。動物は、思いやりのある条件下で維持した。また、実施例1(表2のデータのもの)では、C57 +/+またはob/obマウスを使用した。
タンパク質または担体の投与:実施例1(表1のデータのもの)では、組換えマウスタンパク質(後記のとおり)または担体(リン酸緩衝食塩水(「PBS」)、pH7.4)を、浸透ポンプ注入により投与した。Alzet浸透ミニポンプ(Alza,Palo Alto,CA,model no.1007D)を、各マウスの肩甲下領域の皮下ポケット内に外科的に装着した。1時間当たり0.5μlのタンパク質溶液を投与するよう、そのポンプを調整して、表1に示す用量とした。表2のデータを与える研究では、後記のとおり、記載されている用量の組換えマウスOBタンパク質を1日1回マウスに注射した。
タンパク質:配列番号1および2は、マウス組換えOB DNAおよびタンパク質を記載しており、配列番号3および4は、組換えヒトOB類似体DNAおよびタンパク質を記載している。配列番号2のマウス組換えタンパク質を実施例1で使用した。前記のとおり、これらは、本発明の治療方法および医薬の製造法で使用しうるOBタンパク質の例示にすぎない。他のOBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体も使用することができる。
ここでは、組換えタンパク質のアミノ酸配列の最初のアミノ酸は+1と称されており、それはバリンである。−1位のアミノ酸はメチオニンである。C末端アミノ酸は146番目(システイン)である。
組換えマウスmet OB類似体の(二本鎖)DNAおよびアミノ酸の配列(配列番号1および2):
Figure 0004173913
組換えヒトmet OB類似体の(二本鎖)DNAおよびアミノ酸の配列(配列番号3および4):
Figure 0004173913
製造法
以下の方法を用いて、実施例1で使用する組換えマウスタンパク質(配列番号2)を製造した。
発現ベクターおよび宿主株
使用したプラスミド発現ベクターは、pCFM1656(ATCC受託第69576号)である。前記DNAを、XbaIおよびBamHIで線状化された発現ベクターpCFM1656中に連結し、大腸菌(E.coli)宿主株FM5中に形質転換した。大腸菌(E.coli)FM5細胞は、Amgen Inc.(Thousand Oaks,CA)において、大腸菌K-12株から誘導した(Bachmannら,Bacteriol.Rev.40: 116-167(1976))。該細胞は、組込まれたλファージリプレッサー遺伝子cI857を含有する(Sussmanら,C.R.Acad.Sci.254: 1517-1579(1962))。ベクターの産生、細胞の形質転換およびコロニーの選択は、標準的な方法により行なった。例えば、Sambrookら,Molecular Cloning: A Laboratory Manual,第2版,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NYを参照されたし。宿主細胞をLB培地中で増殖させた。
発酵方法
フィード・バッチ法として公知の三相発酵プロトコールを用いた。培地組成は以下に記載する。
バッチ:発酵容器(Biolafitte,12リットル容量)中、窒素およびリン酸源を滅菌した(18〜20psiで35分間、122℃まで昇温することによる)。冷却すると同時に、炭素、マグネシウム、ビタミンおよび微量金属源を無菌的に加えた。前記の組換えマウスタンパク質を産生する細菌の一晩培養物(16時間以上、500mL)(LB培地中で増殖させたもの)を、その発酵槽へ加えた。
フィードI:4.0〜6.0 OD600に達したら、培養にフィードIを供給した。増殖速度(μ)を制御するために、グルコースは、供給速度を制限して供給した。増殖速度を0.15世代/時間に制御するよう、自動化システム(Distributive Control Systemと称される)に指令した。
フィードII:OD600が30に達したら、培養温度をゆっくりと42℃まで増加させ、供給を以下のフィードIIに変えた。2時間毎にサンプリングしながら、該発酵を10時間続けた。10時間後、該発酵槽の内容物を20℃未満に冷却し、遠心分離により収穫した。
培地組成:
Figure 0004173913
ビタミン溶液(バッチおよびフィードI):
0.5gのビオチン、0.4gの葉酸および4.2gのリボフラビンを、450mlのH2Oおよび3mlの10N NaOHに溶解し、H2O中で500mLとした。14gのピリドキシン−HClおよび61gのナイアシンを150mlのH2Oおよび50mlの10N NaOHに溶解し、H2O中で250mLとした。54gのパントテン酸を200mLのH2Oに溶解し、250mLとした。その3つの溶液を合わせ、10リットルの合計容量とした。
微量金属溶液(バッチおよびフィードI):
塩化第二鉄(FeCl3・6H2O):27g/L
塩化亜鉛(ZnCl2・4H2O):2g/L
塩化コバルト(CoCl2・6H2O):2g/L
モリブデン酸ナトリウム(NaMoO4・2H2O):2g/L
塩化カルシウム(CaCl2・2H2O):1g/L
硫酸第二銅(CuSO4・5H2O):1.9g/L
ホウ酸(H3BO3):0.5g/L
塩化マンガン(MnCl2・4H2O):1.6g/L
クエン酸ナトリウム二水和物:73.5g/L
マウスOBタンパク質の精製方法
精製は、以下の工程により行なった(特に示さない限り、以下の工程は4℃で行なった)。
1.細胞ペースト
大腸菌(E.coli)細胞ペーストを5倍容量の7mMのEDTA(pH7.0)に懸濁した。そのEDTA中の細胞を、ミクロフルイダイザー(microfluidizer)に2回通過させることにより、さらに破壊した。その破壊された細胞を、JS-4.2ローターの付いたBeckman J6-B遠心機中、4.2Krpmで1時間遠心分離した。
2.封入体の洗浄−1回目
前記からの上清を除去し、ペレットを、5倍容量の7mM EDTA(pH7.0)に再懸濁し、ホモジナイズした。この混合物を、工程1と同様に遠心分離した。
3.封入体の洗浄−2回目
前記からの上清を除去し、ペレットを、10倍容量の20mMトリス(pH8.5)、10mM DTTおよび1%デオキシコラートに再懸濁し、ホモジナイズした。この混合物を、工程1と同様に遠心分離した。
4.封入体の洗浄−3回目
前記からの上清を除去し、ペレットを、10倍容量の蒸留水に再懸濁し、ホモジナイズした。この混合物を、工程1と同様に遠心分離した。
5.再生
15容量の10mMヘペス(pH8.5)、1%サルコシンナトリウム(N-ラウロイルサルコシン)で室温にてペレットを再生させた。60分後、この溶液が60μM硫酸銅となるようにし、ついで一晩攪拌した。
6.サルコシンの除去
その再生混合物を5容量の10mMトリス緩衝液(pH7.5)で希釈し、工程1と同様にして遠心分離した。該上清を集め、1時間振とうしながらDowex▲R▼ 1-X4樹脂(Dow Chemical Co.,Midland MI)(20〜50メッシュ、塩化物形態、希釈された再生混合物の0.066%の合計容量)と混合した。Dowex▲R▼に関するさらに詳しい情報については、WO89/10932の第26頁を参照されたし。この混合物をカラムに注ぎ、溶出液を集めた。サルコシンの除去は、逆相HPLCで確認した。
7.酸の沈殿
前記工程からの溶出液を集め、pHを5.5に調整し、室温で30分間インキュベートした。この混合物を工程1と同様にして遠心分離した。
8.陽イオン交換クロマトグラフィー
前記工程からの上清のpHを4.2に調整し、CM Sepharose Fast Flow上にローディングした(7%容量にて)。20mM NaOAc(pH4.2)、0Mから1.0MのNaClにより、20カラム容量の塩勾配に付した。
9.疎水性相互作用クロマトグラフィー
前記工程からのピーク画分(紫外線吸光度から確認)のCM Sepharoseプールを、0.2M硫酸アンモニウムとした。5mM NaOAc(pH4.2)にて0.4Mから0Mの硫酸アンモニウムにより、20カラム容量の逆塩勾配に付した。この物質を濃縮し、PBS中にダイアフィルトレーションした。
組換えヒトOBタンパク質類似体の発酵
組換えヒトOBタンパク質類似体(配列番号4)を製造するための前記宿主細胞の発酵は、組換えマウス物質に関して前記したのと同じ条件および組成を用いて行なうことができる。
組換えヒトOBタンパク質の精製
組換えヒトタンパク質は、前記実施例1の組換えマウスタンパク質の精製で用いたのと同様の方法により精製することができる。組換えヒトOBタンパク質類似体の製造では、工程7からの上清のpHを5.0に調整し、これをCM Sepharose高速流動カラム上にローディングすることにより、工程8を行なうべきである。20カラム容量塩勾配は、20mM NaOAc(pH5.5)、0Mから0.5MのNaClで行なうべきである。工程9は、CM Sepharoseプールを水で4倍希釈し、pHを7.5に調整することにより行なうべきである。この混合物は、0.7M硫酸アンモニウムとすべきである。20カラム容量の逆塩勾配を、5mM NaOAc(pH5.5)、0.2Mから0Mの硫酸アンモニウムで行なうべきである。そうでなければ、前記の工程は同一である。
本発明は好ましい実施態様に関して記載されているが、当業者であれば変形および修飾を見出しうると理解される。したがって、添付の請求の範囲は、特許請求されている発明の範囲内にあるそのような均等なすべての変形を包含すると期待される。
配列表
(1)一般的情報:
(i)出願人:アムジェン・インコーポレーティッド
(ii)発明の名称:OBタンパク質組成物を用いて血中脂質レベルを減少させ又は減少した血中脂質レベルを維持する方法
(iii)配列の数:4
(iv)連絡先住所:
(A)宛名:アムジェン・インコーポレーティッド
(B)通り:1840デハビランド・ドライブ
(C)市:サウザンド・オークス
(D)州:カリフォルニア
(E)国:アメリカ合衆国
(F)郵便番号:91230−1789
(v)コンピューター読み取り形式:
(A)媒体の型:フロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PCコンパチブル
(C)オペレーティングシステム:PC−DOS/MS−DOS
(D)ソフトウェア:パテントイン・リリース#1.0、バージョン#1.30
(vi)本出願データ:
(A)出願番号:
(B)出願日:
(C)分類:
(viii)代理人の情報:
(A)氏名:ペッシン,キャロル・エム
(C)参照/名簿番号:A−355
(2)配列番号1の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:491塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直線状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:41..481
(xi)配列:配列番号1:
Figure 0004173913
(2)配列番号2の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:147アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:配列番号2:
Figure 0004173913
(2)配列番号3の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:454塩基対
(B)型:核酸
(C)鎖の数:一本鎖
(D)トポロジー:直線状
(ii)配列の種類:cDNA
(ix)配列の特徴
(A)特徴を表す記号:CDS
(B)存在位置:4..444
(xi)配列:配列番号3:
Figure 0004173913
(2)配列番号4の情報:
(i)配列の特徴:
(A)長さ:147アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直線状
(ii)配列の種類:タンパク質
(xi)配列:配列番号4:
Figure 0004173913

Claims (7)

  1. 上昇した血中脂質レベルを有する患者における血中脂質レベルの減少、または上昇した血中脂質レベルを有する患者における減少した血中脂質レベルの維持に使用するためのOBタンパク質またはその類似体もしくは誘導体を含む医薬組成物であって、OBタンパク質、その類似体または誘導体が該血中脂質レベルを減少させるか又は減少した血中脂質レベルを維持するのに十分な量であり、該OBタンパク質、その類似体または誘導体が、
    (a)配列番号2または配列番号4に記載のアミノ酸配列1〜146;
    (b)35位にリシン残基を有し74位にイソロイシン残基を有する配列番号4に記載のアミノ酸配列1〜146;
    (c)4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145位(配列番号4の番号付けを使用し、28位にグルタミニル残基が存在しない場合であっても同じ番号付けを維持している)の25のアミノ酸位置の1乃至25で置換された異なるアミノ酸を有する(b)項のアミノ酸配列;
    (d)28位のグルタミニル残基が所望により欠けていてもよい(a)、(b)または(c)項のアミノ酸配列;
    (e)N末端にメチオニル残基を有する(a)、(b)、(c)または(d)項のアミノ酸配列;
    (f)トランケート化OBタンパク質であって、以下の(i)〜(xi)(配列番号4の番号付けを使用している)から選ばれるもの:
    (i)アミノ酸98〜146、
    (ii)アミノ酸1〜32、
    (iii)アミノ酸40〜116、
    (iv)アミノ酸1〜99および112〜146、
    (v)アミノ酸100〜111の1乃至12アミノ酸がアミノ酸99と112との間に位置するアミノ酸1〜99および112〜146、
    (vi)100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145の12のアミノ酸位置の1乃至12が別のアミノ酸で置換されている(i)項のトランケート化OBタンパク質、
    (vii)アミノ酸4および32の1または2が別のアミノ酸で置換されている(ii)項のトランケート化類似体、
    (viii)50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108および111の16のアミノ酸位置の1乃至16が別のアミノ酸で置換されている(iii)項のトランケート化タンパク質、
    (ix)4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、118、136、138、142および145の18のアミノ酸位置の1乃至18が別のアミノ酸で置換されている(iv)項のトランケート化タンパク質、
    (x)4、32、33、35、50、64、68、71、74、77、78、89、97、100、102、105、106、107、108、111、118、136、138、142および145の25のアミノ酸位置の1乃至25が別のアミノ酸で置換されている(v)項のトランケート化類似体、および
    (xi)N末端メチオニル残基を有する(i)〜(x)項のいずれかのトランケート化タンパク質;
    (g)タンパク質部分に結合した化学的部分を含む、(a)〜(f)のいずれかのOBタンパク質;
    (h)該化学的部分が水溶性重合体部分である(g)項の誘導体;
    (i)該水溶性重合体部分がポリエチレングリコールである(h)項の誘導体;
    (j)該ポリエチレングリコール部分が該タンパク質部分のN末端のみに結合している(i)項の誘導体;および
    (k)医薬上許容される担体中の(a)〜(h)項のいずれかのOBタンパク質、類似体または誘導体から選ばれることを特徴とする医薬組成物。
  2. 該患者が、上昇した血清コレステロールレベルを有し、該OBタンパク質、類似体または誘導体の用量が、該患者の血清コレステロールレベルを正常レベルに維持するのに十分である、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 該患者が、上昇した血清トリグリセリドレベルを有し、該OBタンパク質、類似体または誘導体の用量が、該患者のトリグリセリドレベルを正常レベルに維持するのに十分である、請求項1に記載の医薬組成物。
  4. 該患者が、上昇した動脈斑レベルを有し、該OBタンパク質、類似体または誘導体の用量が、該患者の動脈斑レベルを正常レベルに維持するのに十分である、請求項1に記載の医薬組成物。
  5. 動脈斑を減少させることにより高血圧が治療される、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 該患者が胆石を現在有するか又は以前有していたことがあり、該OBタンパク質、類似体または誘導体の用量が、追加的な胆石の形成を予防または抑制するのに十分である、請求項1に記載の医薬組成物。
  7. 当該患者に非肥満患者が含まれる請求項1に記載の医薬組成物。
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