JP4171842B2 - 送信装置およびトランスバーサルフィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)通信システムにおいて使用する送信装置、および、符号間干渉を発生させることなく帯域外出力信号電力レベルを低減するトランスバーサルフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
無線LAN(IEEE802.11a規格、非特許文献1参照)やディジタル音声・映像通信システム等の種々の無線通信システムにおいて、直交する複数のサブキャリアを用いるOFDM通信技術が用いられている。
図9は、従来のOFDM通信システムのブロック構成図である。
図中、1は直並列変換器、2はIFT(Inverse Fourier Transform:逆フーリエ変換)部である。送信データは、ディジタル変調(BPSK,QPSK,16QAM等)された後の送信シンボル(複素数)列として、直並列変換器1に入力され、L本の並列送信シンボル(複素数)列に変換されて、IFT2に出力される。
ここで、Lは、OFDM信号のサブキャリア数である。すなわち、直並列変換器1は、並列送信シンボル(複素数)列により、互いに直交関係にある各サブキャリアを変調する信号の複素振幅を指定する。IFT2は、サブキャリアの各複素振幅に対応した波形を生成し、Iチャネル(実数部),Qチャネル(虚数部)別にOFDM信号を出力する。IFT2は、通常、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:高速逆フーリエ変換)などのIDFT(Inverse Discrete Fourier Transform:離散逆フーリエ変換)を用いてディジタル信号処理で実現される。
【0003】
41は振幅制御部、4I,4Qは乗算器、5はキャリア(搬送波)信号発振器、6は加算器、7は伝送路である。
振幅制御部41は、IFT2から出力されるIチャネル,Qチャネル別のOFDM信号を、それぞれ、各シンボルの境界で振幅を滑らかに減衰させる。具体的には、図10を参照して後述する。
振幅制御されたIチャネルの時間軸波形は直交変調される。すなわち、乗算器4Iにおいて、キャリア(搬送波)信号発振器5の同相出力と乗算され、加算器6に出力される。一方、振幅制御されたQチャネル時間軸波形は、乗算器4Qにおいて、キャリア信号発振器5のπ/2移相出力と乗算され、加算器6に出力される。加算器6は、乗算器4I,4Qの出力を加算したものを、OFDM信号として伝送路7に出力する。
【0004】
IFT2にIDFTを使用し、振幅制御部41もディジタル処理で実現する場合は、振幅制御部41の出力は、図示しないD/A変換器でアナログ信号に変換された上で乗算器4I,4Qに供給される。
また、現実の装置構成では、加算信号は、直接に高周波帯(RF)の信号となって伝送路7に出力されるか、あるいは、一旦、中間周波数帯(IF)の信号となり、この後、高周波帯(RF)に周波数変換されて伝送路7(無線伝送路)に出力される。
通常は、OFDM信号の1シンボル区間の先頭部にガードタイムが挿入されるが、図示を省略している。以上が送信機側の構成である。
【0005】
受信機側においては送信機側の処理の逆を行う。8は分岐部、9I,9Qは乗算器、10はキャリア信号発振器である。受信機側においては、分岐部8において、受信されたOFDM信号を、Iチャネル系の乗算器9IおよびQチャネル系の乗算器9Qに供給する。各乗算器9I,9Qにおいて、受信されたOFDM信号は、送信機側のキャリア信号発振器5と位相同期して同じ周波数で発振するキャリア信号発振器10からの同位相出力,π/2移相出力と乗算されることにより、直交復調される。直交復調されたIチャネル,QチャネルのOFDM信号は、FT(Fourier Transform:フーリエ変換)部12に出力される。
【0006】
FT部12は、OFDM信号を構成する複数の各サブキャリアを変調する信号の複素振幅を抽出して並直列変換器13に出力する。並直列変換器13は、直列化された受信シンボル(複素数)列を出力する。受信シンボル(複素数)列は、送信機側のディジタル変調に対応した変調方式に基づいてディジタル復調されて受信データが得られる。
FT部12は、通常、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)などのDFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)を用いてディジタル信号処理で実現される。DFTを使用する場合は、乗算器9I,9Qの出力は、図示しないA/D変換器でディジタル信号に変換された上でFT部12に供給される。
【0007】
IFT部2から出力される時間軸波形の周波数スペクトルは、サブキャリア数が非常に多ければ矩形状の理想的な周波数スペクトルに近づく。しかし、サブキャリアの本数がさほど多くない場合は、周波数スペクトルが広がっている。伝送路7として、無線伝送路を使用する場合、通信システムに割り当てられた帯域外への不要輻射レベルが規格によって制限されている。従って、割り当てられた帯域の限度までサブキャリアを立てられないこととなり、周波数の利用効率が低下するという問題がある。
各変調されたサブキャリアを予め帯域制限してからこれらを合成することが考えられる。しかし、IFT2を用いる場合には、IFT2内で変調を行うことになるので、この方法は適用できない。
【0008】
そこで、従来、OFDM信号の帯域外成分を抑圧するために、図9に示した振幅制御部41を挿入することが、例えば、非特許文献1のp.10,11で知られている。
図10は、送信機側における振幅制御(Windowing)を説明するための窓関数の説明図である。
図中、51,52,53は、それぞれ、隣接する3シンボル区間のOFDM信号に乗算するウインドウである。
図示の各ウインドウ51,52,53は、OFDM信号の1シンボル区間を若干超える範囲の時間幅を有し、滑らかに立ち上がり滑らかに立ち下がる時間領域の窓関数である。OFDM信号は、送信されるシンボルの値の変化によって、各シンボル区間の境界において波形が非連続で変化する場合がある。このような場合に、帯域外輻射成分が発生する。そこで、IFT2が出力する時間軸波形と窓関数とを乗算することにより、各シンボル区間の境界において、OFDM送信信号が滑らかに減衰することになり、その結果、帯域外輻射成分が減少する。
【0009】
図11は、従来のOFDM通信システムにおける、出力信号電力スペクトルを示すグラフである。1個のOFDMシンボル区間の両端の信号振幅を2乗余弦(raised cosine)の時間領域窓関数(ロールオフ率0.025)でスペクトル整形して1シンボル区間境界での振幅制限をした場合と、このような振幅制限をしない場合について示す。横軸は、図9に示した直並列変換器1によって直並列変換される前の、元の複素送信シンボルのシンボルレート(シンボル/sec)が1となるように正規化された周波数である。
OFDM信号を伝送するのに必要な所要帯域は、上述した正規化周波数の0.5である。0.5を超える周波数帯域にある電力スペクトルの積分値が帯域外輻射レベルとなる。
図11から明らかなように、振幅制御により帯域外輻射レベルの低減が実現されている。しかし、いまだ充分とは言えない。無線LANでOFDM信号を使用するには、電力密度を少なくとも-60dB程度まで低減させたいという要望がある。時間領域ウインドウのロールオフ率を大きくすれば、帯域外輻射レベルは低減されるが、符号間干渉が発生するため、サブキャリア間の直交性を保つことができなくなり、データレートを下げなければならないので、結局、周波数利用効率が低下する。
【0010】
上述した非特許文献1には、上述したウインドウイング以外の方法として、周波数領域でフィルタをかけることが示唆されているように、実際に、バターワースフィルタやチェビシェフフィルタなどのアナログフィルタを用いた研究論文もあるが、帯域外輻射を大きく低減させる設計にすると、フィルタの遷移領域の特性によって帯域境界近傍のサブキャリアの変調信号が非対称となりナイキスト基準を満たさなくなるため、符号間干渉が発生し、複素送信シンボル列は、受信側で完全には復元されない。
【0011】
【非特許文献1】
Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) specifications High-speed Physical Layer in the 5 GHz Band
<URL: HYPERLINK "http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.11a-1999.pdf" http://standards.ieee.org/getieee802/download/802.11a-1999.pdf>
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、ナイキスト第1基準を満たし、符号間干渉を発生させないという条件下で帯域外輻射レベルが低減されたOFDM信号を送信する送信装置、および、この送信装置の送信フィルタとして用いることができる、符号間干渉を発生させないという条件下で帯域外出力信号電力レベルを低減させるトランスバーサルフィルタを提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1に記載の発明においては、基本的に、並列送信シンボル列を入力してOFDM信号を出力する逆フーリエ変換手段と、該逆フーリエ変換手段から出力される前記OFDM信号を入力し帯域制限をする送信フィルタと、該送信フィルタの出力を直交変調することにより受信装置に送信する送信信号を出力する送信手段を有する送信装置であって、前記受信装置側の受信フィルタを含めた総合伝送特性が、ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性であり、前記送信フィルタは、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の一部を分配された特性であり、かつ、前記逆フーリエ変換手段が出力する前記OFDM信号の帯域外輻射レベルを低減する特性を有するものである。
従って、ナイキスト第1基準を満たし符号間干渉を発生させないという条件下で、帯域外輻射レベルが低減されたOFDM信号を送信できる。
【0016】
さらに、請求項1に記載の発明においては、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域における前記総合伝送特性は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性となる基本伝達関数と、前記遷移領域の中心周波数に対し奇関数である1または複数の補正伝達関数との和であって、前記基本伝達関数よりも帯域外出力信号電力レベルを低減する特性を有するように補正された伝達関数で表され、前記受信フィルタの特性は、前記基本伝達関数の一部が分配された伝達関数で表され、前記送信フィルタの特性は、前記総合伝送特性の伝達関数を前記受信フィルタの伝達関数で除算した伝達関数で表されるものである。
従って、1または複数の補正伝達関数を用いることにより、単に基本伝達関数のロールオフ率を変更するだけよりも、遷移領域の特性を決定する自由度が増すので、OFDM信号の帯域外輻射レベルを低減する特性を得るための設計が容易になる。
1または複数の補正伝達関数として、例えば、遷移領域の中心周波数に対し奇関数であり、かつ、直交する周期関数を用いれば、さらに設計が容易になる。
【0017】
請求項2に記載の発明においては、請求項1に記載の送信装置において、前記遷移領域における、前記基本伝達関数の重み係数および前記1または複数の補正伝達関数の各重み係数は、前記帯域外輻射レベルを、所定の境界周波数を超える帯域外の側の周波数領域における電力密度の積分値とみなし、該帯域外輻射レベルが最小となるように最適化されたものである。
従って、容易にOFDM信号の帯域外輻射レベルを低減する特性を得ることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の送信装置において、前記所定の境界周波数は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域の範囲内であって、かつ、該遷移領域の中心周波数よりも帯域外寄りにある周波数に設定されたものである。
従って、基本伝達関数のロールオフ率を実質的に小さくして、帯域幅の広がりを抑えることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明においては、請求項1から3までのいずれか1項に記載の送信装置において、前記遷移領域における、前記1または複数の補正伝達関数は、奇数次の余弦関数となるものであり、前記総合伝送特性の伝達関数は、前記遷移領域の両端の各周波数において連続しているものである。
従って、容易にOFDM信号の帯域外輻射レベルを低減する特性を実現することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明においては、請求項1から4までのいずれか1項に記載の送信装置において、前記基本伝達関数は、2乗余弦ロールオフ特性であるものである。
【0021】
請求項6に記載の発明においては、総合伝送特性がナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性となるように、該総合伝送特性が他のフィルタとの間で配分された特性を実現するトランスバーサルフィルタであって、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域における前記総合伝送特性は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性となる基本伝達関数と、前記遷移領域の中心周波数に対し奇関数で表される1または複数の補正伝達関数との和であって、前記基本伝達関数よりも帯域外出力信号電力レベルを低減する特性を有するように補正された伝達関数で表され、前記他のフィルタの特性は、前記基本伝達関数の一部が分配された伝達関数で表され、前記トランスバーサルフィルタの特性が前記総合伝送特性の伝達関数を前記他のフィルタの伝達関数で除算した伝達関数で表されるように、タップ係数が設定されているものである。
従って、ナイキスト第1基準を満たし符号間干渉を発生させないという条件下で、帯域外出力信号電力レベルが低減された信号を出力することができる。1または複数の補正伝達関数を用いることにより、単に基本伝達関数のロールオフ率を変更するだけよりも、遷移領域の特性を決定する自由度が増すので、帯域外出力信号電力レベルを低減する特性を得るための設計が容易になる。
1または複数の補正伝達関数として、例えば、遷移領域の中心周波数に対し奇関数であり、かつ、直交する周期関数を用いれば、さらに設計が容易になる。
【0022】
請求項7に記載の発明においては、請求項6に記載のトランスバーサルフィルタにおいて、前記遷移領域における、前記基本伝達関数の重み係数および前記1または複数の補正伝達関数の各重み係数は、前記帯域外出力信号電力レベルを、所定の境界周波数を超える帯域外の側の周波数領域における電力密度の積分値とみなし、該帯域外出力信号電力レベルが最小となるように最適化されたものである。
従って、容易に、帯域外出力信号電力レベルを低減する特性を得ることができる。
【0023】
請求項8に記載の発明においては、請求項7に記載のトランスバーサルフィルタにおいて、前記所定の境界周波数は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域の範囲内であって、かつ、該遷移領域の中心周波数よりも帯域外寄りにある周波数に設定されたものである。
従って、基本伝達関数のロールオフ率を実質的に小さくして、帯域幅の広がりを抑えることができる。
【0024】
請求項9に記載の発明においては、請求項6から8までのいずれか1項に記載のトランスバーサルフィルタにおいて、前記遷移領域における、前記1または複数の補正伝達関数は、奇数次の余弦関数となるものであり、前記総合伝送特性の伝達関数は、前記遷移領域の両端の各周波数において連続しているものである。
従って、容易に帯域外出力信号レベルを低減する特性を実現することができる。
【0025】
請求項10に記載の発明においては、請求項6から9までのいずれか1項に記載のトランスバーサルフィルタにおいて、前記基本伝達関数は、2乗余弦ロールオフ特性である。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の参考実施形態の説明図である。図1(a)はブロック構成図、図1(b)は動作説明図である。
図1(a)中、従来例の図9と同様な部分には、同じ符号を付している。3I ,3Q は送信機側のルート・ロールオフフィルタ(root roll-off Filter)、11I ,11Q は受信機側のルート・ロールオフフィルタである。
送信機側では直並列変換器1により、1系列の送信シンボル列をL(サブキャリア数)本の系列の並列送信シンボル列に変換する。得られたL本の系列の並列送信シンボル列は、IFT 2によりOFDM信号に変換される。変換結果のI ,Q チャネル信号は、ルート・ロールオフフィルタ3I ,3Q によりスペクトル整形(周波数領域では帯域制限されることになる)された後に、乗算器4I,4Qに入力されて、直交変調され、IFないしRF信号を得る。
【0027】
受信機側において、乗算器9I,9Qから出力される直交復調信号のI,Qチャネル信号は、ルート・ロールオフフィルタ11I,11Qによりスペクトル整形された後に、FT部12に入力される。
図中、符号14で指示される囲み部分は、送信機側のIFT2から出力されるOFDM信号が、伝送路7を経由して受信されFT12に入力されるまでの実質的な伝送路を示す。この伝送路において、送信機側のルート・ロールオフフィルタ3I,3Qおよび受信機側のルート・ロールオフフィルタ11I,11Qの両者の特性を合わせた総合伝送特性(伝達関数の乗算)をロールオフ特性とする。
このとき、送信機側のルート・ロールオフフィルタ3I,3Qは、ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の一部を分配された特性であり、かつ、IFT2が出力するOFDM信号の帯域外輻射レベルを低減する特性を有する。
【0028】
理想低域通過フィルタの遮断周波数に対し奇関数となる伝達関数を、この理想低域通過フィルタの伝達関数に加算した伝達関数は、ナイキスト第1基準を満足する。
満足する伝達関数のうち、伝達関数が連続しており、かつ、周波数に対する伝達関数の傾きも連続していて滑らかに変化する特性となるものを、本明細書ではロールオフ特性という。特に、遷移領域が2乗余弦(raised cosine)のものを2乗余弦ロールオフ特性という。
総合伝送特性がナイキスト第1基準を満足することから、シンボル間干渉がなく、送信シンボルが完全に再現される。この条件の下で、帯域外輻射レベルを従来よりも低減できる。
【0029】
上述した通信システムが送信シンボル列を完全に復元できることは、意外に思われるかもしれない。従って、従来のシングルキャリア(単一搬送波)使用の通信システムと対比して詳しく説明する。
図12は、比較例としての、従来のシングルキャリア通信システムのブロック構成図およびロールオフ特性を示すグラフである。
図12(a)はルート・ロールオフフィルタを使用した従来のシングルキャリア通信システムのブロック構成図である。図12(b)はロールオフ特性の伝達関数を示すグラフである。
図12(a)中、図9と同様な部分には同じ符号を付している。61I,61Qは送信機側のルート・ロールオフフィルタ、62I,62Qは、受信機側のルート・ロールオフフィルタである。
符号63で指示される囲み部分は、1系列の複素送信シンボル列が、伝送路7を経由して受信され複素受信シンボル列として復元されるまでの実質的な伝送路を示す。この実質的な伝送路において、送信機側および受信機側の両ルート・ロールオフフィルタの特性を合わせる(伝達関数の乗算)ことにより、この実質的な伝送路において、ロールオフ特性が実現される。
【0030】
図12(b)は、2乗余弦(raised cosine)ロールオフ特性の伝達特性を示すグラフである。横軸は正規化周波数、縦軸は出力(リニアスケール)である。正規化周波数が負の側の特性については図示を省略しているが、左右対称である。
周波数の正規化は、送信シンボル列のシンボルレート(シンボル間隔の逆数)が1となるように正規化している。このとき、出力レベルが1/2(6dB)に低下する周波数は0.5である。
ロールオフ率をα=1.0,0.2,0.1とした3通りの場合のロールオフ特性を示している。ロールオフ率がαのときは、正規化周波数で(1-α)/2から(1+α)/2までが2乗余弦(raised cosine)状に遷移する肩特性の領域(遷移領域)となる。
ロールオフ特性の送信機,受信機への伝達特性の分配は、符号間干渉をなくすという単一の目的からすれば任意でよく、通常は、送信機側,受信機側の特性を同じにした2乗余弦のルート・ロールオフフィルタが用いられる。
図12(a)に示したルートオフ特性の伝送路構成において、受信信号を正しいタイミングでサンプリングできれば(サンプル点が正しければ)、送信シンボル列が受信機において符号間干渉なく、完全に復元できることがナイキスト第1基準として知られている。
【0031】
一方、図1(a) に示した本発明の参考実施形態を示すブロック図において、実質的な伝送路として点線で囲んだ14の部分は、図12に示した従来のシングルキャリア通信システムを示すブロック図において、実質的な伝送路として点線で囲んだ63の部分に対応する。
そこで、送信機側におけるIFT 2の後の変換データ(OFDM信号)を送信シンボル列と見なす。この送信シンボル列に対して、ルート・ロールオフフィルタ3I ,3Q ,11I ,11Q でナイキストの第1基準を満たす帯域制限をかけ、かつ、送受信機間でシンボル同期がとられていて、受信側で正しいタイミングでサンプリングすれば、IFT 2の後の変換データ(OFDM信号)と受信機側におけるFT12への入力信号(OFDM信号)とは一致する。さらに、受信機側におけるFT12は、送信機側におけるIFT 2の前の並列複素シンボルと同じ並列複素シンボルを出力する。従って、複素送信シンボル列を受信側において完全に復元できる。
【0032】
IFT2後の変換データ(OFDM信号)全体を1系統の送信シンボル列と見なし、この送信シンボル列に対してナイキストの第1基準を満たす帯域制限をかけている。OFDM信号の1シンボル区間に、M個のサンプリング点が含まれることから、見かけ上の伝送速度がM倍となっている。MをIFT2のポイント数という。
従って、M倍の帯域幅のロールオフフィルタで帯域制限し、受信機側でM倍のサンプリング点(OFDM信号の1シンボル区間中に、M個のサンプリング点)でサンプリングすれば、このサンプリング点の出力に基づいて、元の1系列の複素送信シンボルが復元できる。ここで、M倍のサンプリング点でのサンプリングは、FT部12で行われる。FT部12では、M倍のサンプリングによって、直交する各サブキャリアを変調する変調信号の複素振幅を抽出する。
OFDMの信号構成にもよるが、IFT2のポイント数は、通常、OFDM信号のサブキャリア数(L)に等しくされる。従って、以下では、説明を簡単にするため、サブキャリア数(L)はIFT2のポイント数(M)に等しいとして、Mをサブキャリア数ともいう。
【0033】
図1(b)にM=4の場合の例を示す。OFDM信号のうち1キャリアの1シンボルを示しており、1OFDMシンボル区間で1周期の正弦波15を出力する場合を示している。OFDMシンボルの区間長をTsとすると、サンプリング間隔はTs/M=Ts/4となる。サンプリング間隔の逆数の1/2をナイキスト周波数(正規化周波数=0.5)として、ナイキストの第1基準を満たす送受信フィルタを採用すれば、図に示すように、サンプリング間隔Ts/Mで零交差するようなインパルスレスポンス16a〜16dをもつから、正しいサンプリング点でサンプルされれば、17a〜17dのように、複素送信シンボル列が符号間干渉なく、受信側で完全に復元できるのは明らかである。
図1(b)ではキャリア数を1としたが、キャリア数を複数とする場合でも、各キャリアに対応する変調信号が送信フィルタ入力で線形加算されるだけなので、同様に複素送信シンボル列は完全に復元できる。OFDM信号のサンプリング間隔はTs/Mであるため、サンプリング周波数はM/Ts、ナイキスト周波数はM/2Tsとなる。
【0034】
ロールオフ特性を有する-6dB通過帯域内(正規化周波数で-0.5から+0.5まで)において、OFDM信号に含まれるM本のサブキャリアが配置される。このうち、帯域の端部に近いサブキャリアの変調信号ほど、帯域制限の影響を受けやすいが、ロールオフ特性を有することにより、ナイキストの第1基準を満足するから、帯域の端部に近いサブキャリアの変調信号に対しても、符号間干渉を生じることがない。
なお、送信シンボル列が完全に復元できるのは、雑音・干渉・伝搬路のひずみ・無線装置の固定劣化がない場合であり、例えば、サンプルタイミング誤差等の固定劣化や干渉波がある場合には送信シンボル列の復元が不完全になる場合がある。
【0035】
この参考実施形態による送信電力スペクトルは、以下の手順で計算される。
初めに、並列変換された変換データ列を定義する。記号amnは、m番目のサブキャリアのn番目の変換データ列を示す。f(t) はルート・ロールオフフィルタのインパルス応答である。wm はm番目のサブキャリアの角周波数、Ts は送信側における直並列変換後の並列シンボル列のシンボル間隔(OFDM信号のシンボル区間長)としたとき、スペクトル整形フィルタ(ルート・ロールオフフィルタ)の出力は次式となる。
【数1】
Figure 0004171842
上述したスペクトル整形フィルタ出力v1(t)の自己相関関数R(t)は、次式の通りである。
【数2】
Figure 0004171842
定数Kは送信フィルタのインパルスレスポンス長であり、有限相関長のディジタルフィルタ(トランスバーサルフィルタ)のタップ数に相当している。
電力スペクトルP(w)は、自己相関関数のフーリエ変換であるから、次式で与えられる。
【数3】
Figure 0004171842
なお、ディジタルフィルタを用いることを想定しているので、式(b) ,(c) における積分は離散的な数値積分で、T S / Mの時間間隔に4点取る(4倍オーバサンプ)とした。すなわち、サンプリング間隔を、T S /4M、最高周波数を2M /T S とした。
【0036】
図6は、ロールオフ率=0.2のルート・ロールオフフィルタを送信側と受信側に用いた場合の出力電力スペクトルを示すグラフである。フィルタのタップ数は101,201または401とした。
図11に示した従来のOFDM信号の出力電力スペクトルと比較すると、低い帯域外輻射レベルが達成される。信号帯域幅は、図11に示したような、従来の時間領域ウインドウを乗算する場合と比べて、帯域外輻射レベル-40 dBで60%程度になることがわかる。
【0037】
上述したルート・ロールオフフィルタをディジタルフィルタで実現する場合、有限のインパルスレスポンス長で作らざるを得ない。その結果、インパルスレスポンスを途中で打ち切ることになり、打ち切りが不連続を発生させることになるため、図6に示されるように、出力電力スペクトルは長い裾を引き、帯域外輻射レベルが増加している。
ロールオフ率を小さくすれば、遷移領域で急速に電力スペクトル密度が低下することになるので、周波数利用効率を高められるので好ましい。しかし、ロールオフ率を小さくするほど、裾の引きが長くなり帯域外輻射レベルが大きくなる。この原因は、小さいロールオフ率ほど、インパルス応答の時間相関長が長くなってしまうので、打ち切り誤差の影響が大となるためである。
【0038】
そこで、以下に説明する本発明の実施形態においては、上述した打ち切りの影響を低減するために、送信機側のルート・ロールオフフィルタについて、インパルスレスポンスの最適化を行う。
最適化した結果得られる送受信フィルタの総合伝送特性は、2乗余弦ロールオフ特性とは異なるものとなり、インパルスレスポンスの打ち切りが存在する条件下において、帯域外輻射レベルの低減を実現するものである。
最適化の具体的条件の一例として、(1) 送信側と受信側とを合わせた総合伝送特性が、ナイキスト第1基準(符号間干渉なし)を満たすこと、(2) 受信機のフィルタは理想的な2乗余弦のルート・ロールオフフィルタとした。
【0039】
図2は、本発明の実施形態を説明するためのブロック構成図である。
図中、図9,図1と同様な部分には同じ符号を付して説明を省略する。
21I ,21Q はインパルスレスポンスを最適化したスペクトル整形フィルタである。受信側のルート・ロールオフフィルタ11I ,11Q は、図1と同様のものである。
【0040】
図3は、インパルスレスポンスを最適化したときのロールオフフィルタの説明図である。図3(a)は最適化の第1具体例、図3(b)は最適化の第2具体例の説明図である。
図中、横軸は正規化周波数(正側のみを示す)、縦軸は出力レベルである。
ナイキスト第1基準によれば、理想低域通過フィルタの遮断周波数(ナイキスト周波数、正規化周波数=0.5)の出力レベル0.5(-6dB)の点に対して、肩特性が奇関数であれば、符号間干渉なしの条件を満たす。
【0041】
図3(a)において、31はロールオフ率α=0.2としたときの2乗余弦ロールオフ特性であり、ナイキスト第1基準を満たすフィルタ特性である。矩形特性(理想低域通過フィルタ),3角形特性,台形特性といったものも、ナイキスト第1基準を満たすが、傾きに非連続点があるため、インパルスレスポンス長が増加するため用いられない。
この実施の形態においては、ここで、この2乗余弦ロールオフ特性31を基本伝達関数とし、さらに、遷移領域の中心周波数に対し奇関数である1または複数の補正伝達関数を加算して帯域外輻射レベルを低減したものである。ナイキスト第1基準は満たしているので、符号間干渉は生じない。
図3(a)の例では、遷移領域の外側境界32(正規化周波数0.6)を、所要の帯域と帯域外との境界(周波数f1)としている。必ずしも、このようにする必要はなく、所要の帯域と帯域外との境界とする周波数f1は、任意に設定して最適化計算をすることができる。
図3(a)に示したような、遷移領域の外側境帯域外輻射レベルが僅かな値であるため、リニアスケールでは、補正後の伝達関数と2乗余弦ロールオフ特性31との差は識別しにくいが、図7を参照して後述するログスケールの電力スペクトルでは識別できる。
送信側のスペクトル整形フィルタ21I,21Qは、総合伝送特性の一部を分配された特性となる。そのため、その特性は、総合伝送特性の伝達関数を受信フィルタの伝達関数で除算した伝達関数で表される。補正伝達関数としては、前記遷移領域における、前記1または複数の補正伝達関数は、奇数次の余弦関数となるものであり、総合伝送特性の伝達関数は、前記遷移領域の両端の各周波数において連続している。
【0042】
この実施の形態における送信フィルタと受信フィルタとの総合伝送特性F(w)は、次式の通りである。wは角周波数であり、正負の値をとる。pは次数、αpは次数pにおける係数であって、αpFp(w)は各次数p(1次以上P次以下)における周波数特性である。
F0(w)+F1(w)のみの場合は、従来の2乗余弦ロールオフ特性にとなる。
【数4】
Figure 0004171842
ここで、各次数p(1次以上P次以下)における係数αpの総和は1である。すなわち、
【数5】
Figure 0004171842
【0043】
式(2)は、周波数特性が、遷移領域の両側で連続となるための条件である。
式(1)(2)を変形して次式(3)を得る。
【数6】
Figure 0004171842
ここで、
【数7】
Figure 0004171842
【数8】
Figure 0004171842
上述した式(4)(5)は、式(3)中のF0(w),F1(w)を示している。αはロールオフ率、Mはサブキャリア数(総数)、Tsは、送信側におけるシリアル・パラレル変換後の並列シンボル列のシンボル間隔(OFDM信号のシンボル区間長)である。
式(1)でP=1(すなわち、p=0,1のときの和)の場合は、図3の31に示す、従来の2乗余弦ロールオフフィルタとなる。
Fp(w) (p≧2)は、インパルスレスポンスを最適化(帯域外輻射レベルを低減)するためにFp(w) (p=1)を拡張した関数である。
【0044】
すなわち、従来の2乗余弦ロールオフフィルタは、通過周波数帯域と遮断周波数帯域の間の肩特性(遷移特性)として、余弦関数cos(x)を使用している。この実施の形態における送受信フィルタの総合伝送特性では、肩特性として、奇数次(基本周期の奇数分の1の周期)の余弦(cosine)関数群、すなわち、cos(x) ,cos(3x) ,cos(5x) ,… ,cos[(2P-1)x] の組み合わせを使用している。
図4は、ロールオフ率α=0.2としたときのFp(w)を示すグラフである。あわせて、F0(w)も図示している。正規化周波数が負の領域は図示していないが正負対称である。
図4から明らかなように、上述したcosine関数群は、いずれも遷移領域の中心(正規化周波数0.5)に対して奇関数である。従って、符号間干渉なしの条件を満たし、拡張2乗余弦ロールオフフィルタとでもいうべきものが実現される。
【0045】
この実施の形態における送信信号、すなわち、スペクトル整形フィルタが出力する送信信号の帯域外輻射レベルを求め、この帯域外輻射レベルが最小となるように次数pにおける係数αpを設定した場合の、出力電力スペクトルを求める。
この実施の形態では、受信側のフィルタ(図2の11I,11Q)を理想ルート・ロールオフ(root roll-off)特性(2乗余弦のロールオフ特性)と仮定した。従って、上述した式(1)の総合伝送特性を、受信側の特性(理想ルート・ロールオフ特性)で割り算すれば、送信側のフィルタ特性、すなわち、図2のスペクトル整形フィルタ21I,21Qの特性が求まる。
【0046】
送信側のフィルタ特性をG(w)とすると、次式の通りである。
【数9】
Figure 0004171842
ここで、式(6)中のG1(w),Gp(w)は、次式の通りである。なお、式(7)のG1(w)は理想ルート・ロールオフ特性である。
【数10】
Figure 0004171842
【0047】
上述した式(6)のG(w)を送信フィルタの特性とした場合、その出力電力スペクトルP(w)は次式となる。数式の導出過程は省略する。
【数11】
Figure 0004171842
ここで、c(w),Hp(w)は、次式の通りである。
【数12】
Figure 0004171842
式(10),(11)において、wmはm番目のサブキャリアの角周波数、Tsは送信側における直並列変換後の並列シンボル列のシンボル間隔(OFDM信号のシンボル区間長)、定数Kは送信フィルタのインパルスレスポンス長であり、有限相関長のディジタルフィルタ(トランスバーサルフィルタ)のタップ数に相当している。
【0048】
帯域外輻射レベルPtは、式(9)の出力電力スペクトルを、帯域外周波数において積分して得られるため、次式のように与えられる。
【数13】
Figure 0004171842
ここでw1は既に説明したように、最適化の際の帯域内と帯域外との境界であると定義した角周波数、w2はサンプリング定理から決まる最高角周波数である。この境界を周波数f1で定義すればf1=w1/2π、最高角周波数w2を周波数で定義すればf2=w2/2πで与えられる。ディジタルフィルタを前提にすれば、最高周波数はサンプリング周波数の1/2、4倍オーバサンプリングであれば、サンプリング周波数は正規化周波数で4であるから、最高周波数は2となる。
上述した式(12)は、各αP (p≧2)の2次関数であり(αpとαqとを、p=2,…P、q=2,…Pに関して乗算している)、かつ、2次係数が全て正であるため、その極値が帯域外輻射レベルの最小値を与える。各αP (p≧2)について式(12)を微分した各式において、極値を与える各αP (p≧2)の値を求め、これらを(2)式に代入してα1を得、さらに、このα1とともに、(6)式に代入してフーリエ変換すれば、帯域外輻射レベルを最小にするインパルスレスポンスが求まる。
【0049】
図3(b)に示すように、境界34を周波数f1=0.55とした場合のロールオフ特性35としては、ロールオフ率α=0.1(遷移領域0.45≦f≦0.55)とした場合とほぼ同様の急峻な特性が得られる。
すなわち、境界34の周波数f1よりも外の帯域の輻射レベルが最小になるように係数を設定したために、境界34の周波数f1=0.55から外側の送信フィルタ伝送特性の振幅は著しく低減される。これは、後述する図7(b)に示す最適化後の出力電力スペクトルと図12の振幅制御なしの出力電力スペクトルを比較すれば明らかである。結果として周波数f1から外側の総合伝送特性の振幅は著しく低減される。総合伝送特性はナイキスト周波数(正規化周波数0.5)の出力0.5(-6dB)の点の前後で奇関数となる特性を維持するので、周波数f=0.45においては、ほぼ1.0(0dB)となる。その結果、ロールオフ率α=0.1(遷移領域0.45≦f≦0.55)とした場合と同様の急峻な遷移特性が得られる。しかも、この境界34の周波数f1からの帯域外輻射レベルが最小であるので、単なるロールオフ率α=0.1をディジタルフィルタで実現した場合と比べて、帯域外輻射電力レベルが小さくなる。
【0050】
キャリア数M=64、4倍オーバサンプルでディジタルフィルタのタップ数=201、ロールオフ率α=0.2、境界の周波数f1=0.55、P=5(余弦関数の次数としては9次まで)としたときのαp(1≦p≦5)は次の通りである。
α1=1-(α2345)
α2=0.308400406
α3=-0.100279167
α4=0.025005514
α5=-0.00326821691
【0051】
図5は、帯域外輻射レベルを最小にしたときの送信側のスペクトル整形フィルタ21I,21Qのインパルスレスホンスを示すグラフである。図中、横軸はサンプルタイミング、縦軸は出力値(リニアスケール)である。スペクトル整形フィルタ21I,21Qは、例えば、直列化された遅延要素の各タップの出力にそれぞれタップ係数を乗算し、各乗算結果を加算して出力するトランスバーサルフィルタ(FIRフィルタ:有限長インパルス応答フィルタ)で実現される。この場合、上述したインパルスレスポンスの値は横軸をタップ番号としたときのタップ係数を与える。既に説明したように、201タップで、4倍オーバサンプリングを行った場合を示す。
なお、スペクトル整形フィルタ21I,21Qの出力はD/A変換されるが、D/A変換器の出力は、インパルスではなく矩形となるため、いわゆるアパーチャ効果により、実質的な伝送路の総合伝達特性の高域が下がることになるが、オーバサンプル率が高ければ事実上無視できる。無視できないときには、例えば、このスペクトル整形フィルタ21I,21Qなどにおいて特性を補償すればよい。
【0052】
図7は、帯域外輻射レベルが最小になるように最適化したときの、出力電力スペクトルを示す図である。図6と同じ設定条件での特性である。
図7(a)は、所要帯域と帯域外との境界と定義する周波数f1 =0.6 、図7(b)はf1 =0.55とした場合を示している。
最適化によりサイドローブのない準矩形の出力電力スペクトルが得られた。電力密度が-100dB以下の範囲では裾を引いているが、図示の範囲外となっている。比較例として、参考実施形態である2乗余弦ロールオフフィルタの場合を示している。
図7(b)において、帯域外輻射レベルが-40dB となる信号帯域は、ナイキスト周波数の1.06倍、帯域外輻射レベルが-60dB となる信号帯域は、ナイキスト周波数の1.08倍にすぎないので、周波数利用効率が著しく改善される。図11に図示したような、従来の時間領域ウインドウを乗算した場合よりも、遙かに低い帯域外輻射レベルが達成される。
【0053】
図8は、実施形態における出力電力スペクトルのキャリア数依存性を示すグラフである。キャリア数M は、16,32 および64の3通りとした。キャリア数の増加に伴い帯域外輻射レベルが減少することがわかる。キャリア数64では著しく低減される。キャリア数があまりにも少ない場合には、フィルタのタップ数を増やす必要がある。
【0054】
上述した説明では、2乗余弦ロールオフ特性の関数(基本伝達関数)に加える関数(補正伝達関数)として3次以上の奇数次cos関数群(cos(3x),cos(5x)…)とした。原理上、ナイキスト周波数に対して奇関数となる関数群であれば、ナイキストの第1条件を満たすフィルタとなり、かつ、帯域外輻射レベルを低減するように関数群の係数を最適化することができる。
従って、上述した具体例以外の基本伝達関数、補正伝達関数を採用してもよい。例えば、補正伝達関数として、正弦(sin)関数群を用いることができる。また、sin関数群と上述したcos関数群とを組み合わせたものでも構わない。
また、ロールオフ特性の関数に加える関数として実数部のみからなる関数を用いたが、虚数部を有するものでもよい。虚数部が、ナイキスト周波数に対して偶関数となる場合にもナイキスト第1基準を満たすことが知られている。
【0055】
上述した説明では、サブキャリア数(L)は、通常、IFT2のポイント数(M)に等しいとしたが、他の通信システムとの間の相互干渉を避ける等のために、意図的に任意の数のサブキャリアを使用しない場合がある。このような場合でもIFT2のポイント数(M)は変更しないため、LとMの値は必ずしも一致しない。
【0056】
上述した説明では、無線LANシステムに用いるOFDM通信システムを前提として説明したので、送信複素シンボル列としては、ディジタル変調規則に従ってマッピングされた複素信号となる。しかし、送信複素シンボル列としては、ディジタル変調規則に従ってマッピングされた複素信号が時間軸方向に拡散符号で符号拡散されたものであってもよい。あるいは、直並列変換されたサブキャリアの複素振幅レベルが、周波数軸方向(サブキャリアの配列方向)に拡散符号が割り当てられて符号拡散されて、IFTに出力されるものであってもよい。このように、IFTに入力される前の送信複素シンボルが何であっても構わない。
また、通信システムの用途は、無線LANに限られるものではない。携帯電話などの移動無線通信ネットワークにおける移動局基地局間通信システムにおける上りおよび下り伝送路の少なくとも一方の通信システムに適用してもよい。
【0057】
上述した説明では、本発明のフィルタをOFDM通信システムの送信フィルタに適用したが、他の用途に使用して、ナイキスト第1基準を満足するとともに、帯域外出力信号電力レベルを低減することも可能である。例えば、ディジタル変調を用いずに、2値あるいは多値の実数部のみの信号を用いる有線あるいは光通信ベースバンド通信システムに適用することができる。
また、ナイキスト第1基準を満たす特性の一端を担う基本となる伝達関数を、ナイキスト第1基準を満たす1または複数の伝達関数群を使用して修正する手法を、帯域外輻射レベル低減以外の目的のために採用することもできる。
【0058】
【発明の効果】
上述した説明から明らかなように、本発明の送信装置は、帯域外輻射電力レベルを低減させることが難しかった、IFTにより作成されたOFDM信号を送信する通信システムにおいて、ナイキスト第1基準を満足して符号間干渉を生じることなく、所要帯域外の輻射電力レベルが低減するという効果がある。
また、本発明のフィルタ装置は、上述した通信システム等の送信フィルタとして使用して、ナイキスト第1基準を満足して符号間干渉を生じることなく、所要帯域外の輻射電力レベルが低減するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考実施形態の説明図である。図1(a)はブロック構成図、図1(b)は動作説明図である。
【図2】 本発明の実施形態を説明するためのブロック構成図である。
【図3】インパルスレスポンスを最適化したロールオフフィルタの説明図である。
【図4】ロールオフ率α=0.2としたときのFp(w)を示すグラフである。
【図5】帯域外輻射レベルを最小にしたときのスペクトル整形フィルタ21I,21Qのインパルスレスホンスを示すグラフである。
【図6】ロールオフ率0.2のルート・ロールオフフィルタを送信側と受信側に用いた場合の出力電力スペクトルを示すグラフである。
【図7】帯域外輻射レベルが最小になるように最適化したときの、出力電力スペクトルを示す図である。
【図8】 実施形態における出力電力スペクトルのキャリア数依存性を示すグラフである。
【図9】従来のOFDM通信システムのブロック構成図である。
【図10】従来のOFDM通信システムにおける、送信機側における振幅制御を説明するための窓関数の説明図である。
【図11】従来のOFDM通信システムにおける、出力信号電力スペクトルを示すグラフである。
【図12】従来のシングルキャリア通信システムのブロック構成図およびロールオフ特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1…直並列変換器、2…IFT(逆フーリエ変換)部、3I,3Q…送信機側のルート・ロールオフフィルタ、4I,4Q…乗算器、5…キャリア信号発振器、6…加算器、7…伝送路、8…分岐部、9I,9Q…乗算器、10…キャリア信号発振器、11I,11Q…受信機側のルート・ロールオフフィルタ、12…FT(フーリエ変換)部、13…並直列変換器、21I,21Q…インパルスレスポンスを最適化したスペクトル整形フィルタ

Claims (10)

  1. 並列送信シンボル列を入力してOFDM信号を出力する逆フーリエ変換手段と、
    該逆フーリエ変換手段から出力される前記OFDM信号を入力し帯域制限をする送信フィルタと、
    該送信フィルタの出力を直交変調することにより受信装置に送信する送信信号を出力する送信手段を有する送信装置であって、
    前記受信装置側の受信フィルタを含めた総合伝送特性が、ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性であり、
    前記送信フィルタは、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の一部を分配された特性であり、かつ、前記逆フーリエ変換手段が出力する前記OFDM信号の帯域外輻射レベルを低減する特性を有し、
    前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域における前記総合伝送特性は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性となる基本伝達関数と、前記遷移領域の中心周波数に対し奇関数である1または複数の補正伝達関数との和であって、前記基本伝達関数よりも帯域外出力信号電力レベルを低減する特性を有するように補正された伝達関数で表され、
    前記受信フィルタの特性は、前記基本伝達関数の一部が分配された伝達関数で表され、
    前記送信フィルタの特性は、前記総合伝送特性の伝達関数を前記受信フィルタの伝達関数で除算した伝達関数で表される、
    ことを特徴とする送信装置。
  2. 前記遷移領域における、前記基本伝達関数の重み係数および前記1または複数の補正伝達関数の各重み係数は、前記帯域外輻射レベルを、所定の境界周波数を超える帯域外の側の周波数領域における電力密度の積分値とみなし、該帯域外輻射レベルが最小となるように最適化されたものである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
  3. 前記所定の境界周波数は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域の範囲内であって、かつ、該遷移領域の中心周波数よりも帯域外寄りにある周波数に設定されたものである、
    ことを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
  4. 前記遷移領域における、前記1または複数の補正伝達関数は、奇数次の余弦関数となるものであり、
    前記総合伝送特性の伝達関数は、前記遷移領域の両端の各周波数において連続している、
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の送信装置。
  5. 前記基本伝達関数は、2乗余弦ロールオフ特性であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の送信装置。
  6. 総合伝送特性がナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性となるように、該総合伝送特性が他のフィルタとの間で配分された特性を実現するトランスバーサルフィルタであって、
    前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域における前記総合伝送特性は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性となる基本伝達関数と、前記遷移領域の中心周波数に対し奇関数で表される1または複数の補正伝達関数との和であって、前記基本伝達関数よりも帯域外出力信号電力レベルを低減する特性を有するように補正された伝達関数で表され、
    前記他のフィルタの特性は、前記基本伝達関数の一部が分配された伝達関数で表され、
    前記トランスバーサルフィルタの特性が前記総合伝送特性の伝達関数を前記他のフィルタの伝達関数で除算した伝達関数で表されるように、タップ係数が設定されている、
    ことを特徴とするトランスバーサルフィルタ。
  7. 前記遷移領域における、前記基本伝達関数の重み係数および前記1または複数の補正伝達関数の各重み係数は、前記帯域外出力信号電力レベルを、所定の境界周波数を超える帯域外の側の周波数領域における電力密度の積分値とみなし、該帯域外出力信号電力レベルが最小となるように最適化されたものである、
    ことを特徴とする請求項6に記載のトランスバーサルフィルタ。
  8. 前記所定の境界周波数は、前記ナイキスト第1基準を満たすロールオフ特性の遷移領域の範囲内であって、かつ、該遷移領域の中心周波数よりも帯域外寄りにある周波数に設定されたものである、
    ことを特徴とする請求項7に記載のトランスバーサルフィルタ。
  9. 前記遷移領域における、前記1または複数の補正伝達関数は、奇数次の余弦関数となるものであり、
    前記総合伝送特性の伝達関数は、前記遷移領域の両端の各周波数において連続している、
    ことを特徴とする請求項6から8までのいずれか1項に記載のトランスバーサルフィルタ。
  10. 前記基本伝達関数は、2乗余弦ロールオフ特性であることを特徴とする請求項6から9までのいずれか1項に記載のトランスバーサルフィルタ。
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