JP4170102B2 - 表面保護フィルムおよびそれを用いた積層体 - Google Patents

表面保護フィルムおよびそれを用いた積層体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光板や位相差板などの光学用板の表面に貼着するための表面保護フィルム、さらに詳しくは、表面抵抗値が低くかつ帯電量が少ない表面保護フィルムに関するものである。また、そのような表面保護フィルムを、偏光板や位相差板などの光学用板の表面に貼着した積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
偏光板や位相差板の製造時には、その表面に保護フィルムを貼着して、爾後の工程における偏光板や位相差板の表面の汚れや傷付きを防止することがなされている。偏光板や位相差板の外観検査を、貼着した表面保護フィルムを剥離することなく行うこともある。
【0003】
表面保護フィルムは、典型的には、基材フィルム層の片面に微粘着性の粘着剤層、他面に剥離層を設けた構成を有する。粘着剤層は、表面保護フィルムを偏光板や位相差板に貼着するための層である。粘着剤層を微粘着性とするのは、用済み後の表面保護フィルムを液晶表示パネルの偏光板や位相差板から剥離除去するときに、円滑な剥離がなされかつ糊残りがないようにするためである。一方、剥離層は、汚れ防止のための防汚層の役割を果たすと共に、表面保護フィルムをロール巻きして取り扱うことができるようにするための層である。
【0004】
ところで、表面保護フィルムが帯電防止性を有していないと、これを偏光板や位相差板に貼着して液晶表示パネルの製造に供するとき、工程中で発生する静電気により異物を吸着することがある。また、用済み後の表面保護フィルムを、液晶表示パネルに組み込んである偏光板や位相差板から剥離除去するときに、著しい剥離帯電を生じて回路が破壊するおそれもある。
【0005】
そこで、「剥離層/基材フィルム層/粘着剤層」の基本の層構成を有する表面保護フィルムに帯電防止層を付加して、表面抵抗値を低くし、帯電防止を図ることがなされている。
【0006】
この目的の帯電防止層として、各種の界面活性剤(カチオン、アニオン、両性界面活性剤)、官能基含有ポリマーなどを配合した層や、金属または金属酸化物の蒸着層が使用されまたは提案されている。
【0007】
特開2000−26817(特許文献1)には、ポリエステルフィルムの片面に帯電防止層を設け、その層の上に汚れ防止層を設け、そしてその反対面に微粘着層を設けてなる表面保護フィルムにおいて、その帯電防止層中にチオフェンおよび/またはチオフェン誘導体を重合して得られる導電性重合体を含むようにした表面保護フィルムが示されている。
【0008】
特開平11−300895号公報(特許文献2)には、基材フィルムの少なくとも一方の表面にπ電子共役系導電性高分子を含有する導電層が形成されると共に、導電層の表面または基材フィルムの他方の表面に離型層が形成されてなる離型フィルムが示されている。ここでπ電子共役系導電性高分子の代表例はポリアニリンまたはその誘導体である。そのほか、ポリピロールまたはその誘導体、ポリアセチレンまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体もあげられるとの記載もある。実施例においては、スルホン化ポリアニリンの例があげられているのみである。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−26817
【特許文献2】
特開平11−300895号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、界面活性剤を配合した帯電防止層を設けた従来の表面保護フィルムは、環境湿度によっては帯電防止性が不足することがある。官能基含有ポリマーを配合した帯電防止層は、環境湿度の影響は受けにくいものの、帯電防止性が不足する傾向がある。金属または金属酸化物の蒸着層からなる帯電防止層は、基材フィルムの選択に限定がある上、製造コストがかなり高くなるという不利がある。
【0011】
チオフェン系重合体を帯電防止層に含む表面保護フィルムは、帯電量は低くできるものの、表面抵抗値の低下が不充分であるため、表面保護フィルムを偏光板や位相差板に貼着して液晶表示パネルの製造に供するとき、工程中で発生する静電気により異物を吸着することがあり、偏光板や位相差板の外観検査を、貼着保護フィルムを剥離することなく行うときに支障を来たす傾向がある。
【0012】
ポリアニリンを帯電防止層に含む表面保護フィルムは、表面抵抗値は低くできるものの、帯電量を一定限度以下にまで小さくすることが難しいという問題があるため、たとえば用済み後の表面保護フィルムを液晶表示パネルの偏光板や位相差板から剥離除去するときの剥離帯電により、回路が破壊するおそれが解消できないという限界があった。
【0013】
もし、工業的に有利な塗布法により帯電防止層を形成することができ、しかも表面抵抗値が充分に低くかつ帯電量が充分に小さい表面保護フィルムが得られれば、液晶表示パネルの製造工程および液晶表示パネルの信頼性にとって極めて有利なものとなる。
【0014】
本発明は、このような背景下において、塗布法により帯電防止性を有する層を形成することができ、しかも表面抵抗値が充分に低く、かつ剥離や摩擦により電荷を受けた場合であっても帯電量が充分に小さい表面保護フィルムを提供すること、およびそのような表面保護フィルムを偏光板や位相差板のような光学用板に貼着した積層体を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の表面保護フィルムは、
「剥離層(3) /基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) 」の基本の層構成を有する表面保護フィルム(A) であって、
前記表面保護フィルム(A) には、
イ.層(1) と層(2) との層間への帯電防止層(4) の設置、
ロ.層(3) と層(1) との層間への帯電防止層(4) の設置、
ハ.層(3) を帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)に形成、
よりなる群から選ばれた少なくとも1つの手段が講じられていること、
前記イ、ロ、ハの帯電防止層(4) または帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3) の少なくとも1層が、ポリアニリンとポリチオフェンとの双方を含んでいること、および、
前記イ、ロ、ハの帯電防止層 (4) または帯電防止層 (4) 兼用の剥離層 (3 # ) のうちの少なくとも1層において、ポリアニリンとポリチオフェンとの合計量100重量部に占めるポリアニリンの割合が1〜15重量部に設定されていること、
を特徴とするものである。
【0016】
本発明の積層体は、偏光または位相差機能を有する光学用板(B) の表面に、上記の表面保護フィルム(A) が貼着された構成を有することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
【0018】
《表面保護フィルム》
(基本の層構成)
表面保護フィルム(A) は、「剥離層(3) /基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) 」の基本の層構成を有する。
【0019】
(基材フィルム層(1) )
基材フィルム層(1) としては、好適には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステルフィルムが用いられる。ポリエステルフィルムのほか、必要な強度を有しかつ光学適性を有するものであれば、他のプラスチックスフィルムも使用可能である。
【0020】
基材フィルム層(1) は、無延伸フィルムでってもよく、一軸または二軸延伸されていてもよい。基材フィルム層(1) の厚みは、特に限定はないものの、12〜100μm 程度、殊に20〜50μm 程度とすることが多い。基材フィルム層(1) には、必要に応じて、コロナ放電処理やアンカーコート処理などの易接着処理を施してもよい。
【0021】
(粘着剤層(2) )
粘着剤層(2) としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤をはじめとする種々の粘着剤を用いて形成した層があげられる。この粘着剤層(2) は、ガラス板上へ貼着したときの剥離強度で 0.05〜0.3 N/25mm程度の軽度の粘着性を有する微粘着剤層であることが望ましい。
【0022】
粘着剤層(2) の厚みは、特に限定はないものの、5〜40μm 程度、殊に10〜30μm 程度とすることが多い。
【0023】
(剥離層(3) )
剥離層(3) 形成のための剥離剤としては、たとえば、非常に軽い剥離性能が得られる剥離特性のすぐれたシリコーン系剥離剤が用いられ、特に付加反応型シリコーン系剥離剤が適当である。剥離剤としては、シリコーン系剥離剤のほかに、長鎖アルキルカーバメート含有重合体、長鎖アルキルビニルエステルの共重合体、長鎖アルキルビニルエーテルの共重合体、長鎖アルキルアクリルアミドの共重合体、長鎖アルキルアリルエステルの共重合体のような長鎖アルキル基を有する化合物;パーフルオロアルキルカーバメート含有重合体、パーフルオロアクリレート含有重合体のようなフルオロアルキル基を有する化合物;も用いることができる。
【0024】
剥離層(3) の形成は、たとえば、グラビアコーティング、メイヤーバーコーティング、エアーナイフコーティング、ドクターナイフコーティングなどの種々の方法により剥離剤を基材フィルム層(1) などの下層に塗布した後、加熱処理、紫外線照射などの方法により乾燥、硬化させることによって達成することができる。
【0025】
剥離剤の塗工量は、特に制限はないものの、剥離性能を考慮すると、 0.005〜2g/m2程度、殊に0.01〜0.4 g/m2程度とすることが多い。塗工量が余りに少ないときは剥離性能が不足し、一方、塗工量が余りに多いと、表面保護フィルムをロール状に巻いたときに剥離剤塗工面と塗工背面とがブロッキングを起こすおそれがある。
【0026】
(帯電防止手段/その1)
さて、本発明においては、前記表面保護フィルム(A) には、
イ.層(1) と層(2) との層間への帯電防止層(4) の設置、
ロ.層(3) と層(1) との層間への帯電防止層(4) の設置、
ハ.層(3) を帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)に形成、
よりなる群から選ばれた少なくとも1つの手段が講じられる。
【0027】
表面保護フィルム(A) の層構成の態様は、具体的には、
イ: (3)/(1)/(4)/(2) 、
ロ: (3)/(4)/(1)/(2) 、
ハ: (3#)/(1)/(2)、
イ+ロ: (3)/(4)/(1)/(4)/(2) 、
イ+ハ: (3#)/(1)/(4)/(2)、
ロ+ハ: (3#)/(4)/(1)/(2)、
イ+ロ+ハ:(3#)/(4)/(1)/(4)/(2)
などとなる。通常は最初の4者で充分である。
【0028】
各態様の表面保護フィルム(A) は、基材フィルム層(1) の片面と他面にそれぞれの層を形成していくことにより製造することができる。なお、粘着剤層(2) 上には、後述のように、剥離フィルム(5) を被覆することが多い。
【0029】
(帯電防止手段/その2)
そして、本発明においては、上記の帯電防止層(4) または帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)の少なくとも1層が、ポリアニリンとポリチオフェンとの双方を含んでいるようにする。
【0030】
このときのポリアニリンとポリチオフェンとの合計量100重量部に占めるポリアニリンの割合1〜15重量部に設定され、殊に 1.5〜12重量部、なかんずく2〜10重量部に設定することが望ましい。ポリアニリンの割合が余りに少ないときは、帯電量を充分には小さくすることができず、一方ポリアニリンの割合が余りに多いときは、表面抵抗値を充分には小さくすることができないからである。
【0031】
帯電防止層(4) の形成は、ポリアニリンおよびポリチオフェンと、溶媒(水や有機溶剤)と、必要に応じバインダー成分とからなる組成物を調製し、その組成物を基材フィルム層(1) 上に、グラビアコーティング、メイヤーバーコーティング、エアーナイフコーティング、ドクターナイフコーティングなどの塗工手段により塗工してから乾燥すればよい。
【0032】
帯電防止層(4) の厚みは、特に限定はないものの、 0.005〜2μm 程度、殊に0.01〜1μm 程度とすることが多い。
【0033】
剥離層(3) を帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)に形成するときは、ポリアニリンおよびポリチオフェンとを含む剥離剤の組成物を調製して、その組成物を基材フィルム層(1) 上に(表面保護フィルム(A) の層構成の態様によっては帯電防止層(4) 上に)塗工してから乾燥すればよい。このときの剥離剤としては、先に述べた剥離層(3) の形成用に使われるような剥離剤を用いることができる。塗工量についても、先に述べた剥離層(3) の場合と同様の塗工量とすることができる。
【0034】
(剥離フィルム(5) )
先に述べた粘着剤層(2) の上からは、必要に応じて、剥離フィルム(5) を被覆することができる。剥離フィルム(5) の代表例は、ポリエステルフィルムの表面にシリコーン系剥離剤などの剥離剤を用いて剥離処理を施したものである。
【0035】
(帯電量、表面抵抗値)
上記の構成を有する表面保護フィルム(A) は、帯電防止層(4) または帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)を設けたことにより、表面保護フィルム(A) の表面抵抗値が1×107 Ω以下(殊に8×106 Ω以下)であり、かつ表面保護フィルム(A) の帯電量が1mV以下(殊に 0.8mV以下)であるようにすることが特に好ましい。
【0036】
ここで、表面抵抗値、帯電量は、下記の測定機器を用い、下記の測定条件にて測定した値である。
−表面抵抗値−
・使用機器:横河ヒューレット・パッカード株式会社(現アジレントテクノロジー株式会社)製の「4329A HIGH RESISTANCE METER」と「16008A RESISTIVITY CELL」を使用
・印加電圧:100V
・時間:30秒
・測定時間:直後(1分以内)
・単位:Ω
−帯電量−
・使用機器:シシド静電気株式会社製の「STATIC HONESTMETER TYPE S−4104」を使用
・印加部電極:15mm
・受電部:20mm
・印加電圧:10kV
・印加時間:30秒
・測定値:印加している間の帯電量の平均値
・単位:mV
【0037】
《積層体》
本発明の積層体は、上記の表面保護フィルム(A) を、その粘着剤層(2) を利用して光学用板(B) の表面に貼着した構成を有する。光学用板(B) の代表例は、偏光板、位相差板、位相差板兼用の偏光板である。なお、偏光板、位相差板のように「板」と通称されているが、実際はシートないしフィルム状である。
【0038】
《作用》
「剥離層(3) /基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) 」の基本の層構成に、ポリアニリン層を帯電防止層(4) として付加した表面保護フィルムは、表面抵抗値は低くできるものの、帯電量が大きい。また、ポリチオフェン層を帯電防止層(4) として付加した表面保護フィルムは、帯電量は低くできるものの、表面抵抗値の低下が不充分である。
【0039】
しかるに、本発明の表面保護フィルムにあっては、帯電防止層(4) または帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)として、ポリアニリンとポリチオフェンとの双方を特定の割合で含む層を用いているので、ポリアニリンを単独で含む場合と、ポリチオフェンを単独で含む場合との中間程度の作用効果が得られるものと想定されるが、事実はそれとは相違し、表面抵抗値が充分に低くかつ帯電量も充分に小さいという予期せぬ相乗効果が得られる。
【0040】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。以下、「部」とあるのは重量部である。
【0041】
〈表面保護フィルムの作製〉
実施例1
図1は、本発明の表面保護フィルムの一例を示した断面図である。
【0042】
基材フィルム層(1) の一例としての厚み38μm の二軸延伸ポリエステルフィルム(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)の片面に、ポリアニリン(株式会社日本触媒製)とポリチオフェン(帝国製薬株式会社製)との固形分の重量比が4:96の混合物を溶剤に溶解した帯電防止剤を、乾燥基準で0.1 g/m2宛塗布、乾燥して、厚み約 0.1μm の帯電防止層(4) を形成させた。
【0043】
ついで、その帯電防止層(4) の上から、アルキルカルバメート系の剥離処理剤(一方社油脂工業株式会社製の「ピーロイル1010」)を、乾燥基準で0.1 g/m2宛塗布、乾燥して、厚み約 0.1μm の剥離層(3) を形成させた。
【0044】
一方、上記基材フィルム層(1) の他面に、アクリル系粘着剤溶液を塗布、乾燥して、厚み25μm の微粘着性を有する粘着剤層(2) を設けた。
【0045】
その粘着剤層(2) の上からは、さらに、シリコーン処理を施してあるポリエステルフィルム製の剥離フィルム(5) を被覆した。
【0046】
これにより、「剥離層(3) /帯電防止層(4) /基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) /剥離フィルム(5) 」の層構成を有する剥離フィルム(5) 付きの表面保護フィルム(A) が得られた。
【0047】
比較例1
基材フィルム層(1) の片面に、ポリアニリンからなる帯電防止剤を乾燥基準で0.1 g/m2宛塗布、乾燥して、厚み約 0.1μm の帯電防止層(4) を形成させたほかは、実施例1を繰り返した。
【0048】
比較例2
基材フィルム層(1) の片面に、ポリチオフェンからなる帯電防止剤を乾燥基準で0.1 g/m2塗布、乾燥して、厚み約 0.1μm の帯電防止層(4) を形成させたほかは、実施例1を繰り返した。
【0049】
実施例2
図2は、本発明の表面保護フィルムの他の一例を示した断面図である。
【0050】
実施例1と同じ基材フィルム層(1) の片面に、ポリアニリン(株式会社日本触媒製)とポリチオフェン(帝国製薬株式会社製)との固形分の重量比が10:90の混合物を溶剤にて溶解した帯電防止剤を塗布、乾燥して、厚み約 0.1μm の帯電防止層(4) を形成させた。その上から、厚み25μm の微粘着性を有する粘着剤層(2) を設け、さらにその上からシリコーン処理を施してあるポリエステルフィルム製の剥離フィルム(5) を被覆した。
【0051】
また、上記基材フィルム層(1) の他面には、実施例1の場合と同じ剥離処理剤を用いて、厚み約 0.1μm の剥離層(3) を形成させた。
【0052】
これにより、「剥離層(3) /基材フィルム層(1) /帯電防止層(4) /粘着剤層(2) /剥離フィルム(5) 」の層構成を有する剥離フィルム(5) 付きの表面保護フィルム(A) が得られた。
【0053】
実施例3
図3は、本発明の表面保護フィルムのさらに他の一例を示した断面図である。
【0054】
実施例1と同じ基材フィルム層(1) の片面に、ポリアニリン(株式会社日本触媒製)10部とポリチオフェン(帝国製薬株式会社製)との混合物90部、アルキルカルバメート系剥離剤エマルジョン30部を含む剥離兼帯電防止剤を塗布、乾燥して、厚み約 0.1μm の帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)を形成させた。上記基材フィルム層(1) の他面には、実施例1の場合と同じ粘着剤による厚み25μm の微粘着性を有する粘着剤層(2) を設け、さらにその粘着剤層(2) の上からポリエステルフィルム製の剥離フィルム(5) を被覆した。
【0055】
これにより、「剥離層(3#)/基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) /剥離フィルム(5) 」の層構成を有する剥離フィルム(5) 付きの表面保護フィルム(A) が得られた。
【0056】
〈積層体の作製〉
上記の実施例1〜3および比較例1〜2で得られた剥離フィルム(5) 付きの表面保護フィルム(A) から剥離フィルム(5) を剥離除去しながら、残余の表面保護フィルム(A) を、光学用板(B) (偏光板または位相差板)の表面に貼着して、光学用板(B) の積層体を作製した。
【0057】
〈表面保護フィルムの帯電量および表面抵抗値〉
上記で得た表面保護フィルム(A) の表面抵抗値をおよび帯電量を、偏光板(または位相差板)に貼着して、先に述べた測定機器を用いかつ先に述べた測定条件にて測定した。実施例1および比較例1〜2の結果を表1に、実施例2〜3の結果を表2に示す。
【0058】
【表1】

帯電量 (mV) 表面抵抗値 ( Ω )
実施例1 0.4 1.0 × 10 6
比較例1 2.2 5.0×107
比較例2 0.4 5.0 × 10 9
【0059】
【表2】

帯電量 (mV) 表面抵抗値 ( Ω )
実施例2 0.4 1.0×106
実施例3 0.8 5.0 × 10 6
【0060】
(解析)
表1から、「剥離層(3) /帯電防止層(4) /基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) 」の層構成を有する表面保護フィルム(A) につき考察すると、次のことがわかる。
・帯電防止層(4) としてポリアニリンとポリチオフェンとの特定の割合の混合物を用いている実施例1にあっては、帯電量が小さく、かつ表面抵抗値も小さい。
・帯電防止層(4) としてポリアニリンを用いている比較例1にあっては、表面抵抗値はまずまずであるが、帯電量が大きい。
・帯電防止層(4) としてポリチオフェンを用いている比較例2にあっては、帯電量については実施例1と同等であるが、表面抵抗値が大きい。
【0061】
また、表2から、「剥離層(3) /基材フィルム層(1) /帯電防止層(4) /粘着剤層(2) 」の層構成を有する表面保護フィルム(A) (実施例2)、「帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)/基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) 」の層構成を有する表面保護フィルム(A) (実施例3)においても、実施例1の場合と同等かそれに準じた好ましい結果が得られることがわかる。
【0062】
【発明の効果】
作用の項で述べたように、本発明の表面保護フィルム(A) にあっては、帯電防止層(4) または帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)として、ポリアニリンとポリチオフェンとの双方を特定の割合で含む層を用いるという特別の工夫を講じてあるので、表面抵抗値が充分に低くかつ帯電量が充分に小さいという相乗効果が奏される。このようなすぐれた作用効果は、ポリアニリンまたはポリチオフェンのそれぞれからは期待しえないものである。
【0063】
そのため、本発明の表面保護フィルム(A) を、偏光板、位相差板のような光学用板(B) に貼着して液晶表示パネルの製造に供したときには、工程中で発生する静電気により異物を吸着することがなく、光学用板(B) の外観検査を、貼着した表面保護フィルムを剥離することなく行うときに、支障を来たすことがない。また、用済み後の表面保護フィルム(A) を液晶表示パネルの偏光板や位相差板から剥離除去するときの剥離帯電も充分に抑制されるので、TFT素子、ゲート電極用ICドライバなどの回路を破壊するおそれもなく、液晶表示パネルの信頼性が保たれる。
【0064】
そのほか、塗布法により帯電防止性を有する層を形成することがでるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表面保護フィルムの一例を示した断面図である。
【図2】 本発明の表面保護フィルムの他の一例を示した断面図である。
【図3】 本発明の表面保護フィルムのさらに他の一例を示した断面図である。
【符号の説明】
(A) …表面保護フィルム、
(1) …基材フィルム層、
(2) …粘着剤層、
(3) …剥離層、
(3#)…帯電防止層(4) 兼用の剥離層、
(4) …帯電防止層、
(5) …剥離フィルム、
(B) …光学用板

Claims (3)

  1. 「剥離層(3) /基材フィルム層(1) /粘着剤層(2) 」の基本の層構成を有する表面保護フィルム(A) であって、
    前記表面保護フィルム(A) には、
    イ.層(1) と層(2) との層間への帯電防止層(4) の設置、
    ロ.層(3) と層(1) との層間への帯電防止層(4) の設置、
    ハ.層(3) を帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3#)に形成、
    よりなる群から選ばれた少なくとも1つの手段が講じられていること、
    前記イ、ロ、ハの帯電防止層(4) または帯電防止層(4) 兼用の剥離層(3) の少なくとも1層が、ポリアニリンとポリチオフェンとの双方を含んでいること、および、
    前記イ、ロ、ハの帯電防止層 (4) または帯電防止層 (4) 兼用の剥離層 (3 # ) のうちの少なくとも1層において、ポリアニリンとポリチオフェンとの合計量100重量部に占めるポリアニリンの割合が1〜15重量部に設定されていること、
    を特徴とする表面保護フィルム。
  2. 表面保護フィルム(A) の表面抵抗値が1×107 Ω以下でかつ帯電量が1mV以下である請求項1記載の表面保護フィルム。
  3. 偏光または位相差機能を有する光学用板(B) の表面に、請求項1の表面保護フィルム(A) が貼着された構成を有することを特徴とする積層体。
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