JP4166350B2 - 耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具 - Google Patents

耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具 Download PDF

Info

Publication number
JP4166350B2
JP4166350B2 JP33590598A JP33590598A JP4166350B2 JP 4166350 B2 JP4166350 B2 JP 4166350B2 JP 33590598 A JP33590598 A JP 33590598A JP 33590598 A JP33590598 A JP 33590598A JP 4166350 B2 JP4166350 B2 JP 4166350B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crucible
sic
carbon material
silicon carbide
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP33590598A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000086374A (ja
Inventor
喬 松本
裕治 瀧本
崇 高津
正豊 岡崎
利臣 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Tanso Co Ltd filed Critical Toyo Tanso Co Ltd
Priority to JP33590598A priority Critical patent/JP4166350B2/ja
Publication of JP2000086374A publication Critical patent/JP2000086374A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4166350B2 publication Critical patent/JP4166350B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
    • C03B35/14Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands
    • C03B35/16Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands by roller conveyors
    • C03B35/18Construction of the conveyor rollers ; Materials, coatings or coverings thereof
    • C03B35/181Materials, coatings, loose coverings or sleeves thereof
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
    • C03B35/14Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands
    • C03B35/16Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands by roller conveyors
    • C03B35/18Construction of the conveyor rollers ; Materials, coatings or coverings thereof
    • C03B35/185Construction of the conveyor rollers ; Materials, coatings or coverings thereof having a discontinuous surface for contacting the sheets or ribbons other than cloth or fabric, e.g. having protrusions or depressions, spirally wound cable, projecting discs or tires
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B35/00Transporting of glass products during their manufacture, e.g. hot glass lenses, prisms
    • C03B35/14Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands
    • C03B35/16Transporting hot glass sheets or ribbons, e.g. by heat-resistant conveyor belts or bands by roller conveyors
    • C03B35/18Construction of the conveyor rollers ; Materials, coatings or coverings thereof
    • C03B35/189Disc rollers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/50Glass production, e.g. reusing waste heat during processing or shaping
    • Y02P40/57Improving the yield, e-g- reduction of reject rates

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温雰囲気下で使用できる耐酸化性に優れた炭化ホウ素ー炭化ケイ素複合炭素材料(以下B4 C−SiC複合炭素材料)及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
炭素材料は、熱伝導性、耐摩耗性、耐薬品性、高温での機械的特性に優れた特性を有しているため、高純度処理された炭素基材単独で焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ、連続鋳造用ダイス、溶融金属用ルツボ、ガラス管搬送用ローラー、鋼線材焼鈍用均熱管、高温焼成用治具及びホットプレス用治具等に広く利用されている一方、炭素基材単独では酸化されやすく、酸化消耗に伴う強度劣化や精度劣化による寿命の短命等の問題があった。
【0003】
上記の問題に対しては、炭素基材表面に、耐酸化性に優れ、炭素と相性の良い炭化ケイ素(以下SiC)を被覆する手段が有効であるとされ、SiC被覆の一般的手法として化学蒸着法(CVD法)、転化法(CVR法)等がよく知られている。
【0004】
CVD法で形成されたSiC層は、非常に緻密で優れたガス不透過性を有しており、耐酸化性の改善には効果的であるが、炭素基材表面に物理的に付着しているだけであり、また、炭素基材との熱膨張率が異なることから、熱衝撃を受けると層の剥離や微小クラックが発生するという欠点がある。そのため、SiCと熱膨張率の近い炭素基材を用いなければならない。また、その製造方法上、部分的に被覆したり、孔内部への均一な被覆が難しく、製造コストがかかるという問題もある。
【0005】
一方、CVR法は、Si又はSiOガスを炭素基材に反応させて基材の表層部又は全体をSiCに転化する方法であり、CVD法と異なり、SiC層が化学的に形成されるため、SiC層の剥離等の問題は解決されるが、その製法に起因して緻密性にかけ、耐酸化性の改善に、あまり効果が無く、CVD法同様製造コストがかかるという問題も合わせて有している。
【0006】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、CVD法やCVR法に比較して、簡単な方法で耐酸化性、耐摩耗性に優れ、緻密なSiC層が炭素基材の表層部の所定部位(全面または一部)に、経済的に形成されてなるB4 C−SiC複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具を提供する点である。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先に炭素質基材の表面に、Si粉末、B4 C粉末、熱可塑性樹脂、及び該樹脂の溶媒を含むスラリーを塗布し、乾燥した後、非酸化性雰囲気中で1500℃以上で熱処理することにより、緻密で耐酸化性、耐摩耗性に優れた新規なB4 C−SiC複合炭素材料及び製造方法を提案した(特開平7─144982号参照)。本発明者らは、その後、試行錯誤の結果、優れた耐酸化性、耐摩耗性を有するに必要な具体的な組成比、各層の厚みを見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0008】
請求項1の発明は、炭素基材の表層部の所定部位(全体もしくは一部)に、厚さ1mm以上のSiC含有複合層を有し、このSiC複合層の上に厚さ1〜50μmのB4 C−SiCを含有する最外表層部が形成されてなり、前記炭化ホウ素−炭化ケイ素含有複合層の炭化ホウ素と炭化ケイ素の2成分についての組成比(重量%)が、炭化ケイ素/炭化ホウ素=78〜97/3〜22であることを特徴とする耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料である。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1において、前記炭素質基材の表面に金属Siが存在していないことを特徴とする請求項1記載の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1において、前記SiC含有複合層における前記炭化ケイ素化率が深さ方向に略均一である請求項1記載の炭化ホウ素ー炭化ケイ素複合炭素材料である。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合炭素材料の表層部の一部又は全部を用いてなる焼結用ルツボである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合炭素材料の表層部の一部又は全部を用いてなる真空蒸着用ルツボである。
【0017】
請求項の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合炭素材料を表層部の一部又は全部に用いてなる高温焼成用治具である。
【0019】
本発明のB4 C−SiC複合炭素材料に係る最外表層部には、少なくともB4 C成分が含まれている必要があり、また周囲に混在するSiCと必ずしも均質に混じり合った状態で分布している必要はない。この、最外表層部のB4 Cは酸化されやすく、高温酸化雰囲気中でB23 を形成し、ガラス質のB23 が形成されることによってSiとの共晶温度が低下し、最終的にSiO2 −B23 系のガラス質が形成され、このガラスが最外表面層をさらに被覆し、緻密な酸化保護皮膜を形成することになる。従って、最外層にガス不透過性に優れた緻密な酸化保護皮膜が形成された状態になる。
【0020】
このような機能を有する最外表層部は、あまり厚すぎると、割れや欠けが生じ易くなるため、厚みとしては3〜20μm、望ましくは5〜15μmとなるように形成しておく。最外表層部の厚みをこのように設定する事により、B23 による耐酸化性の効果を十分に発揮させつつも、必要以上の最外表層部の形成に要する製造コストの無駄を省き、製品コストの上昇を防止する事ができる。
【0021】
SiCとB4 Cの組成比としてはSiC成分が78〜99重量%、B4 C成分が1〜22重量%であるものが望ましい。この範囲にある2元組成(SiC、B4 C)を含む最外層表層部を有するSiC層が形成されている場合に、最も効率よく耐酸化性が付与されたB4 C−SiC複合炭素材料とすることができるからである。さらに言えば、B4 Cは3〜20重量%が望ましい。SiC含有複合層の形成を促進させるうえで、下限として3重量%以上が好ましく、又最外表層部が高温酸化されたとき、その最外表層部にSiO2 ─B23 系のガラス質が形成されるだけのB4 Cが存在すれば十分であり、この点を考慮すると、上限として20重量%以下が好ましいからである。
【0022】
以上説明した最外表層部に続くSiC含有複合層は、少なくともSiCを含む必要がある。このSiC含有複合層は、耐酸化性を付与する。仮に最外表層部のSiO2 ─B23 のガラス質酸化保護膜が無くなった場合でも、このSiC含有複合層のSiCにより炭素質基材の酸化進行が抑制される。従って、このような機能を有するSiC含有複合層は1mm以上の厚みが必要であるとともに、また、1mm以上の厚みで形成されるSiC−C層は、厚み方向で略均一に形成されることが望ましい。厚み方向での耐酸化性が変化しないからである。ここで、厚み方向の略均一とは、SiC含有複合層の浅い所のケイ化率と深い所のケイ化率の比が0.8以内にあることをいう。
【0023】
このように深くて、均一なSiC層は次の理由により簡単に形成できる。最外層表面に含まれるB4 Cは基材内部に浸透せず、何らかの作用、例えば触媒的作用で、炭素基材中にSiを浸透させる働きがあり、その結果として、Siが深さ方向に1mm以上炭素基材中に拡散し、SiC含有複合層に1mm以上の均一な厚みを有するSiC層が形成された状態とすることができる。
【0024】
本発明に使用する炭素基材としては特に限定されるものではなく、炭素のみから実質的になる炭素材料、又は炭素を主成分とする黒鉛化品、例えば高密度等方性黒鉛材等が挙げられ、これら、炭素基材のうち水銀圧入法で測定した平均細孔半径が1μm以上である炭素基材を製品形状に加工したものを使用する事が望ましい。
【0025】
平均細孔半径が1μmよりも小さい炭素基材を使用すると、SiとB4 Cを混合したスラリーを炭素基材に塗布する時に、炭素基材の微小細孔にまでスラリーが浸透しにくくなるためあまり望ましくない。なお、炭素基材の平均細孔半径の上限については、特に制限はなく、炭素繊維強化炭素複合材料等の平均細孔半径が大きい炭素基材は、炭素基材内部奥深くまでスラリーが浸透するため、熱処理後にほぼ全体が複合化したものになる。
【0026】
まず、平均粒径10〜100μmのSi粉末、平均粒径5〜100μmのB4 C粉末、熱可塑性樹脂及びその樹脂の溶媒からなるスラリーを準備する。ここで使用する熱可塑性樹脂は造膜性が高く、かつ残炭率が低い樹脂を使用し、例えばポリアミドイミド、ポリビニルアルコール、ポリアミド樹脂の内より選ばれたものが特に好ましい。中でもポリアミドが更に望ましく、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキサイド、Nメチル─2ピロリドン等の溶媒に溶解させて使用する。
【0027】
しかしながら、樹脂として残炭率の高い樹脂、例えばフルフリルアルコール、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を使用すると、後の工程で高温熱処理を行ったときに炭素基材の表面に樹脂の炭化物、Si及びB4 Cとの反応生成物が固着して、これらを容易に除去できなくなることがあるため好ましくない。
【0028】
Si粉末とB4 C粉末を混合する際の混合割合は、Si粉末80〜97重量%に対してB4 C粉末3〜20重量%が望ましい。B4 C粉末が3重量%未満では、B4 C粉末の混合による効果が少ないからである。具体的には、B4 C粉末を混合することにより、B4 Cによる何らかの作用、例えば、触媒的作用効果が発現する。すなわち、3重量%未満では、この効果があまり発現せず、高温熱処理後も溶融Siが炭素基材中の気孔に完全に浸透せず、冷却後炭素基材表面に金属Siとして固着した状態で残ってしまう。逆に3重量%以上含有させた場合は、溶融Siが気孔中に深くまで浸透し、炭素基材との反応が進み、SiC化され、請求項1記載の厚みで深さ方向に均一なSiC層が形成されやすくなるという効果が得られるからである。
【0029】
この場合、炭素基材の表面には金属Siとしての残留物は存在せず、使用した樹脂の炭化物、SiC、B4 Cの成分の残留物が残るが、本発明では、この残留物を残せる程度にB4 C粉末を添加すれば十分であるので、B4 C粉末の上限は20重量%程度が望ましい。もちろん要求仕様に応じて、20%以上のB4 C粉末を添加してSiC層をより深めに形成させ、耐酸化性の更なる向上及び耐磨耗性やそれ以外の特性の向上を付加させた製品とすることも可能である。
【0030】
上記のように調製されたスラリーをはけ塗り、へら塗り等の適宜な手段で表面全体、又は必要な部分に塗布する。また、スラリー中に浸漬しても良い。この時に塗布する厚みについては、任意の厚みとすることができるが炭素基材表面から1〜2mmが望ましい。100μm未満ではSiC層の形成が浅くなり、好ましくない。この後、約80℃から200℃まで5時間乾燥することにより、溶媒を揮散させ、樹脂を完全に硬化させる。こうして得られた材料を、10Torr以下の真空で高温熱処理する。昇温速度は400℃/時間とし、約1600〜1800℃で1時間保持する。加熱手段は特に限定されるものではなく、適当な手段で行えばよい。この操作によって、Si成分は溶融し、樹脂の炭化層を通って炭素基材の細孔中に侵入し、炭素と反応してSiC化する。
【0031】
前記の一連の処理を得て最終的には、スラリーが塗布された部分に相当する炭素基材の表層部がSiC層に転化するとともに、その表面には、B4 C成分を含む緻密な最外表層部が形成された構造のB4 C−SiC複合炭素材料を得ることができる。
【0032】
このような構造からなるB4 C−SiC複合炭素材料であれば、高温で酸化されても、最外表層部にSiO2 ─B23 系ガラスの溶融物が生じ、この溶融物が最外表層部の空隙を埋めるように侵入し、かつ被覆する状態となり新たに酸化保護皮膜が形成された状態となる。この酸化保護皮膜が以後の酸化を抑制する働きを行なうことになる。この結果CVD法で得られるSiC皮膜なみのガス不透過性に優れた緻密な保護皮膜が形成できる。しかも、本発明に係るB4 C−SiC複合炭素材料の場合には、SiC層を炭素基材の表層部の一部もしくは全体に形成することが容易であり、結局、耐酸化物性に優れたSiC層が任意の所定部位に経済的に形成されてなる炭素複合材料を提供することができる。
【0033】
以下に本発明によるB4 C−SiC複合炭素材料を用いた具体的な用途例を説明する。
【0034】
まず、焼結用ルツボに対する適用例を説明する。従来から、焼結用ルツボの炭素基材は、主に還元炉内で等方性高密度黒鉛が使用されているが、焼結処理品を交換する際にルツボ表面が大気中に曝され、大気中の水分等が炭素基材に吸着する。また、還元炉内でも水素ガスと酸素の反応で微量な水分が発生する。これら水分等が酸化源となり、炭素材を酸化させ、又その際に発生するガスがルツボ内の焼結処理品と反応し、処理品の不純物混入の一因となる問題がある。
【0035】
本発明のB4 C−SiC複合炭素材料を前記焼結用ルツボの表面の全部又は一部に適用すると、これらの問題を解決できる。焼結用ルツボ1は、図1に示す形状を有するルツボ2及び上蓋3からなり、大気に直接触れる外表面を、B4 C−SiC複合炭素材料で形成する。具体的には、ルツボの側面2a、底面2b及び上蓋3との合わせ面2cと、上蓋3の上面3a、側面3bとルツボ2との合わせ面3cとを本発明によるB4 C−SiC複合炭素材料で形成する。
【0036】
ルツボ1の外表面2a、2b、2c、及び上蓋の外表面3a、3b、3cがガス不透過性の酸化保護皮膜であるB4 C−SiC複合炭素材料で形成されているため、ルツボ自身の寿命を伸ばすとともに、ルツボ外部からの不純物ガスの侵入を防ぎ、ルツボ内部の焼結用金属粉末の純度を維持する効果も得られる。
【0037】
つぎに、真空蒸着用ルツボに対する適用例を説明する。従来から真空蒸着用ルツボは、通常炭素基材の細孔部に溶融金属が浸透しないようにピッチ含浸、焼成等の工程を繰り返し行った炭素材が使用されている。例えば、アルミニウムの様に炭素材と反応する金属の場合、さらに無機材塩類の溶液を含浸、焼成等の処理を行うが、完全に金属との反応を防止することはできないという問題がある。
【0038】
本発明のB4 C−SiC複合炭素材料を前記真空蒸着用ルツボの表面の全部又は一部特に内面に適用すると、これらの問題を解決できる。図2に示すように、本発明の真空蒸着用ルツボ11は、炭素基材として嵩密度1.90g/cm3 以上、固有抵抗1200μΩcm以下の等方性黒鉛を使用し、該黒鉛を図示の形状に機械加工後、蒸着用溶融金属と接する面であるルツボ内面11aに、本発明に係る前記スラリーをはけ塗りし、B4 C−SiC複合炭素材料を形成してなる。本発明によって得られる真空蒸着用ルツボは、耐酸化性が向上し、ルツボ内の蒸着用溶融金属との反応を抑制することが可能となり、ルツボの寿命を向上させることが可能となる。
【0039】
つぎに、連続鋳造用部材に対する適用例を説明する。連続鋳造用部材としては、従来から高温機械特性、熱伝導性、潤滑性等の物性面で優れた炭素基材が多く使用されているが、炭素基材単独では非常に酸化しやすく耐摩耗性も十分ではなく、また酸化消耗に伴う強度劣化により早期破損に至等、寿命が非常に短いという欠点がある。
【0040】
本発明のB4 C−SiC複合炭素材料を前記連続鋳造用部材の表面の全部又は一部特に鋳造面に適用すると、これらの問題を解決できる。図3に示すように、連続鋳造用部材21は、炭素基材として嵩密度が1.75g/cm3 以上、平均細孔半径が2.0μm以下、曲げ強度が400kgf/cm2 以上であって、熱伝導率が80kcal/hrm℃以上の等方性黒鉛を、割り型22,23に加工してなる。なお、平均細孔半径は、水銀圧入法による測定値(水銀と試料との接触角141.3°、最大圧力1000kg/cm2 の時の累積気孔容積の半分の値)を採用した。次に、前記スラリーを、溶湯及び鋳塊24と接する鋳造面25のみはけ塗りを行い、該部分にのみ本発明に係るB4 C−SiC複合炭素材料を形成する。
【0041】
ところで、複合処理を施した直後の表面は、処理前の炭素基材表面に比べて粗くなっており、このような表面のままでダイスとして使用した場合、冷却・凝固した鋳塊を間欠的に引き出す時に両者間に大きな摩擦力が作用し、ダイス内面が鋳塊により傷つけられ、この傷が鋳塊に転写されて鋳塊表面を粗くするおそれがあるからである。従って、必ず連続鋳造用部材の内面は鏡面加工を行う。鏡面加工の手段としては、特別限定はなく、例えばダイス砥粒による湿式研磨方法が挙げられる。また、最終的な研磨度としては、JIS平均表面粗さ(Ra)で0.75μm以下であれば良い。なお、鏡面加工後の面(SiC転化層)の熱伝導率はほぼ50kcal/hrm℃確保されていれば、金属の冷却凝固能力としては十分である。
【0042】
上記の如く、本発明で得られる連続鋳造用部材は、炭素基材の溶融金属及び鋳塊と接する部分にSiCの被覆層が深めに形成された後、鏡面加工を施したB4 C−SiC複合層が設けられた構造である。このため、炭素基材の表面をB4 C−SiC複合層で覆うことにより、本発明の目的である耐酸化性及び耐摩耗性の向上を、確実に実効あるものにできる。その結果、この連続鋳造用部材の一層の延命化を可能とし、同時に鋳肌の滑らかな鋳塊を長時間安定して確実に製造することができる。
【0043】
つぎに、溶融金属用ルツボに対する適用例を説明する。溶融金属用ルツボは、炭素基材として等方性高密度黒鉛が多く用いられているが、その多くは常圧大気中で使用されるため大気により酸化されたり、ルツボ内部が溶融金属と反応するなどの問題がある。
【0044】
本発明のB C−SiC複合炭素材料を前記溶融金属ルツボの表面の全部又は一部特に内面に適用すると、これらの問題を解決できる。図4に示すように、溶融金属用ルツボ31は、炭素基材を図示の形状に加工し、溶融金属と接するルツボ内面32に本発明に係るBC−SiC複合炭素材料が形成されてなる。
【0045】
本発明によるC−B4 C−SiC複合層をルツボ内面に形成させることにより、溶融金属との反応を抑制でき、ルツボの延命化が可能となる。
【0046】
つぎに、ガラス管搬送用ローラーに対する適用例を説明する。ガラス管搬送用ローラーには、鋳鉄が使用されていたが、製品であるガラス管に傷を付ける点、酸化劣化による整形精度が低下する点などに問題があった。そこで、製品に傷を付けない事を目的に、鋳鉄に替え炭素材が使用されるようになったが、炭素材単独では酸化消耗による強度劣化、ガラス管の整形精度の劣化等の問題があり、耐酸化性に優れた炭素材が要求されている。
【0047】
本発明のB C−SiC複合炭素材料を前記ガラス管搬送用ローラーの表面の全部又は一部特に鋳造面に適用すると、これらの問題を解決できる。図5に示すように、ガラス管搬送用ローラー41は、一本の軸に円板二枚を取り付けた図示の形状に炭素基材を加工し、好ましくはその全面に本発明に係るBC−SiC複合炭素材料が形成されてなる。
【0048】
全面にB4 C−SiC複合層を形成させることにより、該表面層のガラスによる酸化を抑制するため、酸化による整形精度の劣化を防ぐとともに、ローラーの延命化も可能となる。
【0049】
つぎに、鋼線材焼鈍用均熱管に対する適用例を説明する。鋼線材を焼鈍する工程において、従来、線材はステンレス単独でなる均熱管内を摺動をともなって、移動し処理が行なわれていた。その際、ステンレス均熱管と線材の溶着により、製品線材に傷が発生する問題が多々有り、その防止策として、炭素管をステンレス均熱管に挿入し、線材の溶着防止が行なわれていた。しかしながら、この場合、炭素管の酸化消耗や、線材への侵炭等の問題が新たに発生し、炭素材に代わる鋼線材焼鈍用均熱管向けの材料が要望されている。
【0050】
本発明のB4 C−SiC複合炭素材料を、前記鋼線材焼鈍用均熱管に挿入する炭素管の内表面全面に形成させる。図6に鋼線材焼鈍用均熱管の一例の断面概略図を示す。本発明のB4 CーSiC複合層を炭素管52の内表面、好ましくは全面に形成することにより、耐酸化性が向上するとともに、鋼線材53の炭素管52への溶着が防止でき、加えて、鋼線材53への侵炭が防止できる。また、本発明品の有する優れた潤滑性によって、線材に傷を付けることがなくなり、鋼線材の品質が安定し且つ歩留りが大きく改善される。
【0051】
つぎに、高温焼成用治具に対する適用例を説明する。高温焼成用治具としては、焼成炉用棚板、金属ろう付け用治具等の高温雰囲気下で使用される治具であり、黒鉛材やステンレス材が使用されていた。しかしながら、前述してきたように高温雰囲気下では黒鉛材を使用した場合、酸化の問題や、処理表面への浸炭の問題があり、また、ステンレス材の場合は、熱歪み等による経時形状変化によって、製品寸法の精度劣化等の問題があった。
【0052】
本発明のB4 C−SiC複合材料を、高温雰囲気下で処理表面と接する部分に形成させる。これにより、前記問題を解消することができ、経時形状変化がなく、耐酸化特性に優れた炭素製の高温焼成用治具とすることが可能となる。
【0053】
次に、ホットプレス用治具に対する適用例を説明する。ホットプレスに使用されているダイスや、上下のパンチ等の治具は、黒鉛の優れた高温特性のため、従来より黒鉛がよく使用されている。その際には、処理品との溶着を防止するため、治具表面に離型剤を塗布する必要があった。この離型剤は、処理物への不純物混入の原因となっていた。
【0054】
そこで、本発明のB4 C−SiC複合材料を、ホットプレスの上下パンチおよびダイス表面に形成させることにより、表面の酸化を防止することが出来るとともに、処理表面への不純物の混入も少なくなり、離型剤を最小限に抑えることが出来る。ホットプレス用治具は図7に示すように一体型若しくは分割型のダイス61と上下パンチ62、63から構成されている。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
炭素基材として、嵩密度1.77g/cm3 、平均細孔半径が1.5μm、曲げ強度が400kgf/cm2 の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製) を、図1に示す形状を有するルツボとその上蓋に加工した。また、バインダーとしてのポリビニールアルコール(日本合成産業(株)製)8%溶液を分散媒とした。ケイ素粉末(和光純薬工業(株)製、平均粒度40μm)と、炭化ホウ素粉末(共立窯業社製、平均粒度20μm)を重量比で80:20の比率に混合し、分散媒中に混合分散させてスラリーとした。
【0056】
このスラリーを、炭素基材が、大気に直接触れる外表面であるルツボ及び上蓋の所定部分にはけで塗布した後、乾燥機の中で200℃で溶媒を蒸発させ、さらに3Torrの窒素ガス雰囲気下、真空加熱炉において1600℃まで4時間で昇温、1時間保持した後、冷却して取り出した。ケイ化部の厚みは3mmであった。B4 Cを含む最外表層部は10μmであった。また、ケイ化部の浅い所のケイ化率と深い所のケイ化率の比は、0.8であった。
【0057】
(比較例1)
実施例1と同一材質の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を使用し、図1に示す形状に加工し、試験用焼結用ルツボを得た。
【0058】
前記実施例1及び比較例1で得られた試験用焼結用ルツボを用いて、焼結用金属として黒鉛粉末とタングステン粉末を混合した状態で炭化タングステンの焼結試験を行った。
【0059】
(実施例2)
炭素基材として、嵩密度1.9g/cm3 、平均細孔半径が0.4μm 、曲げ強度が650kgf/cm2 、固有抵抗1200μΩcm以下の等方性黒鉛(東洋炭素( 株)製) を、図2に示す形状を有するルツボに加工し、溶融金属と接するルツボ内面6に、実施例1と同様の手順により、ケイ化処理を行った試験用真空蒸着用ルツボを得た。ケイ化部の厚みは2mmであった。B4 Cを含む最外表層部は8μmであった。また、ケイ化部の浅い所のケイ化率と深い所のケイ化率の比は、0.8であった。
【0060】
(比較例2)
実施例2と同一材質の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を使用し、図2に示す形状に加工し、試験用真空蒸着用ルツボを得た。
【0061】
前記実施例2及び比較例2で得られた試験用真空蒸着用ルツボを用いて、蒸着用溶融金属としてアルミニウムを用い、真空蒸着試験を行った。
【0062】
参考
炭素基材として、嵩密度1.87g/cm3 、平均細孔半径が1.5μm 、曲げ強度が650kgf/cm2 、熱伝導率120kcal/hm ℃の等方性黒鉛(東洋炭素( 株)製) を、図3に示す形状を有する角形ダイスに加工し、鋳造面に実施例1と同様の手順により、ケイ化処理を行った試験用連続鋳造用ダイスを得た。ケイ化部の厚みは2mmであった。表面を研磨剤を用いてRa=0.75μmまで研磨し、試験用連続鋳造用ダイスを得た。
【0063】
(比較例3)
参考と同一材質、同一形状の等方性黒鉛基材(東洋炭素(株)製)を使用し、参考と同様の研磨処理を施して、試験用連続鋳造用ダイスを得た。
【0064】
前記参考及び比較例3で得られた試験用連続鋳造用ルツボを用いて、銅合金を用い、連続鋳造試験を行った。
【0065】
参考
炭素基材として、嵩密度1.82g/cm 、平均細孔半径が1μm 、曲げ強度が780kgf/cmの等方性黒鉛(東洋炭素(株)製) を、図4に示す形状を有するルツボに加工し、溶融金属と接するルツボ内面に、実施例1と同様の手順により、ケイ化処理を行った試験用溶融金属用ルツボを得た。ケイ化部の厚みは3mmであった。BCを含む最外表層部は8μmであった。また、ケイ化部の浅い所のケイ化率と深い所のケイ化率の比は、0.8であった。
【0066】
(比較例4)
参考と同一材質の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を使用し、図4に示す形状に加工し、試験用溶融金属用ルツボを得た。
【0067】
前記参考及び比較例4で得られた試験用溶融金属用ルツボを用いて、鉄を溶解し、溶融試験を行った。
【0068】
参考
炭素基材として、嵩密度1.90g/cm 、平均細孔半径が0.2μm、曲げ強度が950kgf/cm の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を、図5に示す形状に加工し、全面にわたり参考例1と同様の手順により、ケイ化処理を行った試験用ガラス搬送用ローラーを得た。ケイ化部の厚みは1mmであった。BCを含む最外表層部は10μmであった。
【0069】
(比較例5)
参考と同一材質の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を使用し、図5に示す形状に加工し、試験用ガラス管搬送用ローラーを得た。
【0070】
参考
炭素基材として、嵩密度1.82g/cm 、平均細孔半径が1.5μm 、曲げ強度が550kgf/cm、熱伝導率120kcal/hm ℃の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を、図6に示すような外径40mm、肉厚5mmの管状に加工し、その全面に実施例1と同様の手順により、ケイ化処理を行った試験用鋼線材焼鈍用均熱管を得た。ケイ化部の厚みは2mmであった。
【0071】
(比較例6)
参考と同一材質の等方性黒鉛基材(東洋炭素(株)製)を使用し、参考と同様に、図6に示すような外径40mm、肉厚5mmの管状に加工し、試験用鋼線材焼鈍用均熱管を得た。
【0072】
(実施例
高温焼成用治具の一例として、焼成炉用棚板を例にとり、高温焼成用治具について説明する。炭素基材として、嵩密度1.77g/cm、平均細孔半径が1.5μm、曲げ強度が400kgf/cmの等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を、450×350×4.0mmの形状に加工し、全面にわたり実施例1と同様の手順により、ケイ化処理を行い、試験用焼成炉用棚板を得た。ケイ化部の厚みは2.0mmであった。BCを含む最外表層部は10μmであった。
【0073】
(比較例7)
実施例と同一材質の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を使用し、実施例と同形状に加工し、試験用焼成炉用棚板を得た。
【0074】
参考
炭素基材として、嵩密度1.85g/cm 、平均細孔半径が1.7μm、曲げ強度が530kgf/cm 、熱伝導率110kcal/hm ℃の等方性黒鉛(東洋炭素(株)製)を、図7に示す形状を有するホットプレス用ダイスおよびパンチに加工し、実施例1と同様の手順により、ケイ化処理を行った試験用ホットプレス用ダイスを得た。ケイ化部の厚みは3.0mmであった。BCを含む最外表層部は10μmであった。
【0075】
(比較例8)
参考と同一材質、同一形状の等方性黒鉛基材(東洋炭素(株)製)を使用し、試験用ホットプレス用ダイスを得た。
【0076】
上記実施例1〜3、参考例1〜5及び比較例1〜8で得られた各試験用製品をそれぞれの用途に適した試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0077】
【表1】
Figure 0004166350
【0078】
表1からも明らかなように、実施例1〜3、参考例1〜5は、比較例1〜8のものに対して良好な製品を長時間製造するに耐えうることができるものである。
【0079】
【発明の効果】
請求項1〜3記載の本発明は、炭素質基材、最外表層部に厚みが1〜50μmである炭化ホウ素−炭化ケイ素−複合炭素層、SiC含有複合層に厚みが1mm以上である炭化ケイ素含有層が形成されてなる耐酸化性の炭化ホウ素ー炭化ケイ素複合炭素材料を形成することを基本とするものであり、従来のCVD法、転化法、焼結法等とは異なり、比較的容易に炭素質基材の表層部の任意の場所や全体に形成でき、CVD法により得られる被覆層と同等の緻密な、耐酸化性に優れたBC−SiC複合炭素材料とすることができる。また、本発明のBC−SiC複合炭素材料は、上記最外表層部のSiC/BC比(重量%)を、SiC/B4 C=78〜9〜22に設定したものであり、深さ方向に均一な層を形成できる。従って、上記の効果を経済性を考慮しつつ確実に発揮させることができる。
【0080】
また、請求項4記載の発明は、本発明に係るB4 C−SiC複合炭素材料を、焼結用ルツボの外面に形成させることにより、ルツボ外表面をがす不透過性の酸化保護皮膜で被覆し、ルツボ自身の寿命を伸ばすとともに、ルツボ外部からの不純物ガスの侵入を防ぎ、ルツボ内部の焼結用金属の純度を維持する効果を得ることができる。。
【0081】
また、請求項5記載の発明は、本発明に係るB4 C−SiC複合炭素材料を、真空蒸着用ルツボとして、ルツボ内面に形成させることにより、耐酸化性が向上し、ルツボ内の蒸着用溶融金属との反応を抑制することが可能となり、寿命の延命化を図ることができる。
【0086】
また、請求項記載の発明は、本発明に係るBC−SiC複合炭素材料を、高温焼成用治具、例えば、金属ロウ付け用治具や、焼成炉用棚板等の高温雰囲気下で使用される熱処理用治具の全面に形成させることにより、処理品への浸炭を抑制するとともに、治具の経時形状変化が抑制でき、処理品の製品寸法精度が一定に確保する事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した焼結用ルツボの概略図である。
【図2】実施例で使用した真空蒸着用ルツボの概略図である。
【図3】実施例で使用した連続鋳造用ダイスの概略斜視図である。
【図4】実施例で使用した金属溶融用ルツボの概略図である。
【図5】実施例で使用したガラス管搬送用ローラーの概略図である。
【図6】実施例で使用した鋼線材焼鈍用均熱管の概略図である。
【図7】実施例で使用したホットプレス用治具の概略図である。
【符号の説明】
1 焼結用ルツボ
11 真空蒸着用ルツボ
21 連続鋳造用ダイス
31 金属溶融用ルツボ
41 ガラス管搬送用ローラー
52 鋼線材焼鈍用均熱管
61 ホットプレス用ダイス

Claims (6)

  1. 炭素質基材の表層部に厚み1mm以上の炭化ケイ素含有複合層が形成されて、
    前記炭化ケイ素含有複合層の上に厚み3〜20μmである炭化ホウ素ー炭化ケイ素含有複合層が形成されてなり、
    前記炭化ホウ素−炭化ケイ素含有複合層の炭化ホウ素と炭化ケイ素の2成分についての組成比(重量%)が、炭化ケイ素/炭化ホウ素=78〜97/3〜22であることを特徴とする耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料。
  2. 前記炭素質基材の表面に金属Siが存在していないことを特徴とする請求項1記載の耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料。
  3. 前記炭化ケイ素含有複合層における前記炭化ケイ素化率が深さ方向に略均一である請求項1記載の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合炭素材料を表層部の一部又は全部に用いてなる焼結用ルツボ。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合炭素材料を表層部の一部又は全部に用いてなる真空蒸着用ルツボ。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の複合炭素材料を表層部の一部又は全部に用いてなる高温焼成用治具。
JP33590598A 1998-06-26 1998-11-26 耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具 Expired - Lifetime JP4166350B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33590598A JP4166350B2 (ja) 1998-06-26 1998-11-26 耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10-180263 1998-06-26
JP18026398 1998-06-26
JP33590598A JP4166350B2 (ja) 1998-06-26 1998-11-26 耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000086374A JP2000086374A (ja) 2000-03-28
JP4166350B2 true JP4166350B2 (ja) 2008-10-15

Family

ID=26499854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33590598A Expired - Lifetime JP4166350B2 (ja) 1998-06-26 1998-11-26 耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4166350B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009256153A (ja) * 2008-04-21 2009-11-05 Bridgestone Corp 炭化珪素粉体の製造方法及び製造装置
WO2015117991A1 (de) * 2014-02-06 2015-08-13 Kgt Graphit Technologie Gmbh Schutzschicht für pecvd-boote aus graphit
US11753347B2 (en) * 2019-10-14 2023-09-12 Corning Incorporated Rapid forming of glass and ceramics
CN113816755B (zh) * 2021-10-14 2023-09-01 西安鑫垚陶瓷复合材料有限公司 二维碳化硅/碳化硅复合材料棒料及连接件制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000086374A (ja) 2000-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0686333U (ja) 拡散炉構成要素
JPH10279376A (ja) 炭素−炭化ケイ素複合材料を用いた連続鋳造用部材
JP4166350B2 (ja) 耐酸化性の炭化ホウ素−炭化ケイ素複合炭素材料及びそれを用いた焼結用ルツボ、真空蒸着用ルツボ及び高温焼成用治具
CA1152536A (en) Dense sintered silicon carbide ceramic
TW202116703A (zh) 耐火物
JPH0513116B2 (ja)
JP3522810B2 (ja) 炭素−セラミック複合体及びその製造方法
JP4037969B2 (ja) 窒化ホウ素を被覆した炭化ケイ素ー炭素複合材を用いた黒鉛製品
US3287478A (en) Method of sintering aluminum nitride refractories
JP4382919B2 (ja) シリコン含浸炭化珪素セラミックス部材の製造方法
JPH10212182A (ja) 炭素−炭化ケイ素複合材料及びその製造方法
JP2007530408A (ja) 固化材料を案内又は搬送するための耐熱性物品及びその製造方法
JP3378608B2 (ja) 半導体製造用治具のための炭化珪素質基材の製造方法
JPH03146470A (ja) 炭化ケイ素質材料
JP2000351679A (ja) 炭化ケイ素質多孔体の製造方法および炭化ケイ素質多孔体
JPH10236893A (ja) 炭化ケイ素被覆炭素材料
JP4170544B2 (ja) 窒化ホウ素分散炭化ケイ素−炭素複合材
JP6309526B2 (ja) 炭素材料及びこの炭素材料を用いた熱処理用治具
JP7047239B1 (ja) 黒鉛材料の製造方法
JPH11180788A (ja) 耐酸化性の炭素−炭化ケイ素複合材料及びその複合材料を用いた加熱用部品
KR100610821B1 (ko) 리퀴드 메탈 잉곳 주조용 흑연도가니의 표면처리방법 및 슬립조성물
JP3482480B2 (ja) 耐酸化性に優れた黒鉛−炭化珪素複合体及びその製造方法
JP4002325B2 (ja) 炭化ケイ素焼結体の製造方法
JPH0571541B2 (ja)
JPH0116790B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040913

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070315

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080122

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080321

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080729

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080730

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110808

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120808

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130808

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term