JP4165276B2 - パルスモータの駆動装置、パルスモータの駆動方法、計時装置及び計時装置の制御方法 - Google Patents

パルスモータの駆動装置、パルスモータの駆動方法、計時装置及び計時装置の制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パルスモータの駆動装置、パルスモータの駆動方法,計時装置及び計時装置の制御方法に係り、特に電磁発電装置を備えたアナログ時計などに用いられるパルスモータの駆動装置及びパルスモータの駆動方法並びにアナログ時計等の計時装置及び計時装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、腕時計のような計時装置(電子時計)の技術革新はめざましく、消費電力についても現在、0.5μW程度にまで抑えられるようになってきた。ここで、消費電力の内訳を考えてみると、電気回路系で消費される電力が全体の2割であって、残りの8割が運針等を行うパルスモータであるので、さらなる低消費電力化を図るためには、このパルスモータで消費される電力を抑えることが鍵であると考えられる。
【0003】
そこで、従来の計時装置(電子時計)にあっては、パルスモータに駆動電流を供給した後に、その駆動電流によってパルスモータが実際に回転したか否かを検出し、回転していなければ、強制的に回転させるとともに、次回に供給する駆動電流を増加させる一方、一定期間経過すれば、駆動電流を低下させる構成となっていた。これにより、パルスモータへの駆動電流の実効値は、マクロ的にみれば、消費電力が増加する方向と低下する方向とが均衡する地点、すなわち、パルスモータが回転し得る下限値付近でバランスするため、余分な電力の消費が抑えられて、パルスモータにおける低消費電力化が図られていた。
【0004】
しかしながら、近年、時計外部で発生している磁界が、パルスモータの回転に悪影響を与える点が指摘されている。すなわち、上述のようにパルスモータへの駆動電流の実効値は回転可能な下限値付近でバランスしており、そこに、外部の磁界が加わると、駆動電流による発生磁界が弱められて、回転しないといった不具合が指摘されている。
【0005】
また、最近では、発電を行う発電機構を内蔵した電子時計も登場しつつある。このような発電機構は、簡単に言えば、手振りなどによる往復運動を回転運動に変換し、この回転を磁化されたロータに伝達させて、コイルに起電力を生じさせるものであるため、時計体内部で発生する磁界もパルスモータの回転に悪影響を及ぼすことになる。
【0006】
さらに、磁界による深刻な影響は、単に、回転しない、という点だけにとどまらない。上述のように、電子時計にあっては、パルスモータに駆動電流を供給した後に、その駆動電流によってパルスモータが実際に回転したか否かを検出する構成となっている。このような検出機構は、機械的構成も考えられるが、空間的制約の厳しい時計体では、パルスモータのコイルに回転後の減衰振動に伴う電流が誘起されるか否かで判別するという電気的構成が妥当であると考えられる。
【0007】
しかし、このようにパルスモータの回転を電気的に検出する構成において、磁界が発生していると、減衰振動による誘起電流のほかに、磁界による誘起電流もコイルに重畳されるので、実際には、回転していないにもかかわらず、回転したと誤検出してしまうことがある。
【0008】
上述のように、低消費電力化を図る電子時計にあっては、一定期間経過すると駆動電流の実効値を低下させるが、実効値を低下させると、当然に非回転となる状態になりやすい。ここで、上記誤検出の発生確率は、分母が回転として検出した場合の集合であって、分子が実際には非回転の場合の集合で示される。したがって、非回転となる状態になりやすいとは、分子が大きくなることを意味するので、上記誤検出の発生確率が高まることを意味することにほかならない。そして、実際に誤検出が発生すると、強制的な回転が行われないので、時間表示の精度に重大な影響を与えることになる。すなわち、従来の低消費電力化を図った電子時計では、磁界が発生していると、精度が著しく低下する、という問題があった。
【0009】
これを解決すべく、第1の従来例としてのPCT国際公開WO98/41906号公報に記載された発電装置を有するアナログ電子時計においては、運針の動作期間に、発電装置による発電が検出された場合には、確実に運針ができるように実効電力の大きな補正駆動パルス信号を出力している。そして、補正駆動パルス信号を出力した場合には、実効電力の大きな補正駆動パルス信号により生じた磁界を減少させるために消磁パルス信号を出力している。
【0010】
また、第2の従来例としてのEP−0704774−A1号公報に記載された発電装置を有するアナログ電子時計においては、低消費電力化を図るために、通常駆動パルス信号のデューティ比を定期的に下げて、より実効電力の小さな通常駆動パルス信号を出力するようにしている。
【0011】
さらに、低消費電力化および低パワー化を図るために、蓄電装置の電圧が、予め定められた電圧に対して高電圧であると判断されるときには、通常駆動パルス信号の出力期間中における通常駆動パルス信号を構成するパルス数(以下、歯数という)を少なくした実効電力の小さな通常駆動パルス信号を出力する。また、蓄電装置の電圧が、予め定められた電圧に対して低電圧であると判断されるときには、歯数を多くした実効電力の大きな通常駆動パルス信号を出力している。そして、通常駆動パルス信号の歯数を切り替える際には、前回運針時のデューティ比を変更せずに切り替えている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1の従来例においては、補正駆動パルス信号の実効電力が大きいため、消費電力も大きくなり、特に発電装置を有するアナログ電子時計の場合には、補正駆動パルス信号の出力回数が多いと継続運針の時間が短縮されてしまうという問題点がある。
【0013】
さらに、補正駆動パルス信号は、実効電力が大きいため、消磁パルス信号を出力しても残留磁界による影響をなくすことができない場合がある。そして、そのような場合には、残留磁界の影響により次回運針時の通常駆動パルス信号のロスが大きくなり実質的な実効電力が低下してしまうため、指針駆動モータが非回転となる割合が増加する。このような場合に、発電装置等においてノイズが発生すると指針駆動モータの回転検出において、実際に指針駆動モータが回転していないのに回転したと判断されてしまう、いわゆる運針不良の発生が増加してしまうという問題がある。
【0014】
また、上記第2の従来例においては、デューティ比が、前回の変更タイミングにおいて指針駆動モータの駆動が可能となる通常駆動パルス信号のデューティ比の下限値である最下限デューティ比に設定されている場合でも、今回の変更タイミングにおいてデューティ比を下げてしまうため、指針駆動モータが、次回の駆動タイミングにおいて回転できないこともある。
【0015】
そのような場合には、確実な運針を確保すべく実効電力の大きな補正駆動パルス信号が出力されるため、消費電力が大きくなり、さらに上述した運針不良の発生も増加してしまうという問題がある。
【0016】
さらに、上記第2の従来例においては、通常駆動パルス信号の歯数を切り替える際に、前回運針時のデューティ比を変更せずに切り替えているため以下に説明するような影響がある。
【0017】
すなわち、通常駆動パルス信号の歯数ごとに示される指針駆動モータの作動領域を電源電圧とデューティ比との関係を考慮すると、通常駆動パルス信号の歯数が第1の歯数である場合に、各デューティ比において指針駆動モータが作動する電源電圧の下限値を表した第1の曲線と、通常駆動パルス信号の歯数が第2の歯数(<第1の歯数)である場合に各デューティ比において指針駆動モータが作動する電源電圧の下限値を表した第2の曲線と、を想定した場合、第1の曲線に基づけば、作動領域に属するデューティ比であっても、第2の曲線に基づけば非作動領域に属するデューティ比となってしまう場合がある。
【0018】
従って、通常駆動パルス信号の歯数の切り替えが行われると、指針駆動モータが作動せずに非回転となる場合が発生する。このような場合に、発電装置等においてノイズが発生すると指針駆動モータの回転検出において、実際に指針駆動モータが回転していないのに回転したと判断されてしまう、いわゆる運針不良の発生が増加してしまうという問題が生じる。
【0019】
そこで、本発明の目的は、消費電力を低減しつつ、計時精度を向上させることが可能なパルスモータの駆動装置、パルスモータの駆動方法,計時装置及び計時装置の制御方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様は、パルスモータ近傍の磁界を検出する磁界検出ユニットと、パルスモータの駆動電力実効値を制御する制御ユニットと、パルスモータが回転したか否かを検出する回転検出ユニットとを具備するパルスモータの駆動装置であって、制御ユニットは、回転検出ユニットによってパルスモータが回転していないと検出された場合には、駆動電力実効値を増加させる処理を行うとともに、一定期間毎に駆動電力実効値を低下させる処理を行い、一方磁界検出ユニットによって磁界が検出されたときには、前記駆動電力実効値を低下させる処理を中断することを特徴としている。
【0021】
さらに本発明の第1の態様の制御ユニットは、駆動電力実効値の増減を行うに際し、駆動電流の実効値を増減することを特徴としている。
【0022】
また本発明の第1の態様の制御ユニットは、駆動電力実効値の増減を行うに際し、駆動電圧の実効値を増減することを特徴としている。
【0023】
また本発明の第1の態様の制御ユニットは、駆動電力実効値の増減を行うに際し、パルスモータを駆動する駆動パルスのデューティを増減することを特徴としている。
【0024】
また本発明の第1の態様の制御ユニットは、駆動電力実効値の増減を行うに際し、パルスモータを駆動する駆動パルスの単位時間当たりのパルス数を増減することを特徴としている。
【0025】
また本発明の第1の態様の制御ユニットは、磁界検出ユニットによって磁界が検出された場合には、パルスモータを強制的に回転させることを特徴としている。
【0026】
また本発明の第1の態様の制御ユニットは、磁界検出ユニットによって磁界が検出された場合には、パルスモータに対し、実効値を制御した駆動電流の供給を停止することを特徴としている。
【0027】
また本発明の第1の態様の制御ユニットは、回転検出ユニットによってパルスモータが回転していないと検出された場合には、パルスモータを強制的に回転させることを特徴としている。
【0028】
また本発明の第1の態様は一定周期で計数を行う計数ユニットを備え、計数ユニットは、磁界検出ユニットによって磁界が検出されると、当該計数値を初期値に戻し、あるいは、計数を中断し、制御ユニットは、前記計数値が所定の値に至ると、駆動電力の実効値を低下させる処理を行うことを特徴としている。
【0029】
また本発明の第1の態様の回転検出ユニットは、パルスモータのコイルに誘起される電流に基づいて回転したか否かを検出することを特徴としている。
【0030】
また本発明の第1の態様の磁界検出ユニットは、パルスモータのコイルに誘起される電流に基づいて磁界を検出することを特徴としている。
【0031】
また本発明の第1の態様の磁界検出ユニットは、パルスモータへ駆動電流が供給される前に、パルスモータ近傍の磁界を検出し、回転検出ユニットは、パルスモータへ駆動電流が供給された後に、そのパルスモータが回転したか否かを検出することを特徴としている。
【0032】
また本発明の第1の態様はパルスモータに駆動電力を供給するための電力を発電する発電ユニットを有し、磁界検出ユニットは、発電に伴う電流の電流状態を直接的にあるいは間接的に検出することによりパルスモータ近傍の磁界を検出することを特徴としている。
【0033】
また本発明の第1の態様は、パルスモータに駆動電力を供給するための電力を発電する発電ユニットと、発電ユニットにより発電された電力を蓄電する蓄電ユニットと、を有し、磁界検出ユニットは、蓄電ユニットの蓄電に伴う蓄電電流の電流状態を直接的にあるいは間接的に検出することによりパルスモータ近傍の磁界を検出することを特徴としている。
【0034】
また本発明の第1の態様の磁界検出ユニットは、パルスモータ近傍の磁界を検出する磁気センサを備えたことを特徴としている。
【0035】
本発明の第2の態様は、パルスモータ近傍の磁界を検出する磁界検出回路と、パルスモータへの駆動電力実効値を制御する制御回路と、パルスモータが回転したか否かを検出する回転検出回路とを具備するパルスモータの駆動装置であって、制御回路は、回転検出回路によってパルスモータが回転していないと検出された場合には、駆動電力の実効値を増加させる処理を行うとともに、一定期間毎に駆動電力実効値を低下させる処理を行い、一方磁界検出回路によって磁界が検出されたときには、前記駆動電力実効値を低下させる処理を中断することを特徴としている。
【0036】
さらに本発明の第2の態様の回転検出回路は、パルスモータの回転により誘起される電流に基づいて、パルスモータが回転したか否かを検出することを特徴としている。
【0037】
また本発明の第2の態様の制御ユニットは、駆動電力実効値の増減を行うに際し、駆動電流の実効値を増減することを特徴としている。
【0038】
本発明の第3の態様は、パルスモータ近傍の磁界を検出し、パルスモータの駆動電力実効値を制御し、パルスモータが回転したか否かを検出し、
前記パルスモータが回転していないと検出された場合には、前記駆動電力実効値を増加させる処理を行うとともに、一定期間毎に前記駆動電力実効値を低下させる処理を行い、一方前記磁界が検出されたときには、前記駆動電力実効値を低下させる処理を中断することを特徴としている。
【0039】
また本発明の第3の態様は、駆動電力実効値の増減を行うに際し、駆動電流の実効値を増減することを特徴とするパルスモータの駆動方法。
【0040】
また本発明の第3の態様は、駆動電力実効値の増減を行うに際し、駆動電圧の実効値を増減することを特徴としている。
【0041】
また本発明の第3の態様は、駆動電力実効値の増減を行うに際し、パルスモータを駆動する駆動パルスのデューティを増減することを特徴としている。
【0042】
また本発明の第3の態様は、駆動電力実効値の増減を行うに際し、パルスモータを駆動する駆動パルスの単位時間当たりのパルス数を増減することを特徴としている。
【0043】
また本発明の第3の態様は、磁界が検出された場合には、パルスモータを強制的に回転させることを特徴としている。
【0044】
また本発明の第3の態様は、磁界が検出された場合には、パルスモータに対し、実効値を制御した駆動電流の供給を停止することを特徴としている。
【0045】
また本発明の第3の態様は、パルスモータが回転していないと検出された場合には、パルスモータを強制的に回転させることを特徴としている。
【0046】
また本発明の第3の態様は、一定周期で計数を行い、磁界が検出されると、当該計数値を初期値に戻し、あるいは、計数を中断し、前記計数値が所定の値に至ると、駆動電力の実効値を低下させる処理を行うことを特徴としている。
【0047】
また本発明の第3の態様は、パルスモータのコイルに誘起される電流に基づいて回転したか否かを検出することを特徴としている。
【0048】
また本発明の第3の態様は、パルスモータのコイルに誘起される電流に基づいて磁界を検出することを特徴としている。
【0049】
また本発明の第3の態様は、パルスモータへ駆動電流が供給される前に、パルスモータ近傍の磁界を検出し、パルスモータへ駆動電流が供給された後に、そのパルスモータが回転したか否かを検出することを特徴としている。
【0050】
また本発明の第3の態様は、パルスモータに駆動電力を供給するための電力を発電し、発電に伴う電流量を検出することによりパルスモータ近傍の磁界を検出することを特徴としている。
【0051】
また本発明の第3の態様は、パルスモータに駆動電力を供給するための電力を発電し、発電された電力を蓄電し、蓄電に伴う蓄電電流量を検出することによりパルスモータ近傍の磁界を検出することを特徴としている。
【0052】
本発明の第4の態様は、運針を行うパルスモータと、パルスモータ近傍の磁界を検出する磁界検出ユニットと、パルスモータへの駆動電力の実効値を制御する制御ユニットと、パルスモータが回転したか否かを検出する回転検出ユニットとを具備する計時装置であって、前記制御ユニットは、前記回転検出手段によって前記パルスモータが回転していないと検出された場合には、前記駆動電力実効値を増加させて前記パルスモータを強制的に回転させるとともに、一定期間毎に前記駆動電力実効値を低下させる処理を行い、一方前記磁界検出手段によって磁界が検出されたときには、前記駆動電力実効値を低下させる処理を中断させて前記パルスモータを強制的に回転させることを特徴としている。
【0053】
さらに本発明の第4の態様の制御ユニットは、駆動電力実効値の増減を行うに際し、駆動電流の実効値を増減することを特徴としている。
【0054】
また本発明の第4の態様の回転検出ユニットは、パルスモータの回転により誘起される電流に基づいて、パルスモータが回転したか否かを検出することを特徴としている。
【0055】
また本発明の第4の態様は、電力を発電する発電ユニットを備え、この起電力をパルスモータの駆動源とすることを特徴としている。
【0056】
また本発明の第4の態様の発電ユニットは、旋回運動を行う回転錘と、回転錘の旋回運動により交流起電力を発生させる発電素子とを備えることを特徴としている。
【0057】
本発明の第5の態様は、電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する計時装置において、電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出する交流磁界検出ユニットと、交流磁界検出ユニットの検出結果に基づいて、モータを駆動するための通常駆動パルス信号のデューティ比を制御するデューティ制御ユニットとを備え、デューティ制御ユニットは、交流磁界検出ユニットによって交流磁界が検出されたときに、通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定することを特徴としている。
【0058】
また本発明の第5の態様は、電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電ユニットと、蓄電ユニットに対する充電を検出する充電検出ユニットとを備え、交流磁界検出ユニットは、予め定められた検出対象期間において充電検出ユニットが充電を検出したときに、電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出することを特徴としている。
【0059】
また本発明の第5の態様は、モータが回転したか否かを検出する回転検出ユニットと、回転検出ユニットによりモータが非回転であると検出された場合に、通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号をモータに出力する補正駆動パルス出力ユニットとを備えたことを特徴としている。
【0060】
さらに本発明の第5の態様は、補正駆動パルス出力ユニットにより出力された補正駆動パルス信号の残留磁界を消磁するパルス信号である消磁パルス信号を出力する消磁パルス出力ユニットを備えたことを特徴としている。
【0061】
さらに本発明の第5の態様において予め定められた検出対象期間の開始タイミングは、前回の運針処理期間において消磁パルス信号が出力されたタイミングあるいは出力されるべきタイミングの直後から今回の運針処理期間において出力される通常駆動パルス信号の出力直前までのいずれかに含まれるタイミングであり、予め定められた検出対象期間の終了タイミングは、今回の運針処理期間において出力される通常駆動パルス信号の出力直前から当該通常駆動パルス信号の出力直後までのいずれかに含まれるタイミングであることを特徴としている。
【0062】
さらに本発明の第5の態様のデューティ設定ユニットは、予め定められた検出対象期間、かつ、通常駆動パルス信号の出力期間において、交流磁界が検出されたときに、出力中の当該通常駆動パルス信号を構成する複数のパルスのうち交流磁界を検出したタイミングにおいて未出力のパルスのデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定することを特徴としている。
【0063】
また本発明の第5の態様は、蓄電ユニットの電圧を検出する電圧検出ユニットと、電圧検出ユニットにより検出された検出電圧と予め定められた基準電圧とを比較することによって、通常駆動パルス信号の出力期間における当該通常駆動パルス信号を構成するパルスのパルス数を選択して切り替える歯数選択ユニットとを備えたことを特徴としている。
【0064】
さらに本発明の第5の態様の歯数選択ユニットは、基準電圧を境にして切り替えられる二つのパルス数のうち、検出電圧が基準電圧よりも低い場合には、パルス数の多い方を選択し、検出電圧が基準電圧よりも高い場合には、パルス数の少ない方を選択することを特徴としている。
【0065】
さらに本発明の第5の態様は、基準電圧を境にして切り替えられる二つのパルス数のうち、パルス数の多い方に対応する通常駆動パルス信号が、パルス数の少ない方に対応する通常駆動パルス信号よりも大きな実効電力を有するように設定されていることを特徴としている。
【0066】
本発明の第6の態様は、電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する計時装置の制御方法において、電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出する交流磁界検出工程と、交流磁界検出工程の検出結果に基づいて、モータを駆動するための通常駆動パルス信号のデューティ比を制御するデューティ制御工程とを備え、デューティ制御工程は、交流磁界検出工程によって交流磁界が検出されたときに、通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定することを特徴としている。
【0067】
さらに本発明の第6の態様の計時装置は、電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電装置を備え、蓄電装置に対する充電を検出する充電検出工程を備え、交流磁界検出工程は、予め定められた検出対象期間において充電検出工程が充電を検出したときに、電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出することを備えたことを特徴としている。
【0068】
また本発明の第6の態様は、モータが回転したか否かを検出する回転検出工程と、回転検出工程によりモータが非回転であると検出された場合に、通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号をモータに出力する補正駆動パルス出力工程とを備えたことを特徴としている。
【0069】
さらに本発明の第6の態様は、補正駆動パルス出力工程により出力された補正駆動パルス信号の残留磁界を消磁するパルス信号である消磁パルス信号を出力する消磁パルス出力工程を備えたことを特徴としている。
【0070】
さらに本発明の第6の態様における予め定められた検出対象期間の開始タイミングは、前回の運針処理期間において消磁パルス信号が出力されたタイミングあるいは出力されるべきタイミングの直後から今回の運針処理期間において出力される通常駆動パルス信号の出力直前までのいずれかに含まれるタイミングであり、予め定められた検出対象期間の終了タイミングは、今回の運針処理期間において出力される通常駆動パルス信号の出力直前から当該通常駆動パルス信号の出力直後までのいずれかに含まれるタイミングであることを特徴としている。
【0071】
さらに本発明の第6の態様のデューティ設定工程は、予め定められた検出対象期間、かつ、通常駆動パルス信号の出力期間において、交流磁界が検出されたときに、出力中の当該通常駆動パルス信号を構成する複数のパルスのうち交流磁界を検出したタイミングにおいて未出力のパルスのデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定することを特徴としている。
【0072】
また本発明の第6の態様は、蓄電装置の電圧を検出する電圧検出工程と、
電圧検出工程により検出された検出電圧と予め定められた基準電圧とを比較することによって、通常駆動パルス信号の出力期間における当該通常駆動パルス信号を構成するパルスのパルス数を選択して切り替える歯数選択工程と
を備えたことを特徴としている。
【0073】
さらにまた本発明の第6の態様は、歯数選択工程は、基準電圧を境にして切り替えられる二つのパルス数のうち、検出電圧が基準電圧よりも低い場合には、パルス数の多い方を選択し、検出電圧が基準電圧よりも高い場合には、パルス数の少ない方を選択することを特徴としている。
【0074】
さらに本発明の第6の態様は、基準電圧を境にして切り替えられる二つのパルス数のうち、パルス数の多い方に対応する通常駆動パルス信号が、パルス数の少ない方に対応する通常駆動パルス信号よりも大きな実効電力を有するように設定されていることを特徴としている。
【0075】
本発明の第7の態様は、電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する計時装置において、電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電ユニットと、蓄電ユニットに対する充電を検出する充電検出ユニットと、モータに対して出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を設定し、充電検出ユニットによって充電が検出された場合に、モータを駆動するためのデューティ比の下限値である最下限デューティ比よりも高いデューティ比である予め定めた設定下限デューティ比以上の値にデューティ比を設定するデューティ設定ユニットとを備えたことを特徴としている。
【0076】
さらに本発明の第7の態様は、モータが回転したか否かを検出するモータ回転検出ユニットと、モータ回転検出ユニットによりモータの回転が検出された場合には、通常駆動パルス信号の実効電力を下げる処理を行い、モータ回転検出ユニットによりモータの非回転が検出された場合には、通常駆動パルス信号の実効電力を上げる処理を行うことを特徴としている。
【0077】
また本発明の第7の態様の回転検出ユニットは、パルスモータの回転により誘起される電流に基づいて、パルスモータが回転したか否かを検出することを特徴としている。
【0078】
本発明の第8の態様は、電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する計時装置において、電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電ユニットと、モータに対して出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を設定するに際し、モータを駆動するためのデューティ比の下限値である最下限デューティ比よりも高いデューティ比である予め定めた設定下限デューティ比以上のデューティ比にデューティ比を設定するデューティ設定ユニットとを備えたことを特徴としている。
【0079】
さらに本発明の第8の態様は、充電検出ユニットの検出結果に基づいて非充電時間をカウントし、カウントした非充電時間が、予め定められた時間以上になったときに、非充電時間のカウントを停止する非充電時間カウンタユニットを備えたことを特徴としている。
【0080】
さらに本発明の第8の態様の非充電時間カウンタユニットは、予め定められた時間未満のときに、計時装置が携帯状態であるとみなす携帯モード設定信号を出力し、デューティ設定ユニットは、携帯モード設定信号が入力された場合に、デューティ比を設定下限デューティ比以上の値に設定することを特徴としている。また本発明の第8の態様の非充電時間カウンタユニットは、予め定められた時間以上のときに、計時装置が非携帯状態であるとみなす非携帯モード設定信号を出力し、デューティ設定ユニットは、非携帯モード設定信号が入力された場合に、デューティ比を最下限デューティ比以上の値に設定することを特徴としている。
【0081】
また本発明の第8の態様のデューティ設定ユニットは、非充電時間カウンタユニットが、予め定められた時間以上になったときに、設定下限デューティ比を、設定下限デューティ比よりも低いデューティ比、かつ、最下限デューティ比以上のデューティ比である第二の設定下限デューティ比に変更することを特徴としている。
【0082】
また、本発明の第8の態様はモータが回転したか否かを検出する回転検出ユニットと、回転検出ユニットによりモータが非回転であると判断された場合に、通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな駆動パルス信号である補正駆動パルス信号をモータに出力する補正駆動パルス出力ユニットとを備えたことを特徴としている。
【0083】
本発明の第9の態様は、電磁発電装置から供給される電力に基づいてモータを駆動するとともに、電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電装置を備えた計時装置の制御方法において、蓄電装置に対する充電を検出する充電検出工程と、モータに対して出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を設定し、充電検出工程によって充電が検出された場合に、モータを駆動するためのデューティ比の下限値である最下限デューティ比よりも高いデューティ比である予め定めた設定下限デューティ比以上の値にデューティ比を設定するデューティ設定工程とを備えたことを特徴としている。
【0084】
さらに本発明の第9の態様は、充電検出工程の検出結果に基づいて非充電時間をカウントし、カウントした非充電時間が、予め定められた時間以上になったときに、非充電時間のカウントを停止する非充電時間カウンタ工程を備えたことを特徴としている。
【0085】
さらに本発明の第9の態様の非充電時間カウンタ工程は、予め定められた時間未満のときに、計時装置が携帯状態であるとみなす携帯モード設定信号を出力し、デューティ設定工程は、携帯モード設定信号が入力された場合に、デューティ比を設定下限デューティ比以上の値に設定することを特徴としている。
【0086】
また本発明の第9の態様の非充電時間カウンタ工程は、予め定められた時間以上のときに、計時装置が非携帯状態であるとみなす非携帯モード設定信号を出力し、デューティ設定工程は、非携帯モード設定信号が入力された場合に、デューティ比を最下限デューティ比以上の値に設定することを特徴としている。
【0087】
また本発明の第9の態様のデューティ設定工程は、非充電時間カウンタ工程が、予め定められた時間以上になったときに、設定下限デューティ比を、設定下限デューティ比よりも低いデューティ比、かつ、最下限デューティ比以上のデューティ比である第二の設定下限デューティ比に変更することを特徴としている。
【0088】
また、本発明の第9の態様は、モータが回転したか否かを検出する回転検出工程と、回転検出工程によりモータが非回転であると判断された場合に、通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな駆動パルス信号である補正駆動パルス信号をモータに出力する補正駆動パルス出力工程とを備えたことを特徴としている。
【0089】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照して発明を実施するための最良の形態について説明する。
[1] 第1実施形態
まず、本発明による第1実施形態について説明する。
【0090】
[1.1] 電子時計(計時装置)の全体構成
図1に、本発明の第1実施形態にかかる駆動回路を適用した電子時計の電気的構成ブロック図を示す。
【0091】
この電子時計について概説すると、コイル110の両端子AG1、AG2において発生した交流起電力を整流して二次電源130に充電する。
つづいて二次電源130の電圧を昇圧回路140によって必要に応じて昇圧し、補助コンデンサ150に充電する。
【0092】
そして補助コンデンサ150から供給される電圧を電源電圧Vssとして、処理回路200などの回路各部の電源とするものである。
ここで、処理回路200は、後述するように、時刻表示機能のために運針を行うパルスモータや、それを駆動するための駆動回路などから構成されるものである。
【0093】
[1.2] 電子時計の各部の構成
次に、電子時計の各部について説明する。
まず、コイル110を含む発電機構について説明する。
図2に示されるように、発電機構100は、コイル110が巻回されたステータ112と、2極磁化されたディスク状のロータ114とを備えている。
電子時計を装着したユーザが手を振ると、回転錘116が旋回運動し、当該運動が輪列機構118によってロータ114を回転させる構成となっている。
したがって、このような発電機構100によれば、回転錘116の旋回によってコイル110の端子AG1、AG2の間には交流起電力が発生することとなる。
【0094】
説明を図1に戻すと、コイル110の一方の端子AG1は、ダイオードD1を介して基準レベルVddに接地されるとともに、nチャネル型電界効果型トランジスタ121のドレインおよび同型トランジスタ122のゲートに接続されている。
【0095】
一方、コイル110の他方の端子AG2は、ダイオードD2を介して接地されるとともに、トランジスタ122のドレインおよびトランジスタ121のゲートに接続されている。
【0096】
また、二次電源130および昇圧回路140の高電圧側は接地される一方、低電圧側は電圧Vtkとしてトランジスタ121、122の各ソースに接続されている。
このように、本第1実施形態では、負電源を採用しているが、正電源でも良いのはもちろんである。
【0097】
ここで、コイル110の端子AG1における電位が発電機構100の発電によって端子AG2の電位よりも十分に高い場合、トランジスタ121がオフし、トランジスタ122がオンするので、電流がAG1→ダイオードD1→二次電源130→トランジスタ122→AG2→AG1という閉ルートで流れて、二次電源130を充電する。
【0098】
また、コイル110の端子AG2における電位が端子AG1の電位よりも十分に高い場合、トランジスタ121がオンし、トランジスタ122がオフするので、電流がAG2→ダイオードD2→二次電源130→トランジスタ121→AG1→AG2いう閉ルートで流れて、二次電源130を充電する。
このようにコイル110の両端子AG1、AG2において発生した交流電力は、全波整流されるので、効率的に二次電源130に充電されることとなる。
【0099】
なお、リミッタ回路160は、二次電源130の過充電を防止するものであり、詳細には、充電により上昇した二次電源130の電圧が定格値以上になると、通電状態となって充電電流をバイパスさせるものである。
【0100】
[1.3] 処理回路の構成
次に、処理回路200の構成について図3を参照して説明する。
図3に示すように、処理回路200は、パルスモータ210と、そのための駆動回路220とから構成される。このうち、パルスモータ210は、2極磁化された永久磁石からなるロータ211を挟むように主磁極212、213が対向しており、これらの主磁極212、213は、コイル214が巻回された継鉄215にそれぞれ接続されて、1組のステータを構成している。
【0101】
ここで、主磁極212、213の円弧部212a、213aは、ロータ211の回転中心に対して偏心しているので、ロータ211の静止時における磁極位置が主磁極212、213に対し偏位するように構成されている。
【0102】
そして、このパルスモータ210にあっては、後述する駆動パルスによって電流が、端子T1から端子T2に、端子T2から端子T1に交互に1秒毎に流れるので、主磁極212、213にN極、S極が交互に発生する。このため、ロータ211の磁極は、その都度、主磁極212、213に対して反発・吸引するので、ロータ211は、1秒に180度ずつ回転することになる。そして、この回転が輪列機構(図示省略)を介し秒針、分針、時計針等に伝達されて、時刻等を表示するようになっている。
【0103】
一方、駆動回路220は、複数の要素から構成され、このうち、制御回路230は、パルスモータ210の駆動を制御するものである。そのため、制御回路230は、ドライバ232を備えている。ここで、ドライバ232の構成について図4を参照して説明すると、コイル214の一方の端子T1は、抵抗R1およびトランジスタSTr1を介して基準レベルVddに接地されるとともに、トランジスタPtr1を介して接地される一方、トランジスタNtr1を介して電源電圧Vssに接続されている。同様に、コイル214の他方の端子T2は、抵抗R2およびトランジスタStr2を介して接地されるとともに、トランジスタPtr2を介して接地される一方、トランジスタNtr2を介して電源電圧Vssに接続されている。
【0104】
ここで、説明の便宜上、トランジスタStr1、Str2、Ptr1、Ptr2、Ntr1、Ntr2のゲート信号をそれぞれSG1、SG2、PG1、PG2、NG1、NG2とする。これらのゲート信号は、制御回路230によって制御されて、後述するように、パルスモータ210の駆動パルスや、磁界検出、回転検出などに用いられることなる。
【0105】
さて、説明を図3に戻すと、コイル214の一方の端子T1は、インバータ241を介してオアゲート243の一方の端子に入力されている。また、コイル214の他方の端子T2は、インバータ242を介してオアゲート243の他方の端子に入力されている。アンドゲート244の一方の端子には制御回路230からの信号CSP1が、他方の端子にはオアゲート243の出力信号が、それぞれ供給されている。そして、ラッチ回路245は、アンドゲート244の出力信号をセットする一方、その保持信号を制御回路230に供給するとともに、その保持信号を、制御回路230からの信号FEGLでリセットする。
【0106】
ここで、アンドゲート244の出力信号が「H」レベルとなるのは、信号CSP1がアクティブとなっている場合であって、コイル214の端子T1、T2のうち少なくとも一方の電圧レベルがインバータ241、242のしきい値電圧を下回った場合である。このような場合は、後述するように、パルスモータ210近傍に発生した磁界によってコイル214に電流が誘起されていることを意味している。
【0107】
そこで、ラッチ回路245は、アンドゲート244の出力信号をセットして、その信号がわずかな時間でも「H」レベルとなればこれを保持して、制御回路230に、磁界の発生を通知する構成となっている。この構成により、制御回路230は、信号CSP1をアクティブとした場合に、パルスモータ210近傍に磁界が発生しているか否かを認識することができるようになっている。
【0108】
一方、コンパレータ251は、コイル214の端子T1または端子T2の電圧レベルと、検出レベルVcomとを比較して、その比較結果を出力する。アンドゲート254の一方の端子には制御回路230からの信号CSP2が、他方の端子にはコンパレータ251の出力信号が、それぞれ供給されている。そして、ラッチ回路255は、アンドゲート254の出力信号をセットする一方、その保持信号を制御回路230に供給するとともに、その保持信号を、制御回路230からの信号FEGLでリセットする。
【0109】
ここで、アンドゲート254の出力信号が「H」レベルとなるのは、信号CSP2がアクティブとなっている場合であって、コイル214の端子T1または端子T2の電圧レベルが検出レベルVcomよりも低くなった場合である。このような場合について、簡単に説明すると、駆動パルスによってロータ211が回転すると、その駆動パルスによる電流とは逆方向に誘起電流が流れる。この誘起電流を電圧(チョッパ)増幅した負レベルが検出レベルVcomより低くなった場合に、ロータ211が実際に回転したと検出するため、ラッチ回路255は、アンドゲート254の出力信号をセットして、その信号がわずかな時間でも「H」レベルとなればこれを保持して、制御回路230に、ロータ211の回転を通知する構成となっている。この構成により、制御回路230は、信号CSP2をアクティブとした場合に、ロータ211が実際に回転したか否かを認識することができるようになっている。
【0110】
なお、信号FEGLは、パルスモータ210が1秒分の180度回転した後に供給されるパルス信号である。これにより、ラッチ回路245、255がリセットされて、次の磁界検出および回転検出に備えられることとなる。
【0111】
一方、分周器270は、図7に示されるように、10秒周期のクロック信号CKを入力して、その反転信号の立ち下がりで1/8分周するものである。このため、分周器270の出力信号Qは、通常、80秒毎に立ち上がる。ただし、分周器270は、オアゲート260の出力信号によりリセットされるので、信号RSが「H」レベルとなった場合、あるいは、磁界が検出されてラッチ回路245の出力信号が「H」レベルとなった場合には、そのカウントがリセットされるようになっている。
【0112】
次に、アップ・ダウンカウンタ280は、分周器270の出力信号Qの立ち上がりでダウンカウントする一方、制御回路230の信号USの立ち上がりでアップカウントして、そのカウント結果を例えば4ビットで制御回路230に供給するものである。制御回路230は、このカウント結果に応じて駆動パルスの幅を設定して、パルスモータ210の電流実効値を制御する。
【0113】
なお、信号RSは、時刻修正などのリセット期間においてアクティブとなる信号であり、その目的は、分周器270のカウント動作をリセットしないと、時刻修正時でもアップ・ダウンカウンタ280がダウンカウントされて、最適な値でバランスしている電流実効値が1ランク下げられてしまうので、これを防止するためである。
【0114】
[1.4] 制御回路等の動作
次に、この制御回路230等の動作について、図5のタイミングチャートおよび図6のフローチャートを参照して説明する。なお、図5においては、あくまでも説明のために、出力されるパルスをすべて示したものに過ぎず、図示されるパルスが常に出力されることを意図するものではない。
【0115】
さて、図5に示されるように、制御回路230は、パルスモータ210のコイル214の端子T1および端子T2側を1秒毎に交互に駆動する。そこで、説明の便宜上、まず、端子T1側を駆動する場合について説明する。
【0116】
まず、運針タイミングt12よりも先行するタイミングt11に至るとステップSa1の判別結果が「Yes」になる。
これにより、制御回路230は、パルスモータ210近傍に高周波磁界、すなわち、商用電源に起因した磁界が発生しているか否かを判別するため、ゲート信号PG1を「H」レベルにして、サンプリングパルスSP0の出力を開始する(ステップSa2)とともに、信号CSP1(図3参照)を「H」レベルにしてアクティブとする。
【0117】
ここでいう高周波磁界とは、家電製品におけるスイッチのオン/オフ時や電気毛布の温度コントローラの作動時に発生する電磁ノイズ(スイッチングノイズ)のようなスパイク状の電磁ノイズであって、不定期に発生するものである(以下、同様)。
【0118】
このため、図4におけるトランジスタPtr1がオフとなるが、この状態において、パルスモータ210近傍に高周波磁界が発生していると、その発生磁界によってコイル214に電流が誘起されるため、端子T1の電圧レベルがこの誘起電流に応じて負側に引き込まれる一方、高周波磁界が発生していなければ、端子T1の電圧レベルが負側に引き込まれない。
【0119】
ここで、負側に引きまれたときの電圧レベルVrs0がインバータ241(図3参照)のしきい値電圧を下回ると、オアゲート243の出力信号が「H」レベルとなり、これが信号CSP1により開いたアンドゲート244を介してラッチ回路245によって保持される。
【0120】
そこで、制御回路230は、ラッチ回路245による保持信号が「H」レベルになれば、その時点で高周波磁界が発生していると判別する一方、サンプリングパルスSP0のパルス幅に相当する期間が経過しても依然として「L」レベルであれば、高周波磁界が発生していないと判別することとなる(ステップSa3)。
【0121】
なお、この判別は、商用電源に起因した高周波磁界の検出を目的とするものであるので、サンプリングパルスSP0のパルス幅は、商用電源(50〜60Hz)の1周期分をカバーする20msec以上に設定するのが望ましい。
【0122】
ステップSa3の判別において、高周波磁界が発生していると判別した場合、その目的が達成されたことになるので、以降の高周波磁界検出用のサンプリングパルスSP0の出力に伴う不必要な電力の消費を防止すべく、制御回路230は、ゲート信号PG1を「L」レベルにして、サンプリングパルスSP0の出力を停止する(ステップSa4)。
【0123】
そして、信号CSP1(図3参照)を「L」レベルにする。
また、ラッチ回路245の出力信号によって、分周器270のカウント動作がリセットされる(ステップSa8)。
【0124】
一方、高周波磁界が発生していないと判別した場合、制御回路230は、次にパルスモータ210近傍に一般的な交流磁界、例えば、他の機器のスイッチングノイズや発電機構100などに起因する磁界が発生しているか否かを判別すべく、ゲート信号PG2に対して断続的なサンプリングパルスSP1の出力を開始する(ステップSa5)。
【0125】
ここでいう交流磁界とは、商用電源で作動する家電製品等から発生する50[Hz]あるいは60[Hz]の磁界あるいはシェーバー等のモータの回転に伴い発生する数100[Hz]〜数k[Hz]の磁界のことである(以下、同様)。
【0126】
このため、図4におけるトランジスタPtr1はオンするが、トランジスタPtr2が断続的にオンオフを繰り返すことになる。ここで、交流磁界が発生している場合において、トランジスタPtr2がオンしているとき、その磁界による誘起電流が接地→トランジスタPtr1→コイル214→トランジスタPtr2→接地という閉ルート、および、この方向とは逆向きの閉ルートで交互に流れるが、トランジスタPtr2がオフした瞬間にそれ以上の電流が流れようとするため、結果的に、磁界による誘起電流が、チョッパ増幅された電圧レベルVrs1として端子T2に現れることになる。
【0127】
ここで、電圧レベルVrs1がインバータ242(図3参照)のしきい値を下回ると、オアゲート243の出力信号が「H」レベルとなり、これが信号CSP1により開いたアンドゲート244を介してラッチ回路245によって保持される。
【0128】
そこで、制御回路230は、ラッチ回路245による保持信号が「H」レベルになれば、その時点で交流磁界が発生していると判別する一方、サンプリングパルスSP1の断続期間を経過しても依然として「L」レベルであれば、交流磁界も発生していないと判別することとなる(ステップSa6)。
【0129】
ステップSa6の判別において、交流磁界が発生していると判別した場合、その目的が達成されたことになるので、以降の交流磁界検出用のサンプリングパルスSP1の出力に伴う不必要な電力の消費を防止すべく、制御回路230は、サンプリングパルスSP1の出力を停止する(ステップSa7)。
そして、信号CSP1(図3参照)を「L」レベルにする。また、ラッチ回路245の出力信号によって、1/8分周器270のカウント動作がリセットされる(ステップSa8)。
【0130】
一方、交流磁界が発生していないと判別した場合、制御回路230は、今回の高周波磁界および交流磁界の検出を終了すべく、信号CSP1を「L」レベルにした後、運針タイミングt12に至るまで待機する(ステップSa9)。
そして、運針タイミングt12に至ると、制御回路230は、ゲート信号PG1、NG1に対して、現時点におけるアップ・ダウンカウンタ280のカウント結果に応じたパルス幅の駆動パルスK1を出力する(ステップSa10)。
【0131】
これにより、端子T1の電圧レベルが負の電源電圧Vssに引き込まれる結果、駆動パルスK1のパルス幅に相当する実効値の電流が端子T2から端子T1の方向に流れるので、原則的には、パルスモータ210のロータ211が180度回転するはずである。ただし、現時点におけるアップ・ダウンカウンタ280のカウント結果や、ロータ211にかかる負荷の変化などによっては、駆動パルスK1のパルス幅に相当する電流実効値が十分でないために、ロータ211が回転しない場合もあり得る。
【0132】
そこで、制御回路230は、ロータ211が駆動パルスK1によって実際に回転したか否かを検出するため、ゲート信号PG1に対しては、断続的なサンプリングパルスSP2の出力を開始し、ゲート信号SG1に対しては、サンプリングパルスSP2の反転パルスの出力を開始する(ステップSa11)とともに、信号CSP2(図3参照)を「H」レベルにしてアクティブとする。このため、図4におけるトランジスタPtr2はオンとなるが、トランジスタPtr1、Str2は互いに排他的にオンオフを繰り返すことになる。
【0133】
ここで、ロータ211が駆動パルスK1により180度回転した場合において、トランジスタPtr1がオン、トランジスタStr2がオフしているとき、その回転および減衰振動によって、コイル214には、駆動パルスK1による電流とは逆方向の電流が流れる。すなわち、電流は、接地→トランジスタPtr1→コイル214→トランジスタPtr2→接地という閉ルートで流れる。しかし、次の瞬間にトランジスタPtr1がオフ、トランジスタStr2がオンすると、コイル214には、それまで以上の電流が流れようとするため、結果的に、駆動パルスK1による電流とは逆方向に電圧増幅された電圧レベルVrs2が、端子T1に現れることになる。
【0134】
一方、ロータ211が駆動パルスK1により180度回転しない場合、上述のような逆方向の電流が誘起されないので、電圧レベルVrs2が端子T1に現れない。
ここで、電圧レベルVrs2が、図3におけるコンパレータ251の検出電圧Vcomを下回ると、その出力オアゲート243の出力信号が「H」レベルとなり、これが信号CSP2により開いたアンドゲート254を介してラッチ回路255によって保持される。
【0135】
そこで、制御回路230は、ラッチ回路255の保持信号が「H」レベルとなれば、その時点でロータ211が回転したと判別する一方、サンプリングパルスSP2の断続期間を経過しても依然として保持信号が「L」レベルであれば、ロータ211が回転していないと判別することとなる(ステップSa12)。
【0136】
この判別において、ロータ211が回転したと判別した場合、その時点で目的が達成されたことになるので、以降の不必要な電力の消費を防止すべく、制御回路230は、サンプリングパルスSP2の出力を停止する(ステップSa13)とともに、信号CSP2(図3参照)を「L」レベルにする。
【0137】
一方、ロータ211が回転していないと判別した場合、次回の運針タイミングでも同じ幅の駆動パルスK1でロータ211を回転させようとしても、同様に非回転となる蓋然性が極めて高い。このため、制御回路230は、電流実効値を上昇させるべく、1ショットの信号USを出力して、アップ・ダウンカウンタ280をアップカウントする(ステップSa14)とともに、この非回転を保証すべく、ロータ211を強制的に駆動させる。
【0138】
具体的には、制御回路230は、タイミングt13まで待機した後(ステップSa15)、ゲート信号PG1、NG1に対して、確実にロータ211が回転する程度のパルス幅を有する強制駆動パルスP2とともに、それに続く補正パルスPrをそれぞれ出力する(ステップSa16)。なお、補正パルスPrは、強制駆動パルスP2のみによる過回転を防止する意味で印加される。
【0139】
これにより、実質的に、端子T1の電圧レベルが負の電源電圧Vssに引き込まれる一方、端子T2は接地レベルを維持するので、ロータ211が回転するに十分な実効値の電流が端子T2から端子T1の方向に流れる結果、ロータ211が確実に180度回転することとなる。このような強制的回転によって、ロータ211が駆動パルスK1で回転しなかった場合でも、その回転が強制駆動パルスP2およびそれに続く補正パルスPrによって保証されることとなる。
【0140】
そして、このようにロータ211が強制的に回転させられた場合には、強制駆動パルスP2によって残留磁界が残るので、これを消去すべく、制御回路230は、ゲート信号PG2、NG2に消磁パルスPEを出力する。
【0141】
ところで、パルスモータ210近傍に高周波磁界あるいは交流磁界が発生している場合に、駆動パルスK1でロータを回転させようとしても、主磁極212、213で発生する磁界が、高周波磁界あるいは交流磁界によって弱められて回転しない可能性が高い。
【0142】
さらに、サンプリングパルスSP2によって、ロータ211の回転を検出する際には、コイル214には高周波磁界あるいは交流磁界による誘起電流が重畳されるため、実際にはロータ211が回転していないのにもかかわらず、回転したと誤検出してしまう可能性もある。この誤検出が発生すると、当然のことながら強制駆動パルスP2による電流がコイル214に供給されないので、運針が行われないこととなり、時刻表示の精度を著しく低下させてしまう。
【0143】
特に、本第1実施形態の電子時計のように、パルスモータ210が磁極の反発・吸引により回転するタイプであって、端子T1、T2側を交互に駆動する構成にあっては、ひとたび誤検出が発生すると、次回の駆動タイミングにおけるロータ211の磁極位置が、主磁極212、213の磁極方向に対して吸引・吸引となって安定となるために、次回の運針タイミングにおいてもロータ211が回転しないことになる。
したがって、ひとたび、誤検出が発生すると、1秒運針の場合、2秒の運針ミスが発生することになる。
【0144】
このような誤検出を防止するため、パルスモータ210近傍に高周波磁界あるいは交流磁界が発生していることを判別した場合には、制御回路230は、ロータ211が非回転と判別した場合と同様に、タイミングt12において、ゲート信号PG1、NG1に対し、強制駆動パルスP2およびそれに続く補正パルスPrをそれぞれ出力し(ステップSa15、16)、この後、ゲート信号PG2、NG2に消磁パルスPEを出力する。すなわち、駆動パルスK1ではなく、強制駆動パルスP2による電流によってロータ211が回転することとなる。
【0145】
なお、非回転の場合とは異なり、アップ・ダウンカウンタ280のアップカウントは実行されない。この理由は、非回転の場合では、駆動パルスK1のパルス幅を拡げなければ、すなわち、駆動パルスK1の実効電力を増加しなければ以後非回転状態が継続すると考えられるので、アップ・ダウンカウンタ280をアップカウントする必要があるからである。
これに対し、磁界の発生は一過性のものと考えられるので、消費電力の増加に直結するアップカウントを敢えて実行する必要性が乏しいからである。
【0146】
さて、駆動パルスK1によってロータ211が回転したと判別して、サンプリングパルスSP2の出力を停止した後、あるいは、強制的駆動パルスP2によってロータ211を強制的に回転させた後、制御回路230は、次の運針に備えるために、パルス信号FEGLを出力して、ラッチ回路245、255の保持内容をリセットする(ステップSa17)。
【0147】
そして、このような端子T1側を駆動する動作が終了すると、次回において端子T2側を駆動するように出力極性の反転設定が行われる(ステップSa18)。このため、次回、端子T2側を駆動する動作が、タイミングt21、t22、t23を基準にして同様にして実行される結果、端子T1側を駆動する動作と、端子T2側を駆動する動作とが、1秒毎に交互に実行されることとなる。
【0148】
このように、制御回路230は、パルスモータ210近傍に磁界が発生していないと判別すれば、運針のタイミングt12(t22)において、アップ・ダウンカウンタ280のカウント結果に応じたパルス幅の駆動パルスK1をコイル214に供給した後、ロータ211が回転したか否かを判別する。そして、ロータ211が回転していないと判別すれば、強制駆動パルスP2および補正パルスPrを出力して、ロータ211を強制的に回転させる。一方、制御回路230は、パルスモータ210近傍に磁界が発生していると判別すれば、分周器270のカウント動作をリセットするとともに、強制駆動パルスP2および補正パルスPrを出力して、ロータ211を強制的に回転させる。
【0149】
ここで、分周器270のカウント動作がリセットされ、それが解除されてから(信号FEGLが出力されてから)、その出力信号が立ち上がるのは、図7に示されるように、31〜40秒後となる。すなわち、ひとたび磁界が検出されてから、駆動パルスK1による駆動電流の実効値が1ランクダウンされるまでの時間は、再び磁界が検出されないことを条件として、31〜40秒後となる。
【0150】
さて、このような電子時計について消費電力の点について考察すると、駆動パルスK1を出力してもロータ211が回転しなければ、アップ・ダウンカウンタ280がアップカウントされるので、消費電力は増加する方向に働く一方、通常では分周器270の出力周期である80秒が経過すると、アップ・ダウンカウンタ280がダウンカウントされるので、消費電力は低下する方向に働くことになる。したがって、アップ・ダウンカウンタ280のカウント結果に対応する駆動パルスK1のパルス幅で規定される電流実効値は、消費電力が増加する方向と低下する方向とが均衡する地点、すなわち、ロータ211が回転可能な下限値付近でバランスすることとなる。このため、余分な電力の消費が抑えられて低消費電力化が図られる。
【0151】
また、本第1実施形態にあっては、高周波磁界や交流磁界が発生していると判別されると、分周器270のカウントがリセットされる構成となっている(ステップSa8)。これに対し、磁界の有無にかかわらず、80秒毎にダウンカウンタ280をダウンカウントする構成にした場合、次のような問題があると考えられる。
【0152】
上述のように、駆動パルスK1のパルス幅で規定される電流実効値は、ロータ211が回転可能な下限値付近でバランスするため、80秒が経過して電流実効値を下げると、ロータ211の非回転状態となりやすい。
このように非回転状態となりやすい状態において、さらに、パルスモータ210近傍に磁界が発生していると、当然のことながら、ロータ211が回転していないにもかかわらず、その発生磁界によって誘起される電流がコイル214に重畳される。
その結果、回転したものと誤検出してしまう可能性も高くなる、と考えられる。
【0153】
一方、本第1実施形態では、磁界が発生していれば、分周器270のカウントがリセットされるので、磁界が発生しているかぎり、ダウンカウンタ280がダウンカウントされないこととなる。
したがって、電流実効値が現状に維持される結果、そもそも、誤検出となる可能性が高い領域へ遷移することがなくなるので、パルスモータの回転誤検出が未然に防止されることとなる。
【0154】
なお、磁界が発生しているかぎり、ダウンカウンタ280がダウンカウントされないようにする構成としては、この他に、
▲1▼ 磁界が発生している期間、クロック信号CKの入力を禁止するなどして分周器270のカウント動作を停止させる構成
▲2▼ 分周器270をカウンタに置換して、通常では、その計数値が所定の値に至ると、アップ・ダウンカウンタ280をダウンカウントさせる一方、磁界が発生すると、そのカウンタをリセットするとともに、初期値をセットする構成
などが考えられる。
【0155】
さらに、本第1実施形態では、磁界が発生していると判別されれば、上述のように強制駆動パルスP2および補正パルスPrによってロータ211が強制的に回転させられるので、運針の確実性が担保されることとなる。
【0156】
また、本第1実施形態にかかる電子時計にあっては発電機構100を内蔵する。したがって、パルスモータ210のロータ211が回転したか否かを検出するにあたって悪影響を及ぼす磁界には、時計体外部の磁界のみならず、時計体内部で発生する磁界も含まれることになる。
【0157】
ここで、発電機構100のコイル110とパルスモータ210のコイル214とを互いに直交して配置させれば、コイル110における磁束がコイル214に影響を及ぼさないので、少なくとも時計体内部で発生する磁界の影響を排除することができる。しかし、実際問題として、腕時計のように制約の大きい空間に両コイルを実装する場合には、両者を直交させて配置することは困難であり、また、実際に用いるコイルは理想的ではないので、漏れ磁束も発生する。
これに対し本第1実施形態によれば、電子時計の内部、外部を問わず、磁界の影響による回転の誤検出を未然に防止することが可能である。
【0158】
[1.5] 第1実施形態の変形例
[1.5.1] 第1変形例
なお、本実施形態にあっては、パルスモータ210へ供給する駆動電流の実効値を駆動パルスK1のパルス幅で制御する構成としたが、パルス幅を制御した駆動パルスK1の替わりに、一定期間において一定幅パルス数を増減して出力する構成としても良い。この構成によっても、アップ・ダウンカウンタ280のカウント結果に応じてデューティ比が規定されるので、パルスモータ210に供給される駆動電流の実効値が制御されることとなる。
【0159】
[1.5.2] 第2変形例
また、本第1実施形態においては、磁界の検出をパルスモータ210のコイル214に誘起される電流により検出を行う構成としたが、ホール素子などの磁気センサを用いても良いのはもちろんである。ただし、構成の共通性が薄れるので、腕時計のように空間の制約が厳しい機器の適用には不向きである。
【0160】
[1.5.3] 第3変形例
さらに、本第1実施形態においては、ロータ211の回転検出をパルスモータ210のコイル214に誘起される電流により検出を行う構成としたが、ロータ211の回転に誘起される電流に基づいて検出する構成、例えば、ロータ211に接続されるエンコーダを用いても良い。ただし、磁気の検出と同様に、構成の共通性が薄れるので、腕時計のように空間の制約が厳しい機器の適用には不向きである。
【0161】
[1.5.4]第4変形例
くわえて、本第1実施形態にあっては、発電機構により発電された電力を充電する主体を二次電源130としたが、電力を蓄電することが可能なものであれば、大容量コンデンサでも良い。また、発電機構としては、図2に示されるもののほか、太陽電池や、熱発電素子、圧電発電素子など、あらゆる型式のものが適用可能である。
【0162】
[1.5.5] 第5変形例
また、パルスモータ210は、実施形態にかかる例では、主磁極212、213がロータ211から見てギャップが設けられたタイプであったが、ロータ211の静止位置を定めるノッチが設けられた一体型としても良い。
【0163】
[1.5.6] 第6変形例
以上の説明においては、ゲート信号SG1、SG2、PG1、PG2、NG1、NG2は、制御回路230によって制御されて、磁界検出を含む各種検出に用いられていたが、発電機構における発電に伴う電流状態(電流量あるいは電圧)を検出することによりパルスモータ近傍の磁界を検出するように構成することも可能である。
【0164】
例えば、発電に伴う電流状態としては、リミッタ回路160が動作し、充電により上昇した二次電源130の電圧が定格値以上になり、充電電流をバイパスさせる場合における電流量など、発電によって何らかの電流が流れた場合の電流量も含まれる。従って、二次電源(=蓄電手段)の蓄電に伴う蓄電電流量を検出することによりパルスモータ近傍の磁界を検出する場合もこれに含まれることとなる。
【0165】
また、発電に伴う電流状態として電圧を用いる場合には、例えば、図3中に破線で示すように、充電検出回路13(詳細については、後述の第2実施形態及び図10の関連説明参照)を設け、発電電流が充電電流として流れる際に発生する電圧を検出すればよい。これにより、充電検出回路13は、発電に伴う電圧検出時に“H”レベルの充電検出結果信号SAを3入力構成を採ったOR回路260に出力して1/8分周器をリセットすることができ、電圧を用いてパルスモータ近傍の磁界を検出することが可能となる。
【0166】
[2] 第2実施形態
次に本発明の第2実施形態について図面を参照して説明する。
[2.1] 第2実施形態の全体構成
図8に、本発明の第2実施形態におけるアナログ電子時計1の全体構成を示す。
アナログ電子時計1は、腕時計であって、使用者は装置本体に連結されたベルトを手首に巻き付けて使用するようになっている。
【0167】
アナログ電子時計1は、大別すると、交流電力を発電する発電部Aと、発電部Aからの交流電圧を整流して蓄電し、蓄電電圧を昇圧して各構成部分へ電力を給電する電源部Bと、発電部Aの発電状態を検出し、検出結果に基づいて装置全体を制御する制御部Cと、指針を駆動する運針機構Dと、制御部Cからの制御信号に基づいて運針機構Dを駆動する駆動部Eとを備えて構成されている。
【0168】
この場合において、制御部Cは、発電部Aの発電状態に応じて、運針機構Dを駆動して時刻表示を行う表示モードと、運針機構Dへの給電を停止して電力を節電する節電モードとを切り換えるようになっている。また、節電モードから表示モードへの移行は、ユーザがアナログ電子時計1を手に持ってこれを振ることによって、強制的に移行されるようになっている。
【0169】
以下、各構成部分について説明する。なお、制御部Cについては機能ブロックを用いて後述する。
まず、発電部Aは、大別すると、発電装置40と、ユーザの腕の動きなどを捉えて装置内で旋回し、運動エネルギーを回転エネルギーに変換する回転錘45と、回転錘の回転を発電に必要な回転数に変換(増速)して発電装置40側に伝達する増速用ギア46とを備えている。
【0170】
発電装置40は、回転錘45の回転が増速用ギア46を介して発電用ロータ43に伝達され、発電用ロータ43が発電用ステータ42の内部で回転することにより、発電用ステータ42に接続された発電コイル44に誘起された電力を外部に出力する電磁誘導型の交流発電装置として機能している。
したがって、発電部Aは、使用者の生活に関連したエネルギーを利用して発電を行い、その電力を用いてアナログ電子時計1を駆動できるようになっている。
次に、電源部Bは、整流回路47と、大容量コンデンサ48と、昇降圧回路49とを備えて構成されている。
【0171】
昇降圧回路49は、複数のコンデンサ49a、49bおよび49cを用いて多段階の昇圧および降圧ができるようになっており、制御部Cからの制御信号φ11によって駆動部Eに供給する電圧を調整することができる。
また、昇降圧回路49の出力電圧はモニタ信号φ12によって制御部Cにも供給されており、これによって出力電圧をモニタできると共に、出力電圧の微小な増減によって発電部Aが発電を行っているか否かを制御部Cにより判断できるようにしている。
ここで、電源部Bは、Vdd(高電位側)を基準電位(GND)に取り、Vss(低電位側)を電源電圧として生成している。
【0172】
上記説明では、昇降圧回路49の出力電圧をモニタ信号φ12を介してモニタすることにより発電検出を行っているが、昇降圧回路を設けない回路構成においては、大容量コンデンサ48の低電位側電源電圧VTKNを直接モニタすることによっても発電検出を行うことが可能である。
【0173】
次に運針機構Dについて説明する。運針機構Dに用いられているステッピングモータ70は、パルスモータ、ステッピングモータ、階動モータあるいはデジタルモータなどとも称され、デジタル制御装置のアクチュエータとして多用されている、パルス信号によって駆動されるモータである。
【0174】
近年、携帯に適した小型の電子装置あるいは情報機器用のアクチュエータとして小型、軽量化されたステッピングモータが多く採用されている。このような電子装置の代表的なものが電子時計、時間スイッチ、クロノグラフといった計時装置である。
【0175】
本例のステッピングモータ70は、駆動部Eから供給される駆動パルスによって磁力を発生する駆動コイル71と、この駆動コイル71によって励磁されるステータ72と、さらに、ステータ72の内部において励磁される磁界により回転するロータ73を備えている。
【0176】
また、ステッピングモータ70は、ロータ73がディスク状の2極の永久磁石によって構成されたPM型(永久磁石回転型)で構成されている。ステータ72には、駆動コイル71で発生した磁力によって異なった磁極がロータ73の回りのそれぞれの相(極)75および76に発生するように磁気飽和部77が設けられている。
【0177】
また、ロータ73の回転方向を規定するために、ステータ72の内周の適当な位置には内ノッチ78が設けられており、コギングトルクを発生させてロータ73が適当な位置に停止するようにしている。
【0178】
ステッピングモータ70のロータ73の回転は、かなを介してロータ73に噛合された五番車51、四番車52、三番車53、二番車54、日の裏車55および筒車56からなる輪列50によって各針に伝達される。四番車52の軸には秒針61が接続され、二番車54には分針62が接続され、さらに、筒車56には時針63が接続されている。ロータ73の回転に連動してこれらの各針によって時刻が表示される。輪列50には、さらに、年月日などの表示を行うための伝達系など(不図示)を接続することももちろん可能である。
次に、駆動部Eは制御部Cの制御の基にステッピングモータ70に様々な駆動パルスを供給する。
【0179】
より詳細には、制御部Cからそれぞれのタイミングで極性およびパルス幅の異なる制御パルスを印加することにより、駆動コイル71に極性の異なる駆動パルスを供給したり、あるいは、ロータ73の回転検出用および磁界検出用の誘起電圧を励起する検出用のパルスを供給することができるようになっている。
【0180】
[2.2] 第2実施形態の制御系の機能構成
次に図9を参照して第2実施形態の制御系の機能構成について説明する。図9において、符号A〜Eは、図8に示した発電部A、電源部B、制御部C、運針機構Dおよび駆動部Eにそれぞれ対応している。
【0181】
アナログ電子時計1は、交流電力を発電する発電ユニット10と、発電ユニット10から出力される交流電圧を整流する整流回路11と、整流された電圧を蓄電する蓄電ユニット12と、蓄電ユニット12の出力電圧の昇降圧を行って得られた電圧を制御部C及び運針機構Dに供給する昇降圧回路25と、蓄電ユニット12に対する充電を検出し充電検出結果信号SAを出力する充電検出回路13と、発電ユニット10が発電することによって発生する交流磁界を検出し、発電機交流磁界検出結果信号SCを出力する発電機交流磁界検出回路14と、発電機交流磁界検出回路14の検出結果である発電機交流磁界検出結果信号SCに基づいて通常駆動パルス信号のデューティ比をアップダウンさせるためのデューティアップダウン信号SMを出力するデューティアップダウン制御回路23と、を備えて構成されている。
【0182】
さらにアナログ電子時計1は、通常駆動パルス信号SIのデューティ比を設定すべく通常駆動パルスデューティアップダウン信号SHを出力するデューティ設定カウンタ24と、アナログ電子時計1全体を制御する制御回路15と、指針を駆動するモータ17と、制御回路15から出力された通常駆動パルス信号SIに基づいてモータ17を駆動するモータ駆動回路16とを備えて構成されている。
【0183】
また、アナログ電子時計1は、確実にモータ17を回転させるために通常駆動パルス信号よりも実効電力の大きな補正駆動パルス信号SJを出力する補正駆動パルス出力回路18と、モータ17の回転および回転検出に影響を与える磁界を検出し、高周波磁界検出結果信号SEを出力する高周波磁界検出回路19および交流磁界検出結果信号SFを出力する交流磁界検出回路20と、モータ17に誘起される電圧のレベルによりモータ17が回転したか否かを検出し回転検出結果信号SGを出力する回転検出回路21と、を備えて構成されている。
【0184】
この場合においても、第1実施形態と同様に、高周波磁界とは、例えば、家電製品におけるスイッチのオン/オフ時あるいは電気毛布の温度コントローラの作動時に発生する電磁ノイズのようなスパイク状の電磁ノイズであり不定期に発生するものなどをいう。また、交流磁界とは、例えば、商用電源で作動する家電製品等から発生する50[Hz]あるいは60[Hz]の磁界、または、シェーバー等のモータの回転に伴い発生する数百〜数K[Hz]の磁界などをいう。
【0185】
また、デューティ設定カウンタ24は、発電機交流磁界検出回路14によって、発電ユニット10が発電することによって発生する交流磁界が検出された場合等に、通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高いデューティ比に設定すべくカウント値を設定する。
【0186】
このような処理を行うのは、モータが駆動可能なデューティ比である最下限デューティ比を下回ってしまう可能性があるためである。すなわち、発電検出時にデューティ比を下げると、モータが駆動可能な作動領域を外れて駆動不能領域に入ってしまうからである。
【0187】
[2.3] 充電検出回路13周辺の構成
図10に充電検出回路13の周辺の回路構成例を示す。
図10においては、充電検出回路13と、充電検出回路13の周辺回路として、交流発電を行う発電ユニット10と、発電ユニット10から出力される交流電流を整流して直流電流に変換する整流回路11と、整流回路11から出力される直流電流により蓄電する蓄電ユニット12とを図示している。
【0188】
充電検出回路13は、後述の第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとって出力するNAND回路201と、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して充電検出結果信号SAとして出力する平滑化回路202とを備えて構成されている。
【0189】
整流回路11は、発電ユニット10の一方の出力端子AG1の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第1トランジスタQ1のオン/オフ制御を行って能動整流を行わせるための第1コンパレータCOMP1と、発電ユニット10の他方の出力端子AG2の電圧を基準電圧Vddと比較することにより第2トランジスタQ2を第1トランジスタと交互にオン/オフすることにより能動整流を行わせるための第2コンパレータCOMP2と、発電ユニット10の端子AG2の端子電圧V2が予め定めた閾値電圧を超えるとオン状態となる第3トランジスタQ3と、発電ユニット10の端子AG1の端子電圧V1が予め定めた閾値電圧を超えるとオン状態となる第4トランジスタQ4と、を備えて構成されている。
【0190】
まず、充電動作について説明する。
発電ユニット10が発電を開始すると、発電電圧が両出力端子AG1、AG2に給電される。この場合、出力端子AG1の端子電圧V1と出力端子AG2の端子電圧V2は、位相が反転している。
【0191】
出力端子AG1の端子電圧V1が閾値電圧を越えると、第4トランジスタQ4がオン状態となる。この後、端子電圧V1が上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第1コンパレータCOMP1の出力は“L”レベルとなり、第1トランジスタQ1がオンすることとなる。
【0192】
一方、出力端子AG2の端子電圧V2は閾値電圧を下回っているので、第3トランジスタQ3はオフ状態であり、端子電圧V2は電源VDDの電圧未満であり、第2コンパレータCOMP2の出力は“H”レベルであり、第2トランジスタQ2はオフ状態である。
したがって、第1トランジスタQ1がオン状態となる期間において、「端子AG1→第1トランジスタ→電源VDD→蓄電ユニット12→電源VTKN→第4トランジスタQ4」の経路で発電電流が流れ、蓄電ユニット12に電荷が充電される。
【0193】
この後、端子電圧V1が下降すると、出力端子AG1の端子電圧V1は電源VDDの電圧未満となり、第1コンパレータCOMP1の出力が“H”レベルとなって、第1トランジスタQ1はオフ状態となり、出力端子AG1の端子電圧V1は第4トランジスタQ4の閾値電圧を下まわることとなり、トランジスタQ4もオフ状態となる。
【0194】
一方、出力端子AG2の端子電圧V2が閾値電圧を超えると、第3トランジスタQ3がオン状態となる。この後、端子電圧V2がさらに上昇し、電源VDDの電圧を越えると、第2コンパレータCOMP2の出力は“L”レベルとなり、第2トランジスタQ2がオンすることとなる。
【0195】
したがって、第2トランジスタQ2がオン状態となる期間において、「端子AG2→第2トランジスタQ2→電源VDD→蓄電ユニット12→電源VTKN→第3トランジスタQ3」の経路で発電電流が流れ、蓄電ユニット12に電荷が充電されることとなる。
【0196】
上述したように、発電電流が流れる際には、第1コンパレータCOMP1あるいは第2コンパレータCOMP2の出力はいずれかが“L”レベルとなっている。
そこで、充電検出回路13のNAND回路201は、第1コンパレータCOMP1及び第2コンパレータCOMP2の出力の論理積の否定をとることにより、発電電流が流れている状態で“H”レベルの信号を平滑化回路202に出力することとなる。
【0197】
この場合において、NAND回路201の出力はスイッチングノイズを含むこととなるので、平滑回路202は、NAND回路201の出力をR−C積分回路を用いて平滑化して発電検出結果信号SAとして出力するのである。
【0198】
ところで、このような充電検出回路13は、構造上、検出信号は検出ディレイを含んでいるため、これを考慮しなければ、検出漏れに伴ってモータが正常に回転しないこととなる。
そこで、本実施形態においては、検出ディレイを考慮して、モータを正常に回転させている。
【0199】
[2.4] 発電機交流磁界検出回路の構成
図11に第2実施形態の制御系の詳細構成ブロック図を示す。
発電機交流磁界検出回路14は、図11に示すように、一方の入力端子に充電検出結果信号SAが入力され、他方の入力端子に発電機交流磁界検出タイミング信号SBが入力され、充電検出結果信号SA及び発電機交流磁界検出タイミング信号SBの論理積をとって出力するAND回路14Aと、セット端子SにAND回路14Aの出力端子が接続され、リセット端子Rにモータパルス出力終了信号FEGLが入力され、出力端子Qから発電機交流磁界検出結果信号SCが出力されるラッチ回路14Bと、を備えて構成されている。
【0200】
これらの構成の結果、発電機交流磁界検出回路14は、制御回路15から“H”レベルの発電機交流磁界検出タイミング信号SBが入力される発電機交流磁界検出タイミングにおいて、充電検出回路13において充電が検出されて“H”レベルの充電検出結果信号SAが出力された場合に、ラッチ回路14Bの出力端子Qから“H”レベルの発電機交流磁界検出結果信号SCが出力される。
【0201】
その後、モータパルス出力終了時に“H”レベルのモータパルス出力終了信号FEGLが入力されることにより発電機交流磁界検出結果信号SCは“L”レベルとなる。
【0202】
[2.5] 高周波磁界検出回路及び交流磁界検出回路の構成
高周波磁界検出回路19及び交流磁界検出回路20は、ほぼ同一構成であるので、高周波磁界検出回路19を例として説明する。
高周波磁界検出回路19は、図11に示すように、モータ17の誘起電圧信号SDに基づいて誘起電圧信号SDの電圧レベルが予め定められた所定の基準電圧を超過した場合に“H”レベルの第1磁界検出信号を出力する二つの磁界検出用インバータ19A、19Bと、一方の入力端子に磁界検出用インバータ19Aの出力端子が接続され、他方の入力端子に磁界検出用インバータ19Bが接続され、磁界検出用インバータ19A、19Bのいずれか一方の出力が“H”レベルとなった場合に、“H”レベルの第2磁界検出信号を出力するOR回路19Cと、制御回路15からの検出タイミング信号が一方の入力端子に入力され、OR回路19Cの出力信号である第2磁界検出信号が他方の入力端子に入力されたAND回路19Dと、セット端子SにAND回路19Dの出力端子が接続され、リセット端子Rにモータパルス出力終了信号FEGLが入力され、出力端子Qから高周波磁界検出結果信号SEが出力されるラッチ回路19Eと、を備えて構成されている。
【0203】
これらの構成の結果、高周波磁界検出回路19は、制御回路15から“H”レベルの検出タイミング信号が入力される高周波磁界検出タイミングにおいて、いずれかの磁界検出用インバータ19A、19Bの出力が“H”レベルとなった場合に、ラッチ回路19Eの出力端子Qから“H”レベルの高周波磁界検出結果信号SEが出力される。
【0204】
その後、モータパルス出力終了時に“H”レベルのモータパルス出力終了信号FEGLが入力されることにより高周波磁界検出結果信号SEは“L”レベルとなる。
【0205】
[2.6] 回転検出回路の構成
回転検出回路21は、図11に示すように、モータ17の誘起電圧信号SDが反転入力端子に入力され、予め定めた回転判別用の基準電圧Vcomが非反転入力端子に入力され、誘起電圧信号SDの電圧が基準電圧Vcomを超過した場合に“H”レベルの原回転検出信号を出力する回転検出コンパレータ21Aと、制御回路15からの検出タイミング信号が一方の入力端子に入力され、回転検出コンパレータ21Aから原回転検出信号が他方の入力端子に入力されたAND回路21Bと、セット端子SにAND回路21Bの出力端子が接続され、リセット端子Rにモータパルス出力終了信号FEGLが入力され、出力端子Qから回転検出結果信号SGが出力されるラッチ回路21Cと、を備えて構成されている。
【0206】
これらの構成の結果、回転検出回路21は、制御回路15から“H”レベルの検出タイミング信号が入力される回転検出タイミングにおいて、回転検出コンパレータ21Aの出力である原回転検出信号が“H”レベルとなっている場合に、ラッチ回路21Cの出力端子Qから“H”レベルの回転検出結果信号SGが出力される。
【0207】
その後、モータパルス出力終了時に“H”レベルのモータパルス出力終了信号FEGLが入力されることにより回転検出結果信号SGは“L”レベルとなる。
【0208】
[2.7] デューティアップダウン制御回路及びデューティ設定カウンタの構成
デューティアップダウン制御回路23は、図11に示すように、一方の入力端子に外部からのリセット信号RSが入力され、他方の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力されるOR回路23Aと、クロック端子CLKに外部からのクロック信号CKが入力され、リセット端子RSTにOR回路23Aの出力端子が接続され、出力端子Qからクロック信号CKを1/n分周したタイミングでデューティアップダウン信号SMを構成するデューティダウン信号を出力する1/nカウンタ23Bと、一方の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、他方の入力端子に制御回路15からのデューティアップ制御信号SPが入力され、出力端子からデューティアップダウン信号SMを構成するデューティアップ信号を出力するOR回路23Cと、を備えて構成されている。
【0209】
デューティ設定カウンタ24は、アップ端子UPにOR回路23Cからのデューティアップ信号が入力され、ダウン端子DOWNに1/nカウンタ23Bからのデューティダウン信号が入力され、出力端子Q1〜Q4から4ビットの通常駆動パルスデューティアップダウン信号SHを出力する4ビットカウンタにより構成されている。
【0210】
[2.8] 第2実施形態の動作
次に、図12および図13を参照して第2実施形態の動作について説明する。
図12に動作処理フローチャートを示し、図13に動作タイミングチャートを示す。
【0211】
まず、アナログ電子時計1の制御回路15は、前回の運針時から運針の基準時間である1秒が経過したか否かを判断する(ステップS1)。
ステップS1の判断において、運針の基準時間である1秒が経過していないと判断された場合には(ステップS1;No)、再度、判断を繰り返す。
【0212】
一方、ステップS1の判断において、運針の基準時間である1秒が経過していると判断された場合には(ステップS1;Yes)、充電検出回路13は、充電検出結果信号SAを発電機交流磁界検出回路14に対して送信する(ステップS2)。
【0213】
ステップS2において、充電検出回路13から送信された信号である充電検出結果信号SAが、蓄電ユニット12において充電が行われていることを示している場合には(ステップS2;Yes)、発電機交流磁界検出回路14は、デューティアップダウン制御回路23に対して、発電ユニット10の周辺において交流磁界が検出されたことを示す発電機交流磁界検出結果信号SCを送信する。
【0214】
そして、発電ユニット10の周辺に交流磁界を検出したことを示す発電機交流磁界検出結果信号SCを受信したデューティアップダウン制御回路23は、デューティ設定カウンタ24に対して、デューティ比を、例えば1段高い値に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを送信する。
【0215】
デューティ比を1段高い値に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを受信したデューティ設定カウンタ24は、制御回路15に対して、通常駆動パルス信号Iのデューティ比を1段高い値に変更する通常駆動パルスデューティアップダウン信号SHを送信する(ステップS9)。その後、処理をステップS3に移行する。
【0216】
具体的には、図13(b)に示す充電検出結果信号SAが“H”の場合には(時刻t2から時刻t4までの間)、蓄電ユニット12において充電が行われていることを示している。
そして、発電機交流磁界検出回路14は、図13(c)に示す発電機交流磁界検出タイミング信号SBが、検出するタイミングであることを表す“H”である期間中(時刻t1から時刻t3までの間)、発電ユニット10周辺の交流磁界を検出し続け、時刻t2において交流磁界を検出したときに、図13(d)に示す発電機交流磁界検出結果信号SCを“L”から“H”にする。
【0217】
そして、発電機交流磁界検出結果信号SCが“H”に切り替えられたときに、その信号を受信したデューティアップダウン制御回路23は、デューティ設定カウンタ24に対して、デューティ比を1段高い値に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを送信する。
【0218】
一方、ステップS2において、充電検出回路13から送信された充電検出結果信号SAが、蓄電ユニット12において充電が行われていないことを示す場合には(ステップS2;No)、制御回路15は、通常駆動パルス信号Iをモータ駆動回路16に対して出力する(ステップS3)。一方、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界の検出を終了する(ステップS4)。
具体的には、制御回路15は、図13(c)に示す発電機交流磁界検出タイミング信号Bを時刻t3において“H”から“L”にする。
【0219】
次に、回転検出回路21は、モータ17の回転検出を行い、モータ17が正常に回転したか否かを判断する(ステップS5)。
ステップS5の判断において、モータ17が正常に回転した場合には(ステップS5;Yes)、制御回路15は、次回の運針時に出力する通常駆動パルス信号SIのデューティ比を後述するように調整する(ステップS10)。
【0220】
そして、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界の検出を開始する(ステップS8)。
その後、処理をステップS1に移行してアナログ電子時計1の運針を継続する。
一方、ステップS5の判断において、モータ17が正常に回転しなかった場合には(ステップS5;No)、補正駆動パルス出力回路18は、確実に運針を行うために通常駆動パルス信号SIよりも実効電力の大きい補正駆動パルス信号SJを出力する(ステップS6)。
【0221】
次に、制御回路15は、補正駆動パルス信号SJを出力したことにより生じた磁界を減少させるために、消磁パルス信号を出力する(ステップS7)。
そして、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界の検出を開始する(ステップS8)。
その後、処理をステップS1に移行してアナログ電子時計1の運針を継続する。
【0222】
[2.9] デューティ比の調整
ここで、次回の運針時に出力する通常駆動パルス信号SIのデューティ比の調整について説明する。
上述したステップS10において、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界を検出するとともに、検出結果をデューティアップダウン制御回路23へ送信する。
【0223】
そして、その検出結果に基づいて、デューティアップダウン制御回路23は、デューティ設定カウンタ24に対して、現時点において設定されているデューティ比よりも高いデューティ比に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを送信し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも低いデューティ比に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを送信する。
【0224】
そして、デューティアップダウン信号SMを受信したデューティ設定カウンタ24は、デューティ比を現時点において設定されているデューティ比の値よりも、例えば1段高い値あるいは1段低い値に設定することによって、次回の運針時に出力する通常駆動パルス信号SIのデューティ比を調整する。
【0225】
[2.10] 第2実施形態の効果
本第1実施形態においては、発電ユニット10の周辺に交流磁界が検出された場合には、デューティ比を現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定するため、交流磁界などの影響を多少受けてもモータが非回転となることを防ぐことができる。
【0226】
[2.11] 第2実施形態の変形例
なお、上述した第2実施形態においては、デューティ比を上げる場合に、現時点において設定されているデューティ比よりも1段高いデューティ比に設定しているが、1段高いデューティ比に限らず、現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも数段高いデューティ比に設定してもよい。要するに、現状の電源電圧に対して、モータが動作可能となる最低限のデューティ比以上に設定することにより、モータが非回転となることを防げればよい。
【0227】
[3] 第3実施形態
[3.1] 第3実施形態の制御系の機能構成
次に図14を参照して第3実施形態の制御系の機能構成について説明する。図14において、符号A〜Eは、図8に示した発電部A、電源部B、制御部C、運針機構Dおよび駆動部Eにそれぞれ対応している。
また、図14において、図9の第2実施形態の構成と同様の要素には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0228】
本第3実施形態の構成が、第1実施形態の構成と異なる点は、本第3実施形態のアナログ電子時計1が、第1実施形態における構成要素に加え、昇降圧回路25の出力電圧を検出する電圧検出回路85と、電圧検出回路85により検出された電圧値に基づいて、通常駆動パルス信号の出力期間中における通常駆動パルス信号を構成するパルス数(以下、歯数という)を選択して切り替えるための歯数選択信号SOを出力する歯数選択回路86とを備えて構成されている点である。
【0229】
[3.2] 第3実施形態の制御系の詳細構成
図15に第3実施形態の制御系の詳細構成ブロック図を示す。図15において図11の第2実施形態の制御系と同様の部分には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0230】
[3.2.1] 電圧検出回路の構成
電圧検出回路85は、昇降圧回路25の出力電圧である電圧Vssを予め定めた基準電圧Vkcomと比較し、電圧Vssが基準電圧Vkcomを超過した場合に“H”レベルの電圧検出信号SNを出力するコンパレータ85Aを備えて構成されている。
【0231】
[3.2.2] 歯数選択回路の構成
歯数選択回路86は、データ端子Dに電圧検出信号SNが入力され、クロック端子CLKに外部のクロック信号CK2が入力され、セット端子S及びリセット端子Rに制御回路15からの制御信号が入力され、出力端子Qから歯数選択信号SOを出力するラッチ回路86Aを備えて構成されている。
【0232】
この構成により歯数選択回路86は、制御回路15からセット端子Sあるいはリセット端子Rに制御信号が入力された直後を除き、クロック信号CK2の入力タイミングにおいて、電圧Vssが基準電圧Vkcomを超過した場合には歯数の少ない側に相当する歯数選択信号SOを出力し、電圧Vssが基準電圧Vkcom未満の場合には歯数の多い側に相当する歯数選択信号SOを出力することとなる。
【0233】
ここで、図16を参照して通常駆動パルス信号の歯数について説明する。
まず、図16(a)は、歯数が6発である通常駆動パルス信号を示し、図16(b)は、歯数が8発である通常駆動パルス信号を示す。
なお、歯数選択回路86は、昇降圧回路25の昇降圧倍率が低下する場合には、確実に駆動をさせるため、歯数を8発とし、昇降圧倍率が増加する場合には、消費電力の低減を図るべく、歯数を6発にするものとする。
【0234】
そして、t1は通常駆動パルス信号を構成するパルスの周期を示し、t2は通常駆動パルス信号のパルスが“H”である時間を示す。
ここで、通常駆動パルス信号を構成するパルスの周期t1に対する通常駆動パルス信号のパルスが“H”である時間t2の割合(t2/t1)を通常駆動パルス信号のデューティ比といい、図16(a)、(b)においては、デューティ比が同一の場合を示している。
【0235】
また、K1aは、1回の運針時に出力される歯数が6発である通常駆動パルス信号の出力時間を示し、K1bは、1回の運針時に出力される歯数が8発である通常駆動パルス信号の出力時間を示す。
例えば、通常駆動パルス信号を構成するパルスの周期t1が0.488[msec]である場合には、歯数が6発である通常駆動パルス信号の出力時間K1aは、0.488[msec]×6=2.928[msec]となる。一方、歯数が8発である通常駆動パルス信号の出力時間K1bは、0.488[msec]×8=3.904[msec]となる。
【0236】
図16に示したように、デューティ比が同じである場合においては、歯数が6発である通常駆動パルス信号の実効電力は、歯数が8発である通常駆動パルス信号の実効電力に比べて歯数が少ない分小さくなることとなる。
また、歯数選択回路86は、電圧検出回路85により検出された電圧を、予め定められた通常駆動パルス信号の歯数切替電圧(=Vkcom)と比較して、その比較結果に対応して通常駆動パルス信号の歯数を選択するとともに、選択した歯数に切り替える処理を行う。
【0237】
歯数選択回路86によって通常駆動パルス信号の歯数を切り替えられることによって、昇降圧回路25の出力する電圧Vssが、歯数切り替え電圧に対して低電圧であるときに、1回の運針時に出力される通常駆動パルス信号の歯数を多くした実効電力の大きな通常駆動パルス信号を出力し、昇降圧回路25の出力する電圧Vssが、歯数切り替え電圧に対して高電圧であるときに、1回の運針時に出力される通常駆動パルス信号の歯数を少なくした実効電力の小さな通常駆動パルス信号を出力することが可能となり、低消費電力化を図ることができる。
【0238】
また、デューティアップダウン制御回路23は、発電機交流磁界検出回路14によって、発電ユニット10が発電することによって発生する交流磁界が検出された場合には、デューティ設定カウンタ24に対して、通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持させるため、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高いデューティ比に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを出力する。
【0239】
また、デューティアップダウン制御回路23は、通常駆動パルス信号の歯数が切り替わったことにより、上述したようなモータ17の作動が不可能となる領域に属することとなった場合には、デューティ設定カウンタ24に対して、モータ17の作動が可能となるデューティ比に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを出力する。
【0240】
[3.3] 第3実施形態の動作
次に、図17の動作処理フローチャートを参照して、本第3実施形態の動作について説明する。図17において、図12の第2実施形態の動作と同様のステップには同一の符号を付している。
本第3実施形態の動作が、第2実施形態の動作と異なる点は、ステップS11およびステップS12において、電圧検出回路85により検出された電圧値に基づいて、歯数選択回路86が通常駆動パルス信号の歯数を選択して切り替える点である。
【0241】
以下に、第3実施形態の動作についての詳細な説明を記載する。
まず、アナログ電子時計1の制御回路15は、前回の運針時から運針の基準時間である1秒が経過したか否かを判断する(ステップS1)。
ステップS1の判断において、運針の基準時間である1秒が経過していないと判断された場合には(ステップS1;No)、再度、判断を繰り返す。
【0242】
一方、ステップS1の判断において、運針の基準時間である1秒が経過していると判断された場合には(ステップS1;Yes)、電圧検出回路85は、蓄電ユニット12に充電された電圧を検出する(ステップS11)。
そして、歯数選択ユニット26は、電圧検出回路85により検出された電圧と、予め定められた通常駆動パルス信号の歯数切替電圧とを比較して、その比較結果に基づいて通常駆動パルス信号の歯数を選択して切り替える(ステップS12)。
【0243】
具体的には、蓄電ユニット12に充電された電圧が、歯数切り替え電圧に対して低電圧であるきには、1回の運針時に出力される通常駆動パルス信号の歯数を多くした実効電力の大きな通常駆動パルス信号SIを出力し、蓄電ユニット12に充電された電圧が、歯数切り替え電圧に対して高電圧であるときには、1回の運針時に出力される通常駆動パルス信号の歯数を少なくした実効電力の小さな通常駆動パルス信号SIを出力する。
【0244】
次に、充電検出回路13は、充電検出結果信号SAを発電機交流磁界検出回路14に対して送信する(ステップS2)。
ステップS2において、充電検出回路13から送信された信号である充電検出結果信号SAが、蓄電ユニット12において充電が行われていることを示している場合には(ステップS2;Yes)、発電機交流磁界検出回路14は、デューティアップダウン制御回路23に対して、発電ユニット10の周辺において交流磁界が検出されたことを示す回転結果検出信号SCを送信する。
【0245】
そして、発電ユニット10の周辺に交流磁界を検出したことを示す回転検出結果信号SCを受信したデューティアップダウン制御回路23は、デューティ設定カウンタ24に対して、デューティ比を、例えばモータ17の作動が可能となる値に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを送信する。
【0246】
ここで、デューティアップダウン制御回路23は、ステップS12において通常駆動パルス信号の歯数が切り替わったことにより、上述したようなモータ17の作動が不可能となる領域に属することとなった場合には、デューティ設定カウンタ24に対して、モータ17の作動が可能となるデューティ比に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを送信する。
【0247】
具体的には、図18に示すように、通常駆動パルス信号の歯数が8発で、かつ、デューティ比が、例えば“20/32”で運針されている場合において、発電により電源電圧が上昇して歯数切替電圧である1.45[V]をわずかに超えたときには、デューティ比は“20/32”のまま変更されず、通常駆動パルス信号の歯数のみが8発から6発に変更される。この場合、通常駆動パルス信号の歯数が6発のときには、指針駆動モータが作動する領域bに属していないため、指針駆動モータは作動しないことになる。したがって、デューティアップダウン制御回路23は、図19に示すように、デューティ比をモータ17の作動が可能となる“22/32”に変更させるためのデューティアップダウン信号SMを送信する。
【0248】
そして、デューティアップダウン信号SMを受信したデューティ設定カウンタ24は、制御回路15に対して、通常駆動パルス信号SIのデューティ比を変更する通常駆動パルスデューティアップダウン信号SHを送信する(ステップS9)。
その後、処理をステップS3に移行する。
【0249】
一方、ステップS2において、充電検出回路13から送信された充電検出結果信号SAが、蓄電ユニット12において充電が行われていないことを示す場合には(ステップS2;No)、制御回路15は、通常駆動パルス信号SIをモータ駆動回路16に対して出力する(ステップS3)。一方、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界の検出を終了する(ステップS4)。
【0250】
次に、回転検出回路21は、モータ17の回転検出を行い、モータ17が正常に回転したか否かを判断する(ステップS5)。
ステップS5の判断において、モータ17が正常に回転した場合には(ステップS5;Yes)、制御回路15は、次回の運針時に出力する通常駆動パルス信号SIのデューティ比を後述するように調整する(ステップS10)。
【0251】
そして、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界の検出を開始する(ステップS8)。
その後、処理をステップS1に移行してアナログ電子時計1の運針を継続する。
【0252】
一方、ステップS5の判断において、モータ17が正常に回転しなかった場合には(ステップS5;No)、補正駆動パルス出力回路18は、確実に運針を行うために通常駆動パルス信号SIよりも実効電力の大きい補正駆動パルス信号SJを出力する(ステップS6)。
【0253】
次に、制御回路15は、補正駆動パルス信号SJを出力したことにより生じた磁界を減少させるために、消磁パルス信号を出力する(ステップS7)。
そして、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界の検出を開始する(ステップS8)。
その後、処理をステップS1に移行してアナログ電子時計1の運針を継続する。
【0254】
[3.4] 第3実施形態の効果
本第3実施形態においては、発電ユニット10の発電などにより蓄電ユニット12の電圧に変化が生じ、通常駆動パルス信号の歯数が切り替えられた場合でも、デューティ比をモータ17の作動が可能となるデューティ比に設定するため、モータが非回転となることを防ぐことができる。
【0255】
[4] 第2実施形態及び第3実施形態の変形例
[4.1] 第1変形例
なお、上述した第2実施形態及び第3実施形態においては、発電ユニットの交流磁界を検出する検出対象期間について、前回の運針処理期間における消磁パルス信号の出力直後から、今回の運針処理期間における通常駆動パルス信号の出力直後までに設定しているが、検出期間の開始タイミングは、前回の運針処理期間において消磁パルス信号が出力されたタイミングあるいは出力されるべきタイミングの直後から今回の運針処理期間において出力される通常駆動パルス信号の出力直前までのいずれかに含まれるタイミングであればよく、検出対象期間の終了タイミングは、今回の運針処理期間において出力される通常駆動パルス信号の出力直前から当該通常駆動パルス信号の出力直後までのいずれかに含まれるタイミングであればよい。交流磁界の検出期間をより短くすることによって、消費電力の節減を図ることが可能となる。
【0256】
[4.2] 第2変形例
また、上述した第2実施形態及び第3実施形態におけるデューティ設定カウンタは、発電ユニットの交流磁界を検出する検出対象期間、かつ、通常駆動パルス信号の出力期間において、交流磁界が検出されたときには、出力中の当該通常駆動パルス信号を構成する複数のパルスのうち前記交流磁界を検出したタイミングにおいて未出力のパルスのデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持するか、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定してもよい。
【0257】
[4.3] 第3変形例
また、上述した第2実施形態及び第3実施形態においては、通常駆動パルス信号のデューティ比の設定を上げる場合の判断を行うに際し、蓄電ユニット12の蓄電に伴う蓄電電流の状態を発電ユニットの発電電圧検出結果に基づいて判別していたが、蓄電電流を直接検出し、蓄電電流検出結果に基づいて判別したり、蓄電ユニット12の蓄電に伴う蓄電電流の状態を発電ユニットの発電電流検出結果に基づいて判別するように構成することも可能である。
【0258】
さらに、リミッタ回路を有するアナログ電子時計の場合には、通常駆動パルス信号のデューティ比の設定を上げる場合の判断を、発電電圧、蓄電電流あるいは発電電流に加えて、リミッタ回路の動作時には、リミッタ電流に基づいて発電が検出された場合に行ってもよい。
【0259】
[4.4] 第4変形例
また、上述した第2実施形態及び第3実施形態における発電装置の例としては、電磁誘導型発電装置、およびピエゾ素子を有する発電装置、または、電磁発電機(回転錘による場合、リューズ等を用いて発電機を駆動する場合)および浮遊電磁波受信(放送・通信電波を利用した電磁誘導型発電)等であってもよい。さらに、これらの発電装置が2種類以上併存する計時装置でもよい。なお、発電装置が2種類以上併存する場合には、上記に例示した発電装置に加え、太陽電池、または、熱電素子を有する発電装置を併存させてもよい。
【0260】
[4.5] 第5変形例
また、上述した第2実施形態及び第3実施形態においては、アナログ電子時計の計時装置を例として説明したが、腕時計や置き時計等の計時装置であってもよい。要するに、発電時に磁界が発生し、かつ、モータを備える時計であるならば、いかなる時計においても本発明の適用が可能である。
【0261】
[4.6] 第6変形例
また、上述した第2実施形態及び第3実施形態においては、アナログ電子時計の計時装置を例として説明したが、電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する電子機器において、前記電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出する交流磁界検出装置(交流磁界検出手段)と、前記交流磁界検出装置の検出結果に基づいて、前記モータを駆動するための通常駆動パルス信号のデューティ比を制御するデューティ制御装置(デューティ制御手段)とを備え、前記デューティ制御装置は、前記交流磁界検出装置によって前記交流磁界が検出されたときに、前記通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定するデューティ設定装置(デューティ設定手段)を備えて構成してもよい。
【0262】
また、電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する電子機器の制御方法において、前記電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出する交流磁界検出工程と、前記交流磁界検出工程の検出結果に基づいて、前記モータを駆動するための通常駆動パルス信号のデューティ比を制御するデューティ制御工程とを備え、前記デューティ制御工程は、前記交流磁界検出工程によって前記交流磁界が検出されたときに、前記通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定するデューティ設定工程を備えて構成してもよい。
【0263】
このような電子機器としては、上述した電磁発電装置とモータとを備える携帯電子機器、例えばオーディオプレーヤ(CD、MD等のプレーヤー)、携帯電話、パソコン、その他の情報端末等が挙げられる。
【0264】
[5] 第4実施形態
次に本発明の第4実施形態について図面を参照して説明する。
[5.1] 制御系の機能構成
本発明の第4実施形態におけるアナログ電子時計1の全体構成については、第2実施形態と同様であるので、説明を省略し、図20を参照して本第4実施形態の制御系の機能構成について説明する。
【0265】
図20において、符号A〜Eは、図8に示した第2実施形態の発電部A、電源部B、制御部C、運針機構Dおよび駆動部Eにそれぞれ対応している。また、図20において、図9の第2実施形態と同様の部分には同一の符号を付す。
図20において、図9の第2実施形態と異なる点は、充電検出回路13の検出結果に基づいて非充電時間をカウントする非充電時間カウンタ31と、発電機交流磁界検出回路14の検出結果に基づいて通常駆動パルス信号のデューティ比をアップ/ダウンさせるデューティアップダウンカウンタ32と、通常駆動パルス信号のデューティ比を設定するデューティ設定回路33と、デューティアップダウンカウンタ32の制御の一部を担う1/nカウンタ34と、を備えた点である。
【0266】
ここで、非充電時間カウンタ31は、充電検出回路13によって出力される蓄電ユニット12における充電の状態を示す充電検出結果信号SAに基づいて、連続して非充電となる時間をカウントする。
そして、非充電時間カウンタ31は、カウントした非充電時間が、予め定められた時間以上になったときに、非充電時間のカウントを停止するとともに、デューティ設定回路33に対して“携帯モード”から“非携帯モード”に切り替える非携帯モード判別信号SNを出力する。
【0267】
このような処理を行うのは、予め定められた一定の時間(例えば3時間)充電が検出されなかった場合には、アナログ電子時計1がユーザの腕から外されていて放置されている状態(非携帯状態)であると判断するためである。
また、デューティ設定回路33は、非充電時間カウンタ31から“非携帯モード”に切り替える非携帯モード判別信号SNが入力されると、設定下限デューティ比を“携帯モード”の設定下限デューティ比である第一の設定下限デューティ比から“非携帯モード”の設定下限デューティ比である第二の設定下限デューティ比に変更する。
【0268】
ここで、第二の設定下限デューティ比は、第一の設定下限デューティ比よりも低いデューティ比であり、かつ、最下限デューティ比以上のデューティ比に設定されている。
このような処理を行うのは、“非携帯モード”の間は、発電ユニット10から発電されることによって発生する交流磁界の影響が無いため、最下限デューティ比でモータ17を運針することが可能となり、省電力化を図ることができるためである。
【0269】
[5.2] 制御系の詳細構成
図21に第4実施形態のアナログ電子時計の制御系の詳細構成ブロック図を示す。
[5.2.1] 非充電時間カウンタの構成
非充電時間カウンタ31は、図21に示すように、充電検出回路13から出力される充電検出結果信号SAの信号論理を反転するインバータ31Aと、“L”アクティブなリセット端子RSTにインバータ31Aの出力端子が接続され、クロック端子CLKに外部からのクロック信号CK2が入力され、非充電期間中に出力端子Qから“H”レベルの非携帯モード判別信号SNを出力する。
【0270】
[5.2.2] 1/nカウンタの構成
1/nカウンタ34は、図21に示すように、クロック端子CLKに外部からのクロック信号CK1が入力され、リセット端子RSTに外部からのリセット信号RSが入力され、出力端子Qからクロック信号CK1を1/n分周したタイミングで通常駆動パルスのデューティを下げるためのデューティダウン信号SQを出力する。
【0271】
[5.2.3] デューティアップダウンカウンタの構成
デューティアップダウンカウンタ32は、図21に示すように、一方の入力端子にデューティダウン信号SQが入力され、他方の端子に通常駆動パルス下限デューティ選択信号SMが入力されたAND回路32Aと、一方の入力端子にAND回路32Aの出力端子が接続され、他方の端子に通常駆動パルス下限デューティ選択信号SMが入力されたAND回路32Bと、アップ端子UPに制御回路15からのデューティアップ信号SOが入力され、ダウン端子DOWNにAND回路32Bの出力端子が接続され、出力端子Q1〜Q4から4ビットの通常駆動パルスデューティアップダウン信号SHを出力する4ビットカウンタ32Cと、を備えて構成されている。
【0272】
[5.2.4] ディーティ設定回路の構成
デューティ設定回路33は、図21に示すように、4ビットカウンタ32Cの出力端子Q1〜Q4がそれぞれ“L”アクティブな入力端子に接続された4入力のAND回路33Aと、4ビットカウンタ32Cの出力端子Q1、Q2、Q4がそれぞれ“L”アクティブな入力端子に接続され、出力端子Q3が“H”アクティブな入力端子に接続された4入力のAND回路33Bと、一方の入力端子がAND回路33Aの出力端子に接続され、他方の端子に非携帯モード判別信号SNが入力されたNAND回路33Cと、一方の入力端子に発電機交流磁界検出結果信号SCが入力され、他方の入力端子にAND回路33Bの出力端子が接続されたNAND回路33Dと、を備えて構成されている。
【0273】
[5.3] デューティ設定回路周辺の動作
ここで、デューティ設定回路周辺の動作について説明する。以下の説明においては、設定可能な最下限のデューティ比が16/32であり、発電機交流磁界検出時に設定可能な最下限のデューティ比が20/32であるものとする。また、設定可能な最上限のデューティ比は31/32であり、初期状態においては、この状態に設定され、Q1=“H”、Q2=“H”、Q3=“H”、Q4=“H”であるものとする。なお、Q4が最上位ビットに相当し、Q1が最下位ビットに相当する。
【0274】
[5.3.1] 設定デューティ比31/32〜21/32の場合
この結果、初期状態においては、AND回路33Aの出力は“L”、AND回路33Bの出力は“L”となる。
従って、NAND回路33Cの出力は、非携帯モード判別信号SNの状態に拘わらず、“H”となり、NAND回路33Dの出力は発電機交流磁界検出結果信号の状態に拘わらず“H”となる。
この状態において、1/nカウンタの出力端子Qから“H”レベルのデューティダウン信号SQが出力されると、デューティアップダウンカウンタ32のAND回路32Aの出力は“H”レベルとなり、AND回路32Bの出力も“H”レベルとなる。
【0275】
この結果、4ビットカウンタ32Cのダウン端子DOWNは“H”レベルとなり、ダウンカウントがなされて、Q1=“L”、Q2=“H”、Q3=“H”、Q4=“H”となり、設定されるデューティ比は、31/32となる。
同様にして、1/nカウンタの出力端子Qから“H”レベルのデューティダウン信号SQが出力される毎に4ビットカウンタ32Cは設定されるデューティ比が20/32となるまでは制御回路15からデューティアップ信号SOが入力されない限りダウンカウントを行うこととなる。
【0276】
[5.3.2] 設定デューティ比20/32に至った場合
4ビットカウンタ32Cのダウンカウントがなされ、設定デューティ比20/32となると、4ビットカウンタ32Cの出力端子は、Q1=“L”、Q2=“L”、Q3=“H”、Q4=“L”となる。
この結果、AND回路32Bの出力は“H”レベルとなる。
このとき、発電機交流磁界検出回路14により交流磁界が検出されると、発電機交流磁界検出結果信号SCは、“H”レベルとなり、NAND回路33Dの出力は“L”レベルとなる。
【0277】
これによりデューティアップダウンカウンタ32のAND回路32Bの出力は“L”レベルとなり、4ビットカウンタ32Cのダウンカウントは停止する。
すなわち、設定デューティ比は、20/32に保持されることとなる。
これは、交流磁界が検出された場合に、20/32未満にデューティ比を下げてしまうと確実なモータの回転が保証できず、かつ、確実にモータの回転を検出することができなくなってしまうからである。
【0278】
これに対し、AND回路33Bの出力が“H”レベルとなっても、発電機交流磁界検出回路14により交流磁界が検出されず、発電機交流磁界検出結果信号SCが“L”レベルのままの状態では、NAND回路33Dの出力が「H」レベルとなり、制御回路15からデューティアップ信号SOが入力されない限りダウンカウントを継続することとなる。
【0279】
[5.3.3] 設定デューティ比16/32に至った場合
さらに4ビットカウンタ32Cのダウンカウントがなされ、設定デューティ比16/32となると、4ビットカウンタ32Cの出力端子は、Q1=“L”、Q2=“L”、Q3=“L”、Q4=“L”となる。
この結果、AND回路33Aの出力は“H”レベルとなり、非充電カウンタ31の出力である非携帯モード判別信号SNが“H”レベルとなると、すなわち、非携帯モードになるとNAND回路33Cの出力は“L”レベルとなる。
従って、1/nカウンタの出力端子Qからのデューティダウン信号SQの状態に拘わらず、設定デューティ比16/32で保持されることとなる。
【0280】
[5.3.4] 作動領域と設定デューティ比の関係
ここで、モータ17の作動領域と上記設定デューティ比の関係について図22及び図23を参照して説明する。
図22に示すように、モータ17は、通常駆動パルス信号のデューティ比が“16/32”未満の場合には、実用上の電圧域では作動しないことを示している(最下限デューティ比)。
また、図23に示す点線L2は、第一の設定下限デューティ比を示し、点線L3は、第二の設定下限デューティ比を示す。
【0281】
図23においては、“携帯モード”の設定下限デューティ比である第一の設定下限デューティ比L2を、最下限デューティ比である“16/32”よりも高い“20/32”に設定している。
これにより、モータ17は、最下限デューティ比までデューティ比を下げることがなくなるため、運針不良を減少することができ、安定した運針をすることが可能となる。
【0282】
ここで、第一の設定下限デューティ比L2は、上述した“20/32”の1つのデューティ比に限られることはなく、“携帯モード”に切り替える際の蓄電ユニット12の電圧あるいは蓄電ユニット12に対する充電の検出レベルに応じて、複数のデューティ比に設定することができる。
例えば、蓄電ユニット12の電圧が、予め定められた電圧に対して高電圧であると判断されるときには、第一の設定下限デューティ比L2を、“18/32”に設定する。一方、蓄電ユニット12の電圧が、予め定められた電圧に対して低電圧であると判断されるときには、第一の設定下限デューティ比L2を、“20/32”に設定する。
【0283】
また、“非携帯モード”の設定下限デューティ比である第二の設定下限デューティ比L3を、最下限デューティ比である“16/32”に設定している。
これにより、モータ17は、最下限デューティ比までデューティ比を下げることが可能となるため、省電力化を図ることが可能となる。
なお、同図に示すデューティ比の値は例示の値である。
【0284】
[5.4] 第4実施形態の動作
次に、図24及び図25を参照して実施形態の動作について説明する。
図24に動作処理フローチャートを示し、図25に動作タイミングチャートを示す。
まず、アナログ電子時計1の制御回路15は、前回の運針時から運針の基準時間である1秒が経過したか否かを判断する(ステップS1)。
【0285】
ステップS1の判断において、運針の基準時間である1秒が経過していないと判断された場合には(ステップS1;No)、再度、判断を繰り返す。
【0286】
一方、ステップS1の判断において、運針の基準時間である1秒が経過していると判断された場合には(ステップS1;Yes)、非充電時間カウンタ31は、充電検出回路13から出力される充電検出結果信号SAに基づいて、非充電時間のカウント処理を行う(ステップS2)。
【0287】
ステップS2において、充電検出回路13から出力された充電検出結果信号SAが、蓄電ユニット12において充電が行われていることを示す信号である場合には(ステップS2;Yes)、処理をステップS15に移行する。
【0288】
具体的には、図25(b)に示す充電検出結果信号SAが“H”の場合には(時刻t1からt2までの間および時刻t4からt5までの間)、蓄電ユニット12において充電が行われていることを示している。
【0289】
一方、ステップS2において、充電検出回路13から出力された充電検出結果信号SAが、蓄電ユニット12において充電が行われていないことを示す信号である場合には(ステップS2;No)、非充電時間カウンタ31は、アナログ電子時計1が“非携帯モード”であるか否かに基づいて、非充電時間のカウント処理を行う(ステップS3)。
具体的には、図25(c)に示す非携帯モード判別信号SNが“H”の場合に(時刻t3からt4までの間)、アナログ電子時計1が“非携帯モード”であることを示し、非携帯モード判別信号SNが“L”の場合に(時刻t3までおよび時刻t4以降)、アナログ電子時計1が“携帯モード”であることを示す。
【0290】
ステップS3において、アナログ電子時計1が“非携帯モード”であるときには(ステップS3;Yes)、処理をステップS5に移行する。
具体的には、図25(d)に示す非充電時間カウンタ動作が“カウント停止”の場合には(時刻t3からt4までの間)、非充電時間カウンタ31は、非充電時間をカウントするカウンタのカウントアップを停止する。
【0291】
一方、ステップS3において、アナログ電子時計1が“携帯モード”であるときには(ステップS3;No)、非充電時間カウンタ31は、非充電時間をカウントするカウンタをカウントアップする(ステップS4)。
具体的には、図25(d)に示す非充電時間カウンタ動作が“カウント”の場合に(時刻t1まで、時刻t2からt3までの間および時刻t5以降)、非充電時間カウンタ31は、非充電時間をカウントするカウンタをカウントアップする。 次に、非充電時間カウンタ31は、非充電時間のカウント値が予め定められた値T以上であるか否かにより規定の処理を行う(ステップS5)。
【0292】
具体的に、非充電時間カウンタ31は、図25(b)に示す充電検出結果信号SAが“H”から“L”となる時刻t2からの経過時間が、設定値T(例えば3時間)以上であるか否かにより規定の処理を行う。
【0293】
ステップS5において、非充電時間のカウント値が設定値T未満である場合には(ステップS5;No)、処理をステップS8に移行する。
【0294】
一方、ステップS5の判断において、非充電時間のカウント値が設定値T以上である場合には(ステップS5;Yes)、非充電時間カウンタ31は、非充電時間のカウントを停止する(スッテプS6)。
具体的には、図25(b)に示す充電検出結果信号SAが“H”から“L”となる時刻t2からの経過時間が、時刻t3において設定値T(例えば3時間)以上になった場合に、非充電時間カウンタ31は、(c)に示す非携帯モード判別信号SNを“携帯モード”に対応する“L”から“非携帯モード”に対応する“H”に切り替えて、(d)に示す非充電時間カウンタ動作を“カウント停止”とする。
このように“非携帯モード”のときに、非充電時間カウンタの動作を停止することにより、無駄な消費電力を削減することができる。
【0295】
次に、デューティ設定回路33は、非充電時間カウンタ31から“非携帯モード”を示す信号を受信した後、設定下限デューティ比を第一の設定下限デューティ比から第二の設定下限デューティ比に変更する(ステップS7)。
具体的には、図25(c)に示す非携帯モード判別信号SNが“非携帯モード”に対応する“H”の間は(時刻t3からt4までの間)、設定下限デューティ比を第一の設定下限デューティ比から第二の設定下限デューティ比に変更する。
【0296】
例えば、第一の設定下限デューティ比を“20/32”に設定している場合に、“携帯モード”から“非携帯モード”に切り替わったときには、第二の設定下限デューティ比を、最下限デューティ比である“16/32”に変更する。
このように設定するのは、“非携帯モード”の間は、発電ユニット10からの発電が無いため、発電によって発生する交流磁界の影響が無くなり、最下限デューティ比でモータ17を運針することが可能となり、省電力化を図ることができるからである。
【0297】
次に、制御回路15は、通常駆動パルス信号SIをモータ駆動回路16に対して出力する(ステップS8)。
そして、回転検出回路21は、モータ17の回転検出を行い、モータ17が正常に回転したか否かを判断する(ステップS10)。
ステップS10の判断において、モータ17が正常に回転した場合には(ステップS10;Yes)、処理をステップS13に移行する。
【0298】
一方、ステップS10の判断において、モータ17が正常に回転しなかった場合には(ステップS10;No)、補正駆動パルス出力回路18は、確実に運針を行うために通常駆動パルス信号SIよりも実効電力の大きい補正駆動パルス信号SJを出力する(ステップS11)。
【0299】
次に、制御回路15は、補正駆動パルス信号SJを出力したことにより生じた磁界を減少させるために、消磁パルス信号を出力する(ステップS12)。
そして、制御回路15は、次回の運針時に出力する通常駆動パルス信号SIのデューティ比を後述するように調整し(ステップS14)、処理をステップS1に移行してアナログ電子時計1の運針を継続する。
【0300】
ここで、前述したデューティ比の調整は、以下のように行う。
まず、ステップS10の判断において、モータ17が非回転であると判断された場合には、回転検出回路21は、デューティアップダウンカウンタ32に対してデューティ・アップ信号SOを送信する。
【0301】
そして、デューティ・アップ信号SOを受信したデューティアップダウンカウンタ32は、現在のデューティ比の値よりも1段高い値にデューティ比を設定することにより、次回の運針時に出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を調整する。
【0302】
また、ステップS14において、発電機交流磁界検出回路14は、発電ユニット10周辺の交流磁界検出を行い検出結果信号SCをデューティ設定回路33へ送信する。
そして、デューティ設定回路33は、検出結果信号SCに基づいて、デューティアップダウンカウンタ32に対して下限デューティ選択信号SMを送信する。
【0303】
そして、下限デューティ選択信号SMを受信したデューティアップダウンカウンタ32は、下限デューティ選択信号SMに対応する下限デューティが変更されていない場合には、現在設定されている下限デューティの範囲内で現在のデューティ比の値よりも1段高い値あるいは1段低い値にデューティ比を設定することにより、次回の運針時に出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を調整する。
【0304】
また、ステップS2において、充電検出回路13から出力された充電検出結果信号SAが、蓄電ユニット12において充電が行われていることを示す信号である場合には(ステップS2;Yes)、非充電時間カウンタ31は、非充電時間のカウント値をリセットする(ステップS15)。
【0305】
そして、デューティアップダウンカウンタ32は、下限デューティ選択信号SMに対応して設定下限デューティ比を第二の設定下限デューティ比から第一の設定下限デューティ比に変更する(ステップS16)。
具体的には、図25(b)に示す充電検出結果信号SAが時刻t4において“L”から“H”に切り替わることにより、図25(c)に示す非携帯モード判別信号SNが、“非携帯モード”に対応する“H”から“携帯モード”に対応する“L”となる。
【0306】
そして、デューティアップダウンカウンタ32は、設定下限デューティ比を第二の設定下限デューティ比から第一の設定下限デューティ比に変更する。
例えば、第二の設定下限デューティ比である“16/32”を、第一の設定下限デューティ比である“20/32”に設定する。
次に、処理をステップS8に移行して、以後の処理を継続する。
【0307】
[5.5] 第4実施形態の効果
本実施形態においては、設定下限デューティ比を最下限デューティ比の値よりも高い値に設定するため、残留磁界、あるいは発電機により発生する磁界などの影響を多少受けてもモータが回転するようになる。
さらに、アナログ電子時計が、“非携帯モード”である場合には、ステップS7において、第一の設定下限デューティ比よりもさらに低いデューティ比であり、かつ、最下限デューティ比の値以上である第二の設定下限デューティ比を設定することにより、省電力化を図ることが可能となる。
【0308】
[5.6] 第4実施形態の変形例
[5.6.1] 第1変形例
なお、本第4実施形態においては、“非携帯モード”の場合に、設定下限デューティ比を第一の設定下限デューティ比から第二の設定下限デューティ比に切り替えているが、第一の設定下限デューティ比のみの設定でもよい。要するに、残留磁界などの影響により、モータが非回転となることを極力防ぐことができればよい。
【0309】
例えば、第一の設定下限デューティ比として発電の影響を受けずにモータを駆動することが可能な領域に属するように予めデューティ比を設定しておくことにより、動作モードに拘わらず、発電の影響を受けることによるモータの非回転が
発生する割合を減少させることができる。
【0310】
[5.6.2] 第2変形例
また、本第4実施形態においては、第一の設定下限デューティ比と第二の設定下限デューティ比とを切り替える場合に、充電電流の検出結果に基づいて判断しているが、リミッタ回路を有するアナログ電子時計の場合には、リミッタ電流の検出結果に基づいて判断してもよい。
【0311】
[5.6.3] 第3変形例
また、本第4実施形態における発電装置の例としては、電磁誘導型発電装置、およびピエゾ素子を有する発電装置、または、電磁発電機(回転錘による場合、リューズ等を用いて発電機を駆動する場合)および浮遊電磁波受信(放送・通信電波を利用した電磁誘導型発電)等であってもよい。さらに、これらの発電装置が2種類以上併存する計時装置でもよい。なお、発電装置が2種類以上併存する場合には、上記に例示した発電装置に加え、太陽電池、または、熱電素子を有する発電装置を併存させてもよい。
【0312】
[5.6.4] 第4変形例
また、本実施形態においては、アナログ電子時計の計時装置を例として説明したが、腕時計や置き時計等の計時装置であってもよい。要するに、発電時に磁界が発生し、かつ、モータを備える時計であるならば、いかなる時計においても本発明の適用が可能である。
【0313】
[5.6.5] 第5変形例
また、本第4実施形態においては、アナログ電子時計の計時装置を例として説明したが、電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する電子機器において、前記電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電装置(蓄電手段)と、前記蓄電装置に対する充電を検出する充電検出装置(充電検出手段)と、前記モータに対して出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を設定し、前記充電検出装置によって充電が検出された場合に、前記モータを駆動するためのデューティ比の下限値である最下限デューティ比よりも高いデューティ比である予め定めた設定下限デューティ比以上の値に前記デューティ比を設定するデューティ設定装置(デューティ設定手段)とを備えて構成されてもよい。
【0314】
また、電磁発電装置から供給される電力に基づいてモータを駆動するとともに、前記電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電装置を備えた電子機器の制御方法において、前記蓄電装置に対する充電を検出する充電検出工程と、前記モータに対して出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を設定し、前記充電検出工程によって充電が検出された場合に、前記モータを駆動するためのデューティ比の下限値である最下限デューティ比よりも高いデューティ比である予め定めた設定下限デューティ比以上の値に前記デューティ比を設定するデューティ設定工程とを備えて構成されてもよい。
【0315】
このような電子機器としては、上述した電磁発電装置とモータとを備える携帯電子機器、例えばオーディオプレーヤ(CD、MD等のプレーヤー)、携帯電話、パソコン、その他の情報端末等が挙げられる。
【0316】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、磁界が発生していると、駆動電力実効値を低下させる処理が中断される結果、駆動電力実効値が現状に維持され、そもそも、誤検出となる可能性が高い領域へ遷移することがなくなるので、パルスモータの回転誤検出が未然に防止されることとなる。したがって、磁界が発生していても、低消費電力化と動作の高精度化とを両立することが可能となる。
【0317】
また、本発明によれば、予め定められた期間に、発電機交流磁界検出回路によって発電ユニット周辺の交流磁界が検出された場合でも、デューティ比を現時点において設定されているデューティ比、あるいは現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定することにより、発電により生じた交流磁界などの影響を多少受けてもモータが非回転となることを防ぐことができる。
【0318】
さらに、通常駆動パルス信号の歯数が切り替えられた場合でも、デューティ比をモータが作動可能なデューティ比に設定することにより、モータが非回転となることを防ぐことができる。
【0319】
このように、モータをより確実に回転させることができるので、実効電力の大きな補正駆動パルス信号の出力を低減することが可能となる。それによって、アナログ電子時計における消費電力の節減を図ることが可能となるとともに、補正駆動パルス信号の出力による残留磁界の影響から発生する運針不良の低減を図ることも可能となる。
【0320】
さらに本発明によれば、充電検出回路によって充電が検出された場合に、設定下限デューティ比を最下限デューティ比のデューティ比よりも高いデューティ比に設定するため、発電により生じる交流磁界などの影響を多少受けてもモータが回転するようになる。その結果、モータが作動せずに非回転となる割合を減少することが可能となる。
【0321】
そして、モータが非回転となる割合を減少することによって、実効電力の大きな補正駆動パルス信号の出力も減る。それによって、アナログ電子時計における消費電力の節減を図ることが可能となるとともに、補正駆動パルス信号の出力による残留磁界の影響から発生する運針不良の低減を図ることが可能となる。
【0322】
また、非充電時間が、予め定められた値になったときに、設定下限デューティ比を、最下限デューティ比まで下げることにより、省電力化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態にかかるパルスモータ駆動回路を適用した計時装置(電子時計)の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】 第1実施形態の計時装置(電子時計の発電機構を示す斜視図である。
【図3】 第1実施形態における計時装置の処理回路の構成を示すブロック図である。
【図4】 第1実施形態の処理回路におけるドライバの構成を示す図である。
【図5】 第1実施形態の処理回路における制御回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】 第1実施形態の処理回路における制御回路等の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】 第1実施形態の処理回路における分周器のリセット解除後の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】 本発明の第2実施形態におけるアナログ電子時計の全体構成図である。
【図9】 第2実施形態におけるアナログ電子時計の概要構成を示すブロック図である。
【図10】 第2実施形態の充電検出回路周辺の回路構成を示す図である。
【図11】 第2実施形態におけるアナログ電子時計の制御系の詳細構成を示すブロック図である。
【図12】 第2実施形態における動作処理を示すフローチャートである。
【図13】 第2実施形態における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】 第2実施形態におけるアナログ電子時計の概要構成を示すブロック図である。
【図15】 第3実施形態におけるアナログ電子時計の制御系の詳細構成を示すブロック図である。
【図16】 通常駆動パルス信号の歯数を説明する図である。
【図17】 第3実施形態における動作処理を示すフローチャートである。
【図18】 第3実施形態における指針駆動モータ作動領域を電源電圧とデューティ比との関係により表した図(その1)である。
【図19】 第3実施形態における指針駆動モータ作動領域を電源電圧とデューティ比との関係により表した図(その2)である。
【図20】 本発明の第4実施形態におけるアナログ電子時計の概要構成を示すブロック図である。
【図21】 第4実施形態におけるアナログ電子時計の制御系の詳細構成を示すブロック図である。
【図22】 第4実施形態における指針駆動モータ作動領域を電源電圧とデューティ比との関係により表した図(その1)である。
【図23】 第4実施絵形態における指針駆動モータ作動領域を電源電圧とデューティ比との関係により表した図(その2)である。
【図24】 第4実施形態における動作処理を示すフローチャートである。
【図25】 第4実施形態における動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1・・・アナログ電子時計(計時装置)、
10・・・発電ユニット(発電手段)、
12・・・蓄電ユニット(蓄電手段)、
13・・・充電検出回路(充電検出手段)、
14・・・発電機交流磁界検出回路(交流磁界検出手段)、
15・・・制御回路、
17・・・モータ、
18・・・補正駆動パルス出力回路(補正駆動パルス出力手段)、
21・・・回転検出回路(回転検出手段)、
23・・・デューティアップダウン制御装置(デューティ制御手段)、
24・・・デューティ設定カウンタ(デューティ設定手段)、
25・・・電圧検出回路(電圧検出手段)、
26・・・歯数選択ユニット(歯数選択手段)、
31・・・非充電時間カウンタ(非充電時間カウンタ手段)、
32・・・デューティアップダウンカウンタ(デューティ制御手段)、
33・・・デューティ設定回路(デューティ設定手段)、
86・・・歯数選択回路(歯数選択手段)
100・・・発電機構(発電手段)、
210・・・パルスモータ、
214・・・コイル、
220・・・駆動回路、
230・・・制御回路(制御手段)、
241,242・・・インバータ(磁界検出手段)、
251・・・コンバータ(回転検出手段)。

Claims (4)

  1. 電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する計時装置において、
    前記電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電手段と、
    前記蓄電手段に対する充電を検出する充電検出手段と、
    予め定められた検出対象期間において前記充電検出手段が前記充電を検出したときに、前記電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出する交流磁界検出手段と、
    前記交流磁界検出手段の検出結果に基づいて、前記モータを駆動するための通常駆動パルス信号のデューティ比を制御するデューティ制御手段とを備え、
    前記デューティ制御手段は、前記交流磁界検出手段によって前記交流磁界が検出されたときに、前記通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定する
    ことを特徴とする計時装置。
  2. 電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する計時装置の制御方法において、
    前記電磁発電装置の周辺に生じた交流磁界を検出する交流磁界検出工程と、
    前記交流磁界検出工程の検出結果に基づいて、前記モータを駆動するための通常駆動パルス信号のデューティ比を制御するデューティ制御工程とを備え、
    前記デューティ制御工程は、前記交流磁界検出工程によって前記交流磁界が検出されたときに、前記通常駆動パルス信号のデューティ比を現時点において設定されているデューティ比に維持し、あるいは、現時点において設定されているデューティ比よりも高い値に設定する
    ことを特徴とする計時装置の制御方法。
  3. 電磁発電装置から供給される電力に基づいて駆動するモータを有する計時装置において、
    前記電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電手段と、
    前記蓄電手段に対する充電を検出する充電検出手段と、
    前記モータに対して出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を設定する設定手段であって、
    前記充電検出手段によって充電が検出された場合に、前記モータを駆動するためのデューティ比の下限値である最下限デューティ比よりも高いデューティ比である予め定めた設定下限デューティ比以上の値に前記デューティ比を設定するデューティ設定手段と、を備えた
    ことを特徴とする計時装置。
  4. 電磁発電装置から供給される電力に基づいてモータを駆動するとともに、前記電磁発電装置から供給される電力を蓄電する蓄電装置を備えた計時装置の制御方法において、
    前記蓄電装置に対する充電を検出する充電検出工程と、
    前記モータに対して出力する通常駆動パルス信号のデューティ比を設定し、前記充電検出工程によって充電が検出された場合に、前記モータを駆動するためのデューティ比の下限値である最下限デューティ比よりも高いデューティ比である予め定めた設定下限デューティ比以上の値に前記デューティ比を設定するデューティ設定工程と、
    前記充電検出工程の検出結果に基づいて非充電時間をカウントし、前記カウントした非充電時間が、予め定められた時間以上になったときに、非充電時間のカウントを停止する非充電時間カウンタ工程とを備えた
    ことを特徴とする計時装置の制御方法。
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