JP4162081B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用交流発電機に関し、特に固定子巻線の接合部で発生する熱の放熱性を向上させ、絶縁性樹脂の塗布作業性や品質の低下を抑えることができる固定子構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用交流発電機の固定子では、複数本の連続導体線がそれぞれ所定スロット毎のスロットにスロット深さ方向の内層と外層とを交互に採るように波巻きに1周巻回され、相巻線が同一スロット群に巻装されている連続導体線の端部同士を接合して構成されている。そして、各連続導体線のスロットから出て所定スロット数離れたスロットに入る部位、即ちコイルエンドが径方向に2列に並んで周方向に整列して配列され、コイルエンド群を構成している。さらに、断面L字状の環状の遮蔽板が各コイルエンド群の内周側および頂部を覆うように配置され、エポキシ樹脂が遮蔽板を埋設するようにコイルエンド群に塗布されている。この時、エポキシ樹脂は、遮蔽板とコイルエンドとの間に所定厚みを持って介在している。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
この接合部は、連続導体線の端部に被覆されている絶縁被膜が除去され、導体線の金属素地が露出した状態となっている。そこで、接合部間の短絡や接合部の電食を抑えるために、接合部を絶縁処理することが必要となる。しかしながら、従来の車両用交流発電機の固定子では、接合部の絶縁処理については何ら記載されていない。そこで、従来の車両用交流発電機の固定子において、遮蔽板が、接合部を含めてコイルエンド群の頂部を覆うように配置され、エポキシ樹脂がコイルエンド群および接合部に塗布されているとすれば、エポキシ樹脂は、遮蔽板とコイルエンドとの間のみならず、遮蔽板と接合部との間にも所定厚みを持って介在していることになる。この接合部は連続導体線の他の部位に比べて電気抵抗が大きくなり、発熱量が多くなる。その結果、コイルエンドのみならず、発熱量が最も多い接合部で発生する熱が効果的に放熱されなくなる。さらに、遮蔽板とコイルエンド(接合部も含む)との固定はエポキシ樹脂で兼ねており、また遮蔽板の位置決め手段もなく、エポキシ樹脂を塗布する際に遮蔽板が移動しやすく、エポキシ樹脂の塗布作業性および品質は悪いものであった。
【0004】
また、他の従来の車両用交流発電機の固定子では、U字状のセグメント導体を固定子鉄心の各スロット対に一端側から挿入し、固定子鉄心の他端側に延出するセグメント導体の開放端同士を接合して固定子巻線を構成している。そして、接合部が径方向に1列に並んで周方向に2列となって配列され、コイルエンド群を構成している。さらに、環状であって二重の室を備えた2条構造のキャップが、周方向に2列となって配列されている接合部の各列を各室に収納するようにコイルエンド群に被せられ、絶縁性樹脂を各室に充填して、接合部を絶縁している。(例えば、特許文献2参照)
【0005】
しかしながら、他の従来の車両用交流発電機の固定子においては、キャップの室の幅が接合部の径方向長さに対して広く形成されているので、個々の接合部の外縁部周りに絶縁性樹脂が厚みをもって余分に充填されてしまい、接合部の発熱が効率よく放熱されなくなる。また、キャップと接合部との固定は絶縁性樹脂で兼ねており、さらにキャップは確実な固定状態に位置決めされておらず、特に径方向にコイルエンドの範囲より外径側または内径側に移動しやすく、作業性、品質共に悪いものであった。そして、キャップの位置ずれによりキャップと発電機内蔵部品との干渉が懸念される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−245454号公報(図14)
【特許文献2】
特開2000−209802号公報(図5)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来の車両用交流発電機の固定子においては、絶縁性樹脂が遮蔽板(キャップ)と接合部との間に厚みを持って介在しているので、接合部で発生する熱が効率的に放熱されなくなり、固定子巻線の温度が過度に上昇してしまい、高出力が得られなくなるという課題があった。また、遮蔽板(キャップ)の位置決めが不十分であり、作業性や品質が低下してしまうという課題もあった。そして、遮蔽板やキャップが位置ずれした場合には、発電機内蔵部品との干渉が発生する恐れがあった。
【0008】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、固定子巻線を構成する複数の巻線の端部同士の接合部からなる付随結線部の外表面に密接するように覆体を嵌着し、絶縁性樹脂を覆体内に充填させて接合部の絶縁を行うようにし、覆体と接合部との間の絶縁性樹脂の介在を低減させ、かつ、装着時の覆体の固定を確実にし、接合部で発生する熱の放熱性を向上させることができるとともに、絶縁性樹脂の塗布作業性や品質の低下を抑えることができる固定子を備えた車両用交流発電機を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る車両用交流発電機では、固定子巻線は、素線を所定スロット毎のスロットにスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装してなる複数の巻線を有し、巻線のそれぞれは、所定スロット離れたスロットの対に収納されている直線部をターン部により固定子鉄心の軸方向端面側で連結する波状パターンに形成され、コイルエンド群が該ターン部を固定子鉄心の軸方向端面側に周方向に配列して構成されている。そして、固定子巻線は、コイルエンド群の周方向所定範囲内の軸端近傍で複数の巻線の端部同士を接合して多相交流巻線に構成されている。さらに、覆体が複数の巻線の端部同士の接合部で構成される付随結線部の内周面、軸端面および外周面に密着するように嵌着され、かつ、第1絶縁性樹脂が覆体内に充填されている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子をリヤ側から見た斜視図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体未装着状態の付随結線部周りをリヤ側から見た端面図、図4はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の絶縁樹脂未塗布状態の付随結線部周りを示す要部断面図、図5はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体装着状態の付随結線部周りを径方向外側から見た側面図、図6はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の付随結線部周りを示す要部断面図である。図7はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子における固定子巻線の1相巻線を模式的に示すリヤ側端面図であり、図中実線はリヤ側の配線状態を示し、点線はフロント側の配線状態を示し、黒丸は接合部を示している。図8はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを説明する図であり、図8の(a)は端面図、図8の(b)は平面図である。図9は図8に示される巻線アッセンブリを構成する連続導体線を示す斜視図、図10は図8に示される巻線アッセンブリを構成する連続導体線の対を示す平面図である。
【0011】
図1において、車両用交流発電機は、アルミニウム製のフロントブラケット1およびリヤブラケット2から構成されたケース3と、このケース3内に設けられ、一端部にプーリ4が固定されたシャフト6と、このシャフト6に固定されたランデル型の回転子7と、この回転子7の軸方向両端部に固定された冷却手段としてのファン5と、回転子7を包囲するようにケース3に固定された固定子8と、シャフト6の他端部に固定されて回転子7に電流を供給するスリップリング9と、スリップリング9の表面に摺動する一対のブラシ10と、このブラシ10を収納するブラシホルダ11と、固定子8に電気的に接続され、固定子8で生じた交流を直流に整流する整流器12と、ブラシホルダ11に嵌着されたヒートシンク17に取り付けられて、固定子8で生じた交流電圧の大きさを調整するレギュレータ18とを備えている。
【0012】
そして、回転子7は、電流を流して磁束を発生する界磁巻線13と、この界磁巻線13を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成される一対のポールコア20、21とを備えている。一対のポールコア20、21は、鉄製で、それぞれ最外径面形状を略台形形状とする爪状磁極22、23が外周縁部に周方向に等角ピッチで8つ突設されてなり、これらの爪状磁極22、23を噛み合わせるように対向させてシャフト6に固着されている。
また、固定子8は、円筒状の固定子鉄心15と、固定子鉄心15に巻装された固定子巻線16とから構成されている。そして、固定子8は、固定子鉄心15の内周面と爪状磁極22、23の外周面との間に均一なエアギャップを形成するようにフロントブラケット1とリヤブラケット2とに挟持されている。
【0013】
このように構成された車両用交流発電機においては、電流がバッテリ(図示せず)からブラシ10およびスリップリング9を介して界磁巻線13に供給され、磁束が発生される。この磁束により、一方のポールコア20の爪状磁極22がN極に着磁され、他方のポールコア21の爪状磁極23がS極に着磁される。一方、エンジンの回転トルクがベルトおよびプーリ4を介してシャフト6に伝達され、回転子7が回転される。そこで、固定子巻線16に回転磁界が与えられ、固定子巻線16に起電力が発生する。この交流の起電力が整流器12を通って直流に整流されるとともに、その大きさがレギュレータ18により調整され、バッテリに充電される。
【0014】
そして、リヤ側においては、ファン5の回転により、外気が整流器12のヒートシンクおよびレギュレータ18のヒートシンク17にそれぞれ対向して設けられた吸気孔2aを通じて吸い込まれ、シャフト6の軸に沿って流れて整流器12およびレギュレータ18を冷却し、その後ファン5により遠心方向に曲げられて固定子巻線16のリヤ側コイルエンド群16rを冷却し、排気孔2bより外部に排出される。一方、フロント側においては、ファン5の回転により、外気が吸気孔1aから軸方向に吸い込まれ、その後ファン5により遠心方向に曲げられて固定子巻線16のフロント側コイルエンド群16fを冷却し、排気孔1bより外部に排出される。
【0015】
ついで、固定子8の構成について図2乃至図10を参照しつつ説明する。ここで、固定子鉄心15には、溝方向を軸方向とするスロット15aが毎極毎相当たり2の割合で形成されている。即ち、スロット15aが固定子鉄心15の内周側に周方向に96個配列され、回転子7の磁極数は16極である。また、固定子巻線16は素線としての連続導体線30を固定子鉄心15に巻装して構成されている。この連続導体線30は、断面矩形の銅連続線に絶縁被膜を被覆して形成されている。さらに、説明の便宜上、各スロット15aには、図7に示されるように、1番から96番のスロット番号を付し、各スロット15a内の連続導体線30の収納位置を内周側から1番地、2番地、・・・6番地とする。
【0016】
まず、固定子巻線16の具体的構造について説明する。
1相巻線161は、図7に示されるように、それぞれ1本の連続導体線30からなる第1乃至第6巻線32〜37から構成されている。
そして、第1巻線32は、1本の連続導体線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の2番地と1番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第2巻線33は、連続導体線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の1番地と2番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第3巻線34は、連続導体線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の4番地と3番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第4巻線35は、連続導体線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の3番地と4番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第5巻線36は、連続導体線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の6番地と5番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。第6巻線37は、連続導体線30を、スロット番号の1番から91番まで6スロットおきに、スロット15a内の5番地と6番地とを交互に採るように波巻きして構成されている。そして、各スロット15a内には、連続導体線30の直線部30b(スロット収納部)が矩形断面の長手方向を径方向(スロット深さ方向)に揃えて径方向に1列に6本並んで配列されている。
【0017】
そして、固定子鉄心15のリヤ側において、スロット番号の1番の1番地から延出する第2巻線33の端部33aと、スロット番号の91番の6番地から延出する第6巻線37の端部37bとが接合され、スロット番号の1番の3番地から延出する第4巻線35の端部35aと、スロット番号の91番の2番地から延出する第2巻線33の端部33bとが接合され、さらにスロット番号の1番の5番地から延出する第6巻線37の端部37aと、スロット番号の91番の4番地から延出する第4巻線35の端部35bとが接合されて、第2、第4および第6巻線33、35、37が直列に接続されてなる3ターンの波巻き巻線が形成されている。なお、第4巻線35の端部35aと第2巻線33の端部33bとの接合部である近接番地接合部312−3と、第6巻線37の端部37aと第4巻線35の端部35bとの接合部である近接番地接合部314−5とが、軸方向高さを同じくして、互いに離間して径方向に1列に並んでいる。
【0018】
ここで、第2巻線33を構成する連続導体線30の端部側が、1番のスロット15aの1番地から延出した後、曲げられて固定子鉄心15のリヤ側端面上を図7中反時計回り方向に所定距離延び、そこで軸方向外方に曲げられ、ついで径方向外方に曲げられ、さらに軸方向外方に曲げられる。第6巻線37を構成する連続導体線30の端部側が、91番のスロット15aの6番地から延出した後、曲げられて固定子鉄心15のリヤ側端面上を図7中時計回り方向に所定距離延び、そこで軸方向外方に曲げられ、ついで径方向内方に曲げられ、さらに軸方向外方に曲げられる。そして、第2巻線33を構成する連続導体線30の端部と第6巻線37を構成する連続導体線30の端部とが接合される。これにより、第2巻線33の端部33aと第6巻線37の端部37bとの接合部である遠隔番地接合部311−6が、径方向に並ぶ2つの近接番地接合部312−3、314−5に対して、軸方向高さを同じくして、図7中反時計回り方向に3スロット分ずれて配置されている。
【0019】
また、固定子鉄心15のフロント側において、スロット番号の1番の2番地から延出する第1巻線32の端部32aと、スロット番号の91番の3番地から延出する第3巻線34の端部34bとが接合され、スロット番号の1番の4番地から延出する第3巻線34の端部34aと、スロット番号の91番の5番地から延出する第5巻線36の端部36bとが接合され、さらにスロット番号の1番の6番地から延出する第5巻線36の端部36aと、スロット番号の91番の1番地から延出する第1巻線32の端部32bとが接合されて、第1、第3および第5巻線32、34、36が直列に接続されてなる3ターンの波巻き巻線が形成されている。なお、第1巻線32の端部32aと第3巻線34の端部34bとの接合部である近接番地接合部312−3と、第3巻線34の端部34aと第5巻線36の端部36bとの接合部である近接番地接合部314−5とが、軸方向高さを同じくして、互いに離間して径方向に1列に並んでいる。
【0020】
ここで、第5巻線36を構成する連続導体線30の端部側が、1番のスロット15aの6番地から延出した後、曲げられて固定子鉄心15のフロント側端面上を図7中反時計回り方向に所定距離延び、そこで軸方向外方に曲げられ、ついで径方向内方に曲げられ、さらに軸方向外方に曲げられる。第1巻線32を構成する連続導体線30の端部側が、91番のスロット15aの1番地から延出した後、曲げられて固定子鉄心15のフロント側端面上を図7中時計回り方向に所定距離延び、そこで軸方向外方に曲げられ、ついで径方向外方に曲げられ、さらに軸方向外方に曲げられる。そして、第5巻線36を構成する連続導体線30の端部と第1巻線32を構成する連続導体線30の端部とが接合される。これにより、第5巻線36の端部36aと第1巻線32の端部32bとの接合部である遠隔番地接合部311−6が、径方向に並ぶ2つの近接番地接合部312−3、314−5に対して、軸方向高さを同じくして、図7中時計回り方向に3スロット分ずれて配置されている。
【0021】
さらに、スロット番号の49番と55番とから固定子鉄心15のリヤ側に延出する第1巻線32の連続導体線30の部分が切断され、スロット番号の55番と61番とから固定子鉄心15のリヤ側に延出する第2巻線33の連続導体線30の部分が切断される。そして、第1巻線32の切断端32cと第2巻線33の切断端33cとが接続金具25に接続され、第1巻線32の切断端32dと第2巻線33の切断端33dとが接合されて、直列接続された第1、第3および第5巻線32、34、35と、直列接続された第2、第4および第6巻線33、35、37とを並列接続してなる3ターンの1相巻線161が形成されている。
なお、第1巻線32の切断端32cと第2巻線33の切断端33cとが1相巻線161の口出し線(O)となり、第1巻線32の切断端32dと第2巻線33の切断端33dとが1相巻線161の中性点引き出し線(N)となる。
【0022】
なお、図7には、スロット番号1番、7番・・・91番の第1スロット群に巻装された1相巻線161のみが示されているが、スロット番号2番、8番・・・92番の第2スロット群、スロット番号3番、9番・・・93番の第3スロット群、スロット番号4番、10番・・・94番の第4スロット群、スロット番号5番、11番・・・95番の第5スロット群、スロット番号6番、12番・・・96番の第6スロット群にも同様に1相巻線161が巻装されている。そして、第4乃至第6スロット群については、リヤ側では、遠隔番地接合部311−6が、径方向に並ぶ2つの近接番地接合部312−3、314−5に対して、軸方向高さを同じくして、図7中時計回り方向に3スロット分ずれて配置され、フロント側では、遠隔番地接合部311−6が、径方向に並ぶ2つの近接番地接合部312−3、314−5に対して、軸方向高さを同じくして、図7中反時計回り方向に3スロット分ずれて配置されている。
【0023】
このように構成された固定子巻線16のリヤ側においては、スロット15aから延出し、6スロット離れたスロット15aに入る連続導体線30のターン部30aが周方向に環状に3列となって1スロットピッチで配列されて、リヤ側コイルエンド群16rを構成している。そして、リヤ側の付随結線部39は、図3に示されるように、径方向に1列に並んだ近接番地接合部312−3、314−5が、リヤ側コイルエンド群16rのターン部30a上に周方向に1スロットピッチで6対配列され、遠隔番地接合部311−6が、6対の近接番地接合部312−3、314−5の周方向両側に1スロットピッチで3つずつ配列されて構成されている。
【0024】
同様に、固定子巻線16のフロント側においては、スロット15aから延出し、6スロット離れたスロット15aに入る連続導体線30のターン部30aが周方向に環状に3列となって1スロットピッチで配列されて、フロント側コイルエンド群16fを構成している。そして、フロント側の付随結線部39は、径方向に1列に並んだ近接番地接合部312−3、314−5が、フロント側コイルエンド群16fのターン部30a上に周方向に1スロットピッチで6対配列され、遠隔番地接合部311−6が、6対の近接番地接合部312−3、314−5の周方向両側に1スロットピッチで3つずつ配列されて構成されている。
【0025】
そして、覆体27が、図4および図5に示されるように、リヤ側の付随結線部39に嵌着される。さらに、図6に示されるように、第1絶縁性樹脂としてのシリコーン樹脂28が覆体27内に注入され、その後第2絶縁性樹脂としてのワニス29がリヤ側コイルエンド群16rに塗布される。また、同様に、覆体27が、フロント側の付随結線部39に嵌着され、シリコーン樹脂28が覆体27内に注入され、その後ワニス29がフロント側コイルエンド群16rに塗布される。この時、覆体27は、ガラスエポキシ樹脂を付随結線部39の外表面に密接する内面形状に成形して形成されている。そこで、覆体27は、付随結線部39の内周面、外周面および軸端面にほぼ密着した状態で嵌着されている。
【0026】
そして、第1スロット群、第3スロット群および第5スロット群に巻装された3つの1相巻線161の各中性点引き出し線(N)が一体に接続され、3つの1相巻線161をY結線(交流結線)してなる3相交流巻線が作製される。同様に、第2スロット群、第4スロット群および第6スロット群に巻装された3つの1相巻線161の各中性点引き出し線(N)が一体に接続され、3つの1相巻線161をY結線(交流結線)してなる3相交流巻線が作製される。さらに、接続金具25が各中性点引き出し線(N)に接続され、図2に示される固定子8が作製される。
【0027】
このように構成された固定子8においては、第1乃至第6巻線32〜37を構成するそれぞれの連続導体線30は、1つのスロット15aから固定子鉄心15の端面側に延出し、折り返されて6スロット離れたスロット15aに入るように波巻きに巻装されている。そして、それぞれの連続導体線30は、6スロット毎に、スロット深さ方向(径方向)に関して、内層と外層とを交互に採るように巻装されている。
この固定子8は、図1に示されるように、爪状磁極22、23の外周面と固定子鉄心15の内周面との間に均一なエアギャップを形成するようにフロントブラケット1とリヤブラケット2とに挟持されて、車両用交流発電機に実装される。そして、固定子巻線16を構成する各3相交流巻線の中性点引き出し線(N)および口出し線(O)がそれぞれ整流器12に接続され、各整流器12の直流出力が並列に接続されて合成出力されるようになっている。
【0028】
ついで、固定子巻線16を構成する巻線アッセンブリ40について図8乃至図10を参照して説明する。
巻線アッセンブリ40は、平面上に1スロットピッチで互いに平行に配列された12本の連続導体線30(素線)を同時に折り畳んで形成されている。
各連続導体線30は、図9に示されるように、ターン部30aで連結された直線部30bが6スロットピッチ(6P)で配列された平面状パターンに折り曲げ形成されている。そして、隣り合う直線部30bは、ターン部30aにより直線部30bの配列方向と直交する方向に連続導体線30の幅(w)分ずらされている。そして、巻線アッセンブリ40は、このように折り曲げ形成された連続導体線30を6スロットピッチずらして直線部30bを重ねて配列してなる連続導体線30の対(図10に示される)を、1スロットピッチずつずらして6対配列して構成されている。
この巻線アッセンブリ40は、図8に示されるように、直線部30bの対が1スロットピッチで96対配列され、12本の連続導体線30の端部が両端両側に6本ずつ延出している。この巻線アッセンブリ40の両端両側に延出した連続導体線30の端部が、図7における第1乃至第6巻線32〜37の端部32a〜37a、32b〜37bに対応する。
【0029】
そして、図示していないが、スロットが所定ピッチで形成された磁性鋼板からなる帯状体を多数枚積層し、レーザ溶接等により一体化して直方体の積層鉄心を作製する。ついで、3つの巻線アッセンブリ40を、直方体の積層鉄心のスロット深さ方向に重ねて装着する。この時、積層鉄心の各スロットには、6つの直線部30bが矩形断面の長手方向をスロット深さ方向に一致させて1列に並んで収納されている。そして、積層鉄心を丸め、積層鉄心の端部同士を突き合わせレーザ溶接等により接合一体化し、円環状の固定子鉄心15が作製される。
その後、連続導体線30の端部の絶縁被膜を除去して銅線を露出させて図7に示される結線処理を施し、覆体27を各付随結線部39に嵌着する。ついで、シリコーン樹脂28を覆体27内に注入し、さらにワニス29をコイルエンド群16f、16rに塗布し、図2に示される固定子8が作製される。
【0030】
このように、この実施の形態1によれば、覆体27が固定子巻線16の付随結線部39に嵌着され、シリコーン樹脂28が覆体27内に注入されているので、付随結線部39における連続導体線30の接合部が電気的および空間的に外部から隔離され、接合部間の短絡や接合部の電食が確実に抑えられる。
【0031】
また、覆体27が付随結線部39の外表面に密接する内面形状に形成されているので、覆体27は、付随結線部29の内周面、外周面および軸端面にほぼ密着した状態で嵌着される。これにより、付随結線部39の内周側、外周側および軸端側に位置する連続導体線30の部位と覆体27の内壁面とがシリコーン樹脂28の介在量を極めて少なくしてほぼ密接状態となるので、接合部で発生した熱は覆体27に速やかに伝達され、覆体27の表面からファン5により形成された冷却風に放熱される。その結果、接合部で発生する熱の放熱性が向上され、出力特性の低下をもたらす固定子巻線16の過度の温度上昇が抑えられる。さらに、覆体27が付随結線部39にしっかりと嵌着されるので、シリコーン樹脂28やワニス29の塗布作業性が高められるとともに、シリコーン樹脂28やワニス29のはみ出し等の発生が抑えられ、品質を高めることができる。さらにまた、シリコーン樹脂28やワニス29の塗布作業時に、覆体27の位置ずれが発生せず、ケース3や発電機内蔵部品との干渉が抑えられる。
【0032】
また、シリコーン樹脂28が覆体27内に注入されているので、接合部を埋設する絶縁性樹脂が熱劣化しにくく、かつ、熱変形による割れもなく、接合部間の短絡や接合部の電食が確実に抑えられる。
また、ワニス29がフロント側およびリヤ側コイルエンド群16f、16rに塗布されているので、フロント側およびリヤ側コイルエンド群16f、16rを構成するターン部30aがワニス29を介して連結され、フロント側およびリヤ側コイルエンド群16f、16rの耐振性が高められる。これにより、ターン部30a間の接触に起因する絶縁不良の発生や、ターン部30aの断線の発生が抑制される。
また、覆体27がガラスエポキシ樹脂で作製されているので、覆体27の耐熱性が高められ、付随結線部39の接合部での発熱に起因する覆体27の熱変形を抑えることができる。
【0033】
実施の形態2.
図11はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子をリヤ側から見た斜視図、図12はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体装着状態の付随結線部周りを径方向外側から見た側面図、図13はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子の絶縁樹脂未塗布状態の付随結線部周りを示す要部断面図、図14はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子の付随結線部周りを示す要部断面図、図15はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子におけるワニス塗布方法を説明する斜視図である。
【0034】
図11乃至図14において、覆体50は、ガラスエポキシ樹脂を用い、リヤ側(フロント側)の付随結線部39に嵌着されるキャップ部51と、リヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)に装着される環状部52とが一体に構成されている。そして、キャップ部51は、上記実施の形態1の覆体27と同一形状に構成されている。また、環状部52は、固定子鉄心15のリヤ側端面(フロント側端面)からリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の内周面に沿って軸方向外方に延び、リヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の軸端面に沿って円弧状に径方向外方に延びる断面J状を有する環状体に構成されている。
なお、この実施の形態2は、覆体27に代えて覆体50を用いている点を除いて、上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0035】
この実施の形態2では、図7に示される固定子巻線16の結線方法に基づいて、リヤ側およびフロント側で、第1乃至第6巻線32〜37の端部同士を接合した後、キャップ部51を付随結線部39に嵌着し、環状部52をリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)に被せて、覆体50を装着する。この時、口出し線(O)および中性点引き出し線(N)は環状部52に穿設された穴52aから引き出される。そして、口出し線(O)および中性点引き出し線(N)の結線が行われる。
【0036】
その後、環状部52の内周端の全周を固定子鉄心15のリヤ側端面(フロント側端面)に例えば接着剤により固着する。そこで、キャップ部51は、図13に示されるように、付随結線部39の内周面、外周面および軸端面にほぼ密着した状態で嵌着されている。また、環状部52は、リヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の内周面および軸端面にほぼ密着した状態で装着されている。
【0037】
ついで、シリコーン樹脂28が、キャップ部51内に注入される。そして、図15に示されるように、固定子鉄心15の軸心を水平あるいは所定角度傾けて回転させながら、ワニス29をリヤ側およびフロント側コイルエンド群16r、16fに径方向外側から滴下し、ワニス29をリヤ側およびフロント側コイルエンド群16r、16fに塗布する。これにより、図11に示される固定子8Aが得られる。なお、図14に示されるように、シリコーン樹脂28がキャップ部51に充填され、ワニス29がリヤ側およびフロント側コイルエンド群16r、16fに含浸されている。
【0038】
この実施の形態2によれば、覆体50が覆体27と同等のキャップ部51を備えているので、上記実施の形態1と同様の効果を有する。
また、覆体50の環状部52がリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の内周面および軸端面にほぼ密着した状態で装着されているので、ワニス29が環状部52の内壁面とリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)を構成するターン部30aとの間のワニス29の介在量を極めて少なくできる。その結果、ターン部30aで発生した熱は覆体50の環状部52に速やかに伝達され、環状部52の表面からファン5により形成された冷却風に放熱される。従って、環状部52を装着することに起因する放熱性の悪化が抑えられる。
【0039】
また、キャップ部51が付随結線部39の内周面、外周面および軸端面にほぼ密着した状態で嵌着され、かつ、環状部52の内周端が固定子鉄心15の端面に固着されているので、シリコーン樹脂28およびワニス29の塗布作業性が向上されるとともに、覆体50の位置ずれも防止される。
また、環状部52が断面J状に形成されているので、リヤ側およびフロント側コイルエンド群16r、16fの露出する外周面側からワニス29を塗布でき、ワニス29の塗布が容易となる。さらに、環状部52の内周端の全周が固定子鉄心15の端面に固着されているので、ワニス29が固定子鉄心15の内径側に漏れ出すこともなく、スロット15a内にも適量浸透される。そこで、固定子鉄心15と固定子巻線16とが十分に固着され、リヤ側およびフロント側コイルエンド群16r、16fの耐振性が向上される。
【0040】
また、環状部52がリヤ側およびフロント側コイルエンド群16r、16fの内周側および軸端側に沿うように装着されているので、ファン5による冷却風が環状部52に沿って流れ、通風抵抗を低減させることができるとともに、リヤ側およびフロント側コイルエンド群16r、16fの内周面の周方向における凹凸に起因する干渉音の発生が抑制される。
【0041】
実施の形態3.
図16はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子をリヤ側から見た斜視図、図17はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体未装着状態の付随結線部周りをリヤ側から見た端面図である。
【0042】
図16および図17において、リヤ側の付随結線部39Aは、6つの近接番地接合部314−5と3つの遠隔番地接合部311−6とがリヤ側コイルエンド群16fのターン部30a上に一直線に配列され、6つの近接番地接合部312−3と3つの遠隔番地接合部311−6とがリヤ側コイルエンド群16fのターン部30a上の近接番地接合部314−5と遠隔番地接合部311−6との列の内径側に一直線に配列されて構成されている。そして、付随結線部39Aは、リヤ側コイルエンド群16rの径方向範囲内に、即ちリヤ側コイルエンド群16rの径方向外側および内側に突き出ないように形成されている。なお、フロント側の付随結線部39Aも同様に構成されている。
また、覆体50Aは、ガラスエポキシ樹脂を用い、リヤ側(フロント側)の付随結線部39Aに嵌着されるキャップ部51Aと、リヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)に装着される環状部52とが一体に構成されている。そして、キャップ部51Aは、付随結線部39Aの外表面に密接する内面形状に形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0043】
この実施の形態3による固定子8Bでは、覆体50Aのキャップ部51Aが付随結線部39Aの内周面、外周面および軸端面にほぼ密着した状態で嵌着され、環状部52がリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の内周面および軸端面にほぼ密着した状態で装着されているので、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。
【0044】
また、上記実施の形態2による付随結線部39では、6つの近接番地接合部314−5と3つの遠隔番地接合部311−6とが円弧状に配列され、かつ、6つの近接番地接合部312−3と3つの遠隔番地接合部311−6とが近接番地接合部314−5と遠隔番地接合部311−6とで構成される列の内径側に円弧状に配列されているのに対し、この付随結線部39Aでは、6つの近接番地接合部314−5と3つの遠隔番地接合部311−6とが一直線に配列され、かつ、6つの近接番地接合部312−3と3つの遠隔番地接合部311−6とが近接番地接合部314−5と遠隔番地接合部311−6とで構成される列の内径側に一直線に配列されている。そこで、溶接治具を平行移動することで接合箇所を溶接することができ、接合作業性が向上され、低コスト化が図られる。
【0045】
また、付随結線部39Aにおいても、付随結線部39と同様に、リヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の径方向領域内に配置されているので、付随結線部39Aに嵌着されたキャップ部51Aがリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の径方向外側および内側に突き出て、ケース3や発電機内蔵部品と干渉することもない。
【0046】
実施の形態4.
図18はこの発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機の固定子の付随結線部周りを示す要部断面図である。
図18において、覆体50Bは、リヤ側(フロント側)の付随結線部39に嵌着されるキャップ部51と、リヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)に装着される環状部52Aとが一体に構成されている。そして、環状部52Aは、固定子鉄心15のリヤ側端面(フロント側端面)からリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の内周面に沿って軸方向外方に延び、リヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の軸端面に沿って円弧状に径方向外方に延び、さらにリヤ側コイルエンド群16r(フロント側コイルエンド群16f)の外周面に沿って軸方向内方に延びて固定子鉄心15のリヤ側端面(フロント側端面)に至る断面U状を有する環状体に構成されている。
なお、この実施の形態4は、覆体50に代えて覆体50Bを用いている点を除いて、上記実施の形態2と同様に構成されている。
【0047】
従って、この実施の形態4においても、上記実施の形態2と同様な効果が得られる。
また、この実施の形態4による固定子8Cでは、覆体50Bの環状部52Aがリヤ側コイルエンド群16rおよびフロント側コイルエンド群16fの外表面を覆うように配設されているので、リヤ側コイルエンド群16rおよびフロント側コイルエンド群16fとリヤブラケット2およびフロントブラケット1との間の絶縁性が確保される。
【0048】
なお、上記各実施の形態では、図7に示される結線方法に基づいて第1乃至第6巻線32〜37により結線固定子巻線16を構成するものとして説明しているが、第1乃至第6巻線32〜37の結線方法はこれに限定されるものではなく、仕様に応じて適宜設定されるものである。
また、付随結線部における接合部の配列状態、付随結線部と口出し線(中性点引き出し線を含む)との配列状態についても、上記各実施の形態の配列状態に限定されるものではない。つまり、付随結線部は直方体の積層鉄心を丸めた際の突き合わせ部に付随して形成されるものであるが、口出し線(中性点引き出し線を含む)は仕様に応じて適宜設定されるものであり、設計自由度を有する。
【0049】
また、上記各実施の形態では、巻線アッセンブリ40を径方向に3層に重ねて固定子鉄心15に装着するものとして説明しているが、巻線アッセンブリ40を径方向に2層あるいは4層以上重ねて固定子鉄心15に装着してもよいことはいうまでもないことである。
また、上記各実施の形態では、覆体27、50、50A、50Bをガラスエポキシ樹脂で作製するものとしているが、覆体27、50、50A、50Bの材料はガラスエポキシ樹脂に限定されるものではなく、電気絶縁性および耐熱性を有していればよく、例えばナイロンでもよい。
【0050】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、固定子巻線は、素線を所定スロット毎のスロットにスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装してなる複数の巻線を有し、巻線のそれぞれは、所定スロット離れたスロットの対に収納されている直線部をターン部により固定子鉄心の軸方向端面側で連結する波状パターンに形成され、コイルエンド群が該ターン部を固定子鉄心の軸方向端面側に周方向に配列して構成されている。そして、固定子巻線は、コイルエンド群の周方向所定範囲内の軸端近傍で複数の巻線の端部同士を接合して多相交流巻線に構成されている。さらに、覆体が複数の巻線の端部同士の接合部で構成される付随結線部の内周面、軸端面および外周面に密着するように嵌着され、かつ、第1絶縁性樹脂が覆体内に充填されている。そこで、接合部で発生する熱の放熱性を向上させることができるとともに、絶縁性樹脂の塗布作業性や品質の低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す縦断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子をリヤ側から見た斜視図である。
【図3】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体未装着状態の付随結線部周りをリヤ側から見た端面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の絶縁樹脂未塗布状態の付随結線部周りを示す要部断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体装着状態の付随結線部周りを径方向外側から見た側面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の付随結線部周りを示す要部断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子における固定子巻線の1相巻線を模式的に示すリヤ側端面図である。
【図8】 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の固定子の固定子巻線を構成する巻線アッセンブリを説明する図である。
【図9】 図8に示される巻線アッセンブリを構成する連続導体線を示す斜視図である。
【図10】 図8に示される巻線アッセンブリを構成する連続導体線の対を示す平面図である。
【図11】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子をリヤ側から見た斜視図である。
【図12】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体装着状態の付随結線部周りを径方向外側から見た側面図である。
【図13】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子の絶縁樹脂未塗布状態の付随結線部周りを示す要部断面図である。
【図14】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子の付随結線部周りを示す要部断面図である。
【図15】 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機の固定子におけるワニス塗布方法を説明する斜視図である。
【図16】 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子をリヤ側から見た斜視図である。
【図17】 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子の覆体未装着状態の付随結線部周りをリヤ側から見た端面図である。
【図18】 この発明の実施の形態4に係る車両用交流発電機の固定子の付随結線部周りを示す要部断面図である。
【符号の説明】
3 ケース、5 ファン(冷却手段)、7 回転子、8、8A、8B、8C 固定子、15 固定子鉄心、15a スロット、16 固定子巻線、16r リヤ側コイルエンド群、16f フロント側コイルエンド群、27 覆体、28 シリコーン樹脂(第1絶縁性樹脂)、29 ワニス(第2絶縁性樹脂)、30 連続導体線(素線)、30a ターン部、30b 直線部、311−6 遠隔番地接合部、312−3 近接番地接合部、314−5 近接番地接合部、32 第1巻線、33 第2巻線、34 第3巻線、35 第4巻線、36 第5巻線、37 第6巻線、39、39A 付随結線部、50、50A、50B 覆体、52、52A 環状部。

Claims (7)

  1. ケースと、
    上記ケース内に回転自在に配設された回転子と、
    上記回転子の外周に該回転子を取り囲むように上記ケースに固着され、内周側に開口するスロットが周方向に多数形成された円環状の固定子鉄心およびこの固定子鉄心に巻装された固定子巻線を有する固定子と、
    上記回転子の回転に連動して回転して上記固定子巻線を冷却する通風路を形成する冷却手段とを備え、
    上記固定子巻線は、素線を所定スロット毎の上記スロットにスロット深さ方向に内層と外層とを交互に採るように巻装してなる複数の巻線を有し、上記巻線のそれぞれは、上記所定スロット離れた上記スロットの対に収納されている直線部をターン部により上記固定子鉄心の軸方向端面側で連結する波状パターンに形成され、コイルエンド群が該ターン部を上記固定子鉄心の軸方向端面側に周方向に配列して構成されており、
    上記固定子巻線は、上記コイルエンド群の周方向所定範囲内の軸端近傍で上記複数の巻線の端部同士を接合して多相交流巻線に構成され、
    覆体が上記複数の巻線の端部同士の接合部で構成される付随結線部の内周面、軸端面および外周面に密着するように嵌着され、かつ、第1絶縁性樹脂が上記覆体内に充填されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 上記覆体は、上記コイルエンド群の内周面および軸端面を覆う環状部を有し、第2絶縁性樹脂が上記コイルエンド群に含浸されていることを特徴とする請求項1記載の車両用交流発電機。
  3. 上記覆体は、上記コイルエンド群の内周面、軸端面および外周面を覆う環状部を有し、第2絶縁性樹脂が上記コイルエンド群に含浸されていることを特徴とする請求項1記載の車両用交流発電機。
  4. 上記覆体がガラスエポキシ樹脂で作製されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両用交流発電機。
  5. 上記第2絶縁性樹脂がワニスであることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用交流発電機。
  6. 上記第1絶縁性樹脂がシリコーン樹脂あることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用交流発電機。
  7. 上記付随結線部を構成する上記接合部が、上記コイルエンド群の径方向外側および内側に突き出ないように直線状に配列されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車両用交流発電機。
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