JP4161644B2 - 内燃機関運転停止時回転制御方法及び内燃機関運転停止時回転制御装置 - Google Patents

内燃機関運転停止時回転制御方法及び内燃機関運転停止時回転制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の運転停止状態で他の駆動源からの回転駆動トルクにより内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御方法及び内燃機関運転停止時回転制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両用内燃機関においては、エコノミーランニングシステム(以下、「エコランシステム」と称する)が行われている。このエコランシステムは、燃費の改善などのために、自動車が交差点等で走行停止した時に内燃機関運転を自動停止するとともに、発進操作時に電動モータを回転させて内燃機関を自動始動して自動車を発進可能とさせる自動停止始動システムである。
【0003】
しかしこのような内燃機関運転の自動停止は、運転者が意識していない停止であるため、内燃機関の運転停止に起因して生じる振動が運転者に違和感を与えるおそれがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような内燃機関運転停止状態での振動抑制、例えば共振周波数域での振動抑制のためのシステムが知られている(特開2001−41072)。このシステムでは、共振周波数域の回転数に達する前に出力トルクを低減しておき、その後、内燃機関の停止とともにアイドル回転数制御弁を閉じて吸入空気量を低減することで、回転数を急速に低下させて、速やかに共振周波数域を通過させることで、共振周波数域での振動を抑制している。このような回転数の急激な低下処理を、モータジェネレータなどの他の装置により負方向(内燃機関の回転方向とは反対方向)のトルクを内燃機関に与えることにより実行することも考えられる。
【0005】
しかし、いずれにしても共振周波数域は通過することから、前述した手法では振動抑制は不十分である。更に、内燃機関停止のために急減速が行われていることから内燃機関回転停止時での振動が大きくなるという問題もある。このため更なる振動抑制が要求されている。
【0006】
本発明は、内燃機関の運転停止状態で他の駆動源からの回転駆動トルクにより内燃機関の回転制御を実行するに際して、内燃機関の回転を停止させる際の振動を抑制することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法は、内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御方法であって、内燃機関の回転を停止する過程では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減することを特徴とする。
【0008】
元来、内燃機関が回転する際にはフリクション変動が発生する。特に内燃機関の運転が停止している時の内燃機関回転では、フリクション変動による回転脈動が大きくなる。本発明ではトルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを、間を置いて出力する間欠的出力、又は間を置かずに繰り返す周期的出力を実行する。このことにより、内燃機関の回転脈動の周期を変更したり、あるいはフリクションの増大時と正方向の回転駆動トルク出力時とを重ねることにより回転脈動を小さくすることができる。ここで正方向とは内燃機関の回転方向と同じ方向を意味する。
【0009】
このように回転脈動の周期を変更することにより共振が生じにくくなることから、あるいは回転脈動を小さくすることにより共振自体が小さくなることから、内燃機関運転停止状態での振動を抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法は、内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御方法であって、内燃機関の回転を停止する過程では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを出力することにより内燃機関の回転数低下を緩慢にするとともに、該回転駆動トルクを間欠的又は周期的に増大させることにより振動を低減することを特徴とする。
【0011】
内燃機関の回転数を急速に低下させると減速開始時や回転停止時において、振動を発生することがある。このため本発明では、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを出力することにより内燃機関の回転数低下を緩慢にしている。このことにより減速開始時や回転停止時における速度の変化が小さくなり、回転数低下時の振動を抑制することができる。
【0012】
更に、本発明では、請求項1にて述べたごとくの内燃機関が回転する際のフリクション変動による回転脈動を抑制するために、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを、間を置いて増大する間欠的増大、又は間を置かずに繰り返す周期的増大を実行する。このことにより、内燃機関の回転脈動の周期を変更したり、あるいはフリクションの増大時と正方向の回転駆動トルク出力時とを重ねることにより回転脈動を小さくすることができる。
【0013】
このように回転脈動の周期を変更することにより共振が生じにくくなることから、あるいは回転脈動を小さくすることにより共振自体が小さくなることから、内燃機関運転停止状態での振動を抑制することができる。
【0014】
したがって一層効果的に内燃機関の回転を停止させる場合の振動を抑制することができる。
請求項3に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1又は2において、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関のフリクションが増大する期間に対応して実行することを特徴とする。
【0015】
このように内燃機関のフリクションが増大する期間に対応して、回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実施することにより、効果的に回転脈動を抑制できるので、振動抑制がより効果的なものになる。
【0016】
請求項4に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1又は2において、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関のフリクションの変動周期とは異なる間隔又は周期にて実行することを特徴とする。
【0017】
このように回転駆動トルクの間欠的出力や間欠的増大の間隔、あるいは回転駆動トルクの周期的出力や周期的増大の周期を、内燃機関のフリクションの変動周期とは異なるものとすることにより内燃機関の回転脈動の周期を変更することができる。このことにより対策しない場合に共振が生じる領域において共振を生じにくくすることができるようになる。
【0018】
請求項5に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1〜4のいずれか一項において、前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられた第1の振動抑制実行領域において実行され、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられて前記第1の振動抑制実行領域よりも先に通過する第2の振動抑制実行領域では、前記トルク駆動源からの正方向および負方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減することを特徴とする。
【0019】
内燃機関の運転停止から内燃機関の回転停止までの全期間あるいは全回転数域にて、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実施する必要はなく、特に振動抑制に効果的な領域にて実行すれば良い。したがって内燃機関の運転停止からの回転数状態により第1の振動抑制実行領域を設けて、この振動抑制実行領域にてトルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実施する。そして、内燃機関の回転を停止する過程において第2の振動抑制実行領域では、トルク駆動源からの正方向および負方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減する。このことにより効果的に振動を抑制しつつトルク駆動源でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0020】
請求項6に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項5において、前記第1の振動抑制実行領域及び前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関の回転が停止する直前に設定された基準回転数から内燃機関回転停止までの領域に設定されていることを特徴とする。
【0021】
内燃機関の回転停止直前に内燃機関の回転数が高い場合には、急激な回転数の低下により停止するため、回転停止時において振動を生じ易い。このため第1の振動抑制実行領域及び第2の振動抑制実行領域を、内燃機関の回転が停止する直前に設定された基準回転数から内燃機関回転停止までの領域に設定することにより、回転脈動を効果的に抑制できるので、この回転脈動が停止時の振動に重複して振動を大きくすることがない。特に、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを加えることにより、全く正方向の回転駆動トルクを加えない場合よりも内燃機関の回転数低下が緩慢になるので、効果的に振動を抑制することができる。
【0022】
請求項7に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項5において、前記第1の振動抑制実行領域又は前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関共振回転数域を含んでいることを特徴とする。
【0023】
特に内燃機関共振回転数域に内燃機関の回転数が存在する場合に回転脈動により振動を生じ易い。このため、少なくとも内燃機関の回転数が内燃機関共振回転数域を通過する期間では、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは間欠的又は周期的増大を実施することで、効果的に振動を抑制しつつトルク駆動源でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0024】
請求項8に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1〜7のいずれか一項において、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関の回転角に応じて行うことを特徴とする。
【0025】
内燃機関のフリクション変動は主に行程変化に依存している。したがって内燃機関の回転角に応じて、正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実施することにより、より効果的に振動を抑制することができる。
【0026】
請求項9に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1〜8のいずれか一項において、内燃機関の回転数に応じて、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力のための、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大のための出力指令タイミングを設定することを特徴とする。
【0027】
トルク駆動源に対して、正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力のための、あるいは正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大のための出力指令を実施しても、実際に所望の回転駆動トルクが内燃機関の出力軸に伝達されるまでには応答遅れが存在する。
【0028】
この応答遅れは時間的にほぼ一定であるが、内燃機関のフリクション変動の出現は内燃機関の回転数によって早くなったり遅くなったりする。したがって内燃機関の回転数に応じて前記出力指令タイミングを設定することにより、フリクション変動に適切に対処でき、効果的に振動を抑制できる。
【0029】
請求項10に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1〜9のいずれか一項において、内燃機関の回転を停止する過程において前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実行する領域では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクが加えられずに内燃機関が停止する場合よりも内燃機関の回転数が低下する速度を小さくすることを特徴とする。
【0030】
このようにトルク駆動源から正方向の回転駆動トルクを出力することにより、特に内燃機関の回転が停止する過程では、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクが加えられない場合よりも内燃機関の回転数が低下する速度を小さくしている。このため回転停止時の回転数変化を小さくでき、回転停止時の振動を抑制することができる。
【0031】
請求項11に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項10において、前記内燃機関の回転数が低下する速度をほぼ一定に維持することを特徴とする。
回転数が低下する速度の変化によっても振動が生じるので、回転数が低下する速度をほぼ一定に維持することにより振動を更に抑制することができる。
【0032】
請求項12に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1〜11のいずれか一項において、内燃機関の回転を停止する過程の前に、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクにより運転が停止した内燃機関の回転数を保持回転数に維持する保持期間を設けることを特徴とする。
【0033】
運転が停止した内燃機関の回転数を、トルク駆動源の出力にて保持回転数に維持することにより内燃機関の気筒内空気圧は大きく低減する。このように気筒内空気圧を大きく低減させると、内燃機関回転による燃焼室内の圧力変動が少なくなることから、フリクション変動も小さくなる。このためトルク駆動源による回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力によって、あるいは回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大によって、振動をより低減することができるようになる。
【0034】
請求項13に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項1〜12のいずれか一項において、前記トルク駆動源は電動モータであることを特徴とする。
トルク駆動源としては電動モータを挙げることができ、電流制御により高精度に回転駆動トルクの出力を調節することができ、効果的に振動を抑制することができる。
【0035】
請求項14に記載の内燃機関運転停止時回転制御方法では、請求項13において、前記電動モータは発電機を兼ねたモータジェネレータであることを特徴とする。
【0036】
電動モータとしては、前記モータジェネレータを用いることができ、発電機と兼用できるので、内燃機関回転数減速時あるいは内燃機関運転停止後に回転エネルギーを回収させる用途にも利用でき、更に燃費を向上させることもできる。
【0037】
請求項15に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置は、内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御装置であって、内燃機関が回転を停止する過程では、前記トルク駆動源の回転駆動トルク出力を調節して前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減する回転駆動トルク出力調節手段を備えたことを特徴とする。
【0038】
元来、内燃機関が回転する際にはフリクション変動が発生する。特に内燃機関の運転が停止している時の内燃機関回転では、フリクション変動による回転脈動が大きくなる。本発明では回転駆動トルク出力調節手段がトルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを、間を置いて出力する間欠的出力、又は間を置かずに繰り返す周期的出力を実行している。このことにより、回転駆動トルク出力調節手段は、内燃機関の回転脈動の周期を変更したり、あるいはフリクションの増大時と正方向の回転駆動トルク出力時とを重ねることにより回転脈動を小さくすることができる。
【0039】
このように回転脈動の周期を変更することにより共振が生じにくくなることから、あるいは回転脈動を小さくすることにより共振自体が小さくなることから、内燃機関運転停止状態での振動を抑制することができる。
【0040】
請求項16に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置は、内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御装置であって、内燃機関の回転を停止する過程では、前記トルク駆動源の正方向の回転駆動トルク出力を調節して内燃機関の回転数低下を緩慢にするとともに、該回転駆動トルクを間欠的又は周期的に増大させることにより振動を低減する回転駆動トルク出力調節手段を備えたことを特徴とする。
【0041】
内燃機関の回転数を急速に低下させると減速開始時や回転停止時において、振動を発生することがある。このため本発明では、回転駆動トルク出力調節手段が、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを出力することにより内燃機関の回転数低下を緩慢にしている。このことにより減速開始時や回転停止時における速度の変化が小さくなり、回転数低下時の振動を抑制することができる。
【0042】
更に、本発明では、請求項15にて述べたごとくの内燃機関が回転する際のフリクション変動による回転脈動を抑制するために、回転駆動トルク出力調節手段は、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを、間を置いて増大する間欠的増大、又は間を置かずに繰り返す周期的増大を実行する。このことにより、内燃機関の回転脈動の周期を変更したり、あるいはフリクションの増大時と正方向の回転駆動トルク出力時とを重ねることにより回転脈動を小さくすることができる。
【0043】
このように回転脈動の周期を変更することにより共振が生じにくくなることから、あるいは回転脈動を小さくすることにより共振自体が小さくなることから、内燃機関運転停止状態での振動を抑制することができる。
【0044】
したがって一層効果的に内燃機関の回転を停止させる場合の振動を抑制することができる。
請求項17に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15又は16において、内燃機関のフリクションが増大する期間を検出するフリクション増大期間検出手段を備え、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、前記フリクション増大期間検出手段にて検出された内燃機関のフリクションが増大する期間に対応して実行することを特徴とする。
【0045】
このように回転駆動トルク出力調節手段は、フリクション増大期間検出手段にて検出された内燃機関のフリクションが増大する期間に対応して、回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実施する。このことにより効果的に回転脈動を抑制できるので、振動抑制がより効果的なものになる。
【0046】
請求項18に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15又は16において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、内燃機関のフリクションの変動周期とは異なる間隔又は周期にて実行することを特徴とする。
【0047】
このように回転駆動トルク出力調節手段は、回転駆動トルクの間欠的出力や間欠的増大の間隔、あるいは回転駆動トルクの周期的出力や周期的増大の周期を、内燃機関のフリクションの変動周期とは異なるものにしている。このことにより内燃機関の回転脈動の周期を変更することができる。このことにより対策していない場合には共振が生じる領域において共振を生じにくくすることができるようになる。
【0048】
請求項19に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15〜18のいずれか一項において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられた第1の振動抑制実行領域において実行し、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられて前記第1の振動抑制実行領域よりも先に通過する第2の振動抑制実行領域では、前記トルク駆動源からの正方向および負方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減することを特徴とする。
【0049】
内燃機関の運転停止から内燃機関の回転停止までの全期間あるいは全回転数域にて、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいはトルク駆動源からの正方向の間欠的又は周期的増大を実施する必要はなく、特に振動抑制に効果的な領域にて実行すれば良い。したがって回転駆動トルク出力調節手段は、内燃機関の運転停止からの回転数状態により第1の振動抑制実行領域を設けて、この振動抑制実行領域にてトルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいはトルク駆動源からの正方向の間欠的又は周期的増大を実施する。そして、回転駆動トルク出力調節手段は、内燃機関の回転を停止する過程において第2の振動抑制実行領域では、トルク駆動源からの正方向および負方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減する。このことにより効果的に振動を抑制しつつトルク駆動源でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0050】
請求項20に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項19において、前記第1の振動抑制実行領域及び前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関の回転が停止する直前に設定された基準回転数から内燃機関回転停止までの領域に設定されていることを特徴とする。
【0051】
内燃機関の回転停止直前に内燃機関の回転数が高い場合には、急激な回転数の低下により停止するため、回転停止時において振動を生じ易い。このため第1の振動抑制実行領域及び第2の振動抑制実行領域を、内燃機関の回転が停止する直前に設定された基準回転数から内燃機関回転停止までの領域に設定することにより、回転駆動トルク出力調節手段は、回転脈動を効果的に抑制できるので、この回転脈動が停止時の振動に重複して振動を大きくすることがない。特に、回転駆動トルク出力調節手段がトルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを加えることにより、全く正方向の回転駆動トルクを加えない場合よりも内燃機関の回転数低下が緩慢になるので、効果的に振動を抑制することができる。
【0052】
請求項21に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項19において、前記第1の振動抑制実行領域又は前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関共振回転数域を含んでいることを特徴とする。
【0053】
特に内燃機関共振回転数域に内燃機関の回転数が存在する場合に回転脈動により振動を生じ易い。このため、回転駆動トルク出力調節手段は、少なくとも内燃機関の回転数が内燃機関共振回転数域を通過する期間では、トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは間欠的又は周期的増大を実施する。このことで、効果的に振動を抑制しつつトルク駆動源でのエネルギー消費を抑制することができる。
【0054】
請求項22に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15〜21のいずれか一項において、内燃機関の回転角検出手段を備え、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、前記回転角検出手段にて検出された内燃機関の回転角に応じて行うことを特徴とする。
【0055】
内燃機関のフリクション変動は主に行程変化に依存している。したがって回転駆動トルク出力調節手段は、回転角検出手段にて検出された内燃機関の回転角に応じて、正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実施する。このことにより、より効果的に振動を抑制することができる。
【0056】
請求項23に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15〜22のいずれか一項において、内燃機関の回転数検出手段を備え、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転数検出手段にて検出された内燃機関の回転数に応じて、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力のための、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大のための出力指令タイミングを設定することを特徴とする。
【0057】
トルク駆動源に対して、正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力のための、あるいは正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大のための出力指令を実施しても、実際に所望の回転駆動トルクが内燃機関の出力軸に伝達されるまでには応答遅れが存在する。
【0058】
この応答遅れは時間的にほぼ一定であるが、内燃機関のフリクション変動の出現は内燃機関の回転数によって早くなったり遅くなったりする。したがって回転駆動トルク出力調節手段は、回転数検出手段にて検出された内燃機関の回転数に応じて前記出力指令タイミングを設定することにより、フリクション変動に適切に対処でき、効果的に振動を抑制できる。
【0059】
請求項24に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15〜23のいずれか一項において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、内燃機関の回転を停止する過程において前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実行する領域では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを加えずに内燃機関を停止する場合よりも内燃機関の回転数が低下する速度を小さくすることを特徴とする。
【0060】
このように回転駆動トルク出力調節手段は、トルク駆動源から正方向の回転駆動トルクを出力することにより、特に内燃機関の回転が停止する過程では、トルク駆動源から正方向の回転駆動トルクが加えられない場合よりも内燃機関の回転数が低下する速度を小さくしている。このため回転停止時の回転数変化を小さくでき、回転停止時の振動を抑制することができる。
【0061】
請求項25に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項24において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記内燃機関の回転数が低下する速度をほぼ一定に維持することを特徴とする。
【0062】
回転数が低下する速度の変化によっても振動が生じるので、回転駆動トルク出力調節手段は、回転数が低下する速度をほぼ一定に維持することにより振動を更に抑制することができる。
【0063】
請求項26に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15〜25のいずれか一項において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、内燃機関の回転を停止する過程の前に、前記トルク駆動源の正方向の回転駆動トルク出力を調節して、運転が停止した内燃機関の回転数を保持回転数に維持する保持期間を設けることを特徴とする。
【0064】
回転駆動トルク出力調節手段が、運転が停止した内燃機関の回転数を、トルク駆動源の出力にて保持回転数に維持することにより、内燃機関の気筒内空気圧は大きく低減する。このように気筒内空気圧を大きく低減させると、回転による燃焼室内の圧力変動が少なくなることから、フリクション変動も小さくなる。このため回転駆動トルク出力調節手段は、トルク駆動源による正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力によって、あるいは正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大によって、振動をより低減することができるようになる。
【0065】
請求項27に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項15〜26のいずれか一項において、前記トルク駆動源は電動モータであることを特徴とする。
トルク駆動源としては電動モータを挙げることができ、回転駆動トルク出力調節手段は、電流制御により高精度に回転駆動トルクの出力を調節することができ、効果的に振動を抑制することができる。
【0066】
請求項28に記載の内燃機関運転停止時回転制御装置では、請求項27において、前記電動モータは発電機を兼ねたモータジェネレータであることを特徴とする。
【0067】
電動モータとしては、前記モータジェネレータを用いることができ、発電機と兼用できるので、内燃機関回転数減速時あるいは内燃機関運転停止後に回転エネルギーを回収させる用途にも利用でき、更に燃費を向上させることもできる。
【0098】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
以下、本発明に係る内燃機関運転停止時回転制御方法、内燃機関運転停止時回転制御装置及び記録媒体を具体化した実施の形態1について、図面を参照して詳細に説明する。
【0099】
図1は、上述した発明が適用された車両用内燃機関及びその制御装置のシステム構成図である。ここでは内燃機関としてガソリン式エンジン(以下、「エンジン」と称す)2が用いられている。尚、これ以外にも各種の内燃機関(ディーゼルエンジン、天然ガスエンジン等)に適宜適用して良いことは言うまでもない。
【0100】
エンジン2の出力は、クランク軸2aからトルクコンバータ4及びオートマチックトランスミッション(自動変速機:以下「AT」と称す)6を介して、出力軸6a側に出力され、最終的に駆動輪に伝達される。更にこのようなエンジン2から駆動輪への駆動力伝達系とは別に、エンジン2の出力は、クランク軸2aに接続されているプーリ10を介してベルト14に伝達される。そしてこのベルト14により伝達された回転力により、別のプーリ16,18が回転される。尚、プーリ10には電磁クラッチ10aが備えられており、必要に応じてオン(係合)オフ(解放)されて、プーリ10とクランク軸2aとの間で出力の伝達・非伝達を切り替え可能としている。尚、自動変速機6としては、他にも無段変速機(CVT)等の他の各種自動変速機も適用できる。又、手動変速機を備える車両に適用することも考えられる。
【0101】
上記プーリ16,18の内、プーリ16には補機類22の回転軸が連結されて、ベルト14から伝達される回転力により駆動可能とされている。補機類22としては、例えば、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ等が該当する。尚、図1では1つの補機類22として示しているが、実際にはエアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ等の1つ又は複数が存在し、それぞれプーリを備えることによりベルト14に連動して回転するようにされている。本実施の形態では、補機類22として、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ及びエンジン冷却用ウォータポンプが設けられているものとする。
【0102】
又、プーリ18によりモータジェネレータ(以下、「MG」と称す)26がベルト14に連動している。このMG26は必要に応じて発電機として機能(「発電モード」又は「回生モード」)することで、プーリ18から伝達されるエンジン2の回転力を電気エネルギーに変換する。更にMG26は必要に応じて電動モータとして機能(「駆動モード」)することでプーリ18を介してベルト14を回転させてエンジン2及び補機類22の一方あるいは両方を回転させる。
【0103】
ここで、MG26はインバータ28に電気的に接続されている。MG26を発電モード又は回生モードにする場合には、インバータ28はスイッチングにより、MG26から高圧電源(ここでは36V)用バッテリ30に対して、及びDC/DCコンバータ32を介して低圧電源(ここでは12V)用バッテリ34に対して充電を行うよう切り換える。更に点火系、メータ類あるいは各ECU(電子制御ユニット)その他に対する電源となるように切り換える。
【0104】
MG26を「駆動モード」にする場合には、インバータ28は電力源である高圧電源用バッテリ30からMG26へ電力を供給する。このことで、MG26を駆動して、プーリ18及びベルト14を介して、エンジン運転停止時においては補機類22の回転や、自動始動時、自動停止時あるいは車両発進時においてはクランク軸2aを回転させる。尚、インバータ28は高圧電源用バッテリ30からの電気エネルギーの供給を調節することで、MG26の回転数を調節できる。
【0105】
又、冷間始動時にエンジン始動のためにスタータ36が設けられている。スタータ36は低圧電源用バッテリ34から電力を供給されて、リングギアを回転させてエンジン2を始動させる。
【0106】
AT6には、低圧電源用バッテリ34から電力を供給される電動油圧ポンプ38が設けられており、AT6内部の油圧制御部に対して作動油を供給している。この作動油は油圧制御部内のコントロールバルブにより、AT6内部のクラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの作動状態を調節し、変速比を必要に応じて切り替えている。
【0107】
上述した電磁クラッチ10aのオンオフの切り替え、MG26、インバータ28のモード制御、スタータ36の制御、その他図示していないがバッテリ30,34に対する蓄電量制御はエコランECU40によって実行される。又、ウォータポンプを除く補機類22の駆動オンオフ、電動油圧ポンプ38の駆動制御、AT6の変速制御、燃料噴射弁42による燃料噴射制御、電動モータ44による吸気管2bに設けられたスロットルバルブ46の開度制御、その他のエンジン制御は、エンジンECU48により実行される。尚、燃料噴射弁42は吸気ポート噴射型でも良く、筒内噴射型でも良い。又、この他、VSC(ビークルスタビリティコントロール)−ECU50が設けられていることにより、各車輪のブレーキの自動制御も実行されている。
【0108】
尚、エコランECU40は、MG26に内蔵されている回転数センサからMG26の回転軸の回転数、エコランスイッチから運転者によるエコランシステムの起動指示有無、エンジン回転数センサからエンジン回転数NE、基準クランク角センサから基準クランク角信号G2、その他のデータを検出している。又、エンジンECU48は、水温センサからエンジン冷却水温THW、アイドルスイッチからアクセルペダルの踏み込み有無状態、アクセル開度センサからアクセル開度ACCP、舵角センサからステアリングの操舵角、車速センサから車速SPDをエンジン制御等のために検出している。更にエンジンECU48は、スロットル開度センサ46aからスロットル開度TA、シフト位置センサからのシフト位置SHFT、エンジン回転数センサからエンジン回転数NE、基準クランク角センサから基準クランク角信号G2についても、エンジン制御等のために検出している。加えてエンジンECU48は、エアコンスイッチからオンオフ操作有無、その他のデータをエンジン制御等のために検出している。
【0109】
VSC−ECU50は制動制御等のためにブレーキペダル52の操作データを検出している。ブレーキペダル52にはブレーキスイッチ52aが設けられてブレーキペダル52の踏み込み状態BSWを表す信号をVSC−ECU50に出力する。すなわちブレーキスイッチ52aは、ブレーキペダル52が踏み込まれていない場合にはオフ(OFF)信号を、ブレーキペダル52が踏み込まれている場合にはオン(ON)信号を出力する。
【0110】
尚、ブレーキペダル52の踏み込み力を増加させる倍力装置としてブレーキブースタ56が設けられている。ブレーキブースタ56は、ダイヤフラム56aにより区画されて形成された2つの圧力室56b,56cを有している。この内、第1圧力室56bにはブレーキブースタ圧力センサ56dが設けられ、第1圧力室56b内のブレーキブースタ圧力BBPを検出してブレーキブースタ圧力BBPに対応する信号を出力する。この第1圧力室56bへは、チェック弁56eを介してサージタンク2cから吸気負圧が供給されている。このチェック弁56eは第1圧力室56bからサージタンク2cへの空気の流れを許し、逆の流れは禁止するものである。
【0111】
上記ブレーキブースタ56は次のように機能する。すなわちブレーキペダル52が踏み込まれていないときには、ブレーキブースタ56内に設けられた負圧制御バルブ56fは第1圧力室56b内の負圧を第2圧力室56cへ導入している。このため第1圧力室56bと第2圧力室56cとは同じ負圧状態となるので、スプリング56gによりダイヤフラム56aはブレーキペダル52側に押し戻されている。このためダイヤフラム56aと連動するプッシュロッド56hはマスタシリンダ56i内のピストン(図示略)を押すことはない。
【0112】
一方、ブレーキペダル52が踏み込まれると、ブレーキペダル52に設けられた入力側ロッド56jに連動して負圧制御バルブ56fが第1圧力室56bと第2圧力室56cとの間を遮断するとともに、大気を第2圧力室56cに導入する。このことにより吸気負圧状態の第1圧力室56bと大気圧となった第2圧力室56cとの間に圧力差が生じる。このためブレーキペダル52に対する踏み込み力が倍増されてダイヤフラム56aはスプリング56gの付勢力に抗してプッシュロッド56hをマスタシリンダ56i側に押し込む。このことにより、マスタシリンダ56i内のピストンが押されて制動が行われる。
【0113】
そして、ブレーキペダル52が踏み戻されると、ブレーキペダル52に設けられた入力側ロッド56jに連動して負圧制御バルブ56fが第2圧力室56cと外気側との連通を遮断し、第1圧力室56bと第2圧力室56cとの間を連通状態にする。このことにより第2圧力室56c内に第1圧力室56bから吸気負圧が導入される。このため第1圧力室56bと第2圧力室56cとは同圧となる。したがってダイヤフラム56aはスプリング56gの付勢力によりブレーキペダル52側に移動して、元の非制動状態に戻る。
【0114】
尚、上述した各ECU40,48,50は、マイクロコンピュータを中心として構成されており、内部のROMに書き込まれているプログラムに応じてCPUが必要な演算処理を実行し、その演算結果に基づいて各種制御を実行している。これらの演算処理結果及び前述のごとく検出されたデータは、相互にデータ通信が可能とされているECU40,48,50間で必要に応じて交換される。このことによりECU40,48,50は相互に連動して制御を実行することが可能となっている。
【0115】
次に、エコランECU40にて実行される制御について説明する。尚、以下に説明する自動停止処理(図2)、エンジン停止時MG駆動処理(図3)、クランク軸回転処理(図4)、回転数低減処理(図5)及び自動始動処理(図9)は、運転者がエコランスイッチをオンした場合に実行されるものである。これらの処理を実行するプログラムは、エコランECU40内のROM(記録媒体に相当)に記録されており、エコランECU40内のCPUに読み取られて実行される。
【0116】
自動停止処理を図2のフローチャートに示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
【0117】
本自動停止処理が開始されると、まず自動停止実行を判定するための運転状態が読み込まれる(S110)。例えば、エンジン冷却水温THW、アクセルペダルの踏み込み有無、バッテリ30,34の電圧、ブレーキペダル52の踏み込み有無、及び車速SPD等を、エコランECU40内部のRAMの作業領域に読み込む。
【0118】
次に、これらの運転状態から自動停止条件が成立したか否かが判定される(S120)。例えば、以下の条件(1)〜(5)が全て満足された場合に自動停止条件が成立したと判定される。
(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値よりも低く、かつ水温下限値より高い)である。
(2)アクセルペダルが踏まれていない状態(アイドルスイッチがオン)である。
(3)バッテリ30,34の蓄電量がそれぞれ必要なレベルに存在する状態である。
(4)ブレーキペダル52が踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ52aがオン)である。
(5)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)である。
【0119】
上記条件(1)〜(5)の一つでも満足されていない場合には自動停止条件は不成立として(S120で「NO」)、一旦本処理を終了する。
一方、運転者が、例えば交差点等にて自動車を停止させたことにより、自動停止条件が成立した場合には(S120で「YES」)、走行時MG制御処理を停止する(S130)。この走行時MG制御処理は、後述する自動始動処理(図9)にて実行が開始される処理である。具体的には走行時MG制御処理は、通常走行時においてはMG26を発電モードにし、車両減速時においては燃料カット時にMG26を回生モードにして走行エネルギーを回収したり、燃料カットからの復帰直後にエンジン2の回転をアシストする処理である。
【0120】
次にエンジン停止処理が行われる(S140)。すなわち、エコランECU40からエンジンECU48へ燃料カットの指示がなされることにより、燃料噴射弁42の燃料噴射が停止され、更にスロットルバルブ46は全閉状態とされる。このことによりエンジン燃焼室内での燃焼が停止して、エンジン2の運転は停止する。
【0121】
次に後述するエンジン停止時MG駆動処理(図3)の実行が設定される(S150)。こうして一旦本処理を終了する。
エンジン停止時MG駆動処理を図3のフローチャートに示す。本処理は前記ステップS150の実行により開始され、短時間周期で繰り返し実行される処理である。
【0122】
エンジン停止時MG駆動処理が開始されると、まずエンジン停止時の振動低減処理が終了したことを示す振動低減処理終了フラグXstopが「OFF」か否かが判定される(S210)。尚、振動低減処理終了フラグXstopは、エコランECU40の電源オン時の初期設定時、及び後述する自動始動処理(図9)にて自動始動条件が成立した場合に「OFF」に設定される。
【0123】
最初は、Xstop=「OFF」であることから(S210で「YES」)、まずエンジンECU48に対してエアコンのオンを禁止する指示を行う(S215)。このことにより、もしエアコンがオンされていた場合には、エンジンECU48はエアコン用コンプレッサとプーリ16との間を遮断してエアコンの駆動を停止する。
【0124】
そして次にクランク軸回転処理(S220)が実行される。クランク軸回転処理の詳細を図4に示す。クランク軸回転処理では、まずプーリ10に設けられている電磁クラッチ10aをオン状態とし(S310)、MG26を駆動モードにする(S320)。尚、ステップS310の処理は、既に電磁クラッチ10aがオン状態であればオン状態を維持する場合も含む。電磁クラッチ10aをオン状態とする他の処理についても同じである。
【0125】
そして回転数低減開始フラグXdownが「OFF」か否かが判定される(S330)。回転数低減開始フラグXdownは、エコランECU40の電源オン時の初期設定時、及び後述する自動始動処理(図9)にて自動始動条件が成立した場合に「OFF」に設定される。
【0126】
最初は、Xdown=「OFF」であることから(S330で「YES」)、次にエンジン2の目標回転数NEtにアイドル目標回転数NEidl(例えば600rpm)を設定する(S340)。そしてエンジン回転数NEが目標回転数NEtとなるようにインバータ28によりMG26の出力制御を行う(S350)。すなわち、MG26の出力により、プーリ18、ベルト14及びプーリ10を介してエンジン2のクランク軸2aを回転させ、エンジン2をアイドル回転と同等の回転数にする制御を開始する。
【0127】
次に実際のエンジン回転数NEが目標回転数NEtに達したか否かが判定される(S360)。未だ実際のエンジン回転数NEが目標回転数NEtに達していなければ(S360で「NO」)、一旦、本処理を終了する。
【0128】
以後、ステップS340,S350を繰り返すことで、MG26の出力制御(S350)により、エンジン回転数NEを目標回転数NEtに制御する。そして、一旦、エンジン回転数NEが目標回転数NEtに達したならば(S360で「YES」)、次にエンジン回転数NEが目標回転数NEtに達してから保持期間が経過したか否かが判定される(S370)。この保持期間はエンジン回転数NEを保持回転数(ここではアイドル目標回転数NEidl)に保持するための期間であり、例えば、0.5秒である。保持期間を経過するまでは(S370で「NO」)、ステップS340,S350を繰り返す。
【0129】
MG26の駆動にてエンジン2を強制的にアイドル回転レベルの回転数に維持する状態が、保持期間を経過した場合には(S370で「YES」)、次にブレーキブースタ圧力センサ56dにて検出されるブレーキブースタ圧力BBPが基準圧力Px以下となったか否かが判定される(S380)。この基準圧力Pxは、ブレーキブースタ56がエンジン回転停止後に直ちにブレーキペダル52を踏み直したとしてもブレーキ踏力の倍力機能を十分に発揮できる程度の圧力を表している。
【0130】
BBP>Pxであれば(S380で「NO」)、次にエンジン回転数NEが目標回転数NEtに達してから限界時間を経過したか否かが判定される(S390)。この限界時間とは、例えば3秒である。限界時間を経過するまでは(S390で「NO」)、ステップS340,S350を繰り返す。そして、BBP≦Pxとなれば(S390で「YES」)、回転数低減開始フラグXdownに「ON」が設定され(S400)、本処理を一旦を終了する。
【0131】
尚、保持期間を経過した(S370で「YES」)時点で既にBBP≦Pxとなっていれば(S380で「YES」)、直ちに回転数低減開始フラグXdownに「ON」が設定され(S400)、本処理を一旦を終了する。
【0132】
前述した保持期間は、スロットルバルブ46の全閉状態にてクランク軸2aがMG26にて強制的に回転されることにより、エンジン気筒内の空気圧低下を完了させてエンジン2の回転が停止する際の振動を抑制するために設けられた時間である。この保持期間は、エンジンの種類により、更に直前までのエアコンや電気負荷の状態によって異なるが、予め実験にて、振動抑制効果が生じる空気圧となるまでの時間が求められて設定されている。
【0133】
一方、限界時間は、例えば運転者によるブレーキペダル52の操作がなされていたことにより、ブレーキブースタ圧力BBPが基準圧力Pxまで低下しなかった場合に、高圧電源用バッテリ30の蓄電量消耗を避けるために設けられている時間である。
【0134】
このようにして回転数低減開始フラグXdown=「ON」に設定される(S400)と、次の制御周期では、ステップS330にて「NO」と判定される。そして次にパワーステアリングポンプの駆動要求が有るか否か、すなわちステアリング操舵中、又はステアリングが高負荷にある状態で保持されて停止している場合等であってパワーステアリング油圧が高い状態か否かが判定される(S410)。
【0135】
ここでパワーステアリングポンプの駆動要求が無ければ(S410で「NO」)、次に図5に示す回転数低減処理が実行される。この回転数低減処理について説明する。
【0136】
まず現在のエンジン回転数NEが下限回転数NEminより大きいか否かが判定される(S452)。この下限回転数NEminとしては、ここでは「0(rpm)」が設定されている。このため、エンジン回転が完全に停止するまで、以下に述べる処理が繰り返されることになる。
【0137】
当初は、直前までなされていたステップS340,S350の処理により、エンジン回転数NEはアイドル目標回転数NEidlにフィードバック制御されているので、NE>NEminと判定される(S452で「YES」)。
【0138】
次にMG26の目標回転数NMGtの算出がなされる(S454)。例えば次式1によりMG目標回転数NMGtを算出する。
【0139】
【数1】
NMGt ← NMGt − dNMG … [式1]
ここで、徐変値dNMGは、MG目標回転数NMGtを徐々に低下させるための値である。すなわち、エンジン2の運転を停止してMG26にて何らのアシスト用の回転駆動トルクを出力しなかった場合のエンジン回転数NEの減速度に比較して、エンジン回転数NEの減速度が小さくなるように設定されている。尚、NMGtの初期値としては、プーリ10,18間のプーリ比にて換算したアイドル目標回転数NEidlに相当する値が設定されている。又、前記式1の計算で右辺が負の値となった場合には、NMGtには「0(rpm)」が設定される。
【0140】
次にこのようにして求められたMG目標回転数NMGtに対するMG26の回転数NMGの偏差に基づいて、モータ駆動平均指令電流値Taveが算出される(S456)。例えば次式2のごとくにモータ駆動平均指令電流値Taveが算出される。
【0141】
【数2】
Tave ← Tave + kT×(NMGt−NMG) … [式2]
この式2において右辺の「Tave」は前回の制御周期にて求められているモータ駆動平均指令電流値を表し、左辺の「Tave」は今回の制御周期にて求められたモータ駆動平均指令電流値を表す。係数kTは制御応答性を決定するために適宜設定される係数である。
【0142】
すなわちMG回転数NMGがMG目標回転数NMGtより小さい場合には、モータ駆動平均指令電流値Taveが前回の制御周期よりも増加されることにより、MG26の駆動トルクは増加されてクランク軸2aに伝達される。MG回転数NMGがMG目標回転数NMGtより大きい場合には、モータ駆動平均指令電流値Taveが前回の制御周期よりも減少されることにより、MG26の駆動トルクは減少されてクランク軸2aに伝達される。このことによりエンジン回転数NEがプーリ10,18間のプーリ比にて換算したMG目標回転数NMGtに相当する回転数となるようにフィードバック制御される。
【0143】
次にトルク算出用クランク進角値θfwdが算出される(S458)。このトルク算出用クランク進角値θfwdは、エコランECU40からMG26に対して要求トルクに対応する電流指令を実行しても、実際にMG26から要求トルクが出力されるまでには時間遅れが存在する。この遅れに対処するために必要なクランク角の進角値を設定する値である。クランク角にて表されるトルク算出用クランク進角値θfwdは、エンジン回転数NEにより変化する。このため、図6に示すごとくのマップあるいは関数により、エンジン回転数NEに基づいて設定される。
【0144】
次に別途エンジン回転数NE信号と基準クランク角信号G2とに基づいて算出されている現在のクランク角θとトルク算出用クランク進角値θfwdとに基づいてオフセット指令電流値Toftが算出される(S460)。例えば、エンジン2が6気筒エンジンである場合には、図7(B)に示すマップあるいは関数によりオフセット指令電流値Toftが設定される。
【0145】
ここで図7はクランク角120°毎のエンジンフリクション変動(A)と、これに対抗するためのオフセット指令電流値Toft(B)との関係を示している。エンジン2は各気筒の圧縮行程から膨張行程にかけて図7(A)に示したごとくエンジンフリクションが変化する。このためモータ駆動平均指令電流値TaveをMG目標回転数NMGtの低下に応じて一律に低下させたのでは、図8(B)に破線で示すごとくクランク角120°を1周期とする回転脈動を生じる。
【0146】
このエンジンフリクション変動に対抗するために図7(B)に従って120°毎のオフセット指令電流値Toftを設定する。尚、図7(B)においてクランク角原点θ0は、クランク角θ=0°,120°,240°,360°,480°,600°が該当する。
【0147】
オフセット指令電流値Toftの算出は、まず図7(B)の現在のクランク角がθaであるとすると、この位置から応答遅れを考慮するトルク算出用クランク進角値θfwd分進角した位置であるθbの値Tbが求められる。又、現在のクランク角がθcであれば、トルク算出用クランク進角値θfwd分進角した位置であるθdの値Tdが求められ、現在のクランク角がθeであれば、トルク算出用クランク進角値θfwd分進角した位置であるθfの値Tfが求められる。
【0148】
次に次式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S462)。
【0149】
【数3】
Tall ← Tave + Toft … [式3]
このようにして指令総電流値Tallが設定されることによりエコランECU40はMG26の出力制御を実行する(S464)。このことによりインバータ28からMG26へ指令総電流値Tallに相当する電流が供給される。
【0150】
以後、NE>NEminである限り(S452で「YES」)、前述したステップS454〜S464の処理が繰り返されて、次第にエンジン回転数NEは低下して行く。この間、指令総電流値Tallは図8(C)に示すごとく、エンジンフリクションに対抗して脈動しかつ常に正方向に回転駆動トルクを出力させるように設定されるので、エンジン回転数NEは図8(B)に実線にて示すごとく、脈動をほとんど生じることなく緩慢に低下する。このエンジン回転数NEの低下中に共振回転数域(300〜200rpm)を通るが、回転脈動がほとんどないので緩慢に通過しても共振はほとんど生じない。
【0151】
そしてNMGt=「0(rpm)」となり(S454)、この結果、エンジン回転が停止して、エンジン回転数NE=「0(rpm)」となると(S452で「NO」)、振動低減処理終了フラグXstopに「ON」を設定し(S466)、一旦本処理を終了する。
【0152】
このようにしてエンジン回転を徐々に低下させて停止した後に、Xstop=「ON」(S466)となるので、次の制御周期のステップS210(図3)では、「NO」と判定される。この結果、エアコンオンを許可する指示がエンジンECU48に対してなされる(S225)。そして次に補機類22の駆動要求が有るか否かが判定される(S230)。ここで補機類の駆動要求が有れば(S230で「YES」)、電磁クラッチ10aをオフして(S240)、MG26を駆動モードにする(S250)。尚、ステップS240の処理は、既に電磁クラッチ10aがオフ状態であればオフ状態を維持する場合も含む。電磁クラッチ10aをオフ状態とする他の処理についても同じである。
【0153】
そしてMG目標回転数NMGtに、アイドル目標回転数NEidlをプーリ10,18間のプーリ比にて換算した値である回転数NMGidlを設定する(S260)。そしてMG回転数NMGがMG目標回転数NMGtとなるようにインバータ28によりMG26の出力制御を行う(S270)。こうして一旦本処理を終了する。一方、補機類の駆動要求が無ければ(S230で「NO」)、MG26の機能を停止して(S280)、一旦本処理を終了する。
【0154】
尚、MG26の機能停止(S280)によってエンジン2の回転が停止した後に、補機類22の駆動要求が有る場合には(S230で「YES」)、前記ステップS240〜S270の処理がなされる。このことによりエンジン回転が停止していても、MG26によりエアコンやパワーステアリングを、要求に応じて駆動させることができる。そして、この時には電磁クラッチ10aはオフ状態にされているので、MG26が駆動してもエンジン2のクランク軸2aは回転することがなく、無駄な電力消費を防止して燃費を向上させることができる。
【0155】
尚、NE>NEminの状態で(S452で「YES」)、ステップS454〜S464の処理を繰り返している際に、ステップS410にてパワーステアリングポンプの駆動要求が有ると判定されると(S410で「YES」)、パワーステアリングポンプ駆動要求時処理が実行される(S440)。
【0156】
このパワーステアリングポンプ駆動要求時処理は、補機類22に属するパワーステアリングポンプを駆動してパワーステアリングのために十分な作動油圧を迅速に発生させるために行われるものである。このパワーステアリングポンプ駆動要求時処理としては、例えばMG26のMG回転数NMGを再度パワーステアリングポンプの駆動に必要な回転数まで上昇させる処理が行われる。あるいは振動低減処理終了フラグXstopに「ON」を設定することにより、次の制御周期にて図3のステップS210にて「NO」と判定させて、そしてステップS230にて「YES」と判定させることにより、迅速にステップS240〜S270の処理を実行させる処理が行われる。
【0157】
次に自動始動処理を図9のフローチャートに示す。本処理は短時間周期で繰り返し実行される処理である。
本自動始動処理が開始されると、まず自動始動実行を判定するための運転状態が読み込まれる(S510)。ここでは例えば自動停止処理(図2)のステップS110にて読み込んだデータと同じ、エンジン冷却水温THW、アイドルスイッチの状態、バッテリ30,34の蓄電量、ブレーキスイッチ52aの状態及び車速SPD等をRAMの作業領域に読み込む。
【0158】
次にこれらの運転状態から自動始動条件が成立したか否かが判定される(S520)。例えば自動停止処理によるエンジン停止状態にあるとの条件下に、下記の条件(1)〜(5)の内の1つでも満足されなかった場合に自動始動条件が成立したと判定する。
(1)エンジン2が暖機後でありかつ過熱していない状態(エンジン冷却水温THWが水温上限値よりも低く、かつ水温下限値より高い)である。
(2)アクセルペダルが踏まれていない状態(アイドルスイッチがオン)である。
(3)バッテリ30,34の蓄電量がそれぞれ必要なレベルにある状態である。
(4)ブレーキペダル52が踏み込まれている状態(ブレーキスイッチ52aがオン)である。
(5)車両が停止している状態(車速SPDが0km/h)である。
【0159】
自動停止処理によるエンジン停止状態ではない場合、あるいは自動停止処理によるエンジン停止状態であっても上記条件(1)〜(5)のすべてが満足されている場合には自動始動条件は不成立として(S520で「NO」)、一旦本処理を終了する。
【0160】
自動停止処理によるエンジン停止状態において上記条件(1)〜(5)の一つでも満足されなくなった場合には自動始動条件は成立したとして(S520で「YES」)、前述したエンジン停止時MG駆動処理(図3)を停止する(S530)。そしてMG駆動発進始動処理及び走行時MG制御処理の実行が設定される(S540)。ここでMG駆動発進始動処理は、MG26の駆動により車両の発進とエンジン2の始動とを実行する処理である。又、走行時MG制御処理は、通常走行時となるとエンジン2の出力にてMG26を回転させて発電させたり車両減速時の燃料カット時に車両の走行エネルギーをMG26にて回収する処理である。
【0161】
次に振動低減処理終了フラグXstopを「OFF」に設定し(S550)、回転数低減開始フラグXdownを「OFF」に設定して(S560)、一旦、本処理を終了する。
【0162】
上述したごとく実行される処理の一例を図10のタイミングチャートに示す。実線で示すごとく、時刻t0以前では、車両停止後にエンジンECU48にて実行されるアイドル回転制御により、エンジン2はその時の負荷状態に応じたアイドル回転数で運転されている。時刻t0にて自動停止条件が成立すると、燃料噴射弁42からの燃料噴射が停止されることによりエンジン2は運転を停止する。そしてクランク軸回転処理(図4)により、MG26が駆動されてエンジン目標回転数NEtがアイドル目標回転数NEidl(=600rpm)に設定され、この回転状態が保持期間継続する。このMG26によるエンジン2の強制回転時には、スロットルバルブ46は全閉状態にあるため、気筒内の空気圧は空気圧Pa以下となり、エンジン回転停止時の振動抑制効果を生じる。
【0163】
そして保持期間後の時刻t1以後は、回転数低減処理(図5)が実行されるので、エンジン回転数NEは徐々に低下される。この回転数低下の途中に共振回転数領域(300〜200rpm)を通過するが、図8に実線にて示したごとく回転脈動がほとんど生じないようにされているので共振が生じることがなく、共振回転数領域通過する期間(t2〜t3)においても車両振動を抑制できる。
【0164】
更に減速開始から回転停止まで緩慢な低下となっているので、回転低下開始時においても回転停止時においても急激な回転数変化が生じず、振動の発生を防止できる。
【0165】
上述した構成において、エコランECU40内のROMがコンピュータ読み取り可能な記録媒体に相当し、このROMに記録されCPUに読み取られて実行されるプログラムの内で、回転数低減処理(図5)が回転駆動トルク出力調節手段としての処理に相当する。又、エンジン回転数センサが回転数検出手段に相当し、このエンジン回転数センサからのエンジン回転数NE信号と基準クランク角センサからの基準クランク角信号G2とに基づくクランク角の算出処理が回転角検出手段及びフリクション増大期間検出手段に相当する。前述したステップS454〜S464の処理が繰り返される回転数領域が振動抑制実行領域に相当する。
【0166】
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).本実施の形態ではエンジン2が回転する際のフリクション変動による回転脈動を抑制するために、トルク駆動源としてのMG26の正方向の回転駆動トルクを間欠的に増大することにより、フリクションの増大をMG26の出力により相殺して回転脈動を抑制している。このように回転脈動を抑制することにより共振が小さくなるので、エンジン2の回転を停止させる際の振動を抑制できる。
【0167】
更に、本実施の形態では、MG26から正方向の回転駆動トルクを常に出力することによりエンジン回転数NEの低下を緩慢にしている。このことにより減速開始時や回転停止時における回転数変化が小さくなり、回転数低下時の振動抑制を一層効果的なものにできる。
【0168】
(ロ).エンジン2のフリクション変動は主に行程変化に依存している。したがって回転数低減処理(図5)ではクランク角に応じて、正方向の回転駆動トルクの間欠的増大を実施することにより、より効果的に振動を抑制することができる。
【0169】
尚、本実施の形態では上述したフリクションの増大に対抗する正方向の回転駆動トルクの間欠的増大に加えて、フリクションの減少に対抗する正方向の回転駆動トルクの間欠的減少も実施しているので、更に効果的に振動を抑制することができる。
【0170】
(ハ).MG26に対する出力指令から、実際にMG26が回転駆動トルクを出力するまでには応答遅れがあるので、エンジン回転数NEに応じてMG26への出力指令タイミングを設定している。このことによりフリクション変動に適切に対処でき、効果的に振動を抑制できる。
【0171】
(ニ).前述したごとくMG26からは常に正方向の回転駆動トルクが出力されていることにより回転数低下が緩慢化されるとともに、更にフィードバック制御により減速度をほぼ一定に維持している。このことにより回転数変動が少なくなり振動を更に抑制することができる。
【0172】
(ホ).運転が停止したエンジン2の回転数NEを保持回転数(ここではアイドル目標回転数NEidl)に維持しているため、エンジン2の気筒内空気圧が大きく低減される。このように気筒内空気圧を大きく低減させることにより、回転による燃焼室内の圧力変動が少なくなることから、フリクション変動も小さくなる。このためその後に行われるMG26による回転駆動トルクの間欠的増大による振動低減をより効果的なものにすることができる。
【0173】
(ヘ).運転が停止したエンジン2の回転をアシストするものとして、MG26を用いている。このため発電機としてエンジン減速時あるいはエンジン運転停止後に回転エネルギーを回収させる用途に利用でき、更に燃費を向上させることができる。
【0174】
[実施の形態2]
本実施の形態では、回転数低減処理(図5)の代わりに図11に示す回転数低減処理を同一周期にて実行する。これ以外の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0175】
回転数低減処理(図11)について説明する。本処理のステップS452,S454〜S466は前記図5の同一ステップ番号で示している処理と同じであるので詳細な説明は省略する。
【0176】
本処理が開始されると、まず、現在のエンジン回転数NEが下限回転数NEminより大きいか否かが判定される(S452)。当初は、直前までエンジン回転数NEはアイドル目標回転数NEidlにフィードバック制御されていたので、NE>NEminと判定される(S452で「YES」)。
【0177】
次にNE<NEmin+NEfか否かが判定される(S453a)。ここで低回転数設定値NEfは、例えば200〜100rpmの範囲に設定されている値であり下限回転数NEmin直前の回転数を判定するための判定補正値である。ここではNEf=200rpmに設定してある。尚、下限回転数NEmin=0(rpm)としているので、「NEmin+NEf」はエンジン回転停止直前の回転数を判定する値として設定されている。
【0178】
当初は、NE>NEmin+NEfであることから(S453aで「NO」)、モータ駆動平均指令電流値Taveに「0(A)」を設定する(S453b)。そしてステップS458〜S464を実行する。このことにより前記式3にて求められる指令総電流値Tallは、図12(C)に示すごとくエンジンフリクションの脈動に対抗する電流値のみとなる。以後、NE≧NEmin+NEfである限りは(S453aで「NO」)、ステップS458〜S464の処理が継続する。
【0179】
したがって図13のタイミングチャートに例示するごとく、急速にエンジン回転数NEは低下する(t11〜t13)。この急速に低下する期間において共振回転数域を通る(t12〜t13)が、ステップS458,S460にて算出されるオフセット指令電流値Toftにより図12(B)に実線で示したごとく回転脈動は抑制されているので共振はほとんど生じない。
【0180】
そして、NE<NEmin+NEfとなると(S453aで「YES」:t13)、MG26の目標回転数NMGtの算出が前記式1のごとくなされる(S454)。ただし、NMGtの初期値としては、プーリ10,18間のプーリ比にて換算したNEmin+NEf(ここでは200rpm)に相当する値が設定される。
【0181】
次にこのようにして求められたMG目標回転数NMGtに対するMG26の回転数NMGの偏差に基づいて、前記式2のごとくモータ駆動平均指令電流値Taveが算出される(S456)。
【0182】
そして、ステップS458〜464を実行する。このことにより前記式3にて求められる指令総電流値Tallは、前記図8(C)に示すごとくとなりエンジン回転数NEの低下を緩慢にするとともに回転脈動を抑制する。このため共振はほとんど生じない。この状態がエンジン回転停止まで継続する。
【0183】
エンジン回転が停止すれば(S452で「NO」:t14)、振動低減処理終了フラグXstopに「ON」が設定されるので(S466)、エンジン停止時MG駆動処理(図3)のステップS210で「NO」と判定されて、前述したごとくエンジン回転停止状態における処理(S225〜S280)がなされる。
【0184】
上述した構成において、回転数低減処理(図11)が回転駆動トルク出力調節手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
【0185】
(イ).本実施の形態では、エンジン回転停止直前において前記実施の形態1の(イ)、(ロ)にて述べたごとく、エンジン2のフリクション変動による回転脈動を抑制するために、MG26からの回転駆動トルクの間欠的な増大と間欠的な減少とを実行することにより回転脈動を抑制している。このように回転脈動を抑制することにより、共振自体も小さくなりエンジン運転停止状態での振動を抑制することができる。そして、この期間ではMG26から常に正方向の回転駆動トルクを出力することによりエンジン回転数NEの低下を緩慢にして回転停止時における回転数変化を小さくし、エンジン回転停止時の振動を抑制している。
【0186】
尚、エンジン回転停止直前となるまでは、すなわちエンジン回転数NEが「NEmin+NEf」に低下するまでは、間欠的な正方向の回転駆動トルク出力と間欠的な負方向の回転駆動トルク出力とにより回転脈動を抑制している。このためエンジン回転数を低減している全域ではMG26の常時正方向の回転駆動トルク出力によるエンジン回転数低下の緩慢化は行っていないので、MG26によるエネルギー消費を抑制することができる。
【0187】
(ロ).前記実施の形態1の(ハ)、(ホ)、(ヘ)の効果を生じる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、回転数低減処理(図5)の代わりに図14に示す回転数低減処理を同一周期にて実行する。これ以外の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0188】
回転数低減処理(図14)について説明する。本処理のステップS452,S453a,S453b,S454〜S466は前記図11の同一ステップ番号で示している処理と同じであるので詳細な説明は省略する。
【0189】
本処理が開始されると、まず現在のエンジン回転数NEが下限回転数NEminより大きいか否かが判定される(S452)。当初は、直前までエンジン回転数NEはアイドル目標回転数NEidlにフィードバック制御されていたので、NE>NEminと判定される(S452で「YES」)。
【0190】
次に、NE<NEmin+NEfか否かが判定される(S453a)。当初は、NE>NEmin+NEfであることから(S453aで「NO」)、次にエンジン回転数NEがNEmaxより小さいか否かが判定される(S470)。上限回転数NEmaxは回転脈動を抑制しつつ迅速に共振回転数域を通過する処理を開始するための回転数判定値であり、例えば400rpmの値が設定されている。
【0191】
初期においてはNE>NEmaxであるので(S470で「NO」)、MG26の目標回転数NMGtの算出が前記式1のごとくなされる(S454)。ただし目標回転数NMGtの初期値としては、プーリ10,18間のプーリ比にて換算したアイドル目標回転数NEidl(ここでは600rpm)に相当する値が設定される。そしてこのようにして求められたMG目標回転数NMGtに対するMG26の回転数NMGの偏差に基づいて、前記式2のごとくモータ駆動平均指令電流値Taveが算出される(S456)。
【0192】
次にNE<NEmaxか否かが判定される(S472)。ここでもNE>NEmaxであるので(S472で「NO」)、オフセット指令電流値Toftに「0(A)」を設定する。そして前記式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S462)。この時、Toft=0であるので、実質的に指令総電流値Tallにはモータ駆動平均指令電流値Taveのみが設定される。そしてこの指令総電流値Tallに基づいてMG26の出力制御がなされる(S464)。
【0193】
以後、NE≧NEmaxである限り、ステップS470,S472との両方で「NO」と判定される。このことにより図15のタイミングチャートに例示するごとくMG目標回転数NMGtの漸減によりエンジン回転数NEは緩慢に低下して行く(t21〜t22)が、この期間は共振回転数域ではないのでステップS458,S460による回転脈動の抑制はなされていない。
【0194】
その後のエンジン回転数NEの低下によりNE<NEmaxとなると、ステップS470にて「YES」と判定され、モータ駆動平均指令電流値Taveに「0(A)」を設定する(S453b)。そしてステップS472にても「YES」と判定されて、ステップS458〜S464を実行する。このことにより前記式3にて求められる指令総電流値Tallは、実質的にステップS458,S460によるエンジンフリクションの脈動に対抗する電流値のみとなる。
【0195】
以後、NE≧NEmin+NEfである限りは(S453aで「NO」)、ステップS453b,S458〜S464の処理が継続する。したがって図15のタイミングチャートに示したごとく、急速にエンジン回転数NEは低下する(t22〜t24)。この急速に低下する期間において共振回転数域を通る(t23〜t24)が、ステップS458,S460にて算出されるオフセット指令電流値Toftにより回転脈動は抑制されているので共振はほとんど生じない。
【0196】
そして、NE<NEmin+NEfとなると(S453aで「YES」:t24)、MG26の目標回転数NMGtの算出が前記式1のごとくなされる(S454)。ただし目標回転数NMGtの初期値としては、プーリ10,18間のプーリ比にて換算したNEmin+NEf(ここでは200rpm)に相当する値が設定される。次にこのようにして求められたMG目標回転数NMGtに対するMG26の回転数NMGの偏差に基づいて、前記式2のごとくモータ駆動平均指令電流値Taveが算出される(S456)。
【0197】
そして、NE<NEmaxであるので(S472で「YES」)、ステップS458〜464を実行する。このことにより前記式3にて求められる指令総電流値Tallは、エンジン回転数NEの低下を緩慢にするとともに回転脈動を抑制する。このため共振はほとんど生じない。この状態がエンジン回転停止(t25)まで継続する。
【0198】
エンジン回転が停止すれば(S452で「NO」:t25)、振動低減処理終了フラグXstopに「ON」が設定されるので(S466)、エンジン停止時MG駆動処理(図3)のステップS210で「NO」と判定されて、前述したごとくエンジン回転停止状態における処理(S225〜S280)がなされる。
【0199】
上述した構成において、回転数低減処理(図14)が回転駆動トルク出力調節手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
【0200】
(イ).本実施の形態では、エンジン回転数NEの低下処理の初期においては緩慢にエンジン回転数低下を開始しているので、回転数低下開始時における回転数変化による振動を抑制することができる。
【0201】
そしてNE<NEmaxとなった後は、前記実施の形態2の(イ)の効果を生じる。
(ロ).前記実施の形態1の(ハ)、(ホ)、(ヘ)の効果を生じる。
【0202】
[実施の形態4]
本実施の形態では、回転数低減処理(図5)の代わりに図16に示す回転数低減処理を同一周期にて実行する。これ以外の構成は前記実施の形態1と同じである。
【0203】
回転数低減処理(図16)について説明する。本処理が開始されると、まず現在のエンジン回転数NEが下限回転数NEminより大きいか否かが判定される(S602)。この処理は前記図5のステップS452の処理と同じである。
【0204】
当初は、直前までなされていた前記図4のステップS340,S350の処理によりエンジン回転数NEはアイドル目標回転数NEidlにフィードバック制御されているので、NE>NEminと判定される(S602で「YES」)。
【0205】
次にMG26の目標回転数NMGtの算出が前記式1のごとくなされる(S604)。この処理は前記図5のステップS454と同じである。
次にこのようにして求められたMG目標回転数NMGtに対するMG26の回転数NMGの偏差に基づいて、モータ駆動平均指令電流値Taveが前記式2のごとく算出される(S606)。この処理は前記図5のステップS456と同じである。
【0206】
次にトルク算出用クランク進角値θfwdが算出される(S608)。この処理は前記図5のステップS458と同じである。
そして現在のクランク角θをトルク算出用クランク進角値θfwdだけ進角させたクランク角(θ+θfwd)が、予め設定されている出力増加クランク角θincのいずれかに新たに到達したか否かが判定される(S610)。ここで出力増加クランク角θincとは、クランク角120°毎に設定されている値であり、エンジンフリクションの増加タイミングと同じあるいは少し前のタイミングに設けられている。ここではクランク角=50°,170°,290°,410°,530°,650°の6位相が該当する。
【0207】
ここでθ+θfwdが出力増加クランク角θincのいずれかに新たに到達したタイミングでなければ(S610で「NO」)、次にタイマカウンタCの値に基づいてオフセット指令電流値Toftのパターンからオフセット指令電流値Toftを算出する(S616)。尚、この時には未だオフセット指令電流値Toftのパターンが設定されていないので、オフセット指令電流値Toft=0のままとされる。
【0208】
そして前記式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S618)が、Toft=「0(A)」であるので、実質的に指令総電流値Tallにはモータ駆動平均指令電流値Taveの値がそのまま設定される。次のMG出力制御(S620)では、実質的にモータ駆動平均指令電流値Taveの値に対応した正方向の回転駆動トルクがMG26から出力される。
【0209】
以後、θ+θfwdが出力増加クランク角θincのいずれかに新たに到達しない限り(S610で「NO」)、MG26からはモータ駆動平均指令電流値Taveの値に対応した正方向の回転駆動トルクが出力される状態が継続する。
【0210】
そして、θ+θfwdが出力増加クランク角θincのいずれかに新たに到達した場合には(S610で「YES」)、次にオフセット指令電流値Toftのパターン設定がなされる(S612)。ここでは図17に示すごとくのマップ又は関数により、エンジン回転数NEに基づいてオフセット指令電流を加える時間Coftの長さとしてパターンが算出される。そして次にタイマカウンタCのカウント開始が設定される(S614)。
【0211】
次にタイマカウンタCの値に基づいてオフセット指令電流値Toftのパターンからオフセット指令電流値Toftを算出する(S616)。ここではタイマカウンタCの値がステップS612にて算出された時間Coftの値以下である間はオフセット指令電流値Toftとして予め定めておいた値Dが設定される。
【0212】
そして前記式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S618)。このことにより、指令総電流値Tallは、前記ステップS606にて算出されたモータ駆動平均指令電流値Taveに前記値Dが加えられることにより電流値が増大される。このことにより次のMG出力制御(S620)ではMG26の正方向の回転駆動トルクは増大して出力されることになる。
【0213】
こうして一旦本制御を終了し、次の制御周期となると、ステップS602〜S608の後、ステップS610では「NO」と判定されて、直ちにタイマカウンタCの値に基づいてオフセット指令電流値Toftのパターンからオフセット指令電流値Toftを算出する(S616)。このステップS616では、C≦Coftである期間はToft=Dとされるので、ステップS618,S620の処理により、MG26の正方向の回転駆動トルク出力増大状態が継続する。
【0214】
そしてタイマカウンタC>Coftとなれば、オフセット指令電流値Toftは「0(A)」に戻される(S616)。したがって指令総電流値Tallはモータ駆動平均指令電流値Taveのみとなり、MG出力制御(S620)ではMG26の正方向の回転駆動トルクは増大されなくなる。
【0215】
以後、NE>NEminである限り(S602で「YES」)、θ+θfwdがθincのいずれかに到達する毎に、MG26による正方向の回転駆動トルク増大が時間Coftの期間実行される処理が繰り返される。この状態を図18のタイミングチャートに例示する。
【0216】
その後、NMGt=「0(rpm)」となり(S604)、この結果、エンジン回転が停止して、エンジン回転数NE=「0(rpm)」となると(S602で「NO」)、振動低減処理終了フラグXstopに「ON」を設定し(S622)、一旦本処理を終了する。
【0217】
上述した構成において、回転数低減処理(図16)が回転駆動トルク出力調節手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
【0218】
(イ).本実施の形態の回転数低減処理(図16)では、図18(C)に示すごとくモータ駆動平均指令電流値Taveにてエンジン回転をアシストするとともに、クランク角に応じてオフセット指令電流値Toftによる正方向の回転駆動トルクの間欠的増大を実施している。したがって回転変動が抑制できるとともに回転停止時における回転数変化が緩慢となりエンジン回転停止時の振動を抑制することができる。
【0219】
更に正方向の回転駆動トルクの間欠的増大は単純に電流値の一律増大である。したがって簡単な演算処理にて回転変動を抑制して振動抑制効果を生じさせることができる。
【0220】
(ロ).前記実施の形態1の(イ)、(ハ)〜(ヘ)の効果を生じる。
[実施の形態5]
本実施の形態では、回転数低減処理(図16)の代わりに図19に示す回転数低減処理を同一周期にて実行する。これ以外の構成は前記実施の形態4と同じである。又、回転数低減処理(図19)については、前記図16と同じ処理については同一のステップ番号にて示している。
【0221】
回転数低減処理(図19)について説明する。本処理が開始されると、まずNE>NEminか否かが判定される(S602)。当初は、直前までエンジン回転数NEはアイドル目標回転数NEidlにフィードバック制御されていたので、NE>NEminと判定される(S602で「YES」)。
【0222】
次にNE<NEmin+NEfか否かが判定される(S603a)。ここで低回転数設定値NEfは前記図11のステップS453aにて説明したごとく、下限回転数NEmin直前の回転数を判定するための判定補正値であり、NEf=200rpmに設定してある。
【0223】
当初は、NE>NEmin+NEfであることから(S603aで「NO」)、モータ駆動平均指令電流値Taveに「0(A)」が設定される(S603b)。
【0224】
次にトルク算出用クランク進角値θfwdが算出される(S608)。そして現在のクランク角θをトルク算出用クランク進角値θfwdだけ進角させたクランク角(θ+θfwd)が、予め設定されている出力増加クランク角θincのいずれかに新たに到達したか否かが判定される(S610)。ここで、出力増加クランク角θincは前記実施の形態4にて述べたごとくクランク角=50°,170°,290°,410°,530°,650°の6位相が該当する。
【0225】
ここでθ+θfwdが出力増加クランク角θincに新たに到達したタイミングでなければ(S610で「NO」)、次にタイマカウンタCの値に基づいてオフセット指令電流値Toftのパターンからオフセット指令電流値Toftを算出する(S616)。ここでは未だオフセット指令電流値Toftのパターンが設定されていないので、オフセット指令電流値Toft=0のままとされる。
【0226】
そして前記式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S618)が、Tave=「0(A)」及びToft=「0(A)」であるので、指令総電流値Tallは「0(A)」であり、次のMG出力制御(S620)ではMG26からの正方向の回転駆動トルクは出力されない。
【0227】
以後、NE≧NEmin+NEfの状態で(S603aで「NO」)、θ+θfwdが出力増加クランク角θincに新たに到達しない限り(S610で「NO」)、MG26からの回転駆動トルクが出力されない状態が継続する。
【0228】
そしてNE≧NEmin+NEfの状態で(S603aで「NO」)、θ+θfwdが出力増加クランク角θincに新たに到達したタイミングとなる(S610で「YES」)。すると、前記図17に示したごとくオフセット指令電流値Toftのパターン設定が、エンジン回転数NEに基づく時間Coftの値の設定としてなされ(S612)、タイマカウンタCのカウント開始が設定される(S614)。
【0229】
そしてタイマカウンタCの値に基づいてオフセット指令電流値Toftのパターンからオフセット指令電流値Toftを算出する(S616)。そして前記式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S618)。ここでTave=「0(A)」であるが、最初はC<CoftであるのでToft=Dであることから、指令総電流値Tall=Dとなり、次のMG出力制御(S620)ではMG26からは電流値Dに対応する正方向の回転駆動トルクが出力される。
【0230】
次の制御周期ではステップS610にて「NO」と判定されてステップS616〜S620が実行されるが、C≦Coftである限りは、Toft=Dに設定されて指令総電流値Tall=Dとなり、MG出力制御(S620)にてMG26から電流値Dに対応する正方向の回転駆動トルク出力が継続される。
【0231】
そしてC>Coftとなれば、ステップS616にてToft=0に設定されるので指令総電流値Tall=0となり、次のMG出力制御(S620)ではMG26からは正方向の回転駆動トルクは出力されなくなる。
【0232】
このようなMG26から電流値Dに対応する正方向の回転駆動トルクが出力される状態と全く出力がなされない状態との繰り返しが、NE≧NEmin+NEf(S603aで「NO」)である限り継続する。この状態を図20の行程説明図に示す。NE≧NEmin+NEfの状態で共振回転数域を通過するが、図20(C)のごとくMG26により単に間欠的に正方向の回転駆動トルク出力を実行するのみでも図20(B)に実線にて示すごとく回転脈動が抑制されているので共振はほとんど生じない。又、正方向の回転駆動トルク出力を間欠的に繰り返しているので、単にMG26から出力をしない場合とは異なり、図21のタイミングチャートに示すごとくエンジン回転数NEの低下も緩慢となる(t31〜t33)。
【0233】
そして、NE<NEmin+NEfとなると(S603aで「YES」:t33)、NEmin+NEfをプーリ10,18間のプーリ比にて換算した値を初期値としてMG26の目標回転数NMGtの算出が前記式1のごとくなされる(S604)。そして、このようにして求められたMG目標回転数NMGtに対するMG26の回転数NMGの偏差に基づいて、前記式2のごとくモータ駆動平均指令電流値Taveが算出される(S606)。
【0234】
そして、上述したごとくステップS608〜620を実行する。このことにより前記式3にて求められる指令総電流値Tallは、前記図18(C)に示すごとくとなりエンジン回転数NEの低下を更に緩慢にするとともに回転脈動を抑制する。この状態がエンジン回転停止まで継続する。
【0235】
エンジン回転が停止すれば(S602で「NO」:t34)、振動低減処理終了フラグXstopに「ON」が設定されるので(S622)、エンジン停止時MG駆動処理(図3)のステップS210で「NO」と判定されて、前述したごとくエンジン回転停止状態における処理(S225〜S280)がなされる。
【0236】
上述した構成において、回転数低減処理(図19)が回転駆動トルク出力調節手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
【0237】
(イ).本実施の形態では、エンジン回転停止直前から回転停止までは前記実施の形態4の(イ)にて述べたごとくの効果を生じる。
そして、エンジン回転停止直前となるまでは、すなわちエンジン回転数NEが「NEmin+NEf」に低下するまでは、間欠的な正方向の回転駆動トルク出力により回転脈動を抑制できる。しかも、継続的な出力は行っていないので、MG26によるエネルギー消費を抑制することができる。更にこの間欠的な正方向の回転駆動トルク出力によって、全く正方向の回転駆動トルク出力を行っていない場合よりも回転数低下は緩慢化されるので、回転数低下開始時、及びエンジン回転数NEが「NEmin+NEf」に低下した時での回転数変化が小さくなり振動を抑制することができる。
【0238】
(ロ).前記実施の形態1の(ハ)、(ホ)、(ヘ)の効果を生じる。
[実施の形態6]
本実施の形態では、回転数低減処理(図16)の代わりに図22に示す回転数低減処理を同一周期にて実行する。これ以外の構成は前記実施の形態4と同じである。又、回転数低減処理(図22)については、前記図16と同じ処理については同一のステップ番号にて示している。
【0239】
回転数低減処理(図22)について説明する。本処理が開始されると、まず現在のエンジン回転数NEが下限回転数NEminより大きいか否かが判定される(S602)。当初は、直前までなされていた前記図4のステップS340,S350の処理により、エンジン回転数NEはアイドル目標回転数NEidlにフィードバック制御されていたので、NE>NEminと判定される(S602で「YES」)。次にMG26の目標回転数NMGtの算出が前記式1のごとくなされる(S604)。
【0240】
次にこのようにして求められたMG目標回転数NMGtに対するMG26の回転数NMGの偏差に基づいて、モータ駆動平均指令電流値Taveが前記式2のごとく算出される(S606)。次にトルク算出用クランク進角値θfwdが算出される(S608)。
【0241】
次にNE<NEmin+NEfか否かが判定される(S609a)。ここで低回転数設定値NEfは前記図11のステップS453aにて説明したごとく、下限回転数NEmin直前の回転数を判定するための判定補正値であり、NEf=200rpmに設定してある。
【0242】
当初は、NE>NEmin+NEfであることから(S609aで「NO」)、出力増加クランク角θincとして第1のタイミング群からなる第1出力増加クランク角θinc1が設定される(S609b)。ここで第1のタイミング群とは、クランク角240°毎に設定されたクランク角=50°,290°,530°の3位相が該当する。このタイミングは前記実施の形態4にて述べたエンジンフリクションの増加タイミングであるクランク角=50°,170°,290°,410°,530°,650°の6位相の内で一つおきに選択したタイミングに相当する。
【0243】
そして現在のクランク角θをトルク算出用クランク進角値θfwdだけ進角させたクランク角(θ+θfwd)が、出力増加クランク角θincのいずれかに新たに到達したか否かが判定される(S610)。ここでθ+θfwdが出力増加クランク角θincに新たに到達したタイミングでなければ(S610で「NO」)、次にタイマカウンタCの値に基づいてオフセット指令電流値Toftのパターンからオフセット指令電流値Toftを算出する(S616)。ここでは未だオフセット指令電流値Toftのパターンが設定されていないので、オフセット指令電流値Toft=0のままとされる。
【0244】
そして前記式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S618)。この時にはToft=「0(A)」であるので、指令総電流値TallにはステップS606にて設定されているモータ駆動平均指令電流値Taveの値が設定される。したがって次のMG出力制御(S620)ではモータ駆動平均指令電流値Taveによる正方向の回転駆動トルクがMG26から出力される。
【0245】
以後、θ+θfwdが出力増加クランク角θincに新たに到達しない限り(S610で「NO」)、モータ駆動平均指令電流値TaveのみでMG26の正方向の出力が調節される状態が継続する。
【0246】
そしてθ+θfwdが出力増加クランク角θincに新たに到達したタイミングとなる(S610で「YES」)。すると、前記図17に示したごとくエンジン回転数NEに基づいてオフセット指令電流値Toftのパターン(Coft)の設定がなされ(S612)、タイマカウンタCのカウント開始が設定される(S614)。
【0247】
次にタイマカウンタCの値に基づいてオフセット指令電流値Toftのパターンからオフセット指令電流値Toftを算出する(S616)。そして前記式3のごとく指令総電流値Tallが算出される(S618)。最初はC<CoftであるのでToft=Dであることから、指令総電流値Tall=Tave+Dとなり、MG出力制御(S620)ではMG26からはTave+Dに対応する正方向の回転駆動トルクが出力される。
【0248】
次の制御周期ではステップS610にて「NO」と判定されてステップS616〜S620が実行される。しかし、C≦Coftである限りは、Toft=Dに設定されて指令総電流値Tall=Tave+Dとなり、MG出力制御(S620)でMG26からはTave+Dに対応する正方向の回転駆動トルク出力が継続される。
【0249】
そしてC>Coftとなれば、ステップS616にてToft=0に設定されるので指令総電流値Tall=Taveとなり、MG出力制御(S620)ではモータ駆動平均指令電流値Taveに対応した正方向の回転駆動トルクが出力される状態に戻る。
【0250】
このような第1出力増加クランク角θinc1に該当するタイミングからCoftの間にTave+Dに対応する正方向の回転駆動トルクがMG26から出力される状態と、Taveのみが出力される状態との繰り返しが、NE≧NEmin+NEf(S609aで「NO」)である限り継続する。この状態を図23の行程説明図に示す。ここで図23(B)に示すごとくエンジン回転数NEの変動は、オフセット指令電流値Toftを全く設定しない場合(破線)に比較して、第1出力増加クランク角θinc1にて出力する場合には周波数は1/2となっている。この状態で前記図10と同様に共振回転数域(300〜200rpm)を通過するが、実際には150〜100rpmと同じ回転脈動となっているので、共振回転数域(300〜200rpm)では共振を生じない。
【0251】
そして、NE<NEmin+NEf(NE<200rpm)となると(S609aで「YES」)、出力増加クランク角θincとして第2のタイミング群からなる第2出力増加クランク角θinc2が設定される(S609c)。ここで第2のタイミング群とは、前記実施の形態4と同じくクランク角120°毎に設定されたクランク角=50°,170°,290°,410°,530°,650°の6位相が該当する。
【0252】
したがって以後、エンジン回転が停止するまで、ステップS610〜S620の処理により、前記図18(C)にて示したごとく、指令総電流値Tallが設定されることにより回転脈動が抑制される。そしてエンジン回転が停止すれば(S602で「NO」)、振動低減処理終了フラグXstopに「ON」が設定されるので(S622)、エンジン停止時MG駆動処理(図3)のステップS210で「NO」と判定されて、前述したごとくエンジン回転停止状態における処理(S225〜S280)がなされる。
【0253】
上述した構成において、回転数低減処理(図22)が回転駆動トルク出力調節手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態6によれば、以下の効果が得られる。
【0254】
(イ).本実施の形態ではエンジン2のフリクション変動による回転脈動を抑制するために、MG26からの正方向の回転駆動トルクの間欠的な増大を実行することにより共振回転数域では回転脈動の周波数を実際の回転数よりも低くして共振を防止している。そして共振回転数域を経過すると、前記実施の形態4と同様にして回転脈動を抑制している。このことにより共振を抑制して振動抑制を達成している。
【0255】
更に本実施の形態では、MG26から常に正方向の回転駆動トルクを出力することによりエンジン回転数NEの低下を緩慢にしている。このことにより減速開始時や回転停止時における回転数変化が小さくなり、回転数低下時の振動を更に抑制することができる。
【0256】
上記正方向の回転駆動トルクの間欠的出力増大は単純に電流値の一律増大である。したがって簡単な演算処理にて共振防止と振動抑制とを実行することができる。
【0257】
(ロ).前記実施の形態1の(ハ)〜(ヘ)の効果を生じる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態5の回転数低減処理(図19)において、NE>NEmin+NEf(S603aで「NO」)ではモータ駆動平均指令電流値Tave=0(S603b)としていた。これ以外に、前記実施の形態3に示したごとくNE>NEmin+NEf(S603aで「NO」)であっても、NE≧NEmaxである場合には、ステップS604,S606を実行してMG目標回転数NMGtを達成するようにモータ駆動平均指令電流値Taveを算出しても良い。
【0258】
(b).前記実施の形態6の回転数低減処理(図22)においてエンジン回転数NEの低下時にはMG目標回転数NMGtを達成するようにモータ駆動平均指令電流値Taveを算出していた。これ以外に、NE>NEmin+NEfではモータ駆動平均指令電流値Tave=0としても良い。更にこれに加えて、前記実施の形態3に示したごとくNE≧NEmaxである場合にはMG目標回転数NMGtを達成するようにモータ駆動平均指令電流値Taveを算出しても良い。
【0259】
(c).前記各実施の形態では、トルク駆動源としては、エンジン2から車輪への駆動力伝達系外に配置されたモータジェネレータを用いたが、エンジン2から車輪への駆動力伝達系内に設けられたモータジェネレータを用いても良い。又、モータジェネレータは、ベルトにて回転駆動トルクをクランク軸に伝達する以外に、チェーン、ギヤにより伝達しても良く、クランク軸にモータジェネレータを直結しても良い。
【0260】
又、各実施の形態についてはモータジェネレータではなく、発電機能を持たない電動モータを用いることができる。この場合も駆動力伝達系外でも駆動力伝達系内でも良く、更にベルト以外に、チェーン、ギヤにより伝達しても良く、クランク軸に電動モータを直結しても良い。
【0261】
ただし前記実施の形態1,2,3について電動モータを用いる場合には発電はできないので、オフセット指令電流値Toftは図7に示したような「0(A)」を間にして正負にわたる値ではなく、図24に示すごとく、最小の値を「0(A)」とする。このことにより、前記実施の形態1では周期的に正方向の回転駆動トルクを増大できる。又、実施の形態2,3においてはモータ駆動平均指令電流値Taveをフィードバックにより設定する領域では周期的に正方向の回転駆動トルクを増大でき、Tave=0とする領域では周期的に正方向の回転駆動トルクを出力できるようになる。こうして前述した実施の形態1,2,3の効果とほぼ同様な効果が得られる。尚、特に実施の形態2,3においてはTave=0としている期間は、電動モータから与えられる回転駆動力が平均的にはプラスとなるので、エンジン回転数NEの低下が緩和され、振動はより抑制されるようになる。
【0262】
又、図24の代わりに図25に示すごとくのオフセット指令電流値Toftの設定を実行することにより、間欠的に正方向の回転駆動トルクを増大したり、間欠的に正方向の回転駆動トルクを出力するようにしても良い。
【0263】
前記図24,25に示すオフセット指令電流値Toftの設定を、各実施の形態のごとくモータジェネレータを利用した場合に適用しても良い。特に図24を適用すれば各実施の形態においては、間欠的な正方向の回転駆動トルク増大や出力の代わりに、周期的な正方向の回転駆動トルク増大や出力となる。
【0264】
(d).前記各実施の形態においては、エンジン回転数NEを低下させる前に、エンジン回転数NEを一定に維持していた。しかし、ブレーキブースタ56を用いないブレーキシステムあるいは負圧発生ポンプを用いてブレーキブースタ56に負圧を供給するブレーキシステムが採用されている場合は、特にこのような期間を設けずに直ちにエンジン回転数NEを低下させるようにしても良い。
【0265】
(e).前記クランク軸回転処理(図4)においては、MG26の駆動によるエンジン回転低下開始タイミングについては、保持時間経過判断(S370)に加えて、ブレーキブースタ圧力BBPと基準圧力Pxとの比較によって判断していた(S380)。これはエンジン回転低下開始直後のブレーキペダル52の踏み直しにも対応できるようにするためである。しかし、これ以外に、ブレーキブースタ圧力BBPの値を直接用いずに、実験によりブレーキブースタ圧力BBPを基準圧力Px以下にできる適切なエンジン強制回転時間を別途求めて、このエンジン強制回転時間の間、エンジン2を強制的にMG26の駆動にて回転させるようにしても良い。この場合は、ブレーキブースタ圧力BBP低下のためのエンジン強制回転時間と、気筒内空気圧低下のための前記保持時間とのいずれか長い方の時間が経過した場合に、回転数低減開始フラグXdownを「ON」(S400)としても良い。又、ブレーキブースタ56についてはエンジン強制回転時間にて判断し、振動抑制のための気筒内空気圧低下については、サージタンク2c内の吸気圧の程度から判定しても良い。
【0266】
(f).前記クランク軸回転処理(図4)においては、気筒内空気圧を低減させるためのクランク軸2aの基準回転数は、アイドル目標回転数NEidlであったが、気筒内空気圧を低減させることができる回転数であれば他の回転数でも良い。又、基準回転数は1つの回転数を示す場合に限らない。例えば、或る回転数領域を全て基準回転数として、この回転数領域内となるようにクランク軸2aの回転数を制御することにより、気筒内空気圧を低減させるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての車両用内燃機関及びその制御装置のシステム構成図。
【図2】実施の形態1のエコランECUが実行する自動停止処理のフローチャート。
【図3】同じくエンジン停止時MG駆動処理のフローチャート。
【図4】同じくクランク軸回転処理のフローチャート。
【図5】同じく回転数低減処理のフローチャート。
【図6】実施の形態1の制御においてエンジン回転数NEに基づいてトルク算出用クランク進角値θfwdを算出するためのマップ構成説明図。
【図7】同じくクランク角θとトルク算出用クランク進角値θfwdとに基づいてオフセット指令電流値Toftを算出するためのマップ構成説明図。
【図8】同じく行程、エンジン回転数NE及び指令総電流値Tallの関係を示すグラフ。
【図9】実施の形態1のエコランECUが実行する自動始動処理のフローチャート。
【図10】実施の形態1における制御の一例を示すタイミングチャート。
【図11】実施の形態2の回転数低減処理のフローチャート。
【図12】同じく行程、エンジン回転数NE及び指令総電流値Tallの関係を示すグラフ。
【図13】同じく制御の一例を示すタイミングチャート。
【図14】実施の形態3の回転数低減処理のフローチャート。
【図15】同じく制御の一例を示すタイミングチャート。
【図16】実施の形態4の回転数低減処理のフローチャート。
【図17】同じくエンジン回転数NEに基づいて回転駆動トルク増大出力時間Coftを算出するためのマップ構成説明図。
【図18】同じく行程、エンジン回転数NE及び指令総電流値Tallの関係を示すグラフ。
【図19】実施の形態5の回転数低減処理のフローチャート。
【図20】同じく行程、エンジン回転数NE及び指令総電流値Tallの関係を示すグラフ。
【図21】同じく制御の一例を示すタイミングチャート。
【図22】実施の形態6の回転数低減処理のフローチャート。
【図23】同じく行程、エンジン回転数NE及び指令総電流値Tallの関係を示すグラフ。
【図24】実施の形態1,2,3の変形例にて用いるクランク角θとトルク算出用クランク進角値θfwdとに基づいてオフセット指令電流値Toftを算出するためのマップ構成説明図。
【図25】同じくクランク角θとトルク算出用クランク進角値θfwdとに基づいてオフセット指令電流値Toftを算出するためのマップ構成説明図。
【符号の説明】
2…エンジン、2a…クランク軸、2b…吸気管、2c…サージタンク、4…トルクコンバータ、6…AT、6a…出力軸、10…プーリ、10a…電磁クラッチ、14…ベルト、16,18…プーリ、22…補機類、26…MG、28…インバータ、30,34…バッテリ、32…DC/DCコンバータ、36…スタータ、38…電動油圧ポンプ、40…エコランECU、42…燃料噴射弁、44…電動モータ、46…スロットルバルブ、46a…スロットル開度センサ、48…エンジンECU、50…VSC−ECU、52…ブレーキペダル、52a…ブレーキスイッチ、56…ブレーキブースタ。

Claims (28)

  1. 内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御方法であって、
    内燃機関の回転を停止する過程では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  2. 内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御方法であって、
    内燃機関の回転を停止する過程では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを出力することにより内燃機関の回転数低下を緩慢にするとともに、該回転駆動トルクを間欠的又は周期的に増大させることにより振動を低減することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  3. 請求項1又は2において、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関のフリクションが増大する期間に対応して実行することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  4. 請求項1又は2において、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関のフリクションの変動周期とは異なる間隔又は周期にて実行することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられた第1の振動抑制実行領域において実行され、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられて前記第1の振動抑制実行領域よりも先に通過する第2の振動抑制実行領域では、前記トルク駆動源からの正方向および負方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  6. 請求項5において、前記第1の振動抑制実行領域及び前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関の回転が停止する直前に設定された基準回転数から内燃機関回転停止までの領域に設定されていることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  7. 請求項5において、前記第1の振動抑制実行領域又は前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関共振回転数域を含んでいることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力は、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大は、内燃機関の回転角に応じて行うことを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、内燃機関の回転数に応じて、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力のための、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大のための出力指令タイミングを設定することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、内燃機関の回転を停止する過程において前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実行する領域では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクが加えられずに内燃機関が停止する場合よりも内燃機関の回転数が低下する速度を小さくすることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  11. 請求項10において、前記内燃機関の回転数が低下する速度をほぼ一定に維持することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項において、内燃機関の回転を停止する過程の前に、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクにより運転が停止した内燃機関の回転数を保持回転数に維持する保持期間を設けることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項において、前記トルク駆動源は電動モータであることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  14. 請求項13において、前記電動モータは発電機を兼ねたモータジェネレータであることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御方法。
  15. 内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御装置であって、
    内燃機関が回転を停止する過程では、前記トルク駆動源の回転駆動トルク出力を調節して前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減する回転駆動トルク出力調節手段を備えたことを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  16. 内燃機関の運転停止状態で同機関のクランク軸に回転駆動トルクを入力するトルク駆動源により内燃機関の回転制御を実行する内燃機関運転停止時回転制御装置であって、
    内燃機関の回転を停止する過程では、前記トルク駆動源の正方向の回転駆動トルク出力を調節して内燃機関の回転数低下を緩慢にするとともに、該回転駆動トルクを間欠的又は周期的に増大させることにより振動を低減する回転駆動トルク出力調節手段を備えたことを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  17. 請求項15又は16において、内燃機関のフリクションが増大する期間を検出するフリクション増大期間検出手段を備え、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、前記フリクション増大期間検出手段にて検出された内燃機関のフリクションが増大する期間に対応して実行することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  18. 請求項15又は16において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、内燃機関のフリクションの変動周期とは異なる間隔又は周期にて実行することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  19. 請求項15〜18のいずれか一項において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられた第1の振動抑制実行領域において実行し、内燃機関の運転停止から内燃機関の回転が停止するまでの間に設けられて前記第1の振動抑制実行領域よりも先に通過する第2の振動抑制実行領域では、前記トルク駆動源からの正方向および負方向の回転駆動トルクを間欠的又は周期的に出力させることにより振動を低減することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  20. 請求項19において、前記第1の振動抑制実行領域及び前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関の回転が停止する直前に設定された基準回転数から内燃機関回転停止までの領域に設定されていることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  21. 請求項19において、前記第1の振動抑制実行領域又は前記第2の振動抑制実行領域は、内燃機関共振回転数域を含んでいることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  22. 請求項15〜21のいずれか一項において、内燃機関の回転角検出手段を備え、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力を、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を、前記回転角検出手段にて検出された内燃機関の回転角に応じて行うことを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  23. 請求項15〜22のいずれか一項において、内燃機関の回転数検出手段を備え、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記回転数検出手段にて検出された内燃機関の回転数に応じて、前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力のための、あるいは前記回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大のための出力指令タイミングを設定することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  24. 請求項15〜23のいずれか一項において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、内燃機関の回転を停止する過程において前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的出力、あるいは前記正方向の回転駆動トルクの間欠的又は周期的増大を実行する領域では、前記トルク駆動源からの正方向の回転駆動トルクを加えずに内燃機関を停止する場合よりも内燃機関の回転数が低下する速度を小さくすることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  25. 請求項24において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、前記内燃機関の回転数が低下する速度をほぼ一定に維持することを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  26. 請求項15〜25のいずれか一項において、前記回転駆動トルク出力調節手段は、内燃機関の回転を停止する過程の前に、前記トルク駆動源の正方向の回転駆動トルク出力を調節して、運転が停止した内燃機関の回転数を保持回転数に維持する保持期間を設けることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  27. 請求項15〜26のいずれか一項において、前記トルク駆動源は電動モータであることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
  28. 請求項27において、前記電動モータは発電機を兼ねたモータジェネレータであることを特徴とする内燃機関運転停止時回転制御装置。
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