JP3376999B2 - ハイブリッド車の駆動制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車の駆動制御装置

Info

Publication number
JP3376999B2
JP3376999B2 JP2001129873A JP2001129873A JP3376999B2 JP 3376999 B2 JP3376999 B2 JP 3376999B2 JP 2001129873 A JP2001129873 A JP 2001129873A JP 2001129873 A JP2001129873 A JP 2001129873A JP 3376999 B2 JP3376999 B2 JP 3376999B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
motor
internal combustion
engine
combustion engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2001129873A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002027611A (ja
Inventor
真一 小島
秀洋 大庭
一美 星屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2001129873A priority Critical patent/JP3376999B2/ja
Publication of JP2002027611A publication Critical patent/JP2002027611A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3376999B2 publication Critical patent/JP3376999B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Landscapes

  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ガソリンエンジ
ンやディーゼルエンジンなどの内燃機関とモータやモー
タ・ジェネレータなどの電力によって動作してトルクを
出力する電動機とを動力源としたハイブリッド車を対象
とした駆動制御装置に関し、特に内燃機関と電動機とを
共に走行のための動力源として使用することのできる形
式のハイブリッド車の駆動制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド車は、内燃機関のみで走行
する場合の排ガスの悪化や燃費の低下を改善するために
開発された車両であって、電力によって走行トルクを発
生するモータあるいは発電機を兼ねたモータ・ジェネレ
ータを、内燃機関と併せて搭載した車両である。この種
の車両として、内燃機関を発電のための動力源としての
み使用するいわゆるシリーズハイブリッド車と、内燃機
関を走行のための動力源とすることもできるいわゆるパ
ラレルハイブリッド車とが知られている。
【0003】一方、内燃機関は燃料を供給するだけでは
始動せず、外力によって強制的に回転させて始動する必
要がある。そのため、一般にはスタータと称されるモー
タを内燃機関に付設している。しかしながら上記のパラ
レルハイブリッド形式の車両では、走行のための動力伝
達系統に、内燃機関を電動機と併せて連結できるので、
電動機によって内燃機関を強制的に回転させ、これによ
り内燃機関を始動することができる。したがって例え
ば、発進時などの低車速の状態では、排ガスの悪化を防
止し、かつ燃費を向上させるために、電動機によって走
行し、車速がある程度高くなった時点で内燃機関を始動
する場合、走行に使用していた電動機の出力トルクを内
燃機関に伝達すれば、従来一般に使用されていたスター
タを用いずに内燃機関を始動することが可能になる。換
言すれば、スタータを廃止して部品点数の削減を図るこ
とができる。
【0004】このような内燃機関の始動制御をおこなう
装置が、特開平9−193676号公報に記載されてい
る。この公報に記載された装置は、内燃機関を入力クラ
ッチを介して遊星歯車機構における所定の回転要素に連
結し、またモータ・ジェネレータを他の回転要素に連結
し、更に第3の回転要素を出力部材とした構成の駆動装
置を前提とした装置である。そしてこの従来の装置で
は、モータ・ジェネレータの出力によって走行している
状態で、入力クラッチを係合させることにより、内燃機
関にトルクを伝達し、これを強制的に回転させて内燃機
関を始動している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の装置に
よれば、スタータを用いずに内燃機関を始動することが
できるが、内燃機関を回転させるために前記入力クラッ
チを係合させると、走行のために使用されていた電動機
の出力トルクの一部が、内燃機関を回転させるためのト
ルク(モータリングトルクおよびイナーシャトルク)と
して消費されるから、駆動力が一時的に低下する。すな
わち入力クラッチの係合に伴って走行トルクが低下し、
これがショックとして体感される可能性があった。
【0006】また一方、内燃機関を始動した後は、電動
機と内燃機関とによって走行することになるので、電動
機の回転数と内燃機関の回転数とが一致した後に、入力
クラッチを完全に係合させるのが一般的である。しかし
ながら電動機と内燃機関との回転数がたとえ一致したと
しても、それらの回転数の変化率(回転数の上昇率)が
相互に相違していた場合には、入力クラッチを完全に係
合させた後に、回転数の上昇率の低い一方の動力源すな
わち電動機もしくは内燃機関が、回転数の上昇率の大き
い他方の動力源によって引きずられることになる。その
結果、入力クラッチを完全に係合させることに伴って走
行抵抗が増大したのと同様な事態が生じ、駆動力の落ち
込みに起因するショックが生じる可能性がある。
【0007】さらに電動機によって走行している際に前
記入力クラッチを係合させて内燃機関の回転数を増大さ
せるとともに、燃料を供給して内燃機関を始動した場
合、内燃機関で燃焼が生じることによる出力トルクが、
走行のためのトルクに付加される。したがってその際に
入力クラッチが充分な伝達トルク容量を持っていれば、
電動機による走行トルクに内燃機関の出力トルクが加わ
るために、駆動力が急激に増大し、これがショックとし
て体感される可能性があった。
【0008】ところで前記入力クラッチとしては、油圧
によって係合させる多板式の摩擦クラッチを使用するこ
とができ、前記の公報にも入力クラッチとして多板クラ
ッチが例示されている。この種のクラッチを係合させる
場合、油圧回路に備えられたバルブを切り換え、油圧源
からクラッチに油圧を供給することになる。その場合、
不可避的に管路抵抗が生じるので、入力クラッチの係合
指示から実際に入力クラッチが係合するまでには、時間
的な遅れが生じる。
【0009】さらに入力クラッチにおいては、摩擦板同
士の間や摩擦板とこれを押圧するピストンとの間などに
隙間が生じているので、入力クラッチに油圧が供給され
始めると、先ず、その隙間(パッククリアランス)が詰
まり、しかる後に摩擦板同士の間でトルクが伝達され
る。このようなパッククリアランスが詰まる間は内燃機
関を回転させることができないので、内燃機関を回転さ
せる制御の時間的な遅れが生じる。このように機械構造
上の遅れ要因があり、内燃機関の始動制御の応答性が悪
化することがあった。
【0010】さらに内燃機関の回転数が燃料の供給によ
って燃焼が継続的に生じる回転数になったとしても、燃
料の供給開始によって直ちに内燃機関がトルクを発生
し、また連続した運転をおこなうわけではなく、内燃機
関の温度や外気温度などの影響でトルクの発生までに遅
れが生じる場合もある。このような遅れが、上述した入
力クラッチの動作の遅れなどと相まって、内燃機関の始
動制御の応答性を悪化させ、あるいは駆動力の増大が遅
延することによるいわゆるもたつき感の原因となること
がある。
【0011】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであり、電動機で走行中に内燃機関を始動する
場合のショックを防止し、また応答性を向上させること
のできる駆動制御装置を提供することを目的とするもの
である。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の課
題を解決するために、請求項1に記載した発明は、電動
機の出力を走行のための動力伝達系統に伝達して走行し
ている際に、その動力伝達系統に内燃機関を連結して、
前記電動機の出力トルクによって前記内燃機関を始動す
るハイブリッド車の駆動制御装置において、前記内燃機
関の始動の要求を判断する始動要求判断手段と、前記内
燃機関を始動する要求のあったことが始動要求判断手段
によって判断された場合に、前記電動機の出力トルク
を、目標とする内燃機関の回転数に基づいて決まり、か
つ、前記内燃機関を回転させるために要するモータリン
グトルク、もしくは該モータリングトルクに前記内燃機
関の回転数の変化率に応じた慣性トルクを加えたトルク
に相当するトルクだけ増大させるアシスト量設定手段と
を備えていることを特徴とするものである。
【0013】したがって請求項1の発明によれば、内燃
機関を始動するために電動機の出力トルクで内燃機関を
回転させている場合、電動機の出力トルクあるいは内燃
機関を回転させるトルクの不足を内燃機関の回転数の低
下によって検出でき、またその検出結果に基づいて電動
機の出力トルクを増大させるので、走行中の駆動力の一
時的な不足やそれに起因するショックが防止される。
【0014】また請求項2の発明は、請求項1の構成に
加えて、前記動力伝達系統に前記内燃機関を連結して内
燃機関の始動制御を開始した後、内燃機関の回転数が前
記電動機の回転数もしくは電動機の回転数に基づいて決
まる基準値以上になったことを検出する同期検出手段
と、内燃機関の回転数が電動機の回転数もしくは電動機
の回転数に基づいて決まる基準値以上になったことが前
記同期検出手段によって検出された場合に、前記内燃機
関を始動するために増大させた電動機の出力トルクを低
下させる手段と前記内燃機関を始動する際に電動機の出
力トルクを増大させなかった場合にも電動機の出力トル
クを低下させる手段との少なくともいずれか一方の手段
とを備えていることを特徴とするものである。
【0015】したがって請求項2の発明によれば、内燃
機関を始動するために電動機によって内燃機関を回転さ
せている際に、電動機の出力の過不足をその回転数とし
て常時モニターし、電動機の出力の不足によって回転数
が低下した場合には、電動機の出力を増大させるので、
駆動力の一時的な低下やそれに起因するショックが未然
に防止される また、請求項3の発明は、請求項1また
は2の構成に加えて、前記始動要求判断手段の判断結果
に基づいて、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の出力
軸とを選択的に連結する連結機構の伝達トルク容量を制
御する手段を、更に備えていることを特徴とするもので
ある。請求項3の発明によれば、請求項1または2の発
明と同様の作用が生じる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明をより具体的に
説明する。この発明の駆動制御装置は、二種類の動力
源、すなわち内燃機関と電力によって動作して出力する
電動機とを備えたハイブリッド車の駆動力を制御するた
めの装置である。ここで、内燃機関は、要は、燃料を燃
焼させて動力を出力する動力源であり、具体的には、ガ
ソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは水素ガス
などの気体燃料を使用するガスエンジンなどであり、ま
たその形式は、レシプロエンジンに限らずタービンエン
ジンなどであってもよい。なお、以下の説明では、内燃
機関を「エンジン」と記す。
【0017】また、電動機は、要は、電力によって動作
して出力する機能を有する動力源であればよく、交流永
久磁石式同期型モータや直流モータなど各種のモータを
使用することができ、さらには外力によって駆動されて
発電する機能を併せ持ったモータ・ジェネレータを使用
することができる。さらに電動機と発電機とを併用する
ことができる。なお、以下に説明する例は、電動機とし
てモータ・ジェネレータを使用した例である。
【0018】この発明で対象とするハイブリッド車は、
電動機の出力によって内燃機関を回転させ、その内燃機
関の回転数が所定の回転数に達した際に燃料を供給する
ことにより、内燃機関を始動する形式のハイブリッド車
である。すなわち内燃機関と電動機とを、走行のための
動力伝達系統に共に連結し、それぞれの出力によって走
行することのできるいわゆるパラレル形式のハイブリッ
ド車である。
【0019】その動力伝達系統は、要は、走行のための
車輪に対して駆動力を伝達する機構であり、変速機を備
えていなくてもよく、あるいは変速機を備えていてもよ
い。変速機を備えていれば、動力伝達系統において駆動
力の制御をおこなうことができる。そしてその変速機と
しては、手動操作によって変速比を変更する手動変速機
や車速およびエンジン負荷などの走行状態に応じて変速
比が制御される自動変速機を使用することができる。そ
の変速比を段階的に変化させる有段変速機のみならず、
変速比が連続的に変化する無段変速機を使用することも
できる。以下の例では、自動変速機を使用した例を示
す。
【0020】図1は、この発明に係る駆動制御装置を模
式的に示すブロック図であり、エンジン1の出力軸(す
なわちクランクシャフト)2がモータ・ジェネレータ3
の出力軸4に、入力クラッチ5を介して連結されてい
る。この入力クラッチ5はこの発明におけるクラッチ手
段に相当し、これらの出力軸2,4を選択的に連結する
ための連結機構である。より具体的には、この入力クラ
ッチ5として、油圧によって摩擦板同士が接触させられ
て伝達トルク容量を持ち、その伝達トルク容量が供給さ
れる油圧に応じて増大する形式の摩擦クラッチを使用す
ることができ、さらには湿式多板クラッチを使用するこ
とができる。この入力クラッチ5に対する油圧およびそ
の給排を電気的に制御するための制御装置(図示せず)
が設けられている。
【0021】図1に示す例におけるエンジン1は、点火
時期や燃料供給量(燃料噴射量)、アイドル回転数、バ
ルブタイミングなどを電気的に制御する形式のエンジン
であり、その制御のための電子制御装置(エンジンEC
U)6が設けられている。この電子制御装置6はマイク
ロコンピュータを主体として構成された装置であり、吸
入空気量やアクセルポジション、エンジン水温、エンジ
ン回転数NE などのデータが入力され、予め記憶してい
るデータおよびプログラムと入力されたデータとに基づ
いて、点火時期などの制御量を決定して出力するように
構成されている。
【0022】また上記のエンジン1は、スロットル開度
を電気的に制御する電子スロットルバルブ7を備えてい
る。この電子スロットルバルブ7は、アクセルペダル
(図示せず)の踏み込み量やモード選択スイッチによっ
て選択されたモード信号などの各種のデータに基づいて
演算された制御量によって開度が制御されるバルブであ
る。その制御をおこなうための電子制御装置(電子スロ
ットルECU)8が設けられている。この電子制御装置
8もマイクロコンピュータを主体にして構成されてい
る。
【0023】モータ・ジェネレータ3は、例えばコイル
を備えたステータの内周側に、出力軸4と一体のロータ
を回転自在に配置し、さらにロータの回転を検出するレ
ゾルバなどを備えた公知の構造のものであり、コイルへ
の通電を制御することにより、ロータが正回転もしくは
逆回転するとともに、そのトルクが制御され、またロー
タを外力によって回転させることにより起電力を生じる
ように構成されている。このモータ・ジェネレータ3を
制御するために、マイクロコンピュータを主体とした電
子制御装置(M/G−ECU)9が設けられている。こ
の電子制御装置9には、制御データとして例えばモータ
・ジェネレータ3の回転数(モータ回転数)NM が入力
されている。
【0024】さらにモータ・ジェネレータ3に電流を供
給し、またモータ・ジェネレータ3で発生した電力を蓄
えるバッテリ10が設けられている。このバッテリ10
の放電および充電を制御するために、マイクロコンピュ
ータを主体とする電子制御装置(バッテリECU)11
が設けられている。
【0025】上記のモータ・ジェネレータ3の出力軸4
に変速機13の入力軸14が連結されている。この図1
に示す例では、その変速機13として走行状態に基づい
て変速比が制御される電子制御式の自動変速機が採用さ
れている。すなわちこの変速機13は、スロットル開度
や車速あるいはシフトパターン、シフトレンジなどのデ
ータに基づいて変速比を決定し、その変速比を達成する
ようにクラッチやブレーキなどの摩擦係合装置(図示せ
ず)を油圧によって制御するように構成されている。そ
の制御のために、マイクロコンピュータを主体とした電
子制御装置(T/M−ECU)15が設けられている。
【0026】そしてこの変速機13の出力軸16が、図
示しないプロペラシャフトや車軸などを介して車輪に連
結されている。したがってこの変速機13やこれに連結
されたプロペラシャフトあるいはモータ・ジェネレータ
3の出力軸4などがこの発明における動力伝達系統に相
当している。
【0027】上記の各電子制御装置6,8,9,11,
15が、マイクロコンピュータを主体としたハイブリッ
ド制御装置(HV−ECU)17に相互にデータを通信
するように接続されている。このハイブリッド制御装置
17は、前記入力クラッチ5の係合・解放や伝達トルク
容量の制御、およびエンジン1の燃料供給のタイミング
および燃料供給量の制御、ならびにモータ・ジェネレー
タ3の駆動・回生および出力トルクの制御、変速機13
による変速比の制御などを総合的におこない、ハイブリ
ッド車の駆動力を制御するように構成されている。すな
わちハイブリッド制御装置17は、その制御のために必
要とするデータの入出力をおこない、またデータ処理の
ためのプログラムを備えている。
【0028】ハイブリッド車は、燃費を向上させ、また
排ガスをクリーンにすることを主な目的として開発され
た車両であり、低車速時にはモータの出力で走行し、所
定の車速以上での一定車速で走行する場合には、エンジ
ンの出力で走行し、より大きい駆動力が要求される場合
には、エンジンとモータとの出力で走行するなど、走行
状態に応じて動力源を選択する。したがってモータによ
って走行している際にエンジンを始動することになる
が、動力伝達系統が上述した図1に示すように構成され
ている場合には、モータトルクをエンジンに伝達してエ
ンジンを回転させることにより、エンジンを始動するこ
とができる。
【0029】そこでこの発明による駆動制御装置は、以
下に述べるようにエンジン1の始動を制御する。図2
は、エンジン1の始動制御のためにエンジン1を動力伝
達系統に連結する制御、すなわち前記入力クラッチ5の
係合制御ための全体的な制御ルーチンを示すフローチャ
ートであって、このルーチンは数ミリ秒ごとに繰り返し
実行される。
【0030】先ず、ステップ001においてエンジン始
動要求フラグF1 がONか否かが判断される。エンジン
1の始動要求は図示しないサブルーチンによって判定さ
れる。具体的には、モータ・ジェネレータ3の出力で走
行している際に車速が所定の車速に達した場合、あるい
はバッテリ10の充電量が低下した場合、さらにはモー
タ・ジェネレータ3によって走行している際にアクセル
ペダル(図示せず)が大きく踏み込まれて駆動力の増大
要求があった場合などにエンジン始動要求フラグF1 が
ONになる。
【0031】エンジン始動要求フラグF1 がONである
ことによりステップ001で肯定判断された場合に、エ
ンジン始動制御フラグF2 をONにする(ステップ00
2)。また反対にエンジン始動要求フラグF1 がOFF
であることによりステップ001で否定判断された場合
には、エンジン始動制御フラグF2 がONか否かが判断
される(ステップ003)。未だエンジン始動要求がな
いことによりエンジン始動要求フラグF1 およびエンジ
ン始動制御フラグF2 のいずれもがOFFであれば、こ
のステップ003で否定判断され、その場合はこのルー
チンを終了する。また既にエンジン始動制御フラグF2
をONにした後に、再度、ステップ001の判断をおこ
なうと、エンジン始動要求フラグF1 がOFFに切り替
わっているために否定判断されるが、エンジン始動制御
フラグF2 が既にONになっているので、ステップ00
3で肯定判断される。
【0032】上記のステップ002でエンジン始動制御
フラグF2 をONにした後、あるいはステップ003で
肯定判断された場合には、入力クラッチ5の油圧処理
(ステップ004)、モータトルク処理(ステップ00
5)、エンジントルク処理(ステップ006)、ダウン
シフト開始許可処理(ステップ007)をおこなう。な
お、これらのステップ004ないしステップ007の各
処理については後述する。
【0033】ついで入力クラッチ5の係合終了判定フラ
グF3 がONか否かが判断される(ステップ008)。
入力クラッチ5は、エンジン1を動力伝達系統に連結す
るためのクラッチであるから、エンジン1が燃料の供給
によって回転を継続する状態になったこと、あるいはそ
れに伴ってモータ・ジェネレータ3のトルクを低下させ
始めたことなどによって入力クラッチ5が完全に係合し
たことを判定することができる。そしてこのステップ0
08で否定判断された場合、すなわち入力クラッチ5の
係合が終了していない場合には、このルーチンから抜
け、ステップ004ないしステップ007の処理を継続
する。また反対に入力クラッチ5の係合が終了している
ことによりステップ008で肯定判断された場合には、
エンジン始動制御フラグF2 をOFFに切り換える制御
および係合終了判定フラグF3 のON信号の出力をおこ
ない(ステップ009)、入力クラッチ5の係合処理を
終了する。
【0034】エンジン1の始動要求があった場合、入力
クラッチ5を係合させてエンジン1を動力伝達系統に連
結することにより、エンジン1をモータトルクによって
回転させるが、その場合、駆動力の急変によるショック
を防止するために、入力クラッチ5の油圧を以下に述べ
るように制御する。図3ないし図5は、前記のステップ
004で割り込み処理される入力クラッチの油圧処理の
ためのサブルーチンを示している。
【0035】このサブルーチンは、図1に示すルーチン
の実行に伴って数ミリ秒の間隔で繰り返し実行される。
したがってステップ011ではこのサブルーチンの実行
が初回であるか否かが判断される。入力クラッチ5を係
合させる油圧処理が開始される場合には、このステップ
011で肯定判断され、また反対に入力クラッチ5を係
合させる油圧処理が既に開始している場合には、図3な
いし図5に示すルーチンの実行が2回目以降になるの
で、ステップ011で否定判断される。
【0036】ステップ011で肯定判断された場合に
は、ファスト・クイック・フィルフラグ(FQFフラ
グ)F4 をON(ステップ012)にした後、ステップ
013に進む。また入力クラッチ5の油圧処理が既に開
始されていてステップ011で否定判断された場合に
は、直ちにステップ013に進む。
【0037】ここでFQFフラグF4 は、入力クラッチ
5を係合させる初期油圧(FQF油圧)の供給を開始
し、かつその供給制御が終了するまでの間、ONに設定
されるフラグである。またこの初期油圧の供給制御は、
入力クラッチ5における摩擦板同士(図示せず)の間の
隙間やピストン(図示せず)と摩擦板との間の隙間を迅
速に詰めるために、予め設定したある程度高い油圧を初
期油圧として供給する制御である。ステップ013では
この初期油圧の供給制御の開始あるいは終了を判定する
ために、FQFフラグF4 がONか否かが判断される。
【0038】入力クラッチ5の係合開始が判断されたこ
とによりFQFフラグF4 がONであれば、ステップ0
13で肯定判断され、その場合は、初期油圧としてファ
スト・クイック・フィル油圧(FQF油圧)を出力する
ことが指令される(ステップ014)。入力クラッチ5
の油圧を制御するための手段として、デューティソレノ
イドバルブ(リニアソレノイドバルブ)などの電気的に
制御可能なバルブを使用することができ、このようなソ
レノイドバルブを使用した場合には、ステップ014の
制御は、指令信号を一時的に増大させる制御となる。ま
たその指令信号は予め定めた値の信号である。なお、こ
の指令信号は固定値である必要はなく、油温などの条件
に応じてマップ値として設定した値(すなわち変数)で
あってもよい。
【0039】つぎにパワーオンダウンシフトフラグF5
がONか否かが判断される(ステップ015)。すなわ
ちアクセルペダルが踏み込まれ、それに伴ってダウンシ
フトをおこなうべきことの判断が成立していると、この
フラグF5 がONとなる。このフラグF5 の制御は自動
変速機用電子制御装置15によっておこなわれる。そし
てこのフラグF5 がOFFであることによりステップ0
15で否定判断された場合には、通常時における初期油
圧の供給時間(指令時間)T1 が経過したか否かが判断
される(ステップ016)。
【0040】これとは反対にダウンシフトが判断されて
いることによりステップ015で肯定判断された場合に
は、ダウンシフト用の初期油圧の供給時間(指令時間)
T1’ が経過したか否かが判断される(ステップ01
7)。これらの指令時間T1,T1’ は、初期油圧を供
給するための指令信号を出力し続ける時間であり、通常
時用の指令時間T1 が、ダウンシフト時用の指令時間T
1’ より短く(T1 <T1’ )設定されている。すなわ
ちダウンシフトが判断されている場合には、初期油圧の
供給時間が長くなる。
【0041】ステップ016あるいはステップ017で
肯定判断された場合、すなわち初期圧を供給すべき時間
が経過した場合には、FQFフラグF4 をOFFにし
(ステップ018)、かつ低圧待機油圧フラグF6 をO
Nにする(ステップ019)。これとは反対に、指令時
間T1 ,T1’ が経過しないことにより、ステップ01
6もしくはステップ017で否定判断された場合には、
ステップ108およびステップ019を飛ばしてステッ
プ020に進む。すなわち初期油圧(FQF油圧)の供
給制御を継続する。
【0042】また、FQFフラグF4 がOFFであるこ
とによりステップ013で否定判断された場合にもステ
ップ020に進む。すなわちこの場合は、初期油圧の供
給が終了しているので、ステップ014ないしステップ
019を実行しない。
【0043】ステップ020では、低圧待機油圧フラグ
F6 がONか否かが判断される。上記の初期油圧の供給
終了後、入力クラッチ5を不完全係合状態に待機させて
いる間、ONとされるフラグであり、したがって入力ク
ラッチ5に供給する油圧を制御して入力クラッチ5を不
完全係合状態に維持している間はステップ020で肯定
判断され、またその低圧待機制御が終了した後は、ステ
ップ020で否定判断される。
【0044】低圧待機油圧フラグF6 がONとなってい
ることによりステップ020で肯定判断された場合に
は、パワーオンダウンシフトフラグF5 がONか否かが
判断される(ステップ021)。このステップ021の
判断は、前述したステップ015の判断と同様にしてお
こなわれる。そしてステップ021で否定判断されれ
ば、通常時用の待機油圧を設定する指令信号が出力され
る(ステップ022)。これとは反対に、ステップ02
1で肯定判断された場合には、ダウンシフト用の待機油
圧を設定する指令信号が出力される(ステップ02
3)。
【0045】ここで待機油圧とは、入力クラッチ5に前
記初期油圧を供給した後、入力クラッチ5を不完全係合
状態に待機させるのに要する油圧である。またその不完
全係合状態は、例えば伝達トルク容量が負荷されている
トルクより僅かに小さいために出力側の回転変化が生じ
ない程度の係合状態、あるいは油圧がわずか上昇するこ
とにより、負荷トルクより伝達トルク容量が勝って出力
側に回転変化が生じる係合状態である。そしてダウンシ
フト用の待機油圧が通常時用の待機油圧より高く設定さ
れる。
【0046】したがってダウンシフトが判断されている
場合には、入力クラッチ5が、より完全係合状態に近い
状態になる。なお、この低圧待機油圧の指令は、具体的
には、油圧制御手段であるデューティソレノイドバルブ
(リニアソレノイドバルブ)に対するパルス信号を出力
することによりおこなわれる。またその指令信号は、通
常時とダウンシフト時とで異ならせることに加え、油温
に応じて変化させてもよい。
【0047】上述のようにして待機油圧の制御を開始し
た後、エンジン回転数NE が予め決めた基準回転数N1
になったか否かが判断される(ステップ024)。この
基準回転数N1 はゼロに近い小さい値であり、したがっ
てこのステップ024ではエンジン1が回転し始めたか
否かを判断することになる。エンジン1が回転し始める
ことによりステップ024で肯定判断された場合には、
初期油圧の供給時間(FQF時間)の学習制御が実行さ
れる(ステップ025)。この学習制御については後述
する。さらにこの学習制御に続けて低圧待機油圧フラグ
F6 がOFFに制御され(ステップ027)、さらに油
圧スイープアップフラグF7 がON制御される(ステッ
プ028)。
【0048】一方、エンジン1が回転し始めないことに
よりステップ024で否定判断された場合には、待機油
圧タイマのカウント値が予め定めた基準値以上になった
か否かが判断される(ステップ026)。これはいわゆ
るガードタイマによる制御であり、待機油圧制御が不必
要に長い時間継続することを防止するための制御であ
る。したがってステップ026で肯定判断された場合に
は、直ちにステップ027に進んで待機圧制御を終了す
る。また反対に、ステップ026で否定判断された場合
には、待機圧制御を継続するべき状態であるため、ステ
ップ027およびステップ028を飛ばしてステップ0
29に進む。なお、低圧待機油圧フラグF6 がOFFで
あることによりステップ020で否定判断された場合に
も直ちにステップ029に進む。低圧待機制御が終了し
ているからである。
【0049】ここでFQF時間の学習制御について説明
する。前述したように初期油圧は、入力クラッチ5にお
ける隙間(パッククリアランス)を詰めて係合開始直前
の状態にするために供給するが、その初期油圧の供給時
間が短ければ、パッククリアランスが充分に詰まらず、
また反対に初期油圧の供給時間が長ければ、入力クラッ
チ5が早期に係合してエンジン1の回転開始が過剰に早
くなってしまう。そこで、初期油圧の供給終了の時点か
らエンジン1が回転し始めるまでの時間に基づいて初期
油圧の供給時間(FQF時間)を増減し、適正な値に設
定する。
【0050】具体的には、図6に示すように制御する。
すなわち図6はFQF時間の学習のためのサブルーチン
を示しており、前記ステップ018でFQFフラグF4
をOFFにしてからエンジン1の回転数NE が基準回転
数N1 以上になってステップ024で肯定判断されるま
での時間すなわちエンジン始動時間T2 が、予め設定し
た基準時間τ1 を越えたか否かが判断される(ステップ
051)。エンジン始動時間T2 がその基準時間τ1 以
下であることによりステップ051で否定判断された場
合には、ステップ052に進んでエンジン始動時間T2
が第2の基準時間τ2 未満か否かが判断される。ここで
第2の基準時間τ2 は第1の基準時間τ1 より短い値
(τ1 >τ2 )である。
【0051】エンジン始動時間T2 が第2の基準時間τ
2 未満であれば、エンジン1が回転し始めるタイミング
が早すぎることになる。これは、初期油圧(FQF油
圧)の供給時間(FQF時間)T1 が長く、入力クラッ
チ5に初期油圧が過剰に供給されて係合が進行している
ことに起因している。そこで、ステップ052で肯定判
断された場合には、FQF時間T1 から所定値ΔT1 を
減じて、前記ステップ016で判断されるFQF時間T
1 を短くする(ステップ053)。すなわち次回の初期
油圧の供給時間を短くし、入力クラッチ5を解放状態に
近づける。
【0052】これに対してエンジン始動時間T2 が第1
の基準時間τ1 より長いことにより、ステップ051で
肯定判断された場合には、入力クラッチ5を介してエン
ジン1に充分にトルクが伝達されていないことになる。
したがってこの場合は、FQF時間T1 に所定値ΔT1
を加えて、前記ステップ016で判断されるFQF時間
T1 を長くする(ステップ054)。すなわち次回の初
期油圧の供給時間を長くし、入力クラッチ5を係合状態
に近づける。なお、エンジン始動時間T2 が各基準時間
τ1 ,τ2 の間にあって適正である場合には、FQF時
間T1 の増減をおこなわず、検出されたエンジン始動時
間T2 をそのまま記憶(ステップ055)し、その後に
リターンする。また、ステップ053あるいはステップ
054の制御をおこなった場合には、ステップ055に
進んでエンジン始動時間T2 を記憶する。
【0053】つぎに入力クラッチ5の油圧のスイープア
ップ制御について説明する。この制御は、入力クラッチ
5の油圧を次第に高くすることにより、エンジン回転数
NEを滑らかに上昇させるための制御であり、上述のよ
うに待機油圧の制御を開始した後にエンジン1が回転し
始めたことが検出されることにより、スイープアップ制
御が開始される。具体的には図4に示すように、油圧ス
イープアップフラグF7 がONか否かが判断される(ス
テップ029)。油圧スイープアップ制御が開始してい
れば、ステップ029で肯定判断され、またその油圧ス
イープアップ制御が開始していない場合および既に終了
している場合には、ステップ029で否定判断される。
【0054】入力クラッチ5の油圧を漸増させるスイー
プアップ制御が開始していることによりステップ029
で肯定判断された場合には、パワーオンダウンシフトフ
ラグF5 がONか否かが判断される(ステップ03
0)。そのステップ030は前述したステップ015や
ステップ021と同様な判断ステップである。ダウンシ
フトが判断されていることによりこのステップ030で
肯定判断された場合には、エンジン回転数NE が予め定
めた基準値N2 より低回転数か否かが判断される(ステ
ップ031)。
【0055】この基準値N2 は例えばアイドリング回転
数程度の値である。したがってこのステップ031で肯
定判断された場合には、ダウンシフトによる駆動力の増
大が要求されているにも関わらず、エンジン回転数NE
が低い状態であるから、短時間でエンジン回転数NE を
目標とする回転数まで上昇させるために、入力クラッチ
5の油圧のスイープアップ勾配を大きくする(ステップ
032)。なお、スイープアップ勾配を大きくする制御
は、エンジン回転数NE がモータ回転数NM に同期する
まで継続してもよい。
【0056】これに対してパワーオンダウンシフトが判
断されていないことによりステップ030で否定判断さ
れた場合、あるいはパワーオンダウンシフトが判断され
ているもののエンジン回転数NE が基準回転数N2 以上
であることによりステップ032で否定判断された場合
には、入力クラッチ5の油圧のスイープアップ勾配を、
前記ステップ032で設定する勾配より小さい通常の勾
配に設定する(ステップ033)。なお、このステップ
033で設定される通常のスイープアップ勾配は、エン
ジン始動制御の遅れ感が生じず、かつエンジン回転数を
急速に増大させることに伴う駆動力の低下が生じないよ
うに予め定めた勾配である。したがってダウンシフトが
判断されていることによりスイープアップの勾配を増大
するのは、エンジン回転数NE が上記の基準値N2 に達
するまでの間である。
【0057】ステップ032もしくはステップ033で
スイープアップ勾配を設定した後、入力クラッチ5の油
圧指令値を、設定された勾配に従ってスイープアップす
る(ステップ034)。具体的には、入力クラッチ5の
油圧を制御するデューティ比を次第に増大もしくは減少
させる。入力クラッチ5の油圧をスイープアップさせる
と、モータ・ジェネレータ3からエンジン1に伝達され
るトルクが次第に増大するから、エンジン1の回転数N
E がモータ・ジェネレータ3の回転数に次第に近づく。
【0058】したがってステップ034に続くステップ
035では、エンジン回転数NE とモータ・ジェネレー
タ3の回転数NM との差の絶対値が基準値N3 より小さ
い状態が予め決めた所定時間継続しているか否かが判断
される(ステップ035)。この基準値N3 は比較的小
さい値であり、したがってステップ035ではエンジン
回転数NE がモータ・ジェネレータ3の回転数(モータ
回転数)NM に実質的に同期したか否かが判断されるこ
とになる。
【0059】エンジン回転数NE がモータ回転数NM に
同期したことにより、ステップ035で肯定判断された
場合には、油圧スイープアップフラグF7 をOFFにし
(ステップ036)、さらに油圧最大フラグF8 をON
にする(ステップ037)。すなわち入力クラッチ5の
油圧のスイープアップ制御を終了し、その油圧を最大値
に設定する制御を開始する。
【0060】これに対してエンジン回転数NE がモータ
回転数NM よりも基準値N3 以上に低い場合やエンジン
回転数NE がモータ回転数NM にほぼ一致してもその状
態が継続しない場合には、ステップ035で否定判断さ
れる。この場合は、ステップ036およびステップ03
7を飛ばしてステップ038に進む。すなわち油圧のス
イープアップ制御を継続する。また、油圧スイープアッ
プフラグF7 がOFFであることによりステップ029
で否定判断された場合には、油圧のスイープアップ制御
自体を実行しないのであるから、直ちにステップ038
に進む。
【0061】ステップ038では油圧最大フラグF8 が
ONか否かが判断される。入力クラッチ5の油圧のスイ
ープアップ制御が終了した場合には、このフラグF8 が
ON制御され、それ以外の場合すなわち油圧スイープア
ップ制御を継続している場合や油圧を最大にする制御が
終了している場合にはこのフラグF8 がOFFに設定さ
れる。したがって油圧のスイープアップ制御が終了して
油圧最大フラグF8 がONに設定されていれば、ステッ
プ038で肯定判断され、その場合は、入力クラッチ5
の油圧を最大にする制御が実行される(ステップ03
9)。すなわち入力クラッチ5の油圧の制御指令値が最
大に設定される。具体的には、指令信号のデューティ比
を最大もしくは最小にして入力クラッチ5の油圧をライ
ン圧にまで昇圧する。なお、油圧最大フラグF8 がOF
Fであることによりステップ038で否定判断された場
合には、ステップ039を飛ばしてステップ040に進
み、その直前の制御を継続する。
【0062】ついでステップ040では、入力クラッチ
5の係合終了判定フラグF3 がONか否かが判断され、
そのフラグF3 がONでなければ、油圧指令値を最大に
する制御を継続する。また反対に入力クラッチ5の係合
終了の判定フラグF3 がONになっていてステップ04
0で肯定判断された場合には、油圧最大フラグF8 をO
FFに切り換えた後、リターンする。
【0063】以上述べた制御を実行した場合のタイムチ
ャートを図7に示してある。エンジン始動要求フラグF
1 がt1 時点でONになると、それと同時にエンジン始
動制御フラグF2 およびFQFフラグF4 がONにな
る。そして入力クラッチ5の油圧を初期油圧(FQF油
圧)に制御するための指令値が出力され、その制御が予
め定めたFQF時間T1 の間、継続される。この初期油
圧制御をおこなうことによって入力クラッチ5の油圧が
図7に細い実線で示すように増大し、待機油圧程度の圧
力に達する。
【0064】FQF時間T1 が経過したt2 時点でFQ
FフラグF4 がOFFになり、また低圧待機圧フラグF
6 がONに制御される。この時点で入力クラッチ5の油
圧の制御値は、待機油圧に相当する値に設定され、その
指令値が維持される。この状態では入力クラッチ5はト
ルクを伝達しているものの不完全な係合状態であり、し
たがってエンジン1の回転数NE が直ちに増大すること
はない。この低圧待機油圧に維持する制御中に、後述す
るようにモータ・ジェネレータ3の出力トルクが増大さ
せられ、その結果、エンジン1が回転し始める。これ
は、前述したようにエンジン回転数NE がゼロに近い基
準値N1 以上になったことに基づいて判断される。
【0065】そしてその判断の成立したt3 時点に低圧
待機油圧フラグF6 がOFFとなり、また油圧スイープ
アップフラグF7 がONになる。そして入力クラッチ5
の油圧のスイープアップ制御が開始される。すなわち油
圧指令値がスイープアップされる。入力クラッチ5の係
合油圧が漸増することにより、エンジン1を回転させる
トルクが増大するから、エンジン回転数NE が次第に上
昇する。その結果、エンジン回転数NE とモータ回転数
NM との差が所定の基準値N3 以内に収まる状態が所定
時間継続すると、エンジン回転数NE がモータ回転数N
M に同期したことが判定され、そのt4 時点で油圧スイ
ープアップフラグF7 がOFFになり、また油圧最大フ
ラグF8 がONになる。それに伴い入力クラッチ5の油
圧がライン圧(油圧装置全体の元圧)まで昇圧される。
【0066】その後、走行のための動力源をモータ・ジ
ェネレータ3からエンジン1に切り換える制御が行わ
れ、その制御の終了と同時に入力クラッチ5の係合終了
フラグF3 がONとなる。そのt5 時点にエンジン始動
制御フラグF2 および油圧最大フラグF8 がOFFにな
る。
【0067】また一方、パワーオンダウンシフトの判断
が成立した場合のタイムチャートを図8に示してある。
図8において、エンジン始動要求によってエンジン始動
制御フラグF2 がONになったt1 時点から所定時間の
経過したt6 時点に例えばアクセルペダルが大きく踏み
込まれてパワーオンダウンシフトフラグF5 がONにな
ったとすると、初期油圧の供給制御時間が通常時用のF
QF時間T1 に替えてダウンシフト用のFQF時間T1
’が選択される。また、待機油圧が通常時の圧力より
高い圧力に設定される。図8の入力クラッチ指令値を示
す実線のうち太い実線がダウンシフト時の指令値を示
し、細い実線が通常時の指令値を示している。さらにダ
ウンシフトが要求されていることにより、入力クラッチ
5の油圧のスイープアップ勾配が、通常時より増大させ
られる。図8に示す例では、エンジン回転数NE がある
程度上昇したt7 時点までスイープアップ勾配を増大さ
せている。
【0068】したがってダウンシフトの要求があった場
合には、初期油圧の供給時間(FQF時間)T1 ’が長
くなることにより、入力クラッチ5が通常時よりも係合
状態に近くなるように制御される。また低圧待機油圧が
通常時よりも高いので、入力クラッチ5の伝達トルク容
量が大きくなる。その結果、エンジン1に伝達されるト
ルクが大きいために、エンジン1が通常時より早い時点
に回転し始める。その後、入力クラッチ5の油圧のスイ
ープアップ勾配が通常時より大きく設定されるために、
エンジン1に伝達されるトルクが通常時より早く増大さ
せられる。すなわちエンジン1の回転数が迅速に引き上
げられ、エンジン回転数NE のモータ回転数NMへの同
期ならびにエンジン1の始動が早期に達成される。それ
に伴いエンジン1による走行が早期に可能になり、駆動
力の増大要求に即した制御が達成される。
【0069】つぎに前記ステップ005で実行されるモ
ータトルクの処理について説明する。この制御は、駆動
力の変化によるショックやエンジン1の始動の遅れを防
止するための制御であり、エンジン1を回転させるため
のモータ・ジェネレータ3のトルク制御と、エンジン1
の始動が完了した後のモータ・ジェネレータ3のトルク
の漸減制御とを含む。すなわち図9は、モータトルク処
理サブルーチンを示すフローチャートであって、先ず、
油圧最大フラグF8 がONか否かが判断される(ステッ
プ061)。前述したようにこの油圧最大フラグF8
は、エンジン回転数NE がモータ回転数NM に同期した
ことが判断されることによりON制御されるフラグであ
り、したがってこのフラグF8 がONであればエンジン
1の実質的な始動が完了してエンジン1が自らの出力で
回転し、トルクを出力していることになる。これとは反
対に油圧最大フラグF8 がOFFであれば、エンジン回
転数NE がモータ回転数NM に同期するに到っていない
ことになる。
【0070】油圧最大フラグF8 がONであることによ
りステップ061で肯定判断された場合には、油圧最大
フラグF8 がONになってから予め設定した所定時間T
3 が経過したか否かが判断される(ステップ062)。
この時間T3 は、エンジン回転数NE がモータ回転数N
M に同期し、エンジン1に燃料が供給されてエンジン1
が回転し始めた後に、エンジン1の回転が安定するに要
する時間である。したがってステップ062は、エンジ
ン回転数NE が安定することを判断する判断プロセスで
あり、時間の経過を判断する替わりにエンジン回転数N
E の検出値に基づいてエンジン回転数NE の安定状態を
判断することとしてもよい。
【0071】ステップ062で肯定判断された場合に
は、エンジン1の回転が安定したことになり、したがっ
てこの場合は、モータトルク指令値をスイープダウンし
てモータ・ジェネレータ3の出力トルクを次第に低下さ
せる。これは、後述するように、モータ・ジェネレータ
3による走行からエンジン1による走行に切り換えるた
めの制御である。
【0072】一方、油圧最大フラグF8 がOFFである
ことによりステップ061で否定判断された場合には、
モータ・ジェネレータ3によるアシストトルクの演算処
理(ステップ064)、モータトルク指令演算処理(ス
テップ065)、モータ回転数上昇ガード処理(ステッ
プ066)をおこなう。モータ・ジェネレータ3の動力
で走行している際にエンジン1を始動する場合、エンジ
ン1を回転させるためのトルクがモータ・ジェネレータ
3に負荷される。このエンジン1を回転させて始動する
のに要するトルクがアシストトルクであり、ステップ0
64ではこのアシストトルクを演算する。
【0073】図10はそのアシストトルク演算のサブル
ーチンを示すフローチャートであり、先ず、モータリン
グトルクを求める(ステップ071)。このモータリン
グトルクは、エンジン1を回転させるために要するトル
クであり、エンジン1の構造や大きさおよび回転させる
べき回転数などに応じて決まる。そこで図10に示す例
では、エンジン回転数NE をパラメータとしたマップの
形でモータリングトルクを定めておき、目標とするエン
ジン回転数NE に基づいてマップをサーチしてモータリ
ングトルクを求める。
【0074】つぎにエンジン回転数NE の上昇率を演算
する(ステップ072)。これは、ステップ071で求
めたモータリングトルクをモータ・ジェネレータ3の出
力トルクに付加した場合に生じるエンジン回転数NE の
変化に基づいて演算する。具体的には、エンジン回転数
NE を一定時間毎に検出し、前回の検出値と今回の検出
値との差や比に基づいてエンジン回転数上昇率を演算す
る。こうして求められたエンジン回転数上昇率に比例定
数を掛けてイナーシャトルクを演算する(ステップ07
3)。エンジン回転数NE を目的とする回転数にまで上
昇させるには、モータリングトルクと回転変化を生じさ
せるイナーシャトルクとを必要とするから、上述のよう
にして求めたモータリングトルクとイナーシャトルクと
を加えてアシストトルクとする(ステップ074)。
【0075】アシストトルクをモータ・ジェネレータ3
の出力トルクに付加する場合、トルクの急変を防止する
ために、アシストトルクの加工処理をおこなう(ステッ
プ075)。このアシストトルク加工処理のサブルーチ
ンを図11にフローチャートとして示してある。このア
シストトルク加工処理は、モータ・ジェネレータ3の出
力トルクを増大させる際の過渡的な制御であり、したが
ってアシストトルクがゼロ以上の場合に実行される。す
なわちステップ081でアシストトルクがゼロより大き
いか否かが判断され、アシストトルクがゼロ以下である
ことによりステップ081で否定判断された場合には、
リータンする。これに対して、アシストトルクがゼロよ
り大きいことによりステップ081で肯定判断された場
合には、今回開始したアシストトルクの加工処理として
は最初のルーチンの実行か否かが判断される(ステップ
082)。
【0076】ステップ082で肯定判断された場合に
は、アシストカウンタをクリアしてカウントを新たに開
始する(ステップ083)。これとは反対に、ステップ
081で否定判断された場合には、アシストカウンタに
よるカウントが既に開始されていることになり、したが
ってこの場合は、ステップ084に進んでアシストカウ
ンタによるカウントアップをおこなう。
【0077】ついでそのアシストカウントのカウント値
が予め定めた所定値より小さいか否かが判断される(ス
テップ085)。ここでこの所定値は、アシストトルク
を等分する数である。換言すれば、トルクを複数回に分
けて増大させて最終的なアシストトルクに至らしめるた
めのトルクの増大回数である。したがってこれに続くス
テップ086では、前記所定値とアシストカウンタのカ
ウント値との比を、前記ステップ074で求めたアシス
トカウンタに積算し、今回の目標アシストトルクとす
る。すなわち、所定値を“n”とした場合、第1回目の
目標アシストトルクは、前記ステップ074で求めた最
終アシストトルクの(1/n)となり、第2回目は最終
アシストトルクの(2/n)が目標アシストトルクとな
り、最終のn回目には、目標アシストトルクが最終アシ
ストトルクの(n/n)となる。
【0078】このステップ081ないしステップ086
の制御を複数回おこなうことにより、アシストカウンタ
のカウント値が前記所定値に達すると、ステップ085
で否定判断され、その場合、ステップ086の制御をお
こなわずにリターンする。したがってアシストトルクを
徐々に増大させることになる。
【0079】エンジン1を始動するためにこれを回転さ
せるには、アシストトルクを付加したトルクをモータ・
ジェネレータ3によって出力させる必要がある。そのた
めのモータ・ジェネレータ3のトルク制御は、ステップ
065のモータトルク指令演算処理によっておこなわれ
る。図12は、モータトルク指令演算処理サブルーチン
を示している。上述のようにしてアシストトルクが決定
されると、その時点における走行のための駆動要求トル
クにアシストトルクが加算され、その和がモータトルク
指令値として出力される(ステップ091)。具体的に
は、M/G−ECU9および/またはバッテリECU1
1によってモータ・ジェネレータ3に対する電流値が制
御される。
【0080】上述したアシストトルクは、マップから求
めたモータリングトルクおよびその時点のエンジン回転
数NE の変化率から求めたイナーシャトルクに基づくト
ルクであるが、実際の走行時には走行状態あるいはエン
ジン1の状態などが原因となってモータ・ジェネレータ
3の出力トルクが不足する場合がある。その状況は、エ
ンジン回転数NE の低下として現れ、また減速感として
体感される場合もある。そこで、このような場合には、
モータトルク指令値を増大させる。前記ステップ066
はそのための制御ステップであり、その具体的な内容を
図13に示してある。
【0081】図13はモータ回転数の上昇ガード処理の
ためのサブルーチンを示しており、先ず、ステップ10
1でモータ回転数NM の上昇量を演算する。これは、前
記M/G−ECU9に入力されるモータ回転数NM をモ
ニターすることにより求めることができる。ついでモー
タ回転数NM の上昇量が負か否かが判断される(ステッ
プ102)。このステップ102で否定判断された場合
にはモータ回転数NMが低下していないことになるの
で、特に制御をおこなうことなくリターンする。
【0082】これに対してステップ102で肯定判断さ
れた場合には、モータ回転数NM が低下していることに
なるので、演算して得られたモータ回転数上昇量の絶対
値に係数を掛けて上昇マイナスガードトルクを求める
(ステップ103)。ここで係数は、モータ回転数上昇
量の絶対値(すなわちモータ回転数の低下量あるいは低
下率)を、モータ回転数の低下を防ぐに要するトルクに
置き換えるための数値であり、実験などに基づいて予め
設定してある値である。このようにして求めた上昇マイ
ナスガードトルクをモータトルク指令値に加えて、新た
なモータトルク指令値とする(ステップ104)。した
がってトルクの増大量は、モータ回転数NM の低下率に
比例することになる。
【0083】ところで、上述したステップ064ないし
ステップ066におけるアシストトルクに関する処理
は、油圧最大フラグF8 がONになってもエンジン回転
数NEが安定するまでの間は継続する。すなわち前記ス
テップ062で否定判断された場合には、ステップ06
4に進みアシストトルクについての処理をおこなう。
【0084】上述したステップ063あるいはステップ
066で決定されたモータトルク指令値は、エンジン1
の回転の状態に基づいて演算して求めた値であり、モー
タ・ジェネレータ3が実際に出力することのできるトル
クを越えている場合もある。そのため、上記のステップ
063もしくはステップ066の制御に続けて以下の制
御を実行する。すなわちステップ063もしくはステッ
プ066で決定されたモータトルク指令値がモータトル
クガード値を越えているか否かが判断される(ステップ
067)。このモータトルクガード値は、モータ・ジェ
ネレータ3が実際に出力することのできるトルクの上限
値である。
【0085】したがってモータトルク指令値がモータト
ルクガード値を越えていれば、モータトルク指令値とし
てモータトルクガード値を採用し、かつモータトルクガ
ードフラグF9 をONにする(ステップ068)。これ
とは反対にモータトルク指令値がモータトルクガード値
以下であることにより、ステップ067で否定判断され
た場合にはステップ069に進んでモータトルクガード
フラグF9 をOFFにする。
【0086】上述したアシストトルクに基づくモータト
ルク指令値の変化を図7および図14ならびに図15に
示してある。すなわち図7に示すように、モータトルク
指令値は、基本的には、駆動トルクにアシストトルクを
付加したトルクとなるように設定される。またその指令
値の出力は、エンジン始動制御フラグF2 がONになっ
た後のt8 時点である。この制御は前述したステップ0
91に基づいている。アシストトルクをこのように駆動
トルクに付加することにより、走行のための駆動力を低
下させずにエンジン1を回転させることができ、エンジ
ン1を回転させ始める際の駆動力の低下やそれに起因す
るショックを防止することができる。
【0087】また上述したモータ回転数上昇ガード処理
をおこなった場合のモータトルク指令値の変化の一例
は、図14に示すとおりであり、モータ回転数NM が低
下すると、その低下率に係数を掛けたトルクがアシスト
トルクに付加される。その結果、モータトルク指令値
は、図14に太い実線で示すように変化する。そのため
エンジン1の回転数を連続して増大させることができ、
エンジン始動の遅延や走行のための駆動力の増大の遅れ
を防止することができる。
【0088】さらに図11に示すルーチンに従った制御
をおこなうことにより、アシストトルクに応じたモータ
トルク指令値を出力し始めた際のモータトルク指令値の
変化が図15の(a)−(e)−(c)の線で示すよう
に所定の勾配をもって変化する。すなわちモータトルク
が急激に変化することがないので、ショックが有効に防
止される。
【0089】ところで、図2の全体的な制御チャートに
示してあるように、モータトルクの処理をおこなった後
に、エンジントルク処理(ステップ006)がおこなわ
れる。図16はそのエンジントルク処理サブルーチンを
示しており、先ず、パワーオンダウンシフトフラグF5
がONか否かが判断される(ステップ111)。この判
断ステップは前述したステップ021,030と同様で
ある。
【0090】パワーオンダウンシフトの要求があったこ
とによりステップ111で肯定判断された場合には、エ
ンジン回転数NE が予め定めた基準回転数N4 より大き
いか否かが判断される(ステップ112)。この基準回
転数N4 はその時点のモータ回転数NM より小さい回転
数であり、一例としてアイドル回転数程度の値である。
言い換えれば、燃料を供給することによりエンジン1が
ストールせずに回転し続けることのできる程度の回転数
である。このステップ112で否定判断された場合には
エンジントルクに関する処理を特にはおこなわずにリタ
ーンし、また肯定判断された場合には、ステップ114
に進む。
【0091】一方、ダウンシフトが要求されていないこ
とによりステップ111で否定判断された場合には、油
圧最大フラグF8 がONか否かが判断される(ステップ
113)。このフラグF8 は、図5を参照して説明した
ように、エンジン回転数NEがモータ回転数NM に同期
したことが判断された場合にONに制御されるフラグで
ある。したがってステップ113で否定判断されれば、
エンジン回転数NE がモータ回転数NM に同期していな
いことになるので、この場合はエンジントルクの処理に
関する制御を特に行わずにリターンする。これに対して
ステップ113で肯定判断されれば、エンジン回転数N
E がモータ回転数NM に同期したことになるので、この
場合はステップ114に進む。
【0092】ステップ114では、エンジン1における
燃料の噴射を開始する。すなわちダウンシフトが要求さ
れている場合には、エンジン回転数NE がアイドル回転
数程度の予め定めた基準回転数N4 に達することによ
り、燃料の噴射を開始する。またダウンシフトが要求さ
れていない通常の場合には、エンジン回転数NE がモー
タ回転数NM に同期したことの判断が成立することによ
り、燃料の噴射を開始する。なお、燃料噴射装置を備え
ていないエンジンであれば、燃料の供給を開始する。
【0093】ついで、駆動要求トルクからモータトルク
指令値を減算してエンジントルク指令値を求める(ステ
ップ115)。駆動要求トルクは、走行のために要求さ
れているトルクであってアクセルペダルの踏み込み量な
どに基づいて求められる。またモータトルク指令値は、
前述したステップ065やステップ066で求められた
モータトルク指令値あるいはステップ063でスイープ
ダウンされるモータトルク指令値である。
【0094】上述した燃料噴射のタイミングが図8に示
されている。すなわちパワーオンダウンシフトが要求さ
れていてパワーオンダウンシフトフラグF5 がONにな
っている場合には、エンジン回転数NE がアイドル回転
数程度の基準回転数N4 に達した時点t8 に燃料の噴射
が開始される。これと同時に燃料噴射フラグがONに設
定される。これに対してダウンシフトが要求されていな
い通常時には、図8に細い実線で示してあるように、油
圧最大フラグF8 がONに制御されるt4 時点に燃料の
供給が開始される。
【0095】また上記のようなエンジントルク処理をお
こなった場合のエンジントルク指令値の変化を、図7お
よび図14ならびに図15に示してある。エンジントル
ク指令値は、モータトルク指令値との和が駆動要求トル
クになるように制御される。言い換えれば、エンジント
ルク指令値は、モータトルク指令値の低下に従って増大
させられる。したがってエンジン回転数NE がモータ回
転数NM に同期したことが判断されたt4 時点からエン
ジン回転数NE の安定が判断されるまでの所定時間T3
の間は、モータトルク指令値がその直前の値に維持さ
れ、したがってエンジントルク指令値もその間は従前と
同じに維持される。
【0096】その後、モータトルク指令値がスイープダ
ウンされるので、そのモータトルク指令値の低下量に応
じてエンジントルク指令値が増大させられる。その結
果、最終的には、エンジントルクによって駆動要求トル
クを満たすようになり、その時点t5 にモータトルク指
令値がゼロになる。これと同時に入力クラッチ係合終了
フラグF3 がONになる。すなわち駆動トルクを一定に
維持したまま、動力源がモータ・ジェネレータ3からエ
ンジン1に切り換えられる。したがってエンジン1を始
動し、かつ動力源をエンジン1に切り換えることに伴っ
てショックが発生することが防止される。
【0097】上述したように、パワーオンダウンシフト
の要求があった場合、入力クラッチ5やモータトルクあ
るいはエンジントルクの制御を通常の場合とは異ならせ
る。これは、ダウンシフトによる駆動力の増大要求があ
るからである。しかしながらダウンシフトによる駆動力
の変化は、ショックを発生させる要因になるので、モー
タトルクによってエンジン1を回転させている場合に
は、ダウンシフトを以下のように制御する。
【0098】図17は、図2に示すダウンシフト開始許
可処理のサブルーチンを示しており、先ず、パワーオン
ダウンシフトフラグF5 がONか否かが判断される(ス
テップ121)。この判断ステップは前述したステップ
021,030,111と同様である。このステップ1
21で否定判断された場合には特に制御をおこなうこと
なくリターンし、また反対に肯定判断された場合には、
エンジン回転数NE が予め設定した基準値N4 より大き
いか否かが判断される(ステップ122)。この基準値
N4 はダウンシフト要求があった場合の燃料噴射タイミ
ングを決める基準値と同じであり、したがってこのステ
ップ122は、要は、エンジン1が実質的に始動された
か否かを判断している。なお、前記の基準値N4 は、エ
ンジン1と変速機13との制御応答性に差があるので、
必ずしも同一である必要はなく、必要に応じて異ならせ
てもよい。
【0099】このステップ122で否定判断された場合
には特に制御をおこなうことなくリターンする。また反
対に、ステップ122で肯定判断された場合には、ダウ
ンシフト開始許可フラグF10をONにする(ステップ1
23)。このダウンシフト開始許可フラグF10に基づい
てT/M−ECU15によってダウンシフトの制御が開
始される。すなわちエンジン1に燃料が供給されてエン
ジン1が実質的に始動するまでダウンシフトが禁止さ
れ、エンジン1が実質的に始動した後にダウンシフトが
開始される。したがってエンジン1を回転させるための
負荷がモータ・ジェネレータ3にかかっている状態でダ
ウンシフトによる駆動力の変化が生じることが回避さ
れ、そのためにショックを防止することができる。また
変速時に変速機13に対する入力トルクを制御する場
合、エンジン1が既に始動されてトルクを出力している
ので、入力トルクの制御が容易になり、この点でも変速
に伴うショックを防止できる。
【0100】ところで上述した例では、モータトルクに
アシストトルクを付加する場合、アシストトルクを徐々
に増大させるように制御している。これは、トルクが急
激に増大することによるショックを防止するためであ
る。一方、エンジン1を始動するのは、大きい駆動力の
要求があるからである。したがってアシストトルクをモ
ータトルクに付加する場合、ショックを悪化させない範
囲でアシストトルクの増大率を大きくすることが好まし
い。その例を以下に説明する。
【0101】図18は前述した図11に示すアシストト
ルク加工処理サブルーチンのうちのステップ086を0
86−1に置換したルーチンである。すなわちこのステ
ップ086−1で実行される制御は、図10に示すステ
ップ074で演算されたアシストトルクの所定割合のト
ルクを最初の指令値として出力し、その後にアシストト
ルクを徐々に増大させる制御である。具体的に説明する
と、モータリングトルクとイナーシャトルクとの和とし
て求められたアシストトルクにスキップアップ率を掛け
て、最初に増大させるアシストトルク量を求める。この
スキップアップ率は、ショックが生じない程度のトルク
の増大量となるように予め設定した値である。またこの
スキップアップ率は、固定値であってもよいが、車速な
どをパラメータとしたマップの形式で定めた値(すなわ
ち変数)であってもよい。
【0102】このようにしてスキップアップしたモータ
トルク指令値を起点としてアシストトルクを徐々に増大
させる。すなわち図18のステップ086−1に記載し
てあるように、最終的に設定するべきアシストトルクに
(1−スキップアップ率)を掛け、さらにその値にアシ
ストカウンタの上限値に対するアシストカウンタ値の比
率を掛ける。これを定性的に説明すれば、アシストトル
クのうちスキップアップした後の残量を、アシストカウ
ンタ上限値で分割した値ずつ繰り返し増大させる制御を
おこなうことになる。
【0103】このようなアシストトルク指令値のスキッ
プアップをおこなった場合のモータトルク指令値の変化
を図15に示してある。すなわちスキップアップするこ
とにより、モータトルク指令値が(a)の状態から
(d)で示す状態に増大する。その場合のモータトルク
指令値およびモータトルクがある程度の幅で急激に増大
するが、スキップアップ率を適当な値に設定することに
より、ショックは生じない。その後、アシストカウンタ
上限値に基づいて分割された値ずつモータトルク指令値
およびモータトルクが増大する。
【0104】したがってエンジン1を回転させるトルク
が迅速に増大するので、エンジン回転数NE が迅速に上
昇し、エンジン1が早期にトルクを出力し、制御の遅れ
感が回避される。なお、図15において、(a)−
(b)−(c)で示すモータトルク指令値の変化は、図
11に示す処理あるいは図18に示す処理をおこなわな
かった場合の変化であり、アシストトルクが大きい場
合、すなわちモータトルク指令値の変化幅が大きい場合
には、出力軸トルクが一時的に大きく変化してショック
が生じる可能性がある。
【0105】エンジン回転数NE を増大させる場合に
は、図12を参照して説明したように、モータトルク指
令値を、駆動要求トルクにアシストトルクを加えた値に
設定する。一方、エンジン回転数NE のモータ回転数N
M に対する同期は、これらの回転数NE ,NM の差が所
定値以下になる状態がある程度の時間継続することによ
り判断される。したがってエンジン回転数NE がモータ
回転数NM を一時的に越えても直ちには同期が判断され
ない。そのためにエンジン1を回転させるためのアシス
トトルクを付加したモータトルクを出力し続けると、モ
ータトルクが相対的に過剰となるために、ショックが生
じる可能性がある。図19に示す制御は、このような不
都合を回避するための制御である。
【0106】この図19に示すルーチンは、前述した図
2に示すステップ005のモータトルク処理に含まれる
モータトルク指令演算処理サブルーチンである。先ず、
エンジン回転数NE がモータ回転数NM より大きいか否
かが判断される(ステップ141)。前述したように、
エンジン回転数NE をモータ回転数NM にまで引き上げ
るためにアシストトルクを付加するのであるから、エン
ジン回転数NE がモータ回転数NM に到達すれば、それ
以上にエンジン回転数1を引き上げる必要はない。した
がってステップ141で肯定判断された場合には、モー
タトルク指令値を駆動要求トルクに対応した値に設定す
る(ステップ142)。これとは反対にエンジン回転数
NE がモータ回転数NM 以下であれば、モータトルク指
令値を、駆動要求トルクとアシストトルクとを加えたト
ルクに対応した値に設定する(ステップ143)。
【0107】図19に示す制御をおこなった場合のモー
タトルク指令値の変化を図7および図20(A)に示し
てある。これらの図に示すように、エンジン回転数NE
がモータ回転数NM を上回る範囲では、モータトルクか
らアシストトルクが削除され、走行のための駆動トルク
のみが出力される。また再度、エンジン回転数NE がモ
ータ回転数NM を下回ると、駆動トルクにアシストトル
クが付加されたモータトルクが出力される。その結果、
エンジン回転数NE がモータ回転数NM を越えている状
態でアシストトルクが出力されないので、駆動力が一時
的に過剰になったりそれに伴ってショックが発生したり
することが防止される。
【0108】これに対して図20の(B)に示すように
エンジン回転数NE の大小に関わらずアシストトルクを
連続して出力すると、エンジン回転数NE がモータ回転
数NM を上回った際に駆動トルクが過剰になり、これが
原因となってショックが生じることがある。
【0109】なお、エンジン回転数NE がモータ回転数
NM を上回った後、再度エンジン回転数NE がモータ回
転数NM を下回ってアシストトルクを付加する場合、前
述した図11に示すアシストトルク加工処理をおこなう
ことが好ましい。このようなトルクの加工処理をおこな
えば、図20の(A)に太い実線で示すようにモータト
ルクが緩やかに増大するので、駆動力の急変によるショ
ックを防止することができる。
【0110】ところで、図9を参照して説明したよう
に、モータ・ジェネレータ3で出力することのできるト
ルクには限界があり、モータトルク指令値がモータ・ジ
ェネレータ3の上限トルクを越えた場合には、モータト
ルクガード値をモータトルク指令値として採用する。そ
の場合においても、モータトルクを上限値に維持する
と、エンジン回転数NE がモータ回転数NM を越えるこ
とにより、駆動トルクが増大する。すなわちエンジン回
転数NE がモータ回転数NM を越えると、モータトルク
のうちエンジン1を回転させるために使用されていたト
ルクが走行のための駆動トルクに付加されるから、駆動
トルクが増大し、これが原因となってショックが発生す
る場合がある。
【0111】図21はモータトルク指令値がモータトル
クガード値に達してしまっている場合のモータトルク指
令演算処理サブルーチンを示すフローチャートであり、
先ず、エンジン回転数NE がモータ回転数NM を越えて
いるか否かが判断される(ステップ151)。このステ
ップ151で肯定判断された場合には、モータトルクガ
ードフラグF9 がONか否かが判断される(ステップ1
52)。このモータトルクガードフラグF9 は、図9を
参照して説明したように、モータトルク指令値がモータ
トルクガード値を越えている場合にONとされるフラグ
である。
【0112】モータトルク指令値がモータトルクガード
値を越えていないことによりステップ152で否定判断
された場合には、駆動要求トルクに相当するモータトル
ク指令値を出力する(ステップ153)。すなわちステ
ップ152で否定判断された際の車両の状態は、モータ
・ジェネレータ3の出力することのできるトルクに未だ
余裕があり、かつエンジン回転数NE がモータ回転数N
M を越えている状態であるから、モータトルク指令値を
駆動要求トルクに相当する指令値に設定する。これは、
前述した図19のステップ142と同様な制御となる。
【0113】これとは反対に、モータトルクガードフラ
グF9 がONであることによりステップ152で肯定判
断された場合には、モータトルク限界値からアシストト
ルクを減算したトルクに相当するモータトルク指令値を
出力する(ステップ154)。なお、モータトルク限界
値から減じるトルクは、アシストトルクに限られないの
であり、予め決めた値であってもよい。駆動要求トルク
とアシストトルクとを加えた値がモータトルク限界値に
正確に一致するとは限らないからである。
【0114】なお、エンジン回転数NE がモータ回転数
NM を越えていないことによりステップ151で否定判
断された場合には、駆動要求トルクにアシストトルクを
加えたトルクに相当するモータトルク指令値を出力する
(ステップ155)。これは、図19のステップ143
と同様な制御となる。
【0115】上記のステップ154の制御を実行した場
合と実行しない場合とのモータトルクの変化を図22に
示してある。図22の(A)は、上記のステップ154
の制御を実行した場合のモータトルクの変化を示してお
り、エンジン回転数NE がモータ回転数NM を越えてい
る状態では、アシストトルクに相当するトルクがモータ
トルクの限界値から減じられる。したがってモータ・ジ
ェネレータ3が出力していたトルクのうち、エンジン1
を回転させるために使用されていたトルクが、これを不
必要とする状態となることによりモータトルクから減じ
られるので、駆動トルクが相対的に増大することがな
く、したがって駆動トルクの一時的な増大に伴うショッ
クを防止することができる。これに対して、ステップ1
54の制御を実行しない場合には、図22の(B)に示
すように、エンジン回転数NE がモータ回転数NM を越
えている状態で駆動トルクが相対的に増大するので、こ
れがショックとして体感されることがある。
【0116】ここで上述した具体例と請求項の構成との
対応関係をまとめて説明する。上述したエンジン1がこ
の発明における内燃機関に相当し、またモータ・ジェネ
レータ3が電動機に相当し、さらに入力クラッチ5がこ
の発明の連結機構に相当し、、モータ・ジェネレータ3
の出力軸4、およびこれに連結された自動変速機13、
の出力軸16がこの発明の動力伝達系統に相当してい
る。
【0117】また図2に示すステップ001の機能が請
求項1における始動要求判断手段に相当し、また図10
に示すステップ074の機能が請求項1におけるアシス
ト量設定手段に相当する。請求項2に関しては、図19
のステップ141および図21のステップ151の機能
が同期検出手段に相当し、また「いずれか一方の手段」
には、図19のステップ142および図21のステップ
154の機能が相当し、図2のステップ004、図3な
いし図5に示す処理が、請求項3の「連結機構の伝達ト
ルク容量を制御する手段」に相当する。
【0118】なお、上述した具体例では、モータ・ジェ
ネレータの出力軸にエンジンの出力軸を入力クラッチを
介して連結する構造のハイブリッド車を対象としたが、
この発明は上記の例に限定されないのであって、歯車機
構を介して内燃機関を動力伝達機構もしくは電動機に連
結する構成のハイブリッド車を対象とすることができ、
要は、いわゆるパラレルハイブリッド形式の駆動装置を
対象とするものであればよい。したがって内燃機関と電
動機との動作状態を判断する場合、上記の例では、それ
ぞれの回転数を直接対比することとしたが、動力伝達装
置と電動機もしくは内燃機関との間に歯車機構が介在さ
れている場合には、いずれか一方の回転数と他方の回転
数に基づく所定の値とを対比して電動機および内燃機関
の動作状態を判断することとしてもよい。請求項1で
「電動機の回転数に基づいて決まる基準値」とは、この
ことを意味している。
【0119】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、電動機によって走行している際に内燃機関を始
動する場合、電動機の出力するトルクを、その走行状態
を維持するのに要するトルクに、内燃機関の目標回転数
に基づいて決まるトルクを加えたトルクに設定するの
で、走行のための駆動力の低下が防止され、内燃機関の
始動に伴うショックを未然に回避することができる。
【0120】また請求項2の発明によれば、請求項1の
発明と同様の効果を得られる他に、内燃機関を始動して
その回転数が電動機の回転数に達した場合、それまでの
走行を内燃機関の出力によって維持することができるの
で、電動機の出力トルクを低下させることにより、ハイ
ブリッド車の全体としての駆動力が過剰になることを防
止でき、またショックを防止できるうえに、内燃機関の
始動の前後に亘ってハイブリッド車の全体としての駆動
力が一定になり、そのため駆動力の急激な変化およびそ
れに起因するショックを防止することができる。さらに
請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明と同
様の効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかるハイブリッド駆動装置およ
びその制御系統を模式的に示すブロック図である。
【図2】 電動機の出力で走行中に内燃機関を始動する
全体的な制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】 入力クラッチの油圧処理のためのサブルーチ
ンの一部を示すフローチャートである。
【図4】 そのサブルーチンの他の部分を示すフローチ
ャートである。
【図5】 そのサブルーチンの更に他の部分を示すフロ
ーチャートである。
【図6】 初期油圧の供給時間の学習制御ルーチンを示
すフローチャートである。
【図7】 図2に示す制御を実行した場合の油圧や回転
数あるいはフラグの変化を示すタイムチャートである。
【図8】 パワーオンダウンシフトの要求があった場合
のタイムチャートである。
【図9】 モータトルク処理サブルーチンを示すフロー
チャートである。
【図10】 アシストトルク演算処理のサブルーチンを
示すフローチャートである。
【図11】 アシストトルク加工処理サブルーチンを示
すフローチャートである。
【図12】 モータトルク指令演算処理サブルーチンを
示すフローチャートである。
【図13】 モータ回転数上昇ガード処理サブルーチン
を示すフローチャートである。
【図14】 モータ回転数が低下することに伴ってアシ
ストトルクを増大させる制御をおこなった場合のモータ
トルク指令値の変化を示すタイムチャートである。
【図15】 駆動トルクにアシストトルクを付加する際
にトルク加工処理をおこなった場合のモータトルク指令
値の変化を示すタイムチャートである。
【図16】 エンジントルク処理サブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図17】 ダウンシフト開始許可処理サブルーチンを
示すフローチャートである。
【図18】 アシストトルク加工処理サブルーチンを示
すフローチャートである。
【図19】 モータトルク指令演算処理サブルーチンを
示すフローチャートである。
【図20】 (A)は図19の処理をおこなった場合の
モータトルク指令値の変化を示す説明図であり、(B)
は図19に示す処理をおこなわなかった場合のモータト
ルク指令値の変化を示す説明図である。
【図21】 モータトルク指令演算処理サブルーチンを
示すフローチャートである。
【図22】 (A)は図21の処理をおこなった場合の
モータトルク指令値の変化を示す説明図であり、(B)
は図21に示す処理をおこなわなかった場合のモータト
ルク指令値の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1…エンジン、 2…クランクシャフト、 3…モータ
・ジェネレータ、 4…出力軸、 5…入力クラッチ、
6…エンジンECU、 13…変速機、 14…入力
軸、 16…出力軸。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 29/02 321 F02D 29/02 321B F02N 11/00 F02N 11/00 F 11/04 11/04 D 11/08 11/08 G V (56)参考文献 特開 平9−109694(JP,A) 特開 平8−232817(JP,A) 特開 平6−17727(JP,A) 特開 平11−164408(JP,A) 特開 平9−117012(JP,A) 特開 平10−331749(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 11/14 ZHV B60K 6/04 F02D 29/02 F02N 11/00 F02N 11/04 F02N 11/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機の出力を走行のための動力伝達系
    統に伝達して走行している際に、その動力伝達系統に内
    燃機関を連結して、前記電動機の出力トルクによって前
    記内燃機関を始動するハイブリッド車の駆動制御装置に
    おいて、 前記内燃機関の始動の要求を判断する始動要求判断手段
    と、前記内燃機関を始動する要求のあったことが始動要
    求判断手段によって判断された場合に、前記電動機の出
    力トルクを、目標とする内燃機関の回転数に基づいて決
    まり、かつ、前記内燃機関を回転させるために要する
    ータリングトルク、もしくは該モータリングトルクに前
    記内燃機関の回転数の変化率に応じた慣性トルクを加え
    たトルクに相当するトルクだけ増大させるアシスト量設
    定手段とを備えていることを特徴とするハイブリッド車
    の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 記動力伝達系統に前記内燃機関を連結
    して内燃機関の始動制御を開始した後、内燃機関の回転
    数が前記電動機の回転数もしくは電動機の回転数に基づ
    いて決まる基準値以上になったことを検出する同期検出
    手段と、内燃機関の回転数が電動機の回転数もしくは電
    動機の回転数に基づいて決まる基準値以上になったこと
    が前記同期検出手段によって検出された場合に、前記内
    燃機関を始動するために増大させた電動機の出力トルク
    を低下させる手段と前記内燃機関を始動する際に電動機
    の出力トルクを増大させなかった場合にも電動機の出力
    トルクを低下させる手段との少なくともいずれか一方の
    手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の
    イブリッド車の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記始動要求判断手段の判断結果に基づ
    いて、前記内燃機関の出力軸と前記電動機の出力軸とを
    選択的に連結する連結機構の伝達トルク容量を制御する
    手段を、更に備えていることを特徴とする請求項1また
    は2に記載のハイブリッド車の駆動制御装置。
JP2001129873A 2001-04-26 2001-04-26 ハイブリッド車の駆動制御装置 Expired - Lifetime JP3376999B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001129873A JP3376999B2 (ja) 2001-04-26 2001-04-26 ハイブリッド車の駆動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001129873A JP3376999B2 (ja) 2001-04-26 2001-04-26 ハイブリッド車の駆動制御装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36261897A Division JP3214427B2 (ja) 1997-12-12 1997-12-12 ハイブリッド車の駆動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002027611A JP2002027611A (ja) 2002-01-25
JP3376999B2 true JP3376999B2 (ja) 2003-02-17

Family

ID=18978342

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001129873A Expired - Lifetime JP3376999B2 (ja) 2001-04-26 2001-04-26 ハイブリッド車の駆動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3376999B2 (ja)

Families Citing this family (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3991882B2 (ja) * 2003-02-17 2007-10-17 トヨタ自動車株式会社 動力出力装置及びその制御方法並びに車両
WO2007072539A1 (ja) * 2005-12-19 2007-06-28 Hitachi, Ltd. 車両の原動機始動装置および始動方法
JP5505046B2 (ja) * 2010-04-01 2014-05-28 トヨタ自動車株式会社 車両制御システム
JP5545017B2 (ja) * 2010-05-12 2014-07-09 マツダ株式会社 車両用駆動制御装置
JP5545018B2 (ja) * 2010-05-12 2014-07-09 マツダ株式会社 車両用駆動制御装置
US20130175810A1 (en) * 2010-07-22 2013-07-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Control device for starter and method of controlling starter
CN103842222B (zh) * 2011-10-06 2016-08-17 丰田自动车株式会社 发动机起动***
JP5768695B2 (ja) * 2011-12-06 2015-08-26 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP5772979B2 (ja) 2011-12-14 2015-09-02 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
JP5673522B2 (ja) * 2011-12-21 2015-02-18 トヨタ自動車株式会社 車両の制御装置
JP5903311B2 (ja) * 2012-03-30 2016-04-13 本田技研工業株式会社 ハイブリッド車両
JP5929954B2 (ja) 2014-04-15 2016-06-08 株式会社デンソー 回転機の制御装置
WO2020065799A1 (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 日産自動車株式会社 電動車両の制御方法および電動車両の駆動システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002027611A (ja) 2002-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3214427B2 (ja) ハイブリッド車の駆動制御装置
JP3453976B2 (ja) 車両用制御装置
JP4682416B2 (ja) 車両駆動装置
JP5728996B2 (ja) エンジンの始動装置
CN101389515B (zh) 用于内燃机的控制设备和方法
US20080220933A1 (en) Vehicular control apparatus and control system
JP3376999B2 (ja) ハイブリッド車の駆動制御装置
JPH1182260A (ja) 車両用ハイブリッド駆動装置
JP3011069B2 (ja) 車両の制御装置
CN108238038B (zh) 混合动力车辆的变速控制装置以及变速控制方法
JP6421729B2 (ja) ハイブリッド車両の触媒暖機方法および触媒暖機制御装置
JP6091169B2 (ja) 車両の制御装置
JP2000154753A (ja) エンジンの始動制御装置
JP3562429B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2010111188A (ja) ハイブリッド車両のエンジン始動制御装置
JP2010127178A (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP3551192B2 (ja) 油圧制御装置
CN112714822B (zh) 用于操作怠速控制装置的方法、怠速控制装置和机动车辆
JP2012072875A (ja) エンジン始動制御装置
JP4654538B2 (ja) 内燃機関制御装置
JP2001020773A (ja) 車両の駆動制御装置
JP4269339B2 (ja) 車両の制御装置
JP3721987B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP6406835B2 (ja) 制御装置
JP2004052656A (ja) 車両のエンジン始動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081206

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101206

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111206

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111206

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121206

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131206

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term