JP4161528B2 - 蓋材および軟包装体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス抜き機構を有する蓋材および軟包装体に関するものであり、さらに詳細には、ポリプロピレン樹脂に対してイージーピール性を有しながらも、内容物を充填した容器を電子レンジなどで加温した際に発生する水蒸気などのガスを容易に抜く事が可能な蓋材および軟包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、食品包装分野において、インスタントラーメン、ゼリー、ヨーグルトなどカップに内容物を充填した包装形態が知られ、食するための利便性から急激に増加してきている。また、最近ではHMR(ホーム・ミール・リプレースメント)の流れが強くなり、それに伴い、冷凍流通可能でかつ電子レンジなどの耐熱性を有するトレーなども徐々に増えつつある。これらの容器の代表的な例としては、一般的にポリエチレン、ポリスチレン、発泡ポリスチレン、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成形や真空圧縮成形などの製法を利用して製造されている。
【0003】
しかしながら、上述したように消費者が内容物が入った容器をそのまま直接電子レンジで加温して、その後、蓋などの積層体を開封する事で内容物を食する傾向が強くなり、それらの容器の要求品質として、耐熱性が求められるようになってきた。一般に耐熱性が要求される分野ではポリプロピレン樹脂やポリエステル樹脂を使用した容器が多く、また、最近では省資源対応や環境問題を考慮して、紙とポリプロピレンフィルムあるいはポリエステルフィルムを複合化させた紙トレーなどが使用される傾向が強くなってきているため、それに対する蓋材などの積層体もポリプロピレンやポリエステルなどの被着体に接着が可能なシーラントが要求されるようになってきた。
【0004】
一般にこれらの容器に対し、内容物保護および開封時の易開封性を考慮した蓋材が設けられている。これらの蓋材のシーラント層は、内容物保護のため被着体とは強接着性を有しながらも、開封時には易開封性を有するという相反する機能を要求されている。このような要求を満たすため、様々な機能が蓋材に付与されてきた。その一つが、易開封機構の設計であり、それらの例として、層間剥離機構と凝集剥離機構が挙げられる。
【0005】
このように、イージーピール性を有するシーラントの登場は、密封性および易開封性という相反する目的を兼ね備えたシーラントとして、様々な蓋材あるいは軟包装体に使用されるようになってきた。しかしながら、上述したような消費者の食生活の変化で電子レンジを使用するケースが多くなるにあたり、新たな機能としてガス抜き機構が求められるようになってきた。
【0006】
一般に、閉鎖系の容器を電子レンジで加温すると、充填された内容物に含まれる水分が電子レンジによって水蒸気化し、閉鎖系の容器内で膨張してしまう。その結果、内圧が非常に高くなり、容器が破裂してしまう。この内容は、消費者に対する安全性と言う点でも改善しなくてはならないことであり、この問題点は、容器と蓋材の関係だけでなく軟包装体についても同様な事が言える。このような背景から、蓋材や軟包装体にガス抜き機構が求めれるようになってきた。
【0007】
しかしながら、現在まで報告されているガス抜き機構を有する蓋材および軟包装体は、既存の積層体に、各種2次加工を施す事で作成されており、実生産を考慮すると、製造工程の増加やそれに伴うコスト高が課題点とされている。また、上述したように、バリアフリー的な観点からイージーピール性が不可欠な要求となってきているのに対し、ガス抜き機構およびイージーピール性を両立した蓋材および軟包装体が少ないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、製造コストが嵩まず、イージーピール性を有しながらガス抜き機構をも有する蓋材および軟包装体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記課題を達成するために、ポリプロピレン樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂をベースとした樹脂組成物からなるシーラント層上に密度が0.850〜0.925g/cm 3 の範囲で、かつ105℃以下に少なくとも一つ融点を有し、その融解熱量が10〜70J/gである、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、少なくとも1成分以上のαオレフィンを含有するエチレン−αオレフィン共重合体から選ばれるポリエチレン系エラストマー、あるいはこれらの酸変性物であるポリエチレン系樹脂もしくはポリオレフィン系共重合体層を設けた積層体を基本構造とした蓋材および軟包装体において、
前記シーラント層とポリオレフィン系樹脂もしくはポリオレフィン系共重合体層との室温におけるラミネート強度が、5〜20N/15mmであり、70℃雰囲気下におけるラミネート強度が0.1〜5N/15mmの範囲であり、該蓋材でシールした容器あるいは該軟包装体中に内容物を充填し、加温により発生した各種ガス成分を、ガス発生に伴う内圧上昇により蓋材では被着体である容器本体のフランジ部、軟包装体ではその積層体の内面の面々シール部で前記シーラント層を破断し、電子レンジによる加温で、ラミネート強度が低下した該シーラント層と、前記ポリオレフィン系樹脂層もしくはポリオレフィン系共重合体層の層間からガスを解放するガス抜き機構を附与したことを特徴とする蓋材および軟包装体としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を用いながら詳細に説明する。
本発明のガス抜き機構を付与した蓋材および軟包装体は、例えば図1(a)および図2(a)の側断面積層図に示すように、230℃におけるメルトインデックス(以下MIと略す)が0.1〜100g/10分、好ましくは3〜50g/10分であるポリプロピレン樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂をベースとした樹脂組成物をシーラント層(10)とし、かつ、そのシーラント層(10)上に、密度が0.850〜0.925g/cm3 の範囲で、かつ105℃以下に少なくとも一つ融点を有し、その融解熱量が10〜70J/gであるポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)を設け、この上に、即ち外面に紙あるいはプラスチックフィルムでなる基材層(30)が設けられた蓋材(1)および軟包装体(2)である。
【0014】
また、本発明では、好ましくは前記ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)が、ポリエチレン系エラストマーもしくはポリエチレン系プラストマーである蓋材および軟包装体(2)とするものである。
【0015】
また、本発明では、前記ポリオレフィン系樹脂もしくはポリオレフィン系共重合体層(20)が、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、少なくとも1成分以上のαオレフィンを含有するエチレン−αオレフィン共重合体である蓋材(1)および軟包装体(2)とするものである。
【0016】
さらに加工性やその他の物性を考慮して、このポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)にその他の樹脂もしくは添加剤を配合しても構わない。ただし、このポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)として用いる樹脂は、前記シーラント層(10)を構成するポリプロピレン系樹脂あるいはプロピレン系樹脂を主成分とする樹脂組成物との室温におけるラミネート強度を得るためにも、密度が0.850〜0.925g/cm3 の範囲で選択されるポリエチレン系エラストマーもしくはポリエチレン系プラストマーであることが好ましい。
【0017】
本発明のガス抜き機構を付与した蓋材(1)および軟包装体(2)は、前記のシーラント層(10)とポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)間の層間剥離を利用した層間剥離タイプのイージーピールシーラントとして使用する事が可能であるが、ガス抜き機構を附与させると言う意味では、さらにこのポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)として用いるポリエチレン系エラストマーもしくはポリエチレン系プラストマーとして、105℃以下に少なくとも一つ融点を有し、その融解熱量が10〜70J/gの範囲から選ばれるものが好ましい。この理由を、本発明の蓋材(1)および軟包装体(2)のガス抜き機構の原理と共に以下に説明する。
【0018】
本発明の蓋材(1)および軟包装体(2)は、例えば図1(b)に示すように、電子レンジによって加温され内圧が上昇した際に、蓋材(1)では、被着体である容器本体(5)のフランジ部(55)に、図2(b)に示すように、軟包装体(2)では、その積層体の内面の面々シール部(22)に内圧が集中する。この時、シーラント層(10)は、加温により機械的強度が若干低下しているため、容易にポリプロピレン樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂をベースとした樹脂組成物でなるシーラント層(10)を破断する。その結果、図1(c)および図2(c)に示すように、層間剥離型の剥離面であるシーラント層(10)とポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)間でガスが抜ける事が可能になり、結果的にガス抜き機構を附与することが可能になる。
【0019】
上述したガス抜きのポイントとしては、以下の内容が挙げられる。すなわち加温によるシーラント層となるシーラント層(10)の機械強度の低下と、シーラント層(10)とポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)間でのガス抜きである。特に後者については、両層(10、20)のラミネート強度が大きなポイントとなり、電子レンジで加温している時でもラミネート強度が強ければ、この両層(10、20)間でのガス抜きが困難になってしまうため、電子レンジによる加温で、この両層(10、20)間のラミネート強度が極端に低下させる必要がある。
【0020】
また、イージーピール性と言う意味では、室温において5〜20N/15mmの範囲のラミネート強度が好ましいが、加温時、特に70℃雰囲気下におけるラミネート強度が0.1〜5N/15mmの範囲まで低下することができないと、ガス抜き機構を発現させることが困難である。このように、このポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)としては加温による両層(10、20)間のラミネート強度を低下させることが可能な樹脂を用いる必要があり、その様な意味で0.850〜0.925g/cm3 の範囲で、105℃以下に少なくとも一つ融点を有し、その融解熱量が10〜70J/gの範囲であるものが好ましい。
【0021】
このように105℃以下に融点を持たないと、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)の軟化に伴う高温時のラミネート強度低下が得られない。また、105℃以下に融点を持っていたとしても、その融解熱量が70J/gを越えると、電子レンジで加温する温度・時間内で前記ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)が十分軟化できず、この場合でも高温時におけるラミネート強度の低下が期待できない。また、上記範囲に入る樹脂は、粘着性を有することから、ポリプロピレン樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂を主体とした樹脂組成物からなるシーラント層(10)との粘接着が期待でき、室温でイージーピール性を有する程度の強度を附与することが可能である。
【0022】
このようなポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)を形成する樹脂の例としては、分岐度を高くすることで結晶性を著しく低下させた超低密度ポリエチレンや、メタロセン触媒などのシングルサイト系触媒を使用することで少なくとも1種類以上のαオレフィンの導入量・導入位置を制御したエチレンーαオレフィン共重合体エラストマーもしくはエチレンーαオレフィンプラストマー(以上αオレフィンとしてはプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1など種々に選択できる)が、さらにはこれらの樹脂を酸無水物などで変成した物を使用することが可能であるが、上述したような物性を満たす樹脂であれば特に問題はない。
【0023】
本発明のシーラント層(10)として使用する樹脂としては、基本的にはポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)を構成する樹脂と相溶性が無く、両層(10、20)の界面における接着が、粘着などの接着様式によってラミネートされていることが好ましく、そのようなシーラント層(10)として使用される樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂やポリエステル系樹脂などの樹脂が選定される。特に、この積層体を蓋材(1)として使用し、その蓋材(1)の被着体となる容器本体(5)の材質構成がポリプロピレン系樹脂であれば、このシーラント層(10)となる樹脂としてはポリプロピレン系樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂を主体とした樹脂組成物であることが好ましい。
【0024】
このようなポリプロピレン系樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂を主体とした樹脂組成物としては、ホモポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、ポリプロピレン−αオレフィン共重合体、あるいはこれらの樹脂にポリスチレンや、ポリエチレン系樹脂、エチレン系共重合体など非相溶系の樹脂成分を配合し、このシーラント層(10)自体に凝集剥離性を持たせた樹脂組成物おも使用することが可能であり、求められる積層体の要求品質に対し様々に選択することが可能である。例を挙げると、低温シール性が要求されるのであれば、ランダムポリプロピレンやプロピレン−αオレフィン共重合体が、耐衝撃性が要求されるのであれば、ブロックポリプロピレンやプロピレン−αオレフィン共重合体が、また、本発明の積層体の層間剥離機構だけでなく、シーラント自体にも凝集剥離性を付与したい場合には、ポリプロピレン系樹脂を主体とした樹脂組成物を用いることが可能である。
【0025】
以上で述べた本発明の蓋材および軟包装体の特徴をまとめると、(A)シーラント層(10)とポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)間が、このポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)を形成する樹脂の粘着などの接着機構を利用したものであり、(B)室温においては、その層間ラミネート強度が比較的強いが、(C)高温ではポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)を構成する樹脂が軟化することで、ラミネート強度が低下し、ガス抜き性を付与するものである。このような層間剥離タイプの積層体の剥離強度の指標としては、上述したように室温における剥離強度が5〜20N/15mmの範囲であり、高温時、特に70℃雰囲気下で5分放置した時のラミネート強度が0.1〜5N/15mmの範囲であることが挙げられる。
【0026】
本発明の蓋材および軟包装体の具体的構成の事例を以下に示す。
事例1では、図1(a)に示す基材層(30)として、紙層/熱可塑性樹脂層/アルミニウム箔/熱可塑性樹脂層の構成の蓋材(1)としたもの。
事例2では、図1(a)および図2(a)に示す基材層(30)として、熱可塑性樹脂層/熱可塑性樹脂層の構成の蓋材(1)および軟包装体(2)としたもの。
事例3では、図1(a)および図2(a)に示す基材層(30)として、熱可塑性樹脂層/アルミニウム箔/熱可塑性樹脂層の構成の蓋材(1)および軟包装体(2)とたもの。
【0027】
以上の蓋材および軟包装体の基材層(30)の構成は、上記構成に限らず何層でもよいが、事例2や事例3のように最外層として熱可塑性樹脂層を用いる場合は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。また、各事例にあるように熱可塑性樹脂を中間層として使用する場合には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂など、また、これらの単体でなく、各種ブレンド物でも構わず、必要に応じてエチレン−ビニルアルコール共重合体やポリビニルアルコールなどのバリア性樹脂層、エチレン−α,β不飽和カルボン酸共重合体、酸無水物変性ポリオレフィン樹脂などの接着性樹脂層を押出ラミネートやドライラミネートなどの公知の手法によって積層させることが可能である。また、各積層体を貼りあわせる際に、ウレタン系やイミン系などの各種接着剤層やコーティング層、インキ層を、グラビアコーティング、リバースコーティング、バーコーティングなどの公知の手法を用いて介在させても構わない。
【0028】
さらに、事例1の蓋材(1)のように紙を積層した構成においては、紙の材質も特に限定されるものではない。また、アルミ箔層の代わりに、バリア性を付与させるために無機化合物を蒸着などの手法により積層させたフィルムも使用可能である。
【0029】
本発明のガス抜き機構を有する蓋材および軟包装体において、ポリプロピレン樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂を主体とした樹脂組成物からなるシーラント層(10)およびポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)を積層させるに際し、これらの積層体の積層方法も特に限定されるわけではなく、通常の押出ラミネート、ドライラミネートなどの各種ラミネート方法を利用する事で製造する事が可能である。しかしながら、上述したようにB層自体の樹脂が粘着性があることを考慮すると、加工性、ハンドリングを考慮すると、シーラント層(10)とポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)をTダイによる共押出ラミネートにより製膜した方が好ましい。
【0030】
これらの積層体を作成するにあたり、各々の層は、別工程あるいはインラインで各種加工・処理を施しても構わない。必要に応じては、被着体との接着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理などの各種表面処理を施しても構わなく、また、押出ラミネート法であれば溶融樹脂にオゾン処理などの処理を施しても構わない。また、包材のスリップ性、アンチブロッキング性、ライン適性を考慮した上で、シーラント内面のみ、あるいは積層体全体にエンボス加工を施しても構わない。
【0031】
本発明の用途展開としては、上述したような、蓋材(電子レンジ用容器、カップ用、ブリスター包材用など)、ガゼッタ包材、3方・4方シール包材など各種軟包装体に適応が可能である。
【0032】
また、本発明の蓋材もしくは軟包装体を実際にガス抜き機構を付与した容器にするに際し、蓋材であればトレーやカップ等容器と、軟包装体であれば上述した構成の積層体をヒートシールにより面々貼り合せをする必要がある。しかしながら、上述したようにこれらの容器は閉鎖系であり、加温により高くなった内圧は、図1(b)に示すフランジ部(55)あるいは図2(b)に示すシール部(22)に均一にかかる。この事は、シール幅が同じであれば、どこからガス抜きが起きてもおかしくない状態であり、包装設計上好ましくない。このような問題を回避するために、ガス抜きの位置をシール方法で決定させてやることも可能である。
【0033】
そのシール方法として、例えば、図3の正面概略図に示すように、4方シールの軟包装体(2)の周縁シール部(22)の一側辺中央に三角形状の非シール部(22a)を設けたり、図4に示すように、四側辺中央に三角形状の非シール部(22a)を設けたり、あるいは図5に示すように、トレーの蓋材(1)の周縁シール部(22)の各コーナーに三角形状の非シール部(22a)を設けることによって、内圧による応力分布が局所的に三角形状の非シール部(22a)に集中し、その結果、局所的に応力が集中した非シール部(22a)からガス抜きが始まることになる。
【0034】
【実施例】
次に実施例により、本発明を具体的に説明する。また以下の実施例を行うにあたり、以下の材料(樹脂)を使用し、積層体の作成方法、その評価方法を共通項目として以下に示した。
〔材料〕
(ポリプロピレン樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂を主体とした樹脂組成物からなるシーラント層)
A−1:ブロック−ポリプロピレン樹脂(MI=25)
A−2:ランダム−ポリプロピレン樹脂(MI=22)
(ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層)
B−1:超低密度ポリエチレン(MI=6.3、密度=0.89g/cm3 、Tm=40℃、融解熱量=14J/g)
B−2:超低密度ポリエチレン(MI=4.9、密度=0.90g/cm3 、Tm=65℃、融解熱量=35J/g)
B−3:エチレン−ヘキセン共重合体(MI=20、密度=0.88g/cm3 、Tm=100℃、融解熱量=35J/g)
B−4:エチレン−オクテン共重合体(MI=7.1、密度=0.902g/cm3 、Tm=100℃、融解熱量=55J/g)
B−5:エチレン−オクテン共重合体(MI=5、密度=0.88g/cm3 、Tm=65℃、融解熱量=35J/g)
【0035】
〔評価用サンプル作成方法〕
二軸延伸ポリエステルフィルム(25μm)上にウレタン系接着剤をグラビアコーティングにより塗工後、押出ラミネート法により低密度ポリエチレン樹脂を20μm積層させた。このようにして得られた積層体を、図1(a)に示す基材層(30)の加工用の原反とした。このようにして得られた積層体上に、共押出ラミネーター(フィードブロックタイプ)により、加工温度290℃、加工速度80m/min.で厚さ20μmのシーラント層(10)、厚さ20μmのポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)を同時に積層させた。結果として、以下の構成の積層体が作成された。
【0036】
また、評価用の被着体としては、二軸延伸ポリエステルフィルム(25μm)上にウレタン系接着剤をグラビアコーティングにより塗工し、ドライラミネーションによってキャストポリプロピレンフィルムを積層させたものを使用した。
【0037】
〔ラミネート強度評価方法〕
上述した製法で得られた積層体を評価用被着体と共にシールを行い、その室温および70℃−5min.におけるシール強度を測定した。その際、シール条件としては、ヒートシーラーにて150〜200℃、圧力0.2MPa、シール時間1秒で行った(300mm/min.のT型剥離)。この結果を表1に、イージーピール性を表2に示した。
【0038】
〔ガス抜き評価〕
上述した製法で得られた積層体から、4方シールによるパウチ(軟包装体)およびポリプロピレン製角型トレー用の蓋材を作成した。その際、水分を含ませたスポンジを、このパウチおよびトレー中に充填し、電子レンジで加温させ、パウチおよびトレーのガス抜きの評価を行い、その結果を表2に示した。その際のシールの形状は、図3に示すような軟包装体(2)および図4に示す蓋材(1)のシール形状とした。
【0039】
〈実施例1〉
図1(a)および図2(a)に示すシーラント層(10)としてA−1、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)としてB−1を用いた蓋材および軟包装体の評価用サンプルとした。
【0040】
〈実施例2〉
図1(a)および図2(a)に示すシーラント層(10)としてA−1、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)としてB−2を用いた蓋材および軟包装体の評価用サンプルとした。
【0041】
〈実施例3〉
図1(a)および図2(a)に示すシーラント層(10)としてA−1、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)としてB−3を用いた蓋材および軟包装体の評価用サンプルとした。
【0042】
〈実施例4〉
図1(a)および図2(a)に示すシーラント層(10)としてA−2、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)としてB−4を用いた蓋材および軟包装体の評価用サンプルとした。
【0043】
〈実施例5〉
図1(a)および図2(a)に示すシーラント層(10)としてA−2、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層(20)としてB−5を用いた蓋材および軟包装体の評価用サンプルとした。
【0044】
【表1】
Figure 0004161528
【0045】
【表2】
Figure 0004161528
【0046】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。
即ち、上記実施例の結果から確認されるように、本発明の蓋材および軟包装体は、室温においてはイージーピール性を有しながらも、電子レンジ加温によって、ガス抜きが可能である事が確認される。このピール界面およびガス抜き部は、同一層間であることから、従来までのガス抜き機構の附与として必要とされた2次加工も省略することが可能であり、さらにはイージーピール性およびガス抜き性を附与させていることでバリアフリー的な観点を持ちながらも、消費者の安全性を附与することが可能であり、市場のニーズに十分答えることができる。
【0047】
従って本発明は、イージーピール性を有しながらも、電子レンジなどで加温した際に発生するガスを容易に抜く事が可能な蓋材および軟包装体として、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蓋材の一実施の形態を側断面で表した説明図であり、
(a)は、容器本体にシールされた状態であり、
(b)は、電子レンジ等で内圧が高くなった状態であり、
(c)は、ガス抜きされた状態である。
【図2】本発明の軟包装体の一実施の形態を側断面で表した説明図であり、
(a)は、容器本体にシールされた状態であり、
(b)は、電子レンジ等で内圧が高くなった状態であり、
(c)は、ガス抜きされた状態である。
【図3】本発明の軟包装体の一実施の形態の正面概略図である。
【図4】本発明の軟包装体の他の一実施の形態の正面概略図である。
【図5】本発明の蓋材の一実施の形態の正面概略図である。
【符号の説明】
1‥‥蓋材
2‥‥軟包装体
5‥‥容器本体
10‥‥ポリプロピレン樹脂あるいはポリプロピレン系樹脂を主体とした樹脂組成物からなるシーラント層
20‥‥ポリオレフィン系樹脂あるいはポリオレフィン系共重合体層
22‥‥シール部
22a‥‥三角形状の非シール部
30‥‥基材層
55‥‥フランジ部

Claims (1)

  1. ポリプロピレン樹脂もしくはポリプロピレン系樹脂をベースとした樹脂組成物からなるシーラント層上に密度が0.850〜0.925g/cm 3 の範囲で、かつ105℃以下に少なくとも一つ融点を有し、その融解熱量が10〜70J/gである、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、少なくとも1成分以上のαオレフィンを含有するエチレン−αオレフィン共重合体から選ばれるポリエチレン系エラストマー、あるいはこれらの酸変性物であるポリエチレン系樹脂もしくはポリオレフィン系共重合体層を設けた積層体を基本構造とした蓋材および軟包装体において、
    前記シーラント層とポリオレフィン系樹脂もしくはポリオレフィン系共重合体層との室温におけるラミネート強度が、5〜20N/15mmであり、70℃雰囲気下におけるラミネート強度が0.1〜5N/15mmの範囲であり、該蓋材でシールした容器あるいは該軟包装体中に内容物を充填し、加温により発生した各種ガス成分を、ガス発生に伴う内圧上昇により蓋材では被着体である容器本体のフランジ部、軟包装体ではその積層体の内面の面々シール部で前記シーラント層を破断し、電子レンジによる加温で、ラミネート強度が低下した該シーラント層と、前記ポリオレフィン系樹脂層もしくはポリオレフィン系共重合体層の層間からガスを解放するガス抜き機構を附与したことを特徴とする蓋材および軟包装体。
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