JP4161245B2 - 化学増幅型レジストパターンの形成方法 - Google Patents

化学増幅型レジストパターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学増幅型レジストパターンの形成方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特に半導体デバイスなどの製造に用いられるフォトマスクの作製に、好適に適用されるレジストパターンの形成方法であって、基板上に形成された化学増幅型レジスト膜の保管中や輸送中における経時による感度や解像性などの劣化を抑制し、断面形状が矩形状で、寸法忠実性などに優れる化学増幅型レジストパターンを効率よく形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの集積度を向上させる手段として、フォトリソグラフィーによる加工の微細化が用いられている。このフォトリソグラフィーによる微細化は、例えばg線からi線、i線からKrFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光からArFエキシマレーザー光へと、その露光光源を短波長化することで達成してきている。このようなフォトリソグラフィーによる微細加工の向上に伴い、それに用いられるフォトマスクに対しても微細加工性が求められている。このフォトマスクを加工するためのレジストとしては、PBSレジスト[チッソ社製、商品名]、CMSレジスト[東ソー社製、商品名]、電子線レジストZEPシリーズ[日本ゼオン社製、商品名]などが用いられているが、次世代の微細加工用途に関しては、より高感度、より高解像性を有する化学増幅型レジストが要求されている。
ところで、フォトマスク製造には大型で角形の基板が用いられる。一般的な半導体デバイスを製造するのに用いられる円形基板へのレジスト塗布とは異なり、大型で角形の基板にレジストを塗布するには、角の部分まで膜厚の均一性が要求されるため、高度な技術が必要とされている。このような要請により、フォトマスクの製造に当たっては、基板へのレジスト膜形成と、パターン形成の工程が別の企業で行われることがあり、この場合、レジストは、基板に塗布されたレジスト膜の状態で流通することになる。
しかしながら、次世代マスクへの適用が検討されている化学増幅型レジストは、微量な酸の存在下に生じる酸触媒反応を利用するという反応機構上、基板に形成されたレジスト膜の保管中や輸送中における環境中のコンタミナントによって、経時により感度や解像性などが大幅に劣化してしまうことが知られている。つまり、パターン形成工程まで安定したレジスト膜を維持することが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、基板上に形成された化学増幅型レジスト膜の保管中や輸送中における経時による感度や解像性などの劣化を抑制し、断面形状が矩形状で、寸法忠実性などに優れる化学増幅型レジストパターンを効率よく形成する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、化学増幅型レジスト膜の経時による感度や解像性などの劣化を抑制するために、レジスト膜上に皮膜を設けることを検討し、先に、非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜を設けることが有効であることを見出した(特開平6−95397号公報)。この公報では、大気中のアミンなどの不純物とレジスト膜が接することで、レジスト膜の表面が不溶化しやすくなり、庇状に張り出した形状になる問題を解決するために、非晶性ポリオレフィン皮膜をレジスト膜上を設けることが提案されている。そして、当該公報の実施例記載のパターン形成方法によると、レジスト膜よりも厚い皮膜が設けられている。
しかしながら、本発明者らは、このような厚い皮膜では、パターン形成にフォトマスク製造で汎用されているエネルギー源である電子線のような粒子線を用いた場合、皮膜通過時の粒子散乱により、良好なパターン形状が得られない上、解像度も低くなるという問題を確認した。
そこで、本発明者らは、化学増幅型レジスト膜の経時による感度や解像度の劣化を効果的に抑制し、良好なレジストパターンを与える皮膜について、さらに研究を進めた結果、該皮膜の厚さをレジスト膜の厚さ以下とすることにより、良好なパターンが得られ、しかもレジスト膜を放置した際の感度や解像度の劣化が抑制されることを見出した。
本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1)(A)基板上に化学増幅型レジスト膜を形成する工程、(B)上記化学増幅型レジスト膜上にフッ素置換されていてもよい非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜を形成する工程、(C)表面に該皮膜が設けられた化学増幅型レジスト膜に電離放射線を照射して選択露光を施し、潜像パターンを形成する工程、(D)前記フッ素置換されていてもよい非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜を除去する工程、及び(E)潜像パターンを有する化学増幅型レジスト膜を現像処理し、該潜像パターンを顕像化する工程を含むレジストパターンの形成方法であって、前記(B)工程においてレジスト膜上に形成されるフッ素置換されていてもよい非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜の厚さが、該レジスト膜の厚さ以下であることを特徴とする化学増幅型レジストパターンの形成方法、
(2)(C)工程において用いる電離放射線が粒子線である第1項記載の化学増幅型レジストパターンの形成方法、及び
(3)第1項又は第2項記載のレジストパターン形成方法を施す工程、エッチング工程及びレジストパターン剥離工程を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明の化学増幅型レジストパターンの形成方法は、(A)〜(E)工程を含むものであり、以下、各工程について説明する。
本発明方法における(A)工程は、基板上に化学増幅型レジスト膜を形成する工程である。この(A)工程において、レジスト膜の形成に用いられる化学増幅型レジスト組成物としては、ポジ型、ネガ型のいずれも用いることができる。
化学増幅型のポジ型レジスト組成物としては特に制限はなく、従来公知のもの、例えば、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が変化する樹脂と、電離放射線の照射により酸を発生する化合物を必須成分として含むレジスト組成物を挙げることができる。また、化学増幅型のネガ型レジスト組成物としては特に制限はなく、従来公知のもの、例えばアルカリ可溶性樹脂と、酸架橋性物質と、電離放射線の照射により酸を発生する化合物を必須成分として含むレジスト組成物を挙げることができる。
前記化学増幅型のポジ型レジスト組成物において、酸の作用によりアルカリに対する溶解性が変化する樹脂は、アルカリ可溶性樹脂中のフェノール性水酸基やカルボキシル基などのアルカリ可溶性を付与する基の少なくとも一部が酸解離性置換基で保護され、アルカリ難溶性になっているものである。前記アルカリ可溶性樹脂としては、例えばフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノールなどのフェノール類とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを酸性触媒下に縮合させて得られたノボラック型樹脂、ヒドロキシスチレンの単独重合体やヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸又はメタクリル酸あるいはその誘導体との共重合体などのポリヒドロキシスチレン系樹脂、アクリル酸又はメタクリル酸とその誘導体との共重合体であるアクリル酸又はメタクリル酸系樹脂などのアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
【0006】
また、酸解離性置換基で保護された水酸基をもつアルカリ可溶性樹脂としては、樹脂中のヒドロキシル基、カルボキシル基などの酸性基の水酸基の一部を酸解離性置換基で保護したヒドロキシスチレンの単独重合体や当該ヒドロキシスチレンと他のスチレン系単量体との共重合体、当該ヒドロキシスチレンとアクリル酸又はメタクリル酸あるいはその誘導体との共重合体、あるいはカルボキシル基中の水酸基の一部を酸解離性置換基で保護したアクリル酸又はメタクリル酸とそれらの誘導体、ヒドロキシスチレン又は水酸基の一部を酸解離性置換基で保護したヒドロキシスチレンとの共重合体を挙げることができる。
他方、上記酸解離性置換基としては、例えばtert−ブトキシカルボニル基、tert−アミルオキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基、tert−ブチル基などの第三級アルキル基、エトキシエチル基、メトキシプロピル基などのアルコキシアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基などのアセタール基、ベンジル基、トリメチルシリル基、2以上の置換基を有する2−プロペニル基、1−エチルシクロヘキシル基などの1位に置換基を有するシクロアルキル基などを挙げることができる。
これらの酸解離性置換基による水酸基の保護率は、通常樹脂中の水酸基の1〜60モル%、好ましくは5〜50モル%の範囲である。
一方、電離放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、酸発生剤という)としては特に制限はなく、化学増幅型レジストの酸発生剤として用いられる従来公知のものの中から、任意のものを選択して使用することができる。このような酸発生剤の例としては、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタンなどのビススルホニルジアゾメタン類、p−トルエンスルホン酸2−ニトロベンジルなどのニトロベンジル誘導体類、ピロガロールトリメシレートなどのスルホン酸エステル類、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートなどのオニウム塩類、ベンゾイントシレートなどのベンゾイントシレート類、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−(ビストリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどのハロゲン含有トリアジン化合物類、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリルなどのシアノ基含有オキシムスルホネート化合物類等が挙げられる。
【0007】
これらの酸発生剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その配合量は、前記酸の作用によりアルカリに対する溶解性が変化する樹脂100重量部に対し、0.5〜30重量部、好ましくは1〜10重量部である。この範囲よりも少なくなると像形成ができないし、多くなると、均一な溶液とならず、保存安定性が低下する。
さらに、前記化学増幅型のネガ型レジスト組成物において、アルカリ可溶性樹脂としては、例えばフェノールノボラック型樹脂、クレゾールノボラック型樹脂、又はポリヒドロキシスチレン及びヒドロキシスチレンと、これと共重合可能なモノマーとの共重合体などのヒドロキシスチレン系樹脂を挙げることができる。ヒドロキシスチレン系樹脂としては、ヒドロキシスチレンの単独重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸誘導体、アクリロニトリル、メタクリル酸誘導体、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロロスチレン等のスチレン誘導体との共重合体、ヒドロキシスチレン単独重合体の水添樹脂及びヒドロキシスチレンと上記アクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、スチレン誘導体との共重合体の水添樹脂などが挙げられる。また、これらの樹脂中のヒドロキシル基、カルボキシル基などの酸性基の水酸基の一部を酸解離性置換基で保護したものも好適に使用することができる。
一方、酸架橋性物質としては、従来、化学増幅型のネガ型レジストの架橋剤として、通常使用されていたN−メチロール化又はアルコキシメチル化されたメラミン樹脂、エポキシ化合物又は尿素樹脂などを単独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0008】
また、酸発生剤としては、前記化学増幅型のポジ型レジスト組成物において、例示した化合物と同じものを挙げることができる。
各成分の配合割合については、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、通常、酸架橋性物質3〜70重量部、酸発生剤0.5〜20重量部の範囲で選ばれる。酸架橋性物質の量が3重量部未満ではレジストパターンが形成されにくいし、70重量部を超えると現像性が低下する原因となる。また、酸発生剤の量が0.5重量部未満では感度が低下するし、20重量部を超えると均一なレジストが得られにくく、現像性も低下する。
これらのレジスト組成物は、通常前記各成分を溶剤に溶解した溶液の形で用いられる。この溶剤の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサンノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール又はジプロピレングリコールモノアセテート、あるいはそれらのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類;及び乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどのアミド系溶剤などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0009】
このようにして調製されたレジスト組成物の溶液には、さらに、所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能や感度、解像性などを改良するための付加的樹脂、有機アミン類、有機カルボン酸類、さらには可塑剤、安定剤、界面活性剤、酸化防止剤などの慣用されているものを含有させることができる。
この(A)工程において用いられる基板としては特に制限はなく、用途に応じて様々なものが用いられる。例えば半導体デバイス用のシリコンウエーハや、フォトマスク用のブランクスなどが挙げられる。また、形状についても特に制限はなく、円形状(例えば、シリコンウエーハ)、角形状(例えば、フォトマスク用ブランクス)など、いずれであってもよい。
これらの基板上に、前述の化学増幅型レジスト組成物の溶液を塗布し、加熱処理して化学増幅型レジスト膜を形成するが、塗布方法としては、一般にスピンコート法が好ましく用いられる。加熱処理は溶剤を乾燥除去するために行われるものであって、加熱温度は、通常60〜160℃程度であり、加熱時間は1〜30分間程度で十分である。このようにして形成されたレジスト膜の厚さは、用途に応じて異なるが、通常10〜1000nmの範囲で選ばれる。フォトマスク作製用の場合は、一般に100〜400nm程度である。
本発明方法における(B)工程は、このようにして基板上に形成された化学増幅型レジスト膜の上に、フッ素置換されていてもよい非晶性ポリオレフィン類(以下、単に非晶性ポリオレフィン類と称すことがある)からなる皮膜を形成する工程である。
【0010】
上記皮膜は、化学増幅型レジスト膜と雰囲気とを遮断するために設けられるものであり、(1)露光波長に対する透明度が高く、かつ電子線などの粒子線を透過する、(2)皮膜形成能に優れる、(3)雰囲気中に含まれる不純物を透過させない、(4)化学的に安定である、などの性質を有している。
前記非晶性ポリオレフィン類としては、アルケン類、シクロアルカン類、アルカジエン類、シクロアルカジエン類などのオレフィン類や、パーフルオロアルケン類、パーフルオロシクロアルケン類、パーフルオロアルカジエン類、パーフルオロシクロアルカジエン類などフッ素置換されたオレフィン類の単独又は共重合体およびこれらの水素添加物:シクロアルケン類の開環重合体の水素添加物:シクロアルケン類とアルケン類の付加重合体:シクロアルケン類とα−オレフィン類の付加重合体:などのフッ素置換されてもよいポリオレフィン類であって、非晶性物質であれば特に制限されない。これらの非晶性ポリオレフィン類は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜は塗布性に優れると共に、吸水率が0.01重量%以下と低く、また汎用の溶剤で除去することが可能である。上記非晶性ポリオレフィン類は、適当な溶剤に溶解して塗工液を調製し、スピンコート法などにより、化学増幅型レジスト膜上に塗布したのち、60〜130℃程度の温度で加熱乾燥することにより、所望の皮膜が形成される。上記溶剤としては、レジスト膜が溶解しない、又はほとんど溶解しないものを選択する。例えばn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、メチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、n−オクタン、イソオクタン、n−デカン、デカリン、リグロインなどの脂肪族炭化水素類、α−ピネン、リモネンなどの不飽和炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジエチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエタン、パーフロロペンタン、パーフロロヘキサンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類などが挙げられる。これらの中でも良好な塗布性を得るためには、沸点が80〜200℃、好ましくは100〜150℃のものを選択するのが望ましい。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。もちろん、これらの溶剤にエーテル類やエステル類の溶剤を添加することもできる。
【0011】
このようにして形成された皮膜の厚さは、本発明においては、この皮膜が設けられる化学増幅型レジスト膜の厚さ以下であることが必要である。この皮膜の厚さがレジスト膜の厚さを超えると電子線などの粒子線を照射して露光する場合、皮膜通過時の粒子散乱により、良好なパターン形状が得られず、また解像度も低くなる。この皮膜の厚さは、該レジスト膜の90%以下が好ましく、特に80%以下が好ましい。また、あまり薄すぎると皮膜を設けた効果が十分に発揮されないおそれがあり、したがって、この皮膜の厚さは、該レジスト膜の厚さの0.05%以上が好ましく、より好ましくは0.1%以上、特に好ましくは0.5%以上である。
本発明方法における(C)工程は、このようにして表面に皮膜が設けられた化学増幅型レジスト膜に電離放射線を照射して選択露光又は描画を施し、潜像パターンを形成する工程である。
【0012】
この工程において用いられる電離放射線としては、例えば紫外線、g線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光、さらには電子線のような粒子線などを挙げることができる。本発明方法は、これらの電離放射線の中で、特に粒子線を用いる場合に、著効を示す。電離放射線を照射して選択露光する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば縮小投影露光装置などにより、紫外線、g線、i線、KrFエキシマレーザー光、ArFエキシマレーザー光などを所望のマスクパターンを介して照射する方法、あるいは電子線などの粒子線により描画する方法などを用いることができる。このようにして、レジスト膜に潜像パターンが形成される。
なお、本発明においては、この(C)工程は、前述の(B)工程を施してから、直ちに行ってもよいし、必要により適当な期間、例えば数カ月間程度放置したのち、行ってもよい。
本発明方法における(D)工程は、このようにして潜像パターンが形成されたレジスト膜上の非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜を除去する工程である。この皮膜の除去方法としては、溶剤によるスピン剥離法を用いることができる。この際、溶剤としては、前述の(B)工程における非晶性ポリオレフィン類の塗工液を調製する説明において、溶剤として例示したものと同じものを挙げることができる。この剥離用溶剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
このようにして、皮膜を除去したのち、通常レジスト膜を、60〜130℃程度の温度で1〜30分間程度加熱処理する操作が行われる。
本発明方法における(E)工程は、前述の(D)工程を施した後の潜像パターンを有する化学増幅型レジスト膜を現像処理し、該潜像パターンを顕像化する工程である。この工程における現像処理方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液などを用いて現像処理が行われる。現像処理後は、通常純水などを用いるリンス処理が施される。
このようにして、断面形状が矩形状で、寸法忠実性などに優れるレジストパターンが得られる。
本発明においては、さらに、得られたレジストパターンをマスクとして下地膜をCF4などのフッ素系の気体やCl2/O2などの塩素系の気体を用いたドライエッチング又は硝酸セリンアンモニウム水溶液などを用いたウエットエッチングをした後、レジスト用剥離液を用いてレジストパターンを剥離することによりフォトマスクが製造される。工程中、フォトマスク表面のキズ付き防止のために、ペリクルコーティングすることもできる。
【0014】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
化学増幅型のポジ型レジストとして、水酸基の25モル%がtert−ブトキシカルボニル基で保護された重量平均分子量5400のポリヒドロキシスチレン100重量部、トリフェニルスルホニウムトリフレート5重量部、トリブチルアミン0.09重量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート1000重量部からなる組成のものを用いた。
直径10cmの円板状シリコン基板に、上記化学増幅型のポジ型レジストをスピンコートしたのち、95℃で110秒間加熱処理し、厚さ500nmのレジスト膜を形成した。次いで、このレジスト膜上に非晶性ポリオレフィン樹脂である「ZEONEX480」[日本ゼオン社製、商品名]の3重量%キシレン溶液をスピンコートしたのち、60℃で80秒間加熱処理して、厚さ400nmの皮膜を形成した。
皮膜形成から1分間経過したのち、これに電子線描画装置[エリオニクス社製、商品名「ELS−3300」]を用い、2.2μC/cm2のドーズにて0.5μmのL/Sパターンを描画後、キシレンにて15秒間のスピン剥離処理を行い、ポリオレフィン樹脂皮膜を除去し、さらにホットプレート上で90℃、110秒間加熱処理した。次に、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて90秒間現像処理したのち、純水にて10秒間リンス処理を行った。
【0015】
このようにして得られたレジストパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したところ、矩形形状をしていることが分かった。
実施例2〜5
実施例1において、ポリオレフィン樹脂の皮膜の厚さ及び皮膜形成後の放置時間を第1表に示すようにした以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
皮膜の膜厚比が1以下の場合には、レジストパターンの断面形状は矩形形状が保たれていることが確認できた。
比較例1
実施例1において、皮膜の膜厚比を1.6に変えた以外は、実施例1と同様に実施した。結果を第1表に示す。
皮膜の膜厚比を1.6に設定した場合には、皮膜中での電子線の散乱による影響(形状劣化)が認められた。
【0016】
【表1】
Figure 0004161245
【0017】
[注]
1)膜圧比:(皮膜厚/レジスト膜厚)×100
2)放置時間:皮膜形成後、露光するまでの時間
【0018】
【発明の効果】
本発明方法によれば、基板上に形成された化学増幅型レジスト膜の保管中や輸送中における経時による感度や解像性などの劣化を抑制し、断面形状が矩形状で、寸法忠実性などに優れる化学増幅型レジストパターンを効率よく形成することができる。
本発明方法は、特に半導体デバイスなどの製造に用いられるフォトマスクの作製に好適に適用される。

Claims (3)

  1. (A)基板上に化学増幅型レジスト膜を形成する工程、(B)上記化学増幅型レジスト膜上にフッ素置換されていてもよい非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜を形成する工程、(C)表面に該皮膜が設けられた化学増幅型レジスト膜に電離放射線を照射して選択露光を施し、潜像パターンを形成する工程、(D)前記フッ素置換されていてもよい非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜を除去する工程、及び(E)潜像パターンを有する化学増幅型レジスト膜を現像処理し、該潜像パターンを顕像化する工程を含むレジストパターンの形成方法であって、前記(B)工程においてレジスト膜上に形成されるフッ素置換されていてもよい非晶性ポリオレフィン類からなる皮膜の厚さが、該レジスト膜の厚さ以下であることを特徴とする化学増幅型レジストパターンの形成方法。
  2. (C)工程において用いる電離放射線が粒子線である請求項1記載の化学増幅型レジストパターンの形成方法。
  3. 請求項1又は2記載のレジストパターン形成方法を施す工程、エッチング工程及びレジストパターン剥離工程を有することを特徴とするフォトマスクの製造方法。
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