JP4158421B2 - インクジェットヘッドの前躯体およびインクジェットヘッド - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを印字面に噴射することで所望の画像を形成するインクジェット記録装置のインクジェットヘッドの前躯体およびインクジェットヘッドの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エッチング等で予め空間を形成してある複数枚の薄い平板を複数枚積層・接着することで、前記の空間同士を接続し、マニホールド流路や圧力室やノズルなどのインク流路を内部に形成する構成としたインクジェットヘッドの技術は公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここでインクジェット記録装置に対する高解像度化・高画質化といった近時の要請に対応すべく、前述のインク流路の複雑化・高集積化が進んでおり、この観点からは、インクジェットヘッドを構成する平板同士を位置ズレなく高精度で位置決めして貼り合わせることが必要になる。
即ち、貼り合わせる際に位置ズレがあると、インク流路が平板のズレた継ぎ目の部分で狭窄される結果となり、当該部分で意図せぬ流路抵抗が生じたり、流路が詰まってインクが噴射不可能となったりする弊害がある。
【0004】
この点、貼り合わせる際に互いの平板の位置を画像処理などにより算出して位置合わせをする方法もあるが、この方法では画像処理装置などの設備コストが掛かってしまい、コストの増大要因となってしまう。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みてされたものであり、その目的は、簡素な構成で平板同士を正確に位置決めして積層接着することができるインクジェットヘッドの前躯体およびインクジェットヘッドの構成を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、複数枚の金属製の平板を積層して、内部にインクが供給されるインク供給口からインクが噴射されるノズルに至る流路が形成されたインクジェットヘッドの前躯体であって、前記複数枚の平板のそれぞれは積層して前記流路が形成される本体部分と、積層するときに前記本体部分の相互位置を一致させる基準孔が貫通状に形成された桟の部分とを一体的に有し、それぞれの基準孔は、その板厚方向中間部が窄まった形状に構成されており、その最も窄まった部分の径が当該基準孔に挿入される位置決め棒の径よりも小さいものである。
【0008】
請求項2及び8においては、それぞれの平板に形成されている前記基準孔は、当該平板の両側の面からエッチングを施すことにより形成されているものである。
請求項3においては、前記基準孔は、前記エッチングによって形成された球面状の窪み同士が連通して構成されているものである。
【0009】
請求項4及び9においては、前記基準孔は円形の孔に構成されるとともに、その円形の円周上の一部において半径方向の切り込みが形成されているものである。
【0010】
請求項においては、前記半径方向の切り込みは、前記基準孔の周方向に等間隔をおいて複数形成されているものである。
【0011】
請求項6及び10においては、それぞれの平板に設けられている前記基準孔は、その最も窄まった部分と当該平板の一側の面との距離をh、当該平板の板厚をtとしたときに、0.25t≦h≦0.75tの条件を満たすものである。
請求項7においては、複数枚の金属製の平板を積層して、内部にインクが供給されるインク供給口からインクが噴射されるノズルに至る流路が形成されたインクジェットヘッドであって、前記複数枚の平板のそれぞれは、積層して前記流路を形成するときに前記平板の相互位置を一致させるために形成された基準孔を有し、それぞれの基準孔は、その板厚方向中間部が窄まった形状に構成されており、その最も窄まった部分の径が当該基準孔に挿入される位置決め棒の径よりも小さいものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)の全体的な構成を示した側面図である。
図2はインクジェットヘッドが並べて設けられた状態を示す底面図、図3はインクジェットヘッドの側面拡大図である。図4は、流路ユニット内のインク流路を示す、インクジェットヘッド本体の断面図である。
【0013】
図1には、本実施形態のインクジェットヘッド2を四つ備えるカラーインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)1の概略構成が示される。このプリンタ1は、図中左方に給紙部11が、図中右方に排紙部12が、それぞれ構成され、給紙部11から排紙部12に向かって流れる用紙搬送経路が装置内部に形成されている。
【0014】
上記用紙搬送経路の具体的な構成を説明する。
前記給紙部11のすぐ下流側には用紙送りローラ5・5が備えられて、画像記録媒体たる用紙を図中左方から右方へ送るように構成されている。用紙搬送経路の中間部においては、二つのベルトローラ6・7と、両ローラ6・7間に掛け渡されるように巻回されたループ状の搬送ベルト8を備える。搬送ベルト8の外周面(搬送面)にはシリコーン処理が施されており、前記送りローラ5・5によって搬送されてくる用紙を、搬送ベルト8上側の搬送面にその粘着力により保持させながら、一方のベルトローラ6の駆動によって下流側(右方)に向けて搬送できるようになっている。
なお、符号9は押さえ部材であって、搬送ベルト8上の用紙が搬送面から浮かないように、搬送ベルト8の搬送面に用紙を押し付けて搬送面上に確実に粘着させるためのものである。
【0015】
搬送ベルト8の図中右方には剥離機構10が設けられており、搬送ベルト8の搬送面に粘着されている用紙を当該搬送面から剥離して、右方の排紙部12へ向けて送るように構成されている。
【0016】
プリンタ1のインクジェットヘッド2は、四色のインク(マゼンタ,イエロー,ブルー,ブラック)に対応して、用紙搬送方向に沿って四つ並べて設けられている。インクジェットヘッド2はその下面側から見た図である図2に示すように、用紙搬送方向に垂直な長手方向を有する細長い長方形状とされるとともに、その下面に取り付けられるヘッド本体18には、インクを下方に向けて噴射するための微小径の吐出ノズル(以下「ノズル」と称する)13を多数並べて形成している。
インクジェットヘッド2は、その下面が前記搬送ベルト8の搬送面との間に少量の隙間を形成しながら配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成されている。この構成で、搬送ベルト8上を搬送される用紙は四つのインクジェットヘッド2のヘッド本体18のすぐ下方側を順に通過し、この用紙の上面(印字面)に向けて前記ノズル13から各色のインクを噴射することで、所望のカラー画像を形成できるようになっている。
【0017】
インクジェットヘッド2部分の側面拡大図が図3に示され、このインクジェットヘッド2は、プリンタ1側に設けられている適宜の部材14に対し、ホルダ15を介して取り付けられる。このホルダ15は、側面視で垂直部15aと水平部15bとを有する逆「T」字状に形成されており、垂直部15aがネジ16によりプリンタ本体側に取り付けられる一方で、水平部15bの下面には、スペーサ部材40を介して、ベースブロック17及びヘッド本体18を固定する構成となっている。
ベースブロック17は図3に示すように平板積層構造とされ、その内部には、図示せぬインク供給源からヘッド本体18のインク供給口18aへインクを導くためのインク流路17aが形成されている。
【0018】
次に、インクジェットヘッド2の主要部をなすヘッド本体18の構成を説明する。
ヘッド本体18は、多数の圧力室や前記ノズル13が形成された流路ユニット20と、その上面に並べて接着される複数の台形平板状のアクチュエータユニット19と、によりなる。
流路ユニット20は図4に示すように、上から順に九枚の薄い金属平板21〜29を積層した構造とされている。上から数えて第5〜第7層の平板25〜27に跨るようにしてマニホールド流路30が形成され、この流路30が前述のインク供給口18aに連通している。直ぐ上に位置する第4層の平板24には連絡孔31が形成され、この連絡孔31が、第3層の平板23に形成された絞り部32に接続している。
【0019】
絞り部32は、第2層の平板22に形成された連通孔33を介して、第1層の平板21に形成される圧力室34の一端に連通する。この圧力室34は、上記のアクチュエータユニット19の駆動を受けてインクに圧力を与えるためのものであり、多数のノズル13のそれぞれに対応して一つずつ設けられている。圧力室34の他端は、第2〜第8層の平板に貫通して形成したノズル連絡孔35を介して、第9層の平板(ノズルプレート)29に形成されたノズル13に接続されている。
【0020】
以上の構成でインクは、前記インク供給源からベースブロック17内のインク流路17aを経由し、前述のインク供給口18aから導入され、流路ユニット20内のマニホールド流路30に至る。そして、連絡孔31から絞り部32・連通孔33を経由して圧力室34に供給されたインクは、後述のアクチュエータユニット19の駆動によって圧力を付与され、ノズル連絡孔35を経由してノズル13に至り噴射される。
【0021】
なお、前述のマニホールド流路30や圧力室34や絞り部32や孔31・33・35等は、各平板21〜28にエッチングで形成されており、またノズルプレート29のノズル13はプレス加工により形成されている。
【0022】
アクチュエータユニット19についてその概略を説明する。このアクチュエータユニット19は、例えばチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミック材料からなる薄い圧電シートを複数枚重ねるとともに、薄いAg−Pd系の金属材料からなる電極膜を圧電シート間に介在させることで、前記圧力室34のそれぞれに対応して活性部が一つずつ形成される構成となっている。
この構成において、対となる電極間に電位差が与えられることで、当該活性部位の部分が前記圧力室34側に凸となるように変形する。この結果、圧力室34の容積が縮小されて、圧力室34内部のインクに圧力が与えられてノズル13から噴射される。
【0023】
アクチュエータユニット19の上面にはフレキシブルフラットケーブル41の一端が接着されており、このケーブル41は図3に示すようにヘッド本体18から引き出されて、屈曲されながら上側に延出されている。このフレキシブルフラットケーブル41内の導線を介して、前記アクチュエータユニット19の前述の電極が、印字制御のための図示しないドライバICと電気的に接続される。
なお、符号42はヘッド本体18の側部を覆うように盛られたシリコーン系の接着剤であり、フレキシブルフラットケーブル41が引き出される部分で強く屈曲されないよう保護するとともに、アクチュエータユニット19の部分にインク等が侵入するのを防止する役割を果たす。
【0024】
次に、平板21〜29同士を積層・接着させる際の位置決めのための構成を説明する。
図5は基準孔に位置決め棒を挿通する様子を示した斜視図、図6は基準孔に位置決め棒を挿通する前および挿通後の状態を示した断面図である。
図7は基準孔の構成を示す拡大図である。図8は、基準孔の変形の様子を示す、図6の破線で囲った部分の拡大図である。
【0025】
即ち、流路ユニット20は前述のとおり、平板21〜29を積層させて接着することでマニホールド流路30からノズル13に至るインク流路を形成するものであり、平板21〜29を貼り合わせる際に位置ズレが生じると、インク流路が平板の継ぎ目の部分で狭窄される結果となり、当該部分で意図せぬ流路抵抗が生じたり、流路が詰まりやすくなったりする弊害がある。
従って、これら平板21〜29同士を接着する際には、位置ズレが生じないように、平板21〜29の相互位置を精度良く一致させる必要がある。
【0026】
この点本実施形態では、図5に示すように、平板21〜29は桟の部分(21r〜29r)をそれぞれ一体的に伴うように構成されており、この桟の部分21r〜29rには、位置決めのための基準孔50がそれぞれ二つずつ形成される。各平板21〜29の基準孔50はいずれも略同様の形状とされており、また、互いに対応するように位置を一致させながら設けられている。
そして、各平板21〜29を相互に貼り合わせるときは、上記基準孔50にそれぞれ位置決め棒60を串刺し状に貫通させることで、各平板21〜29の相互位置を一致させ得るように構成している。なお、各平板21〜29は桟の部分21r〜29rを伴った状態で積層接着されることとしており、桟の部分21r〜29rは接着後には切り離され除去される。
【0027】
図7(a)には、ノズルプレート29の桟の部分29rに形成される、前記基準孔50の構成(印字面側から見た様子)が示される。なお、前述のとおり他の平板21〜28の桟の部分(21r〜28r)にも同様の基準孔が形成されているが、以下はこれらの代表として、ノズルプレート29に形成されている基準孔50を説明する。
この図7(a)から明らかであるように、基準孔50は円形の孔とされており、その円周上の一部に半径方向の切り込み51が形成されている。当該切り込み51は90°間隔で四つ設けられており、略十文字形状の切り込みとなっている。
図7(b)は図7(a)のb−b線断面矢視図であって、この図に示されるように、基準孔50はその板厚方向中間部が若干窄まった形状に形成されており、上記位置決め棒の径(図6に図示の径D1)は、この最も窄まった部分Pの径D2よりも僅かに大きくなるように構成している(D1>D2)。ただし、基準孔50がノズルプレート29に形成する開口の径D3,D4よりは、前記位置決め棒60の径D1は小さい(D1<D3,D1<D4)。
また、この最も窄まった部分Pのノズルプレート29の一側の面との距離をh、ノズルプレート29の板厚をtとしたときに、0.25t≦h≦0.75tとなるように、基準孔50の形状が定められている。
【0028】
以上の構成により、図6に示すように基準孔50に位置決め棒60を貫通させたときには、前記最も窄まった部分Pの径D2が位置決め棒60の径D1よりも小さいので、位置決め棒60の外面に当該部分Pが接触して塑性変形する。これにより基準孔50は位置決め棒60の外面に密着し、基準孔50と位置決め棒60との間の遊びがゼロとなるので、桟の部分29r、ひいてはノズルプレート29を位置決め棒60に対し正確に位置決めすることができる。
このように、位置決め棒60を挿通させるという簡素かつ低コストな方法で、平板21r〜29r間の位置決めを精度良く行えるのである。
【0029】
また、図6において破線で囲った箇所の拡大図が図8に示され、この図に示されるように、上述の最も窄まった部分Pが位置決め棒60の外面に接触し、この接触した部分を中心に基準孔50が塑性変形することになる。
従って、位置決め棒60を貫通させることによる基準孔50の変形を板厚方向中間部(図8の符号mの部分)のみに留めることができ、当該変形が桟の部分29rの表面に波及しない。従って、桟の部分29rの基準孔50周囲部分がその厚み全体にわたって変形して、隣接する他の平板(ノズルプレート29の場合は、第8層の平板28)に対して隙間が生じ、平板同士の積層・接着に支障が生じることもないのである。
また、前述の図7(b)で説明したとおり、基準孔50の最も窄まっている部分Pの位置が0.25t≦h≦0.75tの条件を満たしており、当該部分Pがノズルプレート29の厚み方向中央近傍にあるから、位置決め棒60を貫通させたときの当該部分P周囲の変形が、ノズルプレート29の一側の面にも、他側の面にも波及しにくくなる。従って、ノズルプレート29の基準孔50周囲部分がその厚み全体にわたって変形し、平板同士の積層の支障となることをより一層確実に防止できる。
【0030】
更には図7(a)に示すように、基準孔50の円周上の一部に切り込み51があることで、前記窄まっている部分Pの変形の逃げ(特に、周方向の変形の逃げ)が確保される。従って、これによっても、当該部分Pの変形がノズルプレート29の表面側に波及することが確実に防止されることになる。
なお、この切り込み51は一つの基準孔50につき一つのみ形成されていても良いが、本実施形態のように、周方向に等間隔で複数形成されていることが望ましい。窄まっている部分Pの変形が周方向で均等に分散され、当該部分Pの変形がノズルプレート29の表面側に波及することがより一層確実に回避され得るからである。
【0031】
この基準孔50の形成方法としては、本実施形態では、桟の部分29rの両面からエッチングで形成したものとしている。これは、エッチングという方法自体が簡易であるし、また、平板の一側の面からエッチングにより球面状の窪みを形成し、他側の面からも同様にエッチングにより球面状の窪みを形成して一側の窪みに連通させる構成とすれば、板厚方向中間部が窄まった形状の基準孔を容易に形成できるからである。
なお、本実施形態ではノズルプレート29にノズル13をプレス加工によって形成しているが、このノズル13をエッチングで形成する場合も考えられ、このときは基準孔50を併せて同時に形成できるので、工数を低減することができる。(他の平板21〜28に形成する基準孔50については、圧力室34や絞り部32やマニホールド流路30等のインク流路をエッチングで形成してあるので、基準孔50を同時に形成することが当然に可能である。)
また、エッチング速度はエッチング液の濃度や温度等の条件によって変動を受け易いため、エッチング量を正確に精度良くコントロールすることは困難である結果、基準孔50の大きさ(D2,D3,D4)にはある程度のバラツキが生じることとなる。しかしながら、基準孔50の中心位置自体がエッチング条件の変動によってズレることはないので、基準孔50を正確な位置に形成でき、結局、平板21〜29同士の位置決めを正確に行うことができることになる。
【0032】
以上に実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば上記実施形態では基準孔50は桟の部分21r〜29rに形成されているが、それに限るものでもなく、基準孔50を平板の本体部分21〜29に形成することも可能である。ただしこの場合は、基準孔50が圧力室34やノズル13やマニホールド流路30等と干渉しないように、基準孔50の位置を定める必要がある。
また、基準孔50を形成する方法としては上記のエッチングに限られず、例えばプレス加工など、他の適宜の方法を用いることができる。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下のような効果を奏する。
【0034】
請求項1に示す如く、複数枚の金属製の平板を積層して、内部にインクが供給されるインク供給口からインクが噴射されるノズルに至る流路が形成されたインクジェットヘッドの前躯体であって、前記複数枚の平板のそれぞれは積層して前記流路が形成される本体部分と、積層するときに前記本体部分の相互位置を一致させる基準孔が貫通状に形成された桟の部分とを一体的に有し、それぞれの基準孔は、その板厚方向中間部が窄まった形状に構成されており、その最も窄まった部分の径が当該基準孔に挿入される位置決め棒の径よりも小さいので、
各平板の基準孔に串刺し状に貫通させることで平板の位置決めを行うための位置決めを、前記窄まり部よりも太く、かつ、基準孔の開口よりも細く形成することで、基準孔に当該位置決めを貫通させるときには、基準孔が変形しながら位置決め棒の外周面に密着して遊びがゼロとなる結果、平板の正確な位置決めが可能になる。
また、位置決め棒に直接当接する部分は前述の窄まり部であるから、位置決め棒との当接による変形を当該窄まり部(板厚方向中間部)に留め、当該変形が平板の表面側まで波及することを防止できる。従って、平板の基準孔周囲部分がその厚み全体にわたって変形して、平板同士の積層・接着に支障が生じることもない。
【0035】
請求項2及び8に示す如く、それぞれの平板に形成されている前記基準孔は、当該平板の両側の面からエッチングを施すことにより形成されているので、
平板の両面からエッチングを行うことで、板厚方向中間部が窄まった形状の基準孔を容易に形成できる。また、前述のインク流路をエッチングで形成する場合は、基準孔を併せて同時に形成できるので、工数を低減できる。
また、エッチング速度はエッチング液の濃度や温度等の条件によって変動を受け易いため、エッチング量(基準孔の大きさ)を正確に精度良くコントロールすることは困難であるが、基準孔の中心位置自体がエッチング条件の変動によってズレることはないので、基準孔を正確な位置に形成でき、平板同士の位置決めを正確に行うことができる。
【0036】
請求項4及び9に示す如く、前記基準孔は円形の孔に構成されるとともに、その円形の円周上の一部において半径方向の切り込みが形成されているので、
切り込みがあることで、窄まり部の変形の逃げ(特に、周方向の変形の逃げ)が確保される。従って、窄まり部の変形が平板の表面側に波及することが確実に防止される。
【0037】
請求項に示す如く、前記半径方向の切り込みは、前記基準孔の周方向に等間隔をおいて複数形成されているので、
切り込みが等間隔で複数あることで、窄まり部の変形が周方向で均等に分散される。従って、窄まり部の変形が平板の表面側に波及することがより一層確実に防止される。
【0038】
請求項6及び10に示す如く、それぞれの平板に設けられている前記基準孔は、その最も窄まった部分と当該平板の一側の面との距離をh、当該平板の板厚をtとしたときに、0.25t≦h≦0.75tの条件を満たすので、
窄まり部が平板の厚み方向中央近傍にあるから、その変形が、平板の一側の面にも、他側の面にも波及しにくくなる。従って、平板の基準孔周囲部分がその厚み全体にわたって変形し、平板同士の積層の支障となることを防止できる。
請求項7に示す如く、複数枚の金属製の平板を積層して、内部にインクが供給されるインク供給口からインクが噴射されるノズルに至る流路が形成されたインクジェットヘッドであって、前記複数枚の平板のそれぞれは、積層して前記流路を形成するときに前記平板の相互位置を一致させるために形成された基準孔を有し、それぞれの基準孔は、その板厚方向中間部が窄まった形状に構成されており、その最も窄まった部分の径が当該基準孔に挿入される位置決め棒の径よりも小さいので、
各平板の基準孔に串刺し状に貫通させることで平板の位置決めを行うための位置決め棒を、前記窄まり部よりも太く、かつ、基準孔の開口よりも細く形成することで、基準孔に当該位置決め棒を貫通させるときには、基準孔が変形しながら位置決め棒の外周面に密着して遊びがゼロとなる結果、平板の正確な位置決めが可能になる。
また、位置決め棒に直接当接する部分は前述の窄まり部であるから、位置決め棒との当接による変形を当該窄まり部(板厚方向中間部)に留め、当該変形が平板の表面側まで波及することを防止できる。従って、平板の基準孔周囲部分がその厚み全体にわたって変形して、平板同士の積層・接着に支障が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置(インクジェットプリンタ)の全体的な構成を示した側面図。
【図2】 インクジェットヘッドが並べて設けられた状態を示す底面図。
【図3】 インクジェットヘッドの側面拡大図。
【図4】 流路ユニット内のインク流路を示す、インクジェットヘッド本体の断面図。
【図5】 基準孔に位置決め棒を挿通する様子を示した斜視図。
【図6】 基準孔に位置決め棒を挿通する前および挿通後の状態を示した断面図。
【図7】 基準孔の様子を示す拡大図。(a)は印字面側から見た底面図、(b)は(a)におけるb−b矢視断面図を示す。
【図8】 基準孔の変形の様子を示す、図6の破線で囲った部分の拡大図。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)
13 ノズル(吐出ノズル)
19 アクチュエータユニット
20 流路ユニット
21〜29(21r〜29r) 平板
50 基準孔
P 基準孔の最も窄まっている部分(窄まり部)

Claims (10)

  1. 複数枚の金属製の平板を積層して、内部にインクが供給されるインク供給口からインクが噴射されるノズルに至る流路が形成されたインクジェットヘッドの前躯体であって、
    前記複数枚の平板のそれぞれは積層して前記流路が形成される本体部分と、積層するときに前記本体部分の相互位置を一致させる基準孔が貫通状に形成された桟の部分とを一体的に有し
    それぞれの基準孔は、その板厚方向中間部が窄まった形状に構成されており、その最も窄まった部分の径が当該基準孔に挿入される位置決め棒の径よりも小さいことを特徴とする、インクジェットヘッドの前躯体
  2. 請求項1に記載のインクジェットヘッドの前躯体において、それぞれの平板に形成されている前記基準孔は、当該平板の両側の面からエッチングを施すことにより形成されていることを特徴とする、インクジェットヘッドの前躯体
  3. 請求項2に記載のインクジェットヘッドの前躯体において、前記基準孔は、前記エッチングによって形成された球面状の窪み同士が連通して構成されていることを特徴とするインクジェットヘッドの前躯体。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの前躯体において、前記基準孔は円形の孔に構成されるとともに、その円形の円周上の一部において半径方向の切り込みが形成されていることを特徴とする、インクジェットヘッドの前躯体
  5. 請求項に記載のインクジェットヘッドの前躯体において、前記半径方向の切り込みは、前記基準孔の周方向に等間隔をおいて複数形成されていることを特徴とする、インクジェットヘッドの前躯体
  6. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドの前躯体において、それぞれの平板に設けられている前記基準孔は、その最も窄まった部分と当該平板の一側の面との距離をh、当該平板の板厚をtとしたときに、0.25t≦h≦0.75tの条件を満たすことを特徴とする、インクジェットヘッドの前躯体
  7. 複数枚の金属製の平板を積層して、内部にインクが供給されるインク供給口からインクが噴射されるノズルに至る流路が形成されたインクジェットヘッドであって、
    前記複数枚の平板のそれぞれは、積層して前記流路を形成するときに前記平板の相互位置を一致させるために形成された基準孔を有し、
    それぞれの基準孔は、その板厚方向中間部が窄まった形状に構成されており、その最も窄まった部分の径が当該基準孔に挿入される位置決め棒の径よりも小さいことを特徴とする、インクジェットヘッド。
  8. 請求項7に記載のインクジェットヘッドにおいて、それぞれの平板に形成されている前記基準孔は、当該平板の両側の面からエッチングを施すことにより形成されていることを特徴とする、インクジェットヘッド。
  9. 請求項8に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記基準孔は円形の孔に構成されるとともに、その円形の円周上の一部において半径方向の切り込みが形成されていることを特徴とする、インクジェットヘッド。
  10. 請求項7から請求項9までのいずれか一項に記載のインクジェットヘッドにおいて、それぞれの平板に設けられている前記基準孔は、その最も窄まった部分と当該平板の一側の面との距離をh、当該平板の板厚をtとしたときに、 0.25 t≦h≦ 0.75 tの条件を満たすことを特徴とする、インクジェットヘッド。
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