JP4158244B2 - ブレーキ制御用電磁弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブレーキ制御用電磁弁に関し、特にABS、TRC、VSC等のブレーキ制御一般に使われる増圧制御用に適する電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ブレーキ制御一般に使われる増圧制御用の電磁弁としては、図15に示すように、電磁弁101の下方から弁室102に向かって形成された上流側通路103と、弁室102から側方に向かって形成された下流側通路104と、上流側通路103の開口部103aを開閉する弁体105と、弁体105に連動してスリーブ112内をストロークする可動子(シャフト106及びプランジャ107)と、弁体105が開口部103aを開放する方向にシャフト106を付勢するリターンスプリング108と、プランジャ107の周囲に設けられた電磁石装置109とを備えたものが知られている。なお、電磁石装置109は、ソレノイド110、磁性体製のガイド111等で構成されている。
【0003】
この電磁弁101は、ノーマルブレーキ時には電磁石装置109のソレノイド110は非通電状態であり、このため弁体105、シャフト106及びプランジャ107はリターンスプリング108により上方に持ち上げられ、弁体105が開口部103aを開放している。上流側通路103には、マスタシリンダ(以下「M/C」という)の油圧が与えられており、ブレーキ操作によりM/Cの油圧が高くなると、下流側通路104に接続されたホイールシリンダ(以下「W/C」という)の油圧が高くなり、ブレーキがかかる。
【0004】
一方、ABS制御時にタイヤのスリップ率が所定値を越えた場合、電磁石装置109のソレノイド110に通電される。すると、プランジャ107はガイド111に吸引されて下方向に移動するため、弁体105は開口部103aを閉鎖する。これと同時に、別の(図示しない)電磁弁の作動に伴い、W/C圧が減圧される。その後、タイヤのスリップ率が正常になると、ソレノイド110の通電が停止される。すると、弁体105、シャフト106及びプランジャ107がリターンスプリング108により上方に持ち上げられ、弁体105が開口部103aを開放するため、W/C圧が増加する。このような制御により、W/C圧を細かく制御してタイヤがロックされるのを防止しつつ車両の安定性を確保する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ABS制御時において、電磁石装置109のソレノイド110の通電を停止して開弁させた後、ソレノイド110に通電して閉弁させる場合、弁体105が一気に全開位置(プランジャ107がスリーブ112と当接する位置、図15参照)まで移動した後、今度は一気に閉弁位置まで移動するため、脈圧が大きくなり、車両に不快な振動を引き起こすことがあった。また、開弁する際、弁体105が開口部103aに勢いよく衝突して騒音が発生することがあった。
【0006】
このような課題を解決するため、特開平8−320086号公報に記載された図16の電磁弁201では、ABS制御時に開弁する際には、下部弁体205を備えたピストン206は閉弁位置のままで上部弁体207だけが上昇してピストン206に設けた開口部208を開放する。これにより、上流側通路203からブレーキ油がオリフィス209により少量に絞られて下流側通路204へ圧送されるため、圧力振動による耳障りな騒音が低減される。
【0007】
しかしながら、この電磁弁201では、下部弁体205や開口部208を備えたピストン206を用いるため部品コストが嵩むうえ、構造が複雑なため組付工程が多数必要になる等の問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構造でありながらブレーキ制御時における車両の振動や騒音を効率よく抑制できるブレーキ制御用電磁弁を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するため、請求項1記載のブレーキ制御用電磁弁は、
流体が上流側通路から弁室を経て下流側通路へ至るように形成された流路と、
前記弁室内にて前記上流側通路の開口部を開放又は閉鎖する弁体と、
前記弁体と連動してストロークする可動子と、
前記弁体が前記開口部を開放する方向に前記可動子を付勢する第1付勢部材と、
励磁されると、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記弁体が前記開口部を閉鎖する方向に前記可動子を吸引することにより、前記開口部を前記弁体によって閉鎖させる電磁石装置と、
前記弁体が前記開口部を閉鎖する方向に前記可動子を付勢する第2付勢部材と
を備え、
前記電磁石装置が励磁されていない状態では、前記第1付勢部材の付勢力と前記第2付勢部材の付勢力とのバランスにより、前記弁体が前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記弁体が前記開口部から最も離間した全開位置との中間位置に前記弁体を保持することを特徴とする。
【0009】
この電磁弁では、電磁石装置が励磁されていない状態では開弁状態になるが、弁体は通常時には全開位置ではなく中間位置に保持される。この状態で電磁石装置が励磁されると、弁体は開口部を閉鎖する方向に移動して閉弁する。ここで、弁体が開口部を閉鎖するまでの移動距離は、従来の電磁弁(図15参照、以下同じ)のように開弁状態において弁体が全開位置に保持される場合に比べて短いため、弁体が開口部に衝突するときの衝突速度は従来の電磁弁に比べて小さくなり、したがって衝突音が低減される。また、開弁時に弁体は中間位置に保持されているため、弁体と開口部との間を通過する流体の流量が従来の電磁弁に比べて少なくなり、開弁から閉弁するまでの間の流量変化の割合が従来の電磁弁に比べて小さくなり、脈動や油撃が低減され、車両に発生する不快な振動が抑制される。更に、従来の電磁弁に対して第2付勢部材を付加すればよいため、簡単な構造であり、製造工程で負担が増すこともない。
【0010】
本発明の電磁弁につき、請求項2に記載したように、前記弁体は、前記電磁石装置が励磁されていない状態において、前記上流側通路から前記下流側通路へ通過する流体の流量がある一定量を越えると、前記中間位置から前記全開位置に向かって移動するように構成されていてもよい。この構成の一例として、第2付勢部材の特性を弁体がこのような動作をするように設定することが挙げられる。なお、ある一定量の流量は例えばノーマルブレーキ領域の流量を上回る経験的な値として得られるものである。この場合、例えば急ブレーキ時のように大きな流量が要求される際には、上記流量(差圧)により弁体が中間位置から全開位置に向かって移動するため、弁体と開口部の間を流れる流量が増加し、ブレーキの応答性が損われることがない。
【0011】
本発明の電磁弁につき、請求項3に記載したように、前記電磁石装置は、励磁された時に発生する磁界によって前記可動子を前記第1付勢部材の付勢力に抗して吸引する固定子を備え、前記可動子と前記固定子は、前記可動子が閉弁位置に至るまでの過程で、前記可動子と前記固定子との間に働く吸引力が略一定になるように形成されていてもよい。この種のブレーキ制御用電磁弁では、可動子と固定子の間に働く吸引力は、第1及び第2付勢部材の付勢力と上流側通路−下流側通路間の差圧による力との和を上回る必要があるが、上記力の和は閉弁位置において最も大きくなる。上述のように吸引力が弁体の位置によらず略一定の場合には、閉弁位置において吸引力が上記力の和を上回るように設定すれば弁体の全移動範囲で吸引力が上記力の和を上回るため、電磁石装置の設定が容易であり、設計の自由度が増す。
【0012】
このとき、請求項4に記載したように、前記可動子と前記固定子は、前記可動子の移動方向と交差する方向に微小間隔をもって配設され、この微小間隔は前記可動子が閉弁位置に至るまでの過程において略一定になるように形成されていてもよい。この場合、可動子の移動方向と交差する方向の磁界によって可動子が吸引されるため、弁体が開口部を閉鎖する方向に可動子が移動したとしても、磁界が可動子に及ぼす吸引力は略一定になる。
【0013】
また、請求項5に記載したように、前記可動子は、前記固定子に向かって突出した形状の凸部を有し、前記固定子は、前記可動子の凸部を収納可能な凹部を有し、前記凸部と前記凹部は前記可動子の移動方向と略直交する方向に所定の微小間隔をもって配設されていてもよい。この場合、弁体の位置によらず吸引力を略一定にするための構造が比較的簡素になり、製造工程上の負担が少ない。
【0014】
本発明の電磁弁につき、請求項6に記載したように、前記開口部から所定距離だけ離間した位置に設けられた規制部材と、前記可動子と係脱可能に設けられ、前記第1付勢部材により前記開口部側から前記規制部材に向かって付勢されるストッパ部材とを備え、前記電磁石装置が励磁されていない状態において、前記上流側通路から前記下流側通路へ通過する流体の流量がある一定量以下の場合には、前記ストッパ部材は前記可動子と係止した状態で前記第1付勢部材により前記規制部材に押し当てられることにより、前記弁体を所定の中間位置に保持するようにしてもよい。この場合、開弁状態において上記流量がある一定量以下の場合に、上記差圧が変動したとしても、前記ストッパ部材が可動子と係止した状態で第1付勢部材により規制部材に押し当てられるため、弁体は所定の中間位置に保持され、弁体と開口部の間の有効通路径は一定になる。このため、ブレーキ制御時において所定時間開弁するときの増圧量(パルス増圧量)が一定となり、良好に制御できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面図である。第1実施形態の電磁弁10は、自動車のブレーキ制御一般に使われる増圧制御用の電磁弁である。この電磁弁10は、主として、電磁石装置11、プランジャ12、シャフト13、弁体14、シートバルブ15などを備えている。
【0016】
電磁石装置11は、ガイド16、ソレノイド17、ヨーク18、リング19から構成されている。ガイド16は、磁性体製であり、上下方向の貫通孔21を有している。この貫通孔21は、上部が小径に形成され、下部が大径に形成されている。このガイド16の上部には非磁性体製のスリーブ22が被せられ、このスリーブ22の外周には非磁性体製のボビン23に巻回されたソレノイド17が配設されている。このソレノイド17は、図示しない外部装置により通電・非通電を制御できるように電気的に接続されている。また、ソレノイド17は磁性体製のヨーク18によって覆われ、ヨーク18とガイド16との間には磁性体製のリング19が配設されている。そして、ソレノイド17が通電されると電磁石装置11に磁路が形成されてガイド16が電磁石として機能する。なお、ガイド16は本発明の固定子に相当する。また、ソレノイド17が通電状態のとき電磁石装置11は励磁状態となり、ソレノイド17が非通電状態のとき電磁石装置11は非励磁状態となる。
【0017】
プランジャ12は、磁性体製であり、ガイド16の上端面とスリーブ22の天井面との間を上下動できるように配置されている。プランジャ12の上端面には窪み部25が形成され、この窪み部25とスリーブ22の天井面との間に、第2付勢部材としての対向スプリング26が配設されている。この対向スプリング26は、プランジャ12をガイド16に向かって付勢している。
【0018】
シャフト13は、非磁性体製であり、ガイド16の貫通孔21のうち小径部分に上下方向に摺動可能に配置されている。このシャフト13の下部は貫通孔21の大径部分に配置されており、シャフト13の下端にはボール状の弁体14が例えば溶接あるいはかしめ等により一体的に接合されている。シャフト13のやや下方位置には、後述のリターンスプリング34のばね受けとなる段差部13aが設けられている。なお、プランジャ12及びシャフト13は、共に弁体14と連動してガイド16の貫通孔21に沿ってストロークするものであり、本発明の可動子に相当する。また、第1実施形態ではプランジャ12の下端面とシャフト13の上端面は固着されていないが、固着されていてもよい。
【0019】
シートバルブ15は、磁性体又は非磁性体製であり、ガイド16の貫通孔21の大径部分に圧入されている。この貫通孔21の大径部分のうち、シートバルブ15の上部空間は弁室30となっている。シートバルブ15には、上流側通路31とチェック弁付き通路32が形成されている。上流側通路31は、フィルタ36を介してM/Cのブレーキ油を弁室30に供給するための通路であり、シートバルブ15を上下方向に貫通している。この上流側通路31の弁室側の開口部31aの手前には、M/CからW/Cへ流れるブレーキ油の流量を規制するオリフィス31bが形成されている。また、上流側通路31の弁室側の開口部31aは弁室30に向かって広がるテーパ状のシート面として形成されている。この開口部31aは、弁体14に対向する位置にあり、閉弁時にはこの弁体14によって閉鎖される。チェック弁付き通路32は、上流側通路31と略平行に形成されており、チェック弁33は、弁室30の油圧が上流側通路31の油圧を上回ったときに開弁して、弁室30の圧力を低下させる役割を果たす。
【0020】
下流側通路35は、弁室30のブレーキ油をフィルタ37を介してW/Cに供給するための通路であり、弁室30から水平方向にガイド16を貫通するように形成されている。第1実施形態では下流側通路35が2方向に設けられているが、両下流側通路35から送出されるブレーキ油はフィルタ37を通過した後一つにまとめられてW/Cに供給される。
【0021】
このように電磁弁10は、ブレーキ油が上流側通路31から弁室30を経て下流側通路35へ至るように形成された流路を備えている。
第1付勢部材としてのリターンスプリング34は、シャフト13の段差部13aとシートバルブ15の上端面との間に配設され、弁体14が開口部31aを開放する方向つまり上方にシャフト13を付勢するものである。弁体14はシャフト13と一体化されており、またプランジャ12はシャフト13と当接しているため、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は、リターンスプリング34により弁体14が開口部31aを開放する方向に付勢され、また、対向スプリング26により弁体14が開口部31aを閉鎖する方向に付勢されている。
【0022】
そして、電磁石装置11のソレノイド17に通電されていない時には、この両スプリング26、34の付勢力のバランスにより、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は、図1に示すように、弁体14が開口部31aを開放し且つプランジャ12がスリーブ22の天井面から離間した位置(以下「初期位置」という)に保持されている。
【0023】
図2は弁体14がとり得る位置を表す説明図である。電磁石装置11のソレノイド17に通電されると、プランジャ12がガイド16に吸引され、弁体14、シャフト13及びプランジャ12が下降し、弁体14が上流側通路31の開口部31aに密着してこれを閉鎖する。図2(a)はこのときの様子を表したものであり、この位置を閉鎖位置と呼ぶ。
【0024】
一方、電磁石装置11のソレノイド17に通電されていないときには、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は、両スプリング26、34の付勢力のバランスによって、弁体14が開口部31aを開放し且つプランジャ12がスリーブ22の天井面から離間した位置に保持されている。図1及び図2(b)はこのときの様子を表したものであり、この位置を初期位置と呼ぶ。ノーマルブレーキ時においては、ブレーキ操作による油の流れによって発生する上流側通路31の圧力と下流側通路35の圧力との差圧が及ぼす力によってその位置が若干変動する。
【0025】
そして、急ブレーキ時においては、両通路31、35を通過する油の流量がノーマルブレーキ領域の流量よりも大きく、弁部に発生する差圧が大きいため、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は、対向スプリング26の付勢力に抗して上方つまり弁体14が開口部31aを開放する方向に移動し、プランジャ12がスリーブ22の天井面に当接する。図2(c)はこのときの様子を表したものであり、この位置を全開位置と呼ぶ。
【0026】
図3は、スプリングの特性を表すグラフである。この図3において、横軸は弁体の位置(=リフト量)を表す。この図からわかるように、対向スプリング26はリターンスプリング34より弾性係数(ばね定数)が小さいものを使用している。また、合力の特性がゼロになる位置が弁体の初期位置となる。
【0027】
図4は、電磁弁の開度特性を表すグラフである。弁体14が閉弁位置から上流側通路31の開口部31aを開放する方向に移動するのにしたがって、有効通路径(弁体14と開口部31aとの間隙)が大きくなる。ここで有効通路径はブレーキ油の流量とみることができる。そして、開口部31aを開放する方向に弁体14が移動していき、有効通路径が上流側通路31の通路径(=オリフィス径)に一致すると、それ以上開口部31aを開放する方向に弁体14を移動させても、ブレーキ油の流量は上流側通路31の通路径によって制限されるため、有効通路径はそこで頭打ちとなる。
【0028】
図5は、電磁弁の流量特性を表すグラフである。ノーマルブレーキ領域では、弁体14は初期位置あるいはその周辺に保持されるため、従来の電磁弁のように開弁時に常に弁体が全開位置にある場合の特性(全開位置特性)に比べて、ブレーキ油が弁体14と開口部31aとの間を通過する際の通過流量に対する圧力損失の増加割合が若干大きくなる傾向にある。一方、強めのブレーキ領域や急ブレーキ領域では、両通路31、35を通過する油の流量が大きく、弁部に発生する差圧が大きいため、弁体14は初期位置周辺から開口部31aを開放する方向に移動する。この結果、有効通路径が大きくなり、通過流量に対する圧力損失の増加割合が全開位置特性に近づく。このため、開弁時に常に弁体14を初期位置で保持する場合の特性(初期位置特性)に比べて、強めのブレーキ領域や急ブレーキ領域における圧力損失を小さく抑えることができ、このような領域におけるブレーキの応答性が損なわれることがない。また、本実施形態では、対向スプリング26の弾性係数(ばね定数)は、全開位置特性に比べて急ブレーキ領域において圧力損失が僅かに増加する程度となるように設定されている。
【0029】
次にこの電磁弁10の作動につき、ABS用の油圧回路の増圧制御弁にこの電磁弁10を用いたときを例に挙げて説明する。図6はABS用の油圧回路図であり、この油圧回路は、M/Cから増圧制御弁である電磁弁10を介してW/Cに至る第一油路と、第一油路のうちM/Cと電磁弁10との間からW/Cと電磁弁10との間に至る第二油路とを備えている。第二油路にはW/C側からM/C側に向かって減圧制御弁2とポンプ6が設けられ、両者の間にはリザーバ4が配置されている。電磁弁10のうち上流側通路31はM/C圧がかかる通路であり、下流側通路35はW/C圧がかかる通路である。
【0030】
ノーマルブレーキ時では、図6に示すように、電磁弁10は連通位置(非通電状態)、減圧制御弁2は遮断位置(非通電状態)にある。このときの電磁弁10の電磁石装置11は、ソレノイド17に電流が流れていないため吸引力が発生せず、図1に示すように、初期位置周辺で停止している。
【0031】
ところで、一般にABS制御は、例えばドライバの急激なブレーキ操作によって各車輪のスリップが発生すると車両をコントロールできなくなるおそれがあるため、このような現象を防止すべく、運転者がブレーキ操作を行って車両を制動しようとしている場合に、各車輪のスリップ状態を適正にするために実行されるものである。
【0032】
図6に基づいてABS制御を説明すると、図示しない電子制御装置が車輪がロック傾向にあると判断すると、電磁弁10を遮断位置(通電状態)にすると共に、減圧制御弁2を連通位置(通電状態)にして、W/C圧を減圧し、車輪のロックを防止する。このとき、W/C圧の減圧分のブレーキ油は減圧制御弁2を介してリザーバ4に排出され、ポンプ6によりM/C側に還流される。このときの電磁弁10は、電磁石装置11のソレノイド17に電流が流れるためガイド16が電磁石として働き、プランジャ12がガイド16に接近するような吸引力が働き、この吸引力によりリターンスプリング34の付勢力に抗して弁体14、シャフト13及びプランジャ12が下方に動き、弁体14が上流側通路31の開口部31aを閉鎖する。この結果、上流側通路31と下流側通路35は遮断される。
【0033】
その後、図示しない電子制御装置が、車輪のロック傾向が解消したと判断すると、電磁弁10を連通位置(非通電状態)にすると共に、減圧制御弁2を遮断位置(非通電状態)にして、W/C圧を増圧させる。この場合、W/C圧を急激に増加させると車輪がロック傾向となるため、数msだけ増圧させた後、電磁弁10と減圧制御弁2を共に遮断させてW/C圧を保持する状態をつくる。そして、このような制御により、W/C圧を徐々に増加させ、車輪のロックを防止しつつ車両の安定性を確保する。
【0034】
このときの制御について詳説する。まず、数msだけ増圧させる場合には、電磁石装置11のソレノイド17に流れていた電流が切断される。このため電磁石装置11の吸引力が消失し、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は図2(b)に示すようにリターンスプリング34の付勢力等によって弁体14が開口部31aを開放する方向つまり上方に移動する。一方、対向スプリング26の付勢力はこれと逆方向に働くため、両スプリング26、34の付勢力、及び両通路31、35の差圧が及ぼす力によって、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は初期位置周辺で保持される。つまり、弁体14は最上点である全開位置と最下点である閉弁位置との中間位置において保持される。
【0035】
その後、W/C圧を保持する状態をつくる場合には、図7に示すように、図示しない電子制御装置からの弁駆動信号がオフからオンになって電磁石装置11のソレノイド17に再び通電されるため、電磁石装置11の吸引力が働き、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は弁体14が開口部31aを閉鎖する方向つまり下方に移動し、弁体14が開口部31aに衝突してこの開口部31aを閉鎖する閉弁位置に至る。このとき、弁体14が開口部31aに衝突するまでの移動距離は、初期位置周辺から閉弁位置までであり、従来の電磁弁のように弁体が全開位置から移動を開始した場合に比べて短いため、弁体14が開口部31aに衝突する際の衝突速度は小さくなり(図7の中段のグラフ参照)、したがって衝突音が緩和される。
【0036】
また、開弁時つまり弁体14等が初期位置周辺で保持されている時、弁体14と開口部31aとの間隙を通過するブレーキ油の流量は、従来の電磁弁のように開弁時に弁体が全開位置に保持される場合に比べて小さいため、閉弁される際の時間に対する通過流量の変化即ち流量変化速度が小さくなり(図7の下段のグラフ参照)、したがってW/C圧及びM/C圧に生じる油撃による脈圧が抑えられる。この結果、ABS制御時の車両振動や騒音を抑制できる。
【0037】
この点につき更に詳説すると、図8に示すように、弁駆動信号がオンからオフになると、ソレノイド17は通電状態から非通電状態になり、電磁石装置11の吸引力が消失し、開弁するため、上流側通路31から弁室30を経て下流側通路35へブレーキ油が供給される。このため、上流側通路31のM/C圧が低下し、下流側通路35のW/C圧が上昇する。その後、ソレノイド17の通電状態がオフからオンになると、両通路31、35が遮断されるため、M/C圧は元の圧力に戻り、W/C圧はブレーキ油が供給された分、ある圧力値まで上がる。ここで、M/C圧が元の圧力に戻る過程やW/C圧がある圧力値まで上がる過程において、流量変化速度が大きいほど脈圧の振幅(オーバーシュート量)が大きくなり、油撃による振動や騒音が発生するが、本実施形態では流量変化速度が従来の電磁弁に比べて小さいため、これらの発生が抑制されるのである。
【0038】
以上詳述した本実施形態によれば、例えば雪道を走行中にノーマルブレーキ操作を行ったような場合、ABS制御が実行されることがあるが、この場合のABS制御においては開弁時に弁体14が初期位置周辺つまり最下点と最上点の中間位置に保持されるため、閉弁時に弁体14が開口部31aに衝突するときの衝突速度や油撃が緩和され、車両に発生する不快な振動や騒音が抑制される。なお、急ブレーキ操作時にABS制御が実行された場合には、運転者は車両の振動や騒音を気にしている余裕がないのが実情であり、このためこれらを抑制する必要性が乏しいが、前述のようにノーマルブレーキ操作時にABS制御が実行された場合には、運転者は比較的車両の振動や騒音に敏感であるため、これらを抑制する必要性が高い。
【0039】
また、急ブレーキ時のように、上流側通路31と下流側通路35の差圧が増大すると、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は対向スプリング26の付勢力に抗して弁体14が開口部31aを開放する方向へ移動する。このため、ノーマルブレーキ時に比べて弁体14と開口部31aの間の有効通路径が大きくなり、ブレーキ油の流量が増大する。また、このときの圧力損失は全開位置特性に比べて僅かに増加する程度となるように対向スプリング26の弾性係数(ばね定数)が設定されている。このため、ブレーキ操作の応答性が損なわれることがない。
【0040】
更に、従来の電磁弁に対して対向スプリング26を付加すればよいため、簡単な構造であり、製造工程で負担が増すこともない。
[第2実施形態]
図9は第2実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面図である。本実施形態の電磁弁50は、プランジャ12の下端面にガイド16に向かって円筒状に突出した凸部27が形成され、ガイド16の貫通孔21の上部にこの凸部27を収納可能な凹部28が形成されている以外は、第1実施形態と同様の構成である。このため、同じ構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略する。凸部27と凹部28とはプランジャ12の半径方向(つまりプランジャ12の移動方向と直交する方向)に微小間隔をもって配置されている。また、弁体14、シャフト13及びプランジャ12が閉弁位置に至る過程において、この微小間隔は略一定なため、ガイド16がプランジャ12を吸引する力は略一定になる。
【0041】
次に、第2実施形態の電磁弁50の作動について説明する。ノーマルブレーキ時や急ブレーキ時の作動については、第1実施形態と同様のため、その説明を省略する。また、ABS制御時の作動についても、基本的には第1実施形態と同様のため、ここでは第1実施形態と相違する点についてのみ説明する。
【0042】
第2実施形態では、電磁石装置11のソレノイド17に通電されて電磁石装置11のガイド16に吸引力が働く場合、プランジャ12の凸部27とガイド16の凹部28との半径方向の間隔が微小であることから、この微小間隔に働く力がプランジャ12をガイド16に接近させるのに最も大きく寄与する。そして、この微小間隔はプランジャ12がガイド16に接近・離間するにかかわらず略一定であるため、ガイド16の吸引力は図10に実線で示すように初期位置周辺から閉弁位置に至るまで略一定である。これに対して、第1実施形態では、ガイド16の吸引力は図10に点線で示すようにプランジャ12の下端面とガイド16の上端面との間隔が小さくなるにつれて増大する。
【0043】
両実施形態の吸引力特性につき、実使用範囲(閉弁位置〜全開位置)において、ガイド16の吸引力により弁体14等を閉弁位置に移動させる必要があることから、ガイド16の吸引力は、実使用範囲の全域において、“両スプリング26,34の合力と両通路31、35の差圧が弁体14に及ぼす力との和を上回る”という条件を満たす必要がある。ところで、この種の電磁弁では、上記力の和は閉弁位置において最大となる。第2実施形態の吸引力特性は、閉弁位置で上記条件を満たすように設定すれば、実使用範囲全域において上記条件を満たすことになるのに対して、第1実施形態の吸引力特性は、同様に設定したとしても実使用範囲全域において上記条件を満たすことになるとは限らない。このため、第2実施形態では、第1実施形態に比べて電磁石装置11の設定が容易であり、設計の自由度が増す。また、第2実施形態の吸引力特性につき、閉弁位置で上記条件を満たすように設定するため、閉弁位置における吸引力を必要最小限に抑えることができる。更に、第2実施形態では差圧が大きいほど加速度が小さくなるので衝突速度が小さくなり、初期位置周辺から閉弁位置に至るまでの時間が長くなるため、流量変化の度合いつまり流量変化速度が小さくなり、W/C圧及びM/C圧に生じる油撃による脈圧が抑えられる。
【0044】
以上のように、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果が得られるうえ、その効果が第1実施形態よりも顕著に得られる。
[第3実施形態]
図11は第3実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面図である。第3実施形態の電磁弁60は、第2実施形態において、シャフト13の段差部13aとリターンスプリング34との間にリング状のストッパ部材40を備えた以外は、第2実施形態と同様の構成である。このため、同じ構成要素については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0045】
ストッパ部材40は、シャフト13の段差部13aと係脱可能であり、リターンスプリング34によって弁室30の上面30a(本発明の規制部材に相当)に向かって付勢されている。なお、弁室30の上面30aは、上流側通路31の開口部31aから所定距離だけ離間している。
【0046】
次にこの電磁弁60の作動について説明する。
ノーマルブレーキ時では、電磁弁60の電磁石装置11は、ソレノイド17に電流が流れていないため吸引力が発生せず、図11に示すように、初期位置で停止している。そして、上流側通路31から下流側通路35へ通過する油の流量がノーマルブレーキ領域の範囲内の場合には、ストッパ部材40はリターンスプリング34により弁室30の上面30aに押し当てられた状態で保持され、また、シャフト13の段差部13aは対向スプリング26によりストッパ部材40に係止されている。図12は第3実施形態のスプリング特性を表すグラフである。ノーマルブレーキ時では両通路31、35の差圧による力よりも対向スプリング26の付勢力が勝っているため、弁体14等は所定の初期位置に保持される。つまり、両通路31、35の差圧がノーマルブレーキ領域の範囲内で変動しても、弁体14は図11に示す所定の初期位置で保持され、弁体14と開口部31aの有効通路径は一定になる。
【0047】
ABS制御時では、基本的には第2実施形態と同様のため、ここでは相違する点についてのみ説明する。電磁石装置11のソレノイド17に通電して電磁弁60を遮断した後、数msだけ増圧されるが、この場合には、電磁石装置11のソレノイド17に流れていた電流が切断される。このため、電磁石装置11の吸引力が消失し、ストッパ部材40はリターンスプリング34により弁室30の上面30aに向かって移動する。このストッパ部材40は、シャフト13の段差部13aに係止した状態で弁室30の上面30aに当接するまで移動するため、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は図11に示す所定の初期位置に保持される。このため、弁体14と開口部31aとの間を通過するブレーキ油の流量は従来の電磁弁に比べて少なくなり、開弁から閉弁に至るまでの間の流量変化の割合が従来の電磁弁に比べて小さくなり、脈動や油撃が低減され、車両に発生する不快な振動が低減される。そのうえ、所定の初期位置に保持されるため、ABS制御時において数msだけ開弁するときの増圧量(パルス増圧量)が一定となり、良好に制御できる。
【0048】
急ブレーキ時では、ブレーキ操作による油の流れによって発生する両通路31、35の差圧による力が対向スプリング26の付勢力より大きくなるため、弁体14、シャフト13及びプランジャ12は図11の初期位置から上昇し、プランジャ12がスリーブ22の天井面に当接する位置つまり全開位置に至る。このため、ノーマルブレーキ時に比べて弁体14と開口部31aの間の有効通路径が大きくなり、ブレーキ油の流量が増大する。また、このときの圧力損失は全開位置特性に比べて僅かに増加する程度となるように対向スプリング26の弾性係数(ばね定数)が設定されている。このため、ブレーキ操作の応答性が損なわれることがない。
【0049】
以上のように、第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果が得られるうえ、ABS制御を良好に行うことができる。なお、第1実施形態にストッパ部材40を付加してもよく、この場合も第3実施形態と同様の効果が得られる。
[その他の実施形態]
上記各実施形態のリターンスプリング34に代えて、図13に示すような板バネ44を用いてもよく、この場合も上記各実施形態と同様の効果が得られる。なお、対向スプリング26の代わりに板バネを用いてもよい。
【0050】
また、上記第2実施形態では、凸部27を略円筒状に形成したが、図14に示すような略円錐台状の凸部77を採用すると共に、この凸部77を収納可能な凹部78を採用してもよい。この場合、プランジャ12の凸部77とガイド16の凹部78は、プランジャ12の移動方向と斜めに交差する方向に微小間隔をもって配設され、この微小間隔はプランジャ12が閉弁位置に至るまでの過程において略一定になるように形成されている。したがって、この過程において、プランジャ12とガイド16との間に働く吸引力は略一定となり、上記第2実施形態と略同じ効果が得られる。
【0051】
さらに、上記第2実施形態の構成を簡素化した次の2つの実施形態も上記第2実施形態に近い(簡素化のため効果としては劣る方向の)効果が期待できる。
一つには、第2実施形態から対向スプリング26を省略した図17の構成としてもよい。この構成の弁位置(エアギャップ)に対する略一定の吸引力特性により、一般的にこの種の弁に用いられるばね定数の低いリターンスプリング34の特性に対する、弁位置(エアギャップ)全体にわたっての力のバランスがよく、設定が容易となる(一般的な弁位置に対する双曲線状の吸引力特性では図10の波線に示すように勾配が大きく、一般的な設計ではどうしてもエアギャップの大きい側に対してエアギャップの小さい側での吸引力が過大となりがちであるため、トータルの弁加速力として出やすい)。これにより、簡素な構成にて弁の衝突速度の緩和の効果が得られる。
【0052】
もう一つには、第2実施形態からリターンスプリング34を省略した図18の構成としてもよい。これにより、弁の特性としては図3が対向スプリングのみの特性(力としてはより弱く)になり、図4の閉弁位置が初期位置になり、図5の通常ブレーキ領域においてもある程度の圧力損失の加わる特性になる。このため、ブレーキ操作時のペダルフィーリングとしては若干悪化傾向となり、また、ブレーキ制御時の増圧が弁に加わる差圧自体を利用するため、増圧量が差圧に依存して安定しない傾向となるが、弁リフトの短縮による流量自体の低減、弁の衝突速度の緩和の効果は簡素な構成にて同様に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面図である。
【図2】 第1実施形態の弁体がとり得る位置を表す説明図である。
【図3】 第1実施形態のスプリングの特性を表すグラフである。
【図4】 第1実施形態の電磁弁の開度特性を表すグラフである。
【図5】 第1実施形態の電磁弁の流量特性を表すグラフである。
【図6】 ABS用の油圧回路図である。
【図7】 時間に対する弁駆動信号の変化を表すグラフ、時間に対する弁***置の変化を表すグラフ、時間に対するブレーキ液通過流量の変化を表すグラフである。
【図8】 時間に対する弁駆動信号の変化を表すグラフ、時間に対するM/C圧及びW/C圧の変化を表すグラフである。
【図9】 第2実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面図である。
【図10】 電磁石装置の吸引力特性を表すグラフである。
【図11】 第3実施形態の電磁弁の概略構成を表す断面図である。
【図12】 第3実施形態のスプリングの特性を表すグラフである。
【図13】 その他の実施形態の断面図である。
【図14】 その他の実施形態の断面図である。
【図15】 従来の電磁弁の断面図である。
【図16】 特開平8−320086号公報記載の電磁弁の断面図である。
【図17】 その他の実施形態の断面図である。
【図18】 その他の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
10・・・電磁弁、11・・・電磁石装置、12・・・プランジャ、13・・・シャフト、13a・・・段差部、14・・・弁体、15・・・シートバルブ、16・・・ガイド、17・・・ソレノイド、22・・・スリーブ、26・・・対向スプリング、27・・・凸部、28・・・凹部、30・・・弁室、31・・・上流側通路、31a・・・開口部、34・・・リターンスプリング、35・・・下流側通路、40・・・ストッパ部材。

Claims (6)

  1. 流体が上流側通路から弁室を経て下流側通路へ至るように形成された流路と、
    前記弁室内にて前記上流側通路の開口部を開放又は閉鎖する弁体と、
    前記弁体と連動してストロークする可動子と、
    前記弁体が前記開口部を開放する方向に前記可動子を付勢する第1付勢部材と、
    励磁されると、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記弁体が前記開口部を閉鎖する方向に前記可動子を吸引することにより、前記開口部を前記弁体によって閉鎖させる電磁石装置と、
    前記弁体が前記開口部を閉鎖する方向に前記可動子を付勢する第2付勢部材と
    を備え、
    前記電磁石装置が励磁されていない状態では、前記第1付勢部材の付勢力と前記第2付勢部材の付勢力とのバランスにより、前記弁体が前記開口部を閉鎖する閉鎖位置と前記弁体が前記開口部から最も離間した全開位置との中間位置に前記弁体を保持することを特徴とするブレーキ制御用電磁弁。
  2. 前記弁体は、前記電磁石装置が励磁されていない状態において、前記上流側通路から前記下流側通路へ通過する流体の流量がある一定量を越えると、前記中間位置から前記全開位置に向かって移動することを特徴とする請求項1記載のブレーキ制御用電磁弁。
  3. 前記電磁石装置は、励磁された時に発生する磁界によって前記可動子を前記第1付勢部材の付勢力に抗して吸引する固定子を備え、
    前記可動子と前記固定子は、前記可動子が閉弁位置に至るまでの過程で、前記可動子と前記固定子との間に働く吸引力が略一定になるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のブレーキ制御用電磁弁。
  4. 前記可動子と前記固定子は、前記可動子の移動方向と交差する方向に微小間隔をもって配設され、この微小間隔は前記可動子が閉弁位置に至るまでの過程において略一定になるように形成されていることを特徴とする請求項3記載のブレーキ制御用電磁弁。
  5. 前記可動子は、前記固定子に向かって突出した形状の凸部を有し、前記固定子は、前記可動子の凸部を収納可能な凹部を有し、前記凸部と前記凹部は前記可動子の移動方向と略直交する方向に所定の微小間隔をもって配設されていることを特徴とする請求項3又は4記載のブレーキ制御用電磁弁。
  6. 前記開口部から所定距離だけ離間した位置に設けられた規制部材と、
    前記可動子と係脱可能に設けられ、前記第1付勢部材により前記開口部側から前記規制部材に向かって付勢されるストッパ部材と、
    を備え、
    前記電磁石装置が励磁されていない状態において、前記上流側通路から前記下流側通路へ通過する流体の流量がある一定量以下の場合には、前記ストッパ部材は前記可動子と係止した状態で前記第1付勢部材により前記規制部材に押し当てられることにより、前記弁体を所定の中間位置に保持することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のブレーキ制御用電磁弁。
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