JP4157907B2 - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
また、上記現像剤収容部と上記トナー収容部のトナー補給用開口との間に、現像剤担持体表面に対して所定の間隙を有する第2現像剤規制部材を設けた現像装置が知られている(例えば、特開平9―197833号公報参照)。この現像装置では、現像剤担持体上の現像剤のトナー濃度が上昇すると、該現像剤の層厚が増加し、該増加した現像剤の通過が該第2現像剤規制部材で規制される。この規制された現像剤が、該第2現像剤規制部材に対して現像剤搬送方向上流側から隣接する上記トナー補給用開口を覆い、トナー収容部から現像剤担持体上に担持搬送されている現像剤へのトナー取り込みを抑制する。これにより、現像剤担持体上の現像剤のトナー濃度を一定範囲内に制御することができる。
現像剤のトナー消費部分に新しいトナーが補給されるとき、トナー補給の遅れや補給量のばらつきが生じる場合がある。このようなトナー補給の遅れや補給量のばらつきによってトナー補給が不足した部分はトナー濃度が低下し、トナー帯電量が上昇する。特に、黒ベタなどのトナー消費量が多い画像が形成されると、多量のトナーが消費された現像剤へのトナー補給が追いつかず、トナー濃度が低下したまま次の現像が行われてしまうおそれがある。また、多量のトナーが消費された現像剤へはトナーの取り込みが急激に行われるため、トナーの取り込みに勢いがついて余分なトナーまで取り込まれ、その部分のトナー濃度が必要以上に上昇したまま次の現像が行われる場合もある。
また、非画像部ではトナーの消費が行われないため、本来トナーが取り込まれないはずだが、僅かながらトナーが取り込まれてしまってトナー濃度が上昇し、トナー帯電量が低下してしまうおそれがある。
このように上記担持体幅方向において現像剤担持体上の現像剤にトナー濃度やトナー帯電量の不均一状況が発生すると、トナー濃度が低くトナー帯電量の高い部分は、相対的に白い画像(白帯)となり、トナー濃度が高くトナー帯電量の低い非画像部分は濃い画像となり、上記担持体幅方向での現像濃度ムラが発生する。
また、現像剤担持体上に担持搬送されている搬送現像剤の上層部だけを剥離することにより、該現像剤担持体上での現像剤の担持搬送に対する該剥離の影響を小さくし、上記自己トナー濃度制御が損なわれず安定するようにしている。
なお、上記剥離部材の径は、該剥離部材の撓み量の応じて上記中央部から上記両端部にかけて連続的に変化するように設定するのが好ましい。
本発明を電子写真式の画像形成装置であるレーザプリンタ(以下、「プリンタ」という。)の現像装置に適用した第1の実施形態について説明する。
まず、図2を用いて本実施形態に係るプリンタの概略について説明する。潜像担持体としての感光体ドラム1は、図中矢印A方向に回転駆動されながら、感光体ドラム1に接触してその表面を帯電する帯電ローラ50により一様に帯電された後、光書き込みユニット51により画像情報に基づき走査露光されて表面に静電潜像が形成される。本実施形態では、上記帯電ローラ50及び光書き込みユニット51により潜像形成手段が構成されているが、他の種類の帯電装置や露光装置を用いて構成してもよい。感光体ドラム1上に形成された静電潜像は、後述する現像装置2により現像され、感光体ドラム1上にトナー像が形成される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ53を備えた転写ユニットにより給紙カセット54から給紙ローラ55、レジストローラ対56を経て搬送された転写材としての用紙52上に転写される。転写終了後の用紙52は、定着ユニット57によりトナー像が定着され機外に排出される。なお、転写されなかった感光体ドラム1上の残留トナーは、クリーニングユニット58により感光体ドラム1から除去される。また、感光体ドラム1上の残留電荷は除電ランプ59で除去される。
図3は現像装置2の全体の概略構成図であり、図1は同現像装置2の主要部の拡大図である。この現像装置2は感光体ドラム1の側方に配設され、トナー3a及び磁性キャリア(以下「キャリア」という。)とを含む二成分現像剤(以下「現像剤」という。)3を表面に担持する現像剤担持体としての非磁性材質からなる現像スリーブ4を備えている。この現像スリーブ4は、ケーシング2aの感光体ドラム1側に形成された開口部から一部露出するように取り付けられ、図示しない駆動装置により、感光体ドラム1と対向する現像領域において現像剤を下方(図中矢印B方向)に移動させる向きに回転駆動可能になっている。また、現像スリーブ4の内部には、磁界発生手段としての固定磁石群からなるマグネットローラ5が固定配置されている。
なお、本実施形態では、基材に対して磁石片を嵌合固着した固定磁石体、いわゆるブロック型マグネットローラを用いたが、これに限定されるものではない。例えば、所定の形に成形されたプラスチック磁石材料を磁気配向と同時に着磁させて作製するいわゆるフェライト系一体型プラスチックマグネットローラを用いてもよいことはもちろんである。
上記剥離ローラ11の材料(磁性体)としては、例えばSUM材(硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材)、磁性を有するSUS材、鉄、ニッケル等を用いることができる。また、鉄芯にニッケルメッキを施したもの、ステンレス素材に磁性材料をコーティングしたもの等を用いることもできる。
また、剥離ローラ11の表面は、現像スリーブから剥離した現像剤を良好に担持して搬送できるように、サンドブラスト処理等により粗し加工するのが好ましい。例えば、表面粗さ(10点平均粗さRz)が30μm程度になるように粗し加工する。この表面粗さは、トナーの種類や剥離ローラの材料などの条件に応じてトナーを搬送できる程度に設定する。
このように剥離ローラ11に対向する位置と上記プレドクタ7aに対向する位置の間に磁極を配置しないようにすることにより、現像剤収容部S内に収容されている現像剤が、現像剤のトナー濃度の高低にかかわらずプレドクタ7aと現像スリーブ表面との間隙の方に向かって引き寄せられるような現像剤の異常な流れが発生しないようになる。
そこで、上記撓みが発生するような場合には、図5に示すように剥離ローラ11の中央部の径D2を両端部の径D1よりも小さくするのが好ましい。この剥離ローラ11を用いることにより、剥離ローラ11と現像スリーブ4との間の間隔を軸方向の全体にわたって略均一することができる。従って、該中央部から両端部にかけて均一な剥離動作を行うことができる。
上記撓みが発生しない場合、上記剥離部材としては、軸方向全域にわたって直径が一定である断面形状が円形の真直棒状の剥離ローラを用いてもよい。
現像スリーブ4上の現像剤3は該スリーブ4の矢印B方向の回転に伴って搬送され、ドクタ6により規制されて薄層化される。薄層化された現像剤3は、矢印A方向に回転している感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送される。この現像領域で、感光体ドラム1上に形成されている静電潜像にトナーが供給され、該静電潜像の可視像化が行われる。現像領域を通過した現像スリーブ4上の現像剤は該スリーブ4の回転に伴って更に搬送され、トナー補給口8aと対向する位置に到達する。このトナー補給口8aには、トナーホッパ8内のトナー3aがアジテータ9で送り出され現像スリーブ4上の現像剤と接するように滞留している。トナー補給口8aで新しいトナー3aを取り込んだ後、現像剤収容部Sに戻る。そして、新しいトナー3aを含んだ現像剤3はドクタ6による規制部で内圧が増加する。この内圧の増加した現像剤中でキャリアとの摩擦帯電によってトナー帯電が行われる。一方、上記現像領域に供給されずにドクタ6で進行が阻止された現像剤3の一部は、現像剤収容部S内で循環するように移動する。
まず、現像装置に初期剤として所定のトナー濃度及び重量を有する現像剤をセットして、現像スリーブ4及び剥離ローラ11を回転駆動すると、現像剤3は搬送現像剤3b、収容現像剤3c及び剥離現像剤3dの3つの部分に分かれる。搬送現像剤3bは現像スリーブ4の表面に磁力で担持され該表面に連れ回るように搬送される現像剤である。収容現像剤3cは現像剤収容部S内に収容され上記搬送現像剤3bの移動に伴って現像剤収容部S内で循環移動する現像剤である。また、剥離現像剤3dは現像スリーブ4上の搬送現像剤3bから一部剥離され剥離ローラ11の回転に伴って該剥離ローラ11の表面に沿って移動する現像剤である。
そして、現像剤収容部S内では、図6(a)に示すように4つの現像剤流F1、F2、F3、F4が発生する。第1の現像剤流F1は、現像スリーブ4と剥離ローラ11との間を通過するように流れる搬送現像剤3bの流れである。第2の現像剤流F2は、現像スリーブ4から剥離されて剥離ローラ11に沿って移動し、その一部が剥離ローラ11とプレドクタ7aの間の空間で循環する循環流である。第3の現像剤流F3は、剥離ローラ11の表面に沿って該ローラの上方を環流する剥離現像剤3dの流れである。第4の現像剤流F4は、ドクタ6で現像剤が該ドクタの背面を上昇し該ドクタ6と剥離ローラ11の間の空間で発生する収容現像剤3cの循環流である。
そして、トナー補給口8aに対向する位置で層厚が厚くなった搬送現像剤3bの上層部は、上記プレドクタ7aで掻き取られ、図6(a)に示すようにプレドクタ7aの現像剤搬送方向上流側に滞留していく。以下、この滞留した現像剤を「滞留現像剤」3eという。この滞留現像剤3eは、それに接する搬送現像剤3bの移動に伴って循環運動を行っている。トナー補給口8aに送り込まれたトナー3aは、搬送現像剤3bの露出している部分に引き付けられるとともに、該搬送現像剤3bと該滞留現像剤3eとの合流点Pから引き込まれるようにして、現像剤中に取り込まれる。
なお、断面形状が円形以外の例えばクランク形状の剥離部材について実験を行ったところ、剥離ムラが発生し、画像にはクランクの回転ピッチで濃淡差(ムラ)が発生した。
図7は、本実施形態に係るプリンタの制御手段としての制御部の一例を示すブロック図である。パソコン等の外部装置から送られてきた画像データは、画像データ処理部110で処理される。この画像データ処理において、潜像形成部で用いられる潜像形成用のデータ等が生成されるとともに、プリント対象の画像の画像比率データが算出される。この画像データ処理部110から送られてきたデータに基づいて装置内の各部を制御するエンジン制御部100は、エンジン制御用CPU101、ROM102、RAM103、I/Oインターフェース104などにより構成されている。このエンジン制御部100には、感光体ドラム駆動部105、潜像形成部の駆動部106、現像装置2の駆動部107、温湿度センサ108等が接続されている。エンジン制御用CPU101は、ROM102から読み出した制御用のプログラムに従い、画像データ処理部110からの入力信号に応じ、また各種駆動部の作動時期を含む各種認識・判断を行いながら、各部へ動作指令を出力し、所定の動作を行わせるものである。また、温湿度センサで検知した温湿度データに基づいて、上記各部を制御できるようになっている。
そこで、画像形成装置本体内部に設けた温湿度センサ108により、例えば感光体ドラム1近傍の雰囲気温度を測定し、温度が高くなった場合に、剥離ローラ11の回転数を高くして剥離ローラ11の線速を上げることで、現像剤3の混合・撹拌を十分に行い、現像剤3同士の入れ替え及び摩擦帯電を十分に促進させることができる。また、上記温湿度センサ108により、画像形成装置内部に湿度を測定し、湿度が高くなった場合に、上記温度が高くなった場合と同様の駆動制御を行うことで、現像剤3の混合・撹拌を十分に行い、現像剤3同士の入れ替え及び摩擦帯電を十分に促進させることができる。
また、現像剤収容部S内で剥離ローラ11周りの現像剤循環動作を効果的に進めるためには、剥離ローラ11の周面上で現像スリーブ15と対向する側とは反対側の面における法線方向磁束密度を5mT以上にするのが好ましい。
なお、磁力波形の制御は、各極に配置した磁石片の位置、極性、形状、磁力により適宜行えばよい。
次に、本実施形態に係る現像装置のより具体的な実施例について説明する。
図3に示す現像装置を使い、まず図11に示すように現像スリーブ4の表面移動方向(図中G方向)と直交する長手方向(画像幅方向)でトナー消費の異なる様な黒白交互に構成されたテストチャート60を、プリント対象の画像として用い、20枚の画像形成を行った。その後、全面均一なハーフトーンで構成されたテストチャートを用いて再び画像形成を行った。実験条件は、表1のような範囲内で設定した。例えば、直径が7mmの剥離ローラ11を用い、現像スリーブ4と感光体ドラム1とのギャップGpを0.35mm、現像スリーブ4とドクタとのギャップGd1を0.4mm、現像スリーブ4とプレドクタ7aとのギャップを0.65mm、剥離ローラ11と現像スリーブ4のギャップGhを0.35mmに設定する。
一方、本実施例の比較例として、剥離部材12を用いない従来の現像装置で上記画像形成を行ったところハーフトーンの画像に濃度ムラが発生してしまった。このように、剥離部材12を用いないと現像スリーブ4の長手方向でトナー消費の異なる様な黒白交互に構成されたチャートを用いた場合に、長手方向のトナー濃度が不均一となり、画像が劣化する場合があった。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るプリンタの概略構成を示す正面図であり、図13は同プリンタの現像装置の概略構成を示す断面図である。なお、図12及び図13において、上記第1の実施形態に係るプリンタ(図2及び図3)と同様な部分には同一の符号を付して示しあり、それらの機能も同様であるので、それらの説明は省略する。また、図12及び図13中の現像スリーブ4の周囲に示した一点鎖線は、該現像スリーブ4表面における磁束密度の法線方向成分の分布を示している。
この現像装置では、表面に1組の磁極(S極及びN極)を回転軸に沿って延在するように着磁した剥離ローラ13を用い、現像スリーブ4内の磁極5aと対向する位置で上記第1の実施形態と同様に回転させている。この剥離ローラ13を用いた場合は、現像スリーブ4上に担持されて連れ廻っている現像剤3を磁力で強く吸着することができる。したがって、現像スリーブ4からの現像剤の剥離と強制的な流れがより顕著に行なわれ、現像剤収容部S内の現像剤との混合・撹拌を更に効率よく行なうことができる。
また、図17(b)に示す剥離ローラ16のように、軸方向の磁極同士を互いに少しずつ離して着磁してもよく、図17(c)に示す剥離ローラ17のように、磁極を軸方向に少しずつずらして配置し、周方向で同極が一部ずつ重なり合うようにしても同様の効果が得られる。
次に、本実施形態に係る現像装置2のより具体的な実施例について説明する。
図15に示す現像装置2を使って、前述の図11に示すような帯状の黒部と白部とが交互に繰り返されるテストチャート60を、プリント対象の画像として用い、20枚の画像形成を行い、局所的にトナー消費をさせた。その後、全面ハーフトーン画像(反射濃度測定器でID0.2〜0.5程度)を形成して、濃度ムラレベルのランク評価を行った。現像条件は、下記の表2のように設定した。
図18(a)〜(e)は上記濃度ムラレベルのランクを示す図であり、それぞれ用紙52上に形成された、残留黒部52aの程度が異なる全面ハーフトーン画像を示している。図18(a)をランク2、図18(b)をランク3、図18(c)をランク3.5、図18(d)をランク4、図18(e)をランク5とする。ランクが高いほど濃度ムラが少ないことを示している。図18(b)のランク3が従来例に係る装置の場合に対応している。
そこで、画像形成装置本体内部に、例えば感光体ドラム1近傍の雰囲気温度を測定するための温度センサ(図示せず)を設け、温度が高くなった場合に、上記可変駆動手段によって剥離ローラ14の回転数を高くして剥離ローラ14の線速を上げることで、現像剤3の混合・撹拌を十分に行い、現像剤3同士の摩擦帯電を十分に促進させることができる。
また、同様に画像形成装置内部に湿度センサ(図示せず)を設けて、湿度が高くなった場合に、上記温度センサを用いた場合と同様の駆動制御を行うことで、現像剤3の混合・撹拌を十分に行い、現像剤3同士の摩擦帯電を十分に促進させることができる。
図19は、本発明の第3の実施形態に係る現像装置の概略構成を示す断面図である。図19において、上記第1の実施形態における図1及び図3と同様な部分には同一の符号を付してあり、それらの機能も同様であるので、それらの説明は省略する。また、本実施形態の現像装置を用いる画像形成装置も、上記図7で示す制御部で制御することができる。
また、上記グリッド状の平板からなる剥離部材12は、現像スリーブ4の表面に対して間隔Ghになるように近接配置しているので、現像剤収容部S内の現像スリーブ表面から離れた位置に現像剤が自由に移動可能なスペースが確保される。したがって、現像剤収容部S内においてドクタ6で進行が阻止された現像剤がほとんど妨げられることなくトナー補給口8a側に移動するようになる。よって、トナー補給口8a側に移動した現像剤とトナーホッパ8のトナーとの接触状態を変化させて、該現像剤中へのトナーの取り込み状態を変化させることによる、該現像剤のトナー濃度制御機能を確実に維持することができる。
次に、本実施形態に係る現像装置のより具体的な実施例について説明する。
図19に示す現像装置を使い、まず現像スリーブ4の長手方向でトナー消費の異なる様な黒白交互に構成されたテストチャートをプリント対象の画像として用いて20枚の画像形成を行った。その後、全面均一なハーフトーンで構成されたテストチャートにて再び画像形成を行った。現像条件は、上記剥離ローラを用いた表1と同様に設定した。
また、本実施例の現像装置における実験では、上記剥離部材12と現像スリーブ4の間隔Gh及び現像スリーブ4とプレドクタ7aの間隔Gd2が上記(2)式の関係を満足するように構成すると、良好な混合・撹拌能力が得られた。
また、グリッド形状の平板からなる剥離部材12を用い、現像スリーブ4上の搬送現像剤3bの一部(上層のみ)を剥離しているので、トナー補給口8aにおける搬送現像剤3bとトナーホッパ8のトナーとの接触状態を変化させて、該現像剤中へのトナーの取り込み状態を変化させる自己トナー濃度制御機構を安定に維持することもできた。
図23は、本発明の第4の実施形態に係る現像装置の概略構成を示す断面図である。図23において、上記第1の実施形態における図1及び図3と同様な部分には同一の符号を付してあり、それらの機能も同様であるので、それらの説明は省略する。また、本実施形態の現像装置を用いる画像形成装置も、上記図7で示す制御部で制御することができる。
次に、本実施形態に係る現像装置のより具体的な実施例について説明する。
図23に示す現像装置を使い、実験条件は、表5のような範囲内で設定した。
本比較例の現像装置の構成は、上記実施例4と同様にし、撹拌用櫛部材20を設けずに上記と同様の手順で画像形成を行った。この結果、ハーフトーン画像に画像幅方向での濃度ムラが発生してしまった。
図26は、本発明の第5の実施形態に係る現像装置の概略構成を示す断面図である。この現像装置は、上記実施形態4で示した図23に表した現像装置とほぼ同様の構成から成っている。図23の現像装置との主な相違点は以下の通りである。
本実施形態の現像装置では、上記現像剤撹拌部材に代えて、現像剤収容部S内におけるトナーホッパ8に隣接する位置で現像スリーブ4の表面に対向し、該現像スリーブ4に担持搬送されている現像剤のうちトナーホッパ8からトナーを取り込んだ部分に接触する可撓性板状部材としてのシート部材21を設けている。
また、図23の現像装置は、トナー補給口8aの底面が僅かに受け皿状に湾曲しているのに対して、本実施形態の現像装置のトナー補給口8aの底面はトナーホッパ8から現像スリーブ4側に向かって直線的に下降傾斜した形状になっている。また、トナーホッパ8を水平面で切断した断面において、トナーホッパ8内としての領域が図23の現像装置に比して狭くなっている。更に、図23の現像装置においては、現像剤収容ケース7が、現像剤収容部Sを囲む上壁面、側壁面及び下壁面(プレドクタ7a)の境界部が曲面になるように構成されている。これに対して、図26の現像装置においては、現像剤収容ケース7が、現像剤収容部Sを囲む側壁面と下壁面(プレドクタ7a)との境界部が曲面ではなく急激に屈曲するように構成されている。
上記以外の装置構成及び動作については、図23とほぼ同様なので、説明を省略する。
(実施例5)
図27は、本実施例に係る現像装置の主要部の説明図である。この図は、図26の現像装置における現像剤収容部Sと現像剤収容部Sへのトナー取り込み部を部分拡大したものである。この現像装置では、プレドクタ7aの現像剤収容部S側の側面に、可撓性板状部材としてのシート部材21を設けている。このシート部材21はポリウレタンシールから構成している。但し、シート部材21に用いる材質としては、ポリウレタンシールに限定されるものではなく、可撓性を有するシート状又は板状の部材であればよく、以下の実施形態についても同様である。
このシート部材21は、プレドクタ7aの現像剤収容部S側の内側面に貼り付けられ、現像スリーブ4側の端部が自由端21aとなって現像スリーブ4表面に担持され搬送される搬送現像剤に引っ張られるようにして現像剤搬送方向下流側に撓んだ形状となる。この位置が第3規制位置となり、プレドクタ7aによる第2規制位置で現像剤収容部S内に取り込まれたトナー3aの圧力によってシート部材21がその可撓性によって撓んだり復元する。このシート部材21により、現像剤中に過剰に取り込まれたトナー3aが現像スリーブ4による現像剤搬送方向の下流側領域へ搬送されることを防止する。これとともに、第3規制位置で現像剤中のトナー濃度を現像スリーブ4による現像剤搬送方向に直交する画像幅方向、即ち画像幅方向で均一にならす。そして、このようにして過剰なトナー3aが除かれるとともに画像幅方向で均一となったトナー3aが現像スリーブ4上の搬送現像剤に取り込まれ、ドクタ6による規制位置でさらに均一にならされて現像に使用される。
このようなシート部材12を設けて現像を行った結果、形成された画像には、幅方向での濃度ムラはなく、良好な画像が得られた。
図28は、実施例6に係る現像装置の主要部の説明図である。この図も、図26の現像装置における現像剤収容部Sと現像剤収容部Sへのトナー取り込み部を部分拡大したものである。この実施例6のシート部材22の上記実施例5と異なる点は、シート部材22の自由端22aが現像スリーブ4表面に接触するための最短の長さよりも長くなっていることである。これによって、自由端22aの先端が、現像スリーブ4表面に接触し、現像スリーブ4表面の移動に伴ってその移動方向下流側に連れ動いて撓んだ形状となる。この位置が第3規制位置となり、現像スリーブ4に担持搬送されるトナー3aがシート部材22に接触しながらシート部材22と相対移動する。これにより、余分なトナー3aを第3規制位置でせき止めるとともに、現像剤中のトナー濃度を現像スリーブ4による現像剤搬送方向に直交する画像幅方向で均一にならす。
以上のようにして過剰なトナー3aが除かれるとともに画像幅方向で均一となったトナー3aが現像スリーブ4上の搬送現像剤上に取り込まれ、ドクタ6による規制位置を通過して現像に使用される。
このようなシート部材22を設けて現像を行った結果、形成された画像には、幅方向での濃度ムラはなく、良好な画像が得られた。
図29は、実施例7に係る現像装置の主要部の説明図である。この図も、図26の現像装置における現像剤収容部Sと現像剤収容部Sへのトナー3b取り込み部を部分拡大したものである。この実施例7のシート部材23は、上記実施例6と同様、シート部材23の自由端23aが現像スリーブ4表面に接触するための最短の長さよりも長くなっている。更に、本実施例7のシート部材23は、その厚みを調整することによって、自由端23aが現像スリーブ4表面の搬送現像剤により生じる圧力で湾曲した形状となるようにしている。これによって、シート部材23の自由端23aは、現像スリーブ4上の搬送現像剤に、画像幅方向で均一に、現像剤搬送方向で長く面接触する。この面接触した部分が第3規制位置となる。
上記構成によって、過剰なトナー3aが除かれるとともに画像幅方向で均一となったトナー3aが現像スリーブ4上の搬送現像剤上に取り込まれ、ドクタ6による規制位置を通過して現像に使用される。
このようなシート部材23を設けて現像を行った結果、形成された画像には、幅方向での濃度ムラはなく、良好な画像が得られた。
図30は、本実施例8に係る現像装置の主要部の説明図である。この図も、図26の現像装置における現像剤収容部Sと現像剤収容部Sへのトナー取り込み部を部分拡大したものである。そして、本現像装置で用いたシート部材24は、シート部材24の自由端24aの長さ(自由長)を現像スリーブ4表面に接触するための最短の長さよりも長くし、その自由端24aの長さを調整することによって、自由端24aが現像スリーブ4表面の搬送現像剤により生じる圧力で湾曲した形状となるようにしている。これによって、シート部材24の自由端24aは、現像スリーブ4上の搬送現像剤に、搬送方向幅方向で均一に、現像剤搬送方向で長く面接触する。この面接触した部分が第3規制位置となる。
上記構成によって、過剰なトナー3aが除かれるとともに画像幅方向で均一となったトナー3aが現像スリーブ4上の搬送現像剤上に取り込まれ、ドクタ6による規制位置を通過して現像に使用される。
このようなシート部材24を設けて現像を行った結果、形成された画像には、幅方向での濃度ムラはなく、良好な画像が得られた。
図31は、実施例9に係る現像装置の主要部の説明図である。この図も、図6の現像装置における現像剤収容部Sと現像剤収容部Sへのトナー取り込み部を部分拡大したものである。本現像装置で用いたシート部材25は、シート部材25の自由端25aの長さを現像スリーブ4表面に接触するための最短の長さよりも十分長くし、現像スリーブ4表面との対向部を上方ループ状に巻き上げ、ループの曲面の外周面部25bが現像スリーブ4表面の搬送現像剤に接触するようにしている。これによって、外周面部25bの張りによって強度を増したシート部材25が、現像スリーブ4上の搬送現像剤に接触し第3規制位置を形成する。
上記構成によって、過剰なトナー3aが除かれるとともに画像幅方向で均一となったトナー3aが現像スリーブ4上の搬送現像剤上に取り込まれ、ドクタ6による規制位置でさらに均一にならされ、現像に使用される。
このようなシート部材25を設けて現像を行った結果、形成された画像には、幅方向での濃度ムラはなく、良好な画像が得られた。
2 現像装置
2a ケーシング
3 現像剤
3a トナー
3b 搬送現像剤
3c 収容現像剤
3d 剥離現像剤
3e 滞留現像剤
4 現像スリーブ
5 マグネットローラ
6 ドクタ
7 現像剤収容ケース
7a プレドクタ
8 トナーホッパ
8a トナー補給口
9 トナーアジテータ
10 くさび状の剥離部材
11 剥離ローラ(磁性体)
12 剥離部材(グリッド状の平板)
13,14 剥離ローラ(マグネットローラ)
20 撹拌用櫛部材
21〜25 シート部材
50 帯電ローラ
51 光書き込みユニット
52 用紙
53 転写ローラ
100 エンジン制御部
101 エンジン制御用CPU
110 画像データ処理部
S 現像剤収容部
Claims (22)
- 内部に磁界発生手段を有し、トナーと磁性キャリアとを含む現像剤を担持して搬送するように表面移動する現像剤担持体と、
該現像剤担持体に担持され現像領域に向けて搬送される該現像剤の量を規制する第1現像剤規制部材と、
該第1現像剤規制部材で該現像領域に向けての搬送を規制された現像剤を収容する現像剤収容部と、
該現像剤収容部の現像剤搬送方向上流側で該現像剤担持体表面に臨むトナー補給用開口を有するトナー収容部と、
該現像剤担持体の表面が該トナー収容部のトナー補給用開口に対向している対向部から該現像剤収容部に向かって該現像剤担持体の表面に連れ回るように担持搬送されている該現像剤担持体上の搬送現像剤の量を規制する第2現像剤規制部材とを備え、
該第2現像剤規制部材と該現像剤担持体の表面との間隙が、該現像剤担持体上の該搬送現像剤のトナー濃度上昇に伴って該第2現像剤規制部材による該搬送現像剤の規制量が増加するように設定されている現像装置において、
該第2現像剤規制部材と該第1現像剤規制部材との間の該現像剤収容部内で該現像剤担持体の表面に非接触で対向し、該現像剤担持体の表面に連れ回るように担持搬送されている該搬送現像剤の上層部を剥離する剥離部材を備え、
該現像剤担持体で担持搬送されて該剥離部材に到達した該搬送現像剤が、該現像剤担持体と該剥離部材との間を通過するように搬送される非剥離現像剤と、該剥離部材によって剥離され該剥離部材の該現像剤担持体側とは反対側の表面に沿って移動しながら該現像剤収容部内の収容現像剤と混合される剥離現像剤とに分かれ、該非剥離現像剤と該剥離現像剤とが、該現像剤収容部内における該剥離部材の現像剤搬送方向下流側で合流することを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記剥離部材と上記現像剤担持体の表面との間隙をGhとし、上記第2現像剤規制部材と該現像剤担持体の表面との間隙をGd2としたとき、
0<Gh<Gd2
の関係を満たすことを特徴とする現像装置。 - 請求項1の現像装置において、
上記磁界発生手段は、上記剥離部材に対向する位置と上記第2現像剤規制部材に対向する位置との間に磁極を有していないことを特徴とする現像装置。 - 請求項3の現像装置において、
上記第2現像剤規制部材に対向する位置から上記剥離部材に対向する位置に至るまで上記現像剤担持体表面上の磁束密度が、該現像剤担持体表面に上記現像剤を磁力で担持できる磁束密度であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1、2、3、又は4の現像装置において、
上記剥離部材がローラ状の回転部材であり、
該現像剤担持体との対向部で該現像剤担持体表面とは反対方向に表面移動するように、該剥離部材を回転駆動する回転駆動手段を備えていることを特徴とする現像装置。 - 請求項5の現像装置において、
上記剥離部材が、磁性体を用いて構成されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項6の現像装置において、
上記剥離部材が、上記現像剤担持体上の現像剤搬送方向と交差する方向の両端部で支持されたものであり、
該剥離部材の該交差方向における中央部の径が両端部の径よりも小さいことを特徴とする現像装置。 - 請求項1、2、3、又は4の現像装置において、
上記剥離部材が、上記現像剤担持体上の現像剤搬送方向と交差する方向に沿って延在し且つ磁性体を含む部材であり、
該現像剤担持体との対向部で該現像剤担持体表面とは反対方向に表面移動するように、該剥離部材を回転駆動する回転駆動手段を備えていることを特徴とする現像装置。 - 請求項1、2、3、又は4の現像装置において、
上記剥離部材が、上記現像剤担持体上の現像剤搬送方向に交差する方向に沿って延在し且つ表面に磁極が着磁された部材であり、
該現像剤担持体との対向部で該現像剤担持体表面とは反対方向に表面移動するように、該剥離部材を回転駆動する回転駆動手段を備えていることを特徴とする現像装置。 - 請求項9の現像装置において、
上記剥離部材がローラ状の回転部材であり、
該剥離部材の表面に、上記磁極が複数着磁されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項10の現像装置において、
上記複数の磁極が、S極及びN極を交互に着磁したものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項11の現像装置において、
上記複数の磁極がそれぞれ、該剥離部材の回転軸の延在方向に沿って直線状に着磁されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項10の現像装置において、
上記剥離部材の回転軸の延在方向にS極及びN極が交互に並んだ磁極群をさらに該剥離部材表面の周方向に複数配列させるように、上記複数の磁極を着磁したことを特徴とする現像装置。 - 請求項5、6、7、8、9、10、11、12又は13の現像装置において、
上記回転駆動手段が、上記剥離部材の回転速度を変化させて回転駆動可能なものであることを特徴とする現像装置。 - 請求項14の現像装置において、
現像対象の画像における画像比率に基づいて、上記回転駆動手段を制御する制御手段を設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項14の現像装置において、
装置内の温度を測定するための温度測定手段と、
該温度測定手段の温度測定結果に基づいて上記回転駆動手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項14の現像装置において、
装置内の湿度を測定するための湿度測定手段と、
該湿度測定手段の湿度測定結果に基づいて上記回転駆動手段を制御する制御手段とを設けたことを特徴とする現像装置。 - 請求項5、6、7、8、9、10、11、12又は13の現像装置において、
上記剥離部材の表面が粗し加工されていることを特徴とする現像装置。 - 請求項6又は7の現像装置において、
上記剥離部材が磁性体を用いて構成され且つ上記現像剤担持体表面における法線方向磁束密度分布のピーク位置に対向していることを特徴とする現像装置。 - 請求項19の現像装置において、
上記剥離部材の周面上で上記現像剤担持体と対向する側とは反対側の面における法線方向磁束密度が5mT以上であることを特徴とする現像装置。 - 請求項1、2、3、又は4の現像装置において、
上記剥離部材が、グリッド状の平板であることを特徴とする現像装置。 - 潜像担持体上に潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上の潜像を現像しトナー像を形成する現像装置と、該潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写装置とを備えた画像形成装置において、
該現像装置として、請求項1乃至21のいずれかの現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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