JP4154567B2 - 4−ジフルオロメトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの製造方法およびその製造中間体である4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒドに関する。
【0002】
【従来の技術】
4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドはPDE IV阻害剤等の医農薬の中間体として有用である。4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成では、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドからのジフルオロメチルエーテル化による方法のみが知られている。クロロジフルオロメタンによるジフルオロメチルエーテル化ではUS5449686で収率18%、特表平8-507039号公報でやはり収率18%、特表平8-501318号公報で収率19%にすぎない。低収率の原因は基質の反応性の低さと、2つあるヒドロキシル基のうち、ホルミル基に対しパラ位の水酸基に選択的にジフルオロメチル基を導入しなければならないという選択性の低さにある。
【0003】
また、特表平10-513453ではクロロジフルオロカルボン酸エステル又はアルカリ金属塩によるジフルオロメチルエーテル化が開示され、収率47%と比較的良好な収率である。
【0004】
しかし、やはり2つあるヒドロキシル基のうち、ホルミル基に対しパラ位の水酸基に選択的にジフルオロメチル基を導入しなければならないという問題があり、かつクロロジフルオロカルボン酸エステル又はクロロジフルオロカルボン酸は高価な試薬であり、経済的ではない。また、3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒド自体が高価な試薬であり、かつ回収が困難である。また、いずれの報告においてもシリカゲルカラムによる精製が行われており、工業スケールでの製造が非常に困難である。精製や原料回収が困難であるのは以下の理由によるものである。
【0005】
3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドを出発原料とした場合、反応組成物中の主成分は以下の4化合物である。
【0006】
【化9】
【0007】
式(5)の化合物は原料であり、式(4)の化合物は目的物である。式(6)の化合物は目的物の位置異性体であり、式(7)の化合物は目的物及びその位置異性体からさらに反応が進んだ結果生じた化合物である。
【0008】
これらのうち、式(7)の化合物はフェノール性水酸基を持たないため、溶媒抽出、アルカリ水溶液洗浄で容易に分離可能である。ただし、これは副生物であるので廃棄となる。式(4)、(5)及び(6)の化合物の分離ではいずれもフェノール性水酸基を有するために、アルカリ水溶液洗浄でも分離できず、さらに原料の式(5)は沸点が高すぎるため、減圧蒸留をもってしても分離や回収ができない。報告されている方法では式(5)及び式(6)の化合物の混入が起こり、再結晶による精製では式(4)の化合物の収量が著しく少なくなり、かつ高純度で得ることが困難であり、最悪の場合はオイルアウトを起こし、結晶が得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低コスト、高収率で簡便に4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを製造できる方法を提供することである。特に4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを製造する方法において、安価な化合物であるバニリン及びフルオロハロカーボン化合物を用いて製造するのが好ましい。
【0010】
本発明の他の目的は、4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの有用な製造中間体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
バニリンはバニラエッセンスとして欠かせない香料であり、木材中のリグニンから製造され安価かつ供給が極めて容易である。また、反応性基であるヒドロキシル基が1つしかないため、選択的ジフロロメチルエーテル化を行う必要がない。
【0012】
【化10】
【0013】
バニリン(1)のジフルオロハロカーボン化合物(CHF2-Y;YはCl、Br又はIである)、特にYがClであるクロロジフルオロメタンによるジフルオロメチルエーテル化では、反応は定量的であった。バニリン、ジフルオロハロカーボン化合物ともに安価である。また反応が定量的であるので原料を回収する必要はない。精製も抽出、水洗後、減圧蒸留という簡便な操作で収率97%、純度99%以上で目的とする式(3)
【0014】
【化11】
【0015】
を得ることができる。
【0016】
次に、得られた式(3)
【0017】
【化12】
【0018】
をホルミル基に対し4位のジフルオロメトキシ基を残したまま3位のメトキシ基をヒドロキシル基に脱メチル化する。
【0019】
フェノール性水酸基の保護基としてメチルエーテルを用いる手法は広く知られており、当然その脱離方法も多数知られている。ただし、ホルミル基に対し4位のジフルオロメトキシ基を残したまま3位のメトキシ基をヒドロキシル基にするという選択的脱離が必要であり、かつホルミル基が反応しないようにする必要がある。
【0020】
本発明者が鋭意検討を行った結果、本発明の1つの具体例では、アルカリ金属塩を用いることにより、3位のメトキシ基の脱離:4位のジフルオロメトキシ基の脱離=97:3という極めて高い選択性で、かつ反応した式(3)の化合物
【0021】
【化13】
【0022】
に対しての収率76%(実収率65%)という高収率で4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(4)が得られることを見出した(原料回収14%)。
【0023】
【化14】
【0024】
精製においても、抽出、減圧蒸留及び再結晶という簡便な操作を用いることにより、反応した式(3)の化合物
【0025】
【化15】
【0026】
に対しての収率64%(実収率55%)という高収率で4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(4)を純度98%以上で製造することが可能である。
【0027】
また、未反応の式(3)の化合物
【0028】
【化16】
【0029】
は生成する目的物、副生物と違い、フェノール性水酸基を持たないため、アルカリ水溶液洗浄による有機溶媒抽出の後、溶媒留去することにより容易に回収が可能である。特に式(3)の化合物は、式(4)の目的物と簡便な蒸留操作により反応混合物から分離回収することができる。回収した式(3)の化合物
【0030】
【化17】
【0031】
は上記回収方法で再び反応に用いることができる。したがって、原料のほぼ全てを用いることができ、環境、コストの面からも非常に有利である。
【0032】
本発明の好ましい実施形態の1つでは、上記方法を用いることにより、2工程でのトータル収率74%という高収率で4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを製造することができ、かつ3,4-ジヒドロキシベンズアルデヒドやクロロジフルオロカルボン酸エステル又はクロロジフルオロカルボン酸等の高価な試薬を用いる必要がないため、低コストで製造することができる。また、蒸留による精製を行うことにより、目的物(4)を工業スケールでの製造も可能であることを見出し、ここで本発明を完成するに至った。
【0033】
本発明は、4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(4)の製造方法を提供するものである。
【0034】
具体的には、式(1)
【0035】
【化18】
【0036】
で表されるバニリンを式(2)
CHF2−Y(Y=Cl,Br,I) (2)
で表されるジフルオロハロカーボン化合物及び塩基の存在下、反応させてバニリンの4位のヒドロキシル基をジフルオロメトキシ基にして式(3)
【0037】
【化19】
【0038】
の化合物を合成する。
【0039】
使用されるジフルオロハロカーボン化合物(2)としてはクロロジフルオロメタン、ブロモジフルオロメタン、ヨードジフルオロメタンが使用できるが、コスト、反応性の点からクロロジフルオロメタン、ブロモジフルオロメタンが好ましい。使用されるハロジフルオロメタンの量は基質(1)に対し1〜10当量、好ましくは1.5〜3.5当量である。
【0040】
使用される塩基としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素塩、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物等の一般に用いられる無機塩基が使用できるが、トリエチルアミン等の有機塩基を使用することもできる。使用される塩基の量は基質(1)に対し1〜10当量、好ましくは1.5〜3.5当量である。
【0041】
上記のバニリン(1)とジフルオロハロカーボン化合物(2)及び塩基の反応は、通常溶媒の存在下に行われる。
【0042】
使用される溶媒としてはDMF、THF、1,4-ジオキサン、N-メチルピロリドン、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、グライム、ジグライム、トリグリム等の非プロトン性溶媒や水が使用できる。DMF、THFが反応性、コストの点から好ましい。反応濃度は特に限定されるものではないが、0.1〜6mol/l程度、特に0.5〜2mol/lがコスト、操作の点から好ましい。反応温度は0℃〜130℃、好ましくは60℃〜90℃である。好ましい反応時間は30分から24時間程度であるが、反応スケールが大きくなると長くなる場合もあり、最適の反応時間を選択すればよい。反応終了後、慣用されている分離手段、例えば、溶媒抽出、減圧蒸留等によって、式(3)
【0043】
【化20】
【0044】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒドが得られ、例えば実施例1では、収率97%で得ることができる。
【0045】
その後、式(3)
【0046】
【化21】
【0047】
で表される化合物をアルカリ金属塩存在下、反応させて式(4)
【0048】
【化22】
【0049】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを得る。
【0050】
使用されるアルカリ金属塩としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物、アルカリ金属硫酸塩、アルカリ金属硝酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属酢酸塩等が使用でき、無水物、水和物いずれも用いることができる。反応性、コストの点から、臭化リチウムの水和物が好ましい。
【0051】
式(3)の化合物の脱メチル化反応は、溶媒の存在下に行うのが好ましい。
【0052】
使用される溶媒としてはDMF、THF、1,4-ジオキサン、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、グライム、ジグライム、トリグリム等の非プロトン性両親媒性溶媒、ブタノール、ヘプタノ−ル、ヘキサノ−ル、トルエン、キシレン、酢酸ブチルが使用できる。反応性、コストの点からDMFまたはN-メチルピロリドンが好ましい。
【0053】
反応濃度は特に限定されるものではないが、0.1〜6mol/l程度がコスト、操作の点から好ましい。反応温度は100℃〜180℃、好ましくは130℃〜150℃、好ましい反応時間は、30分〜48時間程度である。
【0054】
本発明の1つの実施形態では、反応終了後、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによっても、目的物である式(4)
【0055】
【化23】
【0056】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを反応した式(3)
【0057】
【化24】
【0058】
の化合物に対しての収率76%(実収率65%)という高収率で得ることができるが、以下の精製方法が好ましい。
【0059】
反応終了後、必要に応じて反応混合物を溶媒抽出し、水洗する。
【0060】
抽出溶媒は抽出に一般的に用いられている溶剤を用いることができ、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等を用いることができる。
【0061】
溶媒を留去した後、減圧蒸留を行う。減圧度は特に限定されるものではないが30mmHg以下、好ましくは10mmHg以下、より好ましくは3mmHg以下で行う。加熱温度は100℃〜250℃、好ましくは130℃〜170℃である。得られた留分をアルカリ水溶液に溶かし、有機溶媒で洗浄し、アルカリ水溶液で逆抽出する。
【0062】
使用されるアルカリ水溶液は、溶解度、コストの点から水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等が好ましい。濃度は0.1〜5M、好ましくは0.5〜2Mである。
【0063】
使用される有機溶媒は酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸メチル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、クロロホルム、ジクロロメタン、トルエン等を用いることができる。
【0064】
分離した有機層は溶媒留去、必要なら蒸留により、原料である式(3)
【0065】
【化25】
【0066】
の化合物をほぼ純品で定量的に回収することができる。
【0067】
分離した水層は、酸性水溶液又は酸性ガスを添加する中和による再結晶を行う事により目的物である式(4)
【0068】
【化26】
【0069】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを反応した式(3)
【0070】
【化27】
【0071】
の化合物に対しての収率64%(実収率55%)という高収率、純度98%以上で得ることができる。
【0072】
水層に添加する酸性水溶液は塩酸、硫酸等の一般的な強酸が好ましい。濃度は1%以上、好ましくは10%以上である。
【0073】
酸性ガスとしては塩化水素ガス、亜硫酸ガス等が好ましい。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明する。
実施例1
式(3)
【0075】
【化28】
【0076】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒドの合成
バニリン(100g,0.655mol)と炭酸カリウム (181g,1.31mmol)をDMF(655ml)と水(65ml)の混合溶液に溶かし、オイルバスにて80℃に加熱しながら、クロロジフルオロメタン(200g,2.31mol)をバブリングさせつつ、2時間加熱攪拌を行った。同温度で減圧度6〜7mmHgにてDMFを減圧留去し、室温まで冷却した。水500mlを加え、ジイソプロピルエーテル1リットルで2回抽出した。
【0077】
ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗生成物を減圧蒸留(6mmHg)し、125℃の留分を採取することにより、4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(3)を無色粘調性液体として得た。収量128g(97%) 純度(NMR)>99%
マススペクトル(M+):202
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):
9.9ppm(1H,s) ,7.2-7.5ppm(3H,m),6.7ppm(1H,t,J=74),4.0ppm(3H,s)
19F-NMR(CDCl3) (CFCl3基準)
-82.4ppm(d,J=74)
実施例2
式4
【0078】
【化29】
【0079】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(117.6g,0.582mol)、臭化リチウム・1水和物(122g,1.164mol)、NMP(582ml)を加え、140℃に加熱して20時間攪拌させた。100℃まで冷却し、減圧度6〜7mmHgにてNMPを減圧留去し、室温まで冷却した。水700mlを加え、酢酸エチル1リットルで2回抽出した。ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(4)を無色針状結晶で得た。
収量71g(65%) 純度(LC)>99%
融点84〜85℃
同時に、式1で
【0080】
【化30】
【0081】
で表されるバニリン(1.77g,2%)及び式3
【0082】
【化31】
【0083】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド(16.5g,回収率14%)を単離した。
実施例3
式4
【0084】
【化32】
【0085】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(117.6g,0.582mol)、臭化リチウム・1水和物(122g,1.164mol)、NMP(N−メチルピロリドン;582ml)を加え、140℃に加熱して20時間攪拌させた。100℃まで冷却し、減圧度6〜7mmHgにてNMPを減圧留去し、室温まで冷却した。水700mlを加え、酢酸エチル1リットルで2回抽出した。ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗生成物を減圧蒸留(2mmHg)し、100℃〜130℃の留分を採取する。得られた留分を1N−水酸化ナトリウム水溶液500mlに溶かし、ジイソプロピルエーテル300mlで洗浄による逆抽出を行う。水層を分離し、液温を10〜15℃に保ったまま、濃塩酸(36%)50mlを滴下し、結晶化を行う。2℃にて18時間静置し、結晶を熟成させた後、ろ過、冷水(2℃)50mlで洗浄し、40℃にて重量減少がなくなるまで真空乾燥さることにより4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを無色結晶で得た。
収量60g(55%) 純度(LC)99%
融点84〜85℃
また、逆抽出時の有機層の溶媒を減圧留去することにより、原料である式(3)
【0086】
【化33】
【0087】
4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド(16.5g,回収率14%)を回収した。
実施例4
式4
【0088】
【化34】
【0089】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(117.6g,0.582mol)、臭化リチウム(227g,2.617mol)にDMF(1.5リットル)を加え、140℃に加熱して22時間攪拌させた。80℃まで冷却し、減圧度6〜7mmHgにてDMFを減圧留去し、室温まで冷却した。水700mlを加え、酢酸エチル1リットルで2回抽出した。ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより、4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒド(4)を無色針状結晶で得た。収量60g(55%) 、純度(LC)>99%、融点84〜85℃
同時に、式1
【0090】
【化35】
【0091】
で表されるバニリン(3.55g,4%)
及び式3
【0092】
【化36】
【0093】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド(28g,回収率24%)を単離した。
実施例5
式4
【0094】
【化37】
【0095】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの合成
窒素雰囲気下、4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシベンズアルデヒド(117.6g,0.582mol)、臭化リチウム(227g,2.617mol)にDMF(1.5リットル)を加え、140℃に加熱して22時間攪拌させた。80℃まで冷却し、減圧度6〜7mmHgにてDMFを減圧留去し、室温まで冷却した。水700mlを加え、酢酸エチル1リットルで2回抽出した。ブライン洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。粗生成物を減圧蒸留(2mmHg)し、100℃〜130℃の留分を採取する。得られた留分を1N−水酸化ナトリウム水溶液500mlに溶かし、ジイソプロピルエーテル300mlで洗浄による逆抽出を行う。水層を分離し、液温を10〜15℃に保ったまま、濃塩酸(36%)50mlを滴下し、結晶化を行う。2℃にて18時間静置し、結晶を熟成させた後、ろ過、冷水(2℃)50mlで洗浄し、40℃にて重量減少がなくなるまで真空乾燥さることにより4-ジフルオロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドを無色結晶で得た。
収量49g(45%) 純度(LC)99%
融点84〜85℃
また、逆抽出時の有機層の溶媒を減圧留去することにより、原料である式(3)
【0096】
【化38】
【0097】
で表される4-ジフルオロメトキシ-3-メトキシ-ベンズアルデヒド(28g,回収率24%)を回収した。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、容易かつ高収率、低コストな4-ジフロロメトキシ-3-ヒドロキシベンズアルデヒドの製造方法を提供できる。
Claims (4)
- Yが、塩素原子である請求項2記載の製造方法。
- 式(3)で表される4−ジフルオロメトキシ−3−メトキシベンズアルデヒド及び式(4)で表される4−ジフルオロメトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドを含む反応混合物から、式(4)で表される4−ジフルオロメトキシ−3−ヒドロキシベンズアルデヒドを蒸留により精製する請求項1または2に記載の製造方法。
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JP2004002247A (ja) | 2004-01-08 |
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