JP4154093B2 - 乾式トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法などを利用した記録方法に用いられる乾式トナー及び画像形成方法に関するものである。詳しくは、本発明は、予め静電潜像担持体上に静電潜像を形成後、乾式トナーにより顕像化した後、転写材上に転写させて記録する、複写機、プリンター、ファックス等の電子写真、静電記録、静電印刷に用いられる乾式トナー及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法としては多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により像担持体(感光体)上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーで現像を行なって可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー像を転写した後、熱・圧力等により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得るものである。
【0003】
電気的潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、磁気ブラシ現像法、加圧現像方法等が知られている。さらには、磁性トナーを用い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体上とスリーブ上の間を電界にて飛翔させる方法も用いられている。
【0004】
二成分現像方式は一成分方式と比べて、ガラスビーズや鉄粉等のキャリア粒子が必要なため、現像装置自体を小型化・軽量化するのが困難である。さらには、二成分現像方式はキャリア中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、トナー濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要である。よって、ここでも現像装置が大きく重く、また、かかるコストも高くなる。一成分現像方式ではこのような装置は必要とならないため、やはり小さく軽く安価にできるため好ましい。
【0005】
また、プリンター装置はLED、LBPプリンターが最近の市場の主流になっているが、その解像度においては従来300dpi程度であったものが1200、2400dpiとなり、より高解像度、高精細の画像形成が要求されるようになってきている。また、複写機においても高度なデジタル化による画像の高精細化が最近の市場の主流になってきており、プリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が要求されてきている。
【0006】
そこで高解像・高精細の現像に対応するために、トナー粒子に所望の摩擦帯電性を付与する添加剤として、特定の荷電制御剤を添加することが行われている。
【0007】
今日当該技術分野で知られている公知の荷電制御剤としては、負摩擦帯電性として、モノアゾ染料の金属錯塩、ヒドロキシカルボン酸、ジカルボン酸、芳香族ジオール等の金属錯塩、酸成分を含む樹脂等がある。しかし、荷電制御剤の結晶性に関する記載がなく、結晶性の荷電制御剤としての効果は明確にされていない。
【0008】
従来、トナー用の荷電制御剤に関して非常に多くの出願がなされており、アゾ系の金属錯体については特開昭52−67331号公報、特開昭56−35142号公報、特開昭57−141452号公報、特開昭57−167033号公報、特開昭62−177561号公報、特開平1−306862号公報、特開平2−153362号公報をはじめとしていくつかの提案がなされている。
【0009】
また、特開平7−114218号公報では、アゾ系の鉄錯体を含有するトナーにおいて荷電制御剤の粒度分布を規定した提案がなされている。しかし、かかる公報では、荷電制御剤の結晶化時の温度を制御することで荷電制御剤の粒度分布を制御するという記載があるが、荷電制御剤の結晶構造に関する記載がなされておらず、荷電制御剤の結晶に関する効果が明確ではない。
【0010】
また、特開平10−73965号公報では、トナー中に存在する荷電制御剤の結晶粒子の長径と短径の比を規定する提案がなされている。しかし、帯電制御剤の構造が本発明の荷電制御剤とは明らかに異なる上に、磁性体が必須の要素になっている点が本発明と異なる。
【0011】
また、静電荷像現像方法において、現像工程で感光体上に形成されたトナー像は転写工程で転写材に転写されるが、感光体上に残った転写残トナーはクリーニング工程でクリーニングされ、廃トナー容器内に蓄えられる。このクリーニング工程については、従来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ローラークリーニング等が用いられていた。装置面からみると、かかるクリーニング装置を具備するために装置が必然的に大きくなり装置のコンパクト化を目指すときのネックになっていた。さらには、自然保護的エコロジーの観点から、廃棄の対象となる廃トナーの少ないシステムが望まれている。
【0012】
また、高画質な画像出力を達成するために、現像プロセス、特に静電潜像担持体、中間転写体、帯電部材等とのマッチングをより高めることが重要であるが、そのために帯電特性に優れ、現像における画像濃度と画像カブリのバランスのとれた、かつ転写効率の良いトナー及び現像方法が必要である。
【0013】
特開昭61−279864号公報では、球形トナーとして形状係数SF−1及びSF−2を規定したトナーが開示されている。しかしながら、該公報には転写に関してなんの記載もなく、また、実施例を行った結果、転写効率が低く、さらなる改良が必要である。
【0014】
さらに、特開昭63−235953号公報においては、機械的衝撃力により球形化した磁性トナーが提案されている。しかしながら、かかるトナーは転写効率はいまだ不十分であり、さらなる改良が必要である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、上記の欠点を改善した乾式トナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0016】
本発明の目的は、荷電制御剤の結晶性を特定することにより、トナーの帯電速度及び帯電量をコントロールし、画像濃度の向上と画像カブリが改善された乾式トナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0017】
更に本発明の目的は、現像スリーブや感光体ドラム、中間転写体等に悪影響を及ぼさない、電子写真プロセスに高度に適用した乾式トナー及び画像形成方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明者等は上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、特定の結晶性を有する荷電制御剤をトナー中に含有させることによって、トナーの帯電速度の向上と飽和帯電量の増加に著しい効果が得られ、現像方法において、トナーの初期及び耐久時の画像カブリ低減に優れた効果が得られることを見いだし本発明に至った。
【0019】
また、本発明は、フロー式粒子像測定装置で計測されるトナー形状を限定することにより、相乗的に上記の問題が解決され、トナー性能が更に向上することを見いだし本発明に至った。
【0020】
さらに本発明は、一定の現像システムとの組み合わせにおいて優れた効果があることを見いだし、本発明に至った。
【0021】
またさらに本発明は、トナー中のワックス成分の状態が特定の分散状態にある場合、上記効果に加えトナーの定着装置汚染低減に対しても効果があることを見いだし、本発明に至った。
【0022】
すなわち本発明は、結着樹脂、着色剤、ワックス成分及び荷電制御剤を少なくとも含有する乾式トナーにおいて、
該荷電制御剤は、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ(CrKα)が10度未満の範囲内にI0(全X線回折スペクトルにおいて、強度が最大の回折線の高さ)を有し、且つ、ブラッグ角2θが10度以上60度未満の範囲内に、I0とI(各回折線の高さ)の比がI/I0<0.5の関係を満たし、且つ、該荷電制御剤が実質的に下記式(I)で表されることを特徴とする乾式トナーに関する。
【0023】
【化4】
Figure 0004154093
Figure 0004154093
【0024】
さらに本発明は、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であり、且つ該トナーの円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%であることを特徴とする乾式トナーに関する。
【0025】
さらに本発明は、トナー粒子の断層面観察において、該ワックス成分が結着樹脂中に実質的に球状及び/又は紡錘形の島状に分散されていることを特徴とする乾式トナーに関する。
【0026】
さらに本発明は、少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、上記構成のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0027】
さらに本発明は、少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する第一の転写工程と、該中間転写体上のトナー像を転写材に転写する第二の転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、上記構成のトナーを用いることを特徴とする画像形成方法に関する。
【0028】
【発明の実施形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0029】
本発明に好適なトナーの形態は、結着樹脂、着色剤、ワックス成分及び荷電制御剤を少なくとも含有するトナーであって、該荷電制御剤は、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ(CrKα)が10度未満の範囲内にI0(全X線回折スペクトルにおいて、強度が最大の回折線の高さ)を有し、且つ、ブラッグ角2θが10度以上60度未満の範囲内に、I0とI(各回折線の高さ)の比がI/I0<0.5の関係を満たし、且つ、該荷電制御剤が実質的に上記式(I)で表されることを特徴とするトナーである。
【0030】
荷電制御剤におけるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角(2θ)の回折パターンは、荷電制御剤の結晶形態を示す重要な物性であり、本発明においては、回折ピークの位置ならびピークの数によって、荷電制御剤の性能において大きく異なることが見いだされた。
【0031】
このブラッグ角2θが10度未満の範囲内に強度が最大の回折バンドを有する荷電制御剤とは、荷電制御剤の結晶構造において大部分が特定の揃った結晶構造を有していることを意味している。このように荷電制御剤の大部分が特定の揃った結晶構造を有している状態、すなわち結晶が単方向に秩序正しく形成された荷電制御剤の状態をとることにより、従来の無秩序又は、結晶多形構造を主成分として有する荷電制御剤に対し、帯電の立ち上がり速度が速く、また飽和帯電量も高いということが明らかになった。
【0032】
また、ブラッグ角2θが10度以上60度未満の範囲内に現れる回折線は、荷電制御剤の大部分の結晶に対しての副次的な結晶多形の種類及び量を示すものである。この大部分の結晶に対する副次的な結晶多形の量を、IとI0の比がI/I0<0.5という関係を満たすように副次的な結晶多形の量を低減することにより、トナーの帯電挙動、とりわけ帯電の立ち上がり速度において向上することがわかった。回折ピークの比I/I0が0.5未満の荷電制御剤では、内添してトナーの状態にした後、現像装置を用いて低温低湿及び高温高湿環境下において画像出力をしたところ、出力初期の画像において、紙上の白地部に画像カブリに由来する画像汚染が発生するといった問題を生じるため好ましくない。
【0033】
また、特に粉砕法によってトナーを製造する際、トナーの小粒径化のために、トナー構成成分の均一分散が課題であるが、そのために混練条件を強める方法がとられることが多い。このようにしてトナー中に荷電制御剤を微分散した場合において、従来の無秩序な結晶構造を有する荷電制御剤を含有してなるトナーに対し大部分が特定の揃った結晶構造を有している荷電制御剤を含有してなるトナーは、トナー粒子の均一帯電性に優れ、帯電量が高いことが明らかになった。
【0034】
例示の構造を有する荷電制御剤は、原材料のジアゾ化合物と、塩化鉄または硫化鉄の水溶液を、ジアゾ化合物2モルに対して塩化鉄1モル以上の原料混合比率になるように量を調整し、アルカリもしくは酸の雰囲気下でこれらを錯体形成するよう反応させることによって得られる。この合成した荷電制御剤は、錯体形成反応後、ろ過工程、不純物除去工程、水洗・乾燥工程を経て、乾式トナー用荷電制御剤となる。ここでの不純物除去工程の方法は、メタノール中へ荷電制御剤を溶解させ、次いで水中に再結晶することにより行った。
【0035】
以下に本発明のトナーに好適な荷電制御剤の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
【化5】
Figure 0004154093
【0037】
化合物(1):
原材料(1)とFeCl3を原料とし、荷電制御剤の錯体形成反応時のpHを4.0に調整して反応を行った後、ろ過工程、不純物除去工程、水洗・乾燥工程を経て合成した。化合物(1)を定法により構造解析したところ、下記の構造を有する物質であった。
【0038】
【化6】
Figure 0004154093
【0039】
化合物(2):
原材料(2)とFeCl3を原料とし、荷電制御剤の錯体形成反応時のpHを7.0に調整して反応を行った後、ろ過工程、不純物除去工程、水洗・乾燥工程を経て合成した。化合物(1)同様に解析したところ、下記の構造を有する物質であった。
【0040】
【化7】
Figure 0004154093
【0041】
比較用化合物(1):
化合物(1)の荷電制御剤で不純物除去工程を省略した他は、化合物(1)の合成方法と同様に合成した。上記例と同様に解析したところ、下記に示す構造を有する物質であった。
【0042】
【化8】
Figure 0004154093
【0043】
また、この化合物(1)、(2)及び比較用化合物(1)のX線回折分析を行った結果を表1に示す。なお、表中のX線強度は強度の大きい順に▲1▼、▲2▼、▲3▼とした。
【0044】
【表1】
Figure 0004154093
【0045】
荷電制御剤の結晶構造解析は汎用のX線回折測定装置を使用することができる。X線回折を測定するための装置としては、例えば強力型全自動X線回折装置MXP18(マックサイエンス社製)、X線回折装置 CN2013(理学電機(株))等が利用できるが、特に何ら限定するものでない。本発明でのX線結晶構造解析は、Cuの特性X線のKα線を線源として用い、得られたブラッグ角(2θ)に対するX線回折パターンをもって行うものとする。なお、本発明では回折パターンのピークは、S−N比(シグナル−ノイズ比)が4以上のものを言う。
【0046】
本発明の荷電制御剤のX線結晶構造解析は以下の装置及び方法により測定を行った。
【0047】
(1)X線回折の測定
使用装置:X線回折装置 CN2013(理学電機(株))
Target,Filter Cu,Ni
Wave Length 1.5405Å(CuKα1)
Voltage,Current 40.0kV,300mA
Counter Sc
Time Constant 1sec
Divergence Slit 0.5°
Receiving Slit 0.30mm
Scatter Slit 0.5°
Scanning Speed 5.0deg/min
【0048】
(2)試料検体条件及び測定
荷電制御剤を23℃/60%RH下に24時間以上放置した。これを乳鉢で150メッシュ篩い下に粉砕した後に粉末試料成型機PX−700を使用して圧縮プレスし測定用試料を作製した。この試料成型した試料をX線回折装置にセットし、上記の測定条件の下、0〜60度の範囲で測定を行った。
【0049】
(3)測定データの解析
得られたX線回折パターンから、全X線回折スペクトルにおいて、強度が最大の回折線の高さを有する2θの値、及び10度以上60度未満の範囲内における最大の回折線の高さと各回折線の高さの比I/I0を求めた。
【0050】
本発明の結晶性の荷電制御剤をトナー中に含有させる方法としては、トナー内部に添加する方法とトナー外部に添加する方法がある。
【0051】
本発明の結晶性の荷電制御剤をトナー中に内添する場合の添加量は、結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部の範囲で使用するのがより好ましい。0.1重量部未満では、トナーの帯電性において改良がみられず好ましくない。また、10重量部超では、経済的観点から好ましくない。
【0052】
また、本発明の結晶性の荷電制御剤をトナーに外添する場合は、結着樹脂100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.02〜1重量部の範囲で使用するのがより好ましい。外添の方法は公知の方法が使用できるが、特にメカノケミカル的に荷電制御剤をトナー表面近傍に固定化させ、使用中にトナー粒子から脱離しないように用いるのが好ましい。
【0053】
さらに本発明の結晶性の荷電制御剤は、従来の技術で述べたような公知の荷電制御剤と組み合わせて使用することもできる。例えば、他の有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類などのカルボン酸誘導体や芳香族型化合物の縮合体などが挙げられる。また、ビスフェノール誘導体、カリックスアレーンなどのフェノール誘導体、スルフォン酸含有樹脂型荷電制御剤、フッ素含有樹脂型荷電制御剤なども用いられる。
【0054】
本発明に好適なトナー形状としては、トナーの個数基準の粒径頻度分布における円相当個数平均径が2〜10μmであり、円形度頻度分布における平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることが好ましい。これらの形状にトナーの粒子形状を精密に制御することにより、転写性と現像性をバランス良く改善することができる。
【0055】
トナーの個数基準の粒径頻度分布における円相当個数平均径を2〜10μmに制御することにより画像の輪郭部分、特に文字画像やラインパターンの現像での再現性が良好なものとなる。しかし、一般にトナー粒子を小粒径化すると、必然的に微小粒径のトナーの存在率が高くなるため、トナーを均一に帯電させることが困難となり画像カブリを生じるばかりか、静電潜像担持体表面への付着力が高くなり、結果として転写残トナーの増加を招いていた。
【0056】
しかし、本発明のトナーは、円形度頻度分布の円形度標準偏差を0.035未満とすることで現像性や転写性の環境変動に対する安定性、更には耐久性が良好なものとなる。その理由として本発明者らは、現像工程においてトナー担持体上にトナーの薄層を形成する際に、トナー層厚規制部材の規制力を通常よりも強くして十分なトナーコート量を保つことができるため、トナー担持体に対するダメージを与えることなくトナー担持体上のトナーの帯電量を通常よりも高くすることが可能となるからだと考えている。
【0057】
また、円形度頻度分布における平均円形度を0.970〜0.995、好ましくは0.980〜0.995とすることにより、従来では困難であった小粒径を呈するトナーの転写性が大幅に改善されると共に低電位潜像に対する現像能力も格段に向上する。特にデジタル方式の微小スポット潜像を現像する場合に有効である。
【0058】
平均円形度が0.970未満の場合、転写性が低下するばかりか、現像性が低下する。また、平均円形度が0.995を超えると、一般にクリーニング不良が発生しやすく帯電不良や画像スジの原因となるばかりでなく、トナー表面の劣化が著しいものとなり耐久性等に問題を生じる様になる。特に上記の如き傾向は、複数のトナー像を現像/転写せしめるフルカラー複写機を用いた場合に顕在化する。すなわち、フルカラー画像の生成においては、4色のトナー像が均一に転写されにくく、さらに、中間転写体を用いる場合には色ムラやカラーバランスの面で問題が生じ易く、高画質のフルカラー画像を安定して出力することが困難となる。
【0059】
本発明におけるトナーの円相当径、円形度及びそれらの頻度分布とは、トナーの形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本発明ではフロー式粒子像測定装置「FPIA−1000型」(東亜医用電子社製)を用いて測定を行い、下式を用いて算出した。
【0060】
【数1】
Figure 0004154093
【0061】
ここで、「粒子投影面積」とは二値化された粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さと定義する。
【0062】
本発明における円形度はトナーの凹凸の度合いを示す指標であり、トナーが完全な球形の場合に1.000を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
【0063】
本発明において、トナーの個数基準の粒径頻度分布の平均値を意味する円相当個数平均径D1(μm)と粒径標準偏差SDdは、粒度分布の分割点iでの粒径(中心値)をdi、頻度をfiとすると次式から算出される。
【0064】
【数2】
Figure 0004154093
【0065】
Figure 0004154093
【0066】
【数3】
Figure 0004154093
【0067】
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を加えた後、更に測定試料を0.02gを加え、均一に分散させる。分散させる手段としては、超音波分散機「UH−50型」(エスエムテー社製)に振動子として5φのチタン合金チップを装着したものを用い、1〜5分間分散処理を用い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。
【0068】
トナーの形状測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が3000〜1万個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整し、トナー粒子を1000個以上計測する。計測後、このデータを用いて、トナーの円相当径や円形度頻度分布等を求める。
【0069】
更に高画質化のためより微小な潜像ドットを忠実に現像するために、トナー粒子は重量平均径が4〜9μmであることが好ましい。重量平均径が4μm未満のトナー粒子においては、感光体から中間転写体、中間転写体から記録材、感光体から記録材等への、トナー粒子の転写効率が低下し、未転写の残トナー付着が画像欠陥の原因となるため本発明で使用するトナーには好ましくない。また、トナー粒子の重量平均径が9μmを超える場合には、文字やライン画像の飛び散りが生じやすく、高画質化のための微小なドット再現が困難になるため好ましくない。
【0070】
トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)を用い、個数分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し測定を行った。測定電解溶液としては、例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。
【0071】
測定法としては、前記電解溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5mlと測定試料を2〜20mg加えた後、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターカウンターTA−II型により測定した。測定した2μm以上のトナーの体積、個数から、体積分布と個数分布とを算出し、重量平均径(D4)及び個数平均粒径(D1)を求めた。
【0072】
また、本発明に係るトナーの単位体積あたりの帯電量(二成分法)は、−10〜−80mC/kgが好ましく、より好ましくは−25〜−60mC/kgである。
【0073】
本発明の現像方法が反転現像方法であるため、トナーの帯電量が−10mC/kgよりも正の値側では、現像時にドラム上の潜像に対して、忠実な現像ができなくなり、画像濃度の低下を招く。また、単色均一画像等のトナー消費の多い印字の場合、現像ローラ上へのトナー供給不足から、印字ムラを生じるため好ましくない。また、トナーの帯電量が−80mC/kgよりも負の値が大きくなると、現像時にトナーが現像スリーブ上から離れにくくなり現像濃度薄を発生する。また、トナーの現像容器外へ飛び散りプリンター内部を汚染する、いわゆるトナー飛散の問題が発生するため好ましくない。
【0074】
帯電量分布の測定に関しては種々の方法があるが、本発明では吸引式ファラデーゲージ法でエアー吸引力を変えながら帯電量分布を算出する手段により行った。
【0075】
本発明におけるトナーの二成分法による帯電量(二成分トリボ)の測定法を以下に示す(図6)。
【0076】
トナーの二成分法による帯電量の測定方法としては、一定環境下に24時間以上放置した試料を用い、キャリアとしてEFV200/300(パウダーテック製)を用い、キャリア9.5gにトナー0.5gを加えた混合物を50ml容量のポリエチレン製の瓶に入れ一定回数、手で震盪する。次いで、底に500メッシュのスクリーン143のある金属製の測定容器142に前記混合物1.0〜1.2gを入れ、金属製のフタ144をする。この時の測定容器142全体の重量を秤りW1(g)とする。次に吸引機(測定容器122と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口147から吸引し風量調節弁146を調節して真空計145の圧力を2450Pa(250mmAq)とする。この状態で一分間吸引を行ないトナーを吸引除去する。この時の電位計149の電位をV(ボルト)とする。ここで148はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。吸引後の測定機全体の重量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯電量(mC/kg)は、下記の如く計算される。
【0077】
【数4】
摩擦帯電量(mC/kg)=CV/(W1−W2)
【0078】
本発明のトナーにおいて使用される結着樹脂は、トナーを製造する際に用いられるものであれば特に限定されるものではない。本発明に使用される結着樹脂の具体例としては、以下の重合性単量体単独の重合体、又は、重合性単量体単独の重合体の混合物、あるいは、2種以上の重合性単量体の共重合生成物が用いられる。更に具体的にはスチレン−アクリル酸系共重合体あるいはスチレン−メタクリル酸系共重合体が好ましい。
【0079】
重合性単量体としては、例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等のスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β−不飽和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類が挙げられる。
【0080】
本発明のトナー用樹脂に用いられる架橋剤としては、2官能の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#200,#400,#600の各ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリエステル型ジアクリレート(MANDA日本化薬)、及び以上のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0081】
多官能の架橋剤としてペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及びそのメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシ、ポリエトキシフェニル)プロパン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルアソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリールクロレンデート等が挙げられる。
【0082】
本発明のトナーに使用可能な重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、クミンパーピバレート、t−ブチルパーオキシラウレート、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バリレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、ジ−t−ブチルパーオキシα−メチルサクシネート、ジ−t−ブチルパーオキシジメチルグルタレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼラート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコール−ビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、トリス(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、ビニルトリス(t−ブチルパーオキシ)シラン等が挙げられる。
【0083】
これら重合開始剤は、単独で使用しても良く、また併用して使用しても良い。その使用量はモノマー100重量部に対し、0.05〜15重量部、より好ましくは0.2〜10重量部の濃度で用いられる。
【0084】
本発明のトナーに好適な着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、チタンホワイトやその他あらゆる顔料及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、染料としてC.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグリーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等がある。
【0085】
また、本発明のトナーを二成分フルカラー用トナーとして使用する場合には、次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0086】
かかる顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0087】
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45又は銅フタロシアニン顔料等である。
【0088】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
【0089】
これらは通常、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜60重量部、好ましくは0.5〜20重量部使用される。
【0090】
本発明のトナー中には、上記結着樹脂成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない範囲で、該結着樹脂成分の含有量より少ない割合で以下の化合物を含有させてもよい。
【0091】
例えば、シリコーン樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低分子量ポリエチレン又は低分子量ポリプロピレンの如き脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどである。中でも好ましく用いられるワックスは、低分子量ポリプロピレン及びこの副生成物、低分子量ポリエチレンおよびエステル系ワックス、脂肪族の誘導体である。これらのワックスから、種々の方法によりワックスを分子量により分散したワックスも本発明に好ましく用いられる。また、分別後に酸化やブロック共重合、グラフト変性を行っても良い。
【0092】
本発明に係るトナーを作製するには、公知の方法が用いられるが、例えば、荷電制御剤と、結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料・染料又は磁性体、その他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合器により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉砕、分級を行なって本発明に係る現像剤を得ることができる。分級工程においては生産効率上、多分割分級機を用いることが好ましい。
【0093】
また、荷電制御剤と、重合性単量体、架橋剤、重合開始剤、ワックス、着色剤としての顔料・染料又は磁性体、その他の添加剤等を混合分散し、界面活性剤等の存在下、水系中で懸濁重合することにより重合性着色樹脂粒子を合成し、固液分離、乾燥の後分級を行なって本発明に係る現像剤を得ることができる。
【0094】
本発明のトナーにおいては、帯電安定性,現像性,流動性,耐久性向上のため、シリカ微粉末をトナー粒子に外添することが好ましい。本発明に好適に用いられるシリカ微粉末は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が20m2/g以上(特に30〜400m2/g)の範囲内のものである。使用量としては、トナー粒子100重量部に対してシリカ微粉体0.01〜8重量部、好ましくは0.1〜5重量部使用するのが良い。
【0095】
該シリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化及び帯電性コントロールの目的で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシランカップリング剤、その他の有機ケイ素化合物の如き処理剤で処理することが好ましい。これらの処理剤は混合して使用しても良い。
【0096】
トナーの現像性及び耐久性を向上させるために次の無機粉体を添加することも好ましい。マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、セリウム、コバルト、鉄、ジルコニウム、クロム、マンガン、ストロンチウム、錫、アンチモンの如き金属の酸化物;チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウムの如き複合金属酸化物;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸アルミニウムの如き金属塩;カオリンの如き粘土鉱物;アパタイトの如きリン酸化合物;炭化ケイ素、窒化ケイ素の如きケイ素化合物;カーボンブラックやグラファイトの如き炭素粉末が挙げられる。中でも、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化コバルト、二酸化マンガン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウムの微粉体が好ましい。
【0097】
更に次のような滑剤粉末をトナーに添加しても良い。テフロン、ポリフッ化ビニリデンの如きフッ素樹脂;フッ化カーボンの如きフッ素化合物;ステアリン酸亜鉛の如き脂肪酸金属塩;脂肪酸、脂肪酸エステルの如き脂肪酸誘導体;硫化モリブデンが挙げられる。
【0098】
本発明のトナーは、キャリアと併用して二成分現像剤として用いることができる。二成分現像方法に用いる場合のキャリアとしては、従来知られているものが使用可能である。具体的には、表面酸化または未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属及びそれらの合金または酸化物で形成される平均粒径20〜300μmの粒子がキャリア粒子として使用される。
【0099】
キャリア粒子の表面は、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエステル樹脂の如き物質を付着または被覆されているものが好ましい。
【0100】
本発明のトナーは、磁性材料をトナー粒子中に含有させ磁性トナーとしても使用しうる。この場合、磁性材料は着色剤の役割をかねることもできる。磁性トナーに使用される磁性材料としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトの如き酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。これらは適宜疎水化処理等の表面処理を施しても良い。
【0101】
これらの磁性材料は平均粒子径が2μm以下、好ましくは0.1〜0.5μm程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂100重量部に対し20〜200重量部、特に好ましくは結着樹脂100重量部に対し40〜150重量部が良い。
【0102】
また、本発明に係わるトナーに用いられる結着樹脂としては、GPC分子量分布において、低分子量のピークが3000〜15000の範囲にあることが、粉砕法で生成したトナーの形状を熱機械的衝撃力でコントロールする上で好ましい。低分子量のピークが15000を超えると、トナーの形状を本発明の範囲に制御しにくいために好ましくない。また、3000未満では、表面処理時に融着を生じやすく好ましくない。また、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比率(Mw/Mn)は、2〜100を示す樹脂が本発明において好ましい。
【0103】
分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いTHF(テトラヒドロフラン)溶剤で20時間抽出を行ったサンプルを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。
【0104】
また、トナーのガラス転移点Tgは定着性、保存性の観点から40〜75℃が好ましく、さらに50〜70℃がより好ましい。
【0105】
本発明に係わるトナーのガラス転移点Tgの測定には、例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7のような高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定を行う。測定方法は、ASTM D3418−82に準じて行う。本発明においては、試料を1回昇温させ前履歴をとった後、急冷し、再度温度速度10℃/min,温度0〜200℃の範囲で昇温させたときに測定されるDSC曲線を用いる。
【0106】
【実施例】
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て重量部である。
【0107】
製造例(1)
高速撹拌装置TK−ホモミキサーを備えた2リットル用四つ口フラスコ中に、Na3PO4水溶液を添加し回転数を8000rpmに調整し、60℃に加温せしめた。ここにCaCl2水溶液を徐々に添加し、微小な難水溶性分散剤を含む水系分散媒体を調製した。
【0108】
一方、
・スチレン単量体 75部
・エチルヘキシルアクリレート単量体 25部
・ジビニルベンゼン単量体 0.3部
・ポリエステル樹脂(酸価25mgKOH/g) 3部
・カーボンブラック(DBP吸油量100) 10部
・酸化ポリエチレン樹脂(分子量3200,酸価8mgKOH/g) 5部
・化合物(1) 2部
上記材料をボールミルを用い3時間分散させた後、ボールミルより内容物を単離した。この内容物120.3部に対して、離型剤(エステルワックス)10部と、重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10部を添加した重合性単量体組成物を、前記水系分散媒体中に投入し回転数8000rpmを維持しつつ造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ65℃で3時間反応させた後、80℃で10時間重合させ重合を終了した。反応終了後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えて難水溶性分散剤を溶解し、濾過,水洗,乾燥して、着色粒子(1)を得た。
【0109】
この着色粒子(1)の円相当個数平均径D1は6.0μm、平均円形度は0.995、円形度標準偏差は0.026、円形度0.950未満の粒子は9個数%であった。
【0110】
上記着色粒子(1)100部に対して、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:250m2/g)1.5部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、本発明のトナー(1)とした。
【0111】
さらに該トナー(1)7部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)93部とを混合して、磁気ブラシ用二成分系青色現像剤(1)を調製した。
【0112】
製造例(2)
製造例(1)における化合物(1)を化合物(2)に変更した点を除いては製造例(1)と同様の方法で、着色粒子(2)、トナー(2)及び二成分系現像剤(2)を調製した。
【0113】
比較製造例(1)
製造例(1)において、化合物(1)に変えて比較用化合物(1)を用いる他は製造例(1)と同様にして、比較用着色粒子(1)、比較用トナー(1)および比較用現像剤(1)を調製した。この比較用着色粒子(1)の円相当個数平均径D1は5.8μm、平均円形度は0.990、円形度標準偏差は0.030、円形度0.950未満の粒子は11個数%であった。
【0114】
製造例(3)
・スチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂 100部
(ガラス転移温度60℃)
・カーボンブラック(DBP吸油量80) 5部
・ポリエステル樹脂(酸価30mgKOH/g) 15部
・化合物(1) 2部
を混合し、二軸エクストルーダーで溶融混練した。この混練物を冷却後、ハンマーミルで粗粉砕し、ジェットミルで微粉砕した。更に、熱風中に噴霧し、加熱処理することにより球形化した後に分級し、着色粒子(3)を得た。この着色粒子(3)の円相当個数平均径D1は7.0μm、平均円形度は0.950、円形度標準偏差は0.032、円形度0.950未満の粒子は14個数%であった。
【0115】
この着色粒子(3)100部に対し、流動向上剤としてヘキサメチルジシラザンで処理した疎水性シリカ微粉体(BET:200m2/g)1.3部をヘンシェルミキサーで乾式混合して、トナー(3)を得た。
【0116】
さらに該トナー(3)10部と樹脂コート磁性フェライトキャリア(平均粒子径:45μm)90部とを混合して、磁気ブラシ用二成分系現像剤(3)を調製した。
【0117】
製造例(4)
製造例(3)における化合物(1)を化合物(2)に変更した点を除いては製造例(3)と同様の方法で、着色粒子(4)、トナー(4)及び二成分系現像剤(4)を調製した。
【0118】
比較製造例(2)
製造例(1)における化合物(1)を比較用化合物(1)に変更し、かつ、熱風中に噴霧し、加熱処理する工程を省略した他は製造例(3)と同様にして、比較用着色粒子(2)、比較用トナー(2)および比較用現像剤(2)を調製した。この比較用着色粒子(2)の円相当個数平均径D1は6.5μm、平均円形度は0.915、円形度標準偏差は0.036、円形度0.950未満の粒子は17個数%であった。
【0119】
比較製造例(3)
ジェットミルの粉砕条件を変えた他は比較製造例(2)と同様にして、比較用着色粒子(3)、比較用トナー(3)および比較用現像剤(3)を調製した。
【0120】
これら得られた粒子の円相当個数平均径D1(μm)、平均円形度、円形度標準偏差とこれらの粒子個々のTEMによる断面観察を行った結果を表2にまとめる。
【0121】
【表2】
Figure 0004154093
【0122】
<実施例1、2及び比較例1>
着色粒子(1)、(2)、比較着色粒子(1)各々とキャリアについて、温度23℃,相対湿度45%環境下、30回、300回の震盪を行ったときの、吸引式フェラデーゲージ法によるトナーの単位体積あたりの帯電量(二成分法)を測定した。この結果について表3にまとめる。
【0123】
【表3】
Figure 0004154093
【0124】
<実施例3〜6及び比較例2〜4>
本実施例に用いた画像形成装置について以下に説明する。
【0125】
図1は電子写真プロセスを利用したカラー画像形成装置(複写機あるいはレーザービームプリンター)である。
【0126】
1は第1の画像担持体としてのドラム状の電子写真感光体(以下感光ドラムと記す)であり、矢印の方向に所定の周速度(プロセススピード)で回転駆動される。
【0127】
感光ドラム1は回転過程で、一次帯電器2により所定の極性・電位に一様に帯電処理され、次いで不図示の像露光手段3による露光3を受ける。このようにして目的のカラー画像の第1の色成分像(例えばイエロー色成分像)に対応した静電潜像が形成される。
【0128】
次いで、その静電潜像が第1の現像器(イエロー色現像器41)により第1色であるイエロー成分像に現像される。この時第2〜第4の現像器、即ちマゼンタ現像器42、シアン色現像器43、およびブラック色現像器44は作動しておらず、感光ドラム1には作用していないので、上記第1色のイエロー成分画像は上記第2〜第4の現像器による影響を受けない。
【0129】
中間転写ベルト40は、矢印の方向に感光ドラム1と同じ周速度で回転駆動される。
【0130】
感光ドラム1上に形成された上記第1色のイエロー成分像が、感光ドラム1と中間転写ベルト40とのニップ部を通過する過程で、一次転写ローラ62を介してバイアス電源49から中間転写ベルト40に印加される一次転写バイアスによって形成される電界により、中間転写ベルト40の外周面に順次転写(一次転写)されていく。
【0131】
中間転写ベルト40に対応する第1色のイエロートナー画像の転写を終えた感光ドラム1の表面は、第1のクリーニング装置53により清掃される。
【0132】
以下、同様に第2色のマゼンタトナー画像、第3色のシアントナー画像、第4色のブラックトナー画像が順次中間転写ベルト40上に重ね合わせて転写され、目的のカラー画像に対応した合成カラートナー画像が形成される。
【0133】
63は二次転写ローラで、二次転写対向ローラ64に対応し平行に軸受させて中間転写ベルト40の下面部に離間可能な状態に配設してある。
【0134】
トナー画像を感光ドラム1から中間転写ベルト40へ転写するための一次転写バイアスは、トナーとは逆極性でバイアス電源49から印加される。その印加電圧は例えば+100V〜+2kVの範囲である。
【0135】
感光ドラム1から中間転写ベルト40への第1〜第3色のトナー画像の一次転写工程において、二次転写ローラ63及び転写残トナー帯電部材52は中間転写ベルト40から離間することも可能である。
【0136】
中間転写ベルト40上に転写されたフルカラー画像は、二次転写ローラ63が中間転写ベルト40に当接され、給紙ローラ51から中間転写ベルト40と二次転写ローラ63との当接部分に所定のタイミングで第2の画像担持体である転写材Pが給送され、二次転写バイアスがバイアス電源48から二次転写ローラ63に印加されることにより転写材Pに二次転写される。トナー画像が転写された転写材Pは、定着器55へ導入され加熱定着される。
【0137】
転写材Pへの画像転写終了後、中間転写ベルト40には転写残トナー帯電部材52が当接され、感光ドラム1とは逆極性のバイアスを印加することにより、転写材Pに転写されずに中間転写ベルト40上に残留しているトナー(転写残トナー)に感光ドラム1と逆極性の電荷が付与される。
【0138】
前記転写残トナーは、感光ドラム1との当接部およびその近傍において感光ドラム1に静電的に転写されることにより、中間転写ベルト40がクリーニングされる。
【0139】
以上の構成を有する現像装置の第四の現像器のみを用いて、温度15℃,相対湿度10%環境下、および温度32℃,相対湿度70%環境下、4枚(A4縦サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナー(1)〜(4)及び比較用トナー(1)〜(3)について、トナーを逐次補給しながら単色での連続モード(すなわち、一枚印字する度に停止することなく連続で印字することにより、トナーにかかるストレスを高めるモード)でプリントアウト試験を行い、得られたプリントアウト画像を後述の項目について評価した。
【0140】
以上の評価結果を表4にまとめる。また、画像形成装置とのマッチングについて表5にまとめる。
【0141】
【表4】
Figure 0004154093
【0142】
【表5】
Figure 0004154093
【0143】
実施例3〜6において、画像形成装置とのマッチングが良好であったが、これは、荷電制御剤の結晶構造において大部分が特定の揃った結晶構造を有していることにより、帯電能力が高いという効果と、トナーが摩擦により帯電付与されやすいようなトナー形状を有しているという点が相乗的に作用した結果であると考えられる。また、定着器とのマッチングについては、ワックスの分散状態に係るところが大きく、ワックスが島状あるいは紡錘型状に分散していることにより、定着器の加圧面とトナーとの離型性が向上したためと考えられる。
【0144】
<実施例7>
本実施例では市販のレーザービームプリンターLBP−EX(キヤノン社製)にリユース機構を取り付け改造し、再設定して用いた。即ち、図2において、感光体ドラム70上の未転写トナーを該感光体ドラムに当接しているクリーナー71の弾性ブレード72によりかき落とした後、クリーナーローラーによってクリーナー内部へ送り、更にクリーナースクリュー73を経て、搬送スクリューを設けた供給用パイプ74によってホッパー75を介して現像器76に戻し、再度、回収トナーを利用するシステムを取り付け、一次帯電ローラー77としてナイロン樹脂で被覆された導電性カーボンを分散したゴムローラー(直径12mm,当接圧50g/cm)を使用し、静電潜像担持体にレーザー露光(600dpi)により暗部電位VD=−700V、明部電位VL=−200Vを形成した。トナー担持体として表面にカーボンブラックを分散した樹脂をコートした表面粗度Raが1.1を呈する現像スリーブ78を感光ドラム面の移動速度に対して1.1倍となる様に設定し、次いで、感光体ドラムと該現像スリーブとの間隙(S−D間)を270μmとし、トナー規制部材としてウレタンゴム製ブレードを当接させて用いた。また、加熱定着装置の設定温度は150℃とした。
【0145】
以上の設定条件で、常温常湿(23℃,60%RH)環境下、10枚(A4縦サイズ)/分のプリントアウト速度で、トナー(1)を逐次補給しながら間歇モード(すなわち、100枚プリントアウトする毎に30分間現像器を休止させ、再起動時の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)で5000枚プリントアウトを行い、得られたプリントアウト画像について評価したところ、画像濃度が良好で且つ安定し、画像カブリがほとんどない、良好な画像出力結果が得られた。また、画像形成装置と上記トナーとのマッチングにおいても良好であった。
【0146】
<実施例8>
図1に示す画像形成装置の現像装置を図3に示すものに交換し、常温常湿(23℃,60%RH)環境下、トナー担持体面の移動速度が静電潜像担持体面の移動速度に対し、3.0倍となるように設定し、トナー(1)を逐次補給しながら単色での間歇モード(すなわち、1枚プリントアウトする毎に1分間現像器を休止させ、再起動時の現像装置の予備動作でトナーの劣化を促進させるモード)により、前記実施例と同様に評価を行った。
【0147】
なお、ここで用いたトナー担持体の表面粗度Raは1.5で、トナー規制ブレードはリン青銅ベース板にウレタンゴムを接着し、トナー担持体との当接面をナイロンによりコートしたものを用いた。また、加熱定着装置Hには、図4,5に示した定着装置を用い、加熱体31の検温素子31dの表面温度は140℃、加熱体21−シリコーンゴムの発泡体を下層に有するスポンジ加圧ローラー33間の総圧は8kg、加圧ローラーとフィルムのニップは6mmとし、定着フィルム32には、転写材との接触面にPTFE(高分子量タイプ)に導電性物質を分散させた低抵抗の離型層を有する厚さ60μmの耐熱性ポリイミドフィルムを使用した。以上の結果を表6にまとめる。
【0148】
<比較例5〜7>
実施例8と同様にして、比較用トナー(1)〜(3)について評価を行った。以上の結果を表6にまとめる。
【0149】
【表6】
Figure 0004154093
【0150】
本発明の実施例に記載の評価項目の説明とその評価基準について述べる。
【0151】
[プリントアウト画像評価]
(1)画像濃度
通常の複写機用普通紙(75g/m2)に10000枚のプリントアウトを終了した時の画像濃度維持により評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定した。
◎:非常に良好(1.35以上)
○:良好 (1.25以上、1.35未満)
△:実用可 (1.00以上、1.25未満)
×:実用不可 (1.00未満)
【0152】
(2)画像カブリ
プリントアウト画像の白地部分を「リフレクトメータ」(TOKYO DENSHOKU CO.,LDT社製 REFLECTOMETER ODEL TC−6DS)により測定したカブリ濃度(%)から、以下の評価基準に従って画像カブリを評価した。なお、評価は、初期(新しいトナーチャージ後の最初の画像出力10枚目)と、耐久(10000枚目)後について行った。
◎:非常に良好(1.5%未満)
○:良好 (1.5%以上、2.5%未満)
△:実用可 (2.5%以上、4.0%未満)
×:実用不可 (4.0%以上)
【0153】
[画像形成装置とのマッチング]
(1)中間転写体とのマッチング
中間転写体、ドラム表面の傷や残留トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響を目視で評価した。
◎:非常に良好(未発生)
○:良好 (わずかに傷の発生が見られるが、画像への影響はない)
△:実用可 (固着や傷があるが、画像への影響が少ない)
×:実用不可 (固着が多く、縦スジ状の画像欠陥を生じる)
【0154】
(2)ドラム融着
単色ハーフトーン画像を連続500枚プリントアウトし、そのドラム上を目視で評価した。
◎:非常に良好(全くドラム上付着物が確認できないレベル)
○:良好 (若干のドラム上付着物が確認できるが、実用上全く問題ないレベル)
△:実用可 (ドラム上付着物が確認できるが、実用上可能なレベル)
×:実用不可 (ドラム上付着物が著しく、画像上にもその痕跡が確認できるレベル)
【0155】
(3)定着器汚染
単色ハーフトーン画像を連続500枚プリントアウトし、そのときの定着器のフィルム上を目視で評価した。
◎:非常に良好(全く付着物が確認できないレベル)
○:良好 (若干の付着物が確認できるが、実用上全く問題ないレベル)
△:実用可 (付着物が確認できるが、実用上可能なレベル)
×:実用不可 (付着物が著しく、画像上にもその痕跡が確認できるレベル)
【0156】
【発明の効果】
本発明によれば、特定の結晶性を有する荷電制御剤をトナー中に含有させることによって、トナーの帯電速度の向上と飽和帯電量の増加、トナーの初期及び耐久での画像カブリ低減において優れた効果が得られる。
【0157】
また、さらにトナー形状を限定することによって、相乗的にこれらの効果が高められ、トナー性能が更に向上する。
【0158】
また、トナー中のワックス成分の状態が特定の分散状態にある場合、上記効果に加えトナーの定着装置汚染低減に対しても効果がある。
【0159】
さらに本発明は、現像システムとの組み合わせにおいて良好なマッチングが得られるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略的説明図である。
【図2】未転写トナーをリユースする画像形成装置の概略的説明図である。
【図3】本発明の実施例に用いた一成分現像剤用の現像装置の要部の拡大横断面図である。
【図4】本発明の実施例に用いた定着装置の要部の分解斜視図である。
【図5】本発明の実施例に用いた定着装置の非駆動時のフィルム状態を示した要部の拡大横断面図である。
【図6】トナーの帯電量の測定に用いる装置の説明図である。
【符号の説明】
1 感光体(静電潜像担持体)
2 帯電ローラー
3 露光
30 ステー
31 加熱体
31a ヒーター基板
31b 発熱体
31c 表面保護層
31d 検温素子
32 定着フィルム
33 加圧ローラー
34 コイルばね
35 フィルム端部規制フランジ
36 給電コネクター
37 断電部材
38 入口ガイド
39 出口ガイド(分離ガイド)
40 中間転写体
41 イエロー色現像装置
42 マゼンタ色現像装置
43 シアン色現像装置
44 ブラック色現像装置
51 給紙ローラー
52 転写残トナー帯電部材
53 クリーニング装置
55 定着器
62 一次転写ローラー
63 二次転写ローラー
64 二次転写対向ローラー
65 中間転写ベルト支持ローラー
66 中間転写ベルト支持ローラー
P 転写材

Claims (12)

  1. 結着樹脂、着色剤、ワックス成分及び荷電制御剤を少なくとも含有する乾式トナーにおいて、
    該荷電制御剤は、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ(CrKα)が10度未満の範囲内にI0(全X線回折スペクトルにおいて、強度が最大の回折線の高さ)を有し、且つ、ブラッグ角2θが10度以上60度未満の範囲内に、I0とI(各回折線の高さ)の比がI/I0<0.5の関係を満たし、且つ、該荷電制御剤が下式で表されることを特徴とする乾式トナー。
    Figure 0004154093
  2. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項1に記載の乾式トナー。
  3. 該トナーの平均円形度が0.970〜0.995で、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴とする請求項2に記載の乾式トナー。
  4. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の乾式トナー。
  5. 少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス成分及び荷電制御剤を少なくとも含有する乾式トナーであって、
    該荷電制御剤は、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ(CrKα)が10度未満の範囲内にI0(全X線回折スペクトルにおいて、強度が最大の回折線の高さ)を有し、且つ、ブラッグ角2θが10度以上60度未満の範囲内に、I0とI(各回折線の高さ)の比がI/I0<0.5の関係を満たし、且つ、該荷電制御剤が下式で表されることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0004154093
  6. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  7. 該トナーの平均円形度が0.970〜0.995で、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  8. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の画像形成方法。
  9. 少なくとも、外部より帯電部材に電圧を印加し、静電潜像担持体に帯電を行う帯電工程と、帯電された静電潜像担持体に静電潜像を形成する潜像形成工程と、静電潜像をトナーにより現像してトナー像を静電潜像担持体上に形成する現像工程と、静電潜像担持体上のトナー像を中間転写体に転写する第一の転写工程と、該中間転写体上のトナー像を転写材に転写する第二の転写工程と、転写材上のトナー像を加熱定着する定着工程とを有する画像形成方法において、
    該トナーは、結着樹脂、着色剤、ワックス成分及び荷電制御剤を少なくとも含有する乾式トナーであって、
    該荷電制御剤は、X線回折スペクトルにおけるブラッグ角2θ(CrKα)が10度未満の範囲内にI0(全X線回折スペクトルにおいて、強度が最大の回折線の高さ)を有し、且つ、ブラッグ角2θが10度以上60度未満の範囲内に、I0とI(各回折線の高さ)の比がI/I0<0.5の関係を満たし、且つ、該荷電制御剤が下式で表されることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0004154093
  10. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、該トナーの円相当個数平均径D1(μm)が2〜10μmであり、且つ、該トナーの平均円形度が0.920〜0.995で、円形度標準偏差が0.040未満であることを特徴とする請求項に記載の画像形成方法。
  11. 該トナーの平均円形度が0.970〜0.995で、円形度標準偏差が0.035未満であることを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  12. フロー式粒子像測定装置で計測されるトナーの個数基準の円相当径−円形度スキャッタグラムにおいて、円形度0.950未満のトナー粒子が15個数%以下であることを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載の画像形成方法。
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