JP4152758B2 - 緩衝器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ソレノイドを利用し減衰力を変化可能な緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種緩衝器としては、たとえば、いわゆる作動油が封入されたシリンダと、当該シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され、他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドとピストン部に設けられたソレノイドバルブとを備え、また、このソレノイドバルブは、固定オリフィスを備えた主ディスクバルブとソレノイドへの通電によりクラッキング圧(開弁圧)を調節可能な環状オリフィスたる副ディスクバルブとを直列に設けている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、このように構成された緩衝器は、作動油をピストン速度が低速の場合には主ディスクバルブのオリフィスを介してディスク背面に導き、さらに、副ディスクバルブへ流入させて、減衰力を発生し、他方ピストン速度が高速時には、上記オリフィスの前後で生じる圧力差により主ディスクバルブと弁座との間に隙間を生じさせ、この隙間から作動油が流出するときに減衰力を発生させるものである。このときの主ディスクバルブと弁座との間に隙間を生じるクラッキング圧の制御は、主および副ディスクバルブとの間の圧力をディスク背面に導くことにより行われる。すなわち、先ず、副ディスクバルブのソレノイドの電流量を制御することにより副ディスクバルブのクラッキング圧を、副ディスクバルブが結合されているスプールをソレノイドの推力とバネ力の力の釣合いで制御することにより調節して、主および副ディスクバルブとの間の圧力を調節しディスク背面の圧力を制御し、これにより主ディスクバルブのクラッキング圧の制御を行っている。
【0004】
したがって、この緩衝器は、減衰特性を変化させることが可能である。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−90768号公報(第3頁左欄第5行目から第5頁左欄第16行目、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の緩衝器では、機能面で問題があるわけではないが、以下の不具合を招来する可能性があると指摘される恐れがある。
【0007】
すなわち、従来の緩衝器では主および副ディスクバルブとの間の圧力を調節しディスク背面の圧力を制御し、これにより主ディスクバルブのクラッキング圧の制御を行っているが、その主ディスクバルブのクラッキング圧は、主ディスクバルブのオリフィスの圧力損失は開口面積の二乗に反比例するため、スプールの変位に対して強い非線形性を呈し制御性が悪い。
【0008】
また、副ディスクバルブの環状オリフィスの開口面積は小さく、各部品の寸法誤差の累積により、オリフィス開度がばらつきやすく、安定した減衰特性を得にくいという問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、特に減衰特性を変化可能であるとともに、制御し易く安定した減衰特性が得られる緩衝器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、第1の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に中空のピストンを介して移動自在に挿入した中空のピストンロッドと、ピストンがシリンダ内を区画する第1液室と第2液室と、ピストンロッド内とピストン内に形成され上記第1液室と第2液室とを連通する流路と、上記流路の途中に直列に設けた伸側および圧側減衰特性可変機構と伸側および圧側減衰力発生要素とを備えた緩衝器において、上記減衰特性可変機構が、ソレノイドと、アーマチュアと、スプールと、弁座とで構成され、上記スプールが中空なスプール本体と、スプール本体の一端から開設されて上記流路に連通する第1室と、スプール本体の他端から開設されて上記流路に連通する第2室と、スプール本体内に形成されて上記第1室と第2室とを連通する絞りとで構成され、上記アーマチュアが上記第1室の開口部に接離自在に当接すると共に常時附勢手段によって閉じ方向に附勢され且つ上記ソレノイドの励磁時に上記附勢手段の附勢力に抗して開く方向に吸引され、上記弁座に上記スプール本体の他端を着脱自在に着座させて上記第2室の開口部を開閉させ、上記ソレノイドの電流制御により上記アーマチュアを吸引して上記附勢手段の附勢力を調整することにより、上記弁座と上記第2室の開口部との間を開くクラッキング圧を変化させて減衰特性を変化させることを特徴とする。
【0011】
さらに、第2の課題解決手段は、第1の課題解決手段において、ピストンロッドにピストンロッド内外を連通するポートを設け、ピストンロッド内にスリーブを同芯に挿入し、上記スリーブ内にスプールを摺動自在に挿入し、スリーブにピストンロッドのポートに対向する孔を形成し、スプールの連通孔をスリーブの孔に対向させ、上記ピストンを略円筒状とし、その内周に段部を設け、上記段部とスリーブの下端とで弁座を挟持しながら、ピストン上端部をピストンロッド内周およびスリーブの下端部外周とに螺合したことを特徴とする。
【0012】
さらに、第3の課題解決手段は、第1の課題解決手段において、上記スリーブが大径部と小径部を有する円筒形状に成形され、スプールが外周にランド部を設けた円筒形状であって、上記ランド部に円周方向にそって環状溝を形成し、上記連通孔がこの環状溝と上記第2室を連通するように設けられ、第1室とスプールの第1室側外周とをランド部近傍に設けた第1の孔で連通するとともに、スプールの第1室側端部とスプールのランド部の第2室側端部とを第2の孔で連通し、スリーブの小径部内周にスプールの第1室側外周を摺接させ、スプールの大径部内周にスプールのランド部外周を摺接させたことを特徴とする。
【0013】
また、第4の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に中空のピストンを介して移動自在に挿入した中空のピストンロッドと、ピストンがシリンダ内を区画する第1液室と第2液室と、ピストンロッド内とピストン内に形成され上記第1液室と第2液室とを連通する流路と、上記流路の途中に直列に設けた伸側および圧側減衰特性可変機構と伸側および圧側減衰力発生要素とを備えた緩衝器において、上記減衰特性可変機構が、ソレノイドと、中空であってその内外を連通するスプールと、上記スプールの一端開口に接離可能であり且つ附勢手段によって常時閉じ方向に附勢されると共に上記ソレノイドの励磁時に上記附勢手段の附勢力に抗する方向に吸引されるアーマチュアと、上記スプールの他端開口を閉じる弁座とで構成され、上記ソレノイドの電流制御により上記アーマチュアを吸引して上記附勢手段の附勢力を調整し、上記弁座と上記スプールの他端開口部との間を開くクラッキング圧を変化させて減衰特性を変化させることを特徴とする。
【0014】
そして、第5の課題解決手段は、第2から第4のいずれかの課題解決手段において、アーマチュアをポペット型弁体としたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1から図5に示した本発明の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は、この発明による緩衝器の一実施の形態を示したものである。
【0016】
この緩衝器は、シリンダ2と、シリンダ2内に中空円筒状のピストン28を介して移動自在に挿入されたピストンロッド1と、ピストンロッド1の先端に穿設されたピストンロッド1内外を連通するポート1aと、ピストンロッド1内に挿入され上記ポート1aに対向する孔17aを設けたスリーブ17と、互いが絞り19aを介して連通する第1室20と第1室より大径の第2室22を両端に軸方向に沿って開設するとともにスリーブ17内に第1室20側をピストンロッド1内方に向けて摺動自在に挿入されたスプール19と、第2室22とスプール19外方とを連通しかつスプール19の上記ポート1aと対向する位置に設けた連通孔25と、上記第1室20の開口部を附勢バネ11で常時閉じるように附勢されたソレノイドSのアーマチュアたるポペット型弁体14と、上記第2室22の開口側のスプール19端部が着座する弁座26bを備えたディスク26と、ピストン28内に設けた減衰力発生要素たるリーフバルブ30,31と、励磁時に附勢バネ11のバネ力に抗してアーマチュアたるポペット型弁体14に第1室20の開口部を開口する方向の力を作用させるソレノイドSとで構成され、ピストン28の外周にはピストンリング29が嵌装されている。
この場合、減衰特性可変機構が、ソレノイドSと、ポペット型弁体14と、スプール19と、弁座26bとで構成されている。
上記のように、スプール19は中空なスプール本体と、スプール本体の一端から開設された第1室20と、スプール本体の他端から開設された第2室22と、スプール本体内に形成されて上記第1室20と第2室22とを連通する絞りとで構成されている。
上記アーマチュアたるポペット型弁体14は上記第1室20の開口部に接離自在に当接すると共に常時附勢手段11によって閉じ方向に附勢され且つ上記ソレノイドSの励磁時に上記附勢手段11の附勢力に抗して開く方向に吸引される。
また、上記弁座26bに上記スプール本体の他端を着脱自在に着座させて上記第2室22の開口部を開閉させ、上記ソレノイドSの電流制御により上記アーマチュアを吸引して上記附勢手段11の附勢力を調整するようになっている。
【0017】
したがって、図示した緩衝器にあっては、シリンダ2内をピストン28で第1液室たるロッド側室R1と第2液室たるピストン側室R2とに区画しており、シリンダ2内は作動油等の液体が封入され、作動油等の液体の流路は、ピストンロッド1内およびピストン28内およびポート1aとなる。また、詳しくは説明しないが、この緩衝器は、他に高圧ガス等が封入されるリザーバ等を備えている。
【0018】
なお、緩衝器はいわゆる単筒型のものでも複筒型のものでもよく、図示するところでは片ロッド型の緩衝器としているが、ピストンロッド1を図中下方に延長して、リーフバルブ30,31が配置されている位置より下方を縮径するとともに、ピストンロッド1内に作動油が流入可能なようにポートを設けておけば、両ロッド型の緩衝器にも適用可能であることは言うまでもない。
【0019】
以下、詳細に説明すると、ピストンロッド1は、中空であって小径部1cと大径部1dを有する円筒状に形成され、大径部1dにはピストンロッド1の内外を連通するポート1aが複数箇所設けられている。なお、このポート1aはいくつでもよく、複数箇所設けたほうが作動油の流れが円滑となる。また、ピストンロッド1の小径部1cの外周であって、その大径部1d近傍にはクッション部材40が嵌合され、このクッション部材40により、ピストンロッド1がシリンダ2に対し最大伸び切り時には、シリンダ2の上端部に設けられるであろうロッドガイドとの干渉が防止しされる。
【0020】
ソレノイドSは、コイルCと、コイルボビン10と、固定鉄芯たるキャップ13と、パイプ12と、アーマチュアたるポペット型弁体14とで構成され、コイルCは、有底筒状のコイルボビン10の筒状部分に巻装されるとともに、ピストンロッド1の大径部1d内に嵌装され、コイルボビン10内には有底筒状の固定鉄芯たるキャップ13とパイプ12とが嵌装されている。そして、大径部17cと小径部17dを有する円筒形状に成形されたスリーブ17の図中上端たる小径部17dをコイルボビン10内周に嵌装するが、図中下端たる大径部17cの外周には螺子部が設けられ、後述するピストン28の螺子部28cを介してピストンロッド1の下端内周に設けられた螺子部1bに螺合されて、ピストンロッド1に固定されるとともに、このスリーブ17により上記パイプ12とキャップ13はコイルボビン10内に固定され、かつ、コイルボビン10もピストンロッド1内に固定される。
【0021】
なお、アーマチュアに別途ポペット型弁体を連結してもよいが、本実施の形態においては、アーマチュアをポペット型弁体14としているので、アーマチュアからポペット型弁体が脱落したり、アーマチュアとポペット型弁体とにガタが生じたりすることは無いので、アーマチュアに別途ポペット型弁体を連結した場合に比較して動作が安定し、ソレノイドが損傷する事態を生じにくい。また、ポペット型弁体とせずに他の形状の弁体としてもよいが、ポペット型弁体とすることにより、スプールとの軸芯確保されるので、動作の安定性が確保され、さらに、使用しているうちにポペット型弁体の弁頭が後述する第1室の開口端となじむので密閉性が向上する。
【0022】
また、上記のようにスリーブ17がピストンロッド1内に固定された状態において、スリーブ17の大径部17cには、ピストンロッド1の大径部1dに設けられたポート1aと対向する位置に孔17aが設けられており、この孔17aによりスリーブ17内外が連通されている。したがって、ピストンロッド1の外方におけるロッド側室R1はポート1aおよびスリーブ17の孔17aを介してスリーブ17内と連通している。
【0023】
なお、コイルボビン10は、その上端とピストンロッド1の段部1eとの間に介装した皿バネ41で付勢されており、コイルボビン10がピストンロッド1内で位置ズレを生じることが抑制されている。このように、皿バネ41を使用すれば、後述するピストン28によって、コイルボビン10等を固定する際、寸法誤差により、ガタが生じてしまうことが防止されるので便利であり、加工も容易となる。
【0024】
また、コイルボビン10の上端から一端をコイルCに接続した電線(図示せず)を収めたハーネス18が、ピストンロッド1の小径部1c内を上方へと延設されており、図示はしないが、ハーネス18内の電線は電力源に接続されており、この電線を介して、コイルCに電流を供給可能なようになっている。さらに、スリーブ17の外周にはOリング16が嵌装されており、このOリング16によりスリーブ17とピストンロッド1との間がシールされるとともに、キャップ13、パイプ12およびスリーブ17は溶接にて接合され、シリンダ2内は液密状態とされ、ピストンロッド1内から作動油が漏れ出すことや、コイルC内に作動油が侵入することが防止されている。
【0025】
スリーブ17の小径部17d内上端およびパイプ12内周には有底筒状のポペット型弁体14が摺動自在に挿入され、このポペット型弁体14とキャップ13との間には附勢バネ11が介装され、この附勢バネ11により、ポペット型弁体14は常にコイルC内から突出する方向、すなわち、図1中下方に向けて附勢されている。これにより、同じくスリーブ17内に摺動自在に挿入したスプール19を、スプール19のさらに下方に設けた円盤状のディスク26の環状の弁座26bに向けて押し付けている。なお、附勢バネ11のバネ定数は、所望する減衰力にあわせて適当な値とすればよい。
【0026】
したがって、ポペット型弁体14は、コイルCが電力源から電線を介して電流供給され励磁されると、コイルCが発生する磁界により固定鉄芯たるキャップ13に吸引され附勢バネ11のバネ力に抗して、スプール19から離れる図中上方へ移動することができる。
【0027】
スプール19は、中間部外周にランド部19bを設けた円筒形状であって、ランド部19bの下端から下方に向けてスプール19の側面外周に円周方向にそって環状溝19cが設けられており、第1室20がスプール19の一端部たる図中上方に開設され、第1室20より大径の第2室22がスプール19の他端部たる図中下方に開設され、ランド部19bに円周方向にそって環状溝23を形成し、この環状溝23と第2室22を連通する連通孔25を設けるとともに、第1室20とスプール19の上方に区画された圧力室61とをランド部19b近傍に穿設された第1の孔21で連通するとともに、第1室20と第2室22とは互いに絞り19aを介して連通させ、さらに、環状溝19cの側壁とスプール19の図中上端部とを第2の孔24で連通させている。そして、スリーブ17の小径部17d内にスプールの第1室20側の外周を摺接させ、スリーブ17の大径部17c内周にスプール19のランド部19bの外周を摺接させており、また、上記ポペット型弁体14の弁頭14aが附勢バネ11により附勢されているので、通常はスプール19の第1室20の開口端を閉じている。
【0028】
なお、スプール19の環状溝23は、作動油の圧力によりポペット型弁体14を図中上方に押し上げスプール19が図中上方に移動しても、スリーブ17の段部17bとスプール19のランド部19bの上端が当接し、それ以上のスプール19の上方への移動が規制されているので、スリーブ17の孔17aを塞ぐことはなく、作動油等の液体の流路が確保されるようになっている。
【0029】
さらに、スリーブ17の下端と、後述するピストン28とで円盤状のディスク26が挟持されており、このディスク26の上面には環状の弁座26bが設けられるとともに、ディスク26の上下を連通する孔26aが穿設されている。このディスク26の弁座26bは、上述したように、ポペット型弁体14がスプール19の第1室20開口端を附勢バネ11のバネ力により図1中下方に押しているため、スプール19の下端の第2室22開口端近傍に当接している。
【0030】
ピストン28は、略円筒状であって、その内周に段部28aが設けられるとともに、その下端には引掛部28bが設けられ、その上部内周および外周には螺子部28cが設けられ、この螺子部28cの外周をピストンロッド1内周に設けた螺子部1bに螺合するとともに、ピストン28の段部28aとスリーブ17の下端とでディスク26を挟持しながら、螺子部28cの内周を上記スリーブ17の大径部17cの外周に設けた螺子部と螺合させており、これによりピストン28はピストンロッド1の下端内周に固定される。
【0031】
すなわち、このピストン28は、ピストンロッド1とスリーブ17を結合、ひいてはこのピストン28の段部28aとスリーブ17により挟持され固定されるディスク26、スプール19、ポペット型弁体14、附勢バネ11、コイルボビン10、キャップ13、パイプ12をも固定する役割を有しており、ピストン28を螺合するだけで、上記した減衰特性可変機構のほとんどの部材が固定されることとなり、組付性がよい。
【0032】
そして、ピストン28内には、ピストン28の段部28aの下端とピストン28の下端の引掛部28bによりスペーサ27,38とディスク32が挟持され、このディスク32には、環状の弁座32aがその上面に設けられるとともに、その上下を連通する孔32bと中央孔32cが穿設され、さらに、その中央孔32cにはガイド36が嵌合されている。なお、図示したところでは、孔32bは2つだが、孔32bはそれ以上設けてもよいし、好ましくはないが1つでもよい。
【0033】
ガイド36には、図中上方から順にバルブストッパ35、リーフバルブ30,31およびディスク33を附勢するリーフスプリング34、減衰力発生要素たるリーフバルブ30,31、ディスク33、間座37,37がそれぞれ嵌装されており、ディスク33の下端外周には切欠33aが設けられるとともに、その下端外周を、ディスク33の段部33bをリーフバルブ30,31の内周側上面に当接させながらリーフバルブ30,31内周に挿入している。また、リーフバルブ30,31の外周側は、上記ディスク32の環状の弁座32aに上下移動自在に当接している。なお、リーフバルブは、図示したところでは、2枚で1組としているが、所望する減衰力により1枚でもよく、複数枚を積層してもよいし、バックアップするためのリーフバルブより小径のリングをリーフバルブに重ねて使用してもよい。また、減衰力発生要素としては、リーフバルブ以外の他に慣用されているものを使用してもよい。
【0034】
ディスク33は、リーフスプリング34により、間座37,37側に附勢されているので、図中下方からの作動油の流れに対しては、リーフバルブ30,31の内周側が支点となってリーフバルブ30,31の外周側が上方に撓み、弁座32aとの間に隙間を生じさせ、この隙間で減衰力を発生し、逆に図中上方からの作動油の流れに対しては、弁座32aが支点となって、リーフバルブ30,31の内周側が下方に撓んでディスク33の段部33bとリーフバルブ30,31との間に隙間を生じ、作動油が切欠33aを通過するので、この隙間で減衰力を発生することができる。
【0035】
また、ピストン28の外周には、ピストンリング29が嵌装されており、このピストンリング29は緩衝器のシリンダ2に摺接している。
【0036】
上記のことからわかるように、ピストン28のピストンリング29で区画されたロッド側室R1とピストン側室R2は、ポート1a、孔17a、連通孔25、第2室22、孔26a、ピストン28内を通る流路を介して連通されるとともに、同じく第2室22から絞り19a、第1室20、孔24を迂回する流路を介して連通されている。
【0037】
なお、図1においては上記のように内外に開くリーフバルブを使用しているが、これに変えて、図3に示すように、リーフバルブを作動油が図中上方から下方へ向うときのみに作用するものと、作動油が図中下方から上方へ向うときのみに作用する周知のものを使用してもよい。すなわち、ピストン28内に、上下のスペーサ27,38で挟持してピストン28内に固定したディスク57を設け、このディスク57には、その上下を連通する孔57b,57dと中央孔57eを設け、上面と下面のそれぞれに弁座57a,57cを設けるとともに、さらに、その中央孔57eにはガイド56が嵌合されている。なお、孔57b、57dは、複数個同心となるように設けられている。
【0038】
ガイド56には、上記ディスク57の上下の弁座57a,57cに着座するリーフバルブ30,30,31,31を嵌装してあり、各リーフバルブ30,30,31,31は、このガイド56の上下端のフランジ56a,56bでガイド56から脱落しないように固定されている。リーフバルブは、図示したところでは、2枚で1組としているが、所望する減衰力により1枚でもよく、複数枚を積層してもよいし、バックアップするためのリーフバルブより小径のリングをリーフバルブに重ねて使用してもよい。
【0039】
したがって、上側の弁座57aに着座しているのは、リーフバルブ51,52となり、他方下側の弁座57cに着座しているのはリーフバルブ54,55となり、これにより、リーフバルブ54,55は作動油が図中上方から下方へ向うときのみに作用し、リーフバルブ51,52は作動油が図中下方から上方へ向うときのみに作用する。
【0040】
つづいて、その作用について図2から図5に基づいて説明する。まず、コイルCが通電されていない場合について説明すると、図2において、シリンダ2に対しピストンロッド1が図中上方に移動する、すなわち、緩衝器が伸び行程にある場合は、作動油はロッド側室R1からピストンロッド1のポート1aを通過しピストンロッド1内に流入し、つづいて、スリーブ17の孔17a、スプール19の環状溝23および連通孔25を介してスプール19内の第2室22へ流入する。さらに、作動油は、第2室22から絞り19aを介して第1室20へと流入する。
【0041】
このとき、スプール19は、ポペット型弁体14の弁頭14aでディスク26に向けて押し付けられているので、スプール19の第1室20の開口端はポペット型弁体14で閉じられており、他方、第2室22の開口端近傍のスプール19下端部はディスク26の弁座26bに着座した状態となって、第1室20および第2室22内の圧力は上昇する。
【0042】
そして、圧力が上昇した結果、この圧力によるポペット型弁体14を図中上方に押す力が附勢バネ11のバネ力に打ち勝つと第1室20内の作動油は、ポペット型弁体14aと第1室20の開口端との間に生じた隙間から、スプール19の上端とスリーブ17の小径部17dの内周とポペット型弁体14とでつくられる圧力室60および孔24、ディスク26の孔26aを通過し、リーフバルブ側へ流入する。そして、図3に示すリーフバルブでは、作動油はディスク57の孔57dを通過し、リーフバルブ54,55を押し開きピストン側室へ流入する。このとき、図1に示したリーフバルブの場合には、図2に示すように、弁座32aが支点となって、リーフバルブ30,31が撓んでディスク33の段部33bとリーフバルブ30,31との間に隙間を生じ、作動油が切欠33aを通過しピストン側室R2へ流入する。
【0043】
このときの圧力をPpとすると、図3に示すように、第1室20内と、第1室20と孔21を介して連通している圧力室61内の圧力は常にPpとなり、ピストン速度が上昇し、さらに作動油の流量が増加すると、絞り19aの圧力損失分だけ第2室22内の圧力は上昇し、スプール19を図3中上方へ押し上げる方向の力が増加する。そして、第2室22内の圧力が、ディスク26の弁座26bと弁座26bに着座しているスプール19の下端の第2室22開口端近傍との間に隙間を生じるクラッキング圧に達すると、ディスク26の弁座26bとスプール19の端部との間に隙間が生じて、この隙間を作動油が通過し、リーフバルブ30,31側へ流入し、さらに上述のように、リーフバルブ30,31を通過し、やがては、ピストン側室R2へ流入することとなる。
【0044】
このときのクラッキング圧をPcr(伸側)とすると、図3に示すスプールの釣合いから、
Pcr(伸側)=4×F×(D42−D22+D12)÷(π×D12×D32)
となる。ここで、Fはポペット型弁体14を附勢する附勢バネのバネ力、D1は第1室20の内径、D2はスプール19の上端部外径、D3はディスク26の弁座26bがスプール19をシートしているシート部径、D4は、スプール19のランド部19bの外径である。
【0045】
すなわち、このときの減衰力は、リーフバルブの発生差圧による減衰力にクラッキング圧分の減衰力を加えたものとなり、図6に示すようにピストン速度が低い場合には、ポペット型弁体14とスプール19の第1室の開口端との間に生じる隙間とリーフバルブ30,31と絞り19aとで線X1のごとくの減衰力を発生し、クラッキング圧に達するピストン速度が高い場合にはリーフバルブ30,31で線Y1のごとくの減衰力を発生でき、減衰特性を変化させることが可能である。
【0046】
なお、絞り19aを設けずとも使用可能であるが、第1室20と第2室22とを絞り19aを介して連通すると、これにより上記したように第2室22内の圧力を上昇させて第1室20および圧力室61内の圧力とに差圧を生じさせ、確実に附勢バネ11に抗してディスク26の弁座26bと弁座26bに着座しているスプール19の下端の第2室22開口端近傍との間に隙間を生じさせることができる、すなわち、スプール19のランド部19bの外径およびその上端部外径および第1室20の内径および弁座26bのシート部径の各寸法の加工上の誤差により、スプール19が附勢バネのバネ力に抗して図中上方に移動することができなくなるという事態を防止できるので、動作が安定し、スプール19や弁座26bの加工が容易となる。
【0047】
逆に、図4において、シリンダ2に対しピストンロッド1が図中下方に移動する、すなわち、緩衝器が圧行程にある場合は、作動油はピストン側室R2からピストンロッド1の下端から、ピストンロッド1内に流入し、ディスク32の孔32bを通過し、リーフバルブ30,31をリーフバルブ30,31の内周側を支点として押し開き、リーフバルブ30,31と弁座32aとの間に生じた隙間を通過し、さらに、ディスク26の孔26aを介して、スプール19の下方とスリーブ17の内周とで作られる圧力室62に流入する。そして、圧力室62に流入した作動油の一部はスプール19の孔24を介して、スプール19の上面の圧力室60に流入する。しかし、ポペット型弁体14がスプール19の第1室20の開口端を閉じており、かつ、スプール19の下端の第2室22の開口端近傍がディスク26の弁座26bに着座しているため、作動油はスプール19内に流入することができず、圧力室60および圧力室62の圧力が上昇する。
【0048】
そして、圧力が上昇した結果、ディスク26の弁座26bと弁座26bに着座しているスプール19の下端の第2室22開口端近傍との間に隙間を生じるクラッキング圧に達すると、ディスク26の弁座26bとスプール19の端部との間に隙間が生じて、この隙間を作動油が通過し、スプール19内に流入し、さらには、スプール19の連通孔25、環状溝23、スリーブ17の孔17aおよびピストンロッド1のポート1aを通過し、やがては、ロッド側室R1へ流入することとなる。
【0049】
このときのクラッキング圧をPcr(圧側)とすると、図5に示すスプールの釣合いから、
Pcr(圧側)=4×F÷{π×(D4 2 −D3)−D2 2 }}
となる。ここで、上記の場合と同様にFはポペット型弁体14を附勢する附勢バネのバネ力、D2はスプール19の上端部外径、D3はディスク26の弁座26bがスプール19をシートしているシート部径、D4は、スプール19のランド部19bの外径である。
【0050】
すなわち、このときの減衰力は、上記同様にリーフバルブの発生差圧による減衰力にクラッキング圧分の減衰力を加えたものとなり、ピストン速度が低い場合には、クラッキング圧に達せず図6中線X2のごとくの減衰力を発生し、クラッキング圧に達するピストン速度が高い場合にはリーフバルブ30,31で図6中線Y2のごとくの減衰力を発生でき、減衰特性を変化させることが可能である。
【0051】
なお、上述のように、クラッキング圧は、ポペット型弁体14を附勢する附勢バネのバネ力、第1室20の内径、スプール19の上端部外径、ディスク26の弁座26bがスプール19をシートしているシート部径、スプール19のランド部19bの外径によって決せられるので、所望する減衰特性にあわせて上記各部の寸法を設定すればよい。また、緩衝器の伸び行程時と圧行程時のクラッキング圧の比も上記各部の寸法を変えることにより自由に設定可能である。さらに、このスプールは、伸び行程時と圧行程時とで受圧面積の異なる種々の緩衝器に対して、各部の寸法の小変更のみで対応できるから、その適用性に優れる。
【0052】
次にコイルCに電流を流すと、コイルCの周りに磁界が発生し、キャップ13に磁力が発生し、ポペット型弁体14がキャップ13に吸引される方向の力が発生する。しかし、ポペット型弁体14は、附勢バネ11のバネ力により附勢されているので、スプール19の第1室20の開口端を閉じたままである。
【0053】
ここで、ポペット型弁体14をスプール19側に押し付けるように働く力Fは、附勢バネ11のバネ力からソレノイドSの吸引力を減じたものとなる。したがって、この場合のクラッキング圧Pcrは、上記2つの式でFの値が減少する分、緩衝器の伸び行程および圧行程とも減少することとなる。このときクラッキング圧Pcrは上記2つの式から明らかなようにFの値の大きさに依存するが、このFの値はコイルCに流れる電流値に比例して減少するから、クラッキング圧PcrもコイルCに流れる電流値に比例することとなる。したがって、この場合には、クラッキング圧Pcrが小さくなるので、減衰特性を変化させることができる。
【0054】
また、クラッキング圧PcrはコイルCに流れる電流値に比例したもの、すなわち、電流値に対し線形的に変化するので、従来の緩衝器では間接的にクラッキング圧を制御していたが、従来とは異なり直接的にクラッキング圧を制御できるので従来の緩衝器に比較して、その減衰特性を制御しやすくなる。そして、オリフィスを使用しておらず、部品の寸法誤差によるばらつきによる減衰特性の不安定性もなく、さらに、各部品に加工上の寸法誤差があったとしても電流値で容易に調節可能となるので、安定した減衰特性を得られるという効果とともに、その加工も容易となる効果も得られる。
【0055】
そして、さらに、コイルCに流れる電流を大きくしていくと、ソレノイドSは、やがては、附勢バネ11のバネ力以上の吸引力を発生し、ポペット型弁体14は、スプール19から離れる。このときのスプール19に作用する附勢バネ11によるバネ力はゼロになるので、緩衝器の伸び行程および圧行程のクラッキング圧Pcrはともにゼロとなるので、作動油はスプール19を抵抗なく通過することができ、発生する減衰力はリーフバルブ30,31のみの圧力損失により発生することとなり、図6中線Z1,Z2のごとくの最も低い減衰力が得られる。
【0056】
すなわち、この緩衝器にあっては、ソレノイドSのコイルCに供給する電流量を変化させることにより、伸び行程にあっては図6中線Z1から線X1,Y1の間で減衰力を変化させることができ、圧行程にあっては図6中線Z2から線X2,Y2の間で減衰力を変化させることができる。
【0057】
それゆえ、この緩衝器においては、車両の乗り心地を向上することができるのである。また、ピストンロッド内にソレノイドを設けることができ、緩衝器外や緩衝器のボトム部材もしくはヘッド部材にソレノイドを設ける必要が無いので、緩衝器をコンパクトにすることができる。
【0058】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【0059】
【発明の効果】
請求項1、3の発明によれば、ピストン速度に応じた減衰特性の発生を可能にすることが出来る。
【0060】
また、ソレノイドのコイルに流れる電流値に比例して、クラッキング圧を小さくすることができ、減衰特性を変化させることができる。
【0061】
さらに、クラッキング圧はコイルに流れる電流値に比例したもの、すなわち、電流値に対し線形的に変化するので、従来の緩衝器では間接的にクラッキング圧を制御していたが、従来とは異なり直接的にクラッキング圧を制御できるので従来の緩衝器に比較して、その減衰特性を制御しやすくなる。そして、オリフィスを使用しておらず、部品の寸法誤差によるばらつきによる減衰特性の不安定性もなく、さらに、各部品に寸法誤差があったとしても電流値で容易に調節可能となるので、安定した減衰特性を得られるという効果とともに、その加工も容易となる効果も得られる。
【0062】
そして、さらに、コイルに流れる電流を大きくすれば、発生する減衰力は減衰力発生要素のみの圧力損失により発生することとなり、最も低い減衰力が得られる。
【0063】
それゆえ、その減衰特性を制御しやすく、安定した減衰特性を得られるので、車両の乗り心地を向上することができるのである。
【0064】
また、ピストンロッド内にソレノイドを設けることができ、緩衝器外や緩衝器のボトム部材もしくはヘッド部材にソレノイドを設ける必要が無いので、緩衝器をコンパクトにすることができる。
【0065】
請求項1の発明によれば、第1室と第2室とを絞りを介して連通したので、これにより第2室内の圧力を上昇させて第1室とに差圧を生じさせ、確実に附勢バネに抗してディスクの弁座とスプールの下端の第2室2開口端近傍との間に隙間を生じさせることができる。
【0066】
請求項2の発明によれば、ピストンを螺合するだけで、この緩衝器の減衰特性可変機構のほとんどの部材が固定されることとなり、組付性がよい。
【0067】
請求項3の発明によれば、スプールのランド部の外径とその上端側外径および第1室の内径および弁座のシート部径の各寸法の加工上の誤差により、スプールが附勢バネのバネ力に抗して移動することができなくなるという事態を防止できるので、動作が安定し、スプールや弁座の加工が容易となる。
開口部もしくは第1室の開口端となじむので密閉性が向上する。
【0068】
また、クラッキング圧は、ポペット型弁体を附勢する附勢バネのバネ力、第1室の内径、スプールの上端部外径、弁座がスプールをシートしているシート部径、スプールのランド部の外径によって決せられるので、所望する減衰特性にあわせて上記各部の寸法を設定可能であり、緩衝器の伸び行程時と圧行程時のクラッキング圧の比も上記各部の寸法を変えることにより自由に設定可能である。したがって、このスプールは、伸び行程時と圧行程時とで受圧面積の異なる種々の緩衝器に対して、各部の寸法の小変更のみで対応できるから、その適用性に優れる。
【0069】
請求項5の発明によれば、アーマチュアをポペット型弁体としているから、アーマチュアからポペット型弁体が脱落したり、アーマチュアとポペット型弁体とにガタが生じたりすることがないので、アーマチュアに別途ポペット型弁体を連結した場合に比較して動作が安定し、ソレノイドが損傷する事態を生じにくい。また、ポペット型弁体とすることにより、スプールとの軸芯確保されるので、動作の安定性が確保され、さらに、使用しているうちにポペット型弁体の弁頭がスプールの一端開口部もしくは第1室の開口端となじむので密閉性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による緩衝器の縦断面図である。
【図2】この発明による緩衝器の伸び行程時の作動油の流れを示した図である。
【図3】この発明による緩衝器の伸び行程時におけるスプールに作用する力の釣合いを示した図である。
【図4】この発明による緩衝器の圧行程時の作動油の流れを示した図である。
【図5】この発明による緩衝器の圧行程時におけるスプールに作用する力の釣合いを示した図である。
【図6】この発明による緩衝器の減衰特性を示す図である。
【符号の説明】
1 ピストンロッド
1a ポート
2 シリンダ
11 附勢バネ
14 アーマチュアたるポペット型弁体
17 スリーブ
17a 孔
17c 大径部
17d 小径部
19 スプール
19a 絞り
19b ランド部
20 第1室
21 孔
22 第2室
23 環状溝
24 孔
25 連通孔
26 ディスク
26b 弁座
28 ピストン
30,31 減衰力発生要素たるリーフバルブ
Pcr クラッキング圧
R1 第1液室たるロッド側室
R2 第2液室ピストン側室
C コイル
S ソレノイド
Claims (5)
- シリンダと、シリンダ内に中空のピストンを介して移動自在に挿入した中空のピストンロッドと、ピストンがシリンダ内を区画する第1液室と第2液室と、ピストンロッド内とピストン内に形成され上記第1液室と第2液室とを連通する流路と、上記流路の途中に直列に設けた伸側および圧側減衰特性可変機構と伸側および圧側減衰力発生要素とを備えた緩衝器において、上記減衰特性可変機構が、ソレノイドと、アーマチュアと、スプールと、弁座とで構成され、上記スプールが中空なスプール本体と、スプール本体の一端から開設されて上記流路に連通する第1室と、スプール本体の他端から開設されて上記流路に連通する第2室と、スプール本体内に形成されて上記第1室と第2室とを連通する絞りとで構成され、上記アーマチュアが上記第1室の開口部に接離自在に当接すると共に常時附勢手段によって閉じ方向に附勢され且つ上記ソレノイドの励磁時に上記附勢手段の附勢力に抗して開く方向に吸引され、上記弁座に上記スプール本体の他端を着脱自在に着座させて上記第2室の開口部を開閉させ、上記ソレノイドの電流制御により上記アーマチュアを吸引して上記附勢手段の附勢力を調整することにより、上記弁座と上記第2室の開口部との間を開くクラッキング圧を変化させて減衰特性を変化させることを特徴とする緩衝器。
- ピストンロッドにピストンロッド内外を連通するポートを設け、ピストンロッド内にスリーブを同芯に挿入し、上記スリーブ内にスプールを摺動自在に挿入し、スリーブにピストンロッドのポートに対向する孔を形成し、スプールの連通孔をスリーブの孔に対向させ、上記ピストンを略円筒状とし、その内周に段部を設け、上記段部とスリーブの下端とで弁座を挟持しながら、ピストン上端部をピストンロッド内周およびスリーブの下端部外周とに螺合したことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
- 上記スリーブが大径部と小径部を有する円筒形状に成形され、スプールが外周にランド部を設けた円筒形状であって、上記ランド部に円周方向にそって環状溝を形成し、上記連通孔がこの環状溝と上記第2室を連通するように設けられ、第1室とスプールの第1室側外周とをランド部近傍に設けた第1の孔で連通するとともに、スプールの第1室側端部とスプールのランド部の第2室側端部とを第2の孔で連通し、スリーブの小径部内周にスプールの第1室側外周を摺接させ、スプールの大径部内周にスプールのランド部外周を摺接させたことを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
- シリンダと、シリンダ内に中空のピストンを介して移動自在に挿入した中空のピストンロッドと、ピストンがシリンダ内を区画する第1液室と第2液室と、ピストンロッド内とピストン内に形成され上記第1液室と第2液室とを連通する流路と、上記流路の途中に直列に設けた伸側および圧側減衰特性可変機構と伸側および圧側減衰力発生要素とを備えた緩衝器において、上記減衰特性可変機構が、ソレノイドと、中空であってその内外を連通するスプールと、上記スプールの一端開口に接離可能であり且つ附勢手段によって常時閉じ方向に附勢されると共に上記ソレノイドの励磁時に上記附勢手段の附勢力に抗する方向に吸引されるアーマチュアと、上記スプールの他端開口を閉じる弁座とで構成され、上記ソレノイドの電流制御により上記アーマチュアを吸引して上記附勢手段の附勢力を調整することにより、上記弁座と上記スプールの他端開口部との間を開くクラッキング圧を変化させて減衰特性を変化させることを特徴とする緩衝器。
- アーマチュアをポペット型弁体としたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の緩衝器。
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