JP4152353B2 - 殺菌性ピリジン化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、殺菌性を有する新規なピリジン化合物に関する。
細菌や真菌などに抗菌活性を発揮するビス第四級アンモニウム塩化合物は古くから知られており、現在も抗菌剤として広く実用化されている。しかしながら、現在用いられている抗菌性のビス第四級アンモニウム塩化合物は、通常、抗菌活性は優れているが、同時に生分解生成物の残留毒性も高いため、実際の使用に関しては、環境に対する安全性と水に対する溶解性および安定性に問題があり、その適用範囲には制限があった。また、従来のビス第四級アンモニウム塩化合物は、抗菌力が糖質、蛋白質および脂質などに拮抗され、抗菌力がpHの低い(酸性)領域では低下し、かつ細胞芽胞に効果がないなどの欠点があった。
そこで、下記一般式(A)および(B)で表されるビス第四級アンモニウム塩化合物(特許文献1参照)や、
Figure 0004152353
Figure 0004152353
(上記式中、Yはピリジン環、キノリン環、イソキノリン環またはチアゾリン環を、R1は炭素数2〜10のアルキレン基あるいはアルケニレン基を、R2はYの窒素原子に結合した炭素数6〜18のアルキル基を示し、いずれも置換基を含んでもよい。Xはアニオンを示す。)
下記一般式(C)で表されるビス第四級アンモニウム塩化合物(特許文献2参照)、
Figure 0004152353
(上記式中、Zはピリジン環を示し、R1およびR2は同一または異なり、各々水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を示し、R3は炭素数3〜18のアルケニレン基を示し、R4はZの環窒素原子に結合した炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基を示し、Xはアニオンを示す。)
下記一般式(D)で表されるビス第四級アンモニウム塩化合物(特許文献3参照)が報告されている。
Figure 0004152353
(上記式中、Zはピリジン環またはキノリン環を、R3は炭素数2〜18のアルキレン基あるいはアルケニレン基を、R4はZの窒素原子に結合した炭素数6〜18のアルキル基を示し、いずれも置換基を含んでもよい。R1およびR2は同一または異なって、Zの窒素原子以外の原子に結合した炭素数1〜3のアルキル基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜3のアルコキシ基あるいは水素原子を、Xはアニオンをそれぞれ示す。)
特開平8−301703号公報 特開平10−095773号公報 特開平6−321902号公報
上記の従来公知のビス第四級アンモニウム塩化合物よりも抗菌活性に極めて優れ、かつ生分解後の化合物は、残留毒性が少なく、地球環境に優しいビス第四級アンモニウム塩化合物の開発が強く望まれている。
従って本発明の目的は、入手の容易なピリジン化合物を出発原料として、簡便、かつ安価に新規な殺菌性ピリジン化合物を提供することにある。
本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする殺菌性ピリジン化合物を提供する。
Figure 0004152353
(上記式中のRは−(CH29CH3基または−(CH211CH3基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子もしくはOSO21基(R1は、低級アルキル基もしくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である。)
本発明によれば、入手の容易なピリジン化合物を出発原料として、簡便、かつ安価に新規な殺菌性ピリジン化合物を提供することができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
前記本発明の一般式(1)で表される化合物は種々の方法で合成することができるが、1例を挙げれば、下記の通りである。すなわち、3−クロロメチルピリジン、3−ブロモメチルピリジン、3−ヨードメチルピリジン、3−(メタンスルホニルオキシ)メチルピリジン、3−(ベンゼンスルホニルオキシ)メチルピリジンまたはそれらの塩(以下「原料ピリジン化合物」という)と1,4−ブタンジオールとを反応させることにより、下記一般式(2)のピリジン化合物を合成する。該反応時においては、1,4−ブタンジオールに対して、原料ピリジン化合物の使用量は1当量モルから1.5当量モルが好ましく、1当量モルから1.1当量モルがさらに好ましい。
Figure 0004152353
原料ピリジン化合物と1,4−ブタンジオールとの反応により一般式(2)で表されるピリジン化合物を製する際には、種々の反応条件が可能である。本反応の実施には強塩基の存在が必須であり、これは1,4−ブタンジオールから対応するアルコキシドを生成することが重要だからである。本反応に使用できる強塩基としては、金属リチウム、金属カリウム、金属ナトリウムおよびその水素化物、メチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム類、フェニルリチウム、リチウムターシャリブトキサイド、カリウムターシャリブトキサイド、ナトリウムターシャリブトキサイドなどの第3級アルカリ金属アルコキサイドが挙げられ、経済性、安全性および簡便性から、ナトリウムターシャリブトキサイドおよびカリウムターシャリブトキサイドが好適である。これらの強塩基は単独で用いても、2種以上組み合わせて用いても差し支えない。
本反応においては、原料ピリジン化合物の遊離塩基を原料として使用する場合、使用する強塩基は約1当量モルである。さらに、原料ピリジン化合物が塩を形成している場合は、使用する強塩基は、塩を中和するに足る約1当量モルと所望の反応に消費される約1当量モルを合した約2当量モルである。但し、転化率が低い場合は、原料ピリジン化合物が消失するまで、強塩基を追加しても差し支えない。塩を中和する際に使用する強塩基と、所望の反応に使用する強塩基は、同一でも異なっていても差し支えない。本反応の実施にあたっては、原料ピリジン化合物が強塩基との接触によって変化しやすいため、予め、1,4−ブタンジオールと強塩基との反応によりアルコキシドを生成させ、該アルコキシドと原料ピリジン化合物を処理するか、原料ピリジン化合物と1,4−ブタンジオールとを予め混合しておき、次いで、混合物中に強塩基を添加することが好ましい。原料ピリジン化合物が塩を形成している場合は、該化合物を遊離化させ得る量の強塩基を事前に添加し、前述の手順で処理することが可能である。
本反応は、通常、種々の溶媒の存在下に実施できるが、所望の反応に悪影響を及ぼさず、かつ、所望の反応において良好な転化率および選択率を与える溶媒としては、非プロトン性極性溶媒の使用が好ましい。非プロトン性極性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノンなどのアミド系溶媒などが好適に使用されるが、経済性、後処理の簡便さなどを考慮すると、ジメチルホルムアミドが最も好適な溶媒である。これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても差し支えない。溶媒の使用量は、原料ピリジン化合物の溶解度および1,4−ブタンジオールの溶解度および反応中に生成するアルカリ金属塩の分散様態を加味して、適宜選択できる。
本反応の温度は、−20℃から使用する溶媒の常圧における沸点までを選択できる。好ましい反応温度は、−20℃から室温であり、さらに好ましい反応温度は、−10℃から10℃である。反応の進行は、薄層クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーなどで追跡でき、原料の消失をもって反応の終了を確認できる。
本反応によって得られた、一般式(2)で表されるピリジン化合物は常法により、反応混合物から取り出すことができる。例えば、反応終了後の混合物を固液分離することにより生成したアルカリ金属塩を取り除き、母液を減圧下に濃縮した後、残液を水に分散後に抽出し、抽出液を減圧濃縮すればよい。より高純度の化合物は、一般式(2)で表されるピリジン化合物の塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩などの無機もしくは有機酸の塩を生成させ、必要により、それらの再結晶を行った後に塩を中和し、常法で処理することで得ることができる。
次いで、一般式(2)で表されるピリジン化合物を、前記と同じ原料ピリジン化合物と強塩基の存在下に反応させることにより、下記一般式(3)で表されるピリジン化合物を製することができる。
Figure 0004152353
一般式(3)で表されるピリジン化合物は、前記一般式(2)で表される化合物を単離することなく製造することも可能である。例えば、前述のような操作で一般式(2)で表されるピリジン化合物を反応系に生成させ、次いで、強塩基の存在下に原料ピリジン化合物を作用させればよい。一般式(2)で表されるピリジン化合物もしくはその塩の使用量は、原料ピリジン化合物に対して、1〜1.5当量の使用が好ましく、さらに、1〜1.1当量の使用が好ましい。
前述したように、原料ピリジン化合物と一般式(2)で表されるピリジン化合物もしくはその塩の反応においては、原料ピリジン化合物が強塩基との接触によって変化しやすいため、予め、原料ピリジン化合物と強塩基の反応により、アルコキサイドを生成させた後に一般式(2)で表されるピリジン化合物を加えるか、一般式(2)で表されるピリジン化合物と原料ピリジン化合物とを予め混合しておき、次いで、強塩基を添加することが好ましい。原料ピリジン化合物が塩を形成している場合は、該化合物を遊離化させ得る量、通常は約1当量モルの強塩基を事前に添加し、前述の手順で処理することが可能である。
本反応においては、原料ピリジン化合物と1,4−ブタンジオールの反応において選択した強塩基の使用が可能であり、それらは単独で用いても2種以上を組み合わせて用いても差し支えない。強塩基の使用量は、原料ピリジン化合物が遊離塩基の場合、その約1当量モルが好ましい。但し、転化率が低い場合は、一般式(2)で表されるピリジン化合物および原料ピリジン化合物が消失するまで、強塩基を追加しても差し支えない。
本反応においては、原料ピリジン化合物と1,4−ブタンジオールとの反応において選択した溶媒の使用が可能であり、それらは単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても差し支えない。溶媒の使用量は、一般式(2)で表されるピリジン化合物および原料ピリジン化合物の溶解度や反応中に生成するアルカリ金属塩の分散様態により、適宜選択できる。
本反応は、−20℃から使用する溶媒の常圧下での沸点までを選択できる。好ましい反応温度は、−20℃から室温であり、さらに好ましい反応温度は、−10℃から10℃である。反応の進行は、薄層クロマトグラフィーや高速液体クロマトグラフィーで追跡でき、原料の消失により反応の終了が確認できる。一般式(3)で表されるピリジン化合物は、常法により反応混合物から取り出すことが可能である。該化合物が結晶性の場合、再結晶を行うことでより高純度の化合物を得ることができる。該化合物が非結晶性の場合、該化合物の一塩酸塩、二塩酸塩、一酢酸塩、二酢酸塩などの無機もしくは有機酸塩を生成させ、必要に応じてそれらの再結晶を行った後に塩を中和し、常法により取り出すことで、高純度の化合物を得ることができる。
次いで、一般式(3)で表されるピリジン化合物と、下記一般式(4)で表される化合物を反応させることにより、前記一般式(1)で表される本発明の殺菌性ピリジン化合物を得ることができる。
Figure 0004152353
(上記式中のRは−(CH29CH3基または−(CH211CH3基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子もしくはOSO21基(R1は、低級アルキル基もしくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である。)
本反応において、一般式(3)で表されるピリジン化合物に対する一般式(4)で表される化合物の使用量は、理論的に2当量モルである。但し、転化率が低い場合、さらに一般式(4)で表される化合物を多く用いても差し支えなく、大過剰に用いた場合は、回収して再使用することも可能である。
一般式(3)で表されるピリジン化合物と一般式(4)で表される化合物の反応においては溶媒の使用が可能である。好ましい溶媒としては、低級脂肪族アルコール、非プロトン性極性溶媒が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ターシャリブタノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシドなどが使用できる。ジメチルホルムアミドは、該反応の転化率および選択率が良好であること、後処理が簡便であること、経済性に優れていることなどから最も好ましい溶媒である。
これらの溶媒は、単独で用いても、2種以上を混合して用いても差し支えない。溶媒の使用量は、一般式(3)で表されるピリジン化合物、一般式(4)で表される化合物の該溶媒への溶解度を考慮して適宜選択できる。
一方、該反応は、溶媒を使用せず、一般式(4)で表される化合物を過剰に使用して実施することも可能である。この場合、反応終了後に、未反応の一般式(4)で表される化合物は、反応混合物から分離、回収して再使用することができ、極めて効率的、かつ、経済的である。
本反応は、0℃から使用する溶媒もしくは一般式(4)で表される化合物の常圧における沸点で実施できる。好ましい温度は、室温から100℃であり、さらに好ましい温度は、40℃から80℃である。反応の進行は、高速液体クロマトグラフィーなどで追跡でき、原料の消失と目的とする前記一般式(1)の殺菌性ピリジン化合物の生成量から反応の終了を判断できる。
さらに、該反応は、一般式(3)で表されるピリジン化合物を単離することなしに、一般式(3)で表されるピリジン化合物を含有する反応混合物に一般式(4)で表される化合物を添加して連続的に実施することも可能である。この場合、一般式(3)の化合物の製造に使用した溶媒をそのまま使用すればよい。
前記一般式(1)で表される本発明の殺菌性ピリジン化合物は、常法により取り出すことが可能であり、常温で固体の化合物は、適切な溶媒系からの結晶化が可能である。また、この場合、適切な溶媒系を選択することにより、再結晶による精製が可能であり、高純度の目的物を得ることができる。
以下の実施例で本発明をさらに詳細に説明する。
<実施例1>
[下記構造式で示される化合物(A)の合成]
Figure 0004152353
DMF(ジメチルホルムアミド)75mlに1,4−ブタンジオール8.24g(91.43mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド10.3g(91.79mmol)を添加し、室温で1.5時間撹拌した。
このスラリー液に−8〜−3℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩1.0g(6.10mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.68g(6.06mmol)を交互に添加し、これを15回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩15.0g(91.45mmol)およびカリウムtert−ブトキシド10.2g(90.9mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンのピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは1.13g(10.07mmol)であった。
反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去して油状の粗生成物(化合物(A))17.1gを得た。得られた油状物をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(A)の面積%は76.0%であった。
前記化合物(A)の粗生成物を水30mlに溶解し、トルエンで洗浄した。その後、水層に食塩6gを加え、ジクロロメタン20ml×2で抽出し、無水硫酸マグネシウムで脱水後、溶媒を留去し、油状の前記化合物(A)9.21g(収率(1,4−ブタンジオールより):57.2%)を得た。得られた油状物をHPLC(条件1)で分析すると、面積%は99.4%であった。(1H−NMR(CDCl3):δ1.67−1.75(4H,m,−(C 22−)、δ2.35(1H,s,O)、δ3.52−3.56(2H,t,J=6.0Hz,C 2)、δ3.64−3.68(2H,t,J=6.0Hz,C 2)、δ4.52(2H,s,C 2)、δ7.27−7.31(1H,m,arom)、δ7.66−7.70(1H,m,arom)、δ8.52−8.56(2H,m,arom×2)、MS(APCl):m/z=182[M+H]+
HPLC(条件1)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:B=70:30(一定)
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
[下記構造式で示される化合物(B)の合成]
Figure 0004152353
DMF25mlに前記化合物(A)5.0g(27.59mmol)を加え、氷冷下カリウムtert−ブトキシド3.1g(27.63mmol)を添加した。このスラリーに5〜6℃で3−クロロメチルピリジン塩酸塩0.5g(3.05mmol)およびカリウムtert−ブトキシド0.34g(3.03mmol)を交互に添加し、これを9回繰り返し、全量で3−クロロメチルピリジン塩酸塩4.5g(27.43mmol)およびカリウムtert−ブトキシド3.06g(27.27mmol)を添加した。
添加終了後、反応混合物をHPLC(条件1)で分析すると、3−クロロメチルピリジンおよび前記化合物(A)のピークが確認されたので、3−クロロメチルピリジンのピークおよび前記化合物(A)のピークが消失するまで、カリウムtert−ブトキシドを5℃以下で添加した。追加したカリウムtert−ブトキシドは0.62g(5.53mmol)であった。
反応混合物を固液分離し、ケークをDMF30mlで洗浄、ろ洗液からDMFを減圧下に留去した。この濃縮残液にジクロロメタン20mlを添加し、溶解液を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を留去し、油状物5.8gを得た。この粗生成物0.5gについてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:クロロホルム−メタノール)で精製を行い、油状の前記化合物(B)0.3gを得た。(1H−NMR:δ1.70−1.74(4H,m,−(C 22−)、δ3.50−3.54(4H,m,C 2×2)、δ4.51(4H,s,C 2×2)、δ7.25−7.29(2H,dd,J=4.9Hz,7.9Hz,arom×2)、δ7.65−7.69(2H,dt,J=1.7Hz,7.9Hz,arom ×2)、δ8.52−8.57(4H,dd,J=1.7Hz,4.9Hz,arom×4)、MS(APCl):m/z=273[M+H]+
[下記構造式の化合物(1)の合成]
Figure 0004152353
前記化合物(B)5.0g(18.36mmol)にデシルブロマイド40.6g(183.8mmol)を加え、70〜80℃で20時間反応を行った。
反応混合物をHPLC(条件2)で分析すると、前記化合物(B)のピークは消失していた。反応混合物より上層のデシルブロマイド層を分離し、下層油状物をアセトニトリル−酢酸エチル=1:3(v/v)混液に注加した。混合物を冷却し、析出結晶を0℃でろ過、減圧乾燥を行い、灰白色結晶11.6g(粗収率(前記化合物(B)より):88.5%)を得た。該化合物の結晶をHPLC(条件1)で分析すると、前記化合物(1)の面積%は98.4%であった。融点、NMR分析値および元素分析値は以下の通りであった。
(融点:76.8〜79.2℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.9(6H、t、C 3×2)、δ1.29〜1.40(28H、m、(C 27×2)、δ1.77〜1.84(4H、m、C 2×2)、δ2.00〜2.05(4H、t、C 2×2)、δ3.69〜3.70(4H、t、C 2×2)、δ4.64〜4.68(4H、t、C 2×2)、δ4.77(4H、s、C 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、J=、arom ×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、arom ×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、arom ×2)、δ9.02(2H、s、arom ×2)
Figure 0004152353
HPLC(条件2)
・カラム:Inertsil ODS-3(GL Sciences)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.5%酢酸アンモニウム水溶液、B−アセトニトリル A:60%(5min保持)→(10min)→A:30%(30min保持)→A:60%
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:10μL
<実施例2>
実施例1におけるデシルブロマイドに代えて当モル量のドデシルブロマイドを用いた以外は実施例1と同様にして下記構造式で表される化合物(2)13.0g(粗収率:91.5%)を得た。得られた化合物(2)をHPLC(条件3)で分析すると、化合物(2)のピークの面積%は97.5%であった。また、融点、NMR分析値および元素分析値は以下の通りであった。
Figure 0004152353
(融点:90.0〜91.4℃、1H−NMR(CD3OD):δ0.89(6H、t、C 3×2)、δ1.26〜1.39(36H、m、(C 29×2)、δ1.79〜1.82(4H、m、C 2×2)、δ1.84〜2.05(4H、m、C 2×2)、δ3.67〜3.70(4H、t、C 2×2)、δ4.65〜4.68(4H、t、C 2×2)、δ4.77(4H、s、C 2×2)、δ8.07〜8.11(2H、dd、arom ×2)、δ8.55〜8.57(2H、d、arom ×2)、δ8.93〜8.94(2H、d、arom ×2)、δ9.02(2H、s、arom ×2)
Figure 0004152353
HPLC(条件3)
・カラム:CAPCELL PAK C18 SG120(資生堂)4.6mmφ×250mm
・カラム温度:15℃付近の一定温度
・移動相:A−0.1Mリン酸二水素カリウム(0.05%燐酸)水溶液、B−80%アセトニトリル水溶液 A:B=30:70
・流量:1.0ml/min
・検出器:UV254nm
・注入量:20μL
試験例1<本発明の前記化合物(1)〜(2)の各種細菌に対する静菌活性>
対照化合物には塩化ベンザルコニウムを用いて最小発育阻止濃度(MIC)を測定した。最小発育阻止濃度(MIC)の測定は一般的なブロス希釈法に従い、ニュトリエントブロスを用いて、菌懸濁濃度が106cell/mlになるように調整した定常期状態の菌液を段階希釈した薬剤溶液と混合し、37℃、24時間静置培養後、増殖の有無によりMIC値を決定した。供試菌としてグラム陰性菌10種およびグラム陽性菌6種を用いた。その結果を表1に示す。
Figure 0004152353
試験例2<本発明の化合物(1)〜(2)の各種細菌に対する殺菌活性(MBC)>
対照化合物には、ヨウ化ベンザルコニウムを用いた。供試菌としてグラム陰性菌5種およびグラム陽性菌4種を用い、前記と同様にして最小殺菌0濃度(MBC)を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 0004152353
試験例3<本発明の化合物(1)〜(2)の真菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)の測定>
対照化合物にはTBZ(2−(4’−チアゾリル)ベンズイミダゾール)を用いた。最小発育阻止濃度(MIC)の測定は、一般的なブロス希釈法に従い、サブロー培地を用い、前培養した供試菌を湿潤剤添加殺菌水で胞子液を調製した。希釈薬剤溶液1mlと胞子液1mlを混合し、インキュベーダー中で30℃、1週間培養後、増殖の有無を濁度で判定し、濁度を生じていないところをMICとした。その結果を表3に示す。
Figure 0004152353
本発明によれば、入手の容易なピリジン化合物を出発原料として、簡便、かつ安価に新規な殺菌性ピリジン化合物を提供することができる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする殺菌性ピリジン化合物。
    Figure 0004152353
    (上記式中のRは−(CH29CH3基または−(CH211CH3基であり、Zは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子もしくはOSO21基(R1は、低級アルキル基もしくは置換あるいは無置換のフェニル基である)である。)
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