JP4151823B2 - 微小変位装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体の製造、光ファイバーの接続、高倍率顕微鏡等の微小範囲の位置決めを必要とする分野において用いられる微小変位装置に係り、詳しくは1軸(Z軸)廻りの回転方向θzの微小変位装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、位置決め装置は、ネジ機構が用いられるが、近時、超精密加工、半導体の製造、バイオテクノロジー、光ファイバーの接続等の分野では、μmオーダ、サブμmオーダ、更にはnmオーダの微小範囲の位置決めが求められており、該微小範囲の変位装置としては、ピエゾ素子等の圧電アクチュエータが用いられている。
【0003】
従来、1軸廻りの回転方向(θz)の微小変位装置として、例えば特公平5−55263号公報のものが提案されている。このものは、図6に示すように、一体ブロックから放電加工機により形成された3個の剛体部1,2,3を備えており、左右両剛体部1,3はそれぞれ枠体5,5に固定され、固定側剛体部(固定部)となっており、中央の剛体部2が、点Oを中心に回転可能な移動側剛体部(移動部)となっている。両固定部1,3と移動部2との間には、それぞれ2本の撓み梁6a,6b,7a,7bが連結されており、これら撓み梁は、上記中心点Oにてその延長線が交差するように放射状に設けられている。
【0004】
また、両固定部1,3には、それぞれ上記撓み梁の内側において内側に突出する突部1a,3aを有しており、また移動部2の両側には外側に突出する突部2a,2bを有しており、これら突部1a,2aと2b,3aの間にはそれぞれ積層ピエゾ素子からなる圧電アクチュエータ9,10が設置されている。
【0005】
上記回転用微小変位装置11は、図7に示すように、上記両圧電アクチュエータ9,10に圧電を印加して、これらアクチュエータに接続方向の力を発生すると、各撓み梁6a,6b,7a,7bの固定部1,3との連結部から中心点Oに延びる直線L1 ,L2 と、各撓み梁の移動部2との連結部から中心点Oに延びる直線L1 ’,L2 ’とが僅かにずれる微小変位を生じ、この結果、移動部2は、点Oを中心に微小角度δ回転する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記回転用微小変位装置11は、圧電アクチュエータ9,10の接線方向力により、上記放射方向の撓み梁6a,6b,7a,7bに曲げ変形を生じると、移動部2は、点Oを中心に回動する力の他に、副次的に該中心点をずらす方向の力も発生する。上述した回転用微小変位装置11は、中心点Oを通る垂直線を中心に、左右対称に撓み梁及び圧電アクチュエータを設けて、上記副次的な力をキャンセルして、中心点がずれる方向の変位を極力小さくするようにしている。
【0007】
しかし、上記回転微小変位装置11は、移動部が放射方向の撓み梁にて浮動支持されている以上、左右の圧電アクチュエータ9,10の発生力が相違したり、また各撓み梁6a,6b,7a,7bの変形が微妙に異なる等の原因により、中心点Oがずれてしまうことがある。
【0008】
そこで、本発明は、軸受により移動側剛体部を支持することにより、上述した課題を解決した微小変位装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は(例えば、図1、図2、図3参照)、第1の(例えば移動側)剛体部(17…)と、該第1の剛体部に対して1軸を中心とした回転方向に変位自在に支持される第2の(例えば固定側)剛体部(16)と、前記第1及び第2の剛体部に相対変位を生じる微小変位アクチュエータ(21)と、を備えてなる微小変位装置(15)において、前記第1の剛体部(17…)は、前記微小変位アクチュエータ(21)に連結される連結ブロック(22)と、軸(29)と、平板(17)と、を一体に固定して構成され、前記軸(29)を、軸受(33,35)を介して前記第2の剛体部(16)に所定角度回転自在に支持してなり、前記微小変位アクチュエータ(21)と前記連結ブロック(22)との間に介在され、前記第2の剛体部(16)に連結する支点(25)と、前記微小変位アクチュエータ(21)に連結する力点(26)と、前記連結ブロック(22)に連結する作用点(27)とを有する変位変更機構(23)と、前記第2の剛体部(16)に貫通して螺合される調整スクリュー(24)と、前記連結ブロック(22)を回動付勢する圧縮スプリング(39)と、を備え、前記第2の剛体部(16)には、中央空部(20a)と、該中央空部(20a)の両側に振り分け配置され、該中央空部(20a)で連通される第1の空部(20b)及び第2の空部(20c)とが形成され、前記微小変位アクチュエータ(21)及び前記変位変更機構(23)が、前記第1の空部(20b)に収容され、前記連結ブロック(22)が前記軸(29)を中心に回動自在に、前記連結ブロック(22)において前記軸(29)を固定した円筒部(22a)が、前記中央空部(20a)に収容され、前記連結ブロック(22)における前記軸(29)に対して前記作用点(27)の反対側に位置する突部(22c)が、前記第2の空部(20c)に収容され、該突部(22c)と、前記軸(29)とが前記平板(17)に固定され、前記圧縮スプリング(39)が、前記突部(22c)に当接して前記第2の空部(20c)に収容され、前記圧縮スプリング(39)による前記連結ブロック(22)の付勢力を前記変位変更機構(23)を介して前記微小変位アクチュエータ(21)に作用し、前記微小変位アクチュエータ(21)の一端と前記調整スクリュー(24)の先端とを常時接触させる、ことを特徴とする微小変位装置にある。
【0010】
請求項2に係る本発明は、(例えば、図5参照)、第1の(例えば移動側)剛体部(17…)と、該第1の剛体部に対して1軸を中心とした回転方向に変位自在に支持される第2の(例えば固定側)剛体部(16)と、前記第1及び第2の剛体部に相対変位を生じる微小変位アクチュエータ(21)と、を備えてなる微小変位装置において、前記第1の剛体部(17…)は、前記微小変位アクチュエータ(21)に連結される連結ブロック(22)と、軸(29)と、平板(17)と、を一体に固定して構成され、前記軸(29)を、軸受(33,35)を介して前記第2の剛体部(16)に所定角度回転自在に支持してなり、前記微小変位アクチュエータ(21)と前記連結ブロック(22)との間に介在され、前記第2の剛体部(16)に連結する支点(25’)と、前記微小変位アクチュエータ(21)に連結する力点(26’)と、前記連結ブロック(22)に連結する作用点(27’)とを有する変位変更機構(23’)と、前記変位変更機構(23’)に貫通して螺合される調整スクリュー(24)と、前記連結ブロック(22)を回動付勢する圧縮スプリング(39)と、を備え、前記第2の剛体部(16)には、中央空部(20a)と、該中央空部(20a)の両側に振り分け配置され、該中央空部(20a)で連通される第1の空部(20b)及び第2の空部(20c)とが形成され、前記微小変位アクチュエータ(21)及び前記変位変更機構(23’)が、前記第1の空部(20b)に収容され、前記連結ブロック(22)が前記軸(29)を中心に回動自在に、前記連結ブロック(22)において前記軸(29)を固定した円筒部(22a)が、前記中央空部(20a)に収容され、前記連結ブロック(22)における前記軸(29)に対して前記作用点(27’)の反対側に位置する突部(22c)が、前記第2の空部(20c)に収容され、該突部(22c)と、前記軸(29)とが前記平板(17)に固定され、前記圧縮スプリング(39)が、前記突部(22c)に当接して前記第2の空部(20c)に収容され、前記圧縮スプリング(39)による前記連結ブロック(22)の付勢力を前記変位変更機構(23’)に作用し、前記微小変位アクチュエータ(21)の一端と前記調整スクリュー(24)の先端とを常時接触させる、ことを特徴とする微小変位装置にある。
なお、上記第1の剛体部(17,22,29)が移動側剛体部となり、上記第2の剛体部(16)が固定側剛体部となり、従って上記平板(17)が移動ステージとなって、該移動ステージが軸受(33,35)に支持された軸(29)を中心に回転することが好ましいが、上記関係は相対的なものであって、上記第1の剛体部(17,22,29)が固定側剛体部となり、上記第2の剛体部が可動側剛体部となり、従って上記平板(17)が基盤となって、該基盤に固定されている軸(29)を中心に、軸受(33,35)を介して第2の剛体部(16)が回転変位するようにしてもよい。
【0011】
請求項に係る本発明は、前記中央空部(20a)及び前記第2の空部(20c)に、前記連結ブロック(22)を、該空部(20a,20c)の厚さ方向(t)に対して略々納まるように配置し、
前記連結ブロック(22)の円筒部(22a)は、厚さ方向に薄く形成され
前記第2の剛体部(16)は、前記軸に所定間隙(a)を存して対向配置される少なくとも2箇所の支持部(16d,16e)を有し、該支持部にて前記軸受(33,35)を支持してなる、
請求項1又は2記載の微小変位装置にある。
【0012】
請求項に係る本発明は、前記軸受(33,35)は、前記軸(29)の両端部分に配置されたラジアル軸受からなり、該軸受の内輪(33a,35a)を前記軸(29)に嵌合すると共に、該軸受の外輪(33b,35b)を前記第2の剛体部の支持部(16d,16e)の空部(20a)に嵌合し、
前記軸の一端に鍔部(29a)を形成して、該鍔部に前記一方の軸受(33)の内輪(33a)を抜止め・当接すると共に、前記他方の軸受(35)の内輪(35a)を前記平板(17)に当接し、
前記軸(29)を前記平板(17)にボルト(30)にて締付けることにより前記両軸受のガタ取りをしてなる、
請求項記載の微小変位装置にある。
【0019】
請求項に係る本発明は、前記第1の剛体部が移動側剛体部(17…)であり、前記第2の剛体部が固定側剛体部(16)であり、前記平板が移動ステージ(17)である、請求項1ないしのいずれか記載の微小変位装置にある。
【0020】
[作用]
以上構成に基づき、圧電アクチュエータ(21)の発生した変位は、第2の剛体部(16)との相対変位として、連結ブロック(22)に伝達され、かつ該連結ブロックは、軸(29)に固定されていると共に、該軸が軸受(33,35)を介して第2の剛体部(16)に回転自在に支持されているので、上記連結ブロック(22)は、軸(29)を中心として第2の剛体部(16)に対して相対的に回転し、該連結ブロックと一体の平板(17)が相対的に所定角度回転方向に変位する。
【0021】
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これにより各請求項の構成に何等影響を及ぼすものではない。
【0022】
【発明の効果】
請求項1及び請求項2に係る本発明によると、第1の剛体部は、一体に固定された連結ブロック、軸及び平板からなり、かつ該軸が、軸受を介して第2の剛体部に回転自在に支持されているので、微小変位アクチュエータからの変位により、上記第1の剛体部は、軸受により軸を中心に第2の剛体部に対して相対的に回転し、従って第1及び第2の剛体部は、中心からずれることなく正確な回転変位を行うことができる。
また、変位変更機構により、微小変位アクチュエータの変位量を変更して移動側の剛体部に伝達することができ、平板での所望の回転変位を得ることができる。
また、調整スクリューを容易に取付けることができ、簡単な構造でもって、該調整スクリューの手動による粗動調整と、微小変位アクチュエータによる微動調整とが相俟って、効率的な微小範囲の位置決め調整を行うことができる。
また、連結ブロックを圧縮スプリングにより回動付勢して、調整スクリューの先端と微小変位アクチュエータの一端とが常に当接を維持するように構成されているので、調整スクリューがどのような調整範囲にあっても、該調整スクリューによる粗動調整及び微小変位アクチュエータによる微動調整を正確かつ確実に行うことができる。
【0023】
請求項に係る本発明によると、連結ブロックは、第2の剛体部に形成された空部に、その厚さ内に納まるように配置され、かつ連結ブロックを薄い円筒部にて軸に固定すると共に、該軸を支持する軸受を、第2の剛体部の少なくとも2箇所の支持部にて支持したので、微小変位装置は、コンパクト、特に回転軸方向(厚さ方向)にコンパクトに構成でき、また放電加工機等により高精度で容易に製造することができる。
【0024】
請求項に係る本発明によると、軸を支持する両軸受をラジアル軸受として、第1及び第2の剛体部を軽い力で相対変位し得るものでありながら、ボルトにより締付けることにより両軸受のガタをなくすことができ、精度の高い回転支持により、高い精度での回転方向の位置決めを行うことができる。
【0031】
請求項に係る本発明によると、第1の剛体を固定側剛体として、第2の剛体を可動側剛体とし、かつ平板を移動ステージとするので、幅(上下方向高さ)のある第1の剛体が固定側剛体となり、平板からなる移動ステージを有する第2の剛体が可動側剛体となる合理的な構成の微小変位装置を得ることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る1軸(Z軸)廻りの回転(θz)に係る微小変位装置を示す平面図、図2は、その上板(平板)である移動ステージを取り除いた状態を示す平面図、図3は、図1,図2のA−A部分の断面図、図4は、図1,図2のB−B部分の断面図である。微小変位装置15は、平面視略々正方形からなり、3板等の多数の板を積層して構成された下板16、1板の平板からなる上板17とを有しており、下板16は、基台に固定又は載置される基盤(固定側剛体部;第2の剛体部)を構成し、上板17は、1軸廻り(θz)の回転方向の微細動が要求される移動ステージを構成する。上記下板16は、4隅部16aが切欠かれており、また上記上板17は、辺中央部17aが切欠かれており、該中央切欠き部には下板16に植設されたピン19が位置して、移動ステージである上板17の回動量を規制している。
【0033】
そして、下板16は、図2に示すように、中央空部20aで連通する所定形状の空部20b,20cが放電加工機により切抜かれており、一方の空部20bに圧電アクチュエータ21及び変位拡大機構23等が収容され、また中央空部20a及び他方の空部20cに亘って可動(連結)ブロック22が収容されている。圧電アクチュエータ21は、複数のピエゾ素子が積層して形成され、その長手方向を上記下板16の一辺に略々平行に収容され、その一(基)端が、上記下板16に形成したネジ孔(図示せず)に螺合・貫通するマイクロメータ等の調整スクリュー24の先端24aに当接している。なお、該調整スクリュー24の操作部となる摘み部24bは、上記下板16の外方に突出して外部から調整可能となっている。また、該調整スクリュー24は、マイクロメータに限らず、単純なネジからなるものでもよい。
【0034】
前記変位拡大機構21は、所定長さの剛体からなり、放電加工等により、前記下板16の少なくともその(中央の)一枚に一体に形成されており、その一端が下板16に薄肉平板からなる弾性ヒンジ25を介して連結し、また前記圧電アクチュエータ21の先端に同じく薄肉平板からなる弾性ヒンジ26を介して連結し、更に前記可動ブロック22に同じく薄肉平板からなる弾性ヒンジ27を介して連結している。そして、前記3個の弾性ヒンジ25,26,27は、すべて同じ方向に平行に延びており、下板16に連結する弾性ヒンジ26は、支点を構成し、圧電アクチュエータ21に連結する弾性ヒンジ26は力点を構成し、可動ブロック22に連結する弾性ヒンジ27は作用点を構成し、上記支点25と力点26とは近接して配置され、力点26に作用する圧電アクチュエータ21からの変位を拡大して作用点27に伝達する。
【0035】
前記可動ブロック22は、上述と同様に、放電加工機により一体に刳り貫かれて形成されており、図2及び図3に示すように、中央部22aが円筒状に比較的薄く(t1)形成され、該円筒中央部以外は、下板16と略々同じ厚さ(t)からなり、(t1/t=0.3〜0.5)、かつ上記中央円筒部22aの中心に所定径の丸孔28が形成されており、更に上記円筒部22aにあっても、円筒部以外である突出部22b,22cに位置する方向にあっては、比較的幅広く形成され(22a1;図2及び図3参照)、それ以外の方向にあっては、比較的幅狭に形成されている(22a2;図2及び図4参照)。また、上記円筒部中心の丸孔28には軸29が嵌合されており、該軸29の上端は前記上板17にボルト30により固定されている。また、可動ブロック22は、3個のボルト31(図1参照、図2にボルト孔31aを示す)により上板17と一体に固定されており、かつ上記軸29は、可動ブロック22に形成された横孔22dに螺合する押しネジ32により一体に固定されている。従って、移動ステージとなる上板(平板)17、可動ブロック22及び軸29は一体に固定されて、移動側剛体部(第1の剛体部)を構成している。
【0036】
そして、軸29下端の鍔部29aと上記可動ブロックの円筒部22a下面との間、及び該可動ブロック円筒部22a上面と上板17下面との間は、それぞれアンギュラコンタクトボールベアリング等のラジアル軸受33,35が装着されている。なお、これら軸受は、ラジアル軸受に限らず、アンギュラコンタクトタイプ等のスラストベアリングでもよく、またボールベアリングに限らず、コロ軸受、更にブッシュ等の滑り軸受等の他の軸受でもよい。上記軸受33,35は、可動ブロック22部分(図3参照)にあっては、薄肉円筒部22aの上下面に形成される空部C,Cに位置し、その内輪33a,35aが軸29に嵌合していると共に、その外輪33b,35bと肉厚部分(22b,22c)との間に所定空隙を存している。
【0037】
一方、前記下板16は、図2に示すように、上記空部20a,20b,20cが刳り抜かれた所定以外において、該中央空部20aに臨む2箇所に支持部16d,16eを有しており、これら支持部は、前記軸29に所定間隙aを存して対向配置されている。そして、上記軸29と同心状に形成されている2個の支持部16d,16eにおける中央空部20aには、図4に示すように、前記2個の軸受33,35の外輪33b,35bが嵌合・支持されており、かつこれら軸受33,35の間において、該下板16の中央空部20aとの間に空隙を存して、前記可動ブロックの円筒幅狭部22a2が位置している。なお、上記軸受の外輪33b,35bは、鍔部を有しており、該鍔部が下板16の上下面に当接して、軸方向に位置決めされている。従って、移動側剛体部である軸29は、固定側剛体部である下板16(2箇所の支持部16d,16e)に軸受33,35を介して、所定角度回動自在に支持されている。また、ボルト30を締付けることにより、アンギュラコンタクトボールベアリングからなる軸受33,35は、その内輪33a,35aを軸方向に相対移動してガタ(隙間)がないように締付けられる。
【0038】
また、前記可動ブロック22の一方の突部22cと、下板16に植設されたリテーナ37との間にスプリング39が縮設されており、可動ブロック22を図2において時計方向に付勢している。該可動ブロック22の付勢力は、変位拡大機構23を介して圧電アクチュエータ21に図中上方向の付勢力として作用し、該圧電アクチュエータ21の基端と調整スクリュー先端24aとの接触を常時確保する。また、上記可動ブロック22の突部22cには腕22c1が突出して形成されており、該腕22c1及び前記2個の突部22b,22cにそれぞれボルト31により上板17が固定され、可動ブロック22に、移動ステージとなる上板17をバランスよく固定している。
【0039】
ついで、上述構成による微小変位装置15の作用について説明する。まず、調整スクリュー24を手動操作することにより、該スクリュー先端の変位は、一定長さにある圧電アクチュエータ21を介して変位拡大機構23の力点ヒンジ26に伝達され、更に該変位拡大機構23により拡大された変位は、作用点ヒンジ27を介して可動ブロック22に伝達される。該可動ブロック22は、軸受33,35を介して軸29を中心に回動し、該軸29に一体の移動ステージである上板17を回動し、これにより移動ステージ17は、大まかな回動方向の位置決め(粗動位置決め)がなされる。
【0040】
該粗動位置調整された状態で、コントローラにより圧電アクチュエータ21に所定電圧を供給する。該圧電アクチュエータは、その供給電圧と変位との間に所定関係を備えており、上記所定電圧の印加により所定の微小変位を生ずる。この状態では、調整スクリュー24は所定螺合状態に保持されており、かつ上述したように、圧縮スプリング(付勢手段)39によりスクリューの先端24aと圧電アクチュエータ21の基端とは常に当接した状態にあり、上述した圧電アクチュエータ21の長さ方向の微小変位は、変位拡大機構23の力点であるヒンジ25に作用し、該変位拡大機構23は、支点ヒンジ25を支点として、作用点ヒンジ27に変位を拡大して作用する。一例として、圧電アクチュエータ21の最大変位が約17[μm]であり、上記変位拡大機構23によるてこ比により、5〜11倍に拡大されて、作用点での変位は、85〜187[μm]となる。
【0041】
そして、上述した調整スクリュー24による粗動と同様に、上記圧電アクチュエータ21に基づく変位拡大機構23の作用点ヒンジ27の変位は、可動ブロック22に伝達される。該可動ブロック22は、その円筒部22aにて軸29に固定されており、かつ該軸29は、図4に示すように、下板16の支持部16d,16eにて軸受33,35により所定角度回動自在に支持されており、従って上記作用点ヒンジ27からの可動ブロック22の変位は、軸29を中心とした回転変位となり、該回転変位は、可動ブロックと一体の上板からなる移動ステージ17に伝達されて、微小変位装置15を1軸(Z軸)を中心とした回動量(θz)として位置決めする。
【0042】
ついで、図5に沿って一部変更した実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、先の実施の形態に比して、変位拡大機構部分が相違しているが、他の部分は同様なので、同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
本変位拡大機構23’は、固定側剛体部である下板16と別体の別部材からなり、平面視屈曲形状のブロックからなる。該変位拡大機構23’は、下板16の隅部に開口する空部20bに収納され、該開口部分を閉塞するように延びる第1の突出部23aと、圧電アクチュエータ21に沿って延びる本体部23bと、該本体部の端から鍵状に延びる第2の突出部23cと、を有している。そして、第1の突出部側の本体部23bには半円形の突起25’が形成されており、該突起が下板16に形成された半円形の凹部40に嵌合して、面対偶からなる支点25’を構成している。
【0044】
前記第1の突出部23aにはネジ孔が形成されており、該ネジ孔には調整スクリュー24が貫通して螺合しており、該スクリュー24の先端24aが圧電アクチュエータ21の一端に当接している。該圧電アクチュエータ21は、その他端が下板16に当接しており、その一端に前記調整スクリューの半球状からなる先端24aが当接して、点対偶からなる力点26’を構成している。また、前記第2の突出部23cには半円形等の突起27’が形成されており、該突起は、可動ブロック22の突出部22bに当接して作用点27’を構成している。
【0045】
以上構成により、圧電アクチュエータ21又は調整スクリュー24による力点26’の変位は、変位拡大機構23’が支点25’を中心に回動することにより作用点27’に拡大して伝達し、該拡大した変位が可動ブロック22の突出部22bに伝達される。なお、上記力点、作用点の点線対偶は、すべり運動からなるが、これは、コロ等を介在してころがり運動により接触してもよい。
【0046】
また、上述した実施の形態は、圧電アクチュエータ21と可動ブロック22との間に変位拡大機構を介在して、上記アクチュエータの変位を拡大して可動ブロックに伝達しているが、これに限らず、圧電アクチュエータを直接可動ブロックに連結しても、またてこ比を縮小するようにして用いてもよい。これにより、圧電アクチュエータのストローク増大及び更に微小な変位(サブμmオーダ、nmオーダ)の位置決め要求等に対応できる。従って、変位拡大機構は、てこ比により変位を変更し得る変位変更機構であればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転微小変位装置を示す平面図。
【図2】その移動ステージ(上板)を取り除いた状態の平面図。
【図3】図1及び図2のA−A線による断面図。
【図4】図1及び図2のB−B線による断面図。
【図5】一部変更した実施の形態を示す図2と同様な平面図。
【図6】従来の技術による回転微小変位装置を示す平面図。
【図7】その回転変位状態を示す平面図。
【符号の説明】
15 微小変位装置
16 第2の(固定側)剛体部(下板)
16d,16e 支持部
17 平板(移動ステージ、上板)
20a,20b,20c 空部
21 微小変位(圧電)アクチュエータ
22 連結(可動)ブロック
22a 円筒部
22c 突部
23,23’ 変位変更(拡大)機構
24 調整スクリュー
25 支点(弾性)ヒンジ
26 力点(弾性)ヒンジ
27 作用点(弾性)ヒンジ
25’ 支点(面対偶)
26’ 力点(線点対偶)
27’ 作用点(線点対偶)
29 軸
29a 鍔部
33,35 軸受
33a,35a 内輪
33b,35b 外輪
39 スプリング

Claims (5)

  1. 第1の剛体部と、該第1の剛体部に対して1軸を中心とした回転方向に変位自在に支持される第2の剛体部と、前記第1及び第2の剛体部に相対変位を生じる微小変位アクチュエータと、を備えてなる微小変位装置において、
    前記第1の剛体部は、前記微小変位アクチュエータに連結される連結ブロックと、軸と、平板と、を一体に固定して構成され、
    前記軸を、軸受を介して前記第2の剛体部に所定角度回転自在に支持してなり、
    前記微小変位アクチュエータと前記連結ブロックとの間に介在され、前記第2の剛体部に連結する支点と、前記微小変位アクチュエータに連結する力点と、前記連結ブロックに連結する作用点とを有する変位変更機構と、
    前記第2の剛体部に貫通して螺合される調整スクリューと、
    前記連結ブロックを回動付勢する圧縮スプリングと、を備え、
    前記第2の剛体部には、中央空部と、該中央空部の両側に振り分け配置され、該中央空部で連通される第1の空部及び第2の空部とが形成され、
    前記微小変位アクチュエータ及び前記変位変更機構が、前記第1の空部に収容され、
    前記連結ブロックが前記軸を中心に回動自在に、前記連結ブロックにおいて前記軸を固定した円筒部が、前記中央空部に収容され、
    前記連結ブロックにおける前記軸に対して前記作用点の反対側に位置する突部が、前記第2の空部に収容され、該突部と、前記軸とが前記平板に固定され、
    前記圧縮スプリングが、前記突部に当接して前記第2の空部に収容され、
    前記圧縮スプリングによる前記連結ブロックの付勢力を前記変位変更機構を介して前記微小変位アクチュエータに作用し、前記微小変位アクチュエータの一端と前記調整スクリューの先端とを常時接触させる、
    ことを特徴とする微小変位装置。
  2. 第1の剛体部と、該第1の剛体部に対して1軸を中心とした回転方向に変位自在に支持される第2の剛体部と、前記第1及び第2の剛体部に相対変位を生じる微小変位アクチュエータと、を備えてなる微小変位装置において、
    前記第1の剛体部は、前記微小変位アクチュエータに連結される連結ブロックと、軸と、平板と、を一体に固定して構成され、
    前記軸を、軸受を介して前記第2の剛体部に所定角度回転自在に支持してなり、
    前記微小変位アクチュエータと前記連結ブロックとの間に介在され、前記第2の剛体部に連結する支点と、前記微小変位アクチュエータに連結する力点と、前記連結ブロックに連結する作用点とを有する変位変更機構と、
    前記変位変更機構に貫通して螺合される調整スクリューと、
    前記連結ブロックを回動付勢する圧縮スプリングと、を備え、
    前記第2の剛体部には、中央空部と、該中央空部の両側に振り分け配置され、該中央空部で連通される第1の空部及び第2の空部とが形成され、
    前記微小変位アクチュエータ及び前記変位変更機構が、前記第1の空部に収容され、
    前記連結ブロックが前記軸を中心に回動自在に、前記連結ブロックにおいて前記軸を固定した円筒部が、前記中央空部に収容され、
    前記連結ブロックにおける前記軸に対して前記作用点の反対側に位置する突部が、前記第2の空部に収容され、該突部と、前記軸とが前記平板に固定され、
    前記圧縮スプリングが、前記突部に当接して前記第2の空部に収容され、
    前記圧縮スプリングによる前記連結ブロックの付勢力を前記変位変更機構に作用し、前記微小変位アクチュエータの一端と前記調整スクリューの先端とを常時接触させる、
    ことを特徴とする微小変位装置。
  3. 前記中央空部及び前記第2の空部に、前記連結ブロックを、該空部の厚さ方向に対して略々納まるように配置し、
    前記連結ブロックの円筒部は、厚さ方向に薄く形成され、
    前記第2の剛体部は、前記軸に所定間隙を存して対向配置される少なくとも2箇所の支持部を有し、該支持部にて前記軸受を支持してなる、
    請求項1又は2記載の微小変位装置。
  4. 前記軸受は、前記軸の両端部分に配置されたラジアル軸受からなり、該軸受の内輪を前記軸に嵌合すると共に、該軸受の外輪を前記第2の剛体部の支持部の空部に嵌合し、
    前記軸の一端に鍔部を形成して、該鍔部に前記一方の軸受の内輪を抜止め・当接すると共に、前記他方の軸受の内輪を前記平板に当接し、
    前記軸を前記平板にボルトにて締付けることにより前記両軸受のガタ取りをしてなる、
    請求項記載の微小変位装置。
  5. 前記第1の剛体部が移動側剛体部であり、前記第2の剛体部が固定側剛体部であり、前記平板が移動ステージである、
    請求項1ないしのいずれか記載の微小変位装置。
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