JP4151582B2 - 通信装置及びプログラム - Google Patents
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Description
このシステムは、車両列を形成する車両の速度と位置情報を、中継機能を用いた車々間通信によって知り、渋滞を検出するシステムの一種であるが、隣り合った車両間において逐次中継動作を行うものである。隣り合った車両(ここでは、車両進行方向を基準として前後に隣り合う意味)同士の通信とすることにより、各車で情報を共有できる。
渋滞状態判定手段は、車両の挙動から渋滞状態であることを判定するのであるが、これは例えば所定時間以上同じ動的アドレスに存在する場合に渋滞状態であると判定することが考えられる。また、この所定時間に関しては、固定値としてもよいが、例えば現在位置特定手段によって特定された現在位置から特定される前方に存在する信号機において車両が停止していなくてはならない時間に基づいて設定しても良い。つまり、車両が停止していなくてはならない時間は信号機によって変わるため、その停止必要時間+αの時間以上同じ動的アドレスに存在する場合には、渋滞が発生していると推定可能だからである。その場合は、信号機毎の停止必要時間を例えばナビゲーション用の地図データ中に含めておくなどの工夫が考えられる。もちろん、他の手法で判定しても良い。例えば法定速度から判断してかなり低速走行の状態が所定時間継続したら渋滞であると判定するといったことなどである。いずれにしても、通信装置が搭載されている車両の挙動から判定するので、リアルタイムで渋滞状態なのか否かを判定できる。つまり、外部情報に基づく従来手法のようなタイムラグが生じにくい。
また、問い合わせ制御手段は、渋滞状態であると判定された場合、次のような送信データを、通信手段を介して送信する。つまり、現在位置に対応する動的アドレスを送信側動的アドレスとして含むと共に車両の進行方向に隣接する動的アドレスを送信先のアドレスとして含み、その隣接する動的アドレスに対応する領域内に存在する他の通信装置が記憶している渋滞情報を問い合わせるための送信データである。
このうち、渋滞距離は次のようにして判定することができる。つまり、アドレスデータ記憶手段に、動的アドレスに対応する領域の道路に沿った長さを動的アドレスに対応させて記憶させておく。そして、渋滞情報に基づき、渋滞が発生している動的アドレスに対応する領域の長さをアドレスデータ記憶手段から読み出し、その長さを必要に応じて累積することで渋滞距離を判定するのである。「必要に応じて累積」としたのは、1つの動的アドレスの渋滞情報のみが存在する場合も想定されるため、2以上の動的アドレスの渋滞情報が存在すればそれらに対応する領域の長さを累積するという意味である。なお、例えば渋滞情報自体に該当する動的アドレス(に対応する領域)の長さの情報も含めておき、それに基づいて渋滞距離を算出することも可能である。
[通信装置の説明]
図1は実施例の通信装置1の概略構成を示すブロック図である。
また、無線通信機30は、車々間通信を行うためのものであり、他の車両に搭載された通信装置1(の無線通信機30)との間で無線通信を行う。通信方式としては、例えばDSRC、BlueTooth(登録商標)、無線LAN、UWB、ミリ波通信など主に狭域での無線通信方式を採用することが考えられる。なお、この無線通信機30において必要とされる通信エリアは、後述する動的アドレスとの関係で決定されるため、その動的アドレスの説明の際に併せて説明する。
次に、共有アドレスデータ28aに関して説明する。
この共有アドレスデータ28aは、地図上の道路に沿って区分された連続する領域それぞれに、その領域を特定可能なように設定されたアドレスである動的アドレスを対応させて構成されたものである。なお、本実施例では自車が走行している道路の渋滞情報を取得することを想定しているため、この場合の「道路」は渋滞の進行方向が異なれば違う道路と考える。そのため、上り車線側・下り車線側それぞれの道路に沿って区分された連続する領域を設定する。また、この領域の道路に沿った長さは固定(例えば20m)とすることもできるが、道路形状に応じて可変としてもよい。例えばL字状に曲がっている道路があった場合、領域の長さを固定にすると曲がっている部分がL字状の領域として設定されてしまう可能性がある。もちろんそのような設定でも実現可能もあるが、L字状にならないように直線状に、実際には道路幅があるので略矩形の領域として設定した方がデータ処理の点で好ましい。矩形形状であれば例えば4隅の緯度経度にて特定することができるからである。
まず、動作の概要を説明する。本実施例の通信装置1では、共有アドレスデータを用いることによって、車々間通信を行って渋滞情報を取得し、渋滞距離を算出する。その概要を図3及び図4を参照して説明する。
図5のフローチャートは渋滞情報を入手あるいは更新する際の処理を示すものである。処理が開始すると、まず位置検出器21(図1参照)からの情報に基づき、自車の現在位置の緯度経度を算出し、ハードディスク28内の共有アドレスデータ28aを参照して自装置1が存在する領域に対応する動的アドレスを確認する(S10)。そして、同一の動的アドレスに対応する領域内に所定時間以上存在(以下、「同一の動的アドレスに所定時間以上存在」と記載するが同じ意味である。)しているか否か判断し(S20)、同一の動的アドレスに所定時間以上存在しない場合は(S20:NO)S10へ戻るが、同一の動的アドレスに所定時間以上存在する場合は(S20:YES)、その時の絶対時刻を(RAM等に)保存する(S30)。
まず位置検出器21(図1参照)からの情報に基づき、自車の現在位置を算出し、ハードディスク28内の共有アドレスデータ28aを参照して自装置1が存在する領域に対応する動的アドレスを確認する(S310)。そして、呼び出し割り込みが発生したか否か判断する(S320)。具体的には、S310で確認した自車の動的アドレスと同じ動的アドレスを図8(b)中の(1)に示す「前方動的アドレス」として設定したデータを受信した場合にのみ呼び出し割り込みが発生したと判断する。
(A)このように、本実施例の通信装置1によれば、車々間通信方式にてリアルタイムに情報取得が可能であることに加え、動的アドレスを巧みに利用したデータ通信を行うことによって、従来の車々間通信装置のように隣接する車両間で逐次中継通信を行う形式に比べてレスポンスタイムの大幅短縮が期待できる。つまり、従来方式では車両が非常に多い場合には通信トラフィックが非常に大きくなりレスポンスタイムが非常に大きくなってしまい、早期に情報を得ることができなくなり車々間通信方式のメリットが薄れてしまっていた。それに対して本実施例の通信装置1の場合には、動的アドレスという単位で情報通信を行うのであるが、この動的アドレスに対応する領域は車両が同時に複数台(具体的には最低でも4台)存在可能な領域である。したがって、例えば100台の車両が渋滞列を形成しており、車両が4台ずつ25個の動的アドレスに対応する領域内にそれぞれ存在した場合を想定すると、従来のように隣接する100台の車両に搭載された通信装置にて逐次中継通信していくと通信トラフィックが大きくなるが、動的アドレス単位で中継通信をすれば25の動的アドレス間での逐次中継通信で済む。それによってデータ通信トラフィックが非常に低減し、レスポンスタイムが短縮されるため、渋滞情報を早期に取得することができる。
(1)上記実施例では車両が徐行状態あるいは完全に停止してしまうような状況を主に想定したものであったが、例えば高速道路などにおいては30〜40km/h程度の走行であっても渋滞の対象として考えることができる。したがって、渋滞状態の判定を所定速度以下の走行状態が所定時間継続している、といったことで行っても良い。その場合には、動的アドレスに対応する領域の長さをある程度長くし、例えば100m、200mといったレベルの長さにすることも考えられる。
Claims (8)
- 車両に搭載され、車両間において情報を相互に通信可能な通信装置であって、
地図上の道路に沿って区分された連続する領域であって車両が同時に複数台存在可能な領域それぞれに、その領域を特定可能なように設定されたアドレスである動的アドレスを対応させて構成された共有アドレスデータを記憶するアドレスデータ記憶手段と、
任意の前記動的アドレスに対応する領域に存在した場合、隣接する他の動的アドレスに対応する領域に存在する通信装置と無線通信可能な通信エリアを有する通信手段と、
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
渋滞情報を記憶するための渋滞情報記憶手段と
各種制御を実行する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
自車両の挙動から渋滞状態であることを判定する渋滞状態判定手段と、
前記渋滞状態判定手段によって渋滞状態であると判定された場合、自車両に関する渋滞情報を前記渋滞情報記憶手段に記憶させる渋滞情報記憶制御手段と
前記渋滞状態判定手段によって渋滞状態であると判定された場合、前記現在位置特定手段によって特定された現在位置に対応する前記動的アドレスを送信側動的アドレスとして含むと共に前記車両の進行方向に隣接する動的アドレスを送信先のアドレスとして含み、その隣接する動的アドレスに対応する領域内に存在する他の通信装置が記憶している渋滞情報を問い合わせるための送信データを、前記通信手段を介して送信する問い合わせ制御手段と、
前記現在位置特定手段によって特定された現在位置に対応する前記動的アドレスを前記送信先のアドレスとして含む前記送信データを、前記通信手段を介して他の通信装置から受信した場合には、前記渋滞情報記憶手段に記憶されている渋滞情報を含むと共に、前記送信データに含まれている送信側動的アドレスを返信先アドレスとして含む返信データを、前記通信手段を介して送信する返信制御手段と、
を有し、
前記現在位置特定手段によって特定された現在位置に対応する前記動的アドレスを前記返信先のアドレスとして含む前記返信データを、前記通信手段を介して他の通信装置から受信した場合、前記渋滞情報記憶制御手段は、前記返信データ中に含まれる前記渋滞情報を前記渋滞情報記憶手段に記憶させること
を特徴とする通信装置。 - 請求項1に記載の通信装置において、
前記制御手段は、
さらに、前記渋滞情報記憶手段に記憶されている渋滞情報に基づいて渋滞内容を判定する渋滞内容判定手段を有していること
を特徴とする通信装置。 - 請求項2に記載の通信装置において、
前記アドレスデータ記憶手段は、前記動的アドレスに対応する領域の道路に沿った長さを前記動的アドレスに対応させて記憶しており、
前記渋滞内容判定手段は、前記渋滞情報に基づき、渋滞が発生している動的アドレスに対応する領域の長さを前記アドレスデータ記憶手段から読み出し、その長さを必要に応じて累積することで渋滞距離を判定すること
を特徴とする通信装置。 - 請求項1〜3の何れかに記載の通信装置において、
前記返信制御手段は、
前記動的アドレスへ進入してからの移動距離に基づいて決定された送信許可開始時刻以降に、送信の優先権を獲得したことを示すデータと自車両が存在する領域に対応する動的アドレスを送信先のアドレスとして含む優先権獲得データを送信可能であり、
前記現在位置特定手段によって特定された現在位置に対応する前記動的アドレスを前記送信先のアドレスとして含む前記優先権獲得データを他の通信装置から受信した場合には、前記優先権獲得データ及び前記返信データの送信を実行せず、一方、前記優先権獲得データを送信できた場合には前記返信データの送信を実行すること
を特徴とする通信装置。 - 請求項4に記載の通信装置において、
前記送信許可開始時刻は、前記動的アドレスに同時に存在し得る車両に搭載された通信装置が同時に同じ送信許可開始時刻に割り当てられないように決定されていること
を特徴とする通信装置。 - 請求項4又は5に記載の通信装置において、
前記送信許可開始時刻は、前記動的アドレスへ進入してからの移動距離が長いほど早期に生じるように決定されていること
を特徴とする通信装置。 - 請求項1〜6の何れかに記載の通信装置において、
前記制御手段は、さらに、前記問い合わせ制御手段によって問い合わせた結果、返答がない場合には、自装置に対応する動的アドレスが渋滞列の先頭の動的アドレスであると判定する先頭アドレス判定手段を有し、
前記問い合わせ制御手段は、前記先頭アドレス判定手段によって先頭の動的アドレスであると判定された場合、前記現在位置特定手段によって特定された現在位置に対応する前記動的アドレスが変化しない限り、前記渋滞情報を問い合わせるための送信データの送信を実行しないこと
を特徴とする通信装置。 - 請求項1〜7の何れかに記載の通信装置における前記制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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