JP4151116B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、天井埋込型あるいは天井吊下型の空気調和装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
図12及び図13には、従来一般的な天井埋込型の空気調和装置X0を示している。この空気調和装置X0は、下端が開口した矩形箱状を有し且つ天井81に形成した開口82に臨んで天井裏空間83側に埋め込み状態で配置されるケーシング101と、矩形平板状形態を有し且つその中央寄り部位に吸込口103を、その外周寄りの四辺のそれぞれに吹出口104,104,・・を形成した室内パネル102とで囲繞された機内空間112内に、上記ケーシング101の天井面101aの略中央部に取り付けられたモータ110により回転駆動される遠心羽根車108を配置するとともに、該遠心羽根車108の外側には該遠心羽根車108に近接状態で熱交換器107を配置して構成されている。そして、この場合、上記熱交換器107は、板厚方向に積層配置された複数枚の板状フィンと該各板状フィンを貫通して配置される複数本の伝熱管とでなり全体として厚板状の外観形態をもつ所謂クロスフィンタイプの熱交換器とされ、且つこれを上記各吹出口104,104,・・に対応するように略矩形筒状に屈曲させて使用している。
【0004】
この空気調和装置X0においては、上記遠心羽根車108の運転に伴い上記吸込口103から吸い込まれる室内空気を、遠心羽根109部分からその径方向外方に位置する上記熱交換器107側へ向けて吹き出し、該熱交換器107でその冷媒と熱交換させて温風あるいは冷風として上記各吹出口104,104,・・から室内側へ吹き出すようになっている。
【0005】
尚、かかる構成の空気調和装置の公知例としては、例えば、実開平8−1023号公報に開示されるものがある。
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、空気調和装置、特に天井埋込型あるいは天井吊下型の空気調和装置においては、省工事性、室内の美観を高める等の観点から、近年、製品高さ寸法を維持した状態で、その平面形態のコンパクト化の要請が強く、かかるコンパクト化の要請に応えるべく、熱交換器については、該熱交換器の平面寸法のコンパクト化、及びかかる状態での必要伝熱面積を確保するために熱交換器の高さ寸法を可能な限りの縦長化する傾向にある。かかる熱交換器のコンパクト化は、該熱交換器の内側スペース(即ち、遠心羽根車の配置スペース)の狭小化、さらに該内側スペースの狭小化による遠心羽根車の小径化として現れ、その結果、以下のような問題が生ずるに至った。
【0007】
(1) 熱交換器の縦長化に対応して遠心羽根車の羽根高さ(図12の「S」参照)も長くしたいが、該遠心羽根車が小径とされているため、羽根高さを長くすると遠心羽根車の吸込側において空気流の剥離が生じその能力が極端に低下することになる。従って、熱交換器の縦長化に対応して遠心羽根車の羽根高さを長くするには限界があり、必然的に熱交換器の高さ寸法と遠心羽根車の羽根高さとの間に大きな差が生じ、これによって熱交換器における風速分布がその高さ方向に大きく歪んだものとなる。この結果、熱交換器が本来的に有する熱交換性能を十分に得ることができず(換言すれば、熱交換器の有効利用度が低くなり)、空気調和装置の性能低下を招来するとともに、熱交換器における通風圧力損失の増加に起因して送風音の上昇あるいは軸動力の増加による省エネ性の低下という問題を生じることになる。
【0008】
(2) 遠心羽根車からの吹出風が旋回流であることから、この吹出風が熱交換器のフィンに対して大きな傾斜角をもって流入して該フィンと干渉し大きな通風圧力損失が生じる。この場合、空気調和装置の平面形態のコンパクト化に伴って遠心羽根車が小径であるため、該遠心羽根車が大径である場合に比して、吹出風の流速が大きく、それだけ通風圧力損失がさらに増加し、送風音の上昇あるいは軸動力の増加による省エネ性の低下という問題がさらに顕著になる。
【0009】
(3) 遠心羽根車の径寸法は、上記(1)に記載のように空気調和装置の平面形態のコンパクト化に伴う熱交換器の縦長化に対応して決定されるものの、上記(2)に記載の如き理由から可能な限り大径に設定されている。従って、遠心羽根車の外周と熱交換器の内周との間の隙間(図13の「L」参照)は小さく、この隙間内に十分な性能をもつ脱臭機能デバイス等の空気質改質デバイスを配置することが難しく、そのため空気調和装置に空気質改質という付加機能を持たせることが困難であった。
【0010】
そこで本願発明は、縦長の熱交換器を備えた空気調和装置において、該熱交換器における風速分布を改善してその性能向上を図ること等を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0012】
本願の第1の発明では、吸込口3と吹出口4とを備えたケーシング1内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21を、その内周側が上記吸込口3に、その外周側が上記吹出口4にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器21の外側を旋回する羽根車31を配置し、上記吸込口3からの吸入空気を上記熱交換器21を通して上記吹出口4から吹き出すように構成するとともに、上記羽根車31を、該羽根車31の内周縁から上記熱交換器21の下端部に設けられたドレンパン7と室内パネル2の上面との間を通って該熱交換器21の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器21を上記吸込口3に連通させる開口65を備えた支持材15を介してモータ11に連結したことを特徴としている。
【0013】
本願の第2の発明では、吸込口3と吹出口4とを備えたケーシング1内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21を、その内周側が上記吸込口3に、その外周側が上記吹出口4にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器21の外側を旋回する軸流羽根車又は斜流羽根車で構成された羽根車31を配置し、上記吸込口3からの吸入空気を上記熱交換器21を通して上記吹出口4から吹き出すように構成するとともに、上記羽根車31を、該羽根車31の内周縁から上記熱交換器21の下端部に設けられたドレンパン7と室内パネル2の上面との間を通って該熱交換器21の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器21を上記吸込口3に連通させる開口65を備えた支持材15を介してモータ11に連結したことを特徴としている。
【0014】
本願の第3の発明では、吸込口3と吹出口3とを備えたケーシング1内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21を、その内周側が上記吸込口3に、その外周側が上記吹出口4にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器21の外側を旋回する羽根車31を配置し、上記吸込口3からの吸入空気を上記熱交換器21を通して上記吹出口4から吹き出すように構成するとともに、上記羽根車31を、その前縁36aを上記熱交換器21の軸線に対して所定の傾斜角αをもつ軸流羽根車又は斜流羽根車で構成し、かつ該羽根車31の内周縁から上記熱交換器21の下端部に設けられたドレンパン7と室内パネル2の上面との間を通って該熱交換器21の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器21を上記吸込口3に連通させる開口65を備えた支持材15を介してモータ11に連結したことを特徴としている。
【0015】
本願の第4の発明では、上記第1、第2又は第3の発明に係る空気調和装置において、上記熱交換器21の内側の内側空間62における上記熱交換器21と上記支持板15との間の空間部と、上記内側空間62における上記支持板15と上記吸込口3との間の空間部の少なくともいずれか一方に、円筒状に成形された空気質改質デバイス22を配設したことを特徴としている。
【0016】
本願の第5の発明では、開口した下端面を下方に向けて天井81に埋め込み又は吊り下げ状態で配置されるケーシング1と、該ケーシング1の開口端に室内側から装着されるとともにその中央寄り部位には吸込口3を、外周寄り部位には吹出口4をそれぞれ形成された室内パネル2とで囲繞された機内空間61に、略円筒状又は略円錐筒状の外観形態を有する如く形成された熱交換器21を、該熱交換器21の内周側が上記吸込口3に、外周側が上記吹出口4にそれぞれ臨むようにして収容し、該熱交換器21によって上記機内空間61を上記吸込口3に対応する内側空間62と上記吹出口4に対応する外側空間63とに区画する一方、上記外側空間63内には、上記熱交換器21の外周側において回転する羽根車31を配置するとともに、該羽根車31は、羽根36の前縁36aが上記熱交換器21の軸線方向に対して所定の傾斜角度αをもつ斜流羽根車又は軸流羽根車で構成されるとともに、上記内側空間62から上記熱交換器21の下端部に設けられたドレンパン7の下面と上記室内パネル2の上面との間を通って上記外側空間63側へ延出するとともに該内側空間62に対応する部位には上記吸込口3を上記熱交換器21に連通させる開口65を設け且つ上記内側空間62内に配置されたモータ11により回転駆動される支持板15により支持したことを特徴としている。
【0017】
本願の第6の発明では、上記第5の発明に係る空気調和装置において、上記吹出口4を、上記羽根車31の外周形状に対応する環状形態としたことを特徴としている。
【0018】
本願の第7の発明では、上記第5又は第6の発明に係る空気調和装置において、上記内側空間62における上記熱交換器21と上記支持板15との間の空間部と、上記内側空間62における上記支持板15と上記吸込口3との間の空間部の少なくともいずれか一方に、空気質改質デバイス22を配設したことを特徴としている。
【0019】
本願の第8の発明では、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6又は第7の発明にかかる空気調和装置において、上記支持板15における上記開口65に、斜流羽根車、遠心羽根車又は軸流羽根車で構成される羽根車32を設けたことを特徴としている。
【0020】
本願の第9の発明では、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8又は第9の発明にかかる空気調和装置において、上記ドレンパン7の下面と上記室内パネル2の上面との対向空間66を通って上記内側空間62側から外側空間63側へ延びる上記支持板15の延出部15bの上面と下面の少なくともいずれか一方の面に、上記対向空間66を通って高圧側から低圧側へ流れる空気流の流れを抑制するシール機構Pを設けたことを特徴としている。
【0021】
本願の第10の発明では、上記第9の発明にかかる空気調和装置において、上記シール機構Pを、空気流に拡大縮小する流動作用を繰り返して与えることで高圧側から低圧側への空気の流れを抑制するラビリンスシール、低圧側の空気を高圧側に誘引せしめることで高圧側から低圧側への空気の流れを抑制するスパイラルグルーブシール、又は該ラビリンスシールとスパイラルグルーブシールとを組み合わせて構成したことを特徴としている。
【0022】
本願の第11の発明では、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9又は第10の発明にかかる空気調和装置において、上記支持板15における上記延出部15bと上記羽根車31の羽根36,36,・・が取り付けられるハブ部15cとの中間部位に、上記羽根車31からの吹出風の一部を該羽根車31の吸込側へ還流させる還流口67を設けたことを特徴としている。
【0023】
本願の第12の発明では、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9,第10又は第11の発明にかかる空気調和装置において、上記支持板15の少なくとも上記延出部15bを磁性を有する構成とする一方、上記延出部15bを挟んで対向する上記ドレンパン7の下面と上記室内パネル2の上面のいずれか一方に電磁石54を配置したことを特徴としている。
【0024】
本願の第13の発明では、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9,第10,第11,第12又は第13の発明にかかる空気調和装置において、上記支持板15における上記延出部15bから上記ハブ部15cにかけての部位に、植毛、断熱材の接合、又は熱伝導率の小さい材料のコーティングによる断熱加工を施したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0026】
(イ) 本願の第1の発明にかかる空気調和装置によれば、吸込口3と吹出口4とを備えたケーシング1内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21を、その内周側が上記吸込口3に、その外周側が上記吹出口4にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器21の外側を旋回する羽根車31を配置し、上記吸込口3からの吸入空気を上記熱交換器21を通して上記吹出口4から吹き出すように構成しているので、上記熱交換器21の外周側での吸入作用を受けて該熱交換器21をその内周側から外周側に向かって貫流せしめられる上記吸入空気の流れ方向に対する上記羽根車31の拘束作用が、例えば従来のように熱交換器の内側に且つその吹出口を近接対向させた状態で羽根車が配置される構成(図12参照)の場合に比して小さく、それだけ上記熱交換器21における風速分布が改善され、例え該熱交換器21が縦長形態であったとしても、上記空気は該熱交換器21の高さ方向の略全域に亙って略均一的に流れ、該熱交換器21の有効利用度が高まることで空気調和装置の性能の向上が図れるとともに、該熱交換器21における通風圧力損失が低下することで、送風音の低減による静粛運転性の向上及び軸動力の低下による省エネ性の促進が図れることになる。
【0027】
さらに、上記羽根車31を、該羽根車31の内周縁から上記熱交換器21の下端部に設けられたドレンパン7と室内パネル2の上面との間を通って該熱交換器21の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器21を上記吸込口3に連通させる開口65を備えた支持材15を介してモータ11に連結しているので、略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21の外周側に配置された上記羽根車31を、該熱交換器21の内周側に配置された上記モータ11によって駆動する構成でありながら、上記吸込口3から上記熱交換器21への吸入空気の流通が可能ならしめられるとともに、該熱交換器21の内周側に他の機器の配置スペースを確保し空気調和装置の多機能化を図ることが可能となるものである。
【0028】
(ロ) 本願の第2の発明にかかる空気調和装置によれば、吸込口3と吹出口4とを備えたケーシング1内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21を、その内周側が上記吸込口3に、その外周側が上記吹出口4にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器21の外側を旋回する軸流羽根車又は斜流羽根車で構成された 羽根車31を配置し、上記吸込口3からの吸入空気を上記熱交換器21を通して上記吹出口4から吹き出すように構成しているので、該羽根車31における空気の流れ方向が、上記熱交換器21の面方向に可及的に近付き、それだけ該熱交換器21における風速分布の改善が促進され、上記(イ)に記載の効果がさらに確実ならしめられる。
【0029】
さらに、上記羽根車31を、該羽根車31の内周縁から上記熱交換器21の下端部に設けられたドレンパン7と室内パネル2の上面との間を通って該熱交換器21の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器21を上記吸込口3に連通させる開口65を備えた支持材15を介してモータ11に連結しているので、略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21の外周側に配置された上記羽根車31を、該熱交換器21の内周側に配置された上記モータ11によって駆動する構成でありながら、上記吸込口3から上記熱交換器21への吸入空気の流通が可能ならしめられるとともに、該熱交換器21の内周側に他の機器の配置スペースを確保し空気調和装置の多機能化を図ることが可能となるものである。
【0030】
(ハ) 本願の第3の発明にかかる空気調和装置によれば、吸込口3と吹出口3とを備えたケーシング1内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21を、その内周側が上記吸込口3に、その外周側が上記吹出口4にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器21の外側を旋回する羽根車31を配置し、上記吸込口3からの吸入空気を上記熱交換器21を通して上記吹出口4から吹き出すように構成しているので、該羽根車31の吸込側となる上記前縁36aが上記熱交換器21の高さ方向における広い範囲に臨むことになり、その結果、該熱交換器21における風速分布の改善がさらに促進され、上記(ロ)に記載の効果がより一層高められることになる。
【0031】
さらに、上記羽根車31を、その前縁36aを上記熱交換器21の軸線に対して所定の傾斜角αをもつ軸流羽根車又は斜流羽根車で構成し、かつ該羽根車31の内周縁から上記熱交換器21の下端部に設けられたドレンパン7と室内パネル2の上面との間を通って該熱交換器21の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器21を上記吸込口3に連通させる開口65を備えた支持材15を介してモータ11に連結しているので、略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器21の外周側に配置された上記羽根車31を、該熱交換器21の内周側に配置された上記モータ11によって駆動する構成でありながら、上記吸込口3から上記熱交換器21への吸入空気の流通が可能ならしめられるとともに、該熱交換器21の内周側に他の機器の配置スペースを確保し空気調和装置の多機能化を図ることが可能となるものである。
【0032】
(ニ) 本願の第4の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ),(ロ)又は(ハ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記熱交換器21の内側の内側空間62における上記熱交換器21と上記支持板15との間の空間部と、上記内側空間62における上記支持板15と上記吸込口3との間の空間部の少なくともいずれか一方に、空気質改質デバイス22を配設しているので、スペース的な条件からして、上記空気質改質デバイス22を十分な性能をもつものに設定することが可能であり、空気質改質という付加機能を備えた空気調和装置を提供することができるものである。
【0033】
(ホ) 本願の第5の発明にかかる空気調和装置によれば、略円筒状又は略円錐筒状の外観形態を有する如く形成された熱交換器21の外周側に、羽根36の前縁36aが上記熱交換器21の軸線方向に対して所定の傾斜角度αをもつ斜流羽根車又は軸流羽根車で構成される羽根車31を配置しているので、該羽根車31の吸込側となる羽根36の前縁36aが上記熱交換器21の高さ方向における広い範囲に臨むことになる。この結果、例え上記熱交換器21が縦長形態であったとしても、上記羽根車31の回転に伴い上記熱交換器21の内側に位置する内側空間62側から該熱交換器21を介して該熱交換器21の外側に位置する外側空間63に配置された上記羽根車31側に吸い込まれる空気流は、上記熱交換器21をその高さ方向の略全域に亙って略均一的に流れ、該熱交換器21における風速分布が、従来のように熱交換器の内側に遠心羽根車を配置した構成の場合に比して、可及的に改善される。かかる熱交換器21における風速分布の改善により、該熱交換器21の有効利用度が高まりそれだけ空気調和装置の性能の向上が図れるとともに、該熱交換器21における通風圧力損失が低下することで、送風音の低減による静粛運転性の向上及び軸動力の低下による省エネ性の促進が図れることになる。
【0034】
さらに、上記羽根車31が上記熱交換器21の下流側にあって、熱交換器21の上流側から下流側に向けて室内空気を吸い込む構成であることから、上記羽根車31の回転に拘わらず上記熱交換器21部分においては空気流が該熱交換器21のフィンと略平行に流れ、従来のように空気流が旋回流として熱交換器に流入する場合のような空気流とフィンとの干渉が可及的に防止され、それだけ熱交換器21における通風圧力損失がさらに低減され、空気調和装置の静粛運転性及び省エネ性がより一層促進されることになる。
【0035】
(ヘ) 本願の第6の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(ホ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記室内パネル2に設けられる上記吹出口4を、上記羽根車31の外周形状に対応する環状形態としているので、上記羽根車31の回転に伴い該羽根車31から吹き出される吹出風はスムーズに上記吹出口4から室内に向けて円錐筒状に吹き出されるとともに遠心力を受けて径方向外側に広がることから、室内の広範囲において温度ムラの小さい気流分布が実現され、暖房あるいは冷房の快適性が向上するものである。
【0036】
(ト) 本願の第7の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(ホ)又は(ヘ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記羽根車31を斜流羽根車又は軸流羽根車とし且つこれを上記熱交換器21の外周側に配置したことに起因して大きなスペースをもつことになった二つの空間部、即ち、上記内側空間62における上記熱交換器21と上記支持板15との間の空間部と、上記内側空間62における上記支持板15と上記吸込口3との間の空間部の少なくともいずれか一方に、空気質改質デバイス22を配設しているので、スペース的な条件からして、上記空気質改質デバイス22を十分な性能をもつものに設定することが可能であり、空気質改質という付加機能を備えた空気調和装置を提供することができるものである。
【0037】
(チ) 本願の第8の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ),(ヘ)又は(ト)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記支持板15における上記開口65に、斜流羽根車、遠心羽根車又は軸流羽根車で構成される羽根車32を設けているので、例えば上記開口65に該羽根車32を設けない場合には該開口65において幾らかの通風圧力損失が生じるところ、該開口65に設けられた上記羽根車32による圧力上昇により上記通風圧力損失が相殺され、通風圧力損失の増加による送風音の増大及び軸動力の増大が未然に防止され、良好な静粛性及び省エネ性が確保されることになる。
【0038】
また、この場合、上記羽根車32は上記開口65における通風圧力損失を相殺し得る程度の圧力上昇が得られれば十分であることから、かかる条件が満たされる範囲内において羽根取付角をできるだけ小さくして上記羽根車32からの吹出風の旋回成分を可及的に小さくすることで、上記熱交換器21の上流側に上記羽根車32を配置した構成であるにも拘わらず、該熱交換器21への吹出風の流入角度をフィンに対して可及的に平行としてその相互干渉を抑制することができることになる。
【0039】
(リ) 本願の第9の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ),(ヘ),(ト)又は(チ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記ドレンパン7の下面と上記室内パネル2の上面との対向空間66を通って上記内側空間62側から外側空間63側へ延びる上記支持板15の延出部15bの上面と下面の少なくともいずれか一方の面に、上記対向空間66を通って高圧側から低圧側へ流れる空気流の流れを抑制するシール機構Pを設けているので、例えばかかるシール機構Pが設けられておらず高圧側から低圧側へ空気が比較的多く漏れる構成の場合に比して、該シール機構Pにより高圧側から低圧側への空気の漏れが抑制される分だけ、上記羽根車31の送風能力が向上し、延いては該羽根車31の駆動に要する軸動力の低減により省エネ性の向上が期待できるものである。
【0040】
そして、この場合、上記シール機構Pを、本願の第10の発明にかかる空気調和装置の如く、非接触型のシール機構であるラビリンスシールとかスパイラルグルーブシールあるいはこれら両者を組み合わせたもので構成すると、接触抵抗による軸動力の増加を招くことなく良好なシール性が確保されるため好都合である。
【0041】
(ヌ) 本願の第11の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト),(チ)又は(リ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記支持板15における上記延出部15bと上記羽根車31の羽根36,36,・・が取り付けられるハブ部15cとの中間部位に、上記羽根車31からの吹出風の一部を該羽根車31の吸込側へ還流させる還流口67を設けているので、特に空気調和装置の冷房運転時においては、上記支持板15における上記延出部15bと上記ハブ部15cとの中間部位に、上記還流口67を通って常時冷風が循環し、この循環冷風によって該延出部15b及びハブ部15cの近傍に暖かい室内空気が侵入するのが防止される。この結果、冷風によって冷却される上記支持板15の延出部15b及びハブ部15cに対して暖かい室内空気が接触してこの部分に結露が発生するのが未然に防止されることになる。
【0042】
(ル) 本願の第12の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト),(チ),(リ)又は(ヌ)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記支持板15の少なくとも上記延出部15bを導電性を有する構成とする一方、上記延出部15bを挟んで対向する上記ドレンパン7の下面と上記室内パネル2の上面のいずれか一方に電磁石54を配置しているので、上記支持板15の延出部15bは上記電磁石54の磁束の変化に伴って発生する渦電流によって発熱を生じ、例えば空気調和装置の冷房運転時においても該延出部15bが上記羽根車31から吹き出される冷風によって過度に冷却されるということがなく、その結果、該延出部15bにおける結露の発生が未然に防止されることになる。
【0043】
(ヲ) 本願の第13の発明にかかる空気調和装置によれば、上記(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ),(ヘ),(ト),(チ),(リ),(ヌ)又は(ル)に記載の効果に加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明では、上記支持板15における上記延出部15bから上記ハブ部15cにかけての部位に、植毛、断熱材の接合、又は熱伝導率の小さい材料のコーティングによる断熱加工を施しているので、例えば空気調和装置の冷房運転時においても上記延出部15bが上記羽根車31から吹き出される冷風によって過度に冷却されるということがなく、これにより該延出部15bにおける結露の発生が未然に防止されることになる。
【発明の実施の形態】
【0044】
以下、本願発明にかかる空気調和装置を幾つかの好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0045】
A:第1の実施形態
図1及び図2には、本願発明にかかる空気調和装置の第1の実施形態としての天井埋込型の室内機X1を示している。この室内機X1は、次述するケーシング1と室内パネル2とで囲繞された矩形の機内空間61内に、後述する熱交換器21と空気質改質デバイス22及び羽根車ユニットMを配置して構成されている。
【0046】
A−1:ケーシング1
上記ケーシング1は、下端が開口した矩形箱状の形態をもち、且つ建屋の天井81に形成した開口82に臨んで天井裏空間83側に埋め込み状態で取り付けられる。尚、このケーシング1における天板1Aの略中央位置の内面には、後述する羽根車ユニットMを回転駆動するためのモータ11が、その軸線を上下方向に向けた状態で取り付けられている。
【0047】
A−2:室内パネル2
上記室内パネル2は、樹脂材により略矩形厚板状に一体形成されたものであって、その平面方向の中央部分には円形の吸込口3が形成される一方、該吸込口3の径方向外側部位には該吸込口3の周囲を囲繞するようにして円弧状に延びる複数(この実施形態においては4個)の吹出口4,4,・・が形成されている。尚、この吹出口4は、上記室内パネル2の上面から下面に向かうに伴って側方へ傾斜するような傾斜開口とされている。また、上記吸込口3には、グリル5が装着されるとともに、該グリル5の上面側にはフィルター6が配置されている。
【0048】
A−3:熱交換器21
上記熱交換器21は、板厚方向に積層配置された複数枚の板状のフィンと該各フィンを貫通して配置される複数本の伝熱管とでなり全体として厚板状の外観形態をもつ所謂クロスフィンタイプの熱交換器で構成されており、この実施形態においてはさらにこれを弧状に湾曲させ、上記室内パネル2の吸込口3の内径に近い内径寸法をもつ円筒状に成形して使用するようにしている。
【0049】
そして、この円筒状の熱交換器21は、上記機内空間61内に、その軸線を上記モータ11の軸線と略合致させた立設状態で、且つ上記ケーシング1の天板1Aと上記室内パネル2の上側に近接配置された環状のドレンパン7との間に跨がって取り付けられている。従って、この熱交換器21の配置によって上記機内空間61は、該熱交換器21の内側に位置し且つ上記吸込口3に連通する内側空間62と、該熱交換器21の外側に位置し且つ上記吹出口4,4,・・に連通する外側空間63の内外二つの空間に区画されることになる。
【0050】
尚、この実施形態においては、上記熱交換器21を上述のように円筒状の形態に形成しているが、本願発明における熱交換器21はかかる形態に限定されるものではなく、要するに同心断面状の形態(即ち、その軸線に直交する面での断面形状が、軸線方向のどの位置での断面であっても、該熱交換器21の周壁部分が上記軸線位置を中心とする同心円形態を呈するもの)を有すればその目的を達し得るものであり、従って、略円筒状の形態、あるいは略円錐筒状の形態の如くその周壁がその軸線方向において直線状に延びる形態のみならず、例えばその周壁が軸線方向において曲線状に延びるような形態も採用できるものである。
【0051】
A−4:空気質改質デバイス22
上記空気質改質デバイス22は、例えばゼオライト等の吸着材を適宜の構造体に付着させて脱臭機能を付与したデバイスであって、円筒状に成形されている。そして、この空気質改質デバイス22は、上記熱交換器21の内側に近接対向し且つ該熱交換器21の内面側の略全域を覆うようにして、上記ケーシング1の天板1Aと上記ドレンパン7の間に跨がって立設配置されている。
【0052】
A−5:羽根車ユニットM
上記羽根車ユニットMは、次述する羽根車31と羽根車32と、これら各羽根車31,32を一体的に支持する支持板15とで構成される。
【0053】
A−5−a:支持板15
上記支持板15は、次述する羽根車31と羽根車32を支持し且つこれらを上記モータ11により回転駆動させるためのものであって、金属材あるいは樹脂材により成形され、上記モータ11の回転軸に固定される小径円板状の固定部15aと、上面側が開口した略「コ」字状の断面形状をもち且つその凹部内に上記ドレンパン7を非接触に嵌入せしめた状態で該ドレンパン7の下面と上記室内パネル2の上面との間の対向空間66に配置される環状の延出部15bと、該延出部15bの外側上端縁に連続してここから上記吹出口4の吹出方向に略合致する如く斜め下方に下降延出し且つその先端が該吹出口4の内側口縁の近傍に対向する円錐筒状のハブ部15cを備えて構成される。
【0054】
尚、上記モータ11側に固定されて上記機内空間61の上部側に位置する上記固定部15aと、上記ドレンパン7側に位置し上記機内空間61の下部に配置される上記延出部15bとは、上下方向及び水平方向の双方に偏位しているため、該固定部15aと延出部15bとを傾斜する連結部材によって連結してこれらを一体化する必要があるが、この実施形態においては、上記固定部15aと延出部15bとの間に後述する羽根車32の羽根37,37,・・を取り付けて該羽根37,37,・・を連結部材として利用し、該羽根37,37,・・により上記固定部15aと延出部15bとを一体化し該固定部15aと延出部15b及びハブ部15cの三者によって上記支持板15を構成している。従って、例えば他の実施形態において上記羽根車32を設けない構成を採用する場合には、上記固定部15aと延出部15bとの間に適宜の連結部を設けてこれらを一体化することになる。
【0055】
A−5−b:羽根車31
上記羽根車31は、上記外側空間63内に位置する上記支持板15のハブ部15c上にその周方向に所定間隔で複数枚の羽根36,36,・・を立設配置して構成された斜流羽根車であって、上記支持板15が上記モータ11によって回転駆動されることで上記熱交換器21の外側において回転し送風作用を為すようになっている。そして、上記羽根36の前縁36aは、上記熱交換器21の軸線に対して径方向外側に向けて所定の傾斜角度αをもつように傾斜している。従って、上記羽根36の前縁36aは、上記羽根車31の内側に立設され且つ縦長の断面形状をもつ上記熱交換器21の外周面の上下方向におけるほぼ全域に臨むことになる。尚、この羽根36の前縁36aの傾斜角度αは、上記羽根車31と熱交換器21との水平方向の間隔及び該熱交換器21の高さ寸法等に基づいて最適値に設定されるものであり、一般的形態の空気調和装置においては20°〜90°程度の角度範囲内で設定すれば十分である。
【0056】
A−5−c:羽根車32
上記羽根車32は、上記支持板15の固定部15aと延出部15bとの間に跨がって複数枚の羽根37,37,・・をその周方向に所定間隔で配置して構成された斜流羽根車であって、上記支持板15が上記モータ11によって回転駆動されることで上記熱交換器21の内側において回転し送風作用を為すようになっている。この場合、この羽根車32は、羽根37による圧力上昇によって上記支持板15の固定部15aと延出部15bとの間を流れる空気流の通風圧力損失を相殺し得る程度の送風能力をもつとともに、該羽根37から吹き出される吹出風の旋回成分を可及的に小さく抑えることができるように、該羽根37の取付角を設定している。
【0057】
A−6:作動説明
続いて、上述の如く構成された室内機X1の作動を説明する。
【0058】
この室内機X1においては、上記モータ11により上記羽根車ユニットMが回転駆動されると、主として上記羽根車31の吸い出し作用によって室内空間80の室内空気は、図1に流線Aで示すように、上記吸込口3から内側空間62に吸い込まれた後、上記空気質改質デバイス22において脱臭が行われるとともに上記熱交換器21での熱交換によって温風あるいは冷風とされる。この温風あるいは冷風は、上記外側空間63に流入し、該外側空間63から上記吹出口4,4,・・を通して室内空間80へ吹き出され、これにより室内空間80の暖房あるいは冷房が実現されるものである。
【0059】
この場合、上記熱交換器21が室内機X1の平面形態のコンパクト化の要請から縦長形態とされているので、従来のように熱交換器の内側に遠心羽根車を配置し該遠心羽根車により熱交換器に送風する構成である場合には、熱交換器と遠心羽根車の羽根高さとの差が大きいために該熱交換器における風速分布が悪化することは既述の通りである。
【0060】
ところが、この実施形態においては、上記熱交換器21の外側に斜流羽根車でなる上記羽根車31を配置するとともに、この羽根車31の羽根36の前縁36aを、該全域36aが高さ方向において上記熱交換器21の外周面のほぼ全域に臨むように所定の傾斜角度αだけ傾斜させているので、例え上記熱交換器21が縦長形態であったとしても、上記羽根車31の回転に伴い上記内側空間62側から上記熱交換器21を通って上記外側空間63側に流れる空気流Aは、該熱交換器21をその高さ方向の略全域に亙って略均一的に流れ、該熱交換器21における風速分布が可及的に改善される。
【0061】
かかる熱交換器21における風速分布の改善により、該熱交換器21の有効利用度が高まり、それだけ空気調和装置の性能の向上が図れることになる。また、風速分布の改善によって上記熱交換器21における通風圧力損失が低下することから、送風音が低減され室内機X1の静粛運転性が向上するとともに、所要風量を確保するために必要な軸動力が低下しそれだけ室内機X1の運転上の省エネ性が促進されることになる。
【0062】
さらに、上記羽根車31が上記熱交換器21の外側、即ち、通風下流側に配置され、該羽根車31によって上記熱交換器21の上流側から下流側に向けて室内空気を吸い込む構成であることから、上記羽根車31の回転は何ら上記熱交換器21の吸込側(内周側)における空気流に旋回成分を与えることはない。一方、上記羽根車32は上記熱交換器21の内周側に配置されているので、該羽根車32からの吹出風は旋回成分を有するものの、該羽根車32における上記羽根37の取付角を可及的に小さく設定していることで、その旋回成分は小さいものである。これらの結果、上記羽根車31の吸込作用と上記羽根車32の押し込み作用とを受けて上記熱交換器21にその内周側から流入する空気流は該熱交換器21の各フィンに対してその平面方向に近い方向から流入することとなり、その結果、該空気流が上記熱交換器21の各フィンと干渉するのが可及的に防止され、該干渉に起因する上記熱交換器21における通風圧力損失が可及的に小ならしめられる。一方、上記羽根車32を設けたことで、上記支持板15における上記固定部15aと延出部15bとの間を流れる空気流の通風圧力損失の増加が、該羽根車32による圧力上昇によって可及的に相殺される。
【0063】
従って、空気流とフィンとの干渉に起因して増加する通風圧力損失よりも、上記羽根車32による圧力上昇によって相殺される上記支持板15における通風圧力損失が大きくなるように上記羽根車32の羽根37の取付角を設定することで、室内機X1全体としての通風圧力損失は低減されることとなり、それだけ上記室内機X1の静粛運転性及び省エネ性のさらなる向上が期待できるものである。
【0064】
また一方、この実施形態の室内機X1においては、上記室内パネル2に設けられる上記吹出口4を、上記羽根車31の外周形状に対応する環状形態としているので、上記羽根車31の回転に伴い該羽根車31から吹き出される吹出風はスムーズに上記吹出口4から室内空間80に向けて円錐筒状に吹き出されるとともに遠心力を受けて径方向外側に広がることになる。この結果、室内空間80の広範囲において温度ムラの小さい気流分布が実現され、それだけ暖房あるいは冷房の快適性が向上することになる。
【0065】
さらに、この実施形態の室内機X1においては、上記羽根車31を斜流羽根車で構成し且つこれを上記熱交換器21の外周側に配置したことに起因して該熱交換器21の内側空間62における上記熱交換器21と上記支持板15との間の空間部と、上記内側空間62における上記支持板15と上記吸込口3との間の空間部に大きなスペースが確保されることに着目し、これら二つの空間部のうち、熱交換器21の内周側と上記支持板15との間の空間部に上記空気質改質デバイス22を配設している。この場合、空気質改質デバイス22は、一般的に、その性能の向上に比例して形態が大型化するが、上記空間部が大きなスペースをもつことから、ここに配置する上記空気質改質デバイス22として十分な空気質改質性能(例えば、脱臭性能)をもつものを選択することができ、その結果、空気質改質が十分に行われ、空調の快適性がさらに向上することになる。
【0066】
A−7:その他の構成
この実施形態の室内機X1においては、上述の如き基本的構成に加えて、付随的構成として、次述する「シール構造」及び「結露防止構造」を備えている。
【0067】
A−7−a:シール構造
この実施形態の室内機X1においては、上述のように、上記支持板15が上記内側空間62側から上記熱交換器21の下端に位置する上記ドレンパン7の下方側を迂回して上記外側空間63側に延出して配置されていることから、その迂回部分、即ち、上記ドレンパン7の下面とこれに対向する上記室内パネル2の上面との間に形成される上記対向空間66を通して高圧側から低圧側へ空気が漏れることになる。このような空気漏れは室内機X1の能力低下の一因となるものであるため、該室内機X1の能力の維持あるいは向上という観点からすれば、かかる空気漏れを可及的に防止することが必要となる。
【0068】
そこで、この実施形態のものにおいては、かかる空気漏れを防止するためのシール構造として、以下に述べるように幾つかの好適な具体的構造を提案する。尚、以下のシール構造は、それぞれ単独に実施することも、組み合わせて実施することも可能である。
【0069】
A−7−a−イ:第1のシール構造
第1のシール構造は、図3及び図4に示す如き構造である。即ち、このシール構造は、上記羽根車ユニットMの回転(即ち、上記支持板15の回転)を利用して、低圧側から高圧側へ向けて流れる空気流を発生させ、この発生した空気流によって、高圧側から低圧側へ向けての漏れ空気流の流れを抑制し、結果的に空気漏れを抑制するようにしたものである。具体的には、図3に示すように、上記ドレンパン7の底面とこれに対向する上記室内パネル2の上面との間に形成される上記対向空間66を通して配置される上記支持板15の延出部15bの上下両面にシール機構Pを設けたものであり、しかもこのシール機構Pを求心羽根51あるいは遠心羽根52を備えたスパイラルグルーブシールで構成したものである。
【0070】
ここで、スパイラルグルーブシールの構造設定の前提となる上記延出部15bの上面側と下面側のそれぞれにおける空気の流れ方向を調べ、その結果を図8に圧力線として示した。即ち、先ず、図3に示すように、上記支持板15の延出部15bの回りに四つの点(a),(b),(c),(d)を設定した。ここで、点(a)は上記羽根車32の吸込側、点(b)は上記羽根車32の吹出側、点(c)は上記羽根車31の吸込側、点(d)は上記羽根車31の吹出側である。図8の圧力線に示すように、圧力は、吸込口3から点(a)にかけて次第に低下し負圧に達した後、点(a)において反転して該点(a)から点(b)まで上昇し、該点(b)では正圧となる。さらに、点(b)で反転して該点(b)から点(c)まで急激に低下し、該点(c)においては最大負圧となる。さらに、点(c)で反転して該点(c)から点(d)まで急激に上昇し、点(d)では正圧となる。そして、この点(d)から吹出口4にかけては次第に低下し、該吹出口4においては大気圧に達する。
【0071】
この圧力状態からして、上記支持板15の延出部15bの下側、即ち、上記点(a)と点(d)の間においては、点(d)から点(a)に向けて求心方向に空気が流れ、上記支持板15の延出部15bの上側、即ち、上記点(b)と点(c)の間においては点(b)から点(c)に向けて遠心方向に空気が流れることが判る。従って、かかる漏れ空気流をそれに対向する方向の空気流によって抑制するには、上記支持板15の延出部15bの下側においては遠心方向の空気流を発生させれば良く、逆に上記支持板15の延出部15bの上側においては求心方向の空気流を発生させれば良いことになる。
【0072】
かかる知見に基づき、上記支持板15の延出部15bの下側においては該支持板15の回転方向(羽矢印方向)に対して遠心方向の空気流を発生させ得る形状をもつ遠心羽根52を設け、逆に上記支持板15の延出部15bの上側においては該支持板15の回転方向(羽矢印方向)に対して求心方向の空気流を発生させ得る形状をもつ求心羽根51を設けたものである。
【0073】
このように上記求心羽根51の延出部15b部分に、求心羽根51及び遠心羽根52を設けることで上記対向空間66からの空気漏れが可及的に防止されるものである。
【0074】
尚、開口65の大きさや空気質改質デバイス22、熱交換器21の圧力損失の大きさによっては、点(d)の圧力が点(a)の圧力よりも小さくなることもあるが、この場合には上記支持板15の延出部15bの下側の羽根を求心羽根51とすればよい。
【0075】
A−7−a−ロ:第2のシール構造
第2のシール構造は、図5に示すように、上記対向空間66にラビリンスシールで構成されるシール機構Pを設けたものである。即ち、上記支持板15の延出部15bの上面と下面の双方に、それぞれ径方向に所定間隔で複数本の環状凸条53,53,・・を設けたものである。かかる構成とすると、圧力差によって上記支持板15の延出部15bの上面側と下面側とをそれぞれ逆方向に向けて流れる漏れ空気流は、その漏れ流れの途中において拡大縮小する流動を順次繰り返すことで高圧側と低圧側との間における圧力勾配が次第に小さくなり、漏れ空気流が可及的に減少せしめられるものである。
【0076】
A−7−b:結露防止構造
図8の温度線から判るように、冷房運転時には、上記羽根車31の吸込側の点(c)と吹出側の点(d)の間においては温度が室温より低く、従ってこの範囲においては上記羽根車31から吹き出される冷風によって冷却される部分と室内空気との接触によって結露が生じるおそれがある。そこで、この実施形態のものにおいては、かかる結露を防止するに好適な結露防止構造を提案する。尚、以下に述べる各結露防止構造は、それ単独で実施することも、複数の構造を組み合わせて実施することも可能である。
【0077】
A−7−b−イ:第1の結露防止構造
第1の結露防止構造は、図6に示すように、上記支持板15の延出部15bの外周縦壁部分に還流口67を形成し、該還流口67によって上記羽根車31の吸込側である上記点(c)の領域と該羽根車31の吹出側である上記点(d)の領域とを連通せしめた構造である。
【0078】
かかる構造とすると、同図に流線A0で示すように、上記羽根車31から吹き出される冷風の一部が上記還流口67を介して吸込側に還流され、上記ハブ部15cの周囲には冷風が常時循環することになる。このように上記ハブ部15cの周囲に冷風の循環流が存在することで、該部分に暖かい室内空気が侵入するのが防止される。この結果、上記延出部15bの近傍が冷風によって冷却されても該冷却部分に暖かい室内空気が接触するということがほとんどなく、上記延出部15b部分における結露が可及的に防止されるものである。
【0079】
A−7−b−ロ:第2の結露防止構造
上記第1の結露防止構造が冷風によって冷却された部分への室内空気の侵入を抑制することで結露を防止するようにしていたのに対して、この第2の結露防止構造は、冷風による過度の冷却そのものを抑制することで結露を防止するようにしたものである。
【0080】
即ち、図6及び図7に示すように、上記ドレンパン7の下面に交流の電磁石54を配置する一方、上記支持板15の少なくとも上記延出部15b部分を磁性を有する構成としたものである。かかる構成とすれば、上記電磁石54に交流電流を流してこれを励磁させ、かかる状態で上記支持板15を回転させると、磁束の変化に伴って上記延出部15b側に渦電流が発生する。この渦電流によって上記延出部15bが発熱し、該延出部15bが上記羽根車31から吹き出される冷風によって過度に冷却されるのが未然に防止される。この結果、例え上記延出部15b部分等に暖かい室内空気が侵入したとしても、上記延出部15bが過度に冷却されていないのでここに結露が生じることはない。
【0081】
尚、上記支持板15の延出部15bを磁性体とする手法としては、例えば上記支持板15全体を鉄系金属で構成する方法とか、支持板15を鉄粉等の磁性粉末を混入した樹脂材で構成する方法とか、上記支持板15を樹脂材で構成し且つ上記延出部15bあるいは上記ハブ部15cをも含めた部分の表面に鉄系金属のメッキを施す方法等が考えられる。
【0082】
A−7−b−ハ:第3の結露防止構造
第3の結露防止構造は、上記第2の結露防止構造と同様に上記延出部15b部分の過度の冷却を防止することで該部分における結露の発生を防止する構造である。即ち、結露の発生が懸念される上記支持板15の延出部15b及びハブ部15cの表面にセラミック等の断熱素材をコーティングしたり、上記延出部15b及びハブ部15cの表面に植毛加工を施したり、あるいは上記延出部15b及びハブ部15cの表面にシート状の断熱材を貼設したりするものである。
【0083】
かかる構成とすることで、上記延出部15b等が上記羽根車31から吹き出される冷風によって過度に冷却されるのが未然に防止される。この結果、例え上記延出部15b部分等に暖かい室内空気が侵入したとしても、該延出部15b部分等が過度に冷却されていないのでここに結露が生じることはない。
【0084】
B:第2の実施形態
図9には、本願発明にかかる空気調和装置の第2の実施形態としての室内機X2を示している。この室内機X2は、上記第1の実施形態にかかる室内機X1と基本構造を略同一とするものであって、これと異なる点は、第1の実施形態の室内機X1においては上記羽根車31と羽根車32とをともに斜流羽根車で構成していたのに対して、この実施形態の室内機X2では上記羽根車31と羽根車32とを共に軸流羽根車で構成した点である。
【0085】
従って、この実施形態の室内機X2においては、上記羽根車31と羽根車32とを軸流羽根車で構成したことで、これらを共に斜流羽根車で構成した場合に比べて、軸流羽根車と斜流羽根車との特性の違いに対応して、上記吸込口3から吸い込まれた室内空気の上記熱交換器21の上部側への到達距離が長くなることから、上記第1の実施形態における室内機X1の場合よりもさらに上記熱交換器21における風速分布が改善され、より一層の性能向上が期待できるものである。
【0086】
さらに、このように上記羽根車31と羽根車32を共に軸流羽根車で構成すると、上記支持板15における上記延出部15bの内壁部及び外壁部、さらに上記固定部15aの外周縁部が、共に支持板15の軸方向と平行に延びることから、例えばこの支持板15を上記羽根車31の羽根36,36,・・及び上記羽根車32の羽根37,37,・・とともに樹脂材の上下2分割の型成形により一体成形することができ、その製作が容易となる。
【0087】
尚、上記羽根車31の羽根36の前縁36aを傾斜させたことによる特有の効果、あるいは上記羽根車32を設けたことによる効果等は上記第1の実施形態の場合と同様であるのでその説明は省略する。
【0088】
C:第3の実施形態
図10には、本願発明にかかる空気調和装置の第3の実施形態としての室内機X3を示している。この室内機X3は、上記第1の実施形態にかかる室内機X1と同様に上記羽根車31と羽根車32とを共に斜流羽根車で構成したものであって、これと異なる点は、該第1の実施形態の室内機X1においては上記熱交換器21を円筒状に形成していたのに対して、該熱交換器21を円錐筒状に形成し、且つその小径側を下方に向けた状態で立設配置した点である。
【0089】
従って、この実施形態の室内機X3においては、上記第1の実施形態の室内機X1と同様の作用効果が得られることは勿論であるが、それに加えて上記熱交換器21が円錐筒状とされていることで、例えばこれが上記第1の実施形態の室内機X1のように円筒状とされている場合に比してその高さ寸法(熱交換器の表面に沿った方向の寸法)を大きくすることができるので、それだけ該熱交換器21の有効表面積が拡大され、より一層の能力向上が期待できるものである。
【0090】
D:第4の実施形態
図11には、本願発明にかかる空気調和装置の第4の実施形態としての室内機X4を示している。この室内機X4は、上記各実施形態の室内機X1〜室内機X3が共に、上記羽根車31と羽根車32を斜流羽根車又は軸流羽根車で構成していたのに対して、上記羽根車31を斜流羽根車で構成し、羽根車32を遠心羽根車で構成した点に最大の特徴を有するものである。このように上記羽根車32を遠心羽根車で構成することが可能となったのは、上述のように主たる送風作用を上記羽根車31で受け持ち、上記羽根車32は上記支持板15における通風圧力損失の増加を相殺する程度の能力をもつことで十分であり、従来の空気調和装置の如く遠心羽根車が送風作用の全てを受け持つもののような遠心羽根車に特有の問題が生じないか生じても極めて軽微なものであることによる。
【0091】
そして、上記羽根車32を遠心羽根車で構成したことによって、該羽根車32の内側に大きなスペースが確保されるので、この確保された大きなスペースに大型で且つ表面積の大きな空気質改質デバイス22を配置することが可能となったものである。このように大型の空気質改質デバイス22を上記羽根車32の内側に配置したことで、該空気質改質デバイス22による通風圧力損失の増加が懸念されるが、かかる通風圧力損失の増加という問題は、例えば外形の大きさの割に大きな表面積を確保することが可能なプリーツ型のデバイスを用いることで容易に解決できるものである。
【0092】
また、このように上記羽根車32の内側に空気質改質デバイス22を設ける構造では、該空気質改質デバイス22において所要の空気質改質が行われた後の空気が上記羽根車32、熱交換器21に導入されるため、例えば上記空気質改質デバイス22として除塵デバイスを用い、且つ美容院とか理容院のように室内に多量に天花粉が飛散浮遊している環境で使用される室内機として適用すると、上記熱交換器21に流入する前に上記空気質改質デバイス22において天花粉が取り除かれるので、美容院とか理容院で使用される室内機に特有の問題、即ち、天花粉が上記熱交換器21の表面に多量に付着し頻繁な掃除が必要になるという問題が容易に解決され、好都合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の第1の実施形態にかかる空気調和装置の断面図である。
【図2】 図1のII−II矢視図である。
【図3】 図1のIII部分の拡大図である。
【図4】 図3のIV−IV要部矢視図である。
【図5】 図1のIII部分の拡大図である。
【図6】 図1のIII部分の拡大図である。
【図7】 図6のVII−VII要部矢視図である。
【図8】 図3に示した対向空間の近傍における空気の圧力及び温度の状態変化説明図である。
【図9】 本願発明の第2の実施形態にかかる空気調和装置の断面図である。
【図10】 本願発明の第3の実施形態にかかる空気調和装置の断面図である。
【図11】 本願発明の第4の実施形態にかかる空気調和装置の断面図である。
【図12】 従来の空気調和装置の構造を示す断面図である。
【図13】 図12のXIII−XIII矢視図である。
【符号の説明】
1はケーシング、2は室内パネル、3は吸込口、4は吹出口、5はグリル、6はフィルター、7はドレンパン、11はモータ、15は支持板、21は熱交換器、22は空気質改質デバイス、24は加熱手段、31及び32は羽根車、36及び37は羽根、51は求心羽根、52は遠心羽根、53は環状凸条、54及び55は永久磁石、61は機内空間、62は内側空間、63は外側空間、65は開口、66は対向空間、67は還流口、Mは羽根車ユニット、Pはシール機構、X1〜X4は空気調和装置である。

Claims (13)

  1. 吸込口(3)と吹出口(4)とを備えたケーシング(1)内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器(21)を、その内周側が上記吸込口(3)に、その外周側が上記吹出口(4)にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器(21)の外側を旋回する羽根車(31)を配置し、上記吸込口(3)からの吸入空気を上記熱交換器(21)を通して上記吹出口(4)から吹き出すように構成するとともに、
    上記羽根車(31)が、該羽根車(31)の内周縁から上記熱交換器(21)の下端部に設けられたドレンパン(7)と室内パネル(2)の上面との間を通って該熱交換器(21)の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器(21)を上記吸込口(3)に連通させる開口(65)を備えた支持材(15)を介してモータ(11)に連結されていることを特徴とする空気調和装置。
  2. 吸込口(3)と吹出口(4)とを備えたケーシング(1)内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器(21)を、その内周側が上記吸込口(3)に、その外周側が上記吹出口(4)にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器(21)の外側を旋回する軸流羽根車又は斜流羽根車で構成された羽根車(31)を配置し、上記吸込口(3)からの吸入空気を上記熱交換器(21)を通して上記吹出口(4)から吹き出すように構成するとともに、
    上記羽根車(31)が、該羽根車(31)の内周縁から上記熱交換器(21)の下端部に設けられたドレンパン(7)と室内パネル(2)の上面との間を通って該熱交換器(21)の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器(21)を上記吸込口(3)に連通させる開口(65)を備えた支持材(15)を介してモータ(11)に連結されていることを特徴とする空気調和装置。
  3. 吸込口(3)と吹出口(4)とを備えたケーシング(1)内に略円筒状又は略円錐筒状等の略同心断面状に形成された熱交換器(21)を、その内周側が上記吸込口(3)に、その外周側が上記吹出口(4)にそれぞれ臨むように配置する一方、上記熱交換器(21)の外側を旋回する羽根車(31)を配置し、上記吸込口(3)からの吸入空気を上記熱交換器(21)を通して上記吹出口(4)から吹き出すように構成するとともに、
    上記羽根車(31)が、その前縁(36a)が上記熱交換器(21)の軸線に対して所定の傾斜角(α)をもつ軸流羽根車又は斜流羽根車で構成され、かつ該羽根車(31)の内周縁から上記熱交換器(21)の下端部に設けられたドレンパン(7)と室内パネル(2)の上面との間を通って該熱交換器(21)の略中心位置に向かって延びるとともに上記熱交換器(21)を上記吸込口(3)に連通させる開口(65)を備えた支持材(15)を介してモータ(11)に連結されていることを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1,2又は3において、
    上記熱交換器(21)の内側の内側空間(62)における上記熱交換器(21)と上記支持板(15)との間の空間部と、上記内側空間(62)における上記支持板(15)と上記吸込口(3)との間の空間部の少なくともいずれか一方に、円筒状に成形された空気質改質デバイス(22)が配設されていることを特徴とする空気調和装置。
  5. 開口した下端面を下方に向けて天井(81)に埋め込み又は吊り下げ状態で配置されるケーシング(1)と、該ケーシング(1)の開口端に室内側から装着されるとともにその中央寄り部位には吸込口(3)が、外周寄り部位には吹出口(4)がそれぞれ形成された室内パネル(2)とで囲繞された機内空間(61)に、
    略円筒状又は略円錐筒状の外観形態を有する如く形成された熱交換器(21)を、該熱交換器(21)の内周側が上記吸込口(3)に、外周側が上記吹出口(4)にそれぞれ臨むようにして収容し、該熱交換器(21)によって上記機内空間(61)を上記吸込口(3)に対応する内側空間(62)と上記吹出口(4)に対応する外側空間(63)とに区画する一方、
    上記外側空間(63)内には、上記熱交換器(21)の外周側において回転する羽根車(31)が配置されるとともに、
    該羽根車(31)は、羽根(36)の前縁(36a)が上記熱交換器(21)の軸線方向に対して所定の傾斜角度(α)をもつ斜流羽根車又は軸流羽根車で構成されるとともに、上記内側空間(62)から上記熱交換器(21)の下端部に設けられたドレンパン(7)の下面と上記室内パネル(2)の上面との間を通って上記外側空間(63)側へ延出するとともに該内側空間(62)に対応する部位には上記吸込口(3)を上記熱交換器(21)に連通させる開口(65)が設けられ且つ上記内側空間(62)内に配置されたモータ(11)により回転駆動される支持板(15)により支持されていることを特徴とする空気調和装置。
  6. 請求項5において、
    上記吹出口(4)が、上記羽根車(31)の外周形状に対応する環状形態とされていることを特徴とする空気調和装置。
  7. 請求項5又は6において、
    上記内側空間(62)における上記熱交換器(21)と上記支持板(15)との間の空間部と、上記内側空間(62)における上記支持板(15)と上記吸込口(3)との間の空間部の少なくともいずれか一方に、空気質改質デバイス(22)が配設されていることを特徴とする空気調和装置。
  8. 請求項1,2,3,4,5,6又は7において、
    上記支持板(15)における上記開口(65)に、斜流羽根車、遠心羽根車又は軸流羽根車で構成される羽根車(32)が設けられていることを特徴とする空気調和装置。
  9. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9において、
    上記ドレンパン(7)の下面と上記室内パネル(2)の上面との対向空間(66)を通って上記内側空間(62)側から外側空間(63)側へ延びる上記支持板(15)の延出部(15b)の上面と下面の少なくともいずれか一方の面に、上記対向空間(66)を通って高圧側から低圧側へ流れる空気流の流れを抑制するシール機構(P)が設けられていることを特徴とする空気調和装置。
  10. 請求項9において、
    上記シール機構(P)が、空気流に拡大縮小する流動作用を繰り返して与えることで高圧側から低圧側への空気の流れを抑制するラビリンスシール、低圧側の空気を高圧側に誘引せしめることで高圧側から低圧側への空気の流れを抑制するスパイラルグルーブシール、又は該ラビリンスシールとスパイラルグルーブシールとを組み合わせて構成されていることを特徴とする空気調和装置。
  11. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10において、
    上記支持板(15)における上記延出部(15b)と上記羽根車(31)の羽根(36),(36),・・が取り付けられるハブ部(15c)との中間部位に、上記羽根車(31)からの吹出風の一部を該羽根車(31)の吸込側へ還流させる還流口(67)が設けられていることを特徴とする空気調和装置。
  12. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10又は11において、
    上記支持板(15)の少なくとも上記延出部(15b)を磁性を有する構成とする一方、
    上記延出部(15b)を挟んで対向する上記ドレンパン(7)の下面と上記室内パネル(2)の上面のいずれか一方に電磁石(54)を配置したことを特徴とする空気調和装置。
  13. 請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12又は13において、
    上記支持板(15)における上記延出部(15b)から上記ハブ部(15c)にかけての部位に、植毛、断熱材の接合、又は熱伝導率の小さい材料のコーティングによる断熱加工を施したことを特徴とする空気調和装置。
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