JP4150222B2 - 薄鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼板の連続焼鈍ライン中の均熱帯や冷却帯において発生する絞りと呼ばれる形状不良を防止することができる薄鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板の連続焼鈍ラインは加熱帯、均熱帯、冷却帯からなるものであり、鋼板は炉内に設置された多数のハースロール間にジグザグ状に巻き掛けられて、加熱、均熱、冷却の各工程を通過し、焼鈍されている。ところがこの連続焼鈍ライン中において、鋼板に絞りと呼ばれる長手方向の縦しわが発生し、製品不良や鋼板蛇行などを招くことがあった。
【0003】
この絞りの発生には、ハースロールのクラウンの影響があることが知られている。特に均熱帯のハースロールは、蛇行し易い厚手で幅狭の鋼板の蛇行を防止できるようにイニシャルクラウンを高めに設定してあるため、薄手で幅広の鋼板に対しては調芯効果が大きくなり過ぎる傾向がある。しかも運転中はハースロールの熱膨張によるサーマルクラウンがイニシャルクラウンに上乗せされるため、鋼板のクラウンの角部を通過する部分に大きい張力が加わり、中伸びによる絞りを発生させる。
【0004】
そこで特許第2914840号公報に示されるように、ハースロールの近傍に防熱板を設置してハースロールの加熱を防止し、サーマルクラウン量をコントロールすることが提案されている。しかしこのような防熱板を設置するには設備の大幅な改造を必要とするうえ、鋼板の種類や運転条件によっては十分な効果を得られない場合があった。
【0005】
このほか、冷却帯においては鋼板の端部が中央部よりも冷却され易く、その結果として鋼板内部に発生する熱応力が絞りを発生させることも知られている。そこで特許第2713012号公報に示されるように、冷却ロールにより鋼板の幅方向の温度分布をコントロールし、熱応力による絞り発生を防止することも提案されている。しかしこの方法は冷却帯で発生する絞りの防止には役立つものの、その前工程である均熱帯で発生する絞りには対処することができないことはいうまでもない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した従来の問題点を解決して、加熱帯、均熱帯、冷却帯からなる鋼板の連続焼鈍ライン中における中伸びによる絞り発生を効果的に防止することができる薄鋼板の製造方法を提供するためになされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、鋼板の連続焼鈍ライン中に設置された均熱帯では、鋼板を各ハースロール間にジグザグ状に巻き掛ける従来方式から、上下いずれも2本ずつのハースロール間にジグザグ状に巻き掛ける方式に掛け変え、均熱帯の各ハースロールへの鋼板の巻き付き角度を180度から90〜100度に変更することによって、均熱帯内における鋼板の滞留時間を掛け変え前から半減し、さらに均熱帯の後段の冷却帯では、鋼板幅の1/3を冷却し、鋼板端部に比べて中央部温度を8℃〜15℃低くすることを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、通常は180度であるハースロールへの鋼板の巻き付き角度を、均熱帯では鋼板を各ハースロール間にジグザグ状に巻き掛ける従来方式から、上下いずれも2本ずつのハースロール間にジグザグ状に巻き掛ける方式に掛け変えることにより、従来の180度から90〜100度に変更し、ハースロールへの鋼板の接触時間を半減させる。サーマルクラウンは鋼板とハースロールとの接触時間に比例するので、これによりハースロールのサーマルクラウンを減少させることができる。この結果、ハースロールのクラウンに起因する中伸びがなくなり、均熱帯における鋼板の絞りが防止される。また本発明ではさらにその後段の冷却帯において、鋼板幅の1/3を冷却し、鋼板端部に比べて中央部温度を8℃〜15℃低くするので、冷却帯における中伸びによる絞りをも防止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は鋼板の連続焼鈍ラインの概略を示す断面図であり、1は加熱帯、2は均熱帯、3、4は冷却帯である。各炉内には多数のハースロール5、5が設けられている。鋼板はこれらのハースロール5,5間に巻き掛けられて炉内を走行し、加熱帯1において750〜780℃まで加熱され、均熱帯2においてその温度のまま保持され、冷却帯3で400℃程度まで徐冷されたうえ、冷却帯4で室温付近まで急冷されることは従来と同様である。
【0010】
しかし本発明では、図2に示すように均熱帯2の内部ではハースロール5への鋼板の掛け方を上下いずれも2本ずつのハースロール間にジグザグ状に巻き掛ける方式に変更し、各ハースロール5への鋼板の巻き付き角度を90〜100度としてある。これによって、鋼板とハースロール5との接触時間に比例するハースロール5のサーマルクラウン量は、鋼板の巻き付き角度を180度としていた従来に比較してほぼ半分になる。この結果、均熱帯2のハースロール5のクラウン角部で発生する中伸びによる絞りを防止することができる。上記角度を90度未満とすることはロールの増設を必要とするため容易ではなく、100度以上とすると従来技術に近づいて充分な効果が得られなくなる。
【0011】
なお図2のような掛け方をすれば、従来設備に全く変更を加えることなく本発明を実施することができる。ただし均熱帯2内における鋼板の滞留時間はほぼ半減することとなるが、鋼板が薄板である場合には差し支えがなく、また通板速度の調整により対応することもできる。もちろん、均熱帯2を新設する場合にはハースロール5の配置を図3のように変えれば、充分な滞留時間を確保することができる。
【0012】
またこの実施形態では、図4に示すように均熱帯2の後段の冷却帯3に冷却ガス噴射手段6を設け、鋼板の中央部を集中冷却できるようにしてある。この冷却ガス噴射手段6は鋼板の幅方向に分割された多数のノズル7を備えており、各ノズル7に供給する冷却ガス量を変えて、鋼板の幅方向に冷却量を調整できる構造となっている。
【0013】
前記したように、鋼板は端部から冷却されるため中央部の方が鋼板端部よりも高温となるのが普通であり、それにより鋼板の中伸びが生じて絞りが発生する。しかしここでは、鋼板の中央部を冷却ガス噴射手段6により集中的に冷却している。冷却の程度は、鋼板の幅方向の温度分布が均一となるようにすることが最も好ましいが、鋼板の中央部のほうが端部よりもやや低温となるように冷却しても差し支えない。また集中冷却する幅は、鋼板全幅の1/3程度とすればよい。その結果、実施例のデータに示すように中伸びがなくなり、絞りの発生を防止することができる。
【0014】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示す。
表1に示すように、各種の板厚と板幅の鋼板を連続焼鈍した。実施例は何れも均熱帯におけるロール巻き付け角度を90度とし、比較例では180度とした。また請求項1の発明の実施例である実施例6では冷却帯における冷却を均一に行ったが、その他の実施例では鋼板全幅の中央の1/3の部分を集中的に冷却した。その結果を表1にまとめて示した。なお、表中の板幅温度差は鋼板中央部温度−鋼板端部温度の値である。総合評価は絞り発生の有無により行い、優、良、可、不可の4段階で評価した。
【0015】
【表1】
【0016】
表1に示したように、実施例1〜実施例5では絞りの原因となる中伸びは発生せず、実施例6でも中伸びはわずかであり何れも絞りの発生を防止できた。これに対して、ロール巻き付け角度を180度とした比較例7,8では中伸びが大きくなり、比較例8では冷却帯における鋼板中央部の集中冷却を行ったものの、中伸びを充分に防止できなかった。
【0017】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によればハースロールへの鋼板の巻き付き角度を90〜100度とし、ハースロールへの鋼板の接触時間を短縮させることによりハースロールのサーマルクラウンを減少させたので、ハースロールのクラウンに起因する中伸びがなくなり、均熱帯における鋼板の絞りを防止することができる。また本発明ではさらにその後段の冷却帯において、鋼板の幅方向の中央部を集中的に冷却することにより幅方向の温度分布を改善し、冷却帯における中伸びによる絞りを防止することができる。何れの発明も設備の大幅な改造を必要とせず、鋼板焼鈍時の絞りを確実に防止することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板の連続焼鈍ラインの構成を示す断面図である。
【図2】均熱帯におけるハースロールを示す断面図である。
【図3】均熱帯におけるハースロールの他の配置を示す断面図である。
【図4】冷却帯における冷却ガス噴射手段を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 加熱帯
2 均熱帯
3 冷却帯
4 冷却帯
5 ハースロール
6 冷却ガス噴射手段
7 ノズル
Claims (1)
- 鋼板の連続焼鈍ライン中に設置された均熱帯では、鋼板を各ハースロール間にジグザグ状に巻き掛ける従来方式から、上下いずれも2本ずつのハースロール間にジグザグ状に巻き掛ける方式に掛け変え、均熱帯の各ハースロールへの鋼板の巻き付き角度を180度から90〜100度に変更することによって、均熱帯内における鋼板の滞留時間を掛け変え前から半減し、さらに均熱帯の後段の冷却帯では、鋼板幅の1/3を冷却し、鋼板端部に比べて中央部温度を8℃〜15℃低くすることを特徴とする薄鋼板の製造方法。
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