JP4149652B2 - 治具交換装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周囲に複数の作業ロボットを配置した作業ステーションに、これら作業ロボットによる所定の作業を施すワークを支持すべく設ける治具をワークの機種変更時に交換する治具交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、治具交換装置として、作業ステーションの一側部に隣接する交換位置を通る所定の移動路上に移動自在に設けた交換台車と、この移動路に臨ませて並設した複数の治具ストッカーとを備え、各治具ストッカーと交換台車との間で治具を移し換え自在とすると共に、交換位置において作業ステーションと交換台車との間で治具を移し換え自在とするものが知られている。
【0003】
このものでは、治具交換に際し、先ず、交換台車を交換位置に移動して、作業ステーションに設置されていた前機種用の治具を交換台車に移し換え、次に、空の治具ストッカーに合致する位置に交換台車を移動して、前機種用の治具を該治具ストッカーに移し換え、その後、次機種用の治具を支持している治具ストッカーに合致する位置に交換台車を移動して、次機種用の治具を交換台車に移し換え、次に、交換台車を交換位置に移動して、次機種の治具を作業ステーションに移し換えるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、作業ステーションによっては、その周囲に複数の作業ロボットが配置されていて、作業ステーションの周りに前記交換位置となる空きスペースを確保できないことがある。このような場合、従来は、上記治具交換装置を用いずに、治具をクレーンなどで吊り上げて交換しており、治具交換に時間がかかり、生産性の向上を図る上で問題になっいてる。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、作業ステーションの周りに空きスペースを確保できない場合でも、交換台車を用いて治具を短時間で交換し得るようにした治具交換装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は、周囲に複数の作業ロボットを配置した作業ステーションに、これら作業ロボットによる所定の作業を施すワークを支持すべく設ける治具の交換装置であって、作業ステーションの一側部に隣接する交換位置を通る所定の移動路上に移動自在に設けた交換台車と、この移動路に臨ませて並設した複数の治具ストッカーとを備え、各治具ストッカーと交換台車との間で治具を移し換え自在とすると共に、交換位置において作業ステーションと交換台車との間で治具を移し換え自在とするものにおいて、前記複数の作業ロボットのうち前記交換位置側に配置する作業ロボットを前記交換台車と一体に移動する支持台に載置している。
【0007】
本発明によれば、作業ステーションの周りに交換位置となる空きスペースを確保できず、交換位置側に作業ステーションと交換台車との間での治具の移し換えの邪魔になる作業ロボットが配置されていても、この作業ロボットは、交換台車を交換位置に移動したとき、交換台車と一緒に動いて交換位置から離れた位置に退避し、治具を作業ロボットに邪魔されることなく移し換えることができる。かくて、作業ステーションの周りに空きスペースを確保できない場合でも、交換台車を用いて治具交換を能率良く行い得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は自動車用ドアWの組立装置を示している。この組立装置は、ドアWのアウタパネルWOに所要の作業を施すアウタ作業ライン1と、アウタ作業ライン1の側方に配置したドアインナWIを組立てるインナ組立ステーション2と、アウタパネルWOにドアインナWIを組み合わせてドアWをサブアッセンブリする、アウタ作業ライン1の前方のサブアッセンブリステーション3と、アウタパネルWOの周囲の曲げ起こされた曲げ縁部をヘミング加工してアウタパネルWOとドアインナWIとを一体化する、サブアッセンブリステーション3の前方のヘミングステーション4とを備えている。
【0009】
アウタ作業ライン1は、後端の投入位置1aから前端の作業位置1bにコンベア5でアウタパネルWOを搬送し、作業位置1bに存するアウタパネルWOにシーリングロボット6でシーリング剤を塗布するように構成されている。そして、アウタパネルWOを第1ハンドリングロボット7でサブアッセンブリステーション3に配置した置台8に移載すると共に、インナ組立ステーション2で組み立てられたドアWIを第2ハンドリングロボット9で置台8上のアウタパネルWOに組み合わせ、このようにしてサブアッセンブリされたドアWをヘミングステーション4に配置したヘミング装置10に第3ハンドリングロボット11で投入し、ヘミング加工済みのドアWを第4ハンドリングロボット12でヘミング装置10から払い出すようにしている。
【0010】
インナ組立ステーション2には、ターンテーブル13が配置されており、ターンテーブル13上に2個の治具14,14を背中合わせで載置し、ターンテーブル13の回転で両治具14,14を後方のセット位置2aと前方の溶接位置2bとに交互に反転させるようにしている。また、溶接位置2bの周囲には左右両側の2台と、前方の2台の計4台の溶接ロボット15が配置されている。そして、セット位置1aにおいて、治具14にドアのインナパネルとサッシュ、スティフナビーム等の複数のインナ部品とを人手でセットし、溶接位置2bにおいて、4台の溶接ロボット15によりインナパネルにインナ部品を溶接結合してドアインナWIを組立てる。
【0011】
治具14はドアの機種に応じた専用品となっており、機種変更に際し治具14の交換が必要になる。そこで、同一機種用の2個の治具14,14を、図2乃至図4に示す如く、共通の治具架台14aに背中合わせで搭載し、この治具架台14aをその下面の車輪14bにおいてターンテーブル13上のレール13aに乗せ、治具架台14aと一緒に治具14,14を交換できるようにしている。そして、インナ組立ステーション2のアウタ作業ライン1とは反対側、即ち、左側部に隣接する部分を交換位置2cに設定し、この交換位置2cを通る前後方向に長手の移動路16を設置して、この移動路16上に移動自在な交換台車17を設けると共に、移動路16の左側部に移動路16に臨ませて後方の第1治具ストッカー181 と前方の第2治具ストッカー182 とを設けている。尚、治具14にはインナパネル及びインナ部品の位置決め部材やクランプ部材が多数設けられているが、図面ではこれらを簡略化している。
【0012】
交換台車17と各治具ストッカー181 ,182 とには、夫々、治具架台14aの車輪14bを乗せるレール17a,18aが取付けられている。そして、交換台車17を交換位置2cに移動したとき、交換台車17上のレール17aがターンテーブル13上のレール13aに交換位置2cの内側に設けた橋渡しレール2dを介して整合し、交換台車17とターンテーブル13との間で治具架台14aが移し換え自在となり、また、交換台車17を各治具ストッカー181 ,182 に合致する位置、即ち、交換台車17上のレール17aが各治具ストッカー181 ,182 上のレール18aに整合する位置に移動することにより、交換台車17と各治具ストッカー181 ,182 との間で治具架台14aが移し換え自在となる。
【0013】
各治具ストッカー181 ,182 には、これに固定のガイドレール18bに沿って自走する可動体18cが設けられており、可動体18cに上方に出没する係合ピン18dを取付け、治具架台14aの左側部に突設したヒッチ部14cに係合ピン18dを係合させた状態で可動体18cを移動させることにより、交換台車17と各治具ストッカー181 ,182 との間で治具架台14aが移し換えられるようにしている。尚、第1治具ストッカー181 は交換位置2cに臨むように設置されており、交換台車17を交換位置2cに移動したとき、交換台車17上のレール17aが第1治具ストッカー181 上のレール18aにも整合する。そして、交換台車17上に可動体18c用のガイドレール17bを取付け、第1治具ストッカー181 上の可動体18cを交換台車17上のガイドレール17bに沿ってターンテーブル13側に移動自在とし、この可動体18cによりターンテーブル13と交換台車17との間での治具架台14aの移し換えも行い得られるようにしている。尚、ターンテーブル13と交換台車17には、夫々、治具架台14aをロックするロックシリンダ13b,17cが設けられており、ロックを解除して治具架台14aの移し換えを行う。
【0014】
交換台車17は移動路16に敷設したガイドレール16aに移動自在に支持されており、交換台車17に、移動路16に敷設したラック16bに噛合する出力軸上のピニオン17dを有するモータ17eを搭載し、このモータ17eの駆動力で交換台車17が移動路16上を自走するようにしている。更に、交換台車17の前側に、ガイドレール16aに移動自在に支持される支持台19を連杵19aを介して連結し、前記4台の溶接ロボットのうち交換位置2c側に配置する溶接ロボット15をこの支持台19に載置して、該溶接ロボット15が交換台車17と一緒に移動されるようにしている。
【0015】
ここで、ドア組立装置の稼働中は、図1に示す如く、支持台19上の溶接ロボット15がインナ組立ステーション2の溶接位置2bの左側の所定の作業場所に位置するように、交換台車17を交換位置2cよりも後方の待機位置に停止させている。尚、図1では、第1治具ストッカー181 が空で、第2治具ストッカー182 上に次機種の治具14,14を搭載した治具架台14aが投入されている。この状態で治具交換を行う際は、先ず、交換台車17を交換位置2cに移動し、ターンテーブル13に載置されている前機種用の治具14,14を搭載した治具架台14aを交換台車17を介して第1治具ストッカー181 に移し換える。この際、支持台19上の溶接ロボット15は、図3に仮想線で示す治具14の干渉範囲から外れた位置に移動され、溶接ロボット15に邪魔されることなく治具架台14aを移し換えられる。次に、交換台車17を第2治具ストッカー182 に合致する位置に移動し、第2治具ストッカー182 に載置されている次機種用の治具14,14を搭載した治具架台14aを交換台車17に移し換える。次いで、交換台車17を再度交換位置2cに移動し、交換台車17上の治具架台14aをターンテーブル13に移し換え、その後、交換台車17を交換位置2cよりも後方の待機位置に移動し、1回の治具交換作業を完了する。
【0016】
以上、ドアインナWIを組み立てるインナ組立ステーション2から成る作業ステーションのターンテーブル13上に載置する治具14の交換装置に本発明を適用した実施形態について説明したが、ドアインナ以外のワークに複数の作業ロボットで所要の作業を施す作業ステーションに設置する治具の交換装置として本発明は広く適用できる。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、作業ステーションの周りに交換位置となる空きスペースを確保できなくても、交換台車を用いて能率良く治具交換を行うことができ、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明は治具交換装置を具備するドア組立装置の全体平面図。
【図2】治具交換時の要部の拡大平面図。
【図3】図2のIII−III線から見た側面図。
【図4】図2のIV−IV線裁断正面図。
【符号の説明】
WI…ドアインナ(ワーク)
2…インナ組立ステーション(作業ステーション)
2c…交換位置
14…治具
15…溶接ロボット(作業ロボット)
16…移動路
17…交換台車
181 ,182 …治具ストッカー
19…支持台
Claims (1)
- 周囲に複数の作業ロボットを配置した作業ステーションに、これら作業ロボットによる所定の作業を施すワークを支持すべく設ける治具の交換装置であって、
作業ステーションの一側部に隣接する交換位置を通る所定の移動路上に移動自在に設けた交換台車と、この移動路に臨ませて並設した複数の治具ストッカーとを備え、各治具ストッカーと交換台車との間で治具を移し換え自在とすると共に、交換位置において作業ステーションと交換台車との間で治具を移し換え自在とするものにおいて、
前記複数の作業ロボットのうち前記交換位置側に配置する作業ロボットを前記交換台車と一体に移動する支持台に載置する、
ことを特徴とする治具交換装置。
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