JP4147632B2 - 画像情報変換装置、画像情報変換方法、およびテレビジョン受像機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力画像信号からより高い解像度を有する画像信号を生成する機能を有する画像情報変換装置、画像情報変換方法、およびテレビジョン受像機に関する。
【0002】
【従来の技術】
入力画像信号よりも解像度の高い画像信号を得る等の目的で、入力画像信号とは走査線構造が異なる出力画像信号を形成する画像情報変換処理が行われる。画像情報変換処理として、入力画像信号の信号レベルの3次元(時空間)分布に応じてクラス分割を行い、それによって得られるクラス値を参照して画素の予測生成を行う、クラス分類適応処理が提案されている。かかる処理において、入力画像信号の走査線に対応する位置において画素を予測生成する場合には、入力画像信号の走査線に対応しない位置において画素を予測生成する場合よりも、大きな困難さを伴う。
【0003】
このため、入力画像信号の走査線に対応しない位置についてより多くのクラス数を割当てることにより、かかる位置における画素の予測生成をよりきめ細かく行うようにすれば、特に、クラス分類に対応して保持される予測生成処理に係るデータを記憶するメモリの使用方法等の観点から、より効率的な処理が可能となる。
【0004】
一方、より多くのクラス数を用いる程、画像情報変換処理を行うために必要なメモリの記憶容量が増大する。従って、実際の装置において記憶容量が限られることを考慮すると、クラスの総数を削減することが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、この発明の目的は、画素が予測生成されるべき位置と入力画像信号の走査線との位置関係、装置内に設けられるメモリの記憶容量等の条件に応じて適切なクラス数を割当てることを可能とする画像情報変換装置、画像情報変換方法、およびテレビジョン受像機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換装置において、
入力画像信号に存在する走査線上の第1の注目点と、入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択手段と、
第1の画像データ選択手段によって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出したパターンに基づいて第1および第2の注目点がそれぞれ属する第1のクラス値を決定するクラス検出手段と、
第1および第2の注目点のそれぞれの第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換手段と、
入力画像信号から、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択手段と、
第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理手段と、
予め学習によって求められ、演算処理手段による演算処理に使用される、第1および第2の予測係数データが第2のクラス値毎に記憶される記憶手段とを有し、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第1の仮予測係数が学習によって求められ、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる第1のクラス値について求められた第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
相異なる第1のクラス値について求められた第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
クラス値変換テーブルは、第1のクラス値を第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報処理装置である。
【0007】
請求項2の発明は、入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換装置において、
入力画像信号の走査線に存在する走査線上の第1の注目点と、入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択手段と、
第1の画像データ選択手段によって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出したパターンに基づいて第1および第2の注目点がそれぞれ属する空間クラスを示す空間クラス値を決定する空間クラス検出手段と、
入力画像信号から、入力画像信号内の複数のフレーム内において、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択手段と、
第2の画像データ選択手段によって選択される画像データから、フレーム間差分絶対値の総和を計算し、計算結果に基づいて動きを表す動きクラス値を決定する動きクラス検出手段と、
空間クラス値と動きクラス値とを合成して第1のクラス値を生成するクラス合成手段と、
第1および第2の注目点のそれぞれの第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換手段と、
入力画像信号から、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第3の画像データ選択手段と、
第3の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、第3の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理手段と、
予め学習によって求められ、演算処理手段による演算処理に使用される、第1および第2の予測係数データが第2のクラス値毎に記憶される記憶手段とを有し、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、第3の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第1の仮予測係数が学習によって求められ、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、第3の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる第1のクラス値について求められた第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
相異なる第1のクラス値について求められた第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
クラス値変換テーブルは、第1のクラス値を第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報処理装置である。
【0008】
請求項7の発明は、入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換方法において、
入力画像信号に存在する走査線上の第1の注目点と、入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択ステップと、
第1の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出したパターンに基づいて第1および第2の注目点がそれぞれ属する第1のクラス値を決定するクラス検出ステップと、
第1および第2の注目点のそれぞれの第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換ステップと、
入力画像信号から、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択ステップと、
予め学習によって求められ、演算処理ステップによる演算処理に使用される、第1および第2の予測係数データが第2のクラス値毎に記憶される記憶手段から第1および第2の予測係数データを出力するステップと、
第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理ステップとを有し、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第1の仮予測係数が学習によって求められ、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる第1のクラス値について求められた第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
相異なる第1のクラス値について求められた第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
クラス値変換テーブルは、第1のクラス値を第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報変換方法である。
【0009】
請求項8の発明は、入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換方法において、
入力画像信号の走査線に存在する走査線上の第1の注目点と、入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択ステップと、 第1の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出したパターンに基づいて第1および第2の注目点がそれぞれ属する空間クラスを示す空間クラス値を決定する空間クラス検出ステップと、
入力画像信号から、入力画像信号内の複数のフレーム内において、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択ステップと、
第2の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、フレーム間差分絶対値の総和を計算し、計算結果に基づいて動きを表す動きクラス値を決定する動きクラス検出ステップと、
空間クラス値と動きクラス値とを合成して第1のクラス値を生成するクラス合成ステップと、
第1および第2の注目点のそれぞれの第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換ステップと、
入力画像信号から、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第3の画像データ選択ステップと、
予め学習によって求められ、演算処理ステップによる演算処理に使用される、第1および第2の予測係数データが第2のクラス値毎に記憶される記憶手段から第1および第2の予測係数データを出力するステップと、
第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理ステップとを有し、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第1の仮予測係数が学習によって求められ、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる第1のクラス値について求められた第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
相異なる第1のクラス値について求められた第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
クラス値変換テーブルは、第1のクラス値を第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報処理装置である。
【0010】
請求項11の発明は、入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにしたテレビジョン受像機において、
入力画像信号に存在する走査線上の第1の注目点と、入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択手段と、
第1の画像データ選択手段によって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出したパターンに基づいて第1および第2の注目点がそれぞれ属する第1のクラス値を決定するクラス検出手段と、
第1および第2の注目点のそれぞれの第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換手段と、
入力画像信号から、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択手段と、
第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理手段と、
予め学習によって求められ、演算処理手段による演算処理に使用される、第1および第2の予測係数データが第2のクラス値毎に記憶される記憶手段とを有し、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第1の仮予測係数が学習によって求められ、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる第1のクラス値について求められた第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
相異なる第1のクラス値について求められた第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
クラス値変換テーブルは、第1のクラス値を第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とするテレビジョン受像機である。
【0011】
請求項12の発明は、入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにしたテレビジョン受像機において、
入力画像信号の走査線に存在する走査線上の第1の注目点と、入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択ステップと、 第1の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出したパターンに基づいて第1および第2の注目点がそれぞれ属する空間クラスを示す空間クラス値を決定する空間クラス検出ステップと、
入力画像信号から、入力画像信号内の複数のフレーム内において、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択ステップと、
第2の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、フレーム間差分絶対値の総和を計算し、計算結果に基づいて動きを表す動きクラス値を決定する動きクラス検出ステップと、
空間クラス値と動きクラス値とを合成して第1のクラス値を生成するクラス合成ステップと、
第1および第2の注目点のそれぞれの第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換ステップと、
入力画像信号から、第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第3の画像データ選択ステップと、
予め学習によって求められ、演算処理ステップによる演算処理に使用される、第1および第2の予測係数データが第2のクラス値毎に記憶される記憶手段から第1および第2の予測係数データを出力するステップと、
第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理ステップとを有し、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第1の仮予測係数が学習によって求められ、
出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、第1のクラス値毎に第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる第1のクラス値について求められた第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
相異なる第1のクラス値について求められた第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の第1のクラス値を1つのクラスに統合して、第1のクラス値よりもクラス数の少ない第2のクラス値を生成し、
クラス値変換テーブルは、第1のクラス値を第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とするテレビジョン受像機である。
【0012】
以上のような発明によれば、例えば、注目点すなわち画素が予測生成されるべき点が入力画像信号の走査線に対応する位置にあるか否か等の位置関係、あるいは、装置内に設けられるメモリの記憶容量等の条件に応じて注目位置についてのクラス数が的確に設定される。このため、画像情報変換処理をより効率的に行うことが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態についての説明に先立ち、その前提となる画像情報変換処理について説明する。かかる処理は、標準解像度のディジタル画像信号(以下、SD信号と表記する)を高解像度の画像信号(HD信号と称されることがある)に変換して出力するものである。この際のSD信号としては、例えばライン数が525本でインターレス方式の画像信号(以下、525i信号と表記する)等が用いられる。また、高解像度の画像信号としては、例えばライン数が525本でプログレッシブ方式の出力映像信号(以下、525p信号と表記する)等が用いられる。さらに、出力画像信号における水平方向の画素数が入力画像信号における水平方向の画素数の2倍とされる。
【0014】
かかる画像情報変換処理においては、本願出願人の提案に係るクラス分類適応処理によって解像度を高めようとしている。クラス分類適応処理は、従来の補間処理によって高解像度信号を形成するものとは異なる。すなわち、クラス分類適応処理は、入力SD信号の信号レベルの3次元(時空間)分布に応じてクラス分割を行い、クラス毎に予め学習によって獲得された予測計数値を所定の記憶部に格納し、予測式に基づいた演算によって最適な推定値を出力する処理である。クラス分類適応処理によって、入力SD信号の解像度以上の解像度を得ることが可能となる。
【0015】
図1は、1フィールドの画像の一部を拡大することによって、入力SD信号としての525i信号を、出力画像信号としての525p信号に変換する画像情報変換処理における画素の配置の一例を示すものである。大きなドットが525i信号の画素を示し、また、小さなドットが525p信号の画素を示す。ここで、図1は、あるフレームの奇数フィールドの画素配置を示している。他のフィールド(偶数フィールド)では、525i信号のラインが空間的に0.5ラインずれたものとなる。図1から分かるように、525i信号のラインと同一位置のラインデータy1(黒塗りの小さいドットとして示した)および525i信号の上下のラインの中間位置のラインデータy2(白抜きの小さいドットとして示した)とが形成されることによって525p信号が予測生成される。
【0016】
ここで、y1は既に存在するポイントであるのに対し、y2は新たに予測することによって生成されるポイントである。従って、y2を予測生成する方がy1を予測生成するよりも困難である。このため、y2を予測生成する場合には、y1を予測生成する場合よりも多くのクラス数を割り当てる必要がある。また、例えば装置に備えられるメモリー資産が充分な量を有しない場合、または、より少ないクラス数を用いて、効率的な画像情報変換処理を行う場合等においては、クラスの総数をより少なくするようなクラス値の変換を行う必要がある。これらの観点から、この発明は、y1,y2の予測生成を効率的に、また、きめ細かく行えるように、クラス数を適切に割り当てるようにしたものである。
【0017】
以下、この発明の一実施形態について適宜図面を参照して説明する。一実施形態は、入力SD信号としての525i信号を、出力画像信号としての525p信号に変換する画像情報変換処理を行うものである。但し、他の画像信号形式を有する入力SD信号/出力画像信号間の変換を行う場合にも、この発明を適用することができる。図2は、この発明の一実施形態における画像情報変換処理系の構成の一例を示すブロック図である。入力SD信号(525i信号)がタップ選択回路1、10、20に供給される。
【0018】
タップ選択回路1は、ラインデータy1,y2を予測推定するための演算処理(後述する式(1)に従う演算処理)に必要とされる複数の画素が含まれる領域を切り出し、切り出した領域からラインデータy1,y2を予測推定するために必要なSD画素(以下、予測タップと表記す)を選択する。選択される予測タップが推定予測演算回路4、5に供給される。ここで、予測タップとしては、後述する空間クラスタップと同様なものを使用することができる。但し、予測精度を向上させるために、クラスに対応する予測タップ位置情報によって選択される。
【0019】
また、推定予測演算回路4、5には、後述する係数メモリ41からラインデータy1,y2を予測推定するために必要な予測係数を供給される。推定予測演算回路4、5は、タップ選択回路1から供給される予測タップ、および係数メモリ41から供給される予測係数に基づいて、以下の式(1)に従って画素値yを順次予測生成する。
【0020】
y=w1 ×x1 +w2 ×x2 +‥‥+wn ×xn (1)
ここで、x1 ,‥‥,xn が各予測タップであり、w1 ,‥‥,wn が各予測係数である。すなわち、式(1)は、n個の予測タップを用いて画素値yを予測生成するための式である。画素値yの列として、推定予測演算回路4においてはラインデータy1が予測生成され、推定予測演算回路5においてはラインデータy2が予測生成される。予測係数w1 ,‥‥,wn は、y1,y2についてそれぞれ相違したものである。
【0021】
推定予測演算回路4、5は、それぞれ、ラインデータy1、y2を線順序変換回路6に供給する。線順序変換回路6は、供給されるラインデータにライン倍速処理を施し、高解像度信号を生成する。この高解像度信号がこの発明の一実施形態における画像情報変換処理系の最終的な出力画像信号とされる。図示しないが、出力画像信号がCRTディスプレイに供給される。CRTディスプレイは、出力画像信号(525p信号)を表示することが可能なように、その同期系が構成されている。また、入力SD信号としては、放送信号、またはVTR等の再生装置の再生信号が供給される。すなわち、この一実施形態をテレビジョン受像機等に内蔵することができる。
【0022】
一方、タップ選択回路10、11は、入力SD信号からそれぞれ、ラインデータy1,y2についての空間クラスを検出するために必要なSD画素(以下、空間クラスタップと表記する)を選択する。また、タップ選択回路20は、入力SD信号から動きクラスを検出するために必要なSD画素(以下、動きクラスタップと表記する)動きクラスタップを選択する。タップ選択回路10、11の出力が空間クラス検出回路12、13にそれぞれ供給され、また、タップ選択回路20の出力が動きクラス検出回路21に供給される。
【0023】
空間クラス検出回路12、13は、供給される空間クラスタップに基づいて、それぞれy1,y2についての空間クラス値を検出する。そして、検出した空間クラス値をそれぞれクラス合成回路30、31に供給する。また、動きクラス検出回路21は、供給される動きクラスタップに基づいて動きクラス値を検出し、検出した動きクラス値をクラス合成回路30、31に供給する。
【0024】
クラス合成回路30、31は、供給される空間クラス値と、動きクラス値とを合成する。クラス合成回路30、31の出力は、それぞれ、クラス値変換回路32、33に供給される。クラス値変換回路32、33は、それぞれ、クラス合成回路30、31の出力に後述するようなクラス値変換処理を施す。クラス値変換処理により、クラスの総数が削減される。
【0025】
変換されたクラス値が係数メモリ41に供給される。係数メモリ41は、後述する学習によって予め決められた予測係数を記憶し、記憶した予測係数の内でクラス値変換回路32、33から供給されるクラス値によって指定されるものを推定予測演算回路4、5に対して出力する。このような動作を可能とするためには、例えば、クラス値変換によって得られるクラス値によって指定されるアドレスに従って予測係数を記憶する等の方法を用いれば良い。
【0026】
ここで、空間クラス検出についてより詳細に説明する。一般に、空間クラス検出回路は、空間クラスタップのレベル分布のパターンに基づいて画像データのレベル分布の空間的パターンを検出し、検出した空間的パターンに基づいて空間クラス値を生成する。この場合、クラス数が膨大になることを防ぐために、各画素について8ビットの入力画素データをより少ないビット数のデータに圧縮するような処理を行う。このような情報圧縮処理の一例として、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding) を用いることができる。また、情報圧縮処理として、DPCM(予測符号化)、VQ(ベクトル量子化)等を用いることもできる。
【0027】
ADRCは、本来、VTR(Video Tape Recoder)向け高能率符号化用に開発された適応的再量子化法であるが、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現できるので、この一形態では、ADRCを空間クラス分類のコード発生に使用している。ADRCは、空間クラスタップのダイナミックレンジをDR,ビット割当をn,空間クラスタップの画素のデータレベルをL,再量子化コードをQとして、以下の(2)により、最大値MAXと最小値MINとの間を指定されたビット長で均等に分割して再量子化を行う。
【0028】
DR=MAX−MIN+1
Q={(L−MIN+0.5)×2/DR} (2)
但し、{ }は切り捨て処理を意味する。
【0029】
上述したように、ラインデータy2についてのクラス数は、ラインデータy1についてのクラス数よりも大きい。この点について具体的に説明する。まず、y1についての空間クラス検出に使用される空間クラスタップの配置の一例を図3に示す。図3では、水平方向(左→右)に時間が進行する場合に、各フィールド内の画素を垂直方向に並べて示されている。
【0030】
図示されているフィールドを、左から順にF−1/o、F−1/e、F/o、F/eと表記する。なお、F−1/oは、「F−1番目のフレームの奇数(odd)番目の走査線からなるフィールド」である旨を示す表記である。同様に、F−1/eは、「F−1番目のフレームの偶数(even)番目の走査線からなるフィールド」を意味し、F/oは、「F番目のフレームの奇数番目の走査線からなるフィールド」を意味し、また、F/eは、「F番目のフレームの偶数番目の走査線からなるフィールド」を意味する。
【0031】
かかる一例においては、フィールドF/o内のラインデータy1についての空間クラスタップとして、フィールドF−1/e内のT4,T5,およびフィールドF/o内のT1、T2、T3の全部で5個の画素値が使用される。但し、空間クラスタップの配置はこれに限定されるものでは無い。例えば、空間クラスタップとして、水平方向の複数の入力画素を使用しても良い。
【0032】
同様に、y2についての空間クラス検出に使用される空間クラスタップの配置の一例を図4に示す。図4中での表記は図3と同様である。かかる一例においては、フィールドF/o内のラインデータy2についての空間クラスタップとして、フィールドF−1/e内のT6、およびフィールドF/o内のT2、T3、T4,T5,およびフィールドF/e内のT1の全部で6個の画素値が使用される。但し、空間クラスタップの配置はこれに限定されるものでは無い。例えば、空間クラスタップとして、水平方向の複数の入力画素を使用しても良い。
【0033】
次に、動きクラス検出についてより詳細に説明する。動きクラス検出回路21は、供給される動きクラスタップに基づいて、以下の式(3)に従ってフレーム間差分絶対値の平均値paramを計算する。そして、計算したparamの値に基づいて、動きクラス値を検出する。
【0034】
【数1】
【0035】
式(3)においてnは動きクラスタップ数であり、例えばn=6と設定することができる(図5参照)。そして、paramの値と、予め設定されたしきい値とを比較することによって動きの指標である動きクラス値が決定される。例えば、param≦2の場合には動きクラス値0、2<param≦4の場合には動きクラス値1、4<param≦8の場合には動きクラス値2、param>8の場合には動きクラス値3というように動きクラス値が生成される。動きクラス値0が動きが最小(静止)であり、動きクラス値1、2、3となるに従って動きが大きいものと判断される。なお、動きベクトルを検出し、検出した動きベクトルに基づいて動きクラスを検出しても良い。
【0036】
動きクラス検出に使用される動きクラスタップの配置の一例を図5に示す。かかる一例においてフィールドF/o内のラインデータy1およびy2を予測する際に使用される動きクラスタップは、フィールドF/o内の画素n1,n3,n5,およびフィールドF/e内の画素n2,n4,n6,並びにフィールドF−1/e内の画素m2,m4,m6,さらに、フィールドF−1/o内の画素m1,m3,m5である。ここで、画素m1と画素n1,画素m2と画素n2,‥‥,画素m6と画素n6の垂直方向の位置が一致している。但し、動きクラスタップの配置はこれに限定されるものでは無い。
【0037】
図3および図4に示したような空間クラスタップ配置を使用して、1ビットADRCでクラス分類する場合には、y1,y2について動きクラス値を共通とし、動きクラス値の分類数を4とすると、クラス数はそれぞれ以下のようになる。
【0038】
y1についてのクラス数 = 25 ×4 = 128
y2についてのクラス数 = 26 ×4 = 256
この場合、合計のクラス数は384である。但し、例えば画像情報変換処理系に備えられるメモリー資産(図2中では係数メモリ41)がこのクラス数に対応するために充分な記憶容量を有しない場合、または、より少ないクラス数で効率的に画像情報変換処理を行う場合等においては、クラスの総数を削減する必要がある。そこで、この発明は、クラス値変換処理を行うことによってy1,y2についてのクラス数を削減するようにしたものである。図6は、この場合のクラス総数の削減について模式的に示すものである。なお、図6中の仮予測係数については後述する。
【0039】
次に、学習、すなわち適切な予測係数を設定する処理について以下に説明する。まず、学習の第1段階である、クラス値変換テーブルの作成に係る処理系の構成の一例を図7に示す。出力画像信号と同じ信号形式を有する既知の信号(例えば525p信号)が間引きフィルタ51、および正規方程式加算回路61、62に供給される。間引きフィルタ51は、水平方向および垂直方向で画素数がそれぞれ1/2とされ、全体として供給される信号の1/4の画素数を有するSD信号(例えば525i信号)を生成する。
【0040】
かかる処理として、例えば、入力する画像信号について垂直方向の周波数が1/2になるように垂直間引きフィルタによって画素を間引き、さらに、水平方向の周波数が1/2になるように水平間引きフィルタによって画素を間引く等の処理が行われる。間引きフィルタ51の特性を変えることによって学習の特性を変え、それによって、変換して得られる画像の画質を制御することができる。
【0041】
ここで、間引きフィルタ51に対する入力SD信号の一例としての525p信号と、間引きフィルタ51からの出力画像信号の一例としての525i信号との間の画素の空間的関係を図8に示す。525p信号の奇数番目のフィールドでは、偶数番目のラインが間引かれ、また、奇数番目のラインにおいて画素が水平方向に交互に間引かれる。この間引き処理の様子を、図8では、第1フィールドと第3フィールドについて図示した。一方、525p信号の奇数番目のフィールドでは、奇数番目のラインが間引かれ、また、偶数番目のラインにおいて画素が水平方向に交互に間引かれる。この間引き処理の様子を、図8では、第2フィールドについて図示した。
【0042】
図7において、間引きフィルタ51が生成するインターレス画像信号がタップ選択回路101、110、111および120に供給される。タップ選択回路101は、後述する正規方程式の計算において使用され得る予測タップを選択し、選択した予測タップを正規方程式加算回路61、62に供給する。一方、タップ選択回路110、111は、それぞれ、ラインデータy1,y2についての空間クラスタップを選択し、選択した空間クラスタップをそれぞれ、空間クラス検出回路112、113に供給する。さらに、タップ選択回路120は、動きクラスタップを選択し、選択した動きクラスタップを動きクラス検出回路121に供給する。
【0043】
空間クラス検出回路112、113は、空間クラスタップのデータをADRCによって圧縮し、それぞれ、y1,y2についての空間クラス値を独立に検出する。また、動きクラス検出回路121は、動きクラス値を検出する。空間クラス検出回路112の出力と動きクラス検出回路121の出力とがクラス合成回路130に供給される。また、空間クラス検出回路113の出力と動きクラス検出回路121の出力とがクラス合成回路131に供給される。クラス合成回路130、131は、それぞれy1,y2についての空間クラス値と動きクラス値とを合成する。クラス合成回路130、131の出力が正規方程式加算回路61、62に供給される。
【0044】
正規方程式加算回路61は、入力SD信号、タップ選択回路101の出力、およびクラス合成回路130の出力に基づいてy1の予測生成に係る予測係数を解とする正規方程式に係るデータを得るための加算を行う。同様に、正規方程式加算回路62は、入力SD信号、タップ選択回路101の出力、およびクラス合成回路131の出力に基づいてy2の予測生成に係る予測係数を解とする正規方程式に係るデータを得るための加算を行う。
【0045】
正規方程式加算回路61、62は、それぞれ、算出したデータを仮予測係数決定回路63に供給する。仮予測係数決定回路63は、供給されるデータに基づき、正規方程式を解く計算処理を行って、y1,y2の予測生成に係る仮予測係数を算出する。そして、算出した仮予測係数を近接係数クラス統合処理部64に供給する。ここで、仮予測係数と称するのは、最終的な予測係数は、後述するように、クラス統合の結果として決定されるからである。正規方程式を解くための計算処理は、後述する予測係数決定回路263(図9参照)における計算処理と同様である。
【0046】
近接係数クラス統合処理部64は、供給される仮予測係数の間の距離dを、例えば以下の式(4)に従って計算する。
【0047】
【数2】
【0048】
ここで、kl 、kl ’は相異なるクラスの予測係数を示す。また、lは、予測タップの番号を示す。また、nが予測タップの総数を表す。
【0049】
さらに、近接係数クラス統合処理部64は、上述したようにして求めたクラス間の予測係数の距離を所定のしきい値と比較し、互いの距離がしきい値より小さくなるような複数個のクラスを1つのクラスに統合する。クラスを統合することによってクラスの総数を減らすことができる。この際に、あるクラスと他の幾つかのクラスとの間の距離が共にしきい値より小さくなる場合には、距離が最小となるクラス同志を統合するようにすれば良い。上述の所定のしきい値を大きく設定する程、クラス数を削減することができる。従って、しきい値を可変することにより、クラス値変換処理によって得られるクラスの総数を調整することができる。
【0050】
この際に、画像情報変換処理系に備えられるメモリ資産(図2中では係数メモリ41)の記憶容量等の条件に応じて、y1、y2について的確なクラス数を割り振るようにすることにより、メモリ資産をより有効に使用できる、または、より少ないクラス数で効率的に画像情報変換処理を行うことができる、等の効果を得ることができる。
【0051】
そして、近接係数クラス統合処理部64は、クラスの統合に関する情報をクラス値変換テーブル生成部65に供給する。クラス値変換テーブル生成部65は、供給される情報に基づいてクラス値変換テーブルを生成する。このクラス値変換テーブルは、上述したクラス値変換回路32、33(図2参照)、および後述するクラス値変換回路81、82(図9参照)に供給され、記憶される。そして、これらの構成要素の動作において参照される。
【0052】
次に、学習の第2段階としての予測係数の算出処理について詳細に説明する。図9に、予測係数を算出する予測係数算出処理系の構成の一例を示す。出力画像信号と同じ信号形式を有する既知の信号(例えば525p信号)が間引きフィルタ251、正規方程式加算回路261、262に供給される。間引きフィルタ251は、水平方向および垂直方向で画素数がそれぞれ1/2とされ、全体として供給される信号の1/4の画素数を有するSD信号(例えば525i信号)を生成する。
【0053】
かかる処理として、例えば、入力する画像信号について垂直方向の周波数が1/2になるように垂直間引きフィルタによって画素を間引き、さらに、水平方向の周波数が1/2になるように水平間引きフィルタによって画素を間引く等の処理が行われる。間引きフィルタ51の特性を変えることによって学習の特性を変え、それによって、変換して得られる画像の画質を制御することができる。間引きフィルタ251が生成するSD信号がタップ選択回路201、210、211、220に供給される。間引きフィルタ251の特性を変えることによって学習の特性を変え、それによって、変換して得られる画像の画質を制御することができる。
【0054】
タップ選択回路201は、予測タップを選択し、選択した予測タップを正規方程式加算回路261、262に供給する。一方、タップ選択回路210、211が選択する,y1,y2についての空間クラスタップがそれぞれ空間クラス検出回路212、213に供給される。さらに、タップ選択回路220が選択する予測タップが動きクラス検出回路221に供給される。
【0055】
空間クラス検出回路212、213は、供給される空間クラスタップに基づいて、それぞれy1,y2についての空間クラス値を検出する。また、動きクラス検出回路221は、供給される動きクラスタップに基づいて、動きクラス値を検出する。空間クラス検出回路212の出力と動きクラス検出回路221の出力とがクラス合成回路230に供給される。また、空間クラス検出回路212の出力と動きクラス検出回路221の出力とがクラス合成回路231に供給される。クラス合成回路230、231は、それぞれy1,y2についてクラス値を合成し、各クラス値をクラス値変換処理部81、82に供給する。
【0056】
クラス値変換処理部81、82は、上述したようにして生成されるクラス値変換テーブルを記憶しており、かかるクラス値変換テーブルを参照して、クラス合成回路230、231の出力に対してクラス値変換を施す。そして、クラス値変換の結果を、それぞれ、正規方程式加算回路261、262に供給する。
【0057】
正規方程式加算回路261、262は、予測係数を解とする正規方程式を解くための計算処理に使用されるデータを算出する。すなわち、正規方程式加算回路261は、入力SD信号、タップ選択回路201の出力、およびクラス値変換回路81の出力に基づいて加算処理を行うことにより、y1の予測生成に係る予測係数を解とする正規方程式を解くために必要なデータを算出する。また、正規方程式加算回路262は、入力SD信号、タップ選択回路201の出力、およびクラス値変換回路82の出力に基づいて加算処理を行うことにより、y2の予測生成に係る予測係数を解とする正規方程式を解くために必要なデータを算出する。
【0058】
正規方程式加算回路261、262が算出したデータが予測係数決定回路263に供給される。予測係数決定回路263は、供給されるデータに基づいて正規方程式を解くための計算処理を行い、ラインデータy1,y2の予測生成に係る予測係数を算出する。算出される予測係数が係数メモリ84に供給され、記憶される。
【0059】
予測係数の決定に係る処理、すなわち正規方程式加算回路261、262、および予測係数決定回路263が行う処理について、以下、より詳細に説明する。まず、正規方程式について説明する。上述したように、n個の予測タップを使用して、ラインデータy1,y2を構成する各画素を式(1)によって順次予測生成することができる。
【0060】
式(1)において、学習前は予測係数w1 ,‥‥,wn が未定係数である。学習は、クラス毎に複数の信号データに対して行う。信号データの総数をmと表記する場合、式(1)に従って、以下の式(5)が設定される。
【0061】
yk =w1 ×xk1+w2 ×xk2+‥‥+wn ×xkn (5)
(k=1,2,‥‥,m)
m>nの場合、予測係数w1 ,‥‥,wn は一意に決まらないので、誤差ベクトルeの要素ek を以下の式(6)で定義して、式(7)によって定義される誤差ベクトルeを最小とするように予測係数を定めるようにする。すなわち、いわゆる最小2乗法によって予測係数を一意に定める。
【0062】
ek =yk −{w1 ×xk1+w2 ×xk2+‥‥+wn ×xkn} (6)
(k=1,2,‥‥m)
【0063】
【数3】
【0064】
式(7)のe2 を最小とする予測係数を求めるための実際的な計算方法としては、e2 を予測係数wi (i=1,2‥‥)で偏微分し(式(8))、iの各値について偏微分値が0となるように各予測係数wi を定めれば良い。
【0065】
【数4】
【0066】
式(8)から各予測係数wi を定める具体的な手順について説明する。式(9)、(10)のようにXji,Yi を定義すると、式(8)は、式(11)の行列式の形に書くことができる。
【0067】
【数5】
【0068】
【数6】
【0069】
【数7】
【0070】
式(11)が一般に正規方程式と呼ばれるものである。正規方程式加算回路261、262のそれぞれは、クラス値変換回路81、82から供給されたクラス値、予測タップ選択回路201から供給される予測タップ、および入力画像信号と同じ信号形式を有する既知の画像信号を用いて、正規方程式データ、すなわち、式(9)、(10)に従うXji,Yi の値を算出する。そして、算出した正規方程式データを予測係数決定部43に供給する。予測係数決定部43は、正規方程式データに基づいて、掃き出し法等の一般的な行列解法に従って正規方程式を解くための計算処理を行って予測係数wi を算出する。
【0071】
なお、以上のように生成される予測係数は、クラス値変換が施されたデータに基づいて算出されるのに対し、図7を参照して上述した仮予測係数は、クラス値変換が未だ施されていないデータに基づいて算出される。かかる点以外では、両者は正規方程式の解として全く同様な計算処理によって算出される。従って、仮予測係数の決定に係る処理、すなわち図7中の正規方程式加算回路61、62、および予測係数決定回路63が行う処理も、全く同様なものである。
【0072】
すなわち、図7では、クラス合成回路130、131から供給されるクラス値、予測タップ選択回路101から供給される予測タップ、および出力画像信号と同じ信号形式を有する既知の入力画像信号(例えば525p信号)を用いて、正規方程式加算回路61、62のそれぞれが正規方程式データ、すなわち、式(9)、(10)に従うXji,Yi の値を算出する。そして、算出した正規方程式データを仮予測係数決定部63に供給する。仮予測係数決定部63は、正規方程式データに基づいて、掃き出し法等の一般的な行列解法に従って正規方程式を解くための計算処理を行って仮予測係数を算出する。
【0073】
このように、仮予測係数を算出し、それに基づいてクラス値変換テーブルを生成し、さらに、クラス値変換テーブルを参照してクラス値変換を行いながら予測係数を算出することによって、学習が行なわれる。その結果として、予測係数メモリ84には、クラス毎に、プログレッシブ画像の注目画素を推定するための、統計的に最も真値に近い推定ができる予測係数が格納される。予測係数メモリ84に格納された予測係数は、図2等を参照して上述した画像情報変換処理系内の予測係数メモリ41にロードされる。
【0074】
なお、図5示したような画像信号変換処理系、図7に示したようなクラス値変換テーブルの作成に係る処理系、および図9に示した予測係数の決定に係る処理系は、各々別個に設けても良いし、スイッチ等を適宜設けることによって構成要素を共通に使用するように構成しても良い。但し、これらの処理系を別個に設ける場合には、学習の有効性を担保するため、同一の機能を有する構成要素は、同一の動作特性を有するものを使用する必要がある。例えばタップ選択回路1、51、201は、同一の動作特性を有する必要がある。構成要素を共通に使用する場合には、スイッチング等に起因して装置全体の処理が複雑化するが、装置全体に関わる回路規模、コスト等の削減に寄与することができる。
【0075】
また、タップ選択回路201が出力する予測タップの個数は、画像情報変換処理系において使用される予測タップの個数より大きいものとされる。従って、図9中の予測係数決定部263では、クラス毎により多くの係数が求まる。このようにして求まった予測係数の中で、絶対値が大きいものから順に使用する数の予測係数が選択される。
【0076】
次に、線順序変換回路6が行うライン倍速処理について説明する。上述したようにして推定予測演算回路4、5が生成する525p信号の水平周期は、画像情報変換処理がなされる前の525i信号の水平周期と同一である。線順序変換回路6は、ラインメモリを有し、水平周期を2倍とするライン倍速処理を行う。図10は、ライン倍速処理をアナログ波形を用いて示すものである。推定予測演算回路4、5によって、ラインデータy1およびy2が同時に予測生成される。
【0077】
ラインデータy1には、順にa1,a2,a3‥‥のラインが含まれ、ラインデータy2には、順にb1,b2,b3‥‥のラインが含まれる。線順序変換回路500内には、ラインダブラ(図示せず)とスイッチング回路(図示せず)とが設けられている。ラインダブラは、各ラインのデータを時間軸方向に1/2に圧縮し、圧縮されたデータをスイッチング回路に供給する。スイッチング回路は、供給されるデータを交互に選択して出力する。以上のようにして、線順次出力(a0,b0,a1,b1,‥‥)が形成される。
なお、この一実施形態では、現存ライン上の出力画素値(ラインデータL1)と、作成ライン上の出力画素値(ラインデータL2)とを並列構成でもって作成するようにしている。これに対し、メモリを追加し、回路の動作速度が速ければ時分割処理でラインデータy1およびy2を順に生成すると共に、ライン倍速処理を行うように構成しても良い。
【0078】
上述したこの発明の一実施形態においては、図3、図4を参照して上述したように、空間クラスタップの配置がy1,y2について別個のもの(y1について5個、y2について6個)とされていた。これに対して、空間クラスタップの配置をy1,y2について同一とした、この発明の他の実施形態も可能である。
【0079】
以下、他の実施形態について説明する。他の実施形態におけるy1,y2について空間クラスタップの配置について、図11に示す。図11での表記は図3と同様である。フィールドF/o内のラインデータy1、y2についての空間クラスタップとして、フィールドF−1/e内のT5,T6,およびフィールドF/o内のT2,T3,T4,並びにフィールドF/e内のT1の全部で6個の画素値が使用される。この場合、y1,y2について動きクラス値を共通とし、動きクラス値の分類数を4とすると、y1,y2の何れについても、クラス数は、26 ×4=256個となる。
【0080】
この場合にクラス値変換を行うことによってクラス数が削減される様子を、図12に模式的に示す。クラス値変換が施される前のクラス数は、y1,y2の何れについても256クラスである。これに対し、クラス値変換が施された後のクラス数は、y1についてのクラス数の方がy2についてのクラス数よりも小さい。これは、上述したように、y2を予測生成する方がy1を予測生成するよりも困難であることを考慮したためである。
【0081】
他の実施形態における画像情報変換処理系の構成について、図13を参照して説明する。図13において、図2と同様な構成要素については同一の符号を付した。上述したように、他の実施形態ではy1,y2についての空間クラスタップの配置が同一とされるので、空間クラス検出に係る構成は、y1,y2について共通に設ければ良い。このような構成として、空間クラス検出回路16、およびその前段で空間クラスの選択を行うタップ選択回路15が設けられている。
【0082】
空間クラス検出回路16の出力である空間クラス値と、動きクラス検出回路21の出力である動きクラス値とがクラス合成回路17に供給される。クラス合成回路17は、供給される空間クラス値と動きクラス値とを合成する。クラス合成回路17の出力がクラス値変換回路18、19に供給される。クラス値変換回路18、19は、クラス合成回路17の出力にクラス値変換を施すことにより、それぞれ、y1,y2に係る、変換されたクラス値を生成する。この際のクラス値変換は、y1とy2のそれぞれを予測生成する際の困難さを考慮して、的確なクラス数を得るものとされる。クラス値変換回路18、19の出力が係数メモリ41に供給される。
【0083】
以上のような他の実施形態では、空間クラス検出に係る構成をy1,y2について共通とすることができるので、回路構成の簡素化に寄与することができる。その反面、y1について大きな比率でクラス数を削減するクラス値変換を行う必要があるので、特にy1についてのクラス値変換が複雑な処理となる可能性がある。なお、図2と同様に空間クラス検出に係る構成をy1,y2について別個に設ける構成を用いても、他の実施形態に係る画像情報変換処理を実現することは可能である。
【0084】
また、この発明の一実施形態および他の実施形態は、525i信号を525p信号に変換するものであるが、525本のライン数は、一例であって、他のライン数であってもこの発明を適用することができる。例えば、入力SD信号における水平方向の画素数に対して、2倍以外の画素数を含むラインからなる出力画像信号を予測生成するようにしても良い。より具体的には、出力画像信号として1050i信号、すなわち走査線数が1050本でインターレス方式の画像信号を予測生成する画像情報変換処理を行う場合に、この発明を適用することができる。
【0085】
このような画像情報変換処理について具体的に説明する。図14は、1フィールドの画像の一部を拡大することによって、525i信号と、1050i信号とにおける画素の配置を示すものである。大きなドットが525i信号の画素を示し、また、小さなドットが1050i信号の画素を示す。なお、図14の実線で示したものは、あるフレームの奇数フィールドの画素配置である。他のフィールド(偶数フィールド)のラインは、点線で示すように空間的に0.5ラインずれたものであり、ラインデータy1’,y2’の画素が形成される。
【0086】
図15に、この場合の空間クラスタップの配置の一例を示す。図15中での表記は図3と同様である。フィールドF/o内のラインデータy1、y2についての空間クラスタップとして、フィールドF−1/e内のT4,T5,T6,T7およびフィールドF/o内のT1,T2,T3の全部で7個の画素値が使用される。この場合、y1,y2について動きクラス値を共通とし、動きクラス値の分類数を4とすると、クラス数はy1,y2の何れについても、27 ×4=512個となる。
【0087】
このような空間クラスタップ配置を用いる場合には、例えば図13等を参照して上述した他の実施形態と同様な構成によって画像情報変換処理を実現することができる。なお、空間クラスタップの配置はこれに限定されるものでは無い。例えば、y1,y2について異なる空間クラスタップ配置を用いても良い。また、水平方向の複数の入力画素を使用しても良い。
【0088】
また、図16に、この場合の動きクラスタップの配置の一例を示す。フィールドF/o内のラインデータy1およびy2を予測する際に使用される動きクラスタップは、フィールドF/o内の画素n1,n3,n5,およびフィールドF/e内の画素n2,n4,n6,並びにフィールドF−1/e内の画素m2,m4,m6,さらに、フィールドF−1/o内の画素m1,m3,m5である。ここで、画素m1と画素n1,画素m2と画素n2,‥‥,画素m6と画素n6の垂直方向の位置が一致している。但し、この場合の動きクラスタップの配置はこれに限定されるものでは無い。
【0089】
【発明の効果】
上述したように、この発明は、入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成する画像情報変換処理を行うに際して、入力画像信号の走査線との位置関係が異なる複数種類の注目点(具体的には、入力画像信号の走査線上に位置するy1と、入力画像信号の走査線の間に位置するy2等)の各々について決定されるクラスの数を、注目点の入力画像信号の走査線に対する位置関係に応じて(例えば、予測生成がより困難なy2に対してより多くのクラス数を割当てる等)、削減するようにしたものである。
【0090】
このため、装置内のメモリ資産の記憶容量に応じてクラス数を設定できるので、メモリ資産の記憶容量が小さい場合にも的確な処理を行うことが可能となる。また、より少ないクラス数の下で効率的な処理を行う場合にも、この発明を適用することが有効となる。
【0091】
また、注目点と入力画像信号の走査線との位置関係の違い等に起因する(具体的にはy1とy2の間での)予測生成の困難さに応じて、各注目点に対して適切なクラス数が割り当てられる。このため、メモリ資産の記憶容量が限られている場合にも、きめ細かく、また効率的な画像情報変換処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態によってなされる画像情報変換処理における画素の配置の一例を示す略線図である。
【図2】この発明の一実施形態における画像情報変換処理系の構成の一例を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施形態における、ラインデータy1についての空間クラスタップ配置の一例を示す略線図である。
【図4】この発明の一実施形態における、ラインデータy2についての空間クラスタップ配置の一例を示す略線図である。
【図5】この発明の一実施形態における、動きクラスタップ配置の一例を示す略線図である。
【図6】この発明の一実施形態におけるクラス統合について説明するための略線図である。
【図7】この発明の一実施形態におけるクラス値変換テーブル生成処理系の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】クラス値変換テーブル生成処理系および予測係数算出処理系において使用される間引きフィルタによる処理について説明するための略線図である。
【図9】この発明の一実施形態における、予測係数算出処理系の構成の一例を示すブロック図である。
【図10】ライン倍速処理について説明するための略線図である。
【図11】この発明の他の実施形態における、空間クラスタップ配置の一例を示す略線図である。
【図12】この発明の他の実施形態におけるクラス統合について説明するための略線図である。
【図13】この発明の他の実施形態における画像情報変換処理系の構成の一例を示すブロック図である。
【図14】この発明の他の実施形態によってなされる画像情報変換処理における画素の配置の一例を示す略線図である。
【図15】この発明の一実施形態における、空間クラスタップ配置の一例を示すブロック図である。
【図16】この発明の一実施形態における、動きクラスタップ配置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
32、33・・・クラス値変換回路、41・・・係数メモリ、64・・・近接係数クラス統合、65・・・クラス値変換テーブル生成部、81、82・・・クラス値変換回路、18、19・・・クラス値変換回路
Claims (14)
- 入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換装置において、
上記入力画像信号に存在する走査線上の第1の注目点と、上記入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択手段と、
上記第1の画像データ選択手段によって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出した上記パターンに基づいて上記第1および第2の注目点がそれぞれ属する第1のクラス値を決定するクラス検出手段と、
上記第1および第2の注目点のそれぞれの上記第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換手段と、
上記入力画像信号から、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択手段と、
上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、上記第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、上記第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理手段と、
予め学習によって求められ、上記演算処理手段による演算処理に使用される、上記第1および第2の予測係数データが上記第2のクラス値毎に記憶される記憶手段とを有し、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第1の仮予測係数が学習によって求められ、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
上記クラス値変換テーブルは、上記第1のクラス値を上記第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報処理装置。 - 入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換装置において、
上記入力画像信号の走査線に存在する走査線上の第1の注目点と、上記入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択手段と、
上記第1の画像データ選択手段によって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出した上記パターンに基づいて上記第1および第2の注目点がそれぞれ属する空間クラスを示す空間クラス値を決定する空間クラス検出手段と、
上記入力画像信号から、上記入力画像信号内の複数のフレーム内において、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択手段と、
上記第2の画像データ選択手段によって選択される画像データから、フレーム間差分絶対値の総和を計算し、計算結果に基づいて動きを表す動きクラス値を決定する動きクラス検出手段と、
上記空間クラス値と上記動きクラス値とを合成して第1のクラス値を生成するクラス合成手段と、
上記第1および第2の注目点のそれぞれの上記第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換手段と、
上記入力画像信号から、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第3の画像データ選択手段と、
上記第3の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、上記第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、上記第3の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、上記第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理手段と、
予め学習によって求められ、上記演算処理手段による演算処理に使用される、上記第1および第2の予測係数データが上記第2のクラス値毎に記憶される記憶手段とを有し、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第3の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第1の仮予測係数が学習によって求められ、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第3の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
上記クラス値変換テーブルは、上記第1のクラス値を上記第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報処理装置。 - 請求項1または2において、
上記第1および第2のしきい値は、
上記記憶手段の記憶容量が小さくなるに従って大きくなるように設定されることを特徴とする画像情報変換装置。 - 請求項1または2において、
上記第1の仮予測係数に対する第1のしきい値は、上記第2の仮予測係数に対する第2のしきい値に比して大きくなるように設定されることを特徴とする画像情報変換装置。 - 請求項1または2において、
上記入力画像信号は、
走査線数が525本のインターレス画像信号であり、
出力画像信号は、
走査線数が525本のプログレッシブ画像信号であることを特徴とする画像情報変換装置。 - 請求項1または2において、
上記入力画像信号は、
走査線数が525本のインターレス画像信号であり、
出力画像信号は、
走査線数が1050本のプログレッシブ画像信号であることを特徴とする画像情報変換装置。 - 入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換方法において、
上記入力画像信号に存在する走査線上の第1の注目点と、上記入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択ステップと、
上記第1の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出した上記パターンに基づいて上記第1および第2の注目点がそれぞれ属する第1のクラス値を決定するクラス検出ステップと、
上記第1および第2の注目点のそれぞれの上記第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換ステップと、
上記入力画像信号から、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択ステップと、
予め学習によって求められ、上記演算処理ステップによる演算処理に使用される、上記第1および第2の予測係数データが上記第2のクラス値毎に記憶される記憶手段から上記第1および第2の予測係数データを出力するステップと、
上記第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、上記第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、上記第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、上記第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理ステップとを有し、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第1の仮予測係数が学習によって求められ、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第2の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
上記クラス値変換テーブルは、上記第1のクラス値を上記第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報変換方法。 - 入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにした画像情報変換方法において、
上記入力画像信号の走査線に存在する走査線上の第1の注目点と、上記入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択ステップと、 上記第1の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出した上記パターンに基づいて上記第1および第2の注目点がそれぞれ属する空間クラスを示す空間クラス値を決定する空間クラス検出ステップと、
上記入力画像信号から、上記入力画像信号内の複数のフレーム内において、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択ステップと、
上記第2の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、フレーム間差分絶対値の総和を計算し、計算結果に基づいて動きを表す動きクラス値を決定する動きクラス検出ステップと、
上記空間クラス値と上記動きクラス値とを合成して第1のクラス値を生成するクラス合成ステップと、
上記第1および第2の注目点のそれぞれの上記第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換ステップと、
上記入力画像信号から、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第3の画像データ選択ステップと、
予め学習によって求められ、上記演算処理ステップによる演算処理に使用される、上記第1および第2の予測係数データが上記第2のクラス値毎に記憶される記憶手段から上記第1および第2の予測係数データを出力するステップと、
上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、上記第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、上記第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理ステップとを有し、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第1の仮予測係数が学習によって求められ、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
上記クラス値変換テーブルは、上記第1のクラス値を上記第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とする画像情報処理装置。 - 請求項7または8において、
上記入力画像信号は、
走査線数が525本のインターレス画像信号であり、
出力画像信号は、
走査線数が525本のプログレッシブ画像信号であることを特徴とする画像情報変換方法。 - 請求項7または8において、
上記入力画像信号は、
走査線数が525本のインターレス画像信号であり、
出力画像信号は、
走査線数が1050本のプログレッシブ画像信号であることを特徴とする画像情報変換方法。 - 入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにしたテレビジョン受像機において、
上記入力画像信号に存在する走査線上の第1の注目点と、上記入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択手段と、
上記第1の画像データ選択手段によって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出した上記パターンに基づいて上記第1および第2の注目点がそれぞれ属する第1のクラス値を決定するクラス検出手段と、
上記第1および第2の注目点のそれぞれの上記第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換手段と、
上記入力画像信号から、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択手段と、
上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、上記第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、上記第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理手段と、
予め学習によって求められ、上記演算処理手段による演算処理に使用される、上記第1および第2の予測係数データが上記第2のクラス値毎に記憶される記憶手段とを有し、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第1の仮予測係数が学習によって求められ、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第2の画像データ選択手段によって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
上記クラス値変換テーブルは、上記第1のクラス値を上記第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とするテレビジョン受像機。 - 入力画像信号から走査線構造の異なる出力画像信号を形成するようにしたテレビジョン受像機において、
上記入力画像信号の走査線に存在する走査線上の第1の注目点と、上記入力画像信号に存在せず、生成される走査線上の第2の注目点とのそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を、入力画像信号から選択する第1の画像データ選択ステップと、 上記第1の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、レベル分布のパターンを検出し、検出した上記パターンに基づいて上記第1および第2の注目点がそれぞれ属する空間クラスを示す空間クラス値を決定する空間クラス検出ステップと、
上記入力画像信号から、上記入力画像信号内の複数のフレーム内において、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第2の画像データ選択ステップと、
上記第2の画像データ選択ステップによって選択される画像データから、フレーム間差分絶対値の総和を計算し、計算結果に基づいて動きを表す動きクラス値を決定する動きクラス検出ステップと、
上記空間クラス値と上記動きクラス値とを合成して第1のクラス値を生成するクラス合成ステップと、
上記第1および第2の注目点のそれぞれの上記第1のクラス値に対して、予め学習によって生成されているクラス値変換テーブルを参照してクラス値変換処理を施して、第2のクラス値を生成するクラス値変換ステップと、
上記入力画像信号から、上記第1および第2の注目点のそれぞれに時間的または空間的に近傍に位置する複数の画素を選択する第3の画像データ選択ステップと、
予め学習によって求められ、上記演算処理ステップによる演算処理に使用される、上記第1および第2の予測係数データが上記第2のクラス値毎に記憶される記憶手段から上記第1および第2の予測係数データを出力するステップと、
上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第1の予測係数データの線型一次結合によって、上記第1の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行うと共に、上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データ、および上記第2のクラス値に対応して指定される第2の予測係数データの線型一次結合によって、上記第2の注目点に画素を予測生成するための演算処理を行う演算処理ステップとを有し、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第1の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データおよび第1の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第1の仮予測係数が学習によって求められ、
上記出力画像信号と同一の解像度を有する画像信号中の、上記第2の注目点に対応する画素の真の画素値と、上記第3の画像データ選択ステップによって選択された画像データに対応する画像データと第2の仮予測係数の線型一次結合の計算値との差を最小とするように、上記第1のクラス値毎に上記第2の仮予測係数が学習によって求められ、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第1の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第1のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
相異なる上記第1のクラス値について求められた上記第2の仮予測係数の間の差分としての距離の和または平均値を計算し、上記距離の和または平均値が第2のしきい値以下となる複数の上記第1のクラス値を1つのクラスに統合して、上記第1のクラス値よりもクラス数の少ない上記第2のクラス値を生成し、
上記クラス値変換テーブルは、上記第1のクラス値を上記第2のクラス値に変換する変換規則を内容とすることを特徴とするテレビジョン受像機。 - 請求項11または12において、
上記入力画像信号は、
走査線数が525本のインターレス画像信号であり、
出力画像信号は、
走査線数が525本のプログレッシブ画像信号であることを特徴とするテレビジョン受像機。 - 請求項11または12において、
上記入力画像信号は、
走査線数が525本のインターレス画像信号であり、
出力画像信号は、
走査線数が1050本のプログレッシブ画像信号であることを特徴とするテレビジョン受像機。
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