JP4534422B2 - 半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像信号や音楽信号等の種々の情報信号を記録しておくための記録媒体として使用される半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、映像信号や音楽信号、あるいは、コンピュータプログラム等の種々の情報信号を記録しておく記録媒体が提案されている。このような記録媒体として、半導体装置(半導体記憶素子)として構成されているものがある。
【0003】
また、このような記録媒体に記録される情報信号としては、デジタルデータ及びアナログデータのいずれも用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のような半導体装置等の記録媒体においては、記録されている情報信号をそのままの形態で、すなわち、デジタルデータのままで、他の記録媒体に複写することは容易に行える。
【0005】
このようにして複写されたデジタルデータは、アナログデータを複製する場合と異なり、このデータから復調された映像や音声の質や、または、このデータに基づくコンピュータの動作において、複写元のデジタルデータを使用する場合に対する劣化がない。すなわち、複写されたデジタルデータは、複写元のデジタルデータと同一の価値、品質を有するデータであるといえる。
【0006】
このように、価値、品質の低下を生ずることなくデータの複写ができるとすると、複写元となるデジタルデータに係る著作権の保護が充分に図られない事態が招来される虞れがある。
【0007】
すなわち、正規にデジタルデータが記録されて正規に販売される記録媒体の価格には、記録されたデジタルデータの使用料としてのいわゆる著作権料が含まれている。この使用料がデジタルデータの著作権者に支払われることにより、著作権の保護が図られる。ところが、著作権者に無断で複写されたデジタルデータが複写元のデジタルデータと同一の価値、品質を有するならば、このデジタルデータを使用しようとする人は、あえて価格に使用料が含まれている正規の記録媒体を購入せずに、複写されたデジタルデータが記録されたより低価格な記録媒体を使用するようになってしまう。そうすると、このデジタルデータに係る著作権者には、このデジタルデータを実際に保有している人の人数や使用された回数に見合った著作権料が支払われなくなってしまう。
【0008】
近年、このようなデジタルデータの複写から著作権者を保護するため、データが容易に複写されないようにした記録媒体の提案が望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、上述の実情に鑑みて提案されるものであって、記録されたデータの複写が困難となされた記録媒体を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、本発明に係る半導体装置は、第1の映像信号にフィルタを作用させて生成した第2の映像信号が記録媒体に記録され、該記録媒体に記録された第2の映像信号が基本データとして入力される入力部と、上記基本データが記録される基本データ記録領域と、上記第1の映像信号と、上記フィルタを作用させて生成した第2の映像信号との間の学習により算出された空間クラス及び動きクラスの係数種データが記録される係数種データ記録領域と、上記第2の映像信号を上記第1の映像信号に変換する際に使用され、上記係数種データを用いて生成された推定式の付加データが記録される付加データ記録領域と、上記第2の映像信号より選択的に取り出された第1の映像信号の注目画素に対応するタップの画素データより空間クラス及び動きクラスを検出し、上記第1の映像信号の注目画素のクラスを示すクラスコードを得、上記係数種データ記録領域より読み出された係数種データを用いて、空間クラス及び動きクラスのクラス毎に、入力された画質指定値に対応した推定式の付加データを生成して上記付加データ記録領域に格納するとともに、上記注目画素に対応するタップの画素データと、上記付加データ記録領域よりクラスコードで読み出された付加データとから上記第1の映像信号の注目画素の画素データを演算するプロセッシング部と、上記プロセッシング部における演算処理によって得られた第1の映像信号の演算データを出力する出力部とを備え、上記出力部から出力される演算データは、上記基本データが記録された記録媒体と同容量の記録媒体に記録する際に該記録媒体を複数必要とするデータ量であることを特徴とするものである。
【0011】
この半導体装置においては、演算データは、基本情報に対して高品質な情報に対応するデータとなっているため、基本データよりも情報量が多く、このままの状態でディスク状記録媒体に記録しようとすると、大量の記録媒体が必要となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】
本発明に係る半導体装置は、記録媒体として使用できるものであって、基本データが記録される第1の記録領域と、第1の記録領域に記録される基本データに対する付加情報となる付加データが記録される第2の記録領域とを有して構成される。そして、この半導体装置においては、第1の記録領域から読出された基本データ及び第2の記録領域から読出された付加データに基づいて、所定の処理を行うことにより、再生情報を生成することができる。
【0016】
この再生情報は、第1の記録領域に記録された基本データのみから生成される基本情報に対して、より高品質な情報となっている。したがって、再生情報は、基本情報よりも情報量の多い情報となる。また、この再生情報は、この再生情報の生成のために使用された基本情報と付加情報とを合わせた情報量よりも多い情報量となる。そのため、図1及び図2に示すように、1つの半導体装置1を再生することにより再生情報を生成し(図2中のステップst101)、この生成された再生情報をデータとして記録する場合には、元の半導体装置のよりも大容量の半導体装置や多数のディスク状記録媒体等の記録媒体が必要となる(図2中のステップst102)。
【0017】
そして、この半導体装置においては、基本データと付加データとが、所定の関係となされて所定の記録方式によって記録されている場合にのみ、それぞれを「所定の処理」が可能な状態で読出すことができる。
【0018】
この半導体装置においては、基本データのみは、元の半導体装置と略々同一の記録容量の半導体装置3への複写が可能である。しかし、この基本データのみから再生される基本情報は、付加データをも用いて生成される再生情報に比較して品質の劣る情報である。また、この半導体装置において、付加データのみも、元の半導体装置と略々同一の記録容量の半導体装置4への複写が可能である。しかし、この付加データのみでは、意味のある情報を再生することができない。
【0019】
したがって、基本データ及び付加データに基づいて再生情報を生成するための「所定の処理」の内容を、非公開で、かつ、解析が困難であるものとしておけば、この半導体装置に記録されている情報について、完全な形で他の半導体装置へ複写することを極めて困難とすることができる。また、上述のように、半導体装置の再生によって得られた再生情報をデータとして記録することは、大容量の半導体装置や多数のディスク状記録媒体等の記録媒体2が必要となるので、煩雑、かつ、不便である。
【0020】
このように、記録している情報の他の半導体装置への複写を困難とすることにより、いわゆる「違法コピー」のなされない半導体装置を提供することができる(図2中のステップst103)。これが本発明の目的である。
【0021】
この半導体装置における基本情報としては、例えば、映像情報や、音声情報、コンピュータプログラム等とすることができる。そして、付加情報は、基本データに基づいて再生される映像情報、音声情報等の品質、すなわち、例えば画質又は音質等を向上させるための情報である。この付加情報は、後述する「クラス分類適応処理」により生成されて信号処理に用いる係数データや、あるいは、この係数データの生成に用いる係数種データとすることができる。この「クラス分類適応処理」は、後述するプロセッシング部のような回路によって行うことができる。この「クラス分類適応処理」においては、付加情報は、映像データ等である基本データに関する演算を行うための、予め設定された係数情報と考えることができる。
【0022】
また、再生情報と基本情報との差、つまり高品質の内容としては、基本情報が映像情報である場合において、空間的解像度が高いことや、種々の付加的情報が付加されていることなどとすることができる。
【0023】
なお、本発明における半導体装置は、図3及び図4に示すように、基本データ及び付加データは、いわゆるインターネットの如き公衆通信回線を利用した情報網5から取得(ダウンロード)されたものが記録されることとしてもよい(図4中のステップst104)。この場合においても、半導体装置1には、基本データと付加データとは、その後「所定の処理」が可能な状態で読出すことができる(図4中のステップst105)ように、所定の関係となされて所定の記録方式によって記録される。本発明に係る半導体装置は、このように、いわゆる「違法コピー」がなされないことにより、正規に販売される記録媒体に対するユーザの購買意欲の増進を図ることができる(図2中のステップst106)。
【0024】
これら本発明における半導体装置の特徴は、以下に述べる本発明の各実施の形態において共通する特徴である。
【0025】
〔半導体装置の第1の実施の形態〕
本発明に係る半導体装置は、図5に示すように、データ記録領域8とプロセッシング部9とを有して構成されている。データ記録領域8は、複数のデータ記録領域からなる。すなわち、データ記録領域8は、入力部から入力された基本情報を記録する基本データ記録領域10と、基本情報に対する付加情報となる付加データが記録された付加データ記録領域11と、プロセッシング部9により符号化された演算データを記録する演算データ記録領域12とを有する。
【0026】
この半導体装置においては、入力部13から基本情報が入力され、基本データとして基本データ記録領域10に記録される。プロセッシング部9は、基本データと、付加データ記録領域11に記録された付加データとに基づいて、所定の信号処理を行う。プロセッシング部9における付加データの選択及び信号処理の選択は、外部選択入力部14から入力される外部選択信号に応じて、付加情報選択手段15及び信号処理選択手段16を介して制御される。
【0027】
プロセッシング部9は、後述する「クラス分類適応処理」を行う回路であり、図6に示すように、基本データが入力されてブロック化するブロック化回路18を有する。このブロック化回路18から出力されるブロック化された基本データは、クラス分類回路19に送られるとともに、第1、第2乃至第nの演算回路20a,20b,・・・20nに送られる。クラス分類回路19は、ブロック化されて送られた基本データをクラス分類して、その結果によってデータ記録領域8の付加データ記録領域11を制御する。この付加データ記録領域11からは、クラス分類回路19による制御及び外部選択信号に応じた付加情報選択手段15の制御に従って、所定の付加データを各演算回路20a,20b,・・・20nに送る。各演算回路20a,20b,・・・20nのうちの外部選択信号に応じて信号処理選択手段16が選択した演算回路は、送られているブロック化された基本データについて、送られた付加データを係数として演算を行い、演算データとしてデータ記録領域8の演算データ記録領域12に送る。
【0028】
この演算データ記録領域12に蓄積された演算データは、この演算データ記録領域12に接続された出力部17aを介して、適宜外部に出力される。
【0029】
すなわち、「クラス分類適応処理」は、ブロック化した基本データをクラス分類し、この分類されたクラスに応じた付加データを係数として用いて処理するものであるが、この内容についてはさらに後述する。このようにしてプロセッシング部9より出力された演算データは、基本情報に対して、より高品質な情報に対応したデータとなっている。
【0030】
この半導体装置において、基本情報は、映像情報とすることができる。そして、この場合において、演算データは、基本情報よりも高解像度を有し、または、階調特性が向上された映像情報に対応したデータとすることができる。また、演算データは、基本情報よりもノイズが除去された映像情報に対応したデータとすることができる。さらに、演算データは、基本情報よりも時間的解像度が向上された映像情報に対応したデータとすることができる。例えば、映像信号を高解像度化する場合には、外部選択入力部14に対する入力情報に応じて、解像度が選択される。付加データは、これらの機能に対応したものが用いられる。
【0031】
また、プロセッシング部9は、基本データの所定の特徴を検出して付加データを選択する回路とすることができる。この場合に、プロセッシング部9が検出する基本データの特徴としては、例えば、画像の動き量がある。そして、プロセッシング部は、画像の動き量対応する係数を読み出すことができる。
【0032】
そして、演算データは、外部の加振器によって生じさせる振動に関する情報に対応したデータとすることができる。また、演算データは、外部の音響再生装置によって再生する音響の音量に関する情報に対応したデータとすることができる。さらに、演算データは、外部の送風機によって行う送風に関する情報に対応したデータとすることができる。すなわち、プロセッシング部9における信号処理は、様々なアプリケーションに応じて、異なる形態とすることができる。
【0033】
〔半導体装置の第2の実施の形態〕
また、この半導体装置は、図7に示すように、上述の半導体装置と同様に、データ記録領域8、プロセッシング部9及び基本データが入力される入力部13を有し、プロセッシング部9における演算処理によって得られた演算データを直接外部に出力する出力部17bを有するものとして構成してもよい。また、入力部13には、既に符号化された基本データが外部から入力されることとしてもよいし、この入力部13の前段に基本情報を符号化して基本データとする符号化手段を有していてもよい。
【0034】
この場合には、プロセッシング部9における演算処理によって得られた演算データは、演算データ記録領域12に蓄積されることなく、出力部17bを介して、外部に出力される。すなわち、この半導体装置においては、プロセッシング部9における演算処理は、演算データが必要なときに、この演算データを出力する直前に行われることになる。その他の動作、内容は、上述した半導体装置の第1の実施の形態と同様である。
【0035】
〔クラス分類適応処理について〕
上述の再生装置や半導体装置において行われる「クラス分類適応処理」の内容について、以下に説明する。以下の説明では、「クラス分類適応処理」の内容を明かにするため、この「クラス分類適応処理」を映像信号について行う例について説明する。以下の説明においては、SD(Standard Definition)信号が本発明における基本データに対応し、このSD信号を付加データを用いてSD信号よりも高品質なHD(High Definition)信号とする処理を「クラス分類適応処理」で行っているものである。
【0036】
基本データは、半導体装置に記録されこの半導体装置から読出したデータを用いる。以下の説明では、係数データは係数生成回路により生成しているが、本発明においては、係数データは、予め係数生成回路により生成され半導体装置に付加データとして記録しておいたものを読出して用いる。
【0037】
なお、本発明においても、基本データを半導体装置に記録しておくとともに、後述する「係数種データ」を付加データとして半導体装置に記録しておき、係数データは再生操作のときにこの「係数種データ」(付加データ)から生成することとしてもよい。
【0038】
この「クラス分類適応処理」について、SD信号のHD信号への変換を例に説明する。この「クラス分類適応処理」は、図8に示すように、SD信号より選択的に取り出されたHD信号の注目画素に対応するタップの画素データより空間クラスや動きクラスを検出し、当該HD信号の注目画素のクラスを示すクラスコードCLを得て、各クラスの付加データを生成し、データ記録領域8に含まれる係数メモリ11に格納するものである。この係数メモリ11は、付加データ記録領域11に相当するものである。
【0039】
そして、演算回路127で、タップ選択回路121でSD信号より選択的に取り出された、HD信号の注目画素に対応するタップのデータxiと、係数メモリ11よりクラスコードCLで読み出された付加データWiとから、推定式を使用して、HD信号の注目画素の画素データを演算するものである。なお、メモリバンク135には、各クラスの係数種データが格納されている。
【0040】
以下、図面を参照しながら、この「クラス分類適応処理」について説明する。図8に示すように、この「クラス分類適応処理」を行う再生装置100は、半導体装置から読取られた基本データとなるSD(Standard Definition)信号としての525i信号を得、この525i信号をHD(High Definition)信号としての525p信号または1050i信号に変換し、その525p信号または1050i信号による画像を表示するものである。
【0041】
ここで、525i信号は、ライン数が525本でインタレース方式の映像信号を意味し、525p信号は、ライン数が525本でプログレッシブ方式(ノンインタレース方式)の映像信号を意味し、さらに1050i信号はライン数が1050本でインタレース方式の映像信号を意味している。
【0042】
再生装置100は、マイクロコンピュータを備え、システム全体の動作を制御するためのシステムコントローラ101を有している。
【0043】
また、再生装置100は、SD信号Va(525i信号)が入力される入力部107と、このSD信号Vaが入力部13を介して入力され、このSD信号Vaを一時的に保存するための基本データ記録領域10に相当するバッファメモリ10とを有している。また、再生装置100は、バッファメモリ10に一時的に保存されるSD信号(525i信号)を、HD信号(525p信号または1050i信号)に変換するプロセッシング部9を有し、このプロセッシング部9より出力部17bを介して出力されるHD信号による画像をディスプレイ部111に表示する。このディスプレイ部111としては、例えばCRT(cathode−ray tube)ディスプレイ、あるいはLCD(liquid crystal display)等のフラットパネルディスプレイで構成されているものを用いる。
【0044】
入力部107より入力されたSD信号(525i信号)は、バッファメモリ10に記憶されて一時的に保存される。そして、このバッファメモリ10に一時的に保存されたSD信号は、プロセッシング部9に供給され、HD信号(525p信号または1050i信号)に変換される。すなわち、プロセッシング部9では、SD信号を構成する画素データ(以下、「SD画素データ」という)から、HD信号を構成する画素データ(以下、「HD画素データ」という)が得られる。このプロセッシング部9より出力されるHD信号がディスプレイ部111に供給され、ディスプレイ部111の画面上にはそのHD信号による画像が表示される。
【0045】
次に、図8において、プロセッシング部9の詳細を説明する。このプロセッシング部9は、バッファメモリ10に記憶されているSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号または525p信号)に係る注目画素の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路121〜123を有している。
【0046】
第1のタップ選択回路121は、予測に使用するSD画素(「予測タップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第2のタップ選択回路122は、SD画素データのレベル分布パターンに対応するクラス分類に使用するSD画素(「空間クラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第3のタップ選択回路123は、動きに対応するクラス分類に使用するSD画素(「動きクラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出するものである。
【0047】
なお、空間クラスを複数フィールドに属するSD画素データを使用して決定する場合には、この空間クラスにも動き情報が含まれることになる。
【0048】
図9は、525i信号および525p信号の、あるフレーム(F)の奇数(o)フィールドの画素位置関係を示している。大きなドットが525i信号の画素であり、小さいドットが出力される525p信号の画素である。偶数(e)フィールドでは、525i信号のラインが空間的に0.5ラインずれたものとなる。図9から分かるように、525p信号の画素データとしては、525i信号のラインと同一位置のラインデータL1と、525i信号の上下のラインの中間位置のラインデータL2とが存在する。また、525p信号の各ラインの画素数は、525i信号の各ラインの画素数の2倍である。
【0049】
図10は、525i信号および1050i信号のあるフレーム(F)の画素位置関係を示すものであり、奇数(o)フィールドの画素位置を実線で示し、偶数(e)フィールドの画素位置を破線で示している。大きなドットが525i信号の画素であり、小さいドットが出力される1050i信号の画素である。図10から分かるように、1050i信号の画素データとしては、525i信号のラインに近い位置のラインデータL1,L1′と、525i信号のラインから遠い位置のラインデータL2,L2′とが存在する。ここで、L1,L2は奇数フィールドのラインデータ、L1′,L2′は偶数フィールドのラインデータである。また、1050i信号の各ラインの画素数は、525i信号の各ラインの画素数の2倍である。
【0050】
図11及び図12は、525i信号から525p信号に変換する場合に、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップ(SD画素)の具体例を示している。図11及び図12は、時間的に連続するフレームF−1,F,F+1の奇数(o)、偶数(e)のフィールドの垂直方向の画素位置関係を示している。
【0051】
図11に示すように、フィールドF/oのラインデータL1,L2を予測するときの予測タップは、次のフィールドF/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素(注目画素)に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2,T3と、フィールドF/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T4,T5,T6と、前のフィールドF−1/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T7,T8,T9と、さらに前のフィールドF−1/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T10である。
【0052】
図12に示すように、フィールドF/eのラインデータL1,L2を予測するときの予測タップは、次のフィールドF+1/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2,T3と、フィールドF/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T4,T5,T6と、前のフィールドF/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T7,T8,T9と、さらに前のF−1/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T10である。
【0053】
なお、ラインデータL1を予測する際には、SD画素T9を予測タップとして選択しないようにし、一方、ラインデータL2を予測する際には、SD画素T4を予測タップとして選択しないようにしてもよい。
【0054】
図13及び図14は、525i信号から1050i信号に変換する場合に、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップ(SD画素)の具体例を示している。図13及び図14は、時間的に連続するフレームF−1,F,F+1の奇数(o)、偶数(e)のフィールドの垂直方向の画素位置関係を示している。
【0055】
図13に示すように、フィールドF/oのラインデータL1,L2を予測するときの予測タップは、次のフィールドF/eに含まれ、作成すべき1050i信号の画素(注目画素)に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2と、フィールドF/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T3,T4,T5,T6と、前のフィールドF−1/eに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T7,T8である。
【0056】
図14に示すように、フィールドF/eのラインデータL1′,L2′を予測するときの予測タップは、次のフィールドF+1/oに含まれ、作成すべき1050ip信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2と、フィールドF/eに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T3,T4,T5,T6と、前のフィールドF/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T7,T8である。
【0057】
なお、ラインデータL1,L1′を予測する際には、SD画素T6を予測タップとして選択しないようにし、一方、ラインデータL2,L2′を予測する際には、SD画素T3を予測タップとして選択しないようにしてもよい。
【0058】
さらに、図11乃至図14に示すように、複数フィールドの同一位置にあるSD画素に加えて、水平方向の一または複数のSD画素を、予測タップとして選択するようにしてもよい。
【0059】
図15および図16は、525i信号から525p信号に変換する場合に、第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップ(SD画素)の具体例を示している。図15および図16は、時間的に連続するフレームF−1,F,F+1の奇数(o)、偶数(e)のフィールドの垂直方向の画素位置関係を示している。
【0060】
図15に示すように、フィールドF/oのラインデータL1,L2を予測するときの空間クラスタップは、次のフィールドF/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素(注目画素)に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2と、フィールドF/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T3,T4,T5と、前のフィールドF−1/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T6,T7である。
【0061】
図16に示すように、フィールドF/eのラインデータL1,L2を予測するときの空間クラスタップは、次のフィールドF+1/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2と、フィールドF/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T3,T4,T5,T6と、前のフィールドF/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T6,T7である。
【0062】
なお、ラインデータL1を予測する際には、SD画素T7を空間クラスタップとして選択しないようにし、一方、ラインデータL2を予測する際には、SD画素T6を空間クラスタップとして選択しないようにしてもよい。
【0063】
図17及び図18は、525i信号から1050i信号に変換する場合に、第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップ(SD画素)の具体例を示している。図17及び図18は、時間的に連続するフレームF−1,F,F+1の奇数(o)、偶数(e)のフィールドの垂直方向の画素位置関係を示している。
【0064】
図17に示すように、フィールドF/oのラインデータL1,L2を予測するときの空間クラスタップは、フィールドF/oに含まれ、作成すべき1050i信号の画素(注目画素)に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2,T3と、前のフィールドF−1/eに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T4,T5,T6,T7である。
【0065】
図18に示すように、フィールドF/eのラインデータL1′,L2′を予測するときの空間クラスタップは、フィールドF/eに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T1,T2,T3と、前のフィールドF/oに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素T4,T5,T6,T7である。
【0066】
なお、ラインデータL1,L1′を予測する際には、SD画素T7を空間クラスタップとして選択しないようにし、一方、ラインデータL2,L2′を予測する際には、SD画素T4を空間クラスタップとして選択しないようにしてもよい。
【0067】
さらに、図15乃至図18に示すように、複数フィールドの同一位置にあるSD画素に加えて、水平方向の一または複数のSD画素を、空間クラスタップとして選択するようにしてもよい。
【0068】
図19は、525i信号から525p信号に変換する場合に、第3のタップ選択回路123で選択される動きクラスタップ(SD画素)の具体例を示している。図19は、時間的に連続するフレームF−1,Fの奇数(o)、偶数(e)のフィールドの垂直方向の画素位置関係を示している。図19に示すように、フィールドF/oのラインデータL1,L2を予測するときの動きクラスタップは、次のフィールドF/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素(注目画素)に対して空間的に近傍位置のSD画素n2,n4,n6と、フィールドF/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素n1,n3,n5と、前のフィールドF−1/eに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素m2,m4,m6と、さらに前のフィールドF−1/oに含まれ、作成すべき525p信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素m1,m3,m5である。SD画素n1〜n6のそれぞれの垂直方向の位置は、SD画素m1〜m6のそれぞれの垂直方向の位置は一致する。
【0069】
図20は、525i信号から1050i信号に変換する場合に、第3のタップ選択回路123で選択される動きクラスタップ(SD画素)の具体例を示している。図20は、時間的に連続するフレームF−1,Fの奇数(o)、偶数(e)のフィールドの垂直方向の画素位置関係を示している。図20に示すように、フィールドF/oのラインデータL1,L2を予測するときの動きクラスタップは、次のフィールドF/eに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素n2,n4,n6と、フィールドF/oに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素n1,n3,n5と、前のフィールドF−1/eに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素m2,m4,m6と、さらに前のフィールドF−1/oに含まれ、作成すべき1050i信号の画素に対して空間的に近傍位置のSD画素m1,m3,m5である。SD画素n1〜n6のそれぞれの垂直方向の位置は、SD画素m1〜m6のそれぞれの垂直方向の位置は一致する。
【0070】
図8に戻って、また、プロセッシング部9は、第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路124を有している。
【0071】
空間クラス検出回路124では、例えば、各SD画素データを、8ビットデータから2ビットデータに圧縮するような演算が行われる。そして、空間クラス検出回路124からは、各SD画素データに対応した圧縮データが空間クラスのクラス情報として出力される。本実施の形態においては、「ADRC」(Adaptive Dynamic Range Coding)によって、データ圧縮が行われる。なお、情報圧縮手段としては、「ADRC」以外に「DPCM」(予測符号化)、「VQ」(ベクトル量子化)等を用いてもよい。
【0072】
本来、「ADRC」は、VTR(Video Tape Recorder)向け高性能符号化用に開発された適応再量子化法であるが、信号レベルの局所的なパターンを短い語長で効率的に表現できるので、上述したデータ圧縮に使用して好適なものである。「ADRC」を使用する場合、空間クラスタップのデータ(SD画素データ)の最大値をMAX、その最小値をMIN、空間クラスタップのデータのダイナミックレンジをDR(=MAX−MIN+1)、再量子化ビット数をPとすると、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データkiに対して、(1)式の演算により、圧縮データとしての再量子化コードQiが得られる。ただし、(1)式において、〔 〕は切り捨て処理を意味している。空間クラスタップのデータとして、Na個のSD画素データがあるとき、i=1〜Naである。
【0073】
Qi=〔(ki−MIN+0.5).2P/DR〕 ・・・(1)
また、プロセッシング部9は、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報を出力する動きクラス検出回路125を有している。
【0074】
この動きクラス検出回路125では、第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)mi,niからフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対して閾値処理が行われて、動きの指標である動きクラスが検出される。すなわち、動きクラス検出回路125では、(2)式によって、差分の絶対値の平均値AVが算出される。第3のタップ選択回路123で、例えば上述したように12個のSD画素データm1〜m6,n1〜n6が取り出されるとき、(2)式におけるNbは6である。
【0075】
【数1】
【0076】
そして、動きクラス検出回路125では、上述したように算出された平均値AVが1個または複数個の閾値と比較されて、動きクラスのクラス情報MVが得られる。例えば、3個の閾値th1,th2,th3(th1<th2<th3)が用意され、4つの動きクラスを検出する場合、AV≦th1のときは、MV=0、th1<AV≦th2のときは、MV=1、th2<AV≦th3のときは、MV=2、th3<AVのときは、MV=3とされる。
【0077】
また、プロセッシング部9は、空間クラス検出回路124より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードQiと、動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、作成すべきHD信号(525p信号または1050i信号)の画素(注目画素)が属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路126を有している。
【0078】
このクラス合成回路126では、(3)式によって、クラスコードCLの演算が行われる。なお、(3)式において、Naは空間クラスタップのデータ(SD画素データ)の個数、Pは「ADRC」における再量子化ビット数を示している。
【0079】
【数2】
【0080】
また、プロセッシング部9は、レジスタ130〜133と、係数メモリ11とを有している。後述する線順次変換回路129は、525p信号を出力する場合と、1050i信号を出力する場合とで、その動作を切り換える必要がある。レジスタ130は、線順次変換回路129の動作を指定する動作指定情報を格納するものである。線順次変換回路129は、レジスタ130より供給される動作指定情報に従った動作をする。
【0081】
レジスタ131は、第1のタップ選択回路121で選択される予測タップのタップ位置情報を格納するものである。第1のタップ選択回路121は、レジスタ131より供給されるタップ位置情報に従って予測タップを選択する。タップ位置情報は、例えば選択される可能性のある複数のSD画素に対して番号付けを行い、選択するSD画素の番号を指定するものである。以下のタップ位置情報においても同様である。
【0082】
レジスタ132は、第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップのタップ位置情報を格納するものである。第2のタップ選択回路122は、レジスタ132より供給されるタップ位置情報に従って空間クラスタップを選択する。
【0083】
ここで、レジスタ132には、動きが比較的小さい場合のタップ位置情報Aと、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報Bとが格納される。これらタップ位置情報A,Bのいずれを第2のタップ選択回路122に供給するかは、動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVによって選択される。
【0084】
すなわち、動きがないか、あるいは動きが小さいためにMV=0またはMV=1であるときは、タップ位置情報Aが第2のタップ選択回路122に供給され、この第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップは、図15乃至図18に示すように、複数フィールドに跨るものとされる。また、動きが比較的大きいためにMV=2またはMV=3であるときは、タップ位置情報Bが第2のタップ選択回路122に供給され、この第2のタップ選択回路122で選択される空間クラスタップは、図示せずも、作成すべき画素と同一フィールド内のSD画素のみとされる。
【0085】
なお、上述したレジスタ131にも動きが比較的小さい場合のタップ位置情報と、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報が格納されるようにし、第1のタップ選択回路121に供給されるタップ位置情報が動きクラス検出回路125より出力される動きクラスのクラス情報MVによって選択されるようにしてもよい。
【0086】
レジスタ133は、第3のタップ選択回路123で選択される動きクラスタップのタップ位置情報を格納するものである。第3のタップ選択回路123は、レジスタ133より供給されるタップ位置情報に従って動きクラスタップを選択する。
【0087】
さらに、係数メモリ11は、後述する推定予測演算回路127で使用される推定式の付加データを、クラス毎に、格納するものである。この付加データは、SD信号としての525i信号を、HD信号としての525p信号または1050i信号に変換するための情報である。
【0088】
係数メモリ11には、上述したクラス合成回路126より出力されるクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給され、この係数メモリ11からはクラスコードCLに対応した付加データが読み出され、推定予測演算回路127に供給されることとなる。
【0089】
また、プロセッシング部9は、情報メモリバンク135を有している。この情報メモリバンク135には、レジスタ130に格納するための動作指定情報と、レジスタ131〜133に格納するためのタップ位置情報が予め蓄えられている。
【0090】
ここで、レジスタ130に格納するための動作指定情報として、情報メモリバンク135には、線順次変換回路129を525p信号を出力するように動作させるための第1の動作指定情報と、線順次変換回路129を1050i信号を出力するように動作させるための第2の動作指定情報とが予め蓄えられている。
【0091】
また、情報メモリバンク135には、レジスタ131に格納するための予測タップのタップ位置情報として、第1の変換方法(525p)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(1050i)に対応する第2のタップ位置情報とが予め蓄えられている。この情報メモリバンク135よりレジスタ131には、上述した変換方法の選択情報に従って第1のタップ位置情報または第2のタップ位置情報がロードされる。
【0092】
また、情報メモリバンク135には、レジスタ132に格納するための空間クラスタップのタップ位置情報として、第1の変換方法(525p)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(1050i)に対応する第2のタップ位置情報とが予め蓄えられている。なお、第1および第2のタップ位置情報は、それぞれ動きが比較的小さい場合のタップ位置情報と、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報とからなっている。この情報メモリバンク135よりレジスタ132には、上述した変換方法の選択情報に従って第1のタップ位置情報または第2のタップ位置情報がロードされる。
【0093】
また、情報メモリバンク135には、レジスタ133に格納するための動きクラスタップのタップ位置情報として、第1の変換方法(525p)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(1050i)に対応する第2のタップ位置情報とが予め蓄えられている。この情報メモリバンク135よりレジスタ133には、上述した変換方法の選択情報に従って第1のタップ位置情報または第2のタップ位置情報がロードされる。
【0094】
また、情報メモリバンク135には、第1および第2の変換方法のそれぞれに対応した各クラスの係数種データが予め蓄えられている。この係数種データは、上述した係数メモリ11に格納するための付加データを生成するための生成式の付加データである。
【0095】
後述する推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ11より読み出される付加データWiとから、(4)式の推定式によって、作成すべきHD画素データyが演算される。第1のタップ選択回路121で選択される予測タップが、図9および図12に示すように10個であるとき、(4)式におけるnは10となる。
【0096】
【数3】
【0097】
そして、この推定式の付加データWi(i=1〜n)は、(5)式に示すように、外部から入力され、あるいは、予め設定されたパラメータh,vを含む生成式によって生成される。情報メモリバンク135には、この生成式の付加データである係数種データw10〜wn9が、変換方法毎かつクラス毎に、記憶されている。この係数種データの生成方法については後述する。
【0098】
【数4】
【0099】
また、プロセッシング部9は、各クラスの係数種データおよびパラメータh,vの値とを用い、(5)式によって、クラス毎に、パラメータh,vの値に対応した推定式の付加データWi(i=1〜n)を生成する係数生成回路136を有している。この係数生成回路136には、情報メモリバンク135より、上述した変換方法の選択情報に従って第1の変換方法または第2の変換方法に対応した各クラスの係数種データがロードされる。また、この係数生成回路136には、システムコントローラ101より、パラメータh,vの値が供給される。
【0100】
この係数生成回路136で生成される各クラスの付加データWi(i=1〜n)は、上述した係数メモリ11に格納される。この係数生成回路136における各クラスの付加データWiの生成は、例えば各垂直ブランキング期間で行われる。これにより、パラメータh,vの値が変更されても、係数メモリ11に格納される各クラスの付加データWiを、そのパラメータh,vの値に対応したものに即座に変更でき、解像度の調整がスムーズに行われる。
【0101】
また、プロセッシング部9は、係数生成回路136で生成される各クラスの付加データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sを、(6)式によって、演算する正規化係数生成回路137と、ここで生成された正規化係数Sを、クラス毎に格納する正規化係数メモリ138を有している。正規化係数メモリ138には上述したクラス合成回路126より出力されるクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給され、この正規化係数メモリ138からはクラスコードCLに対応した正規化係数Sが読み出され、後述する正規化演算回路128に供給されることとなる。
【0102】
【数5】
【0103】
また、プロセッシング部9は、第1のタップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ11より読み出される付加データWiとから、作成すべきHD信号の画素(注目画素)のデータを演算する推定予測演算回路127を有している。
【0104】
この推定予測演算回路127では、525p信号を出力する場合、上述した図9に示すように、奇数(o)フィールドおよび偶数(e)フィールドで、525i信号のラインと同一位置のラインデータL1と、525i信号の上下のラインの中間位置のラインデータL2とを生成し、また各ラインの画素数を2倍とする必要がある。また、この推定予測演算回路127では、1050i信号を出力する場合、上述した図10に示すように、奇数(o)フィールドおよび偶数(e)フィールドで、525i信号のラインに近い位置のラインデータL1,L1′と、525i信号のラインから遠い位置のラインデータL2,L2′とを生成し、また各ラインの画素数を2倍とする必要がある。
【0105】
従って、推定予測演算回路127では、HD信号を構成する4画素のデータが同時的に生成される。例えば、4画素のデータはそれぞれ付加データを異にする推定式を使用して同時的に生成されるものであり、係数メモリ11からはそれぞれの推定式の付加データが供給される。ここで、推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ11より読み出される付加データWiとから、上述の(4)式の推定式によって、作成すべきHD画素データyが演算される。
【0106】
また、プロセッシング部9は、推定予測演算回路127より出力されるラインデータL1,L2(L1′,L2′)を構成する各HD画素データyを、正規化係数メモリ138より読み出され、それぞれの生成に使用された付加データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sで除算して正規化する正規化演算回路128を有している。上述せずも、係数生成回路136で係数種データより生成式で推定式の付加データを求めるものであるが、生成される付加データは丸め誤差を含み、付加データWi(i=1〜n)の総和が1.0になることは保証されない。そのため、推定予測演算回路127で演算されるHD画素データyは、丸め誤差によってレベル変動したものとなる。上述したように、正規化演算回路128で正規化することで、その変動を除去できる。
【0107】
また、プロセッシング部9は、水平周期を1/2倍とするライン倍速処理を行って、推定予測演算回路127より正規化演算回路128を介して供給されるラインデータL1,L2(L1′,L2′)を線順次化する線順次変換回路129を有している。
【0108】
図21は、525p信号を出力する場合のライン倍速処理をアナログ波形を用いて示すものである。上述したように、推定予測演算回路127によってラインデータL1,L2が生成される。ラインデータL1には順にa1,a2,a3,・・・のラインが含まれ、ラインデータL2には順にb1,b2,b3,・・・のラインが含まれる。線順次変換回路129は、各ラインのデータを時間軸方向に1/2に圧縮し、圧縮されたデータを交互に選択することによって、線順次出力a0,b0,a1,b1,・・・を形成する。
【0109】
なお、1050i信号を出力する場合には、奇数フィールドおよび偶数フィールドでインタレース関係を満たすように、線順次変換回路129が線順次出力を発生する。したがって、線順次変換回路129は、525p信号を出力する場合と、1050i信号を出力する場合とで、その動作を切り換える必要がある。その動作指定情報は、上述したようにレジスタ130より供給される。
【0110】
次に、図8によりプロセッシング部9の動作を説明する。
【0111】
バッファメモリ10に記憶されているSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路122で、空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第2のタップ選択回路122では、レジスタ132より供給される、予め選択された変換方法、および動きクラス検出回路125で検出される動きクラスに対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0112】
この第2のタップ選択回路122で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路124に供給される。この空間クラス検出回路124では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードQiが得られる((1)式参照)。
【0113】
また、バッファメモリ10に記憶されているSD信号(525i信号)より、第3のタップ選択回路123で、動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第3のタップ選択回路123では、レジスタ133より供給される、予め選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0114】
この第3のタップ選択回路123で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路125に供給される。この動きクラス検出回路125では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0115】
この動き情報MVと上述した再量子化コードQiはクラス合成回路126に供給される。このクラス合成回路126では、これら動き情報MVと再量子化コードQiとから、作成すべきHD信号(525p信号または1050i信号)の画素(注目画素)が属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。そして、このクラスコードCLは、係数メモリ11および正規化係数メモリ138に読み出しアドレス情報として供給される。
【0116】
係数メモリ11には、例えば各垂直ブランキング期間に、予め設定されたパラメータh,vの値および変換方法に対応した各クラスの推定式の付加データWi(i=1〜n)が係数生成回路136で生成されて格納される。また、正規化係数メモリ138には、上述したように係数生成回路136で生成された各クラスの付加データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sが正規化係数生成回路137で生成されて格納される。
【0117】
係数メモリ11に上述したようにクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給されることで、この係数メモリ11からクラスコードCLに対応した付加データWiが読み出されて推定予測演算回路127に供給される。また、バッファメモリ10に記憶されているSD信号(525i信号)より、第1のタップ選択回路121で、予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第1のタップ選択回路121では、レジスタ131より供給される、予め選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。この第1のタップ選択回路121で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiは推定予測演算回路127に供給される。
【0118】
推定予測演算回路127では、予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ11より読み出される付加データWiとから、作成すべきHD信号の画素(注目画素)のデータ(HD画素データ)yが演算される((4)式参照)。この場合、HD信号を構成する4画素のデータが同時的に生成される。
【0119】
これにより、525p信号を出力する第1の変換方法が選択されているときは、奇数(o)フィールドおよび偶数(e)フィールドで、525i信号のラインと同一位置のラインデータL1と、525i信号の上下のラインの中間位置のラインデータL2とが生成される(図9参照)。また、1050i信号を出力する第2の変換方法が選択されているときは、奇数(o)フィールドおよび偶数(e)フィールドで、525i信号のラインに近い位置のラインデータL1,L1′と、525i信号のラインから遠い位置のラインデータL2,L2′とが生成される(図10参照)。
【0120】
このように、推定予測演算回路127で生成されたラインデータL1,L2(L1′,L2′)は、正規化演算回路128に供給される。正規化係数メモリ138に上述したようにクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給されることで、この正規化係数メモリ138からクラスコードCLに対応した正規化係数S、つまり推定予測演算回路127より出力されるラインデータL1,L2(L1′,L2′)を構成する各HD画素データyの生成に使用された付加データWi(i=1〜n)に対応した正規化係数Sが読み出されて推定予測演算回路127に供給される。正規化演算回路128では、推定予測演算回路127より出力されるラインデータL1,L2(L1′,L2′)を構成する各HD画素データyがそれぞれ対応する正規化係数Sで除算されて正規化される。これにより、係数種データを用いて生成式((5)式参照)で推定式((4)式参照)の付加データを求める際の丸め誤差による注目点の情報データのレベル変動が除去される。
【0121】
このように正規化演算回路128で正規化されたラインデータL1,L2(L1′,L2′)は、線順次変換回路129に供給される。そして、この線順次変換回路129では、ラインデータL1,L2(L1′,L2′)が線順次化されてHD信号が生成される。この場合、線順次変換回路129は、レジスタ130より供給される、予め選択された変換方法に対応した動作指示情報に従った動作をする。そのため、第1の変換方法(525p)が選択されているときは、線順次変換回路129より525p信号が出力される。一方、第2の変換方法(1050i)が選択されているときは、線順次変換回路129より1050i信号が出力される。
【0122】
上述したように、係数生成回路136で、情報メモリバンク135よりロードされる係数種データを用いて、クラス毎に、パラメータh,vの値に対応した推定式の付加データWi(i=1〜n)が生成され、これが係数メモリ11に格納される。そして、この係数メモリ11より、クラスコードCLに対応して読み出される付加データWi(i=1〜n)を用いて推定予測演算回路127でHD画素データyが演算される。したがって、パラメータh,vの値を調整することで、HD信号によって得られる画像の水平および垂直の画質を調整することができる。なお、この場合、調整されたパラメータh,vの値に対応した各クラスの付加データをその都度係数生成回路136で生成して使用するものであり、大量の付加データを格納しておくメモリを必要としない。
【0123】
上述したように、情報メモリバンク135には、係数種データが、変換方法毎かつクラス毎に、記憶されている。この係数種データは、予め学習によって生成されたものである。
【0124】
まず、この生成方法の一例について説明する。(5)式の生成式における付加データである係数種データw10〜wn9を求める例を示すものとする。
【0125】
ここで、以下の説明のため、(7)式のように、ti(i=0〜9)を定義する。
【0126】
t0=1,t1=v,t2=h,t3=v2,t4=vh,t5=h2,
t6=v3,t7=v2h,t8=vh2,t9=h3
・・・(7)
この(7)式を用いると、(5)式は、(8)式のように書き換えられる。
【0127】
【数6】
【0128】
最終的に、学習によって未定係数wxyを求める。すなわち、変換方法毎かつクラス毎に、複数のSD画素データとHD画素データを用いて、二乗誤差を最小にする係数値を決定する。いわゆる最小二乗法による解法である。学習数をm、k(1≦k≦m)番目の学習データにおける残差をek、二乗誤差の総和をEとすると、(4)式および(5)式を用いて、Eは(9)式で表される。ここで、xikはSD画像のi番目の予測タップ位置におけるk番目の画素データ、ykはそれに対応するk番目のHD画像の画素データを表している。
【0129】
【数7】
【0130】
最小二乗法による解法では、(9)式のwxyによる偏微分が0になるようなwxyを求める。これは、(10)式で示される。
【0131】
【数8】
【0132】
以下、(11)式、(12)式のように、Xipjq、Yipを定義すると、(10)式は、行列を用いて(13)式のように書き換えられる。
【0133】
【数9】
【0134】
【数10】
【0135】
この方程式は、一般に正規方程式と呼ばれている。この正規方程式は、掃き出し法(Gauss−Jordanの消去法)等を用いて、wxyについて解かれ、係数種データが算出される。
【0136】
図22は、上述した係数種データの生成方法の概念を示している。HD信号から複数のSD信号を生成する。例えば、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータh,vをそれぞれ9段階に可変して、合計81種類のSD信号を生成している。このようにして生成した複数のSD信号とHD信号との間で学習を行って係数種データを生成する。
【0137】
図23は、上述した概念で係数種データを生成する係数種データ生成装置150の構成を示している。
【0138】
この係数種データ生成装置150は、教師信号としてのHD信号(525p信号/1050i信号)が入力される入力端子151と、このHD信号に対して水平および垂直の間引き処理を行って、入力信号としてのSD信号を得るSD信号生成回路152とを有している。
【0139】
このSD信号生成回路152には、変換方法選択信号が制御信号として供給される。第1の変換方法(図8のプロセッシング部9で525i信号より525p信号を得る)が選択される場合、SD信号生成回路152では525p信号に対して間引き処理が施されてSD信号が生成される(図9参照)。一方、第2の変換方法(図8のプロセッシング部9で525i信号より1050i信号を得る)が選択される場合、SD信号生成回路152では1050i信号に対して間引き処理が施されてSD信号が生成される(図10参照)。
【0140】
また、SD信号生成回路152には、パラメータh,vが制御信号として供給される。このパラメータh,vに対応して、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの水平帯域と垂直帯域とが可変される。ここで、フィルタの詳細について、いくつかの例を示す。
【0141】
例えば、フィルタを、水平帯域を制限する帯域フィルタと垂直帯域を制限する帯域フィルタとから構成することが考えられる。この場合、図24に示すように、パラメータhまたはvの段階的な値に対応した周波数特性を設計し、逆フーリエ変換をすることにより、パラメータhまたはvの段階的な値に対応した周波数特性を持つ1次元フィルタを得ることができる。
【0142】
また例えば、フィルタを、水平帯域を制限する1次元ガウシアンフィルタと垂直帯域を制限する1次元ガウシアンフィルタとから構成することが考えられる。この1次元ガウシアンフィルタは(14)式で示される。この場合、パラメータhまたはvの段階的な値に対応して標準偏差σの値を段階的に変えることにより、パラメータhまたはvの段階的な値に対応した周波数特性を持つ1次元ガウシアンフィルタを得ることができる。
【0143】
【数11】
【0144】
また、例えば、フィルタを、パラメータh,vの両方で水平および垂直の周波数特性が決まる2次元フィルタF(h,v)で構成することが考えられる。この2次元フィルタの生成方法は、上述した1次元フィルタと同様に、パラメータh,vの段階的な値に対応した2次元周波数特性を設計し、2次元の逆フーリエ変換をすることにより、パラメータh,vの段階的な値に対応した2次元周波数特性を持つ2次元フィルタを得ることができる。
【0145】
また、係数種データ生成装置150は、SD信号生成回路152より出力されるSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号または525p信号)に係る注目画素の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1〜第3のタップ選択回路153〜155を有している。
【0146】
これら第1〜第3のタップ選択回路153〜155は、上述したプロセッシング部9の第1〜第3のタップ選択回路121〜123と同様に構成される。これら第1〜第3のタップ選択回路153〜155で選択されるタップは、タップ選択制御部156からのタップ位置情報によって指定される。
【0147】
タップ選択制御回路156には、変換方法選択信号が制御信号として供給される。第1の変換方法が選択される場合と第2の変換方法が選択される場合とで、第1〜第3のタップ選択回路153〜155に供給されるタップ位置情報が異なるようにされている。また、タップ選択制御回路156には後述する動きクラス検出回路158より出力される動きクラスのクラス情報MVが供給される。これにより、第2のタップ選択回路154に供給されるタップ位置情報が動きが大きいか小さいかによって異なるようにされる。
【0148】
また、係数種データ生成装置150は、第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路157を有している。この空間クラス検出回路157は、上述したプロセッシング部9の空間クラス検出回路124と同様に構成される。この空間クラス検出回路157からは、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データ毎の再量子化コードQiが空間クラスを示すクラス情報として出力される。
【0149】
また、係数種データ生成装置150は、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報MVを出力する動きクラス検出回路158を有している。この動きクラス検出回路158は、上述したプロセッシング部9の動きクラス検出回路125と同様に構成される。この動きクラス検出回路158では、第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)からフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対して閾値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。
【0150】
また、係数種データ生成装置150は、空間クラス検出回路157より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードQiと、動きクラス検出回路158より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、HD信号(525p信号または1050i信号)に係る注目画素が属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路159を有している。このクラス合成回路159も、上述したプロセッシング部9のクラス合成回路126と同様に構成される。
【0151】
また、係数種データ生成装置150は、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、各クラス毎に、係数種データw10〜wn9を得るための正規方程式((13)式参照)を生成する正規方程式生成部160を有している。
【0152】
この場合、一個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップ画素データとの組み合わせで学習データが生成されるが、SD信号生成回路152へのパラメータh,vが順次変更されていって水平および垂直の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が順次生成されていき、これにより正規方程式生成部160では多くの学習データが登録された正規方程式が生成される。
【0153】
ここで、HD信号と、そのHD信号から帯域が狭いフィルタを作用させて生成したSD信号との間で学習して算出した係数種データは、解像度の高いHD信号を得るためのものとなる。逆に、HD信号と、そのHD信号から帯域が広いフィルタを作用させて生成したSD信号との間で学習して算出した係数種データは解像度の低いHD信号を得るためのものとなる。上述したように複数のSD信号を順次生成して学習データを登録することで、連続した解像度のHD信号を得るための係数種データを求めることが可能となる。
【0154】
なお、第1のタップ選択回路153の前段に時間合わせ用の遅延回路を配置することで、この第1のタップ選択回路153から正規方程式生成部160に供給されるSD画素データxiのタイミング合わせを行うことができる。
【0155】
また、係数種データ生成装置150は、正規方程式生成部160でクラス毎に生成された正規方程式のデータが供給され、クラス毎に正規方程式を解いて、各クラスの係数種データw10〜wn9を求める係数種データ決定部161と、この求められた係数種データw10〜wn9を記憶する係数種メモリ162とを有している。係数種データ決定部161では、正規方程式が例えば掃き出し法などによって解かれて、付加データw10〜wn9が求められる。
【0156】
図23に示す係数種データ生成装置150の動作を説明する。入力端子151には教師信号としてのHD信号(525p信号または1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152で水平及び垂直の間引き処理が行われて入力信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。
【0157】
この場合、第1の変換方法(図8のプロセッシング部9で525i信号より525p信号を得る)が選択される場合、SD信号生成回路152では525p信号に対して間引き処理が施されてSD信号が生成される。一方、第2の変換方法(図8のプロセッシング部9で525i信号より1050i信号を得る)が選択される場合、SD信号生成回路152では1050i信号に対して間引き処理が施されてSD信号が生成される。またこの場合、SD信号生成回路152にはパラメータh,vが制御信号として供給され、水平および垂直の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が順次生成されていく。
【0158】
このSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路154で、HD信号(525p信号または1050i信号)に係る注目画素の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路154では、タップ選択制御回路156より供給される、選択された変換方法、および動きクラス検出回路158で検出される動きクラスに対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0159】
この第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードQiが得られる((1)式参照)。
【0160】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第3のタップ選択回路155では、タップ選択制御回路156より供給される、選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0161】
この第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0162】
この動き情報MVと上述した再量子化コードQiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これら動き情報MVと再量子化コードQiとから、HD信号(525p信号または1050i信号)に係る注目画素が属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0163】
また、SD信号生成回路152で生成されるSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第1のタップ選択回路153では、タップ選択制御回路156より供給される、選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0164】
そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、正規方程式生成部160では、各クラス毎に、係数種データw10〜wn9を生成するための正規方程式((13)式参照)が生成される。
【0165】
そして、係数種データ決定部161でその正規方程式が解かれ、各クラス毎の係数種データw10〜wn9が求められ、その係数種データw10〜wn9はクラス別にアドレス分割された係数種メモリ162に記憶される。
【0166】
このように、図23に示す係数種データ生成装置150においては、図8のプロセッシング部9の情報メモリバンク135に記憶される各クラスの係数種データw10〜wn9を生成することができる。この場合、SD信号生成回路152では、選択された変換方法によって525p信号または1050i信号を使用してSD信号(525i信号)が生成されるものであり、第1の変換方法(プロセッシング部9で525i信号より525p信号を得る)および第2の変換方法(プロセッシング部9で525i信号より1050i信号を得る)に対応した係数種データを生成できる。
【0167】
次に、係数種データの生成方法の他の例について説明する。この例においても、上述した(5)式の生成式における付加データである係数種データw10〜wn9を求める例を示すものとする。
【0168】
図25は、この例の概念を示している。HD信号から複数のSD信号を生成する。例えば、HD信号からSD信号を生成する際に使用するフィルタの水平帯域と垂直帯域を可変するパラメータh,vをそれぞれ9段階に可変して、合計81種類のSD信号を生成する。このようにして生成した各SD信号とHD信号との間で学習を行って、(4)式の推定式の付加データWiを生成する。そして、各SD信号に対応して生成された付加データWiを使用して係数種データを生成する。
【0169】
まず、推定式の付加データの求め方を説明する。ここでは、(4)式の推定式の付加データWi(i=1〜n)を最小二乗法により求める例を示すものとする。一般化した例として、Xを入力データ、Wを付加データ、Yを予測値として、(15)式の観測方程式を考える。この(15)式において、mは学習データの数を示し、nは予測タップの数を示している。
【0170】
【数12】
【0171】
(15)式の観測方程式により収集されたデータに最小二乗法を適用する。この(15)式の観測方程式をもとに、(16)式の残差方程式を考える。
【0172】
【数13】
【0173】
(16)式の残差方程式から、各Wiの最確値は、(17)式のe2を最小にする条件が成り立つ場合と考えられる。すなわち、(18)式の条件を考慮すればよいわけである。
【0174】
【数14】
【0175】
つまり、(18)式のiに基づくn個の条件を考え、これを満たす、W1,W2,・・・,Wnを算出すればよい。そこで、(16)式の残差方程式から、(19)式が得られる。さらに、(19)式と(15)式とから、(20)式が得られる。
【0176】
【数15】
【0177】
そして、(16)式と(20)式とから、(21)式の正規方程式が得られる。
【0178】
【数16】
【0179】
(21)式の正規方程式は、未知数の数nと同じ数の方程式を立てることが可能であるので、各Wiの最確値を求めることができる。この場合、掃き出し法等を用いて連立方程式を解くことになる。
【0180】
次に、各SD信号に対応して生成された付加データを使用して、係数種データの求め方を説明する。
【0181】
パラメータh,vに対応したSD信号を用いた学習による、あるクラスの付加データが、kvhiとなったとする。ここで、iは予測タップの番号である。このkvhiから、このクラスの係数種データを求める。
【0182】
各付加データWi(i=1〜n)は、係数種データw10〜wn9を使って、上述した(5)式で表現される。ここで、付加データWiに対して最小二乗法を使用することを考えると、残差は、(22)式で表される。
【0183】
【数17】
【0184】
ここで、tjは、上述の(7)式に示されている。(22)式に最小二乗法を作用させると、(23)式が得られる。
【0185】
【数18】
【0186】
ここで、Xjk,Yjをそれぞれ(24)式、(25)式のように定義すると、(23)式は(26)式のように書き換えられる。この(26)式も正規方程式であり、この式を掃き出し法等の一般解法で解くことにより、係数種データw10〜wn9を算出することができる。
【0187】
【数19】
【0188】
図26は、図25に示す概念に基づいて係数種データを生成する係数種データ生成装置150′の構成を示している。この図26において、図25と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
【0189】
係数種データ生成装置150′は、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、クラス毎に、付加データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式((21)式参照)を生成する正規方程式生成部171を有している。
【0190】
この場合、一個のHD画素データyとそれに対応するn個の予測タップ画素データとの組み合わせで学習データが生成されるが、SD信号生成回路152へのパラメータh,vが順次変更されていって水平および垂直の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が順次生成されていき、HD信号と各SD信号との間でそれぞれ学習データの生成が行われる。これにより、正規方程式生成部171では、各SD信号のそれぞれ対応して、クラス毎に、付加データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式が生成される。
【0191】
また、係数種データ生成装置150′は、正規方程式生成部171で生成された正規方程式のデータが供給され、その正規方程式を解いて、各SD信号にそれぞれ対応した各クラスの付加データWiを求める付加データ決定部172と、この各SD信号に対応した各クラスの付加データWiを使用して、クラス毎に、係数種データw10〜wn9を得るための正規方程式((26)式参照)を生成する正規方程式生成部173とを有している。
【0192】
また、係数種データ生成装置150′は、正規方程式生成部173でクラス毎に生成された正規方程式のデータが供給され、クラス毎に正規方程式を解いて、各クラスの係数種データw10〜wn9を求める係数種データ決定部174と、この求められた係数種データw10〜wn9を記憶する係数種メモリ162とを有している。
【0193】
図26に示す係数種データ生成装置150′のその他は、図23に示す係数種データ生成装置150と同様に構成される。
【0194】
図26に示す係数種データ生成装置150′の動作を説明する。入力端子151には教師信号としてのHD信号(525p信号または1050i信号)が供給され、そしてこのHD信号に対してSD信号生成回路152で水平および垂直の間引き処理が行われて入力信号としてのSD信号(525i信号)が生成される。
【0195】
この場合、第1の変換方法(図8のプロセッシング部9で525i信号より525p信号を得る)が選択される場合、SD信号生成回路152では525p信号に対して間引き処理が施されてSD信号が生成される。一方、第2の変換方法(図8のプロセッシング部9で525i信号より1050i信号を得る)が選択される場合、SD信号生成回路152では1050i信号に対して間引き処理が施されてSD信号が生成される。またこの場合、SD信号生成回路152にはパラメータh,vが制御信号として供給され、水平および垂直の帯域が段階的に変化した複数のSD信号が順次生成されていく。
【0196】
このSD信号(525i信号)より、第2のタップ選択回路154で、HD信号(525p信号または1050i信号)に係る注目画素の周辺に位置する空間クラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この第2のタップ選択回路154では、タップ選択制御回路156より供給される、選択された変換方法、および動きクラス検出回路158で検出される動きクラスに対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0197】
この第2のタップ選択回路154で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)は空間クラス検出回路157に供給される。この空間クラス検出回路157では、空間クラスタップのデータとしての各SD画素データに対してADRC処理が施されて空間クラス(主に空間内の波形表現のためのクラス分類)のクラス情報としての再量子化コードQiが得られる((1)式参照)。
【0198】
また、SD信号生成回路152で生成されたSD信号より、第3のタップ選択回路155で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する動きクラスタップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第3のタップ選択回路155では、タップ選択制御回路156より供給される、選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0199】
この第3のタップ選択回路155で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)は動きクラス検出回路158に供給される。この動きクラス検出回路158では、動きクラスタップのデータとしての各SD画素データより動きクラス(主に動きの程度を表すためのクラス分類)のクラス情報MVが得られる。
【0200】
この動き情報MVと上述した再量子化コードQiはクラス合成回路159に供給される。このクラス合成回路159では、これら動き情報MVと再量子化コードQiとから、HD信号(525p信号または1050i信号)に係る注目画素が属するクラスを示すクラスコードCLが得られる((3)式参照)。
【0201】
また、SD信号生成回路152で生成されるSD信号より、第1のタップ選択回路153で、HD信号に係る注目画素の周辺に位置する予測タップのデータ(SD画素データ)が選択的に取り出される。この場合、第1のタップ選択回路153では、タップ選択制御回路156より供給される、選択された変換方法に対応したタップ位置情報に基づいて、タップの選択が行われる。
【0202】
そして、入力端子151に供給されるHD信号より得られる注目画素データとしての各HD画素データyと、この各HD画素データyにそれぞれ対応して第1のタップ選択回路153で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、各HD画素データyにそれぞれ対応してクラス合成回路159より出力されるクラスコードCLとから、正規方程式生成部171では、SD信号生成回路152で生成される各SD信号のそれぞれ対応して、クラス毎に、付加データWi(i=1〜n)を得るための正規方程式((21)式参照)が生成される。
【0203】
そして、付加データ決定部172でその正規方程式が解かれ、各SD信号にそれぞれ対応した各クラスの付加データWiが求められる。正規方程式生成部173では、この各SD信号にそれぞれ対応した各クラスの付加データWiから、クラス毎に、係数種データw10〜wn9を得るための正規方程式((26)式参照)が生成される。
【0204】
そして、係数種データ決定部174でその正規方程式が解かれ、各クラスの係数種データw10〜wn9が求められ、その係数種データw10〜wn9はクラス別にアドレス分割された係数種メモリ162に記憶される。
【0205】
このように、図26に示す係数種データ生成装置150′においても、図8のプロセッシング部9の情報メモリバンク135に記憶される各クラスの係数種データw10〜wn9を生成することができる。この場合、SD信号生成回路152では、選択された変換方法によって525p信号または1050i信号を使用してSD信号(525i信号)が生成されるものであり、第1の変換方法(プロセッシング部9で525i信号より525p信号を得る)および第2の変換方法(プロセッシング部9で525i信号より1050i信号を得る)に対応した係数種データを生成できる。
【0206】
なお、図8のプロセッシング部9では、付加データWi(i=1〜n)を生成するために(5)式の生成式を使用したが、例えば、(27)式、(28)式などを使用してもよく、さらに次数の異なった多項式や、他の関数で表現される式でも実現可能である。
【0207】
【数20】
【0208】
また、図8のプロセッシング部9では、水平解像度を指定するパラメータhと垂直解像度を指定するパラメータvとを設定し、これらパラメータh,vの値を調整することで画像の水平および垂直の解像度を調整し得るものを示したが、例えばノイズ除去度(ノイズ低減度)を指定するパラメータzを設け、このパラメータzの値を調整することで画像のノイズ除去度を調整し得るものも同様に構成することができる。
【0209】
この場合、付加データWi(i=1〜n)を生成する生成式として、例えば、(29)式、(30)式などを使用でき、さらに次数の異なった多項式や、他の関数で表現される式でも実現可能である。
【0210】
【数21】
【0211】
なお、上述したようにパラメータzを含む生成式の付加データである係数種データは、上述したパラメータh,vを含む生成式の付加データである係数種データを生成する場合と同様に、図23に示す係数種データ生成装置150あるいは図26に示す係数種データ生成装置150′により生成できる。
【0212】
その場合、SD信号生成回路152には、パラメータzが制御信号として供給され、このパラメータzの値に対応して、HD信号からSD信号を生成する際に、SD信号に対するノイズ付加状態が段階的に可変される。このようにSD信号に対するノイズ付加状態を段階的に可変させて学習データを登録することで、連続したノイズ除去度を得るための係数種データを生成することができる。
【0213】
ここで、パラメータzの値に対応したノイズ付加方法の詳細について、いくつかの例を示す。
【0214】
例えば、図27中のAに示すように、SD信号に振幅レベルを段階的に変化させたノイズ信号を加えて、段階的にノイズレベルが変化するSD信号を生成する。
【0215】
また例えば、図27中のBに示すように、SD信号に一定振幅レベルのノイズ信号を加えるが、加える画面領域を段階的に可変する。
【0216】
さらに例えば、図27中のCに示すように、SD信号(1画面分)として、ノイズが含まれていないものと、ノイズが含まれているものとを用意する。そして、正規方程式を生成する際に、それぞれのSD信号に対して複数回の学習を行う。
【0217】
例えば、「ノイズ0」ではノイズなしのSD信号に対して100回の学習を行い、「ノイズi」ではノイズなしのSD信号に対して30回の学習を行うと共にノイズありのSD信号に対して70回の学習を行う。この場合、「ノイズi」の方がノイズ除去度が高い係数種データを算出する学習系になる。このように、ノイズなしとノイズありのSD信号に対する学習回数を段階的に変化させて学習を行うことにより、連続したノイズ除去度を得るための係数種データを得ることができる。
【0218】
この手法を、正規方程式の加算という形で実現することもできる。まず、「ノイズ0」〜「ノイズi」における推定式の付加データを算出するような学習を行う。このときの正規方程式は、上述した(21)式に示すようになる。ここで、Pij,Qjをそれぞれ(31)式、(32)式のように定義すると、(21)式は(33)式のように書き換えられる。ここで、xijはj番目の予測タップ位置のSD画素データのi番目の学習値、yiはHD画素データのi番目の学習値、Wiは係数を表している。
【0219】
【数22】
【0220】
このような学習を用いて、ノイズなしのSD信号を学習した場合における、(33)式の左辺を〔P1ij〕、右辺を〔Q1i〕と定義し、同様に、ノイズありのSD信号を学習した場合における、(33)式の左辺を〔P2ij〕、右辺を〔Q2i〕と定義する。このような場合に、(34)式、(35)式のように、〔Paij〕、〔Qai〕を定義する。ただし、a(0≦a≦1)である。
【0221】
〔Paij〕=(1−a)〔P1ij〕+a〔P2ij〕 ・・・(34)
〔Qai〕=(1−a)〔Q1i〕 +a〔Q2i〕 ・・・(35)
ここで、a=0の場合の正規方程式は(36)式で表され、これは図27中のCの「ノイズ0」の場合の正規方程式と等価になり、a=0.7の場合は「ノイズi」の場合の正規方程式と等価になる。
【0222】
〔Paij〕〔Wi〕=〔Qai〕 ・・・(36)
このaを段階的に変化させて各ノイズレベルの正規方程式を作ることにより、目的とする係数種データを得ることができる。この場合、図26の係数種データ生成装置150′で説明したと同様に、各ノイズレベルの正規方程式よりそれぞれ付加データをWiを算出し、この各段階の付加データを使用して係数種データを求めることができる。
【0223】
また、各ノイズレベルの正規方程式を組み合わせることにより、上述した(13)式のような係数種データを得るための正規方程式を生成することも可能である。この手法については、以下に具体的に説明する。ここでは、上述した(30)式を用いて、係数種データを求める正規方程式を生成する場合を考える。
【0224】
予め、予め何種類かのパラメータzに対応したノイズレベルのSD信号を生成して学習を行い、上述した(34)式、(35)式に表される〔P〕、〔Q〕を用意しておく。それらを、〔Pnij〕、〔Qni〕と表す。また、また、上述した(7)式は、(37)式のように書き換えられる。
【0225】
t0=1,t1=z,t2=z2 ・・・(37)
この場合、上述した(24)式、(25)式は、それぞれ(38)式、(39)式のように書き換えられる。これらの式に対し、(40)式を解くことで、係数種データwijを求めることができる。ここで、予測タップの総数を表す変数はmに書き換えている。
【0226】
【数23】
【0227】
また、図8のプロセッシング部9では、水平解像度を指定するパラメータhと垂直解像度を指定するパラメータvとを設定し、これらパラメータh,vの値を調整することで画像の水平および垂直の解像度を調整し得るものを示したが、水平および垂直の解像度を1個のパラメータで調整するように構成することもできる。例えば、水平および垂直の解像度を指定する1個のパラメータrを設定する。この場合、例えば、r=1はh=1、v=1、r=2はh=2、v=2、・・・、あるいはr=1はh=1、v=2、r=2はh=2、v=3、・・・のような対応関係とされる。この場合、付加データWi(i=1〜n)を生成する生成式としては、rの多項式等が使用されることとなる。
【0228】
また、図8のプロセッシング部9では、水平解像度を指定するパラメータhと垂直解像度を指定するパラメータvとを設定し、これら複数種類のパラメータh,vの値を調整することで画像の水平および垂直の解像度を調整し得るものを示したが、上述した水平および垂直の解像度を指定するパラメータrと、上述ノイズ除去度(ノイズ低減度)を指定するパラメータzとを設定し、これら複数種類のパラメータr,zの値を調整することで、画像の水平および垂直の解像度とノイズ除去度とを調整し得るものも同様に構成することができる。
【0229】
この場合、付加データWi(i=1〜n)を生成する生成式として、例えば、(41)式等を使用でき、さらに次数の異なった多項式や、他の関数で表現される式でも実現可能である。
【0230】
【数24】
【0231】
パラメータr,zを含む生成式の付加データである係数種データは、上述したパラメータh,vを含む生成式の付加データである係数種データを生成する場合と同様に、図23に示す係数種データ生成装置150あるいは図26に示す係数種データ生成装置150′により生成できる。
【0232】
その場合、SD信号生成回路152には、パラメータr,zが制御信号として供給され、このパラメータr,zの値に対応して、HD信号からSD信号を生成する際に、SD信号の水平、垂直の帯域と、SD信号に対するノイズ付加状態とが段階的に可変される。
【0233】
図28は、パラメータr,zの値に対応したSD信号の生成例を示している。この例では、パラメータr,zはそれぞれ9段階に可変され、合計81種類のSD信号が生成される。なお、パラメータr,zを9段階よりもさらに多くの段階に可変するようにしてもよい。その場合には、算出される係数種データの精度は良くなるが、計算量は増えることとなる。
【0234】
また、図8のプロセッシング部9では、水平解像度を指定するパラメータhと垂直解像度を指定するパラメータvとを設定し、これら複数種類のパラメータh,vの値を調整することで画像の水平および垂直の解像度を調整し得るものを示したが、これらパラメータh,vの他に、さらに上述したノイズ除去度(ノイズ低減度)を指定するパラメータzを設定し、これら複数種類のパラメータh,v,zの値を調整することで、画像の水平および垂直の解像度とノイズ除去度とを調整し得るものも同様に構成することができる。
【0235】
この場合、付加データWi(i=1〜n)を生成する生成式として、例えば、(42)式等を使用でき、さらに次数の異なった多項式や、他の関数で表現される式でも実現可能である。
【0236】
【数25】
【0237】
パラメータh,v,zを含む生成式の付加データである係数種データは、上述したパラメータh,vを含む生成式の付加データである係数種データを生成する場合と同様に、図23に示す係数種データ生成装置150あるいは図26に示す係数種データ生成装置150′により生成できる。
【0238】
その場合、SD信号生成回路152には、パラメータh,v,zが制御信号として供給され、このパラメータh,v,zの値に対応して、HD信号からSD信号を生成する際に、SD信号の水平、垂直の帯域と、SD信号に対するノイズ付加状態とが段階的に可変される。
【0239】
図29は、パラメータh,v,zの値に対応したSD信号の生成例を示している。この例では、パラメータh,v,zはそれぞれ9段階に可変され、合計729種類のSD信号が生成される。なお、パラメータh,v,zを9段階よりもさらに多くの段階に可変するようにしてもよい。その場合には、算出される係数種データの精度は良くなるが、計算量は増えることとなる。
【0240】
なお、図8のプロセッシング部9における処理を、例えば図30に示すような映像信号処理装置300によって、ソフトウェアで実現することも可能である。
【0241】
まず、図30に示す映像信号処理装置300について説明する。この映像信号処理装置300は、装置全体の動作を制御するCPU301と、このCPU301の動作プログラムや係数種データ等が格納されたROM(read only memory)302と、CPU301の作業領域を構成するRAM(random access memory)303とを有している。これらCPU301、ROM302およびRAM303は、それぞれバス304に接続されている。
【0242】
また、映像信号処理装置300は、外部記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)305と、フレキシブルディスク306をドライブするフレキシブルディスクドライブ(FDD)307とを有している。これらドライブ305,307は、それぞれバス304に接続されている。
【0243】
また、映像信号処理装置300は、インターネット等の通信網400に有線または無線で接続する通信部308を有している。この通信部308は、インタフェース309を介してバス304に接続されている。
【0244】
また、映像信号処理装置300は、SD信号を入力するための入力端子314と、HD信号を出力するための出力端子315とを有している。入力端子314はインタフェース316を介してバス304に接続され、同様に出力端子315はインタフェース317を介してバス304に接続される。
【0245】
ここで、上述したようにROM302に処理プログラムや係数種データ等を予め格納しておく代わりに、例えばインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードし、ハードディスクやRAM303に蓄積して使用することもできる。また、これら処理プログラムや係数種データ等をフレキシブルディスク306で提供するようにしてもよい。
【0246】
また、処理すべきSD信号を入力端子314より入力する代わりに、予めハードディスクに記録しておき、あるいはインターネットなどの通信網400より通信部308を介してダウンロードしてもよい。また、処理後のHD信号を出力端子315に出力する代わり、あるいはそれと並行してディスプレイ311に供給して画像表示をしたり、さらにはハードディスクに格納したり、通信部308を介してインターネットなどの通信網400に送出するようにしてもよい。
【0247】
図31のフローチャートを参照して、図30に示す映像信号処理装置300における、SD信号よりHD信号を得るため処理手順を説明する。
【0248】
まず、ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、SD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。このSD画素データが入力端子314より入力される場合には、このSD画素データをRAM303に一時的に格納する。また、このSD画素データがハードディスクに記録されている場合には、ハードディスクドライブ307でこのSD画素データを読み出し、RAM303に一時的に格納する。そして、ステップST3で、入力SD画素データの全フレームまたは全フィールドの処理が終わっているか否かを判定する。処理が終わっているときは、ステップST4で、処理を終了する。一方、処理が終わっていないときは、ステップST5に進む。
【0249】
このステップST5では、画質指定値(例えばパラメータh,vの値など)を例えばRAM303より読み込む。そして、ステップST6で、読み込んだ画質指定値および各クラスの係数種データを使用して、生成式(例えば(5)式)によって、各クラスの推定式((4)式参照)の付加データWiを生成する。
【0250】
次に、ステップST7で、ステップST2で入力されたSD画素データより、生成すべき各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST8で、入力されたSD画素データの全領域においてHD画素データを得る処理が終了したか否かを判定する。終了しているときは、ステップST2に戻り、次のフレームまたはフィールドのSD画素データの入力処理に移る。一方、処理が終了していないときは、ステップST9に進む。
【0251】
このステップST9では、ステップST7で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST10で、そのクラスコードCLに対応した付加データと予測タップのSD画素データを使用して、推定式により、HD画素データを生成し、その後にステップST7に戻って、上述したと同様の処理を繰り返す。
【0252】
このように、図31に示すフローチャートに沿って処理をすることで、入力されたSD信号を構成するSD画素データを処理して、HD信号を構成するHD画素データを得ることができる。上述したように、このように処理して得られたHD信号は出力端子315に出力されたり、ディスプレイ311に供給されてそれによる画像が表示されたり、さらにはハードディスクドライブ305に供給されてハードディスクに記録されたりする。
【0253】
また、処理装置の図示は省略するが、図23の係数種データ生成装置150における処理を、ソフトウェアで実現することも可能である。
【0254】
図32のフローチャートを参照して、係数種データを生成するための処理手順を説明する。
【0255】
まず、ステップST21で、処理を開始し、ステップST22で、学習に使われる、画質パターン(例えば、パラメータh,vで特定される)を選択する。そして、ステップST23で、全ての画質パターンに対して学習が終わったか否かを判定する。全ての画質選択パターンに対して学習が終わっていないときは、ステップST24に進む。
【0256】
このステップST24では、既知のHD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。そして、ステップST25で、全てのHD画素データについて処理が終了したか否かを判定する。終了したときは、ステップST22に戻って、次の画質パターンを選択して、上述したと同様の処理を繰り返す。一方、終了していないときは、ステップST26に進む。
【0257】
このステップST26では、ステップST24で入力されたHD画素データより、ステップST22で選択された画質パターンに基づいて、SD画素データを生成する。そして、ステップST27で、ステップST26で生成されたSD画素データより、ステップST24で入力された各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST28で、生成されたSD画素データの全領域において学習処理を終了しているか否かを判定する。学習処理を終了しているときは、ステップST24に戻って、次のHD画素データの入力を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、一方、学習処理を終了していないときは、ステップST29に進む。
【0258】
このステップST29では、ステップST27で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST30で、正規方程式((13)式参照)を生成する。その後に、ステップST27に戻る。
【0259】
また、ステップST23で、全ての画質パターンに対して学習が終わったときは、ステップST31に進む。このステップST31では、正規方程式を掃き出し法等で解くことによって各クラスの係数種データを算出し、ステップST32で、その係数種データをメモリに保存し、その後にステップST33で、処理を終了する。
【0260】
このように、図32に示すフローチャートに沿って処理をすることで、図23に示す係数種データ生成装置150と同様の手法によって、各クラスの係数種データを得ることができる。
【0261】
また、処理装置の図示は省略するが、図26の係数種データ生成装置150′における処理も、ソフトウェアで実現可能である。
【0262】
図33のフローチャートを参照して、係数種データを生成するための処理手順を説明する。
【0263】
まず、ステップST41で、処理を開始し、ステップST42で、学習に使われる、画質パターン(例えば、パラメータh,vで特定される)を選択する。そして、ステップST43で、全ての画質パターンに対する付加データの算出処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST44に進む。
【0264】
このステップST44では、既知のHD画素データをフレーム単位またはフィールド単位で入力する。そして、ステップST45で、全てのHD画素データについて処理が終了したか否かを判定する。終了していないときは、ステップST46で、ステップST44で入力されたHD画素データより、ステップST42で選択された画質パターンに基づいて、SD画素データを生成する。
【0265】
そして、ステップST47で、ステップST46で生成されたSD画素データより、ステップST44で入力された各HD画素データに対応して、クラスタップおよび予測タップの画素データを取得する。そして、ステップST48で、生成されたSD画素データの全領域において学習処理を終了しているか否かを判定する。学習処理を終了しているときは、ステップST44に戻って、次のHD画素データの入力を行って、上述したと同様の処理を繰り返し、一方、学習処理を終了していないときは、ステップST49に進む。
【0266】
このステップST49では、ステップST47で取得されたクラスタップのSD画素データからクラスコードCLを生成する。そして、ステップST50で、付加データを得るための正規方程式((21)式参照)を生成する。その後に、ステップST47に戻る。
【0267】
上述したステップST45で、全てのHD画素データについて処理が終了したときは、ステップST51で、ステップST50で生成された正規方程式を掃き出し法などで解いて、各クラスの付加データを算出する。その後に、ステップST42に戻って、次の画質パターンを選択して、上述したと同様の処理を繰り返し、次の画質パターンに対応した、各クラスの付加データを求める。
【0268】
また、上述のステップST43で、全ての画質パターンに対する付加データの算出処理が終了したときは、ステップST52に進む。このステップST52では、全ての画質パターンに対する付加データから、係数種データを求めるための正規方程式((26)式参照)を生成する。
【0269】
そして、ステップST53で、ステップST52で生成された正規方程式を掃き出し法等で解くことによって各クラスの係数種データを算出し、ステップST54で、その係数種データをメモリに保存し、その後にステップST55で、処理を終了する。
【0270】
このように、図33に示すフローチャートに沿って処理をすることで、図26に示す係数種データ生成装置150′と同様の手法によって、各クラスの係数種データを得ることができる。
【0271】
なお、上述の例においては、HD信号を生成する際の推定式として線形一次方程式を使用したものを挙げたが、これに限定されるものではなく、例えば推定式として高次方程式を使用するものであってもよい。
【0272】
また、上述実施の形態においては、SD信号(525i信号)をHD信号(525p信号または1050i信号)に変換する例を示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、推定式を使用して第1の映像信号を第2の映像信号に変換するその他の場合にも同様に適用できることは勿論である。
【0273】
また、上述の例においては、情報信号が映像信号である場合を示したが、この発明はこれに限定されない。例えば、情報信号が音声信号である場合にも、この発明を同様に適用することができる。
【0274】
上述のように、この「クラス分類適応処理」によれば、第1の情報信号を第2の情報信号に変換する際に使用される推定式の付加データを係数種データを用いて生成するものであり、第2の情報信号によって得られる出力の質、例えば画像の画質を無段階になめらかに調整することができる。この場合、出力の質を決めるパラメータに対応した各クラスの付加データをその都度係数種データを使用して生成できるため、大量の付加データを格納しておくメモリを必要とせず、メモリの節約を図ることができる。
【0275】
また、「クラス分類適応処理」によれば、係数種データを用いて生成された推定式の付加データの総和を求め、推定式を用いて生成された注目点の情報データをその総和で除算して正規化するものであり、係数種データを用いて生成式で推定式の付加データを求める際の丸め誤差による注目点の情報データのレベル変動を除去できる。
【0276】
〔本発明を適用したビジネスモデルについて〕
本発明を適用したビジネスモデルについて、図34に示すように、コンテンツ提供装置、半導体装置及び複製装置との関係において考える。コンテンツ提供装置は、半導体装置に記録される情報を提供するものである。半導体装置作成装置は、情報の記録されていない半導体装置を作成するものである。複製装置は、情報の記録されていない半導体装置に、コンテンツ提供装置から提供される情報を記録するものである。ここで、これらコンテンツ提供装置、半導体装置作成装置及び複製装置は、それぞれが異なる主体(コンテンツ提供者、半導体装置作成者及び複製者)によって所有され運用されているものとする。
【0277】
図35に示すように、半導体装置作成装置(半導体装置作成者)は、半導体装置を作成し、複製装置(複製者)に対して、半導体装置を提供する。ここで、複製装置(複製者)に課金され、半導体装置作成装置(半導体装置作成者)が徴収する。この課金には、半導体装置の作成代金と、後のコンテンツ複製料が含まれている。
【0278】
そして、コンテンツ提供装置(コンテンツ提供者)から複製装置(複製者)に対して情報(コンテンツ)が提供され、情報の複製が行われる。ここで複製される半導体装置は、基本情報及び付加情報が、上述したような本発明の内容にしたがって記録されたものである。ここで、半導体装置作成装置(半導体装置作成者)に課金され、コンテンツ提供装置(コンテンツ提供者)が徴収する。この課金には、コンテンツ複製料が含まれている。
【0279】
これにより、複製装置(複製者)は、半導体装置作成装置(半導体装置作成者)に対する料金を支払うのみであるが、半導体装置作成装置(半導体装置作成者)のみならず、コンテンツ提供装置(コンテンツ提供者)に対する支払いも確保される。
【0280】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係る半導体装置においては、再生情報は、基本情報に対して高品質な情報となっているため、基本情報よりも情報量が多く、このままの状態で半導体装置に記録しようとすると、大量の半導体装置が必要となる。
【0281】
上述のように、本発明に係る半導体装置においては、演算データは、基本情報に対して高品質な情報に対応するデータとなっているため、基本データよりも情報量が多く、このままの状態で半導体装置やディスク状記録媒体に記録しようとすると、大量の半導体装置やディスク状記録媒体が必要となる。
【0282】
すなわち、本発明は、記録されたデータの複写が困難となされた半導体装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における半導体装置の構成を示す斜視図である。
【図2】上記半導体装置について複製を行う場合のフローチャートである。
【図3】上記半導体装置のデータをダウンロードする場合の構成を示す斜視図である。
【図4】上記半導体装置についてデータをダウンロードする場合のフローチャートである。
【図5】上記半導体装置の第1の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図6】上記半導体装置の要部の構成を示すブロック図である。
【図7】上記半導体装置の第2の実施の形態における構成を示すブロック図である。
【図8】クラス分類適応処理を行う再生装置の構成を示すブロック図である。
【図9】525i信号と525p信号の画素位置関係を説明するための図である。
【図10】525i信号と1050i信号の画素位置関係を説明するための図である。
【図11】525iと525pの画素位置関係と、予測タップの一例を示す図である。
【図12】525iと525pの画素位置関係と、予測タップの一例を示す図である。
【図13】525iと1050iの画素位置関係と、予測タップの一例を示す図である。
【図14】525iと1050iの画素位置関係と、予測タップの一例を示す図である。
【図15】525iと525pの画素位置関係と、空間クラスタップの一例を示す図である。
【図16】525iと525pの画素位置関係と、空間クラスタップの一例を示す図である。
【図17】525iと1050iの画素位置関係と、空間クラスタップの一例を示す図である。
【図18】525iと1050iの画素位置関係と、空間クラスタップの一例を示す図である。
【図19】525iと525pの画素位置関係と、動きクラスタップの一例を示す図である。
【図20】525iと1050iの画素位置関係と、動きクラスタップの一例を示す図である。
【図21】525p信号を出力する場合のライン倍速処理を説明するための図である。
【図22】係数種データの生成方法の一例の概念を示す図である。
【図23】係数種データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
【図24】帯域フィルタの周波数特性の一例を示す図である。
【図25】係数種データの生成方法の他の例の概念を示す図である。
【図26】係数種データ生成装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図27】ノイズ付加方法を説明するための図である。
【図28】SD信号(パラメータr,z)の生成例を示す図である。
【図29】SD信号(パラメータh,v,z)の生成例を示す図である。
【図30】ソフトウェアで実現するための映像信号処理装置の構成例を示すブロック図である。
【図31】映像信号の処理手順を示すフローチャートである。
【図32】係数種データ生成処理(その1)を示すフローチャートである。
【図33】係数種データ生成処理(その2)を示すフローチャートである。
【図34】本発明を適用したビジネスモデルを説明するためのブロック図である。
【図35】上記ビジネスモデルを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 記録媒体、8 データ記録領域、9 プロセッシング部
Claims (2)
- 第1の映像信号にフィルタを作用させて生成した第2の映像信号が記録媒体に記録され、該記録媒体に記録された第2の映像信号が基本データとして入力される入力部と、
上記基本データが記録される基本データ記録領域と、
上記第1の映像信号と、上記フィルタを作用させて生成した第2の映像信号との間の学習により算出された空間クラス及び動きクラスの係数種データが記録される係数種データ記録領域と、
上記第2の映像信号を上記第1の映像信号に変換する際に使用され、上記係数種データを用いて生成された推定式の付加データが記録される付加データ記録領域と、
上記第2の映像信号より選択的に取り出された第1の映像信号の注目画素に対応するタップの画素データより空間クラス及び動きクラスを検出し、上記第1の映像信号の注目画素のクラスを示すクラスコードを得、上記係数種データ記録領域より読み出された係数種データを用いて、空間クラス及び動きクラスのクラス毎に、入力された画質指定値に対応した推定式の付加データを生成して上記付加データ記録領域に格納するとともに、上記注目画素に対応するタップの画素データと、上記付加データ記録領域よりクラスコードで読み出された付加データとから上記第1の映像信号の注目画素の画素データを演算するプロセッシング部と、
上記プロセッシング部における演算処理によって得られた第1の映像信号の演算データを出力する出力部とを備え、
上記出力部から出力される演算データは、上記基本データが記録された記録媒体と同容量の記録媒体に記録する際に該記録媒体を複数必要とするデータ量である半導体装置。 - 上記基本データは、SD(Standard Definition)信号であり、上記演算データは、HD(High Definition)信号である請求項1記載の半導体装置。
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