JP4145905B2 - 減圧乾燥装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液状体が塗布されたワークを減圧下で乾燥して、ワークの表面に被膜を形成する際に用いられる減圧乾燥装置に関する。
半導体等のウェハ状の基板の表面に、膜形成材料を含む液状体を塗布して被膜を形成する際に、減圧下で液状体に含まれる溶媒成分を蒸発させて乾燥させる減圧乾燥装置が用いられている。この減圧乾燥装置としては、フォトレジストが塗布された基板を載置して減圧するチャンバー内に、基板と対向するように整流板を配置し、整流板の外縁部に通気孔が設けられた減圧乾燥装置が提案されている(特許文献1)。
上記の減圧乾燥装置では、チャンバー上部から排気することにより、ウェハ状の基板の周縁部側から整流板の通気孔を経由して排気口に向かう一定方向の気流が形成される。これにより、整流板と基板間に流れる気流の速度が基板面内において均一になるので、塗布膜が基板面内で均一に平坦化され、基板上に均一な膜厚を有する塗布膜を形成可能としている。
特開2002−313709号公報
このように半導体を初めとする多くの電子デバイスの製造工程では、機能性材料を含む液状体をウェハ等のワークに塗布して、機能性材料からなる塗布膜をワークの表面に形成しようとするプロセスが取り入れられている。
しかしながら、液状体を乾燥させて塗布膜を形成する乾燥プロセスでは、形成後の塗布膜がより平坦で、ワークの表面内においても膜厚分布が均一となるように乾燥させることは、上記減圧乾燥装置を用いても非常に困難である。というのは、用いられる液状体は多種多様であり、飽和蒸気圧、レオロジー特性(粘性、弾性、塑性、チクソトロピー等の特性)は、各種材料ごとに変化する。また、乾燥過程における蒸発速度等の液状体の挙動は、液状体に含まれる溶質と溶媒との体積、表面積比によっても変化するからである。
よって、上記従来の減圧乾燥装置を用いて、減圧下で液状体から蒸発する溶媒の気流が一定方向に一定の速度を有するように整流板を設けて制御しても、乾燥過程で液状体の流動(対流)が起きて表面張力により膜厚の均一性が低下するという課題がある。また、ワークの中央部分と周縁部とでは、蒸気濃度(または圧力)分布に差が生じて、結果的に乾燥速度の差による膜厚の面内分布が発生するという課題がある。さらには、様々な液状体材料や塗布されるワークの形状に対応して都度最適な乾燥装置の構造設計をするのは、汎用性が低下してしまうという課題もある。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、乾燥過程において、液状体の種類に応じて、塗布された液状体の溶媒の蒸発速度を最適化可能で、溶媒の蒸気圧の分布がほぼ均一な状態で減圧乾燥を行うことができる減圧乾燥装置を提供することを目的とする。
本発明の減圧乾燥装置は、膜形成材料を含む液状体が塗布されたワークをチャンバー内に収容し、液状体の溶媒を減圧下で蒸発させて乾燥させる減圧乾燥装置であって、チャンバーは、ワークを略密閉状態に収容可能な第1室と、第1室と連通部によって繋がれた第2室とを有し、少なくとも第2室を減圧可能な状態に設けられた減圧手段と、連通部を開閉可能な連通弁と、減圧手段を駆動させて少なくとも第2室の減圧状態を制御すると共に、連通弁を駆動させて連通部の開閉状態を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
ワークに塗布される液状体のレオロジー特性は、液状体の種類によって異なる。このため、減圧により蒸気圧や蒸発速度が急激に変化すると、液状体の種類によっては、乾燥過程における液状体の挙動に影響を及ぼし乾燥後の膜厚の変動を引き起こす。乾燥後の膜が平坦で、ワーク表面における膜厚ムラが少ないように乾燥させるには、乾燥過程で液状体が流動して形状変化が起きないように溶媒を蒸発させることが重要である。この構成によれば、チャンバーは、ワークを収容する第1室と減圧手段により減圧可能な第2室とに分かれ、制御部は、連通弁を駆動することにより第1室を密閉状態としたり、第1室と第2室とを連通させることができる。したがって、第1室と第2室とを連通させて減圧した後に、第1室を密閉すれば、第1室では、溶媒の蒸発が進み第1室と第2室との間に圧力差を生じさせることができる。これにより、塗布された液状体の溶媒の蒸発速度を第1室の減圧状態に対応するゆるやかな速度とし、液状体の流動を抑制することができる。溶媒の蒸発が進んで第1室の圧力が上昇したところで第2室と連通させれば、圧力差を利用して溶媒の蒸発気を第2室側に拡散させることができる。そして、減圧手段により第2室に拡散した溶媒の蒸気を排出すれば、液状体の乾燥を行うことができる。また、第1室を密閉することにより、減圧手段による排気の影響を受けないので、排気の気流による溶媒の蒸発速度のムラを低減することができる。すなわち、液状体の種類に応じて、第1室の減圧状態を設定すれば、塗布された液状体の溶媒の蒸発速度を最適化可能で、溶媒の蒸気圧の分布がほぼ均一な状態で減圧乾燥を行うことができる減圧乾燥装置を提供することができる。また、液状体の種類に応じた減圧条件をより的確に設定することが可能となり、汎用性を持たせた減圧乾燥装置を提供することができる。
また、少なくとも上記第1室の減圧状態を計測可能な圧力計をさらに有し、制御部は、連通弁を駆動させて第1室と第2室とを連通させ、減圧手段を駆動させ圧力計の検出圧力が所定の操作圧になるまで第1室と第2室とを減圧した後に、連通弁を駆動させ連通部を閉鎖して第1室を密閉し、第1室が所定の圧力に上昇したことが圧力計により検出されたら、連通弁を駆動させ第1室と第2室とを連通させて、第1室と第2室とに拡散した溶媒の蒸気を減圧手段によって排出させる制御動作を行うことを特徴とする。
この構成によれば、制御部は、第1室と第2室とを連通させ、圧力計の検出圧力が所定の操作圧となるまで減圧を行った後に、第1室を密閉する。よって、減圧手段による排気の気流の影響を受けずに、第1室を所定の操作圧としてワークに塗布された液状体から溶媒を蒸発させることができる。そして、第1室が所定の圧力に上昇したことが圧力計により検出されたら、第1室と第2室とを連通させることにより、所定の圧力となった第1室から溶媒の蒸気が連通した第2室に拡散してゆく。そして、減圧手段により拡散した溶媒の蒸気を排出して液状体を減圧乾燥する制御動作を行う。したがって、第1室を所定の操作圧として密閉することにより、塗布された液状体の溶媒の蒸発速度を所定の操作圧に対応する速度とすることができる。また、減圧手段による排気の影響を受けないので、排気の気流による溶媒の蒸発速度のムラが低減される。すなわち、液状体の種類に応じて、第1室を所定の操作圧として、塗布された液状体の溶媒の蒸発速度を最適化して、溶媒の蒸気圧の分布がほぼ均一な状態で減圧乾燥を行うことができる減圧乾燥装置を提供することができる。
また、上記所定の圧力が、密閉された第1室において一定量の溶媒が蒸発した蒸気圧に所定の操作圧を加えた圧力であり、制御部は、所定の圧力以上の圧力の下で、第1室と第2室とに拡散した溶媒の蒸気を減圧手段によって排出させることを特徴とする。
この構成によれば、所定の圧力を密閉された第1室において一定量の溶媒が蒸発した場合の蒸気圧に所定の操作圧を加えた圧力とし、制御部は、所定の圧力よりも高い圧力の下で排気を行わせる。したがって、減圧手段による排気中に第1室内で蒸発した一定量以上に溶媒が蒸発することを抑制することができる。よって、密閉された第1室内で蒸発する溶媒の量を管理することが可能となり、減圧乾燥過程における溶質と溶媒との比率を推測することができるので、あらかじめ蒸発させる溶媒の量を適宜設定すれば、より最適化された条件で減圧乾燥を行うことができる減圧乾燥装置を提供することができる。尚、この場合の溶媒の一定量とは、液状体の種類によって含まれる溶媒の全量としてもよいし、全量を適宜分割した量としてもよい。
また、上記所定の操作圧は、液状体から溶媒が蒸発して膜形状に影響を与える粘度の直前まで増粘する圧力に設定されており、所定の圧力が、密閉された第1室において溶媒が蒸発した略飽和蒸気圧に所定の操作圧を加えた圧力であるとしてもよい。
これによれば、所定の操作圧を液状体から溶媒が蒸発して膜形状に影響を与える粘度の直前まで増粘する圧力に設定し、所定の圧力が、密閉された第1室において溶媒が蒸発した略飽和蒸気圧に所定の操作圧を加えた圧力に設定される。したがって、第1室において溶媒の蒸発が進み略飽和蒸気圧に到達すれば、液状体と蒸発した蒸気との系は、膜形状に影響を与える粘度まで増粘した状態で平衡状態に近づく。よって、溶媒の蒸発速度が、蒸発当初に比べて非常にゆっくりとした速度となるまで第1室が密閉された状態を維持することとなる。すなわち、蒸発速度を急激に変化させず、液状体の流動により膜形状に影響を与えない状態で減圧乾燥させることができる。また、平衡状態に近づくことによりワーク表面の溶媒の蒸気圧の分布をより均一化することができる。すなわち、乾燥後の膜形状がより平坦で、面内の膜厚ムラをより低減することができる減圧乾燥装置を提供することができる。
また、上記制御部は、連通弁を駆動して連通した第1室と第2室とに拡散した溶媒の蒸気を減圧手段によって排出させる前までの間に、非連通状態の第2室を所定の操作圧未満の圧力まで減圧手段によって減圧しておくことが好ましい。
この構成によれば、連通した第1室と第2室とに拡散した溶媒の蒸気を減圧手段によって排出させる前までの間に、非連通状態の第2室が所定の操作圧未満の圧力まで減圧手段によって減圧されるので、第1室内で蒸発した溶媒の蒸気をより圧力が低い第2室側に容易に拡散させて排出させることができる。
また、制御部は、連通した第1室と第2室を減圧手段によって減圧させる動作から第1室と第2室とに拡散した溶媒の蒸気を排出させる動作までの制御動作を繰り返し行わせることが好ましい。
ワークに塗布される液状体の量およびこれに含まれる溶媒の量は、ワークに形成しようとする膜の形状(膜厚、面積、密度)により様々である。これによれば、制御部は、制御動作を繰り返し行わせることが可能なので、塗布された液状体の量やその溶媒の量に対応して制御動作を繰り返し、確実に減圧乾燥させることができる減圧乾燥装置を提供することができる。また、減圧乾燥を行う制御動作を繰り返す場合は、溶媒の蒸気を第1室から第2室に拡散させた後に、第1室を再び密閉してから減圧手段により拡散した蒸気を排出するのが望ましい。これによれば、再び第1室を密閉することにより、液状体の表面付近に残留する溶媒の蒸気圧の変動を抑えて、液状体の挙動に減圧手段の排気が影響することを低減することができる。
また、少なくとも第2室の減圧状態を計測可能な圧力計をさらに有し、制御部は、連通弁を駆動させて第1室を密閉した後に、減圧手段を駆動させ圧力計の検出圧力が所定の操作圧になるまで非連通状態の第2室を減圧してから、連通弁を駆動させ連通部を開放して第1室と第2室とを連通させ、第1室と第2室とに拡散した溶媒の蒸気を減圧手段によって排出させる制御動作を行うとしてもよい。
液状体の種類によって、溶媒の蒸気圧が高い場合、液状体が塗布されたワークをチャンバー内に密閉して減圧をすれば、所定の操作圧に到達する前に相当量の溶媒が蒸発してしまい、この減圧過程における液状体の流動を制御することは非常に困難となる。この構成によれば、制御部は、第1室を密閉した後に、減圧手段を駆動させ圧力計の検出圧力が所定の操作圧となるまで第2室を減圧する。その後に、連通弁を駆動させ連通部を開放して第1室と第2室とを連通させる。したがって、ほぼ大気圧下で溶媒の蒸発が起こらない状態にワークが密閉された第1室を、少なくとも所定の操作圧に達した第2室と連通させることにより、急激に減圧下に置くことができる。すなわち、減圧過程で生じる液状体の流動等の挙動を低減して、速やかに減圧乾燥することができる減圧乾燥装置を提供することができる。
また、上記所定の操作圧が、液状体の溶媒の蒸気圧よりも高い値に設定されていることを特徴とする。減圧下における液状体からの溶媒の蒸発は、減圧が溶媒の蒸気圧に相当する圧力にならなくても、高い運動エネルギーを有する溶媒分子から蒸発が始まる。これによれば、所定の操作圧は、液状体の溶媒の蒸気圧よりも高い値に設定されているため、溶媒が急激に蒸発して突沸することがなく、突沸による液状体の流動を抑制しながら溶媒の蒸発を促すことができる。
また、上記第2室の容積が上記第1室の容積よりも大きくなるように設定されていることが好ましい。これによれば、第2室の容積は、第1室の容積よりも大きいので、溶媒の蒸発によって圧力が上昇した第1室と第2室とを連通させれば、第1室に収容されたワークの液状体から蒸発する溶媒の蒸気を、容易に第2室側に拡散させることができる。
また、少なくとも第1室に外部から不活性ガスを導入可能な導入弁をさらに有し、制御部は、少なくとも第1室に拡散した溶媒の蒸気を排出させる際に、導入弁を駆動して不活性ガスを導入させることを特徴とする。
この構成によれば、制御部は、少なくとも第1室に拡散した溶媒の蒸気を排出させる際に、導入弁を駆動して不活性ガスを導入させるため、速やかに溶媒の蒸気を排出することができる。また、第1室が第2室と連通している場合には、第1室が所定の操作圧よりも圧力が低下して、ワークの表面付近に残留する溶媒の蒸気圧が変動することを低減することができる。すなわち、溶媒の蒸気圧の分布がより均一な状態で減圧乾燥を行うことができる減圧乾燥装置を提供することができる。
また、導入された不活性ガスがワーク側から連通部の方向に流れるときに流れを整流する整流板が第1室に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、ワークが収容される第1室には、整流板が設けられているため、溶媒の蒸気が不活性ガスによって排出される際に、不活性ガスの流動方向がワーク側から連通部に向かう方向に整流され、ムラなく排出することができる。
また、上記第1室と上記第2室との容積比を可変する可変手段をさらに備えることが好ましい。これによれば、溶媒の蒸発量がワークに塗布された液状体によって異なっても、可変手段により第1室と第2室との容積比を蒸発量に対応して可変することにより、第2室側に確実に溶媒の蒸気を拡散させることができる。
また、上記チャンバーは、チャンバーの内部を第1室と第2室とに仕切る隔壁部を有し、可変手段は、隔壁部を移動させて第1室と第2室との容積比を変える移動手段であるとしてもよい。また、上記第2室は、互いを連通可能な連通弁を備えた複数の室を有し、可変手段は、第2室を構成する複数の室を連通させる連通弁と該連通弁を駆動させて互いに連通する室の数を変える制御部とであるとしてもよい。
本発明の実施形態は、液晶表示装置の液晶表示パネルを構成する一対の基板の画素電極を覆う配向膜の形成工程で用いられる減圧乾燥装置を例に説明する。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の減圧乾燥装置の構造を示す概略図である。詳しくは、同図(a)は装置の側面側から内部を透視した概略図、同図(b)は装置の上面側から内部を透視した概略図である。図1(a)に示すように、本実施形態の減圧乾燥装置10は、膜形成材料としての配向膜形成材料を含む液状体Lが塗布されたワークとしての基板Wをチャンバー3内に収容し、液状体Lの溶媒を減圧下で蒸発させて乾燥させる装置である。
チャンバー3は、図面上で上部側の第1室1と下部側の第2室2とを有し、第2室2の容積が第1室1の容積に比べて大きくなるようにチャンバー3内を仕切る隔壁部18を備えている。隔壁部18の第1室1側には、基板Wを載置する載置台11とこれに所定の距離を置いて対向するように配置された整流板15とが設けられている。整流板15には、載置される基板Wの領域に対応する範囲で気体を通過させる通気孔15aが複数設けられている。
第1室1の上部中央付近には、接続孔17が設けられており、第1室1に不活性ガスである窒素(N2)ガスを導入可能な配管14の一方が接続されている。配管14の他方は、導入弁としてのN2バルブ9を介してN2ガス供給源(図示省略)に接続されている。また、第1室1の側壁面には、第1室1内の減圧状態を計測可能な圧力計としての真空計4が設けられている。真空計4は、後述する制御部20(図2参照)に電気的に接続され、検出結果としての圧力値を出力する。
第2室2の下部(底面)中央付近には、接続孔16が設けられており、配管13の一方が接続されている。配管13の他方は、真空バルブ7を介して第2室2を減圧可能な減圧手段としての真空ポンプ6に接続されている。真空ポンプ6は、例えばドライポンプ、ターボ分子ポンプを用いている。また、これらのポンプを目標の減圧状態とする操作圧の設定が可能となるように組み合わせて用いてもよい。第2室2の側壁面には、第2室2内の減圧状態を計測可能な圧力計としての真空計5が設けられている。真空計5および真空ポンプ6も同様に後述する制御部20(図2参照)に電気的に接続され、制御部20は、真空計5の出力(圧力値)を検出して、真空ポンプ6の排気速度を制御可能となっている。
図1(a)および(b)に示すように、隔壁部18には、チャンバー3の第1室1と第2室2とが連通する連通部としての連通口19が、載置台11の辺部に沿って4箇所設けられている。4つの連通口19が開口している部分には、チャンバー3の外壁部に取り付けられた4つのモータ12に回転軸8aが繋がれた4つの連通弁8がそれぞれ設けられている。連通弁8は、モータ12が駆動され回転軸8aが回転することにより、回転軸8aに取り付けられた弁8bが連通口19を開閉する。連通弁8が連通口19を閉じれば、第1室1と第2室2とが互いに密閉される。4つのモータ12は、それぞれ制御部20(図2参照)に電気的に接続されており、制御部20は、4つのモータ12をそれぞれ独立駆動して、連通弁8の開閉状態を制御する。
減圧乾燥装置10は、扉(図示省略)を閉めてチャンバー3内を密閉した状態で、連通弁8を開いて、真空ポンプ6を駆動して、第1室1と第2室2とを減圧することが可能である。また、連通弁8を閉じて連通口19を塞ぎ、真空ポンプ6を駆動させれば、第2室2のみを減圧することが可能である。
図2は、減圧乾燥装置の電気的あるいは機械的構成を示すブロック図である。図2に示すように、減圧乾燥装置10は、CPUを有する演算部21と時間を計測するタイマ22と減圧乾燥プロファイルなどの減圧乾燥条件のデータが記憶される記憶部23とを備えた制御部20を有している。制御部20には、2つの真空計4,5が電気的に接続され、第1室1、第2室2のそれぞれの減圧状態を検出可能となっている。また、真空ポンプ6が電気的に接続され、駆動や排気速度などが制御される。4つのモータ12が電気的に接続され、モータ12の駆動を制御することにより、連通弁8の開閉状態が制御される。真空バルブ7およびN2バルブ9は、いずれも電磁バルブが用いられており、これらも電気的に制御部20に接続されて開閉が制御される。さらに、キーボードや記録媒体との間でデータを授受可能な記録媒体のドライブ装置などを有する入力部24と表示部25が電気的に接続されている。入力部24からは、減圧乾燥プロファイルなどの減圧乾燥条件を入力して記憶部23に記憶させることができる。表示部25は、入力された各種データの表示や真空計4,5が検出した第1室1と第2室2の圧力値ならびに減圧乾燥装置10の稼動状態、例えば装置のON−OFF、各種バルブの開閉、タイマが計測した減圧乾燥ステップに対応する経過時間などを表示することができる。演算部21は、記憶部23に記憶された減圧乾燥プロファイルなどに含まれるデータと、真空計4,5の出力(圧力値)とに基づいて溶媒の蒸発量などを演算することができる。また、減圧乾燥プロファイルなどに含まれる制御動作としての減圧乾燥動作の設定された回数を読み取って、減圧乾燥動作を行わせることができる。
次に、減圧乾燥プロファイルを基に、減圧乾燥装置10の動作について説明する。図3は、減圧乾燥装置の減圧乾燥プロファイルを示すグラフである。詳しくは、同図(a)は蒸発量制御型、同図(b)は形状制御型、同図(c)は急速乾燥型の減圧乾燥プロファイルを示すグラフである。また、縦軸の圧力Pの値は、対数値である。
各減圧乾燥プロファイルの説明をする前に、配向膜形成材料を含む液状体Lについて説明しておく。液晶表示装置の液晶表示パネルは、画素を有する一対の基板と、一対の基板により挟持された電気光学材料としての液晶を有している。液晶を構成する液晶分子は、分子の方向により電気的なモーメントを有している。いわゆる電界効果型の液晶表示パネルにおいては、対向する画素間に電界が与えられていないときの液晶分子の配列方向を電界方向に向けることにより、液晶表示パネルに入射する光(偏光)を制御して表示を行うことができる。
この場合、液晶側に面した基板表面に、例えばポリイミド等の有機薄膜からなる配向膜を形成する。そして、配向膜表面を一定方向にラビング(擦る)することにより、膜表面に微細な凹凸を形成することによって、電界が与えられていないときに、液晶分子がこの凹凸に沿って一定の方向に配列するように制御する。本実施形態では、配向膜形成材料としてのポリイミド樹脂が溶媒に溶解した液状体Lを用いている。溶媒は、複数の有機溶剤が所定の割合で混合されたものであり、例えば、γ―ブチロラクトン、エチレングリコールモノブチルエーテル等が用いられている。したがって、液状体Lは多元系液状体であり、有機溶剤の種類によって、沸点や蒸気圧等の物性が異なっている。γ−ブチロラクトンの沸点は204℃、蒸気圧(20℃)は200Paである。また、エチレングリコールモノブチルエーテルの沸点は170℃、蒸気圧(20℃)は80Paである。
このような液状体Lが塗布された基板Wを減圧下で溶媒を蒸発させて乾燥させ配向膜を形成する場合、乾燥後の配向膜表面が平坦でなく膜厚がばらついていると、一対の基板によって挟持される液晶層の厚み、いわゆるギャップが不均一となり色ムラや配向ムラが生じる。また、ポリイミド樹脂自体は絶縁材料であり、基板表面に電気的な容量成分が形成されるため、膜厚がばらついていると容量成分が変化し、液晶層に加わる駆動電圧が変動してクロストークなどの表示ムラとなる。よって、乾燥後の配向膜表面が平担で且つほぼ一定の膜厚となるように乾燥することが望ましい。ゆえに、溶質と溶媒の成分の種類、各成分の配合割合等によって先に述べた液状体Lのレオロジー特性が変化するため、これに対応した減圧乾燥プロファイルが必要となる。また、異なる条件の減圧乾燥プロファイルに対応可能な減圧乾燥装置が求められる。以下、減圧乾燥プロファイルに応じた減圧乾燥装置10の動作について説明する。
(蒸発量制御型の減圧乾燥プロファイル)
図3(a)に示すように、蒸発量制御型の減圧乾燥プロファイルでは、第1室1の載置台11に液状体Lが塗布された基板Wを載置し、扉を閉めてチャンバー3内に収容する。制御部20は、まずN2バルブ9が閉じていることを確認し、閉じていればモータ12を駆動して4つの連通弁8を開け、連通口19によって第1室1と第2室2とを連通させた状態とする。
次に真空バルブ7を開けて真空ポンプ6を駆動し減圧を開始する(時刻t0)。第1室1の圧力P1と第2室2の圧力P2が所定の操作圧Psに到達した時刻t1に、モータ12を駆動して4つの連通弁8を閉める。これにより、連通口19が閉じられて基板Wが収容された第1室1が密閉される。また、制御部20は、第2室2が操作圧Psよりも低い目標圧まで減圧されたところで真空バルブ7を閉じる。密閉された第1室1の圧力P1は、液状体Lの溶媒の蒸発が進むことにより、グラフの鎖線で示すように操作圧Psから上昇してゆく。圧力P1の値を真空計4によって計測すれば、操作圧Psとの圧力差ΔPが求められる。圧力差ΔPは、溶媒の蒸発量(図中の斜線部)に依存するので、温度が一定の条件下において、蒸発した溶媒蒸気を理想気体と仮定すれば、気体の状態方程式(PV=nRT)に当てはめて蒸発量(分子量)を求めることができる。基板Wに塗布された液状体の量および溶媒の含有率は既知であるので、塗布した液状体を乾燥させるために必要な溶媒の蒸発量は計算で求められる。よって、少なくとも1回の減圧乾燥動作により、密閉された第1室1内で液状体Lからどの程度の溶媒を蒸発させるか、あらかじめ所定量の溶媒の蒸発量に相当するΔPを設定しておけば、蒸発量を制御して減圧乾燥させることが可能となる。尚、この場合の溶媒の所定量は、液状体Lに含まれる溶媒の全量を減圧回数で除した一定量としたが、減圧乾燥の繰り返しのステップにおいて、適宜変更してもよい。
この蒸発量を求める算出方法をあらかじめプログラムとして入力部24から入力して記憶部23に記憶させる。演算部21は、記憶部23に記憶されたプログラムを実行して、圧力P1の推移に連動して溶媒の蒸発量を表示部25に表示する。
次に圧力P1(または圧力差ΔP)が所定の値に達したとき、すなわち一定量の溶媒が密閉された第1室1において蒸発した蒸気圧が所定の値に達した時刻t2に、制御部20は、モータ12を駆動して連通弁8を開ける。また、ほぼ同時にN2バルブ9を開けてN2ガスを第1室1に導入する。導入されたN2ガスは、整流板15に設けられた通気孔15aを通過して基板Wの上部から連通口19に向かって流れて行く。よって液状体Lから蒸発した溶媒の蒸気は、N2ガスの気流に沿って第2室2側に向かう。またほぼ同時に制御部20は、真空バルブ7を開き真空ポンプ6を駆動して排気を行う。このとき、N2ガスの流量に対応して真空ポンプ6の排気速度を低下させるように制御する。第1室1と第2室2とが連通した状態で、N2ガスが導入されることにより、第1室1および第2室2の減圧状態が解除されチャンバー3内の圧力が上昇し所定の圧力(Ps+ΔP)よりも高くなるので、液状体Lの溶媒の蒸発が抑制される。
尚、溶媒の蒸気を排出させる方法として不活性ガスとしてのN2ガスを導入しなくてもよい。本実施形態のチャンバー3において、第2室2の容積は、第1室1の容積よりも大きくなるように設定されている。密閉された第1室1内では、液状体Lから溶媒が蒸発して圧力P1は、第2室2の圧力P2よりも高くなるため、連通弁8を開けて第1室1と第2室2とを連通させたときに圧力P1が操作圧Psよりも低くならない限り、容積が大きく圧力が小さい第2室2側に蒸発した溶媒の蒸気を拡散させて排出させることができる。さらには、第2室2側に溶媒の蒸気が拡散して圧力P1=圧力P2となったところで、第1室1を密閉してから排気するようにしてもよい。このようにすれば、真空ポンプ6による排気の影響を小さくして、液状体Lの溶媒の蒸発を抑制し、蒸気圧が均一な状態を維持することができる。
次にチャンバー3内の圧力が上昇してほぼ大気圧となった時刻t3に、制御部20は、N2バルブ9を閉じる。そして再び真空ポンプ6の排気速度を上昇させ、第1室1と第2室2とが連通したチャンバー3内を所定の操作圧Psとなるように減圧する。以降は、前述した動作と同様であり、操作圧Psに到達した時刻t4に連通弁8を閉じて第1室1を密閉し、圧力P1が所定の圧力(Ps+ΔP)に達した時刻t5に、N2ガスを導入して蒸発した溶媒の蒸気を排出する減圧乾燥動作を行う。したがって、制御部20は、時刻t0〜時刻t3の間の減圧乾燥動作を1サイクルとして、液状体Lの溶媒の蒸発が終了するまで繰り返して行う。溶媒の蒸発が進めば、当然のことながら密閉された第1室1の圧力P1が所定の圧力(Ps+ΔP)に到達するまでの時間が長くなる。よって、乾燥の終了時期を見極めることが可能である。
また、密閉された第1室1の圧力P1が所定の圧力(Ps+ΔP)に到達するまでの時間が長くなるということは、溶媒の蒸発速度が低下することが考えられ、より確実に溶媒を蒸発させるため、繰り返し行う減圧乾燥動作の過程で、操作圧Psの値を変更してもよい。例えば、繰り返し行う減圧乾燥動作において、前回よりもまたは段階的に操作圧Psを低下させた状態で、第1室1を密閉すれば、溶媒の蒸発速度が低下することを抑制することができる。すなわち、ほぼ一定速度あるいは蒸発速度を速めて蒸発を促すことが可能となる。または、前回よりもまたは段階的に操作圧Psを上昇させた状態で、第1室1を密閉すれば、先の減圧乾燥動作における蒸発速度に比べて、後の蒸発速度を低下させることができる。すなわち、蒸発速度を制御して蒸発を促すことが可能となる。よって、例えば、演算部21が算出した溶媒の積算蒸発量Nが溶媒量Mの90%以上95%未満なら、早期に95%以上となるように操作圧Psを前回よりも低下させて減圧を行うように、減圧乾燥プロファイルを設定変更してもよい。
また、減圧乾燥動作におけるΔPの値の設定方法は、次の通りである。演算部21は、ΔPの値から蒸発した溶媒の分子量を算出することが可能である。蒸発した溶媒の分子量が判れば、液状体Lに残留する溶媒の分子量が算出でき、これにより液状体Lの溶質と溶媒との比が減圧乾燥によってどのように変化するかを解析することができる。先に述べた液状体Lのレオロジー特性は、溶質と溶媒との比によっても変化する。したがって、乾燥過程における液状体Lの形状変化を極力抑えて乾燥させるために、ΔPの値を変えて減圧乾燥させる試験をあらかじめ実施し、試験乾燥後の膜(この場合は、配向膜)形状を観察すれば、断面形状が平担で面内の膜厚ばらつきが少なくなるΔPの所定の値を減圧乾燥動作のサイクルに応じて設定することが可能となる。
次に所定の操作圧Psについて説明する。溶媒の成分が単一な場合であっても、減圧下における液状体Lは、減圧値が溶媒の蒸気圧(20℃)に到達しなくても溶媒の蒸発が始まる。特に本実施形態のように多元系の液状体Lならば、溶媒の蒸発が始まる減圧値は、有機溶剤の種類や混合割合によって異なることが予見される。多元系の液状体Lにおいて、蒸発が始まる減圧値や蒸発量の変化を調べる方法としては、例えば、液状体Lの質量を測定可能な計量装置(例えば、電子天秤など)をチャンバー3に設置して、適量の液状体Lを計量する。そして、真空ポンプ6を駆動してチャンバー3内をほぼ一定の速度で減圧してゆけば、真空計5が検出した圧力Pと計量装置が検出した液状体Lの質量との関係を解明することができる。圧力Pが溶媒の蒸気圧の近傍では、溶媒が激しく蒸発して突沸する場合がある。突沸すれば、液状体Lの形状が大きく乱れて乾燥後の断面形状が平坦な膜を得られない。また、突沸は液状体Lが塗布された基板W表面の不特定の場所で発生するので、面内の膜厚もばらついてしまう。このような不具合を避けるために、本実施形態では、第1室1と第2室2とを所定の減圧状態とする操作圧Psの設定は、溶媒の蒸気圧よりも高い値であって、溶媒の蒸発が始まる値よりもやや低い値となっている。
以上のように減圧乾燥装置10は、上記操作圧Psに対して所定の圧力(Ps+ΔP)となった時刻t2に第1室1と第2室2を連通させて、溶媒の蒸気を排出させる減圧乾燥動作を繰り返すので、圧力差ΔPに対応する蒸気量、蒸発速度を制御して液状体Lの減圧乾燥を行うことが可能である。
(形状制御型の減圧乾燥プロファイル)
図3(b)に示すように、形状制御型の減圧乾燥プロファイルでは、第1室1の載置台11に液状体Lが塗布された基板Wを載置し、扉を閉めてチャンバー3内に略密閉状態に収容する。制御部20は、前述のプロファイルと同様にN2バルブ9が閉じているか確認し、閉じていればモータ12を駆動して4つの連通弁8を開け、連通口19によって第1室1と第2室2とを連通させた状態とする。
次に真空バルブ7を開けて真空ポンプ6を駆動し減圧を開始する(時刻t0)。第1室1の圧力P1と第2室2の圧力P2が所定の操作圧Psに到達した時刻t1に、モータ12を駆動して4つの連通弁8を閉める。これにより、連通口19が閉じられて基板Wが収容された第1室1が密閉される。また、制御部20は、第2室2が操作圧Psよりも低い目標圧まで減圧されたところで真空バルブ7を閉じる。この場合の所定の操作圧Psの設定は、液状体Lから大半の溶媒が蒸発して膜形状に影響を与える粘度の直前まで液状体Lが増粘する値に設定されている。
そして、密閉された第1室1の圧力P1が所定の圧力に到達する時刻t2まで放置する。この場合、所定の圧力は、密閉された第1室1の溶媒の飽和蒸気圧Psaに操作圧Psを加えた圧力に設定されている。溶剤の飽和蒸気圧Psaは、第1室1の体積が既知であるので計算によって求めることができる。これにより液状体Lは、飽和蒸気圧に到達するまで、蒸気の拡散によってのみ乾燥が進行するので、極めてゆっくりした乾燥状況が与えられる。また、密閉された第1室1内に溶媒の蒸気が徐々に充満して飽和状態となり、基板Wの面内の蒸気圧分布が均衡していわゆる平衡状態となる。よって、液状体Lが増粘して形状がほぼ固定し、面内の均一性が良好な状態とすることができる。この場合、圧力P1は、厳格に操作圧Ps+飽和蒸気圧Psaの値とならなくてもよい。略飽和蒸気圧ならば平衡状態にあると判断される。また、ΔPと飽和蒸気圧Psaとを比較してもよい。
次に制御部20は、モータ12を駆動して連通弁8を開ける。また、ほぼ同時にN2バルブ9を開けてN2ガスを第1室1に導入する。N2ガスの導入により、溶媒の蒸気(蒸発量は図中の斜線部に相当)を排出する。そして、N2ガスの流量に対応し且つ一気に液状体Lに残留する溶媒を抜き取るように真空ポンプ6の排気速度をさらに速めて積極排気を行う。液状体Lはほぼ形状が固定化しているので、このような積極排気を行っても形状に影響を及ぼさずに減圧乾燥することが可能である。
積極排気を時刻t3まで続けた後に、真空ポンプ6を停止して外気を導入しチャンバー3内をほぼ大気圧に戻して減圧乾燥動作を終了(時刻t4)させる。1回の減圧乾燥動作により減圧乾燥が終了することが望ましいが、基板Wに塗布される液状体Lの量は、塗布される面積によっても左右される。したがって、より確実に減圧乾燥させるために、時刻t0〜時刻t4までの動作を1サイクルとする減圧乾燥動作を繰り返し行ってもよい。
(急速乾燥型の減圧乾燥プロファイル)
図3(c)に示すように、急速乾燥型の減圧乾燥プロファイルでは、第1室1の載置台11に液状体Lが塗布された基板Wを載置し、扉を閉めてチャンバー3内に略密閉状態に収容する。制御部20は、まずN2バルブ9が閉じているか確認し、閉じていればモータ12を駆動して4つの連通弁8を閉じ、第1室1と第2室2とが連通しない状態とする。
次に真空バルブ7を開けて真空ポンプ6を駆動し減圧を開始する(時刻t0)。第2室2の圧力P2が所定の操作圧Psに到達した時刻t1に、モータ12を駆動して4つの連通弁8を開ける。これにより、密閉されていた第1室1が減圧下にある第2室2と連通する。第1室1の圧力P1は、ほぼ大気圧の状態から第2室2の圧力P2に向かって急速に減圧される。この間真空ポンプ6は引き続き駆動され、液状体Lから蒸発する溶媒の蒸気(蒸気量は図中の斜線部に相当)を排出する。この場合の所定の操作圧Psは、液状体Lの溶媒の蒸気圧よりも高い圧力となるように設定されている。したがって、急激な減圧による突沸が起こり難い値に設定されている。
このような急速乾燥型の減圧乾燥プロファイルは、他の減圧乾燥プロファイルを適用させる液状体Lの場合に比べて、溶媒の蒸気圧が比較的に高く、操作圧Psに到達するまでの減圧過程でかなりの溶媒が蒸発してしまうような場合に用いられる。第1室1中の液状体Lは、一気に所定の操作圧Psに低下した減圧下に置かれるので、溶媒を素早く蒸発させて液状体Lの形状が安定化する溶質と溶媒の比とすることで、一気に形状を固定化することが可能である。
このように減圧乾燥装置10は、図3(a)に示した溶媒の蒸気量あるいは蒸発速度を制御して液状体Lの乾燥を行わせる蒸気量制御型、同図(b)に示した液状体Lの形状を安定化させてから乾燥させる形状制御型、同図(c)に示した急速乾燥型の各減圧乾燥プロファイルに対応することが可能である。また、これらの減圧乾燥プロファイルを組み合わせた減圧乾燥を行うことも可能である。
上記実施形態1の効果は、以下の通りである。
(1)減圧乾燥装置10は、減圧乾燥させる液状体Lが塗布された基板Wを収容する第1室1と第2室2とを有するチャンバー3と、少なくとも第2室2を減圧可能な真空ポンプ6と、第1室1と第2室2とを連通させる連通口19を開閉する連通弁8とを備えている。また、真空ポンプ6の駆動と連通弁8の開閉を制御する制御部20を備えている。したがって、第1室1と第2室2とを連通させ真空ポンプ6を駆動して所定の操作圧Psとなるように減圧し、連通弁8を閉じて第1室1を密閉して、第1室1の圧力P1が所定の圧力となるまで液状体Lから溶媒を蒸発させた後に、連通弁8を開いて蒸気を排出し乾燥させる蒸気量制御型の減圧乾燥プロファイルを行わせることができる。これによれば、減圧手段により継続して排気が行われる減圧下で液状体Lの減圧乾燥を行う場合に比べて、真空ポンプ6の排気による気流の影響を低減すると共に、蒸発する溶媒の蒸気量や蒸発速度を制御して減圧乾燥を行うことができる。また、密閉された第1室1の圧力P1が操作圧Ps+飽和蒸気圧Psaとなるまで液状体Lから溶媒を蒸発させた後に、連通弁8を開いて蒸気を排出して乾燥させる形状制御型の減圧乾燥プロファイルを行わせることができる。これによれば、液状体Lの粘度が増粘して形状変化が起こり難くなる操作圧Psに到達してから飽和蒸気圧になるまでゆっくりと溶媒を蒸発させることができる。そして液状体Lの形状が固定化してから、第1室1と第2室2とを連通させ積極排気して残留する溶媒を蒸発させ乾燥させることができる。さらに、連通弁8を閉じて第1室1を密閉した状態で、第2室2を真空ポンプ6により所定の操作圧Psまで減圧し、連通弁8を開いて第1室1と第2室2とを連通させ、一気に液状体Lを減圧乾燥させる急速乾燥型の減圧乾燥プロファイルを行わせることができる。すなわち、液状体Lの溶質や溶媒の種類、あるいは配合状態などによって変化するレオロジー特性に適した各種の減圧乾燥プロファイルに対応可能な汎用性を有する減圧乾燥装置10を提供することができる。
(2)減圧乾燥装置10において、操作圧Psは、溶媒の蒸気圧よりも高い値に設定されているため、蒸発速度が著しく速い、あるいは急激に蒸発して突沸する現象を低減して、液状体Lの形状に影響を及ぼさないように減圧乾燥させることができる。
(3)減圧乾燥装置10において、制御部20は、制御動作としての減圧乾燥動作を繰り返して行わせることができるため、液状体Lの塗布量に応じて減圧乾燥動作を繰り返して、より確実に減圧乾燥させることができる。
(4)減圧乾燥装置10において、第2室2の容積は、第1室1の容積よりも大きくなるように設定されているため、溶媒の蒸発により圧力が上昇した第1室1内の蒸気を、第2室2と連通させることにより、第2室2側に拡散させて真空ポンプ6により排出させることができる。
(5)減圧乾燥装置10は、第1室1に外部から不活性ガスとしてのN2ガスを導入可能な導入弁としてのN2バルブ9を有し、制御部20は、第1室1の溶媒の蒸気を排出する際に、N2バルブ9を駆動してN2ガスを導入する。よって、速やかに蒸気を排出することができると共に、N2ガスを導入することによって、液状体Lに残留する溶媒が蒸発することを抑制し、基板Wの表面の蒸気圧分布をより均一な状態に維持することができる。すなわち、減圧乾燥後の面内の膜厚ばらつきをより少なくすることができる。また、密閉された第1室1において一定量の溶媒が蒸発した蒸気圧をΔPとすれば、溶媒の蒸気の排出時にN2ガスが導入され、溶媒の蒸発が抑制されるので、ΔPに相当する溶媒の蒸発量を管理して減圧乾燥することができる。
(6)減圧乾燥装置10において、第1室1には、基板Wを載置する載置台11とN2ガスが流入する接続孔17との間に、載置台11と対向するように複数の通気孔15aを有する整流板15が設けられている。したがって、流入したN2ガスは、整流板15で整流され、基板Wに塗布された液状体Lから蒸発する溶媒の蒸気を連通口19に向かう一定の方向の気流に沿って排出させることができる。よって、蒸気の排気ムラによる乾燥後の膜厚ムラを低減することができる。また、第1室1は第2室2の上方に設けられ、隔壁部18の第1室1側に載置台11が配設されている。したがって、第1室1の上方からN2ガスを導入すると基板Wを下方に圧するように気流が流れる。よって、N2ガスの導入により基板Wが浮いてしまうような不具合が低減される。
(実施形態2)
図4は、実施形態2の減圧乾燥装置の構造を示す概略図である。詳しくは、同図(a)は装置の側面側から内部を透視した概略図、同図(b)は装置の上面側から内部を透視した概略図である。
図4(a)に示すように、本実施形態の減圧乾燥装置30は、液状体Lが塗布された基板Wを収容する第1室31と第1室31を囲むように設けられた第2室32とを有するチャンバー33と、第2室32を減圧可能な状態に設けられた真空ポンプ36とを備えている。
第1室31は、チャンバー33の内部底面に箱状に設けられた隔壁部48によってチャンバー33内に仕切られている。第1室31の底面には、基板Wが載置される載置台41が設けられている。また、基板Wの大きさにほぼ対応するように開口した連通部としての連通口49が、載置台41と対向する隔壁部48の上面部に設けられ、第1室31を取り囲む第2室32と連通している。そして、複数(7つ)の連通弁38が連通口49を開閉可能な状態に並列して取り付けられている。連通口49と載置台41との間には、載置台41と所定の距離を置いて対向するように、連通口49の縁部から載置台41側に立設した支柱45aに支持された整流板45が設けられている。整流板45には、気体を通過させる通気孔45bが載置台41に載置される基板Wの領域に対応する範囲で複数設けられている。箱状の隔壁部48の側壁面には、接続孔47が設けられ、第1室31に不活性ガスである窒素(N2)ガスを導入可能な配管44の一方が接続されている。配管44の他方は、導入弁としてのN2バルブ39を介してN2ガス供給源(図示省略)に接続されている。また、第1室31の他方の側壁面には、第1室31内の減圧状態を計測可能な圧力計としての真空計34が設けられている。
第2室32の側壁面には、接続孔46が設けられており、配管43の一方が接続されている。配管43の他方は、真空バルブ37を介して真空ポンプ36に接続されている。また、第2室32の他方の側壁面には、第2室32内の減圧状態を計測可能な圧力計としての真空計35が設けられている。
図4(a)および(b)に示すように、7つの連通弁38は、回転軸38aに取り付けられた弁38bが互いにほぼ水平な位置に回転することにより、連通口49を塞ぎ第1室31を密閉状態とする。各回転軸38aは、チャンバー33の外壁部に設けられたモータ42にそれぞれ取り付けられている。
実施形態2の減圧乾燥装置30は、実施形態1の減圧乾燥装置10の基本的な構成と同じ構成を有している。よって、第2室32の容積は、密閉された第1室31の容積よりも大きくなるように設定されている。ただし、液状体Lから蒸発する溶媒の蒸気を排出する際には、基板Wの側方からN2ガスを導入する。そして、蒸気を含んだN2ガスが整流板45の通気孔45bを通過することにより整流され、開いた7つの連通弁38の間を通過して第2室32に流れて行き、接続孔46を通じて真空ポンプ36によって排出される仕組みとなっている点が異なる。すなわち、液状体Lから蒸発した溶媒の蒸気を基板Wの上方に向かって排出できる構造となっている。
したがって、減圧乾燥装置30の電気的あるいは機械的な構成は、図2のブロック図に示した実施形態1の減圧乾燥装置10と同じであり、対応する各構成要素の符号のみが異なったものである。ゆえに、減圧乾燥装置30は、図3(a)〜(c)に示した各減圧乾燥プロファイルに対応した減圧乾燥動作を行うことが可能である。
上記実施形態2の効果は、上記実施形態1の効果(1)〜(5)と同様な効果を有すると共に、以下の効果を有する。
(1)上記実施形態2の減圧乾燥装置30において、第1室31と第2室32とを繋ぐ連通口49は、液状体Lが塗布された基板Wが載置される載置台41と間隔をおいて対向するように隔壁部48の上面部に設けられている。したがって、液状体Lが塗布された領域のほぼ全面から蒸発する溶媒の蒸気をスムーズに第2室32側に拡散させて排出することができる減圧乾燥装置30を提供することができる。
(実施形態3)
図5は、実施形態3の減圧乾燥装置の構造を示す概略図である。詳しくは、装置の側面側から内部を透視したときの構造を示す概略図である。
図5に示すように、本実施形態の減圧乾燥装置50は、液状体Lが塗布された基板Wを収容する第1室51と第2室52とを有するチャンバー53と、第2室52を減圧可能な状態に設けられた真空ポンプ56と、チャンバー53内を第1室51と第2室52とに仕切ると共にチャンバー53の内壁に沿って移動可能な隔壁部68とを備えている。また、第1室51の減圧状態を計測する真空計54と、第2室52の減圧状態を計測する真空計55とを備えている。
第1室51の内部底面には、基板Wを載置する載置台61が設けられている。また、第1室51の側壁部には、接続孔67が設けられており、第1室51に不活性ガスである窒素(N2)ガスを導入可能な配管64の一方が接続されている。配管64の他方は、導入弁としてのN2バルブ59を介してN2ガス供給源(図示省略)に接続されている。
第2室52の側壁部には、接続孔66が設けられており、配管63の一方が接続されている。配管63の他方は、真空バルブ57を介して真空ポンプ56に接続されている。
チャンバー53の内壁部には、ほぼ中央付近に上下一対のレール60が設けられている。それぞれのレール60にはスライド部62を有し、上下一対のスライド部62の間に隔壁部68が支持されている。下側のスライド部62は、下側のレール60と平行するボールネジ65aと係合しており、ボールネジ65aは、チャンバー53の外壁に取り付けられたモータ65によって回転する。これにより、モータ65を駆動してボールネジ65aを回転させれば、これに係合するスライド部62を移動させることができる。すなわち、一対のスライド部62によって支持された隔壁部68を移動させることができる。この場合、第1室51を隔壁部68によって密閉できるように、一対のスライド部62は、気密性を有する必要がある。気密性を持たせる方法としては、例えば、気体透過性を有しない樹脂等からなる幕を第1室51の内壁部とスライド部62とに密着させて、スライド部62の移動に対応して伸縮できるように設ける方法が挙げられる。
隔壁部68のほぼ中央部には、連通弁としてのコンダクタンスバルブ58が設けられている。コンダクタンスバルブ58としては、例えば、株式会社フジ・テクノロジー社製の「マルチポジション バタフライバルブ MBV−MPシリーズ」のコンダクタンス可変バルブを用いる。このコンダクタンス可変バルブは、バルブ内の連通部69にバタフライバルブが設けられている。バタフライバルブは、サーボモータで駆動され連通部69を開閉すると共に、開度を自在に可変することができる。
実施形態3の減圧乾燥装置50は、実施形態1の減圧乾燥装置10の基本的な構成と同じ構成を有している。ただし、第1室51の容積は、隔壁部68を移動させれば、可変することが可能である。この場合、第2室52の容積が第1室51の容積よりも大きくなる範囲で可変が可能となっている。
図6は、実施形態3の減圧乾燥装置の電気的あるいは機械的な構成を示すブロック図である。図6に示すように、減圧乾燥装置50は、CPUを有する演算部71と時間を計測するタイマ72と減圧乾燥プロファイルなどの減圧乾燥条件のデータが記憶される記憶部73とを備えた制御部70を有している。制御部70には、2つの真空計54,55が電気的に接続され、第1室51、第2室52のそれぞれの減圧状態を圧力値として検出可能となっている。また、真空ポンプ56、コンダクタンスバルブ58が電気的に接続され、それぞれの駆動が制御される。真空バルブ57およびN2バルブ59は、いずれも電磁バルブが用いられており、これらも電気的に制御部70に接続されて開閉が制御される。また、移動手段としてのモータ65が電気的に接続されており、制御部70は、モータ65を駆動させて隔壁部68を移動させることができる。さらに、キーボード(や記録媒体との間でデータを授受可能な記録媒体のドライブ装置など)を有する入力部74と表示部75が電気的に接続されている。入力部74からは、減圧乾燥プロファイルなどの減圧乾燥条件を入力して記憶部73に記憶させることができる。表示部75は、入力された各種データの表示や真空計54,55が検出した第1室51と第2室52の圧力値ならびに減圧乾燥装置50の稼動状態を表示することができる。演算部71は、記憶部73に記憶された減圧乾燥プロファイルなどに含まれるデータと、真空計54,55が検出する圧力値とに基づいて溶媒の蒸発量などを演算することができる。また、減圧乾燥プロファイルなどに含まれる制御動作としての減圧乾燥動作の設定された回数を読み取って、減圧乾燥動作を行わせることができる。
このように減圧乾燥装置50の電気的あるいは機械的な構成は、図2のブロック図に示した実施形態1の減圧乾燥装置10の構成要素に、モータ65を加え、連通弁8を駆動するモータ12をコンダクタンスバルブ58に置き換えたものである。ゆえに、減圧乾燥装置50は、図3(a)〜(c)に示した各減圧乾燥プロファイルに対応した減圧乾燥動作を行うことが可能である。特に、図3(b)の形状制御型の減圧乾燥プロファイルにおいて、制御部70は、コンダクタンスバルブ58を開いて第1室51と第2室52とを連通させた状態で、真空バルブ57を開き、真空ポンプ56を駆動してチャンバー53内の圧力を所定の操作圧Psとする。続いてコンダクタンスバルブ58を閉じて第1室51を密閉する(時刻t1)。密閉された第1室51の圧力P1が操作圧Ps+飽和蒸気圧Psaとなる時刻t2まで放置する。飽和状態における溶媒の蒸発量は、蒸気圧と第1室51の容積によって決まる。したがって、塗布された液状体Lの量に応じて、あらかじめ隔壁部68を移動させて第1室51の容積を調整することが可能となる。あるいは一旦飽和状態となったときに隔壁部68を第1室51の容積が大きくなるように移動させて、さらに液状体Lに残留する溶媒を引き出すように調整することが可能となる。
上記実施形態3の効果は、上記実施形態1の効果(1)〜(5)と同様な効果を有すると共に、以下の効果を有する。
(1)上記実施形態3の減圧乾燥装置50において、チャンバー53内を第1室51と第2室52とに仕切る隔壁部68は、移動手段としてのモータ65を備えているため、気密性を保ったまま第1室51の容積を可変させることができる。すなわち、塗布された液状体Lの量に応じて、第1室51の容積を調整することにより、特に、形状制御型の減圧乾燥プロファイルにおいて、密閉された第1室51を溶媒の大部分が蒸発したより適切な飽和状態とすることができる減圧乾燥装置50を提供することができる。
(実施形態4)
図7は、実施形態4の減圧乾燥装置の構造を示す概略図である。詳しくは、装置の側面側から内部を透視したときの構造を示す概略図である。
図7に示すように、本実施形態の減圧乾燥装置80は、液状体Lが塗布された基板Wを収容する第1室81と複数(3つ)の室82a,82b,82cを有する第2室82とからなるチャンバー83と、第2室82の各室82a,82b,82cを減圧可能な状態に設けられた真空ポンプ86と、チャンバー83内を第1室81と複数の室82a,82b,82cとに仕切る3つの隔壁部98a,98b,98cとを備えている。また、第1室81の減圧状態を計測する真空計84と、各室82a,82b,82cの減圧状態を計測する3つの真空計85a,85b,85cとを備えている。
第1室81の内部底面には、基板Wを載置する載置台91が設けられている。また、第1室81の側壁部には、接続孔97が設けられており、第1室81に不活性ガスである窒素(N2)ガスを導入可能な配管94の一方が接続されている。配管94の他方は、導入弁としてのN2バルブ89を介してN2ガス供給源(図示省略)に接続されている。
第2室82の各室82a,82b,82cの底面部には、それぞれ接続孔96a,96b,96cが設けられており、配管93が3つに分岐した部分が接続されている。配管93の他方は、分岐した部分に設けられた各真空バルブ87a,87b,87cを介して真空ポンプ86に接続されている。
各隔壁部98a,98b,98cのほぼ中央部には、実施形態3と同様なコンダクタンスを可変可能な連通弁としてのコンダクタンスバルブ88a,88b,88cがそれぞれ設けられている。各コンダクタンスバルブ88a,88b,88cをすべて開ければ、各連通部99a,99b,99cをすべて連通させた状態として第1室81と第2室82とを連通させることが可能である。また、コンダクタンスバルブ88b,88cのいずれかを閉じれば、第1室81と連通する第2室82の容積を変えることが可能である。この場合、コンダクタンスバルブ88aとコンダクタンスバルブ88cを閉じて、コンダクタンスバルブ88bを開けた状態では、第2室82の容積は、第1室81の容積と比べて大きくなるように設定されている。
図8は、実施形態4の減圧乾燥装置の電気的あるいは機械的な構成を示すブロック図である。図8に示すように、減圧乾燥装置80は、CPUを有する演算部101と時間を計測するタイマ102と減圧乾燥プロファイルなどの減圧乾燥条件のデータが記憶される記憶部103とを備えた制御部100を有している。制御部100には、4つの真空計84,85a,85b,85cが電気的に接続され、第1室81、第2室82の各室82a,82b,82cのそれぞれの減圧状態を圧力値として検出可能となっている。また、真空ポンプ86が電気的に接続され駆動が制御される。3つのコンダクタンスバルブ88a,88b,88cが電気的に接続され、これを駆動して第1室81に連通する複数の室82a,82b,82cの数が制御される。3つの真空バルブ87a,87b,87cおよびN2バルブ89は、いずれも電磁バルブが用いられており、これらも電気的に制御部100に接続されて開閉が制御される。さらに、キーボード(や記録媒体との間でデータを授受可能な記録媒体のドライブ装置など)を有する入力部104と表示部105が電気的に接続されている。入力部104からは、減圧乾燥プロファイルなどの減圧乾燥条件を入力して記憶部103に記憶させることができる。表示部105は、入力された各種データの表示や各真空計84,85a,85b,85cが検出した第1室81と各室82a,82b,82cの圧力値ならびに減圧乾燥装置80の稼動状態を表示することができる。演算部101は、記憶部103に記憶された減圧乾燥プロファイルなどに含まれるデータと、各真空計84,85a,85b,85cが検出する圧力値とに基づいて溶媒の蒸発量などを演算することができる。また、減圧乾燥プロファイルなどに含まれる制御動作としての減圧乾燥動作の設定された回数を読み取って、減圧乾燥動作を行わせることができる。
このように減圧乾燥装置80の電気的あるいは機械的な構成は、図2のブロック図に示した実施形態1の減圧乾燥装置10の構成要素に、増加した真空計や真空バルブを加え、連通弁8を駆動するモータ12を各コンダクタンスバルブ88a,88b,88cに置き換えたものである。ゆえに、減圧乾燥装置80は、図3(a)〜(c)に示した各減圧乾燥プロファイルに対応した減圧乾燥動作を行うことが可能である。特に、図3(a)の蒸気量制御型の減圧乾燥プロファイルにおいて、制御部100は、コンダクタンスバルブ88a,88bを開けて第1室81と2つの室82a,82bとを連通させた状態で、真空バルブ87a,87bを開き、真空ポンプ86を駆動して所定の操作圧Psとなるように減圧する。少なくとも第1室81が操作圧Psに到達した時刻t1にコンダクタンスバルブ88aを閉じて第1室81を密閉する。第1室81内の液状体Lの溶媒が蒸発して圧力P1が上昇し、所定の圧力差ΔPが生じた時刻t2で、N2バルブ89を開いてN2ガスを第1室81に導入すると共に、コンダクタンスバルブ88aを開いて第1室81と各室82a,82bとを連通させる。これにより、溶媒の蒸気を含んだN2ガスは、各室82a,82bに拡散すると共に真空ポンプ86によって排出される。以降、N2ガスが導入されることにより第1室81と各室82a,82bの圧力が上昇して開始時の圧力に近くなる時刻t3までの減圧乾燥動作を繰り返す。先にも述べたように、減圧乾燥動作を繰り返すことにより、液状体Lからの溶媒の蒸発速度が低下する。すなわち単位時間当たりの蒸発量が低下することが考えられる。本実施形態の減圧乾燥装置80を用いれば、減圧乾燥動作の繰り返しの過程において、溶媒の蒸発量の減少に対応して、第2室82側の容積が小さくなるように、例えば、制御部100が真空バルブ87bとコンダクタンスバルブ88bを閉じれば、真空ポンプ86の排気速度を一定としても、蒸発した溶媒の蒸気をより速やかに排出することが可能である。また、減圧乾燥動作が1回終了した後に、再び所定の操作圧Psとする減圧過程に要する時間を短縮することが可能となる。ゆえに、より効率的に液状体Lの減圧乾燥を行うことが可能となる。
上記実施形態4の効果は、上記実施形態1の効果(1)〜(5)の効果を有すると共に、以下の効果を有する。
(1)上記実施形態4の減圧乾燥装置80において、第2室82は、複数(3つ)の室82a,82b,82cを有すると共に、複数の室82a,82b,82cは、それぞれコンダクタンスバルブ88a,88b,88cを有する隔壁部98a,98b,98cによって仕切られている。したがって、コンダクタンスバルブ88a,88b,88cを開閉すれば、溶媒が蒸発している第1第81と連通させる第2室82の容積を変えることができる。すなわち、特に、蒸気量制御型の減圧乾燥プロファイルにおいて、第1室81内の蒸発量に応じて、第2室82の容積を変えることにより、真空ポンプ86の排気速度が一定の場合、蒸発した溶媒の蒸気をより速やかに排出することができる。また、減圧乾燥動作が1回終了した後に、再び所定の操作圧Psとする減圧過程に要する時間を短縮することができる。ゆえに、より効率的に液状体Lの減圧乾燥を行うことが可能な減圧乾燥装置80を提供することができる。
上記各実施形態以外の変形例は、以下の通りである。
(変形例1)上記実施形態1の減圧乾燥装置10および上記実施形態2の減圧乾燥装置30において、第1室と第2室の構造は、これに限定されない。例えば、2つのチャンバーを備え、一方を第1室とし他方を第2室とする。そして、2つのチャンバーを繋ぐ連通部と連通部を開閉可能な開閉手段を設ける。これにより、図3(a)〜(c)に示した各減圧乾燥プロファイルに対応可能な減圧乾燥装置を提供することができる。
(変形例2)上記実施形態1の減圧乾燥装置10および上記実施形態2の減圧乾燥装置30において、第1室に設けられた整流板は、必ずしも必要としない。連通弁8,38は、バタフライ状の弁8b,38bを有しており、モータ12,42を駆動して回転軸8a,38aを所定の角度で回転させれば、弁8b,38bによって整流機能を持たせることが可能である。
(変形例3)上記実施形態1の減圧乾燥装置10および上記実施形態2の減圧乾燥装置30において、連通口19,49およびこれを開閉する連通弁8,38の構造は、これに限定されない。実施形態3,4と同様にコンダクタンスバルブを用いてもよい。これによれば、第1室1,31の排気および蒸気排出速度をコンダクタンスバルブで可変することができる。すなわち、第1室1,31内に収容された基板Wにおいて、液状体Lから溶媒が蒸発する速度を抑制することが可能となる。
(変形例4)上記実施形態3の減圧乾燥装置50において、隔壁部68を移動させる移動手段は、これに限定されない。例えば、モータ65の替わりにエアシリンダ等のアクチュエータを用いて隔壁部68を移動させてもよい。また、チャンバー53を一つの略密閉されたシリンダ構造とし、隔壁部68をピストンとしてピストンに連接するコンロッドを駆動すれば、第1室51および第2室52の容積を可変することができる。
(変形例5)上記実施形態1〜4の各減圧乾燥装置10,30,50,80において、第1室1,31,51,81の構造は、これに限定されない。例えば、基板Wを載置する載置台11,41,61,91にヒータ等の加熱手段を設けてもよい。これによれば、減圧乾燥過程において、加熱手段により基板Wをムラ無く加熱して溶媒の蒸発を促すことにより、液状体Lの形状をよりすばやく固定化することが可能となる。
(変形例6)上記実施形態1〜4の各減圧乾燥装置10,30,50,80において、減圧乾燥される被乾燥物は、液状体Lが塗布された基板Wに限定されない。例えば、半導体ウェハやメガネレンズなどの外形形状が丸い物などを治具等で支持して収容してもよい。
(変形例7)上記実施形態1〜4の各減圧乾燥装置10,30,50,80を用いて減圧乾燥するワークとしての基板Wは、配向膜形成材料を含む液状体Lが塗布されたものに限定されない。例えば、カラーフィルタ用の色要素材料、有機EL等の発光材料、回路形成用の導電材料、電子放出素子形成材料などの機能膜形成材料を含む各種の液状体が塗布された基板Wの減圧乾燥にも適用することができる。
実施形態1の減圧乾燥装置の構造を示す概略図。 実施形態1の減圧乾燥装置の電気的あるいは機械的な構成を示すブロック図。 (a)〜(c)は、減圧乾燥装置の減圧乾燥プロファイルを示すグラフ。 実施形態2の減圧乾燥装置の構造を示す概略図。 実施形態3の減圧乾燥装置の構造を示す概略図。 実施形態3の減圧乾燥装置の電気的あるいは機械的な構成を示すブロック図。 実施形態4の減圧乾燥装置の構造を示す概略図。 実施形態4の減圧乾燥装置の電気的あるいは機械的な構成を示すブロック図。
符号の説明
1,31,51,81…第1室、2,32,52,82…第2室、3,33,53,83…チャンバー、4,5,34,35,54,55,84,85a,85b,85c…圧力計としての真空計、6,36,56,86…減圧手段としての真空ポンプ、8,38…連通弁、9,39,59,89…導入弁としてのN2バルブ、10,30,50,80…減圧乾燥装置、15,45…整流板、15b,45b…通気孔、19,49…連通部としての連通口、20,70,100…制御部、21,71,101…演算部、58,88a,88b,88c…連通弁としてのコンダクタンスバルブ、65…移動手段としてのモータ、69,99a,99b,99c…連通部、82a,82b,82c…室、L…液状体、W…ワークとしての基板。

Claims (13)

  1. 膜形成材料を含む液状体が塗布されたワークをチャンバー内に収容し、前記液状体の溶媒を減圧下で蒸発させて乾燥させる減圧乾燥装置であって、
    前記チャンバーは、前記ワークを収容可能な第1室と、前記第1室と連通部によって繋がれた第2室とを有し、
    少なくとも前記第2室を減圧可能な状態に設けられた減圧手段と、
    前記連通部を開閉可能な連通弁と、
    前記減圧手段を駆動させて少なくとも前記第2室の減圧状態を制御すると共に、前記連通弁を駆動させて前記連通部の開閉状態を制御する制御部と、
    前記第1室と前記第2室との容積比を可変する可変手段と、を備えたことを特徴とする減圧乾燥装置。
  2. 少なくとも前記第1室の減圧状態を計測可能な圧力計をさらに有し、
    前記制御部は、前記連通弁を駆動させて前記第1室と前記第2室とを連通させ、前記減圧手段を駆動させ前記圧力計の検出圧力が所定の操作圧になるまで前記第1室と前記第2室とを減圧した後に、前記連通弁を駆動させ前記連通部を閉鎖して前記第1室を密閉し、前記第1室が所定の圧力に上昇したことが前記圧力計により検出されたら、前記連通弁を駆動させ前記第1室と前記第2室とを連通させて、前記第1室と前記第2室とに拡散した前記溶媒の蒸気を前記減圧手段によって排出させる制御動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の減圧乾燥装置。
  3. 前記所定の圧力が、密閉された前記第1室において一定量の前記溶媒が蒸発した蒸気圧に所定の操作圧を加えた圧力であり、
    前記制御部は、前記所定の圧力以上の圧力の下で、前記第1室と前記第2室とに拡散した前記溶媒の蒸気を前記減圧手段によって排出させることを特徴とする請求項2に記載の減圧乾燥装置。
  4. 前記所定の操作圧は、前記液状体から前記溶媒が蒸発して膜形状に影響を与える粘度の直前まで増粘する圧力に設定されており、
    前記所定の圧力が、密閉された前記第1室において前記溶媒が蒸発した略飽和蒸気圧に前記所定の操作圧を加えた圧力であることを特徴とする請求項2に記載の減圧乾燥装置。
  5. 前記制御部は、前記連通弁を駆動して連通した前記第1室と前記第2室とに拡散した前記溶媒の蒸気を前記減圧手段によって排出させる前までの間に、非連通状態の前記第2室を前記所定の操作圧未満の圧力まで前記減圧手段によって減圧しておくことを特徴とする請求項2ないし4のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  6. 前記制御部は、連通した前記第1室と前記第2室を前記減圧手段によって減圧させる動作から前記第1室と前記第2室とに拡散した前記溶媒の蒸気を排出させる動作までの前記制御動作を繰り返し行わせることを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  7. 少なくとも前記第2室の減圧状態を計測可能な圧力計をさらに有し、
    前記制御部は、前記連通弁を駆動させて前記第1室を密閉した後に、前記減圧手段を駆動させ前記圧力計の検出圧力が所定の操作圧になるまで非連通状態の前記第2室を減圧してから、前記連通弁を駆動させ前記連通部を開放して前記第1室と前記第2室とを連通させ、前記第1室と前記第2室とに拡散した前記溶媒の蒸気を前記減圧手段によって排出させる制御動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の減圧乾燥装置。
  8. 前記所定の操作圧が、前記液状体の溶媒の蒸気圧よりも高い値に設定されていることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  9. 前記第2室の容積が前記第1室の容積よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  10. 少なくとも前記第1室に外部から不活性ガスを導入可能な導入弁をさらに有し、
    前記制御部は、少なくとも前記第1室に拡散した前記溶媒の蒸気を排出させる際に、前記導入弁を駆動して不活性ガスを導入させることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の減圧乾燥装置。
  11. 導入された前記不活性ガスが前記ワーク側から前記連通部の方向に流れるときに流れを整流する整流板が前記第1室に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の減圧乾燥装置。
  12. 前記チャンバーは、前記チャンバーの内部を前記第1室と前記第2室とに仕切る隔壁部を有し、前記可変手段は、前記隔壁部を移動させて前記第1室と前記第2室との容積比を変える移動手段であることを特徴とする請求項に記載の減圧乾燥装置。
  13. 前記第2室は、互いを連通可能な連通弁を備えた複数の室を有し、前記可変手段は、前記第2室を構成する複数の室を連通させる前記連通弁と前記連通弁を駆動させて互いに連通する前記室の数を変える制御部とであることを特徴とする請求項に記載の減圧乾燥装置。
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