JP4144491B2 - ハイブリッド車輌の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン、第1モータ、第2モータ、及び出力軸が差動歯車機構によって連結関係にあって、該出力軸と駆動車輪との間に有段変速機が備えられているハイブリッド車輌に係り、詳しくは、該有段変速機の変速段を第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなるように選択して変速するハイブリッド車輌の変速制御装置に関する。
近年、環境問題等により燃費向上や排出ガス低減のために様々なタイプのハイブリッド車輌が提案されている。このようなハイブリッド車輌の中には、例えばプラネタリギヤなどを用いて3つの回転要素のそれぞれにエンジン、第1モータ(発電用モータ)、出力軸を連結し、該出力軸に第2モータ(出力用モータ)を連結したハイブリッド機構を有するものや、例えば2つのプラネタリギヤが連結された形のプラネタリギヤユニット(いわゆるラビニヨ型やシンプソン型)などを用いて4つの回転要素のそれぞれにエンジン、第1モータ、第2モータ、出力軸を連結したハイブリッド機構を有するもの(例えば特許文献1参照)などの2モータ式のスプリットハイブリッド車輌が提案されている。
特開2001−309507号公報。
ところで、上述のような2モータ式のスプリットハイブリッド車輌において、2つのモータをコンパクト化し、車輌の搭載性を向上させるためには、上述したハイブリッド機構の出力側、即ち出力軸と駆動車輪との間に有段変速機を設けることが好ましい。これにより、各モータが高回転・高出力状態になることを防ぐことができ、つまり大型のモータを設ける必要をなくすことができる。
しかしながら、上記有段変速機の変速段によっては、車輌が同じ走行状態(同じ車速、同じ出力トルク)であっても、2つのモータにおいて電気エネルギーに変換する量が異なる場合が生じる。一般に電気エネルギーに変換する量が多いほど電気的な損失が大きいため、該有段変速機の変速段の選択のやり方によっては、燃費の良し悪しに大きな影響を与えることになってしまう。
そこで本発明は、有段変速機の各変速段における第1モータ及び第2モータにて電気エネルギーに変換される量である電気変換量に差異が生じる際に、該電気変換量が少なくなる有段変速機の変速段を選択することで、上記課題を解決したハイブリッド車輌の変速制御装置を提供することを目的とするものである。
請求項に係る本発明は(例えば図2、及び図6乃至図9参照)、第1モータ(3)と、第2モータ(4)と、複数の回転要素(例えば図2のS1及びS2,CR1及びR2,R1,CR2、図9のS1,CR1,R1)を有してエンジン(2)、該第1モータ(3)、該第2モータ(4)、及び出力軸(6)を連結関係にする差動歯車機構(図2のPU、図9のSP)と、該出力軸(6)と駆動車輪(12)との間に介在すると共に該出力軸(6)の回転(N)を複数段(例えばLow,High)に変速して該駆動車輪(12)に出力する有段変速機(21)と、を備えたハイブリッド車輌の変速制御装置(1)において、
バッテリ(26)に対する充放電量を算出するバッテリ充放電量算出手段(38)と、
前記有段変速機(21)の各変速段(例えばLow,High)における前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の少なくとも一方にて電気エネルギーに変換される量である電気変換量(例えばPlo1及びPhi1,又はPlo2及びPhi2)の少なさに応じて区別した位置を変速点(GCP)とすると共に、前記バッテリ(26)に対する充放電量に応じて前記変速点(GCP1,GCP2,GCP3)の位置が異なる変速点マップ(Gmap1,Gmap2,Gmap3)を複数有し、前記バッテリ充放電量算出手段(38)により算出された前記バッテリ(26)に対する充放電量に基づき前記複数の変速点マップ(Gmap1,Gmap2,Gmap3)より1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき前記有段変速機(21)の変速段を選択することで、該電気変換量(例えばPlo1及びPhi1,又はPlo2及びPhi2)が少なくなるように前記有段変速機(21)の変速段を選択する変速段選択手段(37)と、
前記変速段選択手段(37)により選択された変速段に前記有段変速機(21)を変速制御する変速制御手段(34)と、を備える、
ことを特徴とするハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図6参照)、バッテリ(26)の充電残量を検出するバッテリ残量検出手段(39)を備え、
前記バッテリ充放電量算出手段(38)は、前記バッテリ残量検出手段(39)により検出された前記バッテリ(26)の充電残量に基づき、前記バッテリ(26)に対する充放電量を算出してなる、
請求項記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図6参照)、前記バッテリ(26)の電力を車輌走行の駆動力以外に消費する非駆動力消費電力を検出する補機消費電力算出手段(40)を備え、
前記バッテリ充放電量算出手段(38)は、前記補機消費電力算出手段(40)により検出された前記非駆動力消費電力に基づき、前記バッテリ(26)に対する充放電量を算出してなる、
請求項1または2記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図2、図6乃至図9参照)、第1モータ(3)と、第2モータ(4)と、複数の回転要素(例えば図2のS1及びS2,CR1及びR2,R1,CR2、図9のS1,CR1,R1)を有してエンジン(2)、該第1モータ(3)、該第2モータ(4)、及び出力軸(6)を連結関係にする差動歯車機構(図2のPU、図9のSP)と、該出力軸(6)と駆動車輪(12)との間に介在すると共に該出力軸(6)の回転(N)を複数段(例えばLow,High)に変速して該駆動車輪(12)に出力する有段変速機(21)と、を備えたハイブリッド車輌の変速制御装置(1)において、
バッテリ(26)の充電残量を検出するバッテリ残量検出手段(39)と、
前記有段変速機(21)の各変速段(例えばLow,High)における前記第1モータ(3)及び前記第2モータ(4)の少なくとも一方にて電気エネルギーに変換される量である電気変換量(例えばPlo1及びPhi1,又はPlo2及びPhi2)の少なさに応じて区別した位置を変速点とすると共に、前記バッテリ(26)の充電残量に応じて前記変速点の位置が異なる変速点マップを複数有し、前記バッテリ残量検出手段(39)により検出された前記バッテリ(26)の充電残量に基づき前記複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき前記有段変速機(21)の変速段を選択することで、該電気変換量(例えばPlo1及びPhi1,又はPlo2及びPhi2)が少なくなるように前記有段変速機(21)の変速段を選択する変速段選択手段(37)と、
前記変速段選択手段(37)により選択された変速段に前記有段変速機(21)を変速制御する変速制御手段(34)と、を備える、
ことを特徴とするハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図6参照)、前記バッテリ(26)の電力を車輌走行の駆動力以外に消費する非駆動力消費電力を検出する補機消費電力算出手段(40)を備え、
前記変速段選択手段(37)は、前記バッテリ残量検出手段(39)により検出された前記バッテリ(26)の充電残量と、前記補機消費電力算出手段(40)により検出された前記非駆動力消費電力と、に基づき前記複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき前記有段変速機(21)の変速段を選択してなる、
請求項記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図6乃至図8参照)、前記変速点マップ(例えばGmap1,Gmap2,Gmap3)の変速点(例えばGCP1,GCP2,GCP3)は、ドライバの要求出力と車速(V)とに対応してなる、
請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図6乃至図8参照)、前記変速点マップ(例えばGmap1,Gmap2,Gmap3)の変速点(例えばGCP1,GCP2,GCP3)は、アクセル開度(Ad)と車速(V)とに対応してなる、
請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図9参照)、前記差動歯車機構(SP)の複数の回転要素は、前記エンジン(2)に連結される入力回転要素(CR1)と、前記第1モータ(3)に連結される制御回転要素(S1)と、前記出力軸(6)に連結される出力回転要素(R1)と、により構成されてなり、
前記第2モータ(4)は、前記出力軸(6)に連結されてなる、
請求項1ないし7のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項に係る本発明は(例えば図2参照)、前記差動歯車機構(PU)の複数の回転要素は、前記エンジン(2)に連結される入力回転要素(CR2)と、前記第1モータ(3)に連結される第1制御回転要素(S1及びS2)と、前記第2モータ(4)に連結される第2制御回転要素(R1)と、前記出力軸(6)に連結される出力回転要素(CR1及びR2)と、により構成されてなる、
請求項1ないし8のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
請求項10に係る本発明は、前記有段変速機(21)は、低速段(Low)又は高速段(High)に変速し得る2段変速機である、
請求項1ないし9のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置(1)にある。
なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであり、特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼすものではない。
請求項に係る本発明によると、変速段選択手段が、バッテリに対する充放電量に応じて変速点の位置が異なる変速点マップを複数有して、バッテリ充放電量算出手段により検出されたバッテリに対する充放電量に基づき複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機の変速段を選択するので、バッテリに対する充放電量に応じて第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなる有段変速機の変速段を選択することが可能となる。これにより、変速段選択手段が、電気変換量が少なくなるように有段変速機の変速段を選択し、変速制御手段が、該変速段選択手段により選択された変速段に有段変速機を変速制御するので、有段変速機の変速により第1モータ及び第2モータのコンパクト化を図ることができるものでありながら、有段変速機を第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなるように変速することができ、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことが可能となり、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
請求項に係る本発明によると、バッテリ充放電量算出手段は、バッテリ残量検出手段により検出されたバッテリの充電残量に基づきバッテリに対する充放電量を算出することができる。
請求項に係る本発明によると、バッテリ充放電量算出手段は、補機消費電力算出手段により検出された非駆動力消費電力に基づきバッテリに対する充放電量を算出することができる。
請求項に係る本発明によると、変速段選択手段が、バッテリの充電残量に応じて変速点の位置が異なる変速点マップを複数有して、バッテリ残量検出手段により検出されたバッテリの充電残量に基づき複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機の変速段を選択するので、バッテリの充電残量に応じて第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなる有段変速機の変速段を選択することが可能となる。これにより、変速段選択手段が、電気変換量が少なくなるように有段変速機の変速段を選択し、変速制御手段が、該変速段選択手段により選択された変速段に有段変速機を変速制御するので、有段変速機の変速により第1モータ及び第2モータのコンパクト化を図ることができるものでありながら、有段変速機を第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなるように変速することができ、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことが可能となり、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
請求項に係る本発明によると、変速段選択手段が、バッテリ残量検出手段により検出されたバッテリの充電残量と、補機消費電力算出手段により検出された非駆動力消費電力と、に基づき複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機の変速段を選択するので、バッテリの充電残量だけでなく、非駆動力消費電力にも応じて第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなる有段変速機の変速段を選択することが可能となる。
請求項に係る本発明によると、変速段選択手段が、ドライバの要求出力と車速とに対応した変速点マップに基づき有段変速機の変速段を選択するので、例えば随時電気変換量を演算することなく、有段変速機を第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
請求項に係る本発明によると、変速段選択手段が、アクセル開度と車速とに対応した変速点マップに基づき有段変速機の変速段を選択するので、例えば随時電気変換量を演算することなく、有段変速機を第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
請求項に係る本発明によると、差動歯車機構の複数の回転要素は、エンジンに連結される入力回転要素と、第1モータに連結される制御回転要素と、出力軸に連結される出力回転要素とにより構成されてなり、第2モータは出力軸に連結されるので、有段変速機の変速段によって電気変換量に差異が生じる場合があるが、有段変速機を第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなるように変速することができるので、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことができ、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
請求項に係る本発明によると、差動歯車機構の複数の回転要素は、エンジンに連結される入力回転要素と、第1モータに連結される第1制御回転要素と、第2モータに連結される第2制御回転要素と、出力軸に連結される出力回転要素と、により構成されているので、有段変速機の変速段によって電気変換量に差異が生じる場合があるが、有段変速機を第1モータ及び第2モータにおける電気変換量が少なくなるように変速することができるので、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことができ、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
請求項10に係る本発明によると、有段変速機は、低速段又は高速段に変速し得る2段変速機であるので、第1モータ及び第2モータのコンパクト化を図ることが可能となる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態を図1乃至図5に沿って説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るハイブリッド車輌の変速制御装置を示すブロック図、図2は第1の実施の形態に係るハイブリッド車輌を示す図で、(a)はスケルトン図、(b)は係合表、図3は第1の実施の形態に係る変速制御を示すフローチャート、図4は電気変換量を示す図で、(a)は低速段時の電気変換量を示す説明図、(b)は高速段時の電気変換量を示す説明図、(c)は低速段時と高速段時との電気変換量の差を示す説明図、図5は有段変速機を低速段から高速段に変速した際を示すタイムチャートである。
まず、本発明を適用し得るハイブリッド車輌を図2に沿って説明する。図2(a)に示すように、ハイブリッド車輌には、エンジン(E/G)2と駆動車輪12との間に自動変速機としてのトランスミッション10が備えられており、該トランスミッション10はハイブリッド機構20と有段変速機21とを備えている。ハイブリッド機構20は、第1モータ(MG1)3と、第2モータ(MG2)4と、2つのプラネタリギヤが連結された形のシンプソンタイプのプラネタリギヤユニット(差動歯車機構)PUとを有している。また、該プラネタリギヤユニットPUは、4つの回転要素として、サンギヤS1及びサンギヤS2(第1制御回転要素)、キャリヤCR2(入力回転要素)、キャリヤCR1及びリングギヤR2(出力回転要素)、リングギヤR1(第2制御回転要素)を有している。
該ハイブリッド機構20の入力軸5には、上記エンジン2のクランク軸が連結されており、該入力軸5は上記プラネタリギヤユニットPUのキャリヤCR2に連結されている。該キャリヤCR2はピニオンP2を有しており、該ピニオンP2は、サンギヤS2及びリングギヤR2に噛合している。該サンギヤS2は、サンギヤS1に連結されていると共に、第1モータ3の(図示を省略した)ロータに連結軸3aを介して連結されている。サンギヤS1は、キャリヤCR1が有するピニオンP1に噛合しており、該ピニオンP1はリングギヤR1に噛合している。該リングギヤR1は、第2モータ4の(図示を省略した)ロータに連結軸4aを介して連結されている。また、該キャリヤCR1は、上記リングギヤR2に連結されており、該キャリヤCR1及び該リングギヤR2は、ハイブリッド機構20としての出力軸6に連結されている。
即ち、プラネタリギヤユニットPUの4つの回転要素であるサンギヤS1及びサンギヤS2、キャリヤCR2、キャリヤCR1及びリングギヤR2、リングギヤR1がそれぞれ噛合して連結関係になっており、順に第1モータ3の回転数、エンジン2の回転数、出力軸6の回転数、第2モータ4の回転数が比例関係となるように連結されている(例えば特許文献1の図9、図11、図13、図15参照)。
一方、有段変速機21は、ダブルピニオンプラネタリギヤDPと、クラッチCと、ブレーキBと、ワンウェイクラッチFとを有して構成されている。該有段変速機21の入力軸7には、上記ハイブリッド機構20の出力軸6が連結されており、該入力軸7は、クラッチCの図示を省略した外摩擦板に接続されていると共に、サンギヤS3に連結されている。また、キャリヤCR3はピニオンP3及びピニオンP4を有しており、該サンギヤS3は該ピニオンP3に噛合している。また、該キャリヤCR3と、クラッチCの図示を省略した内摩擦板と、ブレーキBの図示を省略した内摩擦板と、ワンウェイクラッチFの図示を省略したインナーレースとは、ぞれぞれ連結されており、該ブレーキBの図示を省略した外摩擦板と、ワンウェイクラッチFの図示を省略したアウターレースとは、ミッションケース15に例えばスプライン係合する形で回転が固定されている。そして、上記キャリヤCR3ピニオンP4はリングギヤR3に噛合しており、該リングギヤR3はトランスミッション10としての最終出力軸11を介して駆動車輪12に連結されている。
該有段変速機21は、詳しくは後述する変速制御手段34の指令に基づき、不図示の油圧制御装置を介して上記クラッチC及びブレーキBの係合(係止)状態が制御されることで、比較的低速段(Low)と比較的高速段(High)との2段変速が可能になっている。
即ち、正駆動時(即ちハイブリッド機構20より駆動車輪12に前進方向の駆動力を出力する際)における低速段(Low)においては、図2(b)に示すようにクラッチC及びブレーキBが解放される。すると、図2(a)に示すように、入力軸7に入力される回転(詳しくは後述するハイブリッド機構20の出力軸6の回転)は、サンギヤS3に入力され、ワンウェイクラッチFにより回転が一方向に規制された(つまり回転が固定された)キャリヤCR3を介してリングギヤR3に減速回転として出力され、つまり有段変速機21の入力軸7の回転が減速回転となって最終出力軸11に出力される。
なお、逆駆動時(即ち駆動車輪12よりハイブリッド機構20に駆動力が入力される際)、及び後進時においては、図2(b)に示すようにブレーキBが係止されて、キャリヤCR3の回転が固定される。
また、高速段(High)においては、図2(b)に示すようにクラッチCが係合される。すると、図2(a)に示すように、有段変速機21の入力軸7の回転がサンギヤS3及びキャリヤCR3に入力され、該サンギヤS3、キャリヤCR3及びリングギヤR3が一体的に回転し、つまり有段変速機21の入力軸7の回転と最終出力軸11とが直結状態となる。
ついで、本発明に係るハイブリッド車輌の変速制御装置1について図1に沿って説明する。上記ハイブリッド車輌のトランスミッション10には、上記第1モータ3及び第2モータ4に電力の供給・回生を制御自在に行うインバータ回路25と、該インバータ回路25を介して電力供給・充電(回生)を自在に行うバッテリ26とが備えられている。
本ハイブリッド車輌の変速制御装置1には、制御部(ECU)Uが備えられており、該制御部Uには、駆動車輪12、或いは最終出力軸11の回転数を検出することにより車速を検出する車速センサ27と、不図示の運転席に備えられたアクセルペダルの角度を検出することによりアクセル開度を検出するアクセル開度センサ28とが接続されている。
また、該制御部Uには、上記エンジン2を例えばエンジン最適燃費マップEmapに基づき駆動制御自在なエンジン制御手段31と、第1モータ3を回転数制御や出力制御(以下、「トルク制御」という)により駆動制御自在な第1モータ制御手段32と、第2モータ4を回転数制御やトルク制御により駆動制御自在な第2モータ制御手段33とが備えられている。
なお、上記第1モータ制御手段32及び第2モータ制御手段33は、インバータ回路25に指令し、該インバータ回路25により制御される電圧値・電流値によって第1モータ3及び第2モータ4の駆動制御を行うものであるが、本明細書中においては発明の理解を容易にするために、単に「第1モータ3及び第2モータ4を制御する」という。
そして、該制御部Uには、詳しくは後述するように本発明の要部となる、変速制御手段34と、電気変換量演算手段36と、バッテリ残量検出手段39と、補機消費電力算出手段40と、変速段選択手段37とが備えられている。
つづいて、ハイブリッド機構20の制御について説明する。例えばハイブリッド車輌が走行状態である際は、まず、上記車速センサ27により車速Vが検出される。すると、該車速Vと、上記変速制御手段34により変速制御されている有段変速機21の現在の変速段、即ち低速段Low又は高速段Highのギヤ比とから出力軸6の回転数Nが演算される。
一方、エンジン制御手段31は、上記車速Vと、アクセル開度センサ28により検出されるアクセル開度Adとに基づき、例えば不図示のマップなどから、ドライバが要求している車輌全体として最終出力軸11より出力する目標駆動力(ドライバの要求出力)TFTGを決定する(例えば特許文献1の図5参照)。
次にエンジン制御手段31は、車速Vと目標駆動力(以下、「目標駆動トルク」という。)TFTGとに基づき、エンジン2より出力する必要なエンジンエネルギー量EPOWを車速Vと目標駆動力TFTGとの積(EPOW=V×TFTG)より演算する。そして、エンジン最適燃費マップEmapに基づきエンジン2が燃費効率上の最適な運転状態となる最適燃費曲線と、上記演算されたエンジンエネルギー量EPOWとから、目標エンジン回転数NETGと目標エンジン出力(以下、「目標エンジントルク」とする。)TETGとを決定する(即ちEPOW=NETG×TETG)(例えば特許文献1の図6参照)。
なお、例えばバッテリ26の充電残量が少ない場合は、該バッテリ26に充電するための分の充電エネルギー量αを補正する形で上記エンジンエネルギー量EPOWを演算し(EPOW=V×TFTG+α)、例えば反対にバッテリ26の充電残量が多い場合は、該バッテリ26より電力消費を行う分の消費エネルギー量βを補正する形で上記エンジンエネルギー量EPOWを演算し(EPOW=V×TFTG−β)、これら補正されたエンジンエネルギー量EPOWに基づき目標エンジン回転数NETGと目標エンジントルクTETGとを決定する。
つづいて、第1モータ制御手段32は、上述のように演算された出力軸6の回転数Nと、エンジン制御手段31により決定された目標エンジン回転数NETGとに基づき、上記プラネタリギヤユニットPUの(リングギヤR2とキャリヤCR2とサンギヤS2との)ギヤ比の比例関係から第1モータ3の回転数(以下、「MG1回転数」という。)NMG1を演算し、該第1モータ3がMG1回転数NMG1になるように、例えばインバータ回路25の電流値・電圧値に基づき、或いは例えば第1モータ3に設けられた不図示の回転数センサにより検出される回転数に基づき、該第1モータ3のフィードバック制御を行う(回転数制御)。
また、該第1モータ制御手段32は、第1モータ3を該MG1回転数NMG1に制御するために発生する該第1モータ3の出力トルク(以下、「MG1トルク」という。)TMG1を、例えばインバータ回路25における電流値・電圧値などから演算する。なお、この際、第1モータ3の回転方向とトルク出力方向とが、同方向であれば第1モータ3において駆動力の出力制御となり(即ち電力消費)、反対方向であれば第1モータ3において回生制御となる。
ついで、第2モータ制御手段4は、上記目標駆動トルクTFTGと、上記MG1トルクTMG1とに基づき(上記目標エンジントルクTETGに対してMG1トルクTMG1が算出されるため、該目標エンジントルクTETGは考慮しなくてもよい)、プラネタリギヤユニットPUの(キャリヤCR1及びリングギヤR2と、キャリヤCR2と、サンギヤS1及びサンギヤS2と、リングギヤR1との)ギヤ比の比例関係と、有段変速機21の現在の変速段(即ち有段変速機21のギヤ比)とから上記最終出力軸11に目標駆動トルクTFTGが出力されるように第2モータ4の出力トルク(以下、「MG2トルク」という。)TMG2を演算し、該MG2トルクTMG2になるように第2モータ4の駆動制御を行う(トルク制御)。
そして、上記エンジン制御手段31によってエンジン2を、上記目標エンジン回転数NETG及び上記目標エンジントルクTETGになるように駆動制御すると、出力軸6に駆動トルクTが出力されると共に、有段変速機21の変速段に応じて、上記アクセル開度Adに基づくドライバの要求出力である目標駆動トルクTFTG通りの駆動トルクTが最終出力軸11(即ち駆動車輪12)に出力される。
また、例えば車速Vが変化する場合、(車速Vが一定であってもアクセル開度Adに基づき)エンジン回転数Nが変化する場合などは、MG1回転数NMG1及びMG2回転数NMG2が変化することになる。すると、上記第1モータ3のロータ、連結軸3a、サンギヤS1及びサンギヤS2には、MG1回転数NMG1の変化に応じてイナーシャ(慣性)トルクIM1が発生し、また、上記第2モータ4のロータ、連結軸4a、リングギヤR1には、MG2回転数NMG2の変化に応じてイナーシャトルクIM2が発生する。
そこで、上述した第2モータ制御手段33によりMG2トルクTMG2を演算する際に、イナーシャトルクIM1,IM2の分を補正する形で該MG2トルクTMG2を演算し、該補正された形で演算されたMG2トルクTMG2に基づき第2モータ4を制御する。これにより、第1モータ3及び第2モータ4に回転数変化が生じる場合でも、ドライバに対する走行フィーリングを悪化させずに、ハイブリッド機構20のトルク制御を行うことができる。なお、イナーシャトルクIM1の分を演算する際は、サンギヤS1に対するリングギヤR1のギヤ比に応じて演算することができる。
また、上述したように、アクセル開度Adと車速Vとに基づき演算されたエンジンエネルギー量EPOWから上記エンジン最適燃費マップEmapに基づき目標エンジン回転数NETGが決定された際に、該目標エンジン回転数NETGがアイドル回転数以下となると、エンジン制御手段31によりエンジン2が停止するように制御される。即ち、目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTETGは0となり、0回転である目標エンジン回転数と車速Vとに基づきMG1回転数NMG1が回転数制御される(つまりMG1回転数NMG1は逆回転となる)。
この際、第2モータ制御手段4は、上記目標駆動トルクTFTGと、上記回転数制御されている第1モータ3のMG1トルクTMG1とに基づき、プラネタリギヤユニットPUのギヤ比の比例関係と、有段変速機21のギヤ比とから上記最終出力軸11に目標駆動トルクTFTGが出力されるようにMG2トルクTMG2を演算し、該MG2トルクTMG2になるように第2モータ4の駆動制御を行う。これにより、上記アクセル開度Adに基づくドライバの要求出力である目標駆動トルクTFTG通りの駆動トルクが最終出力軸11に出力される。
また、上述したアクセル開度Adと車速Vとに基づき演算されたエンジンエネルギー量EPOWから、上記エンジン最適燃費マップEmapによって決定された目標エンジン回転数NETGが、アイドル回転数以上になると、エンジン制御手段31によりエンジン2が始動されるように制御される。以降は、上述と同様に第1モータ制御手段32により第1モータ3を回転数制御し、第2モータ制御手段33により第2モータ4をトルク制御する。
なお、ハイブリッド車輌を後進させる際には、車速Vが負の方向、つまり出力軸6が逆回転となるが、第1モータ3を正回転方向に回転数制御し、第2モータ4を逆回転方向にトルク制御することで、後進方向としての駆動トルクが出力軸6に出力される。この際、エンジン2が駆動されていると、該エンジン2より出力軸6に対して前進方向の駆動トルクが出力されるため、エンジン2を停止した状態にすることが好ましい。
なお、以上に説明したハイブリッド機構20の制御においては、第1モータ制御手段32により第1モータ3を回転数制御し、第2モータ制御手段33により第2モータ4をトルク制御するものについて説明したが、反対に第2モータ制御手段33により第2モータ4を回転数制御し、第1モータ制御手段32により第1モータ3をトルク制御するようにしてもよい。
ついで、電気変換量について図4に沿って説明する。なお、図4に示す電気変換量の図は、アクセル開度Adが一定であること、エンジン2の目標エンジン回転数NETGがアイドル回転数以下になった場合であっても該エンジン2を停止しないこと、バッテリに対する充放電量(充電又は放電の量)が0であること(即ち、バッテリ26を使用していなく、電力供給や充電をしない)ことを想定し、各種の損失などを除いた理論値を演算して示したものである。
図4(a)に示すように、出力軸6に出力される駆動トルクTと車速Vとの関係において、有段変速機21が低速段Lowである場合にあっては、図中太線で示す範囲が、例えば第1モータ3及び第2モータ4の出力限界を想定すると、ハイブリッド機構20により出力可能な範囲(走行可能な範囲)となる。また、この出力可能な範囲において、等高線状で示したものが第2モータ4により電気エネルギーに変換される量、いわゆる電気変換量の値を示したものである。
また同様に、図4(b)に示すように、出力軸6に出力される駆動トルクTと車速Vとの関係において、有段変速機21が高速段Highである場合にあっては、図中太線で示す範囲が、例えば第1モータ3及び第2モータ4の出力限界を想定すると、ハイブリッド機構20により出力可能な範囲となる。同様に、この出力可能な範囲において、等高線状で示したものが第2モータ4による電気変換量の値を示したものである。
これらの電気変換量を演算して求めるには、上述のようにハイブリッド機構20を制御した際における、第2モータ4のMG2回転数NMG2とMG2トルクTMG2との積を演算することにより求めることができる。また、図4(a)及び図4(b)における電気変換量のプラス・マイナスは、第2モータ4の力行をプラス、第2モータ4の回生をマイナスとして演算している。なおこの際は、バッテリに対する充放電量が0であることから、第2モータ4が力行する分、第1モータ3が回生となり(つまりマイナス)、反対に第2モータ4が回生する分、第1モータ3が力行する(つまりプラス)ことになる。
即ち、図4(a)及び図4(b)に示す等高線のうち0kWとなる状態は、第1モータ3及び第2モータ4において回生も力行も行わない状態である。詳細には、図中左方側に位置する略々直線となる0kWの線における状態は、第2モータ4のMG2回転数NMG2が0回転であり、第1モータ3のMG1トルクTMG1が0(出力無し)の状態である。この状態では、エンジン2がアイドル回転数であってエンジントルクTだけが上昇する状態である。なお、本来のハイブリッド機構20の制御においては、上述したように目標エンジン回転数NETGがアイドル回転数以下の場合にエンジン2が停止されるので、ここで説明している状態は単に理論的なものである。
また、図中右方側に位置する略々くの字状となる0kWの線における状態は、第1モータ3のMG1回転数NMG1が0回転であり、第2モータ4のMG2トルクTMG2が0(出力無し)の状態である。この状態では、上記車速Vに基づき決定される目標エンジン回転数NETGがアイドル回転数の場合においてエンジントルクTが上下した状態、及び車速Vの上昇と共に上昇するエンジンエネルギー量EPOWに基づき目標エンジントルクTETGが上昇する状態である。
そして、例えば20kWでは、第1モータ3の回生電力が20kW、第2モータ4の力行電力が20kWをそれぞれ電気エネルギーに変換する状態、例えば−20kWでは、第1モータ3の力行電力が20kW、第2モータ4の回生電力が20kWをそれぞれ電気エネルギーに変換する状態、などのようになる。
一方、上述した図4(a)及び図4(b)に示す太線の範囲を重ねた際に、重複する部分においては、低速段Lowであっても高速段Highであってもハイブリッド機構20により出力可能な範囲となる。この重複する範囲において、低速段Lowと高速段Highとにおける電気変換量の差を演算すると、図4(c)において等高線状で示すようなものとなる。この図4(c)に示す等高線において0kWとなる状態は、つまり低速段Lowであっても高速段Highであっても電気変換量が同じであり、いずれの変速段で走行しても差がないことになる。しかしながら、図4(c)に示す例えば20kW、40kWなどの、即ち0kWでない状態では、変速段によって一方の変速段の電気変換量より他方の変速段の電気変換量が、例えば20kW多い、40kW多いなどの状態である。
一般に、駆動エネルギーをモータにより電気エネルギーに変換する際には損失が生じるが、この損失は電気エネルギーに変換する量、即ち電気変換量の大きさによって大きくなり、つまり電気変換量が少ない方が損失が少なく、車輌としての燃費向上に寄与する。
ついで、本発明に係る電気変換量に基づく有段変速機21の変速制御について説明する。図3に示すように、例えば不図示のイグニッションキーがONされるとスタートし(S1−1)、まず、電気変換量演算手段36により各変速段、即ち低速段Lowと高速段Highとにおいて第1モータ3及び第2モータ4にて生じる電気変換量を演算する(S1−2)。
詳細には、まず、電気変換量演算手段36は、アクセル開度Adよりドライバの要求出力を算出し、該ドライバの要求出力と車速Vとに基づき、目標エンジン回転数NETG及び目標エンジン出力トルクTETGを演算する。次に、車速Vに基づき低速段Low及び高速段Highにおける出力軸6の回転数Nと、目標エンジン回転数NETGと、に基づき、低速段Low及び高速段Highにおいて回転数制御される一方のモータの回転数(即ち、MG1回転数NMG1又はMG2回転数NMG2)を演算し、その回転数制御されるモータの出力トルク(即ち、MG1トルクTMG1又はMG2トルクTMG2)を例えばインバータ回路25の電流値・電圧値より演算する。また、アクセル開度Adに基づき、低速段Low及び高速段Highにおける出力軸6の出力トルクTを演算する。
つづいて、目標エンジン出力トルクTETGと、低速段Low及び高速段Highにおける回転数制御されるモータの出力トルク(即ち、MG1トルクTMG1又はMG2トルクTMG2)と、低速段Low及び高速段Highにおける出力軸6の出力トルクTとに基づき、トルク制御される他方のモータの出力トルク(即ち、MG2トルクTMG2又はMG1トルクTMG1)を演算する。また、そのトルク制御される他方のモータの回転数を、低速段Low及び高速段Highにおける出力軸6の回転数Nと、目標エンジン回転数NETGと、低速段Low及び高速段Highにおいて回転数制御される一方のモータの回転数(即ち、MG1回転数NMG1又はMG2回転数NMG2)と、のうちのいずれか2つに基づき演算する。
そして、このように演算された低速段LowのMG2回転数NMG2とMG2トルクTMG2との積より該低速段Lowにおける電気変換量を演算し、また、高速段HighのMG2回転数NMG2とMG2トルクTMG2との積より該高速段Highにおける電気変換量を演算する。
なお、本第1の実施の形態においては、第2モータ4における電気変換量を演算する場合について説明しているが、第1モータ3の電気変換量を演算してもよく、更に、第1モータ3及び第2モータ4の電気変換量を演算し、それらの和を1つの電気変換量として用いてもよい。
ここで、この電気変換量を演算する際のハイブリッド機構において、例えばバッテリ26の充電残量が少なく、第1モータ又は第2モータ4によりバッテリ26に対して充電を行う場合、或いは例えばバッテリ26の充電残量が多く、第1モータ3又は第2モータ4に対してバッテリよりを放電を行う場合について説明する。
まず、上記バッテリ残量検出手段39によりバッテリの充電残量(SOC)を検出し、該バッテリの充電残量が多い場合又は少ない場には、つまり第1モータ3及び第2モータ4からバッテリに対する充放電量が生じる。この充放電量が生じると、上述したように目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTNTGがエンジンエネルギー量EPOWの補正に基づき補正されることになる。そのため、電気変換量演算手段36は、検出されたバッテリの充電残量に基づき演算する際の目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTNTGを補正して演算し、それに応じてMG1回転数NMG1、MG1トルクTMG1、MG2回転数NMG2、及びMG2トルクTMG2を補正された値で演算することになる。
即ち、それら補正された値の、MG1回転数NMG1、MG1トルクTMG1、MG2回転数NMG2、及びMG2トルクTMG2に基づき第1モータ3及び第2モータ4が制御されると、バッテリ26に対する充電又は放電が行われ、つまりバッテリに対する充放電量が生じるが、その充放電量を含んで電気変換量が補正演算されることになる。
また、例えば第1モータ3及び第2モータ4の一方が回生すると共に他方が力行する場合であって、バッテリ26に対して充電を行う場合は、回生する一方のモータの電気変換量が比較的大きくなり、力行する他方のモータの電気変換量が比較的小さくなる。反対に、例えば第1モータ3及び第2モータ4の一方が回生すると共に他方が力行する場合であって、バッテリ26から放電を行う場合は、力行する一方のモータの電気変換量が比較的大きくなり、回生する他方のモータの電気変換量が比較的小さくなる。そこで、電気変換量演算手段36が一方だけのモータ(例えば第2モータ4だけ)の電気変換量を演算した場合には、バッテリ26に対する充放電量に応じて電気変換量を補正し、第1モータ3及び第2モータ4の電気変換量の平均的な電気変換量として補正演算する。
ところで、ハイブリッド車輌を走行させる間には、例えばエアコン、パワーステアリングなどの補機類にバッテリ26より電力を供給する場合があり、つまり車輌走行の駆動力として用いられる消費電力以外の非駆動力消費電力が発生する場合がある。この場合には、例えば第1モータ3及び第2モータ4よりバッテリ26に対する充放電量(特に充電量)が変化することになる。
そこで補機消費電力算出手段40により上記補機類で使用する非駆動力消費電力を算出し、該非駆動力消費電力に基づきバッテリに対する充放電量を補正する。すると上述と同様に、目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTNTGが、エンジンエネルギー量EPOWが補正される形で補正されることになり、電気変換量演算手段36は、検出されたバッテリの充電残量に基づき演算する際の目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTNTGを補正して演算し、それに応じてMG1回転数NMG1、MG1トルクTMG1、MG2回転数NMG2、及びMG2トルクTMG2を補正された値で演算することになる。
即ち、それら補正された値の、MG1回転数NMG1、MG1トルクTMG1、MG2回転数NMG2、及びMG2トルクTMG2に基づき第1モータ3及び第2モータ4が制御されると、バッテリ26に対する充電又は放電が行われ、つまり非駆動力消費電力が生じるが、その非駆動力消費電力を含んで電気変換量が補正演算されることになる。
また同様に、例えば第1モータ3及び第2モータ4の一方が回生すると共に他方が力行する場合であって、バッテリ26に対して充放電を行う場合は、一方のモータの電気変換量が比較的大きくなり、他方のモータの電気変換量が比較的小さくなる。そこで、電気変換量演算手段36が一方だけのモータ(例えば第2モータ4だけ)の電気変換量を演算した場合には、バッテリ26に対する充放電量に応じて電気変換量を補正し、第1モータ3及び第2モータ4の電気変換量の平均的な電気変換量として補正演算する。
なお、以上の電気変換量演算手段36による電気変換量の演算は、例えば現在の走行状態に基づいて演算しているが、これに限らず、今後(例えば0.5秒後など)の車速Vや駆動力Tを予測する形で演算してもよい。
ついで、変速段選択手段37は、上述のように演算した電気変換量が最小となる変速段を最適ギヤ段として選択、つまり低速段Lowと高速段Highとにおける電気変換量の少ない方を選択する(S1−3)。
そして、変速制御手段34は、選択された最適ギヤ段が現在のギヤ段であるか否かを判定し(S1−4)、最適ギヤ段が現在のギヤ段である場合(低速段Lowである際に低速段Lowが選択された場合、高速段Highの際に高速段Highが選択された場合)は(S1−4のYes)、そのままリターンし(S1−6)、最適ギヤ段が現在のギヤ段でない場合(低速段Lowである際に高速段Highが選択された場合、高速段Highの際に低速段Lowが選択された場合)は、即ち変速の判断を行い(S1−4のNo)、有段変速機21の変速を行って(S1−5)、リターンする(S1−6)。
一例として説明すると、例えば図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、A点の状態である駆動トルクT及び車速Vにおいて、低速段Lowにおける電気変換量と高速段Highにおける電気変換量と演算すると、図4(a)に示すように低速段Lowでは電気変換量が約−10KWであるのに対し、図4(b)に示すように高速段Highでは電気変換量が約19kWとなる。そこで変速段選択手段37は、駆動トルクT及び車速VがA点の状態では、低速段Lowを選択する。
また、例えば図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、上記A点の状態よりも駆動トルクTが低く、かつ車速Vが高いC点の状態において、低速段Lowにおける電気変換量と高速段Highにおける電気変換量と演算すると、図4(a)に示すように低速段Lowでは電気変換量が約−35KWであるのに対し、図4(b)に示すように高速段Highでは電気変換量が約18kWとなる。そこで変速段選択手段37は、駆動トルクT及び車速VがC点のような状態では、高速段Highを選択する。
そして、例えば図4(a)、図4(b)及び図4(c)に示すように、B点の状態である駆動トルクT及び車速Vにおいて、低速段Lowにおける電気変換量と高速段Highにおける電気変換量と演算すると、図4(a)及び図4(b)に示すように低速段Lowでも電気変換量が約−20kWであり、高速段Highでも電気変換量が約20kWとなって、電気変換量として同じであり、上述した損失として同じ状態となる。
つまり、例えばA点の状態からC点の状態になると、このB点の状態において、変速段選択手段37により高速段Highが選択され、変速制御手段34により有段変速機21が低速段Lowから高速段Highに変速される。また反対に、例えばC点の状態からA点の状態になると、このB点の状態において、変速段選択手段37により低速段Lowが選択され、変速制御手段34により有段変速機21が高速段Highから低速段Lowに変速される。なお、この有段変速機21の変速が行われる状態は、図4(c)に示す0kWの線上における状態でもある。
なお、以上説明した図4に示した電気変換量については、第1モータ3ないし第2モータ4がバッテリ26を充電する場合、或いはバッテリ26の電力供給を受ける場合には、異なる電気変換量の値となり、例えばバッテリ26を充電する場合などにおいて、C点の状態であっても低速段Lowの方が電気変換量が少なく、低速段Lowを選択する状態や、例えばバッテリ26の電力供給を受ける場合などにおいて、A点の状態であっても高速段Highの方が電気変換量が少なく、高速段Highを選択する状態になることがある。つまり、図4に示した電気変換量は本発明を説明するためのものであって、バッテリの充電残量や車輌の走行状態によって電気変換量は変化するものであるので、本発明は図4に示す電気変換量の状態に限定されるものではない。
ついで、例えば低速段Lowから高速段Highに変速する場合について、図5のタイムチャートに沿って説明する。なお、図5に示すタイムチャートにおいては、有段変速機21の変速制御を行う僅かな時間について説明するものであり、アクセル開度Ad及び車速Vは一定なものとして説明する。また、そのためエンジン回転数N及びエンジントルクTは、上述したようにエンジン最適燃費マップEmapに基づき一定となる。更に、図5に示すタイムチャートはB点における変速前後の短い時間だけを示したものであり、本来、例えば駆動力Tが徐々に下がる場合、或いは車速Vが徐々に上がる場合など、つまり変速が判断される走行状態であるが、説明の便宜上、それらも略一定のものとして説明する。
有段変速機21が低速段Lowである状態では、該有段変速機21の低速段Lowのギヤ比に基づき、出力軸6の回転数Nは比較的高く、該出力軸6の回転数Nとエンジン回転数Nとに基づき、上記プラネタリギヤユニットPUのギヤ比からMG1回転数NMG1は負回転(逆回転方向)に回転数制御される。また、それら出力軸6の回転数N、エンジン回転数N、MG1回転数NMG1の比例関係からMG2回転数NMG2は比較的高くなる。
この際、該有段変速機21の低速段Lowのギヤ比に基づき、最終出力軸11にドライバ要求通りの出力トルクTを出力するための出力軸6の出力トルクTは比較的低くなる。また、回転数制御されている第1モータ3のMG1トルクTMG1は比較的大きな負トルクの状態となり、出力トルクT、MG1トルクTMG1、エンジントルクT、の関係から第2モータ4のMG2トルクTMG2も僅かに負トルクの状態となる。
この状態(低速段Lowの状態)においては、MG1回転数NMG1が負回転で、かつMG1トルクTMG1が負トルクなので、第1モータ3における消費電力は力行する方向になり、MG2回転数NMG2が正回転で、かつMG2トルクTMG2が負トルクなので、第2モータ4における消費電力は回生する方向となる。そして、この状態では、第1モータ3において消費電力Plow1、第2モータ4において消費電力Plow2が電気エネルギーとして変換されており、つまり第1モータ3の電気変換量がPlow1、第2モータ4の電気変換量が−Plow2となる。
例えば時点t1において、上記電気変換量演算手段36による電気変換量の演算結果に基づき、変速段選択手段37が低速段Lowから高速段Highを選択すると(S1−3)、変速制御手段34により変速が判断される(S1−4のNo)。すると、時点t2から時点t3の間において、変速制御手段34の制御により有段変速機21のクラッチCの係合が行われる。
該有段変速機21の変速が行われる際は、ハイブリッド車輌が慣性走行することから車速Vは略一定である。すると、ハイブリッド機構20の出力軸6の回転数Nは、有段変速機21のギヤ比に応じて変速され、即ち低速段Lowから高速段Highに変速する際は、出力軸6の回転数Nを下げることが可能となる。そのため、第1モータ3のMG1回転数NMG1は、エンジン回転数Nが略一定であるので、変速される出力軸6の回転数Nに応じて高回転になるように回転数制御される。また、第2モータ4のMG2回転数NMG2は、MG1回転数NMG1が高回転に回転数制御されるにつれて低回転になっていく。
一方、有段変速機21が変速されるため、出力軸6の出力トルクTを、出力軸6の回転数Nが下がるにつれて高くする必要がある。また、エンジントルクTは略一定であると共に、第1モータ3のMG1回転数NMG1が高回転に回転数制御されて回生状態となるので、MG1トルクTMG1は僅かに高くなる。そのため、第2モータ4のMG2トルクTMG2は高く制御される。なおこの際、制御するMG2トルクTMG2は、上述したイナーシャトルクIM1,IM2も含めて出力するように制御することが好ましい。
この状態(高速段Highの状態)においては、MG1回転数NMG1が正回転で、かつMG1トルクTMG1が負トルクなので、第1モータ3における消費電力は回生する方向になり、MG2回転数NMG2が正回転で、かつMG2トルクTMG2が正トルクなので、第2モータ4における消費電力は力行する方向となる。そして、この状態では、第1モータ3において消費電力Phi1、第2モータ4において消費電力Phi2が電気エネルギーとして変換されており、つまり第1モータ3の電気変換量が−Phi1、第2モータ4の電気変換量がPhi2となる。
ここで、電気変換量演算手段36が第2モータ4の電気変換量を演算するものとすると、上記変速前(低速段Low)の電気変換量−Plow2と、変速後(高速段High)の電気変換量Phi2とは、例えば図4(a)及び図4(b)に示すB点の状態で変速されるので略同じになる。そして、例えば低速段Lowのままであると、図4(a)に示すように電気変換量−Plow2は更に大きくなってしまうが、高速段Highに変速することで、図4(b)に示すように電気変換量Phi2を少なくするようにすることが可能になる。
これは、例えば図4(a)のC点(即ち低速段LowでのC点)の走行状態に移行していくと、車速V(即ち出力軸6の回転数N)が上昇し、負トルクの状態である第1モータ3のMG1回転数NMG1が更に下がると共に、正トルクの状態である第2モータ4のMG2回転数NMG2が更に上がるので、電気変換量−Plow2も多くなってしまうが、例えば図4(b)のC点(即ち高速段HighでのC点)の走行状態に移行していくと、車速V(即ち出力軸6の回転数N)が上昇しても、第1モータ3のMG1回転数NMG1が更に下がると共に、第2モータ4のMG2回転数NMG2が更に上がるので、電気変換量Phi2が少なくなるからである。
なお、電気変換量演算手段36が第1モータ3の電気変換量を演算しても同様となる。即ち、上記変速前(低速段Low)の電気変換量Plow1と、変速後(高速段High)の電気変換量−Phi1とは、略同じになる。また、例えば低速段Lowのままであると、電気変換量Plow1は更に大きくなってしまうが、高速段Highに変速することで、電気変換量−Phi1を少なくするようにすることが可能になる。
なお、以上説明した図5のタイムチャートに示す状態は、本発明を説明するための一例であって、これらの各トルク、各回転数、各消費電力の変速時における関係は、図5に示す状態に限るものではない。
以上のように本発明に係るハイブリッド車輌の変速制御装置1によると、変速段選択手段37が、有段変速機21の各変速段における第1モータ3及び第2モータ4にて電気エネルギーに変換される量である電気変換量に差異が生じる際に、該電気変換量が少なくなるように有段変速機21の変速段を選択し、変速制御手段34が、該変速段選択手段37により選択された変速段に有段変速機21を変速制御するので、有段変速機21の変速により第1モータ3及び第2モータ4のコンパクト化を図ることができるものでありながら、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるように変速することができ、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことが可能となり、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
また、プラネタリギヤユニットPUの複数の回転要素は、エンジンに連結されるキャリヤCR2と、第1モータ3に連結されるサンギヤS1及びサンギヤS2と、第2モータ4に連結されるリングギヤR1と、出力軸6に連結されるキャリヤCR1及びリングギヤR2とにより構成されているので、有段変速機21の変速段によって電気変換量に差異が生じる場合があるが、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるように変速することができるので、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことができ、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
更に、電気変換量演算手段36を備えているので、各変速段における電気変換量を演算することを可能とすることができる。それにより、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
また、電気変換量演算手段36が、バッテリ充電残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量に基づき、各変速段における電気変換量を補正演算するので、バッテリ26と第1モータ3及び第2モータ4との間に充電又は放電が行われる場合であっても、各変速段における電気変換量を演算することを可能とすることができ、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
更に、電気変換量演算手段36が、補機消費電力算出手段40により算出された非駆動力消費電力に基づき、各変速段における電気変換量を補正演算するので、例えばエアコン、パワーステアリングなどの補機類に対してバッテリ26から電力供給が行われる場合であっても、各変速段における電気変換量を演算することを可能とすることができ、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について、図1、図2、図4、及び図6乃至図8に沿って説明する。図6は本発明の第2の実施の形態に係るハイブリッド車輌の変速制御装置を示すブロック図、図7は第2の実施の形態に係る変速制御を示すフローチャート、図8は変速点マップを示す図で、(a)はバッテリに対する充放電量が多い状態の変速点マップの図、(b)はバッテリに対する充放電量が通常状態の変速点マップの図、(c)はバッテリに対する充放電量が少ない状態の変速点マップの図である。なお、本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と同様な部分に同符号を付して、その説明を省略する。
上記第1の実施の形態においては、第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量を演算する電気変換量演算手段36を備え、演算された電気変換量に基づき変速段選択手段37が変速段を選択するものについて説明したが、第2の実施の形態においては、電気変換量を演算せず、予め各種走行状態に生じる電気変換量に基づく変速点マップを備えたものである。
図6に示すように、第2の実施の形態に係るハイブリッド車輌の変速制御装置1は、例えばインバータ回路からの電流値・電圧値などに基づきバッテリに対する充放電量を検出するバッテリ充放電量算出手段38と、変速点マップGmapとを備えている。
ここで、変速点マップGmapについて図8に沿って説明する。図8(a)の変速点マップGmap1、図8(b)の変速点マップGmap2、及び図8(c)の変速点マップGmap3に示すように、縦軸はドライバの要求出力(つまり駆動力T)に、横軸は車速Vに対応している。これら変速点マップGmap1〜Gmap3において、上述したハイブリッド機構20の出力可能な範囲から、低速段Lowの出力可能な範囲と高速段Highの出力可能な範囲との重なる部分が、有段変速機21の変速可能な範囲となる(図4参照)。また、図8(a)、図8(b)及び図8(c)に示す変速線GCP1、GCP2、GCP3は、変速を行う走行状態の点の集合を示すものであり、該変速線GCP1、GCP2、GCP3の図中上方側の走行状態では低速段Lowが、図中下方側の走行状態では高速段Highが、変速段選択手段37により選択される。
なお、ドライバの要求出力は、上述したようにアクセル開度センサ28により検出されるアクセル開度Adに基づき求められ(例えば特許文献1の図5参照)、また、ドライバの要求出力は、アクセル開度Adとほぼ一義的に決定することができるため、縦軸がアクセル開度Adに対応した変速点マップを用いてもよい。
図8(a)に示す変速線GCP1、図8(b)に示す変速線GCP2、図8(c)に示す変速線GCP3は、順に駆動力Tが高くなり、かつ車速Vが低くなるような状態に設定されている。
即ち、バッテリ残量検出手段39により検出されるバッテリ26の充電残量が通常状態(バッテリ26の充電残量が平均的な状態)では、上記エンジンエネルギー量EPOWは大きく補正されず、第1モータ3及び第2モータ4からバッテリ26に対する充電やバッテリ26による放電が少なく、つまりバッテリ充放電量算出手段38により算出される充放電量(負の値として放電量も含む)は僅かなものとなる。そこで、上述した図4(c)に示す電気変換量の差が0kWとなる線(図4(c)中下方側)において有段変速機21を変速することが好ましく、図8(b)に示す変速線GCP2のように(例えば図4(c)に示す電気変換量の差が0kWとなる線と等しい線のように)設けられる。
なお、図4(c)中の上方側の0kWの線において変速すると、変速が頻繁に発生する(いわゆるハンチングする)虞があるので、図8(b)に示すように、1本の変速線GCP2に設定している。
また、バッテリ充放電量算出手段38により算出されるバッテリ26に対する充放電量が小さい場合、即ちバッテリ26の電力を第1モータ3乃至第2モータ4に放電する場合は、バッテリ26の充電残量が多い場合であって上記エンジンエネルギー量EPOWが低くなるように補正される。それにより目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTETGが、通常状態(バッテリ26の充電残量が平均的な状態)よりも低く設定される。そのため、例えば第1モータ3のMG1回転数NMG1が0回転、第2モータ4のMG2トルクTMG2が0の状態、即ちエンジン2の出力だけで走行する状態(図4(a)及び図4(b)のくの字状の0kWの状態)も低くなり、これに限らず、図4(a)及び図4(b)に示す電気変換量の等高線の全体が図中右下方側に移動する形となる。
つまり電気変換量の差が0kWとなる線も図中右下方側に移動する形となるので、図8(a)に示す変速線GCP1のように、図8(b)の変速線GCP2よりも図中右下方側に設けられる。
また反対に、バッテリ充放電量算出手段38により検出されるバッテリ26に対する充放電量が大きい場合、即ちバッテリ26に第1モータ3乃至第2モータ4から電力を充電する場合、或いは補機類による消費電力が大きい場合は、バッテリ26の充電残量が少ない場合、或いは足りない場合であって上記エンジンエネルギー量EPOWが高くなるように補正される。それにより目標エンジン回転数NETG及び目標エンジントルクTETGが、通常状態(バッテリ26の充電残量が平均的な状態)よりも高く設定される。そのため、エンジン2の出力だけで走行する状態(図4(a)及び図4(b)のくの字状の0kWの状態)も高くなり、これに限らず、図4(a)及び図4(b)に示す電気変換量の等高線の全体が図中左上方側に移動する形となる。
つまり電気変換量の差が0kWとなる線も図中左上方側に移動する形となるので、図8(c)に示す変速線GCP3のように、図8(b)の変速線GCP2よりも図中左上方側に設けられる。
ついで、本発明の第2の実施の形態に係る電気変換量に基づく有段変速機21の変速制御について説明する。図7に示すように、例えば不図示のイグニッションキーがONされるとスタートする(S1−1)。すると、まずバッテリ残量検出手段39によりバッテリ26の充電残量が検出され、また、補機消費電力選出手段40により上述した補機類に使用される非駆動力消費電力が算出される。次に、バッテリ充放電量算出手段38が、バッテリ26の充電残量と、非駆動力消費電力とに基づき、第1モータ3及び第2モータ4からバッテリ26に対する充放電量(放電量は負の値として)を算出する。なおこの際、バッテリ26の充電残量が少ない場合、或いは非駆動力消費電力が大きい場合には、第1モータ3及び第2モータ4からバッテリ26に対する充電量が大きくなり、反対にバッテリ26の充電量が多い場合、或いは非駆動力消費電力が小さい場合には、バッテリ26から第1モータ3及び第2モータ4に対する放電量が大きくなる。
つづいて、上記バッテリ充放電量算出手段38により算出された、第1モータ3及び第2モータ4によるバッテリ26に対する充放電量が、所定値a未満であるか否かを判定し(S2−2)、充放電量が所定値a未満の場合、つまりバッテリ26の充電残量が多く、充電量が少なくて足り、特にバッテリ26の電力を第1モータ3乃至第2モータ4に放電する形でハイブリッド車輌を走行させるような場合には(S2−2のYes)、変速段選択手段37は変速点マップGmap1を選択し、該変速点マップGmap1と走行状態(車速V及び駆動力T)とに基づき変速段を選択して(S2−4)、リターンする(S2−7)。またこの際、変速段選択手段37により現在の変速段と異なる変速段が選択されると変速制御手段34により、上述した第1の実施の形態と同様な有段変速機21の変速が行われる。
つづいて、上記バッテリ充放電量算出手段38により算出された、第1モータ3及び第2モータ4によるバッテリ26に対する充放電量が所定値a以上である場合は、ステップS2−3に進み、該充放電量が所定値b未満であるか否かを判定する。ここで、充放電量が所定値a以上、かつ所定値b未満の場合、つまりバッテリ26の充電残量が通常状態であり、充電量が少なくて足り、或いは放電量が少ないような、バッテリ26の電力の充放電をあまり行わない場合には(S2−3のYes)、変速段選択手段37は変速点マップGmap2を選択し、該変速点マップGmap2と走行状態(車速V及び駆動力T)とに基づき変速段を選択して(S2−5)、リターンする(S2−7)。またこの際、変速段選択手段37により現在の変速段と異なる変速段が選択されると変速制御手段34により、上述した第1の実施の形態と同様な有段変速機21の変速が行われる。
そして、上記バッテリ充放電量算出手段38により算出された、第1モータ3及び第2モータ4によるバッテリ26に対する充放電量が所定値a以上であり、かつ所定値b以上である場合には、ステップS2−6に進む。この際は、該充放電量が所定値b以上である場合であり、つまりバッテリ26の充電残量が少ない状態、或いは非駆動力消費電力が大きい場合であって、充電量を多くする必要がある場合であるので、変速段選択手段37は変速点マップGmap3を選択し、該変速点マップGmap3と走行状態(車速V及び駆動力T)とに基づき変速段を選択して、リターンする(S2−7)。またこの際、変速段選択手段37により現在の変速段と異なる変速段が選択されると変速制御手段34により、上述した第1の実施の形態と同様な有段変速機21の変速が行われる。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係るハイブリッド車輌の変速制御装置1によると、第1の実施の形態と同様に、変速段選択手段37が、有段変速機21の各変速段における第1モータ3及び第2モータ4にて電気エネルギーに変換される量である電気変換量に差異が生じる際に、該電気変換量が少なくなるように有段変速機21の変速段を選択し、変速制御手段34が、該変速段選択手段37により選択された変速段に有段変速機21を変速制御するので、有段変速機21の変速により第1モータ3及び第2モータ4のコンパクト化を図ることができるものでありながら、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるように変速することができ、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことが可能となり、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
また特に、変速段選択手段37が、ドライバの要求出力(即ち駆動力T)と車速Vとに対応し、各変速段の電気変換量の少なさに応じて区別した位置を変速点とした変速点マップGmapを有して、該変速点マップGmapに基づき有段変速機21の変速段を選択するので、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
また同様に、変速段選択手段37が、アクセル開度Adと車速Vとに対応し、各変速段の電気変換量の少なさに応じて区別した位置を変速点とした変速点マップを有して、該変速点マップに基づき有段変速機21の変速段を選択することでも、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
更に、変速段選択手段37が、バッテリ26に対する充放電量に応じて変速点の位置が異なる変速点マップを変速点マップGmap1、Gmap2、Gmap3のように複数有して、バッテリ充放電量算出手段38により検出されたバッテリ26に対する充放電量に基づきそれら変速点マップGmap1、Gmap2、Gmap3より1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機21の変速段を選択するので、バッテリ26に対する充放電量に応じて第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなる有段変速機21の変速段を選択することが可能となる。
また、バッテリ充放電量算出手段38は、バッテリ残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量に基づきバッテリ26に対する充放電量を算出することができる。更に、バッテリ充放電量算出手段38は、補機消費電力算出手段40により検出された非駆動力消費電力に基づきバッテリ26に対する充放電量を算出することができる。
なお、本第2の実施の形態においては、バッテリ充放電量算出手段38によりバッテリ26に対する充放電量を算出し、変速段選択手段37が該充放電量に基づき複数の変速点マップGmap1〜Gmap3より1つの変速点マップを選択するものについて説明したが、変速段選択手段37がバッテリ26の充電残量に対応した複数の変速マップを有して、バッテリ残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量に基づき複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機21の変速段を選択するようにしてもよい。これによって、バッテリ26の充電残量に応じて第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなる有段変速機21の変速段を選択することが可能となる。
更に、変速段選択手段37が、バッテリ残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量と、補機消費電力算出手段40により検出された補機類による非駆動力消費電力と、に基づき複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機21の変速段を選択するようにしてもよく、これによって、バッテリ26の充電残量だけでなく、非駆動力消費電力にも応じて第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなる有段変速機21の変速段を選択することが可能となる。
なお、以上説明した第2の実施の形態において、変速点マップを変速点マップGmap1、Gmap2、Gmap3のように3つ有するものについて説明したが、これに限らず、変速点マップを更に多く(或いは少なく)有するようなものであってもよく、つまり変速点マップは何れの数を有しているものであってもよい。
<第3の実施の形態>
ついで、上記第1及び第2の実施の形態を一部変更した第3の実施の形態について、図9に沿って説明する。図9は第3の実施の形態に係るハイブリッド車輌を示す図で、(a)はスケルトン図、(b)は係合表である。なお、本第3の実施の形態においては、第1及び第2の実施の形態と同様な部分に同符号を付して、その説明を省略する。
第1及び第2の実施の形態においては、ハイブリッド車輌が有するトランスミッション10として、エンジン2、第1モータ3、第2モータ4、出力軸6のそれぞれがプラネタリギヤユニットPUの4つの回転要素に連結されたものについて説明したが、第3の実施の形態においては、トランスミッション10’として、エンジン2、第1モータ3、出力軸6のそれぞれがシンプルプラネタリギヤSPの3つの回転要素に連結されており、該出力軸6に第2モータ4が連結されているものである。
図9に示すように、トラスミッション10’のハイブリッド機構40は、第1モータ3と、第2モータ4と、シンプルプラネタリギヤ(差動歯車機構)SPとを備えており、該シンプルプラネタリギヤSPは、3つの回転要素として、サンギヤ(制御回転要素)S1、キャリヤ(入力回転要素)CR1,リングギヤ(出力回転要素)R1を有している。また、該ハイブリッド機構40は、エンジン2が連結された入力軸5を有しており、該入力軸5はキャリヤCR1に、第1モータ3は連結軸3aを介してサンギヤS1に、リングギヤR1は出力軸6に、それぞれ連結されている。つまり、シンプルプラネタリギヤSPが動力分配機構として構成されており、エンジン2からの駆動力を第1モータ3に分配自在で、かつ出力軸6に出力自在にしている。そして、出力軸6(及びリングギヤR1)には、第2モータ4が連結軸4aを介して連結されている。なお、有段変速機21は、第1及び第2の実施の形態で説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
上記トランスミッション10’において、有段変速機21を変速すると、ハイブリッド車輌が慣性走行することから車速Vは略一定であり、ハイブリッド機構40の出力軸6の回転数N及び第2モータ4のMG2回転数NMG2は、有段変速機21のギヤ比に応じて変速されるように制御される。また、例えばエンジン2がエンジン最適燃費マップEmapに基づき駆動制御されていると、エンジン回転数Nは略一定であるので、出力軸6の回転数Nの回転数変化に応じて、シンプルプラネタリギヤSPのギヤ比に基づき第1モータ3のMG1回転数NMG1が変化するように制御される。
また、例えばエンジン2がエンジン最適燃費Emapに基づき駆動制御されていると、エンジントルクTは略一定であるため、第1モータ3に分配されるトルク、即ちエンジントルクTに対する反力となるMG1トルクTMG1も略一定となるように制御される。すると、該エンジントルクT及びMG1トルクTMG1が略一定であるため、つまりシンプルプラネタリSPより分配されて出力されるトルク(即ちリングギヤR1に出力されるトルク)が略一定となるので、第2モータ4のMG2トルクTMG2は、有段変速機21の変速に伴い変化する、出力軸6における要求トルクに応じるために変化するように制御される。
このようにMG1回転数NMG1、MG2回転数NMG2、及びMG2トルクTMG2が、有段変速機21の変速段によって変化するため、第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量も変速段によって差異が生じる。
そこで、第1の実施の形態と同様に、電気変換量演算手段36によって各変速段(低速段Low及び高速段High)における電気変換量を演算し、変速段選択手段37により電気変換量が少なくなるように変速段を選択して、変速制御手段34により選択された変速段に変速制御することで、電気変換量が少なくなるようにすることが可能となる。
また、第2の実施の形態と同様に、ハイブリッド車輌の各種走行状態、即ちバッテリ26に対する充放電量(或いはバッテリ26の充電残量、補機類による非駆動力消費電力)に応じた変速点マップGmapを複数有しておき、変速段選択手段37が、バッテリ充放電量算出手段38により検出されるバッテリ26に対する充放電量(或いは充電残量や非駆動力消費電力)に基づき複数の変速点マップGmapから1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき変速段を選択し、そして、変速制御手段34が選択された変速段に変速制御することで、電気変換量が少なくなるようにすることが可能となる。
以上のように第3の実施の形態に係る本発明によると、変速段選択手段37が、有段変速機21の各変速段における第1モータ3及び第2モータ4にて電気エネルギーに変換される量である電気変換量に差異が生じる際に、該電気変換量が少なくなるように有段変速機21の変速段を選択し、変速制御手段34が、該変速段選択手段37により選択された変速段に有段変速機21を変速制御するので、有段変速機21の変速により第1モータ3及び第2モータ4のコンパクト化を図ることができるものでありながら、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるように変速することができ、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことが可能となり、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
また、シンプルプラネタリギヤSPの複数の回転要素は、エンジン2に連結されるキャリヤCR1と、第1モータ3に連結されるサンギヤS1と、出力軸6に連結されるリングギヤR1とにより構成されてなり、第2モータ4は出力軸6に連結されるので、有段変速機21の変速段によって電気変換量に差異が生じる場合があるが、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるように変速することができるので、電気エネルギーに変換される際の損失が増えることを防ぐことができ、それによりハイブリッド車輌としての燃費の向上を図ることができる。
更に、電気変換量演算手段36を備え、各変速段における電気変換量を演算することで、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
また、電気変換量演算手段36が、バッテリ充電残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量に基づき、各変速段における電気変換量を補正演算するので、バッテリ26と第1モータ3及び第2モータ4との間に充電又は放電が行われる場合であっても、各変速段における電気変換量を演算することを可能とすることができ、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
更に、電気変換量演算手段36が、補機消費電力算出手段40により算出された非駆動力消費電力に基づき、各変速段における電気変換量を補正演算するので、例えばエアコン、パワーステアリングなどの補機類に対してバッテリ26から電力供給が行われる場合であっても、各変速段における電気変換量を演算することを可能とすることができ、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
また、変速段選択手段37が、ドライバの要求出力(又はアクセル開度Ad)と車速とに対応し、各変速段の電気変換量の少なさに応じて区別した位置を変速点とした変速点マップGmapを有して、該変速点マップGmapに基づき有段変速機21の変速段を選択することで、有段変速機21を第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなるような変速段を選択することが可能となる。
更に、変速段選択手段37が、バッテリ26に対する充放電量に応じて変速点の位置が異なる変速点マップGmapを複数有して、バッテリ充放電量算出手段38により検出されたバッテリに対する充放電量に基づき複数の変速点マップGmapより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機21の変速段を選択することで、バッテリ26に対する充放電量に応じて第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなる有段変速機21の変速段を選択することが可能となる。
また、バッテリ充放電量算出手段38は、バッテリ残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量に基づきバッテリ26に対する充放電量を算出することができる。更に、バッテリ充放電量算出手段38は、補機消費電力算出手段40により検出された非駆動力消費電力に基づきバッテリ26に対する充放電量を算出することができる。
更に、変速段選択手段37がバッテリ26の充電残量に対応した複数の変速マップを有して、バッテリ残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量に基づき複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機21の変速段を選択することで、バッテリ26の充電残量に応じて第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなる有段変速機21の変速段を選択することが可能となる。
また、変速段選択手段37が、バッテリ残量検出手段39により検出されたバッテリ26の充電残量と、補機消費電力算出手段40により検出された補機類による非駆動力消費電力と、に基づき複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき有段変速機21の変速段を選択することで、バッテリ26の充電残量だけでなく、非駆動力消費電力にも応じて第1モータ3及び第2モータ4における電気変換量が少なくなる有段変速機21の変速段を選択することが可能となる。
なお、以上に説明した本発明に係る第1、第2及び第3の実施の形態において、有段変速機21は、クラッチC、ブレーキB、ワンウェイクラッチF、及びダブルピニオンプラネタリギヤDPを有して2段変速し得るものについて説明したが、これに限らず、有段変速機21は変速できるものであれば、どのような構成のものであってもよく、更に、2段変速に限らず、例えば3段変速、4段変速など、複数段に変速できるものであれば、何れのものを用いても適用することができる。
また、第1、及び第2の実施の形態で説明したハイブリッド機構20においては、いわゆるシンプソンタイプのプラネタリギヤユニットPUを用いたものを説明したが、例えばラビニヨタイプのプラネタリギヤユニットを用いてもよく、更に、例えばプラネタリギヤを2つ用いたものであってもよく、つまり4つの回転要素を有してそれら4つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1モータ、第2モータ、及び出力軸を連結関係にするものであれば、どのようなものであってもよい。
更に、第3の実施の形態で説明したハイブリッド機構40においては、シンプルプラネタリギヤSPを用いたものを説明したが、例えばダブルピニオンプラネタリギヤを用いたものであってもよく、つまり3つの回転要素を有して、それら3つの回転要素にそれぞれ連結されたエンジン、第1モータ、及び出力軸を連結関係にするものであれば、どのようなものであってもよい。また、ハイブリッド機構40においては、第2モータ4を連結軸4aを介して出力軸6に連結しているが、例えば直接第2モータのロータを出力軸上に連結するようなものであってもよい。
第1の実施の形態に係るハイブリッド車輌の変速制御装置を示すブロック図。 第1の実施の形態に係るハイブリッド車輌を示す図で、(a)はスケルトン図、(b)は係合表。 第1の実施の形態に係る変速制御を示すフローチャート。 電気変換量を示す図で、(a)は低速段時の電気変換量を示す説明図、(b)は高速段時の電気変換量を示す説明図、(C)は低速段時と高速段時との電気変換量の差を示す説明図。 有段変速機を低速段から高速段に変速した際を示すタイムチャート。 第2の実施の形態に係るハイブリッド車輌の変速制御装置を示すブロック図。 第2の実施の形態に係る変速制御を示すフローチャート。 変速点マップを示す図で、(a)はバッテリに対する充放電量が多い状態の変速点マップの図、(b)はバッテリに対する充放電量が通常状態の変速点マップの図、(c)はバッテリに対する充放電量が少ない状態の変速点マップの図。 第3の実施の形態に係るハイブリッド車輌を示す図で、(a)はスケルトン図、(b)は係合表。
符号の説明
1 ハイブリッド車輌の変速制御装置
2 エンジン
3 第1モータ
4 第2モータ
6 出力軸
12 駆動車輪
21 有段変速機
26 バッテリ
34 変速制御手段
36 電気変換量演算手段
37 変速段選択手段
38 バッテリ充放電量算出手段
39 バッテリ残量検出手段
40 補機消費電力算出手段
図2のPU 差動歯車機構(プラネタリギヤユニット)
図2のCR2 複数の回転要素、入力回転要素(キャリヤ)
図2のS1 複数の回転要素、第1制御回転要素(サンギヤ)
図2のS2 複数の回転要素、第1制御回転要素(サンギヤ)
図2のR1 複数の回転要素、第2制御回転要素(リングギヤ)
図2のCR1 複数の回転要素、出力回転要素(キャリヤ)
図2のR2 複数の回転要素、出力回転要素(リングギヤ)
図9のSP 差動歯車機構(シンプルプラネタリギヤ)
図9のCR1 複数の回転要素、入力回転要素(キャリヤ)
図9のS1 複数の回転要素、制御回転要素(サンギヤ)
図9のR1 複数の回転要素、出力回転要素(リングギヤ)
GCP 変速点
GCP1 変速点
GCP2 変速点
GCP3 変速点
Gmap 変速点マップ
Gmap1 変速点マップ
Gmap2 変速点マップ
Gmap3 変速点マップ
High 複数段、高速段
Low 複数段、低速段
ETG 目標エンジン回転数
MG1 第1モータの回転数
MG2 第2モータの回転数
出力軸の回転
Plo1+Plo2 電気変換量
Phi1+Phi2 電気変換量
ETG 目標エンジン出力トルク
MG1 第1モータの出力トルク
MG2 第2モータの出力トルク
出力軸の出力トルク
V 車速

Claims (10)

  1. 第1モータと、第2モータと、複数の回転要素を有してエンジン、該第1モータ、該第2モータ、及び出力軸を連結関係にする差動歯車機構と、該出力軸と駆動車輪との間に介在すると共に該出力軸の回転を複数段に変速して該駆動車輪に出力する有段変速機と、を備えたハイブリッド車輌の変速制御装置において、
    バッテリに対する充放電量を算出するバッテリ充放電量算出手段と、
    前記有段変速機の各変速段における前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方にて電気エネルギーに変換される量である電気変換量の少なさに応じて区別した位置を変速点とすると共に、前記バッテリに対する充放電量に応じて前記変速点の位置が異なる変速点マップを複数有し、前記バッテリ充放電量算出手段により算出された前記バッテリに対する充放電量に基づき前記複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき前記有段変速機の変速段を選択することで、該電気変換量が少なくなるように前記有段変速機の変速段を選択する変速段選択手段と、
    前記変速段選択手段により選択された変速段に前記有段変速機を変速制御する変速制御手段と、を備える、
    ことを特徴とするハイブリッド車輌の変速制御装置。
  2. バッテリの充電残量を検出するバッテリ残量検出手段を備え、
    前記バッテリ充放電量算出手段は、前記バッテリ残量検出手段により検出された前記バッテリの充電残量に基づき、前記バッテリに対する充放電量を算出してなる、
    請求項記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
  3. 前記バッテリの電力を車輌走行の駆動力以外に消費する非駆動力消費電力を検出する補機消費電力算出手段を備え、
    前記バッテリ充放電量算出手段は、前記補機消費電力算出手段により検出された前記非駆動力消費電力に基づき、前記バッテリに対する充放電量を算出してなる、
    請求項1または2記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
  4. 第1モータと、第2モータと、複数の回転要素を有してエンジン、該第1モータ、該第2モータ、及び出力軸を連結関係にする差動歯車機構と、該出力軸と駆動車輪との間に介在すると共に該出力軸の回転を複数段に変速して該駆動車輪に出力する有段変速機と、を備えたハイブリッド車輌の変速制御装置において、
    バッテリの充電残量を検出するバッテリ残量検出手段と、
    前記有段変速機の各変速段における前記第1モータ及び前記第2モータの少なくとも一方にて電気エネルギーに変換される量である電気変換量の少なさに応じて区別した位置を変速点とすると共に、前記バッテリの充電残量に応じて前記変速点の位置が異なる変速点マップを複数有し、前記バッテリ残量検出手段により検出された前記バッテリの充電残量に基づき前記複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき前記有段変速機の変速段を選択することで、該電気変換量が少なくなるように前記有段変速機の変速段を選択する変速段選択手段と、
    前記変速段選択手段により選択された変速段に前記有段変速機を変速制御する変速制御手段と、を備える、
    ことを特徴とするハイブリッド車輌の変速制御装置。
  5. 前記バッテリの電力を車輌走行の駆動力以外に消費する非駆動力消費電力を検出する補機消費電力算出手段を備え、
    前記変速段選択手段は、前記バッテリ残量検出手段により検出された前記バッテリの充電残量と、前記補機消費電力算出手段により検出された前記非駆動力消費電力と、に基づき前記複数の変速点マップより1つの変速点マップを選択し、該選択された変速点マップに基づき前記有段変速機の変速段を選択してなる、
    請求項記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
  6. 前記変速点マップの変速点は、ドライバの要求出力と車速とに対応してなる、
    請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
  7. 前記変速点マップの変速点は、アクセル開度と車速とに対応してなる、
    請求項1ないし5のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
  8. 前記差動歯車機構の複数の回転要素は、前記エンジンに連結される入力回転要素と、前記第1モータに連結される制御回転要素と、前記出力軸に連結される出力回転要素と、により構成されてなり、
    前記第2モータは、前記出力軸に連結されてなる、
    請求項1ないし7のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
  9. 前記差動歯車機構の複数の回転要素は、前記エンジンに連結される入力回転要素と、前記第1モータに連結される第1制御回転要素と、前記第2モータに連結される第2制御回転要素と、前記出力軸に連結される出力回転要素と、により構成されてなる、
    請求項1ないし8のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
  10. 前記有段変速機は、低速段又は高速段に変速し得る2段変速機である、
    請求項1ないし9のいずれか記載のハイブリッド車輌の変速制御装置。
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