JP4143274B2 - アルカリプロテアーゼ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗剤配合用酵素として優れた洗浄性能を有するアルカリプロテアーゼに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
プロテアーゼは、衣料用洗剤をはじめとする各種洗剤、化粧料、浴用剤、食品改質剤、消化助剤あるいは消炎剤といった医薬品等の多分野で利用されてきた。その中でも最も大量に工業生産され市場規模が大きいのは洗剤用プロテアーゼであり、多くのプロテアーゼが市販されている。
【0003】
ところが、衣料等の汚れは蛋白質だけでなく、脂質、固体粒子など複数の成分が含まれていることが殆どであり、斯かる実際の複合汚れに対して洗浄力の高い洗浄剤が望まれている。このような観点から、本発明者は、高濃度の脂肪酸存在下でもカゼイン分解活性を保持し、蛋白だけでなく皮脂等の汚れのある複合汚れ条件下でも優れた洗浄性を有する分子量約43,000のアルカリプロテアーゼを見出し、先に特許出願した(WO99/18218)。
【0004】
しかし、さらに優れた洗浄性能を有し、幅広い組成の洗剤に適用できるアルカリプロテアーゼが求められていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、変異酵素を中心として前記アルカリプロテアーゼを探索してきたが、従来行なわれているズブチリシンに代表されるセリンプロテアーゼと前記アルカリプロテアーゼとは、酵素学的性質が全く異なり、ズブチリシン等の変異箇所は全く参考にならなかった。そしてさらに検討したところ、前記アルカリプロテアーゼの特性を保持し、洗浄力を向上させるには、ある種のアルカリプロテーアーゼにおいて、当該アミノ酸配列の特定位置に特定のアミノ酸残基が必要であることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、配列番号1の(a)84位、(b)104位、(c)256位若しくは(d)369位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が欠失又は下記アミノ酸残基;
(a)位置:アルギニン残基、
(b)位置:プロリン残基、
(c)位置:アラニン、セリン残基、
(d)位置:アスパラギン残基、
から選ばれたものであるアルカリプロテアーゼ、それをコードする遺伝子、該遺伝子を含有する組換えベクター、及び該ベクターを含有する形質転換体を提供するものである。
【0007】
また本発明は、このアルカリプロテアーゼを含有する洗剤組成物を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のアルカリプロテアーゼは、上記のように、配列番号1の(a)84位、(b)104位、(c)256位若しくは(d)369位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が欠失又は下記アミノ酸残基;(a)位置:アルギニン残基、(b)位置:プロリン残基、(c)位置:アラニン、セリン残基、(d)位置:アスパラギン残基、から選ばれたものである。すなわち、本発明のアルカリプロテアーゼは、配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するアルカリプロテアーゼにおける前記(a)〜(d)から選ばれる位置のアミノ酸残基又は他種アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列の当該位置に相当する位置のアミノ酸残基が欠失又は特定のアミノ酸残基であるプロテアーゼを意味し、これらは野生型、野生型の変異体或いは人為的に変異を施した変異体であってもよい。
【0009】
ここで、「他種アルカリプロテアーゼ」としては、野生型又は野生型の変異体であってもよく、酸化剤耐性を有し、SDS−PAGEによる分子量が43,000±2,000であることが好ましく、配列番号1に示すアミノ酸配列と60%以上の相同性をもつアミノ酸配列を有するものがより好ましい。特に配列番号1に示すアミノ酸配列と60%以上の相同性をもつアミノ酸配列を有するものであって、酸化剤耐性を有し、アルカリ側(pH8以上)で作用し、かつ安定であり、50℃においてもpH10で10分間処理したとき80%以上の残存性を示し、ジイソプロピルフルオルリン酸(DFP)及びフェニルメタンスルホニルフルオライド(PMSF)で阻害され、SDS−PAGEによる分子量が43,000±2,000のものが好ましい。ここで、酸化剤耐性を有するとは、当該アルカリプロテアーゼを50mM過酸化水素(5mM塩化カルシウムを含有)溶液中で、pH10(20mMグリットンロビンソン緩衝液)で、20℃20分間の残存活性(合成基質法)が少なくとも50%以上を保持していることをいう。
【0010】
ここで、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するアルカリプロテアーゼ」としては、KP43〔バチルス エスピーKSM−KP43(FERM BP−6532)由来、WO99/18218〕が挙げられ、「配列番号1に示すアミノ酸配列と60%以上の相同性をもつアミノ酸配列を有するアルカリプロテアーゼ」としては、配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するプロテアーゼKP9860〔バチルス エスピーKSM−KP9860(FERM BP−6534)由来、WO99/18218〕、配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するプロテアーゼE−1〔バチルス No.D−6(FERM P−1592)由来、JP740710〕、配列番号4で示されるアミノ酸配列を有するプロテアーゼYa〔バチルス エスピーY(FERM BP−1029)由来、JP861210〕、配列番号5で示されるアミノ酸配列を有するプロテアーゼSD521〔バチルス SD521株(FERM P−11162)由来、JP910821〕、配列番号6で示されるアミノ酸配列を有するプロテアーゼA−1(NCIB12289由来、WO8801293)、配列番号7で示されるアミノ酸配列を有するプロテアーゼA−2(NCIB12513由来、WO8801293)等が挙げられる。このうち、配列番号2〜7から選ばれるアミノ酸配列又はこれと80%以上の相同性を有するアルカリプロテアーゼが好ましく、さらにこれと90%以上の相同性を有するアルカリプロテアーゼがより好ましく、特に95%以上の相同性を有するアルカリプロテアーゼが好ましい。
なお、アミノ酸配列の相同性は、リップマン−パーソン(Lipman-Pearson)法(Science, 227,1435,1985)によって計算される。
【0011】
また、「相当する位置のアミノ酸残基」を特定する方法としては、例えばリップマン−パーソン法等の公知のアルゴリズムを用いてアミノ酸配列を比較することにより行うことができる。プロテアーゼのアミノ酸配列をこのような方法で整列させることにより、相当する位置のアミノ酸残基の各プロテアーゼにおける配列中の位置を決めることが可能である。相当する位置は、三次元構造中で同位置に存在すると考えられ、対象のプロテアーゼの特異的機能に関して類似した効果を有することが推定できる。
【0012】
すなわち、(a)配列番号1の84位のアミノ酸残基はリジン残基であるが、その位置に相当する位置のアミノ酸残基は、上記の方法を用いることにより、例えば配列番号3においてはそれぞれ83位のリジン残基というように特定することができる。
当該アミノ酸残基は、アルギニンであるのが好ましい。
【0013】
(b)配列番号1の104位のアミノ酸残基はロイシン残基であるが、当該アミノ酸残基又はこれに相当するアミノ酸残基はプロリン残基であるのが好ましい。
【0014】
(c)配列番号1の256位のアミノ酸残基はメチオニン残基であるが、当該アミノ酸残基は特にアラニンあるいはセリン残基であるのが好ましい。
【0015】
(d)配列番号1の369位のアミノ酸残基はアスパラギン酸残基であるが、当該アミノ酸残基又はこれに相当するアミノ酸残基は、アスパラギン残基であるのが好ましい。
【0016】
プロテアーゼKP43のアミノ酸配列(配列番号1)の(a)〜(d)位に相当する位置及びアミノ酸残基の具体例を、上記「他種アルカリプロテアーゼ」のうちの好適に用いられるもので示す(表1)。
【0017】
【表1】
Figure 0004143274
【0018】
また、本発明アルカリプロテアーゼにおけるアミノ酸残基の欠失又は(a)〜(d)の選択は、2個所以上が同時になされていていもよい。
【0019】
本発明のアルカリプロテアーゼが変異体である場合、変異を施す前のアルカリプロテアーゼ(親アルカリプロテアーゼということがある)としては、「配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するプロテアーゼ」又は上述した「他種アルカリプロテアーゼ」として示したものが該当し、これに目的部位の変異を施すことにより本発明のアルカリプロテアーゼが得られる。例えばプロテアーゼKP43の配列番号1で示されるアミノ酸配列の前記(a)〜(d)から選ばれる位置のアミノ酸残基又は他種アルカリプロテアーゼのアミノ酸配列、具体的には配列番号2〜7で示されるアミノ酸配列の前記位置に相当する位置のアミノ酸残基を欠失又は他のアミノ酸残基に置換することにより得られる。
【0020】
本発明アルカリプロテアーゼは、例えば以下の方法により得ることができる。すなわち、クローニングされた親アルカリプロテアーゼをコードする遺伝子に対して変異を与え、得られた変異遺伝子を用いて適当な宿主を形質転換し、当該組換え宿主を培養することにより得られる。親アルカリプロテアーゼをコードする遺伝子のクローニングは、一般的な遺伝子組換え技術を用いればよく、例えばWO99/18218、JP901128、WO98/56927記載の方法に従って行えばよい。
【0021】
親アルカリプロテアーゼをコードする遺伝子の変異手段としては、一般的に行われているランダム変異や部異特異的変異の方法がいずれも採用できる。より具体的には、例えば宝酒造社のSite-Directed Mutagenesis System Mutan-Super Express Kmキット等を用いて行うことができる。また、リコンビナントPCR(polymerase chain reaction)法(PCR protocols, Academic press, New York, 1990)を用いることによって、遺伝子の任意の配列を他の遺伝子の該任意の配列に相当する配列と置換することが可能である。
【0022】
得られた変異遺伝子を用いた本発明プロテアーゼの生産方法は、例えば当該変異遺伝子を安定に増幅できるDNAベクターに連結させる、あるいは当該変異遺伝子を安定に維持できる染色体DNA上に導入させるなどの方法で本発明の変異プロテアーゼをコードするDNAを安定に増幅し、さらに該遺伝子を安定にかつ効率よく発現させることが可能である宿主に導入させ、変異プロテアーゼを生産させる方法が採用できる。この条件を満たす宿主としては例えばバチルス属細菌、大腸菌、カビ、酵母、放線菌などが挙げられる。
【0023】
かくして得られる本発明のアルカリプロテアーゼは、アルカリ側で活性を有し、高級脂肪酸によってカゼイン分解活性の阻害を受けず、且つ優れた洗浄力を示すものである。従って、本発明の変異プロテアーゼは、各種洗剤組成物配合用酵素として有用である。
本発明の洗剤組成物中への上記プロテアーゼの含有量は変異プロテアーゼが活性を示す量であればよく、洗浄組成物1kg当たり0.1〜5000P.U.が含有できるが、経済性を考慮し1000P.U.以下、好ましくは500P.U.以下である。
【0024】
本発明の洗剤組成物は、本発明のアルカリプロテアーゼ以外にさまざまな酵素を併用することもできる。例えば、加水分解酵素、酸化酵素、還元酵素、トランスフェラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、シンテターゼ等である。このうち、プロテアーゼ、ケラチナーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、プルラナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、グルコシダーゼ、グルカナーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ及び本発明に用いるアルカリプロテアーゼ以外のプロテアーゼ等が好ましい。
【0025】
プロテアーゼとしては市販のアルカラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ(以上、ノボ ノルディスク社)、プロペラーゼ、プラフェクト(ジェネンコア社)、KAP(花王社)等が挙げられる。セルラーゼとしては、セルザイム、ケアザイム(以上ノボ ノルディスク社)、KAC(花王社)、特開平10−313859号公報記載のバチルス・エスピー KSM−S237株が生産するアルカリセルラーゼ等が挙げられる。アミラーゼとしては、ターマミル、デュラミル(以上、ノボ ノルディスク社)、プラスター(ジェネンコア社)、KAM(花王社)等が挙げられる。リパーゼとしてはリポラーゼ、リポラーゼウルトラ(以上、ノボ ノルディスク社)等が挙げられる。これらの酵素は0.001〜10%、好ましくは0.03〜5%配合される。
【0026】
界面活性剤は、洗剤組成物中0.5〜60重量%(以下単に%で示す)配合され、特に粉体状洗剤組成物については10〜45%、液体洗剤組成物については20〜50%配合することが好ましい。また本発明洗剤組成物が漂白洗剤又は自動食器洗浄機用洗剤である場合、界面活性剤は一般に1〜10%、好ましくは1〜5%配合される。
【0027】
二価金属イオン捕捉剤は0.01〜50%、好ましくは5〜40%配合される。
【0028】
アルカリ剤及び無機塩は0.01〜80%、好ましくは1〜40%配合される。
【0029】
再汚染防止剤は0.001〜10%、好ましくは1〜5%配合される。
【0030】
漂白剤(例えば過酸化水素、過炭酸塩等)は1〜10%配合するのが好ましい。漂白剤を使用するときは漂白活性化剤(アクチベーター)を0.01〜10%配合することができる。
【0031】
蛍光剤はビフェニル型蛍光剤(例えばチノパールCBS−X)やスチルベン型蛍光剤(例えばDM型蛍光染料)等が挙げられる。蛍光剤は0.001〜2%配合するのが好ましい。
【0032】
本発明の洗剤組成物は、上記方法で得られるアルカリプロテアーゼ及び上記公知の洗浄成分を組み合わせて常法に従い製造することができる。洗剤の形態は、用途に応じて選択することができ、例えば、液体、粉体、顆粒等にすることができる。
なお、本発明のアルカリプロテアーゼを粉末洗剤組成物に用いる場合は、洗剤製造時、あるいは使用時に作業者や消費者が酵素との接触をできるだけ避ける目的や、熱による失活あるいは分解を防ぐため特開昭62−257990号公報に記載の方法に基づき製造した顆粒を洗剤粒子製造後に混合することが好ましい。
【0033】
かくして得られる本発明洗剤組成物は、衣料用洗剤、漂白洗剤、自動食器洗浄機用洗剤、配水管洗浄剤、義歯洗浄剤等として使用できるが、特に衣料用洗剤、漂白洗剤、自動食器洗浄機用洗剤として好適に使用することができる。
【0034】
【実施例】
(洗浄力の測定法)
変異酵素の洗浄力評価は、ターゴトメーター(上島製作所製)を用いて行った。市販の衣料用洗剤を所定の使用濃度になるように調製した溶液に、変異酵素を最終濃度で10mPU/L、20mPU/Lになるように添加した。次いで、変異酵素の洗浄力評価に供する汚染布EMPA117(EMPA社製、血液/ミルク/カーボン)を6×6cm画に裁断したものを添加し、特に断らない限り20℃で洗浄(100rpm)を行った。水道水によるすすぎを行った後、色彩色差計(MINOLTA、CM3500d)を用いて明度を測定し、洗浄前後における明度の変化から洗浄率を算出した。
【0035】
(カゼイン分解活性の測定法)
1%(w/v)カゼイン(ハマーステイン:メルク社製)を含む50mmol/Lホウ酸−NaOH緩衝液(pH10.5)1mLを30℃で5分間保温した後、0.1mLの酵素溶液を添加し、30℃で15分間反応を行った。TCA溶液(0.11mol/Lトリクロロ酢酸:0.22mol/L酢酸ナトリウム:0.33mol/L酢酸)2mLを添加して反応を停止し、室温で10分間放置した後、酸変性蛋白を濾過(No.2濾紙:ワットマン社製)した。そして濾液0.5mLにアルカリ性銅試薬(1%(w/v)酒石酸カリウム・ナトリウム:1%(w/v)硫酸銅:2%(w/v)炭酸ナトリウム、0.1mol/L水酸化ナトリウム=1:1:100(v/v))2.5mLを添加し、30℃、10分間保温した後、希釈フェノール試薬(フェノール試薬(関東化学社製)をイオン交換水で2倍に希釈したもの)0.25mLを加え、30℃、30分間保温した後、660nmにおける吸光度を測定した。上記の酵素反応系に反応停止液を混合した後、酵素溶液を加えた系をブランクとした。
なお、酵素1単位(P.U.)は、上記の反応条件において1分間に1mmolのチロシンに相当する酸可溶性蛋白分解物を遊離する酵素量とした。
【0036】
実施例1
プロテアーゼ構造遺伝子の終止コドンまでを含む約2.0kbの範囲に対しランダムに変異を与えることとした。先ず、本2.0kbを増幅できるプライマーを用いPCRを行った。PCR反応液は鋳型DNAを5ng、リン酸化プライマーを20pmoL、各dNTPを20nmoL、1μmoLのTris/HCl(pH8.3)、5μmoLのKCl、0.15μmolのMgCl2、そして2.5U TaqDNAポリメラーゼを含有し、最終液量を100μLとした。PCR温度条件は、94℃において5分間放置し鋳型を変性させた後、94℃で1分間、55℃で1分間、72℃で1.5分間を1サイクルとしてこれを30サイクル行った。PCR product purificaton Kit(ベーリンガー社)によってPCR産物を精製し100μLの滅菌水で溶出させた。引き続き、1μLの溶出液を使用して2回目のPCRを行った。PCRの条件は鋳型DNA以外は全て1回目のPCR条件と同じである。2回目のPCR後に1回目と同様にPCR産物を精製し100μLの滅菌水で溶出させた。
【0037】
増幅DNA断片のベクターへの組み込みはTaKaRa社製のLATaqを用いたポリメラーゼ反応による方法によって行った。詳細に説明すると、2回目の精製溶出液35μLにLATaq用のバッファー(10倍濃縮液)を5μL、dNTP溶液を8μL、LATaqDNAポリメラーゼを0.5μL、さらに鋳型としてプラスミドpHA64TS(発現ベクターpHA64にプロテアーゼ構造遺伝子を連結)を20ng添加後、最終液量を50μLにし、94℃1分間、55℃1分間、72℃4分間を30サイクルの条件でPCR反応を行った。その後エタノール沈澱によってPCR産物を回収した。このPCR産物はプライマー位置の5′側にニックを有するプラスミドの形状を成しており、このニック部分を連結させるために、さらにT4リガーゼ(TaKaRa社)によるリガーゼ反応処理を行った。
【0038】
次に、同リガーゼ反応液10μLを用いてBacillus subtilis ISW1214株の形質転換を行ったところ約4×105個の形質転換体が取得された。そこでISW1214株の形質転換体をスキムミルク含有培地(スキムミルク1%、バクトトリプトン1%、塩化ナトリウム1%、酵母エキス0.5%、寒天1.5%、テトラサイクリン7.5μg/mL)上に生育させ、プロテアーゼ分泌量を反映していると考えられるハローの形成状態を観察した。
【0039】
実施例2
実施例1で得られた変異プロテアーゼの洗浄力の測定結果を図1に示す。本発明の変異アルカリプロテアーゼはいずれも変異を導入する前の野生型酵素に比べて優れた洗浄力を有していた。
【0040】
実施例3
(1)粒状洗剤の調製
WO99/29830号公報の実施例3に記載の洗剤を用いて洗浄力評価を行った。即ち攪拌翼を有した1m3の混合槽に水465kgを加え、水温が55℃に達した後に、50%(w/v)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液48kg、40%(w/v)ポリアクリル酸ナトリウム水溶液135kgを添加した。15分間攪拌した後、炭酸ナトリウム120kg、硫酸ナトリウム60kg、亜硫酸ナトリウム9kg、蛍光染料3kgを添加した。更に15分間攪拌した後、ゼオライト300kgを添加し、30分間攪拌して均質なスラリーを得た(スラリー中の水分は50重量%)。このスラリーを噴霧乾燥塔の塔頂付近に設置した圧力噴射ノズルから噴霧することでベース顆粒を得た(噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が225℃で供給し、塔頂より105℃で排出)。
次に非イオン界面活性剤15重量部と50重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液15重量部とポリエチレングリコール1重量部を70℃になるように加熱混合し、混合液を作製した。レディゲミキサー(松坂技研(株)製、容量20L、ジャケット付)に上記ベース顆粒100重量部を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を開始した。なお、ジャケットに75℃の温水を10L/分で流し、そこに上記混合液を3分間で投入し、その後5分間攪拌を行った。更にこの洗剤粒子群の粒子表面に結晶性アルミノ珪酸塩10重量部で表面被覆を行い、最終粒状洗剤を得た。
[使用した原料]
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液:ネオペレックスF65(花王(株)製)
非イオン界面活性剤:エチレンオキサイド平均付加モル数が8.5のエマルゲン108KM(花王(株)製)
ポリアクリル酸ナトリウム水溶液:平均分子量10000(特公平2−24283号公報の実施例に記載の方法に従って製造した)
炭酸ナトリウム:デンス灰(セントラル硝子(株)製)
ゼオライト:平均粒径が3.5μmのゼオライト4A型(東ソー(株)製)
ポリエチレングリコール:K−PEG6000(平均分子量8500(花王(株)製)
蛍光染料:チノパールCBS−X(チバガイギー社製)
【0041】
(2)プロテアーゼ造粒物の調製
本発明のアルカリプロテアーゼ及び親アルカリプロテアーゼの精製標品から特開昭62−257990号公報に記載の方法に基づきプロテアーゼ造粒物を調製した(6P.U./g)。
【0042】
(3)洗浄力の測定
20℃に温度調節した1Lのカルシウム水溶液(71.2mg炭酸カルシウム/1L)に表2に示す洗剤組成物を0.67g溶解した。試験布(EMPA117(EMPA社製、血液/ミルク/カーボン))を6×6cmに裁断後、Terg−O−tometer(上島製作所製)を使用し、20℃、100rpmで10分間洗浄を行った。濯ぎ、乾燥後、色彩色差計(MINOLTA、CM3500d)を用いて明度を測定し、下式より洗浄率を算出した。結果を表2に併せて示す。
【0043】
【数1】
Figure 0004143274
【0044】
【表2】
Figure 0004143274
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、高濃度の脂肪酸存在下でも活性を有し、かつ洗浄力が高く、洗剤配合用酵素として有用なアルカリプロテアーゼを提供できる。
【0046】
【配列表】
Figure 0004143274
Figure 0004143274
Figure 0004143274
Figure 0004143274
Figure 0004143274
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Figure 0004143274
Figure 0004143274
Figure 0004143274

【図面の簡単な説明】
【図1】各変異アルカリプロテアーゼの洗浄力を示す図である。

Claims (8)

  1. 配列番号1の(a)84位、(b)104位、(c)256位若しくは(d)369位のアミノ酸残基が下記アミノ酸残基;
    (a)位置:アルギニン残基、
    (b)位置:プロリン残基、
    (c)位置:アラニン、セリン残基、
    (d)位置:アスパラギン残基、
    から選ばれたものであるアルカリプロテアーゼ。
  2. 配列番号1に示すアミノ酸配列又はこれと90%以上の相同性をもつアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼにおいて、配列番号1の(a)84位、(b)104位、(c)256位若しくは(d)369位又はこれに相当する位置のアミノ酸残基が下記アミノ酸残基;
    (a)位置:アルギニン残基、
    (b)位置:プロリン残基、
    (c)位置:アラニン、セリン残基、
    (d)位置:アスパラギン残基、
    から選ばれたものであるアルカリプロテアーゼ。
  3. 配列番号1に示すアミノ酸配列と90%以上の相同性をもつアミノ酸配列からなるアルカリプロテアーゼが、配列番号2,6及び7から選ばれるアミノ酸配列からなる請求項2記載のアルカリプロテアーゼ。
  4. 請求項1〜3記載のアルカリプロテアーゼをコードする遺伝子。
  5. 請求項4記載の遺伝子を含有する組換えベクター。
  6. 請求項5記載の組換えベクターを含有する形質転換体。
  7. 宿主が微生物である請求項6記載の形質転換体。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項記載のアルカリプロテアーゼを含有する洗剤組成物。
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