JP4050654B6 - 安定化酵素及び洗剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規の安定化プロテアーゼ、この安定化プロテアーゼをコードするヌクレオチド配列及びこの新規の安定化プロテアーゼをコードするヌクレオチド配列を含む宿主生物に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロテアーゼ/ズブチリシン
プロテアーゼ又は(同義語の)ペプチダーゼは、タンパク質基質におけるアミド結合を切断する酵素である。バチルス(Bacillus)の種の細菌は2種類の細胞外プロテアーゼ、即ち、中性又は金属プロテアーゼと、機能的にセリンエンドプロテアーゼであり、ズブチリシンと呼ばれるアルカリ性プロテアーゼとを分泌する。
【0003】
セリンプロテアーゼはペプチド結合の加水分解を触媒する酵素であり、そしてその中には活性部位にて必須のセリン残基が存在している〔White, HandlerとSmith (1973) ; Principles of Biochemistry; 第5版,McGraw-Hill Book Company, NY, 271-272 〕。
【0004】
細菌性セリンプロテアーゼは20,000〜45,000の範囲における分子量を有する。それらは単純な末端エステルを加水分解し、そして真核性キモトリプシン(これもセリンプロテアーゼである)と活性において類似する。サブグループを包括するより狭義な語アルカリ性プロテアーゼは、pH9.0 から11.0に至る一部のセリンプロテアーゼの高いpH最適性を反映している〔参考のため、Priest ; Bacteriological Rev.,41 711-753 (1977)を参照のこと〕。
【0005】
本発明との関連において、ズブチリシンはグラム陽性の細菌又は菌類より生産されるセリンプロテアーゼである。別の定義に従うと、ズブチリシンはセリンプロテアーゼであり、その触媒性トリアドにおけるアミノ酸残基の相対順序はAsp-His-Ser(位置32, 64及び221)である。幅広い様々なズブチリシンが固定されており、そして数多くのズブチリシンのアミノ酸配列が決定されている。これにはとりわけバチルス株に由来する6種のズブチリシン、即ち、ズブチリシン168、ズブチリシンBPN'、ズブチリシン カールスバーグ、ズブチリシンDY、ズブチリシンアミロサッカリティカス及びメセンテリコペプチダーゼ〔Kuriharaら (1972) ; J. Biol. Chem.; 247 5629-5631 ; Wellsら (1983) ; Nucleic Acids Res.; 117911-7925 ; Stahl とFerrari (1984) ; J. Bacteriol.; 159 811-819 ; Jacobsら (1985) ; Nucl. Acids Res.; 13 8913-8926 ; Nedkov ら (1985) ; Biol. Chem. Hoppe-Seyler ; 366 421-430 ; Svendsen ら (1985) ; FEBS LETTERS ; 196 228-232〕、アクチノミセス目由来の1種のズブチリシン、即ち、サーモアクチノマイセス バルガリス(Thermoactinomyces vulgaris) 由来のサーミターゼ〔Melounら (195) ; FEBS LETTERS ; 1983 195-200〕、及び1種の菌類ズブチリシン、即ち、トリチラキウム アルブム(Tritirachium album)由来のプロテイナーゼK〔JanyとMayer (1985) ; Biol Chem. Hoppe-Seyler ; 366 548-492〕が含まれる。
【0006】
ズブチリシンのようなプロテアーゼは工業、特に洗剤配合物においてかなりの有用性が見い出されており、なぜならそれらはタンパク質性の染みを除去するのに有用であるからである。
タンパク質の構造
プロテアーゼは球状タンパク質であり、そしてその長いポリペプチド鎖の折りたたみが相当量の程度あることに基づいてかなりコンパクトである。そのポリペプチド鎖は「主鎖」及びその「側鎖基」より本質的に構成される。ペプチド結合は平面性であるため、Cα−N軸及びCα−C’軸を中心とする回転のみが可能である。ペプチド主鎖のCα−N結合を中心とする回転はねじれ角φ(ファイ)で表わされ、Cα−C’結合を中心とする回転はΨ(サイ)で表わされる〔例えば、Creighton, T. E. (1984) ; Proteins ; W. H.Freeman and Company, New York 、を参照のこと〕。これらの回転角の値の選択は、最大に伸ばした鎖に+180 °(これは−180 °と同一である)の最大値を設定することによりなされる。完全に伸びきったポリペプチド鎖において、N,Cα及びC1 原子は全て互いに対して「トランス」にある。「シス」コンホメーションにおいては、φ及びΨのの角は0°の値と定める。この位置からのこれらの結合の回転、即ち、この回転した結合の背後から見て原子が「反時計方向」に移動することを定義により負の値と定め、「時計方向」を正の値と定める。従って、ねじれ角の値は−180 °〜+180 °の範囲にある。
【0007】
Cα−原子はこの鎖の回転点であるため、Cα−原子に結合している側鎖基(R基)は分子のコンホメーションに関連して非常に重要となる。
【0008】
「コンホメーション」なる語はタンパク質の全体構造を形成するうえでのポリペプチド鎖の二次及び三次構造の関与を明らかにする。タンパク質の適切なコンホメーションはタンパク質の特異的な構造にとって主に重要であり、そして酵素の固有の触媒的性質(即ち、活性及び特異性)並びにその安定性に大いに寄与する。
【0009】
ポリペプチドのアミノ酸は4種の一般的な群、即ち、非極性、非荷電、及び負又は正荷電極性アミノ酸に分類することができる。タンパク質分子は、それが通常見い出せるその水性環境に沈められると、周囲の環境に対してその最大数の極性側鎖基をさらす傾向にあり、その際、大半のその非極性側鎖基は内側に配向する。この状況における側鎖基の配向はタンパク質のコンホメーションの安定化につながる。
【0010】
従って、タンパク質は、折りたたまれ、且つ、秩序のとれた状態と、ほどかれ、且つ、無秩序な状態との動力学的平衡状態において存在している。この平衡状態は、タンパク質の全体構造を安定化せしめる傾向の、ポリペプチド鎖の様々なセグメント間での近距離の相互作用にある程度反映する。同時に、熱力学的エネルギーはほどかれた分子の無秩序化を助長する傾向にある。
【0011】
安定化酵素を画策する方法は、ポリペプチド主鎖の柔軟性を下げることによりほどきの程度を下げ、そして同時にほどかれている鎖のエントロピーを下げることにある。現在まで、新規の安定化プロテアーゼの開発においてこの理論を証明するのにわずかな試みしかなされていない。
【0012】
タンパク質の熱的安定性を高める一般的な理論が提供されている〔Suzuki, Y. (1989) ; Proc. Japan Acad.; 65 Ser. B〕。この論文においてSuzukiは、球状タンパク質の熱的安定性は、酵素の二次及び三次構造、並びに触媒的機能を有意に変えることなく、β−ターンの第2部位におけるプロリンの存在率を高めることによって高い程度にまで漸増的に高めることができると述べている。この理論は様々な事実及び発見、特にプロリン残基がβ−ターンの第2部位にて優先的に存在する傾向が強いことを示す事実に基づく〔Levitt, M (1978) ; Biochemistry ; 17 4277-4285 ;及び Chou, P. Y. & Fasman, G. D (1977) ; J. Mol. Biol.; 115 135-175〕。この理論はタンパク質におけるβ−ターンの第2部位へのプロリンの挿入に限定され、その他の部位については述べられていない。
【0013】
国際特許公開 WO 89/01520 (Cetus Corporation, USA) は、タンパク質のほどきの形態的エントロピーを下げることによりタンパク質の安定性を高める方法を提供する。この方法はストレプトマイシンルビキノサス(Streptomyces rubiqinosus) キシロースイソメラーゼに適用され、そしてこれはプロリンによるアミノ酸の置換、又は予測の位置でのグリシンのアラニンとの交換を包括する。
【0014】
国際特許公開 WO 89/09819 (Genex Corporation, USA) において、ズブチリシンの安定化のために突然変異を組入れる方法が提供されている。この公開公報は熱的安定化性突然変異であると認められる数多くのアミノ酸突然変異を列挙している。このリストはズブチリシンの位置188 (BPN' の番号付け)でのセリンのプロリンによる置換を含んで成る。
【0015】
国際特許出願公開 WO 87/05050 (Genex Corporation, USA) は突然変異誘発及びスクリーニングについての方法を述べている。この方法により、1又は複数の突然変異が突然変異誘発剤による処理によって導入され、そしてこの方法は変更された性質を有する生成物についてのその後のスクリーニングを含んでいる。そのランダム突然変更誘発の結果、位置188 (BPN' 番号付け)にプロリン残基を有するズブチリシンが提供される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、改善した安定性を有する新規のプロテアーゼの提供にある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は新規の安定化プロテアーゼを提供し、そのうちの天然のアミノ酸残基(プロリンを除く)は1又は複数の位置にてプロリン残基に置き換えられ、その位置にて二面角φ(ファイ)及びΨ(サイ)は〔−90°<φ<−40°及び−180 °<Ψ<180 °〕の間隔以内、好ましくは〔−90°<φ<−40°及び120 °<Ψ<180 °〕又は〔−90°<φ<−40°及び−50°<Ψ<10°〕の間隔以内の値を構成し、そしてそれらの位置は、α−ヘリックス又はβ−シート構造を保有することにより特徴付けられるこのプロテアーゼにおける領域には位置していない。
【0018】
別の観点において、本発明は該プロテアーゼをコードするヌクレオチド配列に関連する。更なる観点において、本発明はプロテアーゼをコードするヌクレオチド配列を含んで成る発現ベクター、及びこの発現ベクターを含む宿主生物に関する。
ズブチリシン
本発明に関連して、ズブチリシンはグラム陽性の細菌又は菌類により生産されるセリンプロテアーゼと定義する。別の定義によると、ズブチリシンはセリンプロテアーゼであり、ここでその触媒性トリアドにおけるアミノ酸残基の相対順序はAsp-His-Ser(位置32, 64及び221, BPN' 番号付け)にある。
アミノ酸
下記の記号をアミノ酸の略語について用いた:
A = Ala = アラリン
C = Cys = システイン
D = Asp = アスパラギン酸
E = Glu = グルタミン酸
F = Phe = フェニルアラニン
G = Gly = グリシン
H = His = ヒスチジン
I = Ile = イソロイシン
K = Lys = リシン
L = Leu = ロイシン
M = Met = メチオニン
N = Asn = アスパラギン
P = Pro = プロリン
Q = Gln = グルタミン
R = Arg = アルギニン
S = Ser = セリン
T = Thr = スレオニン
V = Val = バリン
W = Trp = トリプトファン
Y = Tyr = チロシン
B = Asx = Asp (D) 又はAsn (N)
Z = Glx = Glu (E) 又はGln (Q)
X = 任意のアミノ酸
* = アミノ酸の欠失又は不存在
プロテアーゼ変異体
本発明の安定化プロテアーゼはプロテアーゼ変異体又は突然変異プロテアーゼである。プロテアーゼ変異体又は突然変異プロテアーゼとは、親遺伝子のDNA ヌクレオチド配列又はその誘導体の変更により獲得できるプロテアーゼを意味とする。このプロテアーゼ変異体又は突然変異プロテアーゼは、このプロテアーゼをコードするDNA ヌクレオチド配列を適当な宿主生物における適用ベクターの中に挿入したときに発現して生成される。この宿主生物はこの親遺伝子が由来する生物と同一である必要はない。
アミノ酸の番号付け
本発明に関連して、ズブチリシンにおけるアミノ酸残基の位置の特別の番号付けを採用している。様々なズブチリシンのアミノ酸配列をズブチリシンBPN'と並べることにより、任意のズブチリシンにおけるアミノ酸残基の位置に、ズブチリシンBPN'における類似のアミノ酸位置の番号に対する番号を設定することが可能である(「BPN'の番号付け」、例えば国際特許公開 WO 89/06279及びWO 91/00345 を参照のこと)。
【0019】
本発明に従って生成された又は考慮される様々なプロテアーゼ変異体を説明するうえで、下記の専門用語を参照のし易さのために採用する:
〔オリジナルアミノ酸:位置:置換アミノ酸〕
従って、位置195 におけるアラニンのプロリンによる置換は:
A195P 、として表わす。
【0020】
位置36でのアスパラギン酸の欠失は D36* として表わし、そしてかかる位置における挿入は、36D(位置36におけるアスパラギン酸の挿入)として表わす。
【0021】
多重突然変異はプラスで分けている。即ち:
A194P + G195E
は、位置194 及び195 における、プロリン及びグリシンによるそれぞれの置換の突然変異を表わす。
【0022】
もし例えばズブチリシン309 における突然変異がなされたなら、その生成物は例えば「ズブチリシン309/G195E 」と表わす。
【0023】
これに関して挙げる全ての位置は前記のBPN'の番号付けに関連する。
タンパク質分解活性
本発明に関連して、タンパク質分解活性はキロノボプロテアーゼ単位(KNPU)として表わす。この活性は、標準酵素(SAVINASE〔商標〕)に相対して決定しており、そしてその決定は標準条件、即ち、50℃、pH8.3 、反応時間9分、測定時間3分での、タンパク質分解酵素によるジメチルカゼイン(DMC)の消化に基づく。ホルダーAF 220/1はノボ ノルディスク A/S 、デンマーク国から注問により入手でき、このホルダーは引用することで本明細書に組入れる。
洗浄性能
例えば洗濯の際に洗浄にすべく物体上に存在する様々な天然の基質の分解を触媒する酵素の能力は、通常洗浄能性、洗浄性、清浄性又は洗浄性能と呼ぶ。本明細書にわたっては、洗浄性能なる語をその性能を包括するように利用している。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は新規の安定化プロテアーゼを提供し、それにおいて天然のアミノ酸残基(プロリンを除く)は1又は複数の位置にてプロリン残基に置き換えられ、その位置にて二面角φ(ファイ)及びΨ(サイ)は〔−90°<φ<−40°及び−180 °<Ψ<180 °〕の間隔以内、好ましくは〔−90°<φ<−40°及び120 °<Ψ<180 °〕又は〔−90°<φ<−40°及び−50°<Ψ<10°〕の間隔以内の値を構成し、そしてそれらの位置は、α−ヘリックス又はβ−シート構造を保有することにより特徴付けられるこのプロテアーゼにおける領域には位置していない。
【0025】
本発明に関して、安定化プロテアーゼはプロテアーゼ変異体又は突然変異プロテアーゼであり、天然のプロテアーゼと機能的に同等であるか又はそれと類似の構造的特徴を有し、且つ、このプロテアーゼにおいて天然のアミノ酸残基(プロリンを除く)は1又は複数の位置にてプロリン残基に置き換えられ、その位置にて二面角φ(ファイ)及びΨ(サイ)は〔−90°<φ<−40°及び−180 °<Ψ<180 °〕の間隔以内、好ましくは〔−90°<φ<−40°及び120 °<Ψ<180 °〕又は〔−90°<φ<−40°及び−50°<Ψ<10°〕の間隔以内の値を構成し、そしてそれらの位置は、α−ヘリックス又はβ−シート構造を保有することにより特徴付けられるこのプロテアーゼにおける領域には位置していないものである。
【0026】
更に、本発明に関連して、安定化プロテアーゼは改善された安定性、例えば熱安定性、貯蔵安定性等を、親酵素の比とべたときに有するプロテアーゼである。
タンパク質の二次構造の規定
本発明の安定化プロテアーゼは、課題のプロテアーゼを二次構造の分析に付して、α−ヘリックス又はβ−シート構造を保有することにより特徴付けられる該プロテアーゼにおける領域に位置する残基を除く、間隔〔−90°<φ<−40°及び−180 °<Ψ<180 °〕、好ましくは間隔〔−90°<φ<−40°及び−120 °<Ψ<180 °〕又は〔−90°<φ<−40°及び−50°<Ψ<10°〕に限定される二面角α(ファイ)及びΨ(サイ)をそれぞれ有する該プロテアーゼにおける残基を同定し、もしこの同定した位置にプロリンが存在していないなら、この同定した位置において天然アミノ酸をプロリン残基によって置換し(好ましくは課題のプロテアーゼをコードする遺伝子に部位特異的突然変異誘発を適用することによる)、次いでこの安定化プロテアーゼをコードする遺伝子を適当な宿主生物に挿入して遺伝子を発現せさ、続いて適当な栄養培地の中で前記宿主生物の培養を行い、そして所望のプロテアーゼを回収することによって獲得できる。
【0027】
この調製法は課題のプロテアーゼを二次構造についての分析に付することを含む。かかる分析を行うには、このプロテアーゼの原子構造を明確にしなくてはならない。原子構造はX線回折技術により決定できる。X線回折技術は例えばHendrickson, W. A 〔X-ray diffraction : Protein Engineering (Oxender, D. L. とFox, C.F.編)第1章;Alan R. Liss, lnc. (1897) 〕及びCreighton, T.E., 前掲、第6章に説明されている。
【0028】
ズブチリシン309 の結晶構造は推定されており〔Betzel, B., Klupsch, S.,Papendolf, G.,Hostrup, S.,Branner, S. 及びWilson, K. S.(1992) ; J. Mol. Biol. 223 427-445 〕、そして同等物が寄与されており、そしてBrookhaven Protein Data Bankより入手できる〔Bernstein ら (1977) ; J. Mol. Biol. 112 535-542 〕。
【0029】
原子構造が決定されたら、その原子配位から二面角を計算することが可能となる。更に、二次構造因子を決定することが可能となる。この二次構造因子は水素結合に基づいて決定される。協調的二次構造は「ターン」及び「ブリッジ」の基本的な水素結合パターンの反復として認識される。反復ターンは「ヘソックス」であり、反復ブリッジは「ラダー」であり、連結ラダーは「シート」である。
【0030】
二次構造因子についての分析は、構造設定と原子配位から抽出した幾何学的特徴とのコンピューター編集を必要とする。原子配位に基づくタンパク質の二次構造を明らかにする常用の方法はKabsch, W.とSander, C.により説明されている〔Biopolymers (1983) 22 2577-2637 〕。この論文において、パターン認識プロセスによる、原子配位からの構造的特徴についての計算法が提供されている。まず、H結合基のペアー間での静電的相互作用を基礎としてH結合を同定する。次に、H結合のパターンを二次構造因子、例えばターン(T)、ヘッド(S)、ブリッジ(B)、ヘリックス(G,H,I)、β−ラダー(E)及びβ−シート(E)を規定するために利用する。
【0031】
Kabsch & Sander ファイルの計算を可能とし、そして基本書PASCALに記載のコンピュータープログラムDSSP(タンパク質の二次構造規定)はProtein Data Bank, Chemistry Dept.,Brookhaven National Laboratory, Upton, N. Y. 11973 より入手できる。
【0032】
結晶性プロテアーゼにおける原子構造に基づいてアミノ酸についての二面角φ(ファイ)及びΨ(サイ)を計算した後、プロリン残基による置換にとって好適な二面ファイ及びプサイ角を有する位置を選別することが可能となる。プロリン残基の脂肪側鎖はペプチド基の窒素原子に共有結合している。その結果5員環はペプチド主鎖のN−Cα結合を中心とする回転は強く拘束され、同時に主鎖N−原子に対する水素結合の形成は妨げられている。このような構造的理由のため、プロリンは一般にα−ヘリックス及びβ−シート二次コンホメーションとは適合しない。Cα−N結合を中心とする同じ回転的拘束及び鎖における所定のアミノ酸が乱れない条件に基づき、二面角ファイ及びサイ(特にファイ)の程度はポリペプチドにおけるプロリン残基に関して一定の間隔で限定される。ポリペプチドにおけるプロリン残基についての二面角はほぼ排他的に間隔〔−90°<φ<−40°及び−180 °<Ψ<180 °〕、好ましくは間隔〔−90°<φ<−40°及び120 °<Ψ<180 °〕又は〔−90°<φ<−40°及び−50°<Ψ<10°〕以内にある。関連して、シス−及びトランス−プロリン残基の両方が考えられる。
【0033】
前記の手法により1又は複数の位置にプロリンが既に存在していることが認められることがあり、そしてこの場合はむろん置換は不適切である。そうでなければ、この方法は天然アミノ酸のプロリン残基による置換を含む。
【0034】
しかしながら、予測位置全てでのプロリンへの置換は常にプロテアーゼの熱的安定性の改善をもたらすわけではない。この方法により表示されるいくつかの位置では、天然アミノ酸残基のプロリン残基への置換は予測し得ない因子、例えば本質的な柔軟性の欠失、H結合の可能性の欠失、予測し得ない立体障害等に基づいて不安定の原因となりうる。かかる「臨界部位」は予測できない。
【0035】
個別の置換の安定化性(又は不安定化性)効果は付加的であると予測される。例えばWells, J. A.〔Biochemistry (1990) この(37)8510-8517 〕及び下記の表4を参照のこと。
【0036】
ズブチリシン309 とは異なるズブチリシンをこの方法に付するとき(たとえこの2種のズブチリシンが非常に類似しているときでさえも)、この方法より同じ位置番号又は特に同じ位置が得られるとは限らない。いくつかの位置は同一でありうる傾向にあり、そして位置の番号はほぼ同じ傾向にあるが、それを予測することはできない。
【0037】
しかしながら、任意の特定のプロテアーゼに適用した上記の方法に由来する安定化性プロリン置換は、任意のその他のプロテアーゼに対して、前者のプロテアーゼに適用した上記の方法の結果とは異なる安定化性効果を有していることもある。
【0038】
ズブチリシン309 分子(国際特許出願PCT/DK88/00002を参照のこと)に本方法を実施したとき、表1及び2に記載の一連のデーターが得られた。表1には、ファイ及びサイ角に関連する、第1基準に合う一連の位置、及び他の基準に合う一連の位置を示す。
Figure 0004050654
【0039】
Figure 0004050654
Figure 0004050654
表1に記載の基準に対するサイ角における拘束を緩和することにより、4種の更なる突然変異が企てらる。表2を参照のこと。
Figure 0004050654
好ましい安定化プロテアーゼ
好ましくは、本発明のプロテアーゼは安定化ズブチリシンプロテアーゼである。より特別な観点において、本発明の好ましいプロテアーゼはズブチリシンであり、ここでこの獲得される安定化ズブチリシンは表1及び2に記載の1又は複数の位置(BPN'番号)又はそれに類似の位置でのプロリン残基への置換を含んで成る任意のズブチリシンである。
【0040】
より特別な観点において、本発明のプロテアーゼは、位置38, 57, 98, 172, 188, 194, 242及び259(BPN'番号)の1又は複数の位置における天然アミノ酸(プロリンを除く)がプロリン残基で置換されているズブチリシンである。更に好ましい態様において、このズブチリシンは下記の置換のうちの1又は複数の置換を更に含んで成る:27R, 36D, 76D, 97N, 98R, 104Y, 120D, 128G, 195E, 206C, 218S, 235L, 235R, 237R, 251E及び263F (BPN'番号)。
【0041】
更により特別な観点において、本発明のプロテアーゼは安定化ズブチリシン309 、安定化ズブチリシン147 、安定化ズブチリシンBPN'又は安定化ズブチリシンカールスバーグである。ズブチリシン309 及びズブチリシン147 はバチルスレンタス(Bacillus lentus)の変異体であり、そして米国特許第3,723,250 号及び国際特許出願PCT/DK88/00002に記載され、ズブチリシンBPN'はWellら〔Nucleic Acids Res. (1983) 11 7911-7925〕に記載され;ズブチリシンカールスバーグはSmith ら〔Smith, E. L.; Delange. R. J ; Evans, W.H.; Landon, W.; Markland. F. S. (1968) ; Subtilisn Carlsberg V. The complete sequence : comparison with subtilisin BPN' ; Evolutionary relation ships ; J. Biol. Chem. 243 (9) 2184-2191) 及びJacobsら〔Nucl. Acids. Res. (1985) 13 8913-8926〕に記載されている。
【0042】
別の特別な観点において、本発明のプロテアーゼは安定化ズブチリシン308 であって下記の置換のうちの1又は複数が導入されているものである:T38P, S57P, A98P, S188P, A172P, A194P, S242P及びS259P (BPN' 番号)。更に好ましい態様において、このズブチリシンは下記の置換のうちの1又は複数を更に含んで成る:K27R, *36D, N76D, G97N, A98R, V104Y, H120D, S128G, G195E, Q206C, N218S, K235L, K235R, K237R, K251E 及びY263F (BPN' 番号)。
【0043】
更なる別の特別な観点において、本発明のプロテアーゼは安定化ズブチリシン309 であって下記の置換のうちの1又は複数が導入されているものである:T38P, S57P, A98P, A172P, A194P, S242P 及びS259P (BPN' 番号)。更に好ましい態様において、このズブチリシン309 は下記の置換のうちの1又は複数を更に含んで成る:K27R, *36D, N76D, G97N, A98R, V104Y, H120D, S128G, G195E, Q206C,N218S, K235L, K235R, K237R, K251E 及びY263F (BPN' 番号)。
【0044】
本発明の最好ましいプロテアーゼは:ズブチリシン309/K27R+ *36D+G97N+A98R+A194P+K235R+K237R+K251E+Y263F 、ズブチリシン 309/K27R+ *36D+G97N+A194P+K235R+K237R+K251E+Y263F、ズブチリシン 309/K27R+ *36D+G97N+A194P+K235R+K237R+Y263F、ズブチリシン309/ *36D+N76D+H120D+A194P+G195E+K235L 、ズブチリシン309/ *36D+G97N+V104Y+H120D+A194P+G195E、ズブチリシン309/ *36D+G97N+V104Y+H120D+A194P+G195E+K235L、ズブチリシン309/ *36D+G97N+H120D+A194P+G195E、ズブチリシン309/ *36D+G97N+H120D+A194P+G195E+K235L 、ズブチリシン309/ *36D+V104Y+H120D+A194P+G195E 、ズブチリシン309/ *36D+V104Y+H120D+A194P+G195E+K235L 、ズブチリシン309/ *36D+H120D+A194P+G195E 、ズブチリシン309/ *36D+H120D+A194P+G195E+K235L及びズブチリシン309/A194P(BPN'番号)である。
プロリン安定化の効果
本発明に従って獲得できた精製変異体は野生型ズブチリシン(ズブチリシン309)に比べて少なくとも同等に良好に洗浄をもたらすことが試験された。実験データーについては実施例5を参照のこと。
【0045】
貯蔵安定性は一般に熱安定性に反映する、即ち、改善された熱安定性は改善された貯蔵安定性に対応する。精製変異体の熱安定性における改善を、示差熱量(DSC)法により試験した。実験データーについては実施例3を参照のこと。これらの試験の結果を下記の表3に示す。貯蔵安定性はミニ ストーレッジテストにより試験し(実験データーについては、実施例4を参照のこと)、そして貯蔵安定性の結果を図16〜20に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0004050654
【0047】
表3から、野生型酵素に比にて構築した変異体のうちの3種が有意に改善された熱安定性を有し、変異体のうちの2種が若干改善された熱安定性を有し、変異体のうちの4種が熱安定性において有意な変化を有さず、そして変異体のうちの3種が有意に下がった熱安定性を有することが示された。
【0048】
これらの結果は、本明細書に記載のファイ−プサイ−概念によるタンパク質のプロリン残基の導入による安定化について明確な理論が存在するにもかかわらず、個別の変異体の安定化効果についての結論は立てられない。
【0049】
しかしながら、改善された熱安定性を有する変異体が獲得されるとき、個別の突然変異の安定化効果は一般に付加的と考えられる。これは、野生型酵素に対比しての、ズブチリシン309 変異体の示差熱量(DSC)により決定される熱変性温度を示している下記の表4において実証されている。
【0050】
従って、挿入した安定化性プロリン残基の他に、本明細書記載の1又は複数の付加安定化性突然変異を含む安定化プロテアーゼ変異体は本発明の範囲に属すると考えられる。
【0051】
【表2】
Figure 0004050654
【0052】
プロテアーゼをコードする遺伝子において突然変異を供する方法
遺伝子の中へと突然変異を導入する多くの方法が当業界によく知られている。ズブチリシン遺伝子をクローニングする簡単な説明の後に、このズブチリシン遺伝子内の特定の部位に突然変異を発生せしめる方法を説明する。
ズブチリシン遺伝子のクローニング
ズブチリシンをコードする遺伝子は当業界によく知られている様々な方法により任意のグラム陽性菌又は菌類からクローンされうる。まずゲノム及び/又はDNA のcDNAライブラリーを、課題のズブチリシンを生産する生物に由来する染色体DNA 又はメッセンジャーRNA を用いて構築する。次に、ズブチリシンのアミノ酸配列がわかっているなら、相同性のオリゴヌクレオチドプローブを合成し、ラベルし、そして細菌DNA のゲノムライブラリーに由来する、又は菌類cDNAライブラリーに由来するズブチリシンコードクローンを同定するのに用いることができる。他方、別の細菌又は菌類の株に由来するズブチリシンに相同性の配列を含むラベル化オリゴヌクレオチドプローブを、低緊縮のハイブリダイゼーション及び洗浄条件を用いてズブチリシンコードクローンを同定するプローブとして利用できる。
【0053】
ズブチリシン生産性クローンを同定する更に別の方法は、プラスミドのような発現ベクターへのゲノムDNA のフラグメントの挿入、得られるゲノムDNA ライブラリーによるプロテアーゼ陰性細菌の形質転換、その後のこの形質転換細菌のズブチリシンのための基質、例えばスキムミルクを含むアガー上でのプレーティングを包括する。ズブチリシン保有プラスミドを含む細菌は、分泌したズブチリシンによるスキムミルクの消化により、透明なアガーの輪により囲まれたコロニーをもたらすであろう。
ズブチリシン遺伝子における部位特異的突然変異誘発の発生
ズブチリシン遺伝子がクローンでき、そして突然変異誘発にとって所望される部位が同定されたら、合成オリゴヌクレオチドを用いて突然変異を導入することができる。これらのオリゴヌクレオチドは所望の突然変異部位にフランクしたヌクレオチド配列を含んでおり、突然変異ヌクレオチドはオリゴヌクレオチド合成中に挿入される。好ましい方法において、ズブチリシン遺伝子を橋渡しする一本鎖ギャップのDNA を、ズブチリシン遺伝子を抱えるベクターの中に作る。次に所望の突然変異を抱える合成ヌクレオチドをこの一本鎖DNA の相同性領域とアニールさせる。残留ギャップを次にDNA ポリメラーゼI(クレノウ フラグメント)により補完し、そしてその構築体をT4リガーゼを用いてリゲートさせる。本方法の特定の例はMorinagaら(1984) ; Biotechnology, 2 646-639に記載されている。Morinagaらに従うと、遺伝子内のフラグメントは制限エンドヌクレアーゼを用いて除去している。ギャップを含んでいるベクター/遺伝子を次に変性させ、次いでギャップを含む代わりに、このギャップに包括される領域外の部位にて別の制限エンドヌクレアーゼで切断されているベクター/遺伝子とハイブリダイズさせる。この遺伝子の一本鎖領域はこれにより突然変異オリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションにとって有用となり、残留ギャップはDNA ポリメラーゼIのクレノウフラグメントにより補完し、挿入体はT4 DNAリガーゼによりリゲートし、そして1サイクルの複製の後、所望の突然変異を抱える二本鎖プラスミドを作る。Morinagaの方法は新しい制限部位を構築する付加操作を回避しており、従って複数の箇所での突然変異の発生を助長する。1988年7月26日に認められたEstellらの米国特許第4,760,025 号は、カセットのマイナー変更を実施して複数の突然変異を抱えるオリゴヌクレオチドを導入することを可能としているが、しかしながら、Morinagaの方法は、様々な長さの多重のオリゴヌクレオチドを導入することができるため、同時により多くの突然変異を導入することさえもできる。
ズブチリシン変異体の発現
本発明に従い、上記の方法により、実施例1に記載の方法により、又は当業界に知られる任意のそれらに代わる方法により生産された突然変異ズブチリシンは、発現ベクターを用いることで酵素形態で発現されうる。発現ベクターは一般にクローニングベクターの定義のもとに属し、なぜなら発現ベクターは通常典型的なクローニングベクターの構成要素、即ち、微生物のゲノムとは独立して微生物におけるベクターの自己複製を可能とする因子、及び選別目的のための1又は複数の表現型マーカーを含むからである。発現ベクターはプロモーター、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナルをコードするコントロール配列、及び任意的にレプレッサー遺伝子又は様々な活性化遺伝子を含む。
【0054】
発現タンパク質の分泌を可能とするため、「シグナル配列」をコードするヌクレオチドを遺伝子のコード配列の前に挿入することができる。コントロール配列の指示のもとでの発現のため、本発明に従って処理すべき標的遺伝子は適切なリーディングフレーム中のコントロール配列と作動連結している。プラスミドベクターの中に含ませることができ、且つ、突然変異ズブチリシン遺伝子の転写を助けることのできるプロモーター配列には原核系β−ラクタマーゼプロモーター〔Villa-Kamaroffら (1978) ; Proc. Natl. Acad. Sci.USA ; 75 3727-3731〕及びtac プロモーター〔DeBoerら (1983) ; Proc. Natl. Acad. Sci. USA ; 80 21-25 〕が含まれるが、それらに限定されない。更なる参考はScientific American (1980) ; 242 74-94 の「Useful proteins from recombinant bacteria 」においても見い出せる。
【0055】
一態様に従うと、B.スブチリスを突然変異DNA を保有する発現ベクターにより形質転換させる。発現を分泌性微生物、例えばB.スブチリスの中で行うとき、シグナル配列は翻訳開始シグナルの後方、且つ、課題のDNA 配列の前方にあってよい。シグナル配列は発現生成物を細胞壁へと輸送するのに働き、ここでそれらは分泌によってこの生成物から切断される。「コントロール配列」なる語はシグナル配列が存在するならそれを含むことを意図する。
【0056】
本発明の安定化酵素を生産することの可能な微生物は、同化炭素及び窒素をその他の必須栄養物と一緒に含む栄養培地の中での常用の培養法により培養でき、この培地は当業界の原理に従って構成される。
ヌクレオチド配列及び微生物
本発明はまた、本発明の安定化プロテアーゼをコードするDNA ヌクレオチド配列及び安定化プロテアーゼをコードするDNA ヌクレオチド配列を含む発現ベクターに関連する。
【0057】
この安定化プロテアーゼは、このプロテアーゼをコードするDNA ヌクレオチド配列を適当な宿主生物における適当な発現ベクターの中に挿入したときに発現されて生産される。この宿主生物は親遺伝子が由来する生物と同一である必要はない。突然変異遺伝子、ベクター、並びに突然変異及び形質転換微生物の構築は当業界に知られる任意の適切な組換DNA 技術により実施されうる。
【0058】
本発明は安定化プロテアーゼをコードするDNA ヌクレオチド配列を保有する発現ベクターを含む宿主生物にも関連する。
洗 剤
本発明は更に、洗浄及び洗浄組成物における本発明の安定化プロテアーゼの利用、並びに安定化プロテアーゼを含んで成るかかる組成物を含んで成る。
【0059】
かかる組成物は本発明の任意の1又は複数のプロテアーゼを単独で、又はかかる組成物の中に含まれている当業者によく知られている任意の通常の成分と組合されて含んで成る。
【0060】
かかる成分はビルダー、例えばホスフェートもしくはゼオライトビルター、界面活性剤、例えばアニオン、カチオン、非イオンもしくは両性イオン型界面活性剤、ポリマー、例えばアクリルもしくは等価(equivalent) ポリマー、ブリーチ系、例えばパーボレートもしくはアミノ含有ブリーチ前駆体もしくは活性剤、構成剤(structurant)、例えばシリケート構成剤、pH調整のためのアルカリもしくは酸、保湿剤、及び/又は中性無機塩を含んで成る。
【0061】
本発明の洗剤は任意の常用の形態、例えば粉末、液体等に処方されうる。
【0062】
該酵素は洗浄中でのよく知られた標準量において利用されうる。その量は非常に広範囲、例えば約0.0002〜0.01、例えば約0.005 〜0.05アンソン単位/洗浄gでありうる。他の単位で表わすと、このプロテアーゼは組成物の中に、約 0.1〜100 GU/洗剤mg (例えば1〜50、特に5〜20 GU/mg)の桁の量、又は約0.01〜4、例えば 0.1〜0.4 KNPU/洗剤gを中心とする広範囲における任意の量において含まれる。
【0063】
KNPUは既に定義した。GUはグリシン単位であり、標準条件のもとで、40℃での15分間のインキュベーションの際に、基質としてN−アセチルカゼインを用い、1マイクロモルのグリシンに相当するNH2 基の量を供するタンパク質分解酵素活性として定義する。
【0064】
例えば本酵素を1リットルの洗浄液当り約0.25mgの酵素タンパク質の割合で利用することが適切であり、これは0.08KNPU/l程度の酵素活性に相当する。関連の洗浄組成物は例えば 0.1〜0.4 KNPU/gの量における酵素を含みうる。
【0065】
この洗剤は更なる酵素も含みうる。
【0066】
例えば、リパーゼが、担体材料を有する脂質分解酵素の顆粒組成物(又は溶液もしくはスラリー)の形態において有利に加えられうる(例えばEP特許公開第258,068 号(ノボ ノルディスク A/S) ; 更にはLipolase (商標)及びその他のノボ ノルディスクの酵素組成物)。
【0067】
加えるリパーゼの量は幅広い限界内、例えば50〜30,000LU/g/界面活性剤もしくは洗剤g、例えば通常は少なくとも100 LU/g、非常に有用には少なくとも500 LU/g、時折り好ましくは1000LU/g以上、2000LU/g以上又は4000LU/g以上又はそれより多くの範囲内で選ぶことができ、従ってたいていは50〜4000LU/gの範囲、そして可能としては200 〜1000LU/gの範囲にある。本明細書におけるリパーゼの単位はEP特許公開第258,068 号に定義されている通りである。
【0068】
脂質分解酵素は広範囲にわたるリパーゼから選ばれうる。詳しくは、例えば下記の特許明細書:EP特許公開第214,761 号(ノボ ノルディスク A/S)、第258,068 号に記載のリパーゼ、そして特に、サーモマイセス ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来のリパーゼに対して発生させた抗血清と免疫学的に交差反応性を示すリパーゼ(EP特許公開第205,208 号及び第206,390 号)、そして特に、クロモバクター ビスコサム バー リポリチカム(Chromobacter viscosum var lipolyticum) NRRL B-3673に由来のリパーゼ又はアルカリジーンズ(Alcaligenes) PL-679, ATCC 31371 及びFERM-P 3783 由来のリパーゼに対して発生させた抗血清と免疫学的に交差反応性を示すリパーゼ、更にはWO 87/00859 (Gist-Brocades) 及びEP特許公開第204,284 号(サッポロビール)に記載のリパーゼである。特に適切なのは例えば下記の市販のリパーゼ調製物である;リプラーゼ ノボ ノルディスク A/S、アマノリパーゼCE, P, B, AP, M-AP, AML 及びCES 、並びにメイトーリパーゼMY-30, OF 、及びPL、更にはエステラーゼMM、リポザイム、SP 225, SP285 、サイケンリパーゼ、エンゼコリパーゼ、トーヨジョーゾーリパーゼ及びディオシンス(Diosynth) リパーゼである(商標)。
【0069】
所望するならば例えばアミラーゼを、約1〜約100 MU(マルトース単位)/洗剤g(又は0.014 〜1.4 、例えば0.07〜0.7KNU/g(ノボ単位))の範囲の量で利用できる。所望するならば例えばセルラーゼを、約 0.3〜約35 CEVU 単位/洗剤gの範囲の量で利用できる。
【0070】
本発明の洗剤の中に通常の量で存在しうる通常の洗剤成分は下記の通りである:この組成物はビルダー入り又はビルダーなしでよく、そしてゼロ−P−型でありうる(即ち、リン含有ビルダーを全く含まない)。従って該組成物は例えば1〜50重量%、例えば少なくとも約重量5%、そして通常は約35〜45重量%の1又は複数の有機及び/又は無機ビルダーを凝集物の中に含みうる。典型的なビルダーには前記したものが含まれ、そして更に広くは、アルカリ金属オルト、ピロ及びトリポリホスフェート、アルカリ金属カルボネートが含まれ、それらは単独で、又は方解石、アルカリ金属シトレート、アルカリ金属ニトリロトリアセテート、カルボキシメチルオキシスクシネート、ゼオライト、ポリアセタルカルボキシレート等と混合されていてよい。
【0071】
更に、該洗剤は1〜35%のブリーチング剤もしくはブリーチ前駆体、又はブリーチング剤及び/もしくは前駆体とそれらの活性剤とを含んで成る系を含みうる。更なる任意的な成分には、泡ブースター、発泡低下剤、腐触防止剤、土壌懸濁剤、封鎖剤、耐汚染付着剤、香料、着色料、酵素のための安定剤等である。
【0072】
該組成物は繊維材料、特に、限定はしないが綿及びポリエステルベース繊維並びにその複合物の洗浄のために利用できる。例えば洗浄工程は約60〜65℃又はそれより低い、例えば約30〜35℃又はそれより低い温度で実施されるのが特に好ましい。該組成物を約例えば 0.4〜0.8 g/lの洗浄液中の界面活性剤を供するのに十分な割合で利用することが非常に適切でありうるが、より低い又はより高い濃度を利用することも必要であるならばむろん可能である。限定はしないが、約1〜10g/l、例えば約3〜6g/lの洗剤の利用率が、この洗剤が実質的に実施例の通りである場合は適切である。
【0073】
いくつかの有用な態様において、洗剤は下記の通りに処方されうる:
洗剤I:
ゼオライトビルダーを含む本発明の態様に従う洗剤粉末は以下のものを含むように配合される:
約16%の全活性洗剤、約9%のアニオン洗剤、約6%の非イオン洗剤、約20%のゼオライト含有ビルダー、約 3.5%のアクリル又は等価ポリマー、約6〜18%のパーボレートブリーチ前駆体、約2%のアミノ含有ブリーチ活性剤、約 3.5%あるいは下は約 2.5%までのシリケート又は他の構成剤、約8(あるいは約15)グリシン単位/mg級の酵素と、使用時に所望のpHに合わせるためのアルカリ、及び中性無機塩、並びに酵素(約 0.5%の各酵素)。
【0074】
アニオン洗剤はドデシル−ベンゼンスルホン酸ナトリウムあるいは線形アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム6%と、第一アルキルスルフェート3%との混合物である。非イオン洗剤は、モル当り7個のエトキシレート残基を有するおよそC13 〜C15 の第一アルコールのエトキシレートである。ゼオライトビルダーはA型ゼオライトである。ポリマーはポリアクリル酸である。パーボレートブリーチ前駆体は四硼酸ナトリウム・4水和物又は1水和物である。活性剤はテトラアセチル−エチレンジアミンである。構成剤は珪酸ナトリウムである。中性無機塩は硫酸ナトリウムである。
洗剤II
本発明の態様にかかわる水性洗剤液は下記のものを含むように配合される:
16%のドデシルベンゼンスルホン酸、7%の7mol/mol のエチレンオキサイドと縮合したC12 〜C15 の線形アルコール、2%のモノエタノールアミン、6.5%のクエン酸、6%のキシレンスルホン酸ナトリウム、約 4.1%の水酸化ナトリウム、 0.5%のプロテアーゼ、100 %に至る水。pHは9と10との間の値に合わせる。
【0075】
他の有用な態様において、該洗浄は例えば国際特許公開WO 91/00334 ,WO 91/00335 及び国際特許出願PCT/DK91/00399に記載の通りに配合されうる。
【0076】
本発明を下記の実施例で更に説明するが、これらは本発明の範囲を限定することは意図していない。
【0077】
【実施例】
実施例1
調製例
野生型及び本発明の態様に従う変異プロテアーゼについてコードする遺伝子を構築及び発現するための現状好ましい方法を示している下記の実施例において、材料は下記の通りである:
B.スブチリス309 及び147 はバチルス レンタスの変異体であり、NCIBに寄託されて寄託番号NCIB 10147及びNCIB 10309が付され、そして引用することで本明細書に組入れる米国特許第3,723,250 号に記載してある。
【0078】
E.コリMC100 (M. J. CasadabenとS. N. Cohen (1980) ; J. Mol.Biol.; 138 179-207) は、常用の方法によりγ−,m+とされ、そして米国特許出願第039,298 に記載されている。
【0079】
ズブチリシン及びその突然変異体をコードする合成遺伝子に適するベクターを構築した。これは本質的にpCU19 プラスミド〔C.Yanish-Perron とJ. Messing (1985) ; Gene ; 33 103-119 〕であり、その多重クローニング部位は、この遺伝子を構成する5つのサブフラグメントを分けるのに利用する制限部位を含むリンカーで置き換えられている。この新しいリンカーはEco RI-Hind III 切断pCU19 の中に挿入され、これによりそれらの部位は破壊される。
【0080】
Figure 0004050654
ズブチリシン309 の成熟部についてコードする合成遺伝子を下記の詳細及び添付図面の図1〜7の図式により示す通りに構築した。合成遺伝子の構造は図面1〜4にまとめてあり、これはこの構築において用いたフラグメントも示している。各サブフラグメントは6〜12のオリゴヌクレオチドより成る。このオリゴヌクレオチドは制御型ガラス支持体の上でホスホラミジット化学を用い、自動DNA 合成装置で合成した〔S. L. BeaucageとM. H. Carruthers (1981) ; Tetrahedron Letters ; 22 1859-1869〕。図中のオリゴヌクレオチドの5’末端における点は、これらのオリゴヌクレオチドがリン酸化されていることを示す。オリゴヌクレオチドの対応の組より二量体(図面1〜4に示す)を、90℃で5分熱し、続いて75分かけて室温に冷やすことによって形成せしめた。この二量体をT4 DNAリガーゼと混ぜ合わせ、そして処理した。
【0081】
5つのサブフラグメントを2%のアガロースゲルで単離し、そしてpSX191に挿入した。この配列をジデオキシヌクレオチドシーケンシングにより確認した。フラグメントA〜Eが単離され、そして一緒にKpn I-Bam HI切断pSX191にリゲートさせた。このリゲーション混合物をアンピシリン耐性についての選別用のコンピテントE.コリMC1000γ−,m+に形質転換せしめるために用いた。該酵素の成熟部についてコードするズブチリシン309 の部分を構成する850 bpのKpn I-Bam HIフラグメントを次に、pSX212上の野生型遺伝子と置き換えるために用いてpSX222を作り、次にこれをコンピテントBスブチリスSHa273に形質転換させた。この形質転換性の培養及び酵素の精製を経て、この生成物は野生型生成物とは異なることが示された。
【0082】
合成遺伝子に由来するプロテアーゼ変異体は、突然変異が所望される箇所(例えば以下に示す配列を有する箇所)にて変更された配列を有するオリゴヌクレオチドを用い、次いでそれをこの合成遺伝子に適する残りのオリゴヌクレオチドと混ぜ合わせることによって作った。変異遺伝子の集成は、前述の方法に類似した方法で、変異材料を用いて実施した。合成遺伝子の更なる情報はAgarval ら (1970) ; Nature ; 227 27-34において得られる。
【0083】
Kpn I 部位を、この酵素の成熟部をコードするズブチリシン309 合成遺伝子の起源に導入した。利用した方法はいわゆるオリゴヌクレオチド誘導二本鎖破損修復突然変異誘発であり、そしてWlodek Mandecki (1986) ; Proc. Nat. Acad. Sci. USA ; 83 7177-7181に記載されている。pSX172をNco I により、ズブチリシン309 遺伝子の成熟部の起源で開き、そしてオリゴヌクレオチドNOR789 (図7)に配列を示す)と混ぜ、100 ℃に熱し、0℃に冷やし、そしてE.コリに形質転換させた。再形質転換の後、この組換体は32-P- ラベル化NOR789を用いるコロニーハイブリダイゼーションによってスクリーンできる。このスクリーングで陽性と認められる組換体は、アミノ酸配列を変えずに2個の塩基が変わることによる、Nco I のすぐ前に導入されたKpn I 部位を有していた。pSX172はEP特許公開第405,901 に記載されている。このようにして作られたKpn I 部位を400 bpのPvu I-Nhe I フラグメント上のpSX120に挿入して、pSX212を作った。pSX120もEP特許公開第405,901 号に記載されている。
【0084】
合成遺伝子をpSX212上のKpn I とBam HIとの間に挿入してpSX222を作った。
【0085】
オリゴヌクレオチドの突然変異及び対応の配列は以下の通りである:
【0086】
【表3】
Figure 0004050654
【0087】
これらのオリゴヌクレオチドを、合成遺伝子の変化していない残りのオリゴヌクレオチドと合わせた。
実施例2
精製例
この手順はズブチリシン147 酵素、ズブチリシン309 酵素又はそれらの突然変異体の10リットルスケール培養の精製に関する。
【0088】
約8lの培養培地を1リットルのビーカーの中で35分間5000rpm で遠心した。その上清液を10%の酢酸を用いてpH6.5 に合わせ、そしてSeitz Supra S100フィルタープレートで濾過した。
【0089】
その濾液を、Amicon S1Y10 UF カートリッジの付いたAmicon CH2A UFユニットを用いて約400ml に濃縮した。このUF濃縮物を遠心し、次いで濾過し、そしてBacitracinアフィニティーカラムに室温でpH7にて吸収させた。このプロテアーゼを、0.01のジメチルグルタル酸、 0.1Mの硼酸及び0.002 Mの塩化カルシウムを含むpH7に合わせた緩衝液中の25%の2−プロパノール及び1Mの塩化ナトリウムを用いて室温でこのBacitracinカラムから溶離させた。
【0090】
このBacitracin精製工程由来のプロテアーゼ活性を有する画分を合わせ、そして0.01のジメチルグルタル酸、 0.2Mの硼酸及び0.02Mの塩化カルシウムを含むpH6.5 に合わせた緩衝液で平衡にした750ml のSephadex G25カラム(径5cm)に適用した。
【0091】
このSephadex G25カラム由来のタンパク質分解活性を有する画分を合わせ、そして0.01Mのジメチルグルタル酸、 0.2Mの硼酸及び0.002 Mの塩化カルシウムを含みpH6.5 に合わせた緩衝液で平衡にした150ml のCM Sepharose CL 6B陽イオン交換カラム(径5cm)に適用した。
【0092】
このプロテアーゼを同一の緩衝液2リットル中の0〜0.1 Mの塩化ナトリウム勾配(sub 147 の場合は0〜0.2 Mの塩化ナトリウム)を用いて溶離させた。
【0093】
CM Sepharoseカラム由来の画分を含む最終精製工程プロテアーゼを合わせ、そしてGRP81PP 膜(Danish Sugar Factories lnc. より)の付いたAmicon限外濾過セルで濃縮した。
実施例3
示差熱量
精製プロテアーゼ変異体を示差熱量(DSC)によって熱分析にかけた。
【0094】
装置は、データーの収集及び分析のためのHP86コンピューターに接続されたSetaram micro DSC 装置とした。Setaram のソフトウェアーを用いた。
【0095】
酵素を下記の組成の液状ビルト洗剤(pH8.5)の中で好ましくは2mg/mlの濃度に希釈した:
Figure 0004050654
【0096】
この方法により測定した、野生型酵素に対するズブチリシン309 変異体の安定化を上記の表3に示している。
実施例4
貯蔵安定性
本発明の酵素の貯蔵安定性を決定し、そしてズブチリシン309(野生型)の貯蔵安定性と比較した。この安定性試験はミニ ストーレッジテストで行った。各チューブの中で100 μlのサンプルを用いた。
【0097】
酵素用量は0.25mgの酵素/洗剤gとした。この試験において液状洗剤を用いた。前掲の洗剤IIを参照のこと。
【0098】
チューブを35℃でそれぞれ3,7,14及び21日間インキュベートし、そして残留活性を決定した。
【0099】
残留活性決定法はタンパク質分解酵素によるジメチルカゼイン(DMC)溶液の消化に基づく。このプロセスで形成される第一アミノ基はトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)と反応して、着色錯体を形成する。この反応をその場で追って、単位時間当りの吸収の変化を計算する。
【0100】
この洗剤は第一アミノ基を有する化合物を含みうるため、これを調べ、そして清浄効率の補正を行うことが必要である。補正は純粋な洗浄剤のブラインド値を測定し、そしてこの値を前述の通りに測定した値から差し引くことによって行われる。
【0101】
活性は、調製後直ちに凍結して分析するまで−10℃の温度に保存したサンプルと対比させて決定した。このサンプルの活性を100 %に設定した。貯蔵試験からの対応のサンプルの活性を100 %のサンプルの対比させて決定した。
【0102】
反応条件は:
温 度 : 40℃
pH : 8.3
波 長 : 420nm
反応時間 : 9分
測定時間 : 3分
装 置 : 〈COBAS 〉FARAII遠心分析器(Roche より)
とした。
【0103】
全ての活性は二重測定した。
【0104】
この分析法を説明しているホルダーAF 285/1(又は後版)はノボ ノルディスク A/Sデンマークより受問により入手でき、これは引用することで本明細書に組入れる。
【0105】
貯蔵安定性試験の結果を図16〜20に示す。一般に、DSC により決定した熱安定性と貯蔵安定性はよく相関する。
実施例5
洗浄性能
洗浄性能試験は20℃で等温で10分間の標準洗浄において、草汁で汚した綿に基づいて行った。
【0106】
洗剤として5g/lの粉末洗剤を用いた。前掲の洗剤Iを参照のこと。NaOH/HCl の添加によってpHを10.2に合わせた。表5に示す試験については約9°dH(ドイツ硬度)の水を使用した。表6に示す試験については6°dHの水を使用した。繊維/洗浄液の比は洗浄液のリットル当り6gの繊維とした。
【0107】
試験は0,0.025 ,0.05, 0.1, 0.5, 1.0及び 2.0mg酵素タンパク質/lの酵素濃度で行った。2通りの個別セットの試験を各酵素について行った。表5〜6に示す結果はこれらの試験の平均値である。
【0108】
洗浄に続いて、布帛を流水道水ですすぎ、そして風乾した。プロテアーゼ性能はDatacolor Elrephometer 2000 で測定した460nm での規約反射率(%R)の変化(ΔR)によって決定し、ΔRは加えたプロテアーゼによる洗浄後の規約反射率から、プロテアーゼを加えない洗浄後の規約反射率を差し引いたものである。
【0109】
洗浄性能試験由来の結果を表5〜6に示す。ズブチリシン309/S256P を除く全ての変異体はズブチリシン309(野生型)と少なくとも同程度に機能することが認められた。
【0110】
【表4】
Figure 0004050654

【図面の簡単な説明】
【図1】合成遺伝子の構築を示す。
【図2】合成遺伝子の構築を示す。
【図3】合成遺伝子の構築を示す。
【図4】合成遺伝子の構築を示す。
【図5】合成遺伝子の構築を示す。
【図6】合成遺伝子の構築を示す。
【図7】合成遺伝子の構築を示す。
【図8】合成遺伝子の構築を示す。
【図9】合成遺伝子の構築を示す。
【図10】合成遺伝子の構築を示す。
【図11】合成遺伝子の構築を示す。
【図12】合成遺伝子の構築を示す。
【図13】合成遺伝子の構築を示す。
【図14】合成遺伝子の構築を示す。
【図15】合成遺伝子の構築を示す。
【図16】液体洗剤中で保存した後の、野生型酵素と比べたスブチリシン309 変異体の残留活性を示す。
【図17】液体洗剤中で保存した後の、野生型酵素と比べたスブチリシン309 変異体の残留活性を示す。
【図18】液体洗剤中で保存した後の、野生型酵素と比べたスブチリシン309 変異体の残留活性を示す。
【図19】液体洗剤中で保存した後の、野生型酵素と比べたスブチリシン309 変異体の残留活性を示す。
【図20】液体洗剤中で保存した後の、野生型酵素と比べたスブチリシン309 変異体の残留活性を示す。

Claims (4)

  1. ズブチリシン309の位置242(BPN'番号)のセリン残基がプロリン残基により置換されている、安定化ズブチリシン309。
  2. 請求項1に記載の安定化ズブチリシン309をコードするポリヌクレオチド。
  3. 請求項1に記載の安定化ズブチリシン309をコードするポリヌクレオチドを含んで成る発現ベクター。
  4. 請求項1に記載の安定化ズブチリシン309をコードするポリヌクレオチドを担持する発現ベクターを含む宿主生物。
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