JP4142504B2 - 高速浮上分離方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川水、湖沼水、下水、工場廃水などの各種用排水のような除去対象物質を含有する被処理水(以下「原水」ともいう)の新原理による高速浮上分離方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原水に加圧溶解空気含有水又は微細気泡を吹き込んで気泡に懸濁粒子を付着させて浮上分離する方法が知られている。(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
「水処理工学」技報堂、1990年、p.87−99
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来の浮上分離方法には、浮上分離速度が100〜200mm/min程度と小さく、また空気圧縮機、空気溶解設備などの付帯設備が必要という欠点がある。
【0005】
本発明は、このような実情によりなされたものであり、従来の浮上分離技術の問題点を解決し、簡単な操作によって各種原水中の懸濁粒子などを極めて高速度で浮上分離でき、かつまた空気圧縮機、空気溶解設備が不要な高速浮上分離方法及び装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記の手段により上記の課題を解決することができた。
(1)除去対象物質を含有する被処理水に、少なくとも浮上性粒子及び有機高分子凝集剤を添加して撹拌し、除去対象物質の凝集フロックを浮上性粒子に付着させたのち、浮上分離部で浮上分離せしめ、その浮上分離で凝集フロックを除いた浮上分離水を、浮上分離部の下部に設けた該浮上性粒子の粒径よりも目開きの大きな回転式ネットに流下通水し、該ネットの下方から処理水を取り出すとともに、該ネット面の半径方向に近接して設けた、吸引スリットを有するパイプ状吸引水流生起部材によってネットに捕捉された固形物を吸引除去することを特徴とする高速浮上分離方法。
(2)除去対象物質を含有する被処理水に、少なくとも浮上性粒子及び有機高分子凝集剤を添加して撹拌し、除去対象物質の凝集フロックを浮上性粒子に付着させたのち、その浮上分離で凝集フロックを除いた浮上分離水を、浮上分離部の下部に設けた該浮上性粒子の粒径よりも目開きの大きなネットに流下通水し、該ネットの下方から処理水を取り出すとともに、該ネット面の半径方向に近接して回転可能に設けた、吸引スリットを有するパイプ状吸引水流生起部材によってネットに捕捉された固形物を吸引除去することを特徴とする高速浮上分離方法。
(3)前記吸引水流生起部材の吸引スリット幅を駆動機構によって拡大・縮小可能にしたことを特徴とする前記(1)又は(2)記載の方法。
【0007】
(4)除去対象物質を含有する被処理水中の凝集対象物質の無機凝集剤により形成された凝集フロックの高分子凝集剤による浮上性粒子への付着を行うための撹拌機を備えた凝集付着槽と、下方に駆動手段により回転させられる回転式ネットと吸引手段に接続し該ネット面の半径方向に近接して設けた吸引スリットを有するパイプ状吸引水流生起部材が配設され、槽底部に処理水の排出部、槽頂部にフロック付着浮上性粒子の排出部が付設された浮上分離槽と、該浮上分離槽から排出したフロック付着浮上性粒子のフロック剥離撹拌槽と、該フロック剥離撹拌槽からのフロックが剥離された浮上性粒子を、前記凝集付着槽へ返送する洗浄済み浮上性粒子と洗浄排水に分離する洗浄槽とを有し、該ネットの目開きを該浮上性粒子の粒径よりも大きくしたことを特徴とする高速浮上分離装置。
【0008】
(5)除去対象物質を含有する被処理水中の凝集対象物質の無機凝集剤により形成された凝集フロックの高分子凝集剤による浮上性粒子への付着を行うための撹拌機を備えた凝集付着槽と、吸引手段に接続し下方に固定式ネットと該ネット面の半径方向に近接して駆動手段により回転可能に設けた吸引スリットを有する回転式パイプ状吸引水流生起部材が配設され、該吸引水流生起部材に接続された吸引手段と、槽底部に処理水の排出部、槽頂部にフロック付着浮上性粒子の排出部が付設された浮上分離槽と、該浮上分離槽から排出したフロック付着浮上性粒子のフロック剥離撹拌槽と、該フロック剥離撹拌槽からのフロックが剥離された浮上性粒子を、前記凝集付着槽へ返送する洗浄済み浮上性粒子と洗浄排水に分離する洗浄槽とを有し、該ネットの目開きを該浮上性粒子の粒径よりも大きくしたことを特徴とする高速浮上分離装置。
【0009】
本発明の骨子の一つは、発泡スチロールなどの浮上力が極めて大きい(例えば比重0.1程度)浮上性粒子を気泡の代わりに用いる点である。
すなわち、原水に浮上性粒子を添加して撹拌しながら、高分子凝集剤又は無機凝集剤と高分子凝集剤を添加して撹拌を行うと、5〜10秒程度後に、原水の凝集フロックが浮上性粒子表面に付着し、除去対象物質と浮上性粒子が一体化したものが形成され、その後浮上分離部に流入させると、非常に大きな速度で浮上分離することを見出した。
本発明の第2の骨子は、発泡スチロールなどの浮上性粒子の処理水への流出を確実に防止できる技術を見出した点である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の高速浮上分離プロセスの一実施態様を示す系統図であって、回転式ネットを用いる形式のものである。浮上性粒子として発泡スチロール粒子を使用した場合について説明する。
原水1に凝集剤(高分子凝集剤6単独又は無機凝集剤2と高分子凝集剤6の併用)及び発泡スチロール粒子3を添加し、凝集付着槽4中で撹拌機5により撹拌すると、原水1中の除去対象物質の凝集フロックが発泡スチロール粒子3と合体した状態のものが形成される。これを浮上分離槽7の浮上分離部8に流入させると、高速度で浮上分離され、清澄な処理水11が浮上分離部8の下部から流出する。
【0011】
次に水面に浮上した発泡スチロール粒子3の群を含む浮上物12を、掻き取り機、スクリュウポンプ、コンベヤなどの手段で浮上分離槽7の上部から排出し、フロック剥離撹拌槽16に送り込み、撹拌機17によって撹拌すると発泡スチロール粒子3相互が芋のもみ洗い状態になり、フロックが粒子3から剥離する。
【0012】
この状態のものを洗浄器18に供給し、剥離フロックを下部から洗い出し(洗浄器4の上から、洗浄用水19として原水1の一部を流しこみ、剥離したフロックを洗い流す方法が好適)、フロックが剥離された発泡スチロール粒子(分離浮上性粒子)20を浮力によって浮上させて回収し、再度原水1に添加し再利用する。剥離したフロックを含む洗浄排水21は、下水管路内もしくはシックナー、汚泥処理工程などに流入させ、処理する。
【0013】
ところで本発明者等の実験の結果、処理水11には、浮上分離し切れなかった微量のSS及び「フロックに発泡スチロール粒子3が数個付着し浮力が減少した状態のもの」が少量含まれてくる問題が認められた。
したがって、このまま処理水11として系外に流出させると、良質な処理水11が得られない。処理水11を公共用水域に放流する場合は、生分解性の無い発泡スチロール粒子3が公共用水域に流出し、環境汚染を招く。
【0014】
この問題を解決するため鋭意検討した結果、浮上分離部8下部に浮上分離槽7の上部に設けたモータ10により回転させられる「回転式ネット9」を設け、それに浮上分離水を流下通過させると、浮上分離処理水11中に同伴する微量の発泡スチロール粒子3とSSがネット9に捕捉され、発泡スチロール粒子3が含まれず、SSも少ない清澄な処理水11が浮上分離部8下部より流出することを見出した。
【0015】
原水1のSSの大部分が既に浮上分離されているので、ネット9に捕捉される固形物量は少ない。このため、ネット9の回転数は、数rpm程度で充分であり、高速回転の必要はない。また間欠的に回転させても良い。なお、本発明に言う「ネット」とはスクリーンと呼ばれることもあり、篩のような多孔透水体を意味する。
【0016】
実験の結果、予想外のことには、ネット9の目開きが発泡スチロール粒子3の粒径より、かなり大きくても発泡スチロール粒子3が確実に捕捉されることが認められた。例えば、発泡スチロール粒子3の粒径が0.7mmの場合、ネット9の目開きは約6倍の4mmでも、発泡スチロール粒子3はネット9に捕捉された。
【0017】
この理由は、次の通りであると考えられる。
すなわち、浮上分離しきれずにネット9にまで到達する発泡スチロール粒子3が存在する原因は、発泡スチロール粒子3にかなり大きなフロックが付着したため、付着速度が減少したためであることが判った。(ネット9にまで到達するスチロール粒子3付着フロックの粒径は、確実に5mm以上になっていることが観察された)。逆に言うと、かなり大きなフロックがスチロール粒子3に付着しない限り、発泡スチロール粒子3の浮上速度が小さくならず浮上分離されるため、ネット9面にまで到達しないことが判った。
【0018】
このような機構で、発泡スチロール微粒子3が、目開きの大きなネット9に捕捉されるため、大量の水が通水抵抗が少ない状態でネット9を通過できるというメリットがある。
【0019】
しかして、浮上分離水を回転式ネット9に通水する運転を続けると、ネット9にSSと浮上性粒子3が捕捉されるが、回転式ネット9の表層部Aの水平面に近接して、半径方向にスリットを有する吸引水流生起部材13を設け、吸引ポンプ14を稼働すると、吸引水流生起部材13のスリットに強い吸水流が起きる。吸引水流生起部材13には、吸引ポンプ14によって、流速が数m/秒の吸引水流をスリット部に生起させる。スリット幅は、当然発泡スチロール粒子3の粒径より大きくする。なお吸引管13は、ネット9の下面に近接して設けても良い。しかし、処理水11にSS及び発泡スチロール粒子3を含まないことを確実にするためには、吸引管13はネット9の上面に設けることが好ましい。ネット9の上面及び下面の両方に設けることもできる。
【0020】
上記の作用によって、公共用水域に発泡スチロール粒子3が流出し、環境汚染を招くことがない。
この結果、ネット9に捕捉されたSSと発泡スチロール粒子3が吸引排水15とともに系外に排出され、ネット9が洗浄されるため通水抵抗が増加しない。この結果、ネット9の洗浄のために浮上分離装置の運転を停止する必要がなく、連続運転ができる。
【0021】
吸引排水15には、発泡スチロール粒子3とSSが含まれているので原水1に返送し、原水1とともに浮上分離部8に流入させる。吸引排水量を少なくするために、吸引ポンプ14は間欠的に運転するのが普通であるが、常時運転してもかまわない。
【0022】
なお、本発明によって夾雑物を含む原水1を処理する場合には、次の点に留意することが重要である。
すなわち、種々の夾雑物(紙片、ゴム製品の切れ端、野菜くず、プラスチック片など)が含まれる原水の場合は、これらを予めスクリーンで除去することが好ましいが、それでも一部が本発明の浮上分離装置内に流入してくる場合がある。
このような場合、これらの夾雑物は浮上分離されることなく、本発明のネット5にまで到達し捕捉される。しかし、吸引水流生起部材13のスリット幅より大きい夾雑物は吸い込まれず、スリットに引っかかり、スリットを閉塞させてしまう。
【0023】
このようなトラブルを防ぐために、本発明は、スリット幅を可変にし、間欠的にスリット幅を広げ、引っかかった夾雑物を吸い込めるようにしてある。スリット幅を可変にする手段は、任意であり、空気圧利用アクチュエータ、ゴム袋膨張・収縮作用などを利用してスリット幅を機械的かつ自動的に可変できるようにすればよい。
【0024】
次に吸引された夾雑物、浮上性粒子3をそのまま原水1に戻すと、夾雑物が系内に蓄積し、大きなトラブルを招くので、吸引排水15を、「夾雑物が通過せず、浮上性粒子3は通過する程度のスクリーン(目開き15mm程度)」を通過させてから、浮上性粒子3を原水1に返送することが重要である。
なお、夾雑物と浮上性粒子3を分けるには、スクリーン以外に沈殿分離、サイクロンなどを利用できる。
【0025】
ここで、本発明に適用するために最適な浮上性粒子3の種類は、発泡スチロールなどの発泡プラスチック微粒子である。特に発泡スチロールは比重を極めて小さくでき、極めて浮上力が大きいこと、また低価格であるだけでなく、強度も比較的大きいので最適である。
【0026】
本発明者等の実験によれば、原水1に添加する浮上性粒子3の粒径は、500〜1000μm程度が好適であった。粒径が過度に大きいと凝集フロックが浮上性粒子3に付着しにくくなり、過度に小さいと浮上速度が小さくなる。
また、浮上性粒子3の比重も、重要である。比重0.2以下、好ましくは0.05〜0.2程度の浮力が大きい粒子が好適である。
さらに、浮上性粒子3の添加量として好適な範囲は、嵩容積で原水1リットル当り、20〜300ミリリットルである。より好ましくは30〜100(ミリリットル浮上性粒子/リットル原水程度)である。少なすぎると浮上速度向上効果が少なくなる。一方、多すぎると撹拌流動化、ハンドリングが困難になる。
【0027】
無機凝集剤2の適正添加率は、原水1の水質によって変化する。河川水を本発明によって処理する場合は、PACでは10〜20mg/リットル、塩化第2鉄では3〜7mg/リットル程度である。
【0028】
有機高分子凝集剤(ポリマ)6はアニオン性、ノニオン性、カチオン系、両性ポリマのいずれか、またはこれらを併用する。適当な注入率は、河川水の処理の場合0.5〜1mg/リットル程度である。正確な適正注入率は、予備試験によって決める。
【0029】
次に、本発明の他の実施態様として、ネットは回転させずに、吸引部材を回転させる方式を図2によって説明する。なお、図1で示したものと同一機能を有するものは、同一符号を用いて示す。
すなわち、浮上分離部8の下部に設けた固定ネット22の水平面に近接して、半径方向にスリットを有する、浮上分離部8の上部に設けた駆動ギア24により回転させられる回転式吸引水流生起部材23を設け、吸引ポンプ14を稼働すると、吸引水流生起部材23のスリットに流速が数m/秒の強い吸引水流が起きる。
【0030】
この結果ネット22に捕捉されたSSと発泡スチロール粒子3が、吸引排水15とともに浮上分離部8より系外に排出され、ネット22のろ過抵抗が増加しない。吸引排水15には、発泡スチロール粒子3とSSが含まれているので原水1に返送し、原水1とともに浮上分離部8に流入させる。なお、水面に浮上した発泡スチロール群3は、先に説明した図1の場合と同様に処理される。
上記の作用によって、ネット22の通水抵抗が小さく維持される結果、ネット22の洗浄のために浮上分離装置の運転を停止する必要がなく、運転を継続できる。なお、図2の装置において、ネットを固定式ではなく、図1の回転式ネット9を用いるようにすることもできる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等制限されるものではない。
【0032】
実施例1 回転式ネットを用いた場合の河川水の高速除濁試験
雨天時河川水(SS:66mg/リットル)に平均粒径700μm、比重0.15の発泡スチロール微粒子を30(ミリリットル/リットル原水)添加し、撹拌して撹拌槽全体に分散させながら、PACを20mg/リットル添加し、30秒間急速撹拌を行った後、アニオン性ポリマ(銘柄エバグロースA151)を0.5mg/リットル添加し、10秒撹拌し、さらに両性ポリマ(銘柄エバグロースB104)を0.5mg/リットル添加し10秒撹拌した。
この結果、原水中の濁質がスチロール微粒子表面に付着した。これを浮上分離速度3000mm/minの高速の浮上分離速度に設定した浮上分離槽(直径150mm、高さ3mの円筒カラム)に流入させた。
この結果、浮上性粒子は速やかに水面に浮上し、処理水SSは8mg/リットルとなり、河川水中のSSが超高速度で浮上分離された。
【0033】
次に、浮上分離槽下部の回転数3〜5rpmの水平回転式ネット(ステンレス製、目開き4mm、直径140mmの円盤状)に、浮上分離水(SS:8mg/リットル、発泡スチロール微粒子量;5〜13ミリリットル/m3水)を通過させた。
また、浮上分離槽下部の水平回転式ネットの上面の半径方向に近接(3mm上)して、パイプ状吸引水流部材(口径20mm、長さ70mm、吸引スリット幅2mm、スリット部の吸引水流の流速は0.5m/秒)を設けた。9分間ごとに吸引ポンプを1分間稼働するサイクルを繰り返した。
【0034】
この状態で、浮上分離装置を12時間運転したが、ネットの通水抵抗は増加しなかった。またネット流出水(処理水)のSSは、常に3mg/リットル以下であった。さらに、発泡スチロール微粒子の系外への流出は皆無であった。
比較のために、浮上分離部の下部に回転式ネットを設置しないで運転したところ、処理水中に発泡スチロール微粒子が流出した。その流出量は、処理水1m3当たりスチロール微粒子のかさ容積で5〜13ミリリットルと無視できない量であった。
【0035】
実施例2 回転吸引管を用いた場合の河川水の高速除濁試験
雨天時河川水SS:66mg/リットルに平均粒径700μm、比重0.15の発泡スチロール微粒子を50(ミリリットル/リットル原水)添加し、撹拌して撹拌槽全体に分散させながら、PACを20mg/リットル添加し、30秒間急速撹拌を行った後、ポリマ(アニオン性ポリマ、分子量1500万、銘柄エバグロースA151)を0.5mg/リットル添加し、10秒撹拌し、さらに両性ポリマ(銘柄エバグロースB104)を0.5mg/リットル添加し10秒撹拌した結果、原水中の濁質がスチロール微粒子表面に付着した。これを浮上分離速度3000mm/minの高速の浮上分離速度に設定した浮上分離槽(直径150mm、高さ3mの円筒カラム)に流入させた。
この結果、浮上性粒子は速やかに水面に浮上し、処理水SSは8mg/リットルとなり、河川水中のSSが超高速度で浮上分離された。
【0036】
次に、浮上分離槽下部に設置したネット(目開き4mm)に、浮上分離水(SS 8mg/リットル、発泡スチロール微粒子量;5〜11ミリリットル/m3水)を流入させた。
また、ネットの上面の半径方向に近接して回転式パイプ状吸引水流管(口径20mm、長さ73mm、吸引スリット幅2mm、スリット部の吸引水流の流速は0.5m/秒、回転数3〜5rpm)を設けた。8分間に一回、吸引ポンプを2分間稼働するサイクルを繰り返した。
この状態で、浮上分離装置を12時間運転したが、ネットの通水抵抗の増加は無かった。また、ネット流出水(処理水)のSSは、常に2mg/リットル以下であった。さらに、発泡スチロール微粒子の系外への流出は皆無であった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、下記の優れた効果が得られる。
(1)非常に大きな速度で浮上分離でき、原水を極めて短時間で浄化できる。
(2)浮上分離部の下部に、回転式ネットと吸引部又は固定式ネットと回転式吸引管を設けたので、浮上性粒子が処理水に流出することがない。またネット面の通水抵抗が増加しない。処理水のSSも減少する。
(3)ネットの目開きが浮上性粒子粒径より相当大きくてもよいので、ネットの通水抵抗が少ない。
(4)従来の加圧溶解空気浮上分離法で不可欠であった空気コンプレッサ、空気溶解槽などが不要であり、設備費、動力費が削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転式ネットを用いる本発明の高速浮上分離装置の一実施態様を示す系統図である。
【図2】固定式ネットを用いる本発明の高速浮上分離装置の別の実施態様を示す系統図である。
【符号の説明】
1 原水
2 無機凝集剤
3 浮上性粒子
4 凝集付着槽
5 凝集槽撹拌機撹拌機
6 高分子凝集剤
7 浮上分離槽
8 浮上分離部
9 回転式ネット
10 モータ
11 処理水
12 浮上物
13 吸引水流生起部材
14 吸引ポンプ
15 吸引排水
16 フロック剥離撹拌槽
17 攪拌機
18 洗浄器
19 洗浄用水
20 分離浮上性粒子
21 洗浄排水
22 固定式ネット
23 回転式吸引水流生起部材
24 駆動ギア

Claims (5)

  1. 除去対象物質を含有する被処理水に、少なくとも浮上性粒子及び有機高分子凝集剤を添加して撹拌し、除去対象物質の凝集フロックを浮上性粒子に付着させたのち、浮上分離部で浮上分離せしめ、その浮上分離で凝集フロックを除いた浮上分離水を、浮上分離部の下部に設けた該浮上性粒子の粒径よりも目開きの大きな回転式ネットに流下通水し、該ネットの下方から処理水を取り出すとともに、該ネット面の半径方向に近接して設けた、吸引スリットを有するパイプ状吸引水流生起部材によってネットに捕捉された固形物を吸引除去することを特徴とする高速浮上分離方法。
  2. 除去対象物質を含有する被処理水に、少なくとも浮上性粒子及び有機高分子凝集剤を添加して撹拌し、除去対象物質の凝集フロックを浮上性粒子に付着させたのち、その浮上分離で凝集フロックを除いた浮上分離水を、浮上分離部の下部に設けた該浮上性粒子の粒径よりも目開きの大きなネットに流下通水し、該ネットの下方から処理水を取り出すとともに、該ネット面の半径方向に近接して回転可能に設けた、吸引スリットを有するパイプ状吸引水流生起部材によってネットに捕捉された固形物を吸引除去することを特徴とする高速浮上分離方法。
  3. 前記吸引水流生起部材の吸引スリット幅を駆動機構によって拡大・縮小可能にしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の方法。
  4. 除去対象物質を含有する被処理水中の凝集対象物質の無機凝集剤により形成された凝集フロックの高分子凝集剤による浮上性粒子への付着を行うための撹拌機を備えた凝集付着槽と、下方に駆動手段により回転させられる回転式ネットと吸引手段に接続し該ネット面の半径方向に近接して設けた吸引スリットを有するパイプ状吸引水流生起部材が配設され、槽底部に処理水の排出部、槽頂部にフロック付着浮上性粒子の排出部が付設された浮上分離槽と、該浮上分離槽から排出したフロック付着浮上性粒子のフロック剥離撹拌槽と、該フロック剥離撹拌槽からのフロックが剥離された浮上性粒子を、前記凝集付着槽へ返送する洗浄済み浮上性粒子と洗浄排水に分離する洗浄槽とを有し、該ネットの目開きを該浮上性粒子の粒径よりも大きくしたことを特徴とする高速浮上分離装置。
  5. 除去対象物質を含有する被処理水中の凝集対象物質の無機凝集剤により形成された凝集フロックの高分子凝集剤による浮上性粒子への付着を行うための撹拌機を備えた凝集付着槽と、吸引手段に接続し下方に固定式ネットと該ネット面の半径方向に近接して駆動手段により回転可能に設けた吸引スリットを有する回転式パイプ状吸引水流生起部材が配設され、該吸引水流生起部材に接続された吸引手段と、槽底部に処理水の排出部、槽頂部にフロック付着浮上性粒子の排出部が付設された浮上分離槽と、該浮上分離槽から排出したフロック付着浮上性粒子のフロック剥離撹拌槽と、該フロック剥離撹拌槽からのフロックが剥離された浮上性粒子を、前記凝集付着槽へ返送する洗浄済み浮上性粒子と洗浄排水に分離する洗浄槽とを有し、該ネットの目開きを該浮上性粒子の粒径よりも大きくしたことを特徴とする高速浮上分離装置。
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