JP4142185B2 - 通信ネットワーク上での通信方法 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は一般的に被呼者および発呼者の識別に関連し、より具体的には被呼者および発呼者に通信事象のコンテクストを示す情報を提供することに関する。
【０００２】
【従来の技術】
通信の分野では、通信媒体をよりよく管理し制御するために増加した機能性をユーザに提供する傾向があった。例えば、電話法（telephony: テレフォニー）において、多くのサービス・プロバイダーが発呼者識別および発呼者ネームサービスを提供する。これらのサービスは、 被呼者が電話に答える前に電話番号および発呼者の名前を見ることができるようにする。この限られた情報に基づいて、被呼者は、呼に答えるかどうか決めることができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
単に発呼者の電話番号と名前を提供することは、被呼者に呼に答えるかどうか判断するための十分な情報を提供しない。例えば、ジョン・ドウがニューヨークの番号から電話をしていることを発呼者情報が示すとする。被呼者がジョン・ドウを知らなければ、この情報は呼を受け付けるかまたは断るかを決めるのに有用でない。
【０００４】
またこのシステムは、被呼者に関してどんな情報も発呼者に提供しない。被呼者が邪魔されたくないか、非常時だけ邪魔を受け入れるつもりである場合がある。既存のネットワークは、発呼者が電話を掛けるかどうか決定することができるように、このような情報を発呼者に送るためのメカニズムを提供しない。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の見地から、通信を開始しまたは受け付るかどうか、およびどのように開始または受け付けるかを決定するのを助けるために、発呼者および被呼者にコンテクスト（context: 状況、背景）情報を提供する方法に対する必要性がある。従って、この発明による方法は、現在の通信システムに含まれる問題および不利益を実質的に取り除く。現在の通信システムは、被呼者に発呼者に関して限られた情報だけを提供し、被呼者について発呼者に提供される情報はもっと少ない。通常、この情報は発呼者の番号および／又は名前だけから成る。この限られた情報は、しかし、被呼者または発呼者が、呼に応じるかどうかおよびどのように応じるかについて知識のある決定をするには十分でない。この発明は、被呼者または発呼者にコンテクスト情報を提供することによってこの問題を解決する。
【０００６】
具体的には、この発明による方法は、被呼者と通信リンクを確立する要求を発呼者から受け取り、コンテクスト情報を集め、集まったコンテクスト情報を被呼者に提供し、被呼者から通信リンクを確立するかどうかの表示（indication: 指示、指摘）を受け取り、この表示に基づいて発呼者と被呼者の間で通信リンクを確立しまたは確立しないことを含む。
【０００７】
この発明による別の方法は、被呼者と通信リンクを確立する要求を発呼者から受け取り、コンテクスト情報を集め、集まったコンテクスト情報を発呼者に提供し、通信リンクを確立するかどうかに関する表示を発呼者から受け取り、この表示に基づいて発呼者と被呼者の間で通信リンクを確立しまたは確立しないことを含む。
【０００８】
この発明の他の機能および利点は、以下のこの明細書の記載から明らかになるであろうし、また、この発明を実施することによって知ることができるであろう。以上の概説および以下の詳細な説明は、例示的で説明のためだけのもので、特許請求の範囲に記載した発明をさらに説明することを意図したものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
この発明による好ましい実施例を図面を参照して説明する。可能な場合、同じまたは同様な部分を参照するのに図面中で同じ参照番号が使用される。
【００１０】
コンテクスト情報は、通信事象の当事者または通信事象自体に関連する情報である。従来の発呼者IDおよび名前サービスと異なって、コンテクスト情報は動的で、呼によって変わることができる。コンテクスト情報は発呼者および被呼者の両方にとって貴重な場合がある。一般に、発呼者はサービス・プロバイダーが被呼者に送る名前および番号識別にコンテクスト情報を付加することができる。この付加された情報は、呼に応じるかどうかおよびどのように応じるかを決定するのを助けるため、被呼者にその特定の呼のコンテクストに関して知らせることができる。被呼者もコンテクスト情報を設定することができる。被呼者コンテクスト情報は発呼者にネットワークの「ダイヤル前」情報ウィンドウとして送られる。この情報は、発呼者が、電話を掛けるかどうかおよびどのように掛けるかについてより多くの知識に基づいて決定をすることを可能にする。
【００１１】
A. 発呼者コンテクスト識別
図1に示されるように、発呼者コンテクスト識別は、発呼者からの被呼者と通信リンクを確立する要求で始まる（ステップ１０）。通信媒体に依存して、そのような要求は異なった形を取るであろう。発呼者がアナログ・ディスプレイ・サービス・インターフェイス（ＡＤＳＩ）電話を使用しているならば、例えば彼は被呼者の番号を単にダイヤルするであろう。発呼者は、インターネットの上で通信するためにコンピュータを使用しているならば、被呼者の電子メールまたはIPアドレスを入れるであろう。そのような要求に応答しネットワークはコンテクスト情報を集める（ステップ１１、１２、および１３）。望ましくは、発呼者コンテクスト識別を3つのソースの1つまたは複数から集めることができる。これらは、自動創作（ステップ１１）、標準的なオプション選択（ステップ１２）、および／または完全な特化創作（ステップ１３）である。
【００１２】
1. 自動創作
ネットワークは、既に所有しているデータを集め、それを被呼者に送ることによって自動的にコンテクスト情報を創り出すことができる。コンテクスト情報を創り出すこの方法の1つの利点は、被呼者はコンテクスト情報を送るために電話を掛けるときに付加的なステップを実行する必要がないことである。例えば、ボイスメール、 電子メール、 インターネットボイス、ビデオ通信、ページング、ファックス、または共有の作業用ファイルのような特定の通信環境で被呼者によって残された呼を、発呼者が返すとする。ネットワークは、そのとき、だれがメッセージを何日の何時に残したかを示すコンテクスト情報、およびメッセージの主題に関する情報を持っている。発呼者が呼を返すとき、ネットワークはそのコンテクスト情報を被呼者に送ることができる。被呼者は、発呼者のアイデンティティ（identity）だけでなく、発呼者がある日時に残されたメッセージを返していることを知る。
【００１３】
前のコンテクストが当事者間に存在しないときでさえも、発呼者が特定の通信環境から電話を掛けるならば、ネットワークは自動的にコンテクスト情報を創り出すこともできる。例えば、番号の「法人ディレクトリ」を持つアプリケーションの中で発呼者が呼を開始するとする。そのコンテクスト情報は、被呼者に呼がビジネス同僚から来ていることを示すであろう。
【００１４】
また、ネットワークは、発呼者がネットワーク・カスタム電話機能を使って電話を掛けているかどうかに関する情報を集めることもできる。例えば、電話会社は呼リターンおよび三方会議のような機能を提供する。被呼者がこれらの機能の1つを使用するならば、コンテクスト情報は、呼がリターンコールであること、または呼が会議電話であり誰が既に接続されているかを被呼者に示すであろう。
【００１５】
発呼者が遠隔地（例えば携帯電話から）電話を掛けるならば、ネットワークは、電話がかけられた現地の加入者の名前、電話をかけている最も近くの端局スイッチング領域、またはセル・サイト名のような発呼者の地理的な位置から自動的にコンテクスト情報を創り出すことができる。無線機器がGPS（グローバルポジショニングシステム）コンパチブルであるならば、ネットワークはGPSデータを位置変換テーブルにマッチングすることができる。代わりに、ある部屋かビルにおけるスマートルーム情報送信機は、特定の位置情報をネットワークに提供することができ、ネットワークは、続いて、この情報をコンテクスト情報として被呼者に提供することができる。
【００１６】
2. 標準的オプションの選択
標準のオプション選択は発呼者がたくさんの呼オプションから選択することを可能にする。サービス・プロバイダーによってオプションを予め決めることができ、またはインストール段階でユーザがオプションを作ることができる。このコンテクスト情報を実現するために発呼者はダイヤリングの前にコード体系を選択することができる。選択可能なソフトキー、特別なスターコード、メニューオプション、音声コマンド、その他のメカニズムを使用して、発呼者はコンテクスト情報オプションから選ぶことができる。
【００１７】
例えば、発呼者は、呼について低、中、高の優先順位を示す優先順位タグを発呼者識別情報に付けるよう選択することができる。また、被呼者は、電話をかける前に被呼者に発呼者の媒体についての期待を示すために媒体または媒体の組合せを選ぶことができる。例えば発呼者が音声電話またはビデオ電話を要求するならば、このコンテクスト情報は被呼者に知らされる。
【００１８】
また、発呼者は、活発な参加が必要かどうか被呼者に示す通信事象の同期性を選択することができる。例えば発呼者は、媒体として音声呼を選択し次いで非同期事象を選択することができる。この音声呼は、次いで被呼者に「接続」することを要求しない片方向通信として送られるであろう。また、 コンテクスト情報は被呼者からの受信の確認応答のオプションを含むことができる。
【００１９】
さらに発呼者は、広帯域接続のコストを共有するオプションを選択することができる。このオプションは、時間およびバンド幅の両方または一方に基づいて媒体について課金するサービス・プロバイダーにとって有用である。被呼者は、通信に応じ費用の割当てを支払うことを決定する。このタイプの標準のオプションは、サービス・プロバイダーの課金の記録に連結する。
【００２０】
最後の例として発呼者は、被呼者について、発呼者／被呼者のコンテクストに適切である通信閉鎖をするために使用可能な処理オプションを選択することができる。例えば発呼者は、セル電話線に1回だけのアクセスを被呼者に与えるために「ホットライン」ソフトキーを付けることができる。
【００２１】
3. 完全な特化創作
完全な特化創作は、発呼者が個々の呼ごとに作成したコンテクスト情報を付加することを可能にする。コンテクスト情報は通信媒体によってたくさんの形を取ることができる。例えば、発呼者は、発呼者名前の送出として特化された名前を送ることを選ぶことができ、こうしてサービス・プロバイダーの加入者名をコンテクストにより特定で適切な何かに置き換えることができる。また、発呼者は応答方法に関する命令と共に特定の応答要求を送ることができる。さらに、発呼者はトピック・ヘッダーを通信事象に取り付けることができる。このトピック・ヘッダーは、テキスト・メッセージの形または被呼者の電話の呼び出し音の間で演奏される音声アナウンスの形であることができる。別の例として発呼者は、被呼者について期待される要求を示す情報を送ることができる。期待される要求は、例えば通信事象を完成するのに必要な予想時間の表示である。
【００２２】
また、 発呼者は、コンテクスト識別の完全な特化創作の一部としてコンピュータ・ファイルを取り付けることができる。このタイプの情報は非常にフレキシブルで呼のために正確なコンテクストを確立する際に価値があり、サポートするドキュメントその他の媒体が発呼者識別情報で確実に使用可能にする。例えば、被呼者がニューヨークの番号でジョン・ドウから電話を受けるとする。被呼者がジョン・ドウを知らないかぎり、この情報だけでは被呼者が呼に応答するかどうかを決定するのを助けない。ジョン・ドウが、呼が保険更新に関するものであることを示すコンテクスト情報を付け、現在の保険証書のテキスト・コピーを含ませたならば、被呼者は得てして呼に応じるであろう。このコンテクスト情報なしでは、被呼者は呼を無視したかもしれない。
【００２３】
最後の例として、発呼者が通信販売の番号を通して注文を出しているとする。発呼者が以前に通信販売会社と取り引きしたならば、彼はアカウント番号または参照番号を呼に付けるか、または所望の購買に関する情報を付けることができる。通信販売会社は続いてこの情報を使用して、着呼をより効率的に方向付け処理することができる。
【００２４】
ネットワークは、上述されたソースの1つまたは複数からコンテクスト情報を集めると、コンテクスト情報を被呼者に伝送する。被呼者は、続いて発呼者と通信リンクを確立するかどうか決め、自身の決定をネットワークに示す。この表示は、通信の媒体によって異なった形を取ることができる。例えば、被呼者はADSI電話を使用しているならば、単に受信機を持ち上げることによって発呼者に接続する意志を示す。被呼者がインターネットの上で通信するためにコンピュータを使用しているならば、彼はインターネット・アプリケーションに適切なキーストロークを実行するであろう。被呼者からこの表示を受け取ると、ネットワークは被呼者と発呼者の間でリンクを確立する。一方、被呼者がコンテクスト情報に基づいて、発呼者とリンクを確立しないように決めるならば、通信事象は終わる。
【００２５】
B. 被呼者のコンテクスト識別
発呼者コンテクスト識別への補完として、被呼者のコンテクスト識別は、発呼者が電話を掛ける前に被呼者のコンテクストについて判断することを可能にする。コンテクスト情報は、 発呼者が電話をかけるか、呼になんらかの優先順位をつけるか、被呼者のコンテクストに適切な媒体を選択するか、またはその他のパラメータを選択するかについて、より知識のある決定をすることを可能にする。
【００２６】
図2で示されるように、被呼者コンテクスト情報は発呼者からの被呼者と通信リンクを確立するための要求で始まる（ステップ２０）。そのような要求は、上記のステップ10に関連して説明したように特定の通信媒体に従って開始される。この要求を受け取ると、ネットワークはコンテクスト情報を集める（ステップ２１、２２および２３）。3つのソースのうちの1つまたは複数から被呼者のコンテクスト識別を集めることができることが好ましい。３つのソースとは、自動創作（ステップ２１）、標準的なオプション選択（ステップ２２）および完全な特化創作（ステップ２３）である。
【００２７】
1. 自動創作
発呼者コンテクスト識別と同じように、自動創作は、コンテクスト情報を発呼者に送るために被呼者によるどんなステップも必要としない。代わりに、ネットワークは既にそれにとって使用可能の情報を集める。例えば、発呼者は、電話を掛ける前に電話番号が所望の被呼者であることを検証するために被呼者の名前を受け取ることができる。
【００２８】
また、ネットワークは位置の情報を発呼者にリレーすることができる。例えばネットワークは、被呼番号の現地のローカル加入者の名前、被呼番号の最も近い端局のスイッチング領域、または電話が無線機器に対するものであるならばセル・サイト名、を含むことができる。また無線機器がGPSコンパチブルであるならば、ネットワークは位置変換テーブルにGPSデータをマッチングすることができる。または、ある部屋またはビルのスマートルーム情報送信機は、特定の位置情報をネットワークに提供することができ、ネットワークはこの情報をコンテクスト情報として発呼者に送ることができる。
【００２９】
また、ネットワークは使用可能のバンド幅または媒体のタイプに関する情報を提供することができる。例えば発呼者が、 コンピュータ・ファイルを呼に取り付けることを願うならば、自分と所望の被呼者の間で使用可能なバンド幅を知ることが重要であることがある。代わりにネットワークは、所望の被呼者が音声電話またはビデオ電話を受けることができるかについて発呼者に知らせることができる。
【００３０】
2. 標準のオプション選択
標準のオプション選択は、自身がコンテクストを変化させるに従い、被呼者が予め決められたオプションから選択することを可能にする。このコンテクスト情報を実現するために被呼者はコード体系を選択することができる。選択可能なソフトキー、特別なスターコード、メニューオプション、音声コマンドその他のメカニズムを使用して、被呼者は所望のコンテクスト情報のオプションから選ぶことができる。
【００３１】
例えば、被呼者は、様々なビジー（busy: 話し中）フィルタの1つを選択して、被呼者が邪魔されたくないか、または緊急電話だけを受けることを発呼者に知らせることができる。また、 被呼者は媒体の好みに関するコンテクスト情報を選択することができる。例えば、被呼者は、音声とビデオの両方を使用することができる場合でも、音声だけを使用したいことがある。この情報は発呼者にコンテクスト情報として送ることができる。他のオプションは、同期音声だけ、またはボイスメールへのアクセスまたは経路指示されたパスへのアクセスのような標準の処理オプションを含む。
【００３２】
3. 完全な特化された創作
また、被呼者は完全な特化された（カスタム）コンテクスト情報を創り出すことができる。このコンテクスト情報は、例えば被呼者の通信事象のタイプについての特定の有用性に関する情報を含むことができる。また、コンテクスト情報は、発呼者と被呼者の互いのコンテクストに基づく特化された処理オプションを含むことができる。例えば被呼者は、発呼者のアイデンティティに基づいて特別な処理オプションを設定することができる。発呼者が被呼者の配偶者だったならば、被呼者は、ある処理オプションを配偶者にとって使用可能にし、その他の者には使わせないようにすることを望むことがある。また、被呼者は発呼者に提供される事前設定メッセージを記録することができる。
【００３３】
また、完全な特化された創作は、発呼者が通信販売会社に注文のために電話をする場合にも有用である。通信販売会社は、発呼者に関する情報、例えば典型的に購入される製品のタイプを集め、発呼者にとって有用なコンテクスト情報を提供することができる。これは、関連する製品に関する情報、または先に発呼者によって購入された製品に対する現在の割り引きに関する情報を含むことができる。
【００３４】
ネットワークは、上で記述されたソースの1つまたは複数からコンテクスト情報を集めたとき、コンテクスト情報を発呼者に伝送する（ステップ２４）。発呼者は、続いて被呼者と通信リンクを確立するかどうか決め、自身の決定をネットワークに示す（ステップ２５）。この表示は通信の媒体によって、異なる形を取ることができる。例えば発呼者が電話を使用しているならば、例えばサービス・プロバイダーによって提供されるメニューオプションを使用して、被呼者に接続する希望を示すことができる。発呼者は、インターネット上で通信するためにコンピュータを使用しているならば、インターネット・アプリケーションに適切であるキーストロークを実行するであろう。発呼者からこの表示を受け取ると、ネットワークは被呼者と発呼者の間でリンクを確立する（ステップ２６）。一方、発呼者がコンテクスト情報に基づいて、被呼者とリンクを確立しないと決めるならば、通信事象は終わる。
【００３５】
C. 実行
オーディオ、テキスト、 グラフィックス、 ビデオ、またはこれらの任意の組合せの形でありうる、ここで議論するコンテクスト情報のいずれも、運用会社によって提供される発呼者識別を信号通信するプロトコルにリンクすることができる。
【００３６】
具体的には図3は様々なタイプのコンテクスト情報を実現するための構成を示す。発呼コンテクスト情報の自動創作の場合、移動性のためのグローバル・システム（ＧＳＭ）受話器33上の発呼者が、ADSI電話３０上の被呼者に電話をするとする。GSMネットワーク34は、加入者の名前と番号、およびGPS座標またはセルIDでGSM受話器33を識別する。この情報および発呼要求は公共のスイッチング電話網（ＰＳＴＮ）に経路指示される。サーバ32は被呼者をADSI呼コンテクスト加入者として識別する。サーバ32は、次いで位置変換テーブルにGPSまたはセルIDをマッチングし、加入者情報および位置情報をADSI電話30に呼要求の一部として送る。これは、例えば名前と番号識別を送る方法を記述するBellcoreの既存のTR30/31 CLASSプロトコルを、BellcoreのTR1273 ADSIプロトコルを使用してテキスト・ベースの情報のデリバリと同期させることによってなされる。
【００３７】
被呼者コンテクスト情報の自動創作について、被呼者がGSM受話器33の上におり、呼コンテクスト機能への加入者であるとする。発呼者はADSl電話30上のGSM受話器33にPSTN 31を通して電話をかける。サーバ32は被呼者の名前およびGPS座標またはセルIDをGSMネットワーク34から要求する。GSMネットワーク34はこの情報をサーバ32に提供し、サーバ32は続いて情報をテキスト・ベースのメッセージとしてADSI電話30に送る。この情報を使用して、発呼者は、例えば適切なソフトキーを選択することによって、 呼を完成させたいかどうかをサーバ32に示す。発呼者が、 呼を完成させることを願うならば、サーバ32が呼要求をGSMネットワーク34に出し、呼は通常通り完成する。
【００３８】
発呼者コンテクスト情報のための標準のオプション創作の場合、ADSI電話30について発呼者がローカル・サービス・プロバイダーからの呼コンテクスト機能に加入しているとする。ADSIプロトコルを使用して、サーバ32は、呼コンテクスト・サービス・スクリプトをPSTN 31を通して加入者ADSI電話30にロードする。発呼者がオフフック（受話器をはずす）するとき、呼コンテクスト・オプションがソフトキーとして現れる。発呼者がGSM受話器33上の被呼者に呼を開始するとする。発呼者は、ソフトキーを選択して、被呼者との音声接続を望むことを示すことができる。サーバ32はこの簡易メッセージを呼要求情報と共にPSTN 31上でGSMネットワーク34に送る。被呼者は標準の呼要求情報をGSMネットワーク34からコンテクスト・メッセージと共に受け取る。
【００３９】
同様に、被呼者の識別のための標準オプションの創作について、GSM受話器33上の被呼者が呼コンテクスト機能への加入者であるとする。以前には、被呼者は、メニューオプションまたはスターコマンドを使用して、サーバ32に格納される様々なオプションを選択することができた。例えば被呼者は、音声通信しか受け取ることができないオプションを選択することができる。発呼者がADSI電話30でGSM受話器33に電話をすると、サーバ32は被呼者を呼コンテクスト機能への加入者として認識し、予め選択されたコンテクスト情報をPSTN 31を通してADSI電話30に提供する。この情報に基づいて発呼者は、例えばADSI電話30のソフトキーを使用して呼を完成させるかどうかをサーバ32に示す。
【００４０】
完全な特化された創作の発呼コンテクストの場合、ステップは、呼を掛ける前に発呼者が特化されたメッセージをタイプすることができることのほか、標準オプションの発呼コンテクスト創作の場合と同じである。このメッセージはサーバ32によって受け取られ呼ヘッダーとして解釈される。サーバ32は次いでメッセージを簡易メッセージとしてGSMネットワーク34を通してGSM受話器33上の加入者に送る。
【００４１】
同様に、完全な特化された創作の被呼コンテクストは、被呼者が特化されたメッセージを入力することができることのほか、標準オプションの被呼コンテクスト創作に関して上述したのと同様に進む。例えば被呼者は、サーバ32に格納された標準の加入者名に代わって、特化された加入者名をタイプすることができる。これは、例えばGSM受話器33上で文字入りの番号を使用して行うことができる。サーバ32は、次いで標準の加入者名に代わって、特化された加入者名をADSI電話30上の発呼者に送る。
【００４２】
【発明の効果】
この発明によると、発呼者または被呼者にコンテクスト情報が提供されるので、当事者は、コンテクスト情報に基づいて通信を開始するかどうか、およびどのように開始するかを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明にしたがって被呼者にコンテクスト情報を提供するための方法を示すフローチャート。
【図２】この発明にしたがって発呼者にコンテクスト情報を提供するための方法を示すフローチャート。
【図３】この発明にしたがってシステムを実現するためのネットワーク構成を示す図。
【符号の説明】
２０ 通信リンクを確立する要求を受け取るステップ
２１、２２、２３ コンテクスト情報を集めるステップ
２４ コンテクスト情報を提供するステップ
２５ 表示を受け取るステップ
２６ 通信リンクを確立するステップ
【発明の属する技術分野】
この発明は一般的に被呼者および発呼者の識別に関連し、より具体的には被呼者および発呼者に通信事象のコンテクストを示す情報を提供することに関する。
【０００２】
【従来の技術】
通信の分野では、通信媒体をよりよく管理し制御するために増加した機能性をユーザに提供する傾向があった。例えば、電話法（telephony: テレフォニー）において、多くのサービス・プロバイダーが発呼者識別および発呼者ネームサービスを提供する。これらのサービスは、 被呼者が電話に答える前に電話番号および発呼者の名前を見ることができるようにする。この限られた情報に基づいて、被呼者は、呼に答えるかどうか決めることができる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
単に発呼者の電話番号と名前を提供することは、被呼者に呼に答えるかどうか判断するための十分な情報を提供しない。例えば、ジョン・ドウがニューヨークの番号から電話をしていることを発呼者情報が示すとする。被呼者がジョン・ドウを知らなければ、この情報は呼を受け付けるかまたは断るかを決めるのに有用でない。
【０００４】
またこのシステムは、被呼者に関してどんな情報も発呼者に提供しない。被呼者が邪魔されたくないか、非常時だけ邪魔を受け入れるつもりである場合がある。既存のネットワークは、発呼者が電話を掛けるかどうか決定することができるように、このような情報を発呼者に送るためのメカニズムを提供しない。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記の見地から、通信を開始しまたは受け付るかどうか、およびどのように開始または受け付けるかを決定するのを助けるために、発呼者および被呼者にコンテクスト（context: 状況、背景）情報を提供する方法に対する必要性がある。従って、この発明による方法は、現在の通信システムに含まれる問題および不利益を実質的に取り除く。現在の通信システムは、被呼者に発呼者に関して限られた情報だけを提供し、被呼者について発呼者に提供される情報はもっと少ない。通常、この情報は発呼者の番号および／又は名前だけから成る。この限られた情報は、しかし、被呼者または発呼者が、呼に応じるかどうかおよびどのように応じるかについて知識のある決定をするには十分でない。この発明は、被呼者または発呼者にコンテクスト情報を提供することによってこの問題を解決する。
【０００６】
具体的には、この発明による方法は、被呼者と通信リンクを確立する要求を発呼者から受け取り、コンテクスト情報を集め、集まったコンテクスト情報を被呼者に提供し、被呼者から通信リンクを確立するかどうかの表示（indication: 指示、指摘）を受け取り、この表示に基づいて発呼者と被呼者の間で通信リンクを確立しまたは確立しないことを含む。
【０００７】
この発明による別の方法は、被呼者と通信リンクを確立する要求を発呼者から受け取り、コンテクスト情報を集め、集まったコンテクスト情報を発呼者に提供し、通信リンクを確立するかどうかに関する表示を発呼者から受け取り、この表示に基づいて発呼者と被呼者の間で通信リンクを確立しまたは確立しないことを含む。
【０００８】
この発明の他の機能および利点は、以下のこの明細書の記載から明らかになるであろうし、また、この発明を実施することによって知ることができるであろう。以上の概説および以下の詳細な説明は、例示的で説明のためだけのもので、特許請求の範囲に記載した発明をさらに説明することを意図したものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
この発明による好ましい実施例を図面を参照して説明する。可能な場合、同じまたは同様な部分を参照するのに図面中で同じ参照番号が使用される。
【００１０】
コンテクスト情報は、通信事象の当事者または通信事象自体に関連する情報である。従来の発呼者IDおよび名前サービスと異なって、コンテクスト情報は動的で、呼によって変わることができる。コンテクスト情報は発呼者および被呼者の両方にとって貴重な場合がある。一般に、発呼者はサービス・プロバイダーが被呼者に送る名前および番号識別にコンテクスト情報を付加することができる。この付加された情報は、呼に応じるかどうかおよびどのように応じるかを決定するのを助けるため、被呼者にその特定の呼のコンテクストに関して知らせることができる。被呼者もコンテクスト情報を設定することができる。被呼者コンテクスト情報は発呼者にネットワークの「ダイヤル前」情報ウィンドウとして送られる。この情報は、発呼者が、電話を掛けるかどうかおよびどのように掛けるかについてより多くの知識に基づいて決定をすることを可能にする。
【００１１】
A. 発呼者コンテクスト識別
図1に示されるように、発呼者コンテクスト識別は、発呼者からの被呼者と通信リンクを確立する要求で始まる（ステップ１０）。通信媒体に依存して、そのような要求は異なった形を取るであろう。発呼者がアナログ・ディスプレイ・サービス・インターフェイス（ＡＤＳＩ）電話を使用しているならば、例えば彼は被呼者の番号を単にダイヤルするであろう。発呼者は、インターネットの上で通信するためにコンピュータを使用しているならば、被呼者の電子メールまたはIPアドレスを入れるであろう。そのような要求に応答しネットワークはコンテクスト情報を集める（ステップ１１、１２、および１３）。望ましくは、発呼者コンテクスト識別を3つのソースの1つまたは複数から集めることができる。これらは、自動創作（ステップ１１）、標準的なオプション選択（ステップ１２）、および／または完全な特化創作（ステップ１３）である。
【００１２】
1. 自動創作
ネットワークは、既に所有しているデータを集め、それを被呼者に送ることによって自動的にコンテクスト情報を創り出すことができる。コンテクスト情報を創り出すこの方法の1つの利点は、被呼者はコンテクスト情報を送るために電話を掛けるときに付加的なステップを実行する必要がないことである。例えば、ボイスメール、 電子メール、 インターネットボイス、ビデオ通信、ページング、ファックス、または共有の作業用ファイルのような特定の通信環境で被呼者によって残された呼を、発呼者が返すとする。ネットワークは、そのとき、だれがメッセージを何日の何時に残したかを示すコンテクスト情報、およびメッセージの主題に関する情報を持っている。発呼者が呼を返すとき、ネットワークはそのコンテクスト情報を被呼者に送ることができる。被呼者は、発呼者のアイデンティティ（identity）だけでなく、発呼者がある日時に残されたメッセージを返していることを知る。
【００１３】
前のコンテクストが当事者間に存在しないときでさえも、発呼者が特定の通信環境から電話を掛けるならば、ネットワークは自動的にコンテクスト情報を創り出すこともできる。例えば、番号の「法人ディレクトリ」を持つアプリケーションの中で発呼者が呼を開始するとする。そのコンテクスト情報は、被呼者に呼がビジネス同僚から来ていることを示すであろう。
【００１４】
また、ネットワークは、発呼者がネットワーク・カスタム電話機能を使って電話を掛けているかどうかに関する情報を集めることもできる。例えば、電話会社は呼リターンおよび三方会議のような機能を提供する。被呼者がこれらの機能の1つを使用するならば、コンテクスト情報は、呼がリターンコールであること、または呼が会議電話であり誰が既に接続されているかを被呼者に示すであろう。
【００１５】
発呼者が遠隔地（例えば携帯電話から）電話を掛けるならば、ネットワークは、電話がかけられた現地の加入者の名前、電話をかけている最も近くの端局スイッチング領域、またはセル・サイト名のような発呼者の地理的な位置から自動的にコンテクスト情報を創り出すことができる。無線機器がGPS（グローバルポジショニングシステム）コンパチブルであるならば、ネットワークはGPSデータを位置変換テーブルにマッチングすることができる。代わりに、ある部屋かビルにおけるスマートルーム情報送信機は、特定の位置情報をネットワークに提供することができ、ネットワークは、続いて、この情報をコンテクスト情報として被呼者に提供することができる。
【００１６】
2. 標準的オプションの選択
標準のオプション選択は発呼者がたくさんの呼オプションから選択することを可能にする。サービス・プロバイダーによってオプションを予め決めることができ、またはインストール段階でユーザがオプションを作ることができる。このコンテクスト情報を実現するために発呼者はダイヤリングの前にコード体系を選択することができる。選択可能なソフトキー、特別なスターコード、メニューオプション、音声コマンド、その他のメカニズムを使用して、発呼者はコンテクスト情報オプションから選ぶことができる。
【００１７】
例えば、発呼者は、呼について低、中、高の優先順位を示す優先順位タグを発呼者識別情報に付けるよう選択することができる。また、被呼者は、電話をかける前に被呼者に発呼者の媒体についての期待を示すために媒体または媒体の組合せを選ぶことができる。例えば発呼者が音声電話またはビデオ電話を要求するならば、このコンテクスト情報は被呼者に知らされる。
【００１８】
また、発呼者は、活発な参加が必要かどうか被呼者に示す通信事象の同期性を選択することができる。例えば発呼者は、媒体として音声呼を選択し次いで非同期事象を選択することができる。この音声呼は、次いで被呼者に「接続」することを要求しない片方向通信として送られるであろう。また、 コンテクスト情報は被呼者からの受信の確認応答のオプションを含むことができる。
【００１９】
さらに発呼者は、広帯域接続のコストを共有するオプションを選択することができる。このオプションは、時間およびバンド幅の両方または一方に基づいて媒体について課金するサービス・プロバイダーにとって有用である。被呼者は、通信に応じ費用の割当てを支払うことを決定する。このタイプの標準のオプションは、サービス・プロバイダーの課金の記録に連結する。
【００２０】
最後の例として発呼者は、被呼者について、発呼者／被呼者のコンテクストに適切である通信閉鎖をするために使用可能な処理オプションを選択することができる。例えば発呼者は、セル電話線に1回だけのアクセスを被呼者に与えるために「ホットライン」ソフトキーを付けることができる。
【００２１】
3. 完全な特化創作
完全な特化創作は、発呼者が個々の呼ごとに作成したコンテクスト情報を付加することを可能にする。コンテクスト情報は通信媒体によってたくさんの形を取ることができる。例えば、発呼者は、発呼者名前の送出として特化された名前を送ることを選ぶことができ、こうしてサービス・プロバイダーの加入者名をコンテクストにより特定で適切な何かに置き換えることができる。また、発呼者は応答方法に関する命令と共に特定の応答要求を送ることができる。さらに、発呼者はトピック・ヘッダーを通信事象に取り付けることができる。このトピック・ヘッダーは、テキスト・メッセージの形または被呼者の電話の呼び出し音の間で演奏される音声アナウンスの形であることができる。別の例として発呼者は、被呼者について期待される要求を示す情報を送ることができる。期待される要求は、例えば通信事象を完成するのに必要な予想時間の表示である。
【００２２】
また、 発呼者は、コンテクスト識別の完全な特化創作の一部としてコンピュータ・ファイルを取り付けることができる。このタイプの情報は非常にフレキシブルで呼のために正確なコンテクストを確立する際に価値があり、サポートするドキュメントその他の媒体が発呼者識別情報で確実に使用可能にする。例えば、被呼者がニューヨークの番号でジョン・ドウから電話を受けるとする。被呼者がジョン・ドウを知らないかぎり、この情報だけでは被呼者が呼に応答するかどうかを決定するのを助けない。ジョン・ドウが、呼が保険更新に関するものであることを示すコンテクスト情報を付け、現在の保険証書のテキスト・コピーを含ませたならば、被呼者は得てして呼に応じるであろう。このコンテクスト情報なしでは、被呼者は呼を無視したかもしれない。
【００２３】
最後の例として、発呼者が通信販売の番号を通して注文を出しているとする。発呼者が以前に通信販売会社と取り引きしたならば、彼はアカウント番号または参照番号を呼に付けるか、または所望の購買に関する情報を付けることができる。通信販売会社は続いてこの情報を使用して、着呼をより効率的に方向付け処理することができる。
【００２４】
ネットワークは、上述されたソースの1つまたは複数からコンテクスト情報を集めると、コンテクスト情報を被呼者に伝送する。被呼者は、続いて発呼者と通信リンクを確立するかどうか決め、自身の決定をネットワークに示す。この表示は、通信の媒体によって異なった形を取ることができる。例えば、被呼者はADSI電話を使用しているならば、単に受信機を持ち上げることによって発呼者に接続する意志を示す。被呼者がインターネットの上で通信するためにコンピュータを使用しているならば、彼はインターネット・アプリケーションに適切なキーストロークを実行するであろう。被呼者からこの表示を受け取ると、ネットワークは被呼者と発呼者の間でリンクを確立する。一方、被呼者がコンテクスト情報に基づいて、発呼者とリンクを確立しないように決めるならば、通信事象は終わる。
【００２５】
B. 被呼者のコンテクスト識別
発呼者コンテクスト識別への補完として、被呼者のコンテクスト識別は、発呼者が電話を掛ける前に被呼者のコンテクストについて判断することを可能にする。コンテクスト情報は、 発呼者が電話をかけるか、呼になんらかの優先順位をつけるか、被呼者のコンテクストに適切な媒体を選択するか、またはその他のパラメータを選択するかについて、より知識のある決定をすることを可能にする。
【００２６】
図2で示されるように、被呼者コンテクスト情報は発呼者からの被呼者と通信リンクを確立するための要求で始まる（ステップ２０）。そのような要求は、上記のステップ10に関連して説明したように特定の通信媒体に従って開始される。この要求を受け取ると、ネットワークはコンテクスト情報を集める（ステップ２１、２２および２３）。3つのソースのうちの1つまたは複数から被呼者のコンテクスト識別を集めることができることが好ましい。３つのソースとは、自動創作（ステップ２１）、標準的なオプション選択（ステップ２２）および完全な特化創作（ステップ２３）である。
【００２７】
1. 自動創作
発呼者コンテクスト識別と同じように、自動創作は、コンテクスト情報を発呼者に送るために被呼者によるどんなステップも必要としない。代わりに、ネットワークは既にそれにとって使用可能の情報を集める。例えば、発呼者は、電話を掛ける前に電話番号が所望の被呼者であることを検証するために被呼者の名前を受け取ることができる。
【００２８】
また、ネットワークは位置の情報を発呼者にリレーすることができる。例えばネットワークは、被呼番号の現地のローカル加入者の名前、被呼番号の最も近い端局のスイッチング領域、または電話が無線機器に対するものであるならばセル・サイト名、を含むことができる。また無線機器がGPSコンパチブルであるならば、ネットワークは位置変換テーブルにGPSデータをマッチングすることができる。または、ある部屋またはビルのスマートルーム情報送信機は、特定の位置情報をネットワークに提供することができ、ネットワークはこの情報をコンテクスト情報として発呼者に送ることができる。
【００２９】
また、ネットワークは使用可能のバンド幅または媒体のタイプに関する情報を提供することができる。例えば発呼者が、 コンピュータ・ファイルを呼に取り付けることを願うならば、自分と所望の被呼者の間で使用可能なバンド幅を知ることが重要であることがある。代わりにネットワークは、所望の被呼者が音声電話またはビデオ電話を受けることができるかについて発呼者に知らせることができる。
【００３０】
2. 標準のオプション選択
標準のオプション選択は、自身がコンテクストを変化させるに従い、被呼者が予め決められたオプションから選択することを可能にする。このコンテクスト情報を実現するために被呼者はコード体系を選択することができる。選択可能なソフトキー、特別なスターコード、メニューオプション、音声コマンドその他のメカニズムを使用して、被呼者は所望のコンテクスト情報のオプションから選ぶことができる。
【００３１】
例えば、被呼者は、様々なビジー（busy: 話し中）フィルタの1つを選択して、被呼者が邪魔されたくないか、または緊急電話だけを受けることを発呼者に知らせることができる。また、 被呼者は媒体の好みに関するコンテクスト情報を選択することができる。例えば、被呼者は、音声とビデオの両方を使用することができる場合でも、音声だけを使用したいことがある。この情報は発呼者にコンテクスト情報として送ることができる。他のオプションは、同期音声だけ、またはボイスメールへのアクセスまたは経路指示されたパスへのアクセスのような標準の処理オプションを含む。
【００３２】
3. 完全な特化された創作
また、被呼者は完全な特化された（カスタム）コンテクスト情報を創り出すことができる。このコンテクスト情報は、例えば被呼者の通信事象のタイプについての特定の有用性に関する情報を含むことができる。また、コンテクスト情報は、発呼者と被呼者の互いのコンテクストに基づく特化された処理オプションを含むことができる。例えば被呼者は、発呼者のアイデンティティに基づいて特別な処理オプションを設定することができる。発呼者が被呼者の配偶者だったならば、被呼者は、ある処理オプションを配偶者にとって使用可能にし、その他の者には使わせないようにすることを望むことがある。また、被呼者は発呼者に提供される事前設定メッセージを記録することができる。
【００３３】
また、完全な特化された創作は、発呼者が通信販売会社に注文のために電話をする場合にも有用である。通信販売会社は、発呼者に関する情報、例えば典型的に購入される製品のタイプを集め、発呼者にとって有用なコンテクスト情報を提供することができる。これは、関連する製品に関する情報、または先に発呼者によって購入された製品に対する現在の割り引きに関する情報を含むことができる。
【００３４】
ネットワークは、上で記述されたソースの1つまたは複数からコンテクスト情報を集めたとき、コンテクスト情報を発呼者に伝送する（ステップ２４）。発呼者は、続いて被呼者と通信リンクを確立するかどうか決め、自身の決定をネットワークに示す（ステップ２５）。この表示は通信の媒体によって、異なる形を取ることができる。例えば発呼者が電話を使用しているならば、例えばサービス・プロバイダーによって提供されるメニューオプションを使用して、被呼者に接続する希望を示すことができる。発呼者は、インターネット上で通信するためにコンピュータを使用しているならば、インターネット・アプリケーションに適切であるキーストロークを実行するであろう。発呼者からこの表示を受け取ると、ネットワークは被呼者と発呼者の間でリンクを確立する（ステップ２６）。一方、発呼者がコンテクスト情報に基づいて、被呼者とリンクを確立しないと決めるならば、通信事象は終わる。
【００３５】
C. 実行
オーディオ、テキスト、 グラフィックス、 ビデオ、またはこれらの任意の組合せの形でありうる、ここで議論するコンテクスト情報のいずれも、運用会社によって提供される発呼者識別を信号通信するプロトコルにリンクすることができる。
【００３６】
具体的には図3は様々なタイプのコンテクスト情報を実現するための構成を示す。発呼コンテクスト情報の自動創作の場合、移動性のためのグローバル・システム（ＧＳＭ）受話器33上の発呼者が、ADSI電話３０上の被呼者に電話をするとする。GSMネットワーク34は、加入者の名前と番号、およびGPS座標またはセルIDでGSM受話器33を識別する。この情報および発呼要求は公共のスイッチング電話網（ＰＳＴＮ）に経路指示される。サーバ32は被呼者をADSI呼コンテクスト加入者として識別する。サーバ32は、次いで位置変換テーブルにGPSまたはセルIDをマッチングし、加入者情報および位置情報をADSI電話30に呼要求の一部として送る。これは、例えば名前と番号識別を送る方法を記述するBellcoreの既存のTR30/31 CLASSプロトコルを、BellcoreのTR1273 ADSIプロトコルを使用してテキスト・ベースの情報のデリバリと同期させることによってなされる。
【００３７】
被呼者コンテクスト情報の自動創作について、被呼者がGSM受話器33の上におり、呼コンテクスト機能への加入者であるとする。発呼者はADSl電話30上のGSM受話器33にPSTN 31を通して電話をかける。サーバ32は被呼者の名前およびGPS座標またはセルIDをGSMネットワーク34から要求する。GSMネットワーク34はこの情報をサーバ32に提供し、サーバ32は続いて情報をテキスト・ベースのメッセージとしてADSI電話30に送る。この情報を使用して、発呼者は、例えば適切なソフトキーを選択することによって、 呼を完成させたいかどうかをサーバ32に示す。発呼者が、 呼を完成させることを願うならば、サーバ32が呼要求をGSMネットワーク34に出し、呼は通常通り完成する。
【００３８】
発呼者コンテクスト情報のための標準のオプション創作の場合、ADSI電話30について発呼者がローカル・サービス・プロバイダーからの呼コンテクスト機能に加入しているとする。ADSIプロトコルを使用して、サーバ32は、呼コンテクスト・サービス・スクリプトをPSTN 31を通して加入者ADSI電話30にロードする。発呼者がオフフック（受話器をはずす）するとき、呼コンテクスト・オプションがソフトキーとして現れる。発呼者がGSM受話器33上の被呼者に呼を開始するとする。発呼者は、ソフトキーを選択して、被呼者との音声接続を望むことを示すことができる。サーバ32はこの簡易メッセージを呼要求情報と共にPSTN 31上でGSMネットワーク34に送る。被呼者は標準の呼要求情報をGSMネットワーク34からコンテクスト・メッセージと共に受け取る。
【００３９】
同様に、被呼者の識別のための標準オプションの創作について、GSM受話器33上の被呼者が呼コンテクスト機能への加入者であるとする。以前には、被呼者は、メニューオプションまたはスターコマンドを使用して、サーバ32に格納される様々なオプションを選択することができた。例えば被呼者は、音声通信しか受け取ることができないオプションを選択することができる。発呼者がADSI電話30でGSM受話器33に電話をすると、サーバ32は被呼者を呼コンテクスト機能への加入者として認識し、予め選択されたコンテクスト情報をPSTN 31を通してADSI電話30に提供する。この情報に基づいて発呼者は、例えばADSI電話30のソフトキーを使用して呼を完成させるかどうかをサーバ32に示す。
【００４０】
完全な特化された創作の発呼コンテクストの場合、ステップは、呼を掛ける前に発呼者が特化されたメッセージをタイプすることができることのほか、標準オプションの発呼コンテクスト創作の場合と同じである。このメッセージはサーバ32によって受け取られ呼ヘッダーとして解釈される。サーバ32は次いでメッセージを簡易メッセージとしてGSMネットワーク34を通してGSM受話器33上の加入者に送る。
【００４１】
同様に、完全な特化された創作の被呼コンテクストは、被呼者が特化されたメッセージを入力することができることのほか、標準オプションの被呼コンテクスト創作に関して上述したのと同様に進む。例えば被呼者は、サーバ32に格納された標準の加入者名に代わって、特化された加入者名をタイプすることができる。これは、例えばGSM受話器33上で文字入りの番号を使用して行うことができる。サーバ32は、次いで標準の加入者名に代わって、特化された加入者名をADSI電話30上の発呼者に送る。
【００４２】
【発明の効果】
この発明によると、発呼者または被呼者にコンテクスト情報が提供されるので、当事者は、コンテクスト情報に基づいて通信を開始するかどうか、およびどのように開始するかを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明にしたがって被呼者にコンテクスト情報を提供するための方法を示すフローチャート。
【図２】この発明にしたがって発呼者にコンテクスト情報を提供するための方法を示すフローチャート。
【図３】この発明にしたがってシステムを実現するためのネットワーク構成を示す図。
【符号の説明】
２０ 通信リンクを確立する要求を受け取るステップ
２１、２２、２３ コンテクスト情報を集めるステップ
２４ コンテクスト情報を提供するステップ
２５ 表示を受け取るステップ
２６ 通信リンクを確立するステップ
Claims (3)
- 通信ネットワーク上での通信を確立するために該通信ネットワークによって実行される方法であって、
発呼者から被呼者と通信リンクを確立する要求を受け取るステップと、
前記通信ネットワークに知られているコンテクスト情報を集めるステップであって、
該コンテクスト情報は、発呼者がネットワークまたはサービス・プロバイダーの特化された呼機能を使用しているかどうかを示す情報、発呼者の位置および現地時間を示す情報、および発呼者が被呼者からの通信を返しているかどうかを示す情報を含んでおり、
発呼者による予め決められたオプションの選択からコンテクスト情報を集めるステップと、
集まったコンテクスト情報を自動的に、被呼者に提供するステップと、
被呼者から通信リンクを確立するかどうかに関する表示を受け取るステップと、
前記表示に基づいて発呼者と被呼者の間で通信リンクを確立しまたは確立しないステップと、
を含む、通信方法。 - 請求項１の方法であって、前記予め決められたオプションの選択からコンテクスト情報を集めるステップが、発呼者の媒体についての期待を示す情報を集めるステップを含む通信方法。
- 請求項1の方法であって、コンテクスト情報を集めるステップが、発呼者によって供給される特定のコンテクスト情報を集めるステップをさらに含み、
前記特定のコンテクスト情報は、発呼者に関連する加入者名に代わって特化された名前、トピック・ヘッダー、通信に付けられているべきコンピュータ・ファイルおよび被呼者に期待される要求を示す情報の少なくとも一つを含んでいる、
通信方法。
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