JP4140137B2 - 自動二輪車の計器盤取付装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気抵抗を減少させるカウリングを前部に取り付けるスポーツタイプの自動二輪車の計器盤取付装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
オンロードスポーツタイプの自動二輪車は、そのフレームの前部にカウリングが装着され、走行時の空気抵抗の減少が図られている。
この種の自動二輪車は、図８に示すように、フレームＡの前端部のヘッドパイプＢからカウリングブレースＣが前方に突出し、このカウリングブレースＣにヘッドランプＤが前方に向けて螺着されるとともに、カウリングＥの前面の窓孔にヘッドランプＤの前面レンズＦが装着されており、前方を照射するようにしている。そして、カウリングブレースＣの前端部、かつヘッドランプＤの上方に延した位置に、スピードメータ等の計器を備えた計器盤Ｇが後方から見易いように傾けて螺着されている。
なお、この種の先行技術文献として、特開平９−９５２７３号公報があげられる。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスポーツタイプの自動二輪車は、以上のように構成されているが、カウリングＥで空気抵抗を良好に減少させるには、前面の曲面Ｓの形状が重要となる(図８参照)。すなわち、空気抵抗を良好に減少させるには、曲面Ｓの上部を下方に寝かせて上端部を低く設定する必要がある。この場合、ＰとＱの位置が曲面Ｓの形状を決定することとなり、Ｐの位置を前側にするほど、曲面Ｓを寝かせることができる。ところが、Ｐ位置を前側にすると、その分だけカウリングＥが大きくなり、横風に煽られ易くなるという不具合が生じる。
【０００４】
また、曲面Ｓの内側にある計器盤ＧはフレームＡから突出したカウリングブレースＣに下方側から螺着されてヘッドランプ(ヘッドランプを内蔵したヘッドランプハウジング)Ｄの上方に配設されるので、ヘッドランプＤのランプバルブが断線した場合、計器盤Ｇの取り外しが容易でなく、しかも、上方からの交換ができないので、計器盤Ｇを装着したまま後方から交換できるよう、ヘッドランプＤの後方のスペースを広く空けておくため、計器盤Ｇの配設位置が比較的高い位置になっている。そして、前ホークの左右両側部に突出したハンドルＨが左右両側部に切られたとき、前側に移動するので、これらに囲まれて計器盤Ｇの取り付け位置が決まり、曲面Ｓを寝かせる障害になっている。
【０００５】
本発明は上記に鑑みなされたもので、計器盤を簡単に着脱することができ、取り付け位置を下げ、カウリングの前面曲面を大きく寝かせることのできる自動二輪車の計器盤取付装置を提供することを目的としている。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記課題を解決するため、自動二輪車のカウリング内に左右二灯式のヘッドランプを内蔵したヘッドランプハウジングが取り付けられ、ヘッドランプのランプバルブはヘッドランプハウジングの背面から抜き差しできるよう装着されるとともに、保護ブーツが装着され、計器盤が保護ブーツと重なる位置まで下げて配設されたものにおいて、
計器盤には、裏面上部から一体に突出される左右一対のフック片と裏面下部の左右方向中央部から下方に延出される下ステーを設け、
ヘッドランプハウジングには、計器盤のフック片に対応して上面に突設される左右一対の上ブラケットと計器盤の下ステーに対応して背面の左右に配設されたヘッドランプのランプバルブ間に突設される下ブラケットを設け、
計器盤のフック片をヘッドランプハウジングの上ブラケットにクッションゴムを介して嵌挿係止して上部の取付部を形成するとともに、計器盤の下ステーをヘッドランプハウジングの下ブラケットに螺子で螺着して下部の取付部を形成したことを特徴としている。
【０００７】
また、本発明においては上記課題を解決するため、自動二輪車のカウリング内に左右二灯式のヘッドランプを内蔵したヘッドランプハウジングが取り付けられ、ヘッドランプのランプバルブはヘッドランプハウジングの背面から抜き差しできるよう装着されるとともに、保護ブーツが装着され、計器盤が保護ブーツと重なる位置まで下げて配設されたものにおいて、
ヘッドランプハウジングにはピンが突出して設けられ、このピンによりヘッドランプハウジングが位置決めされた状態でカウリングの前面の窓孔にレンズが配設される一方、計器盤とヘッドランプハウジングの間であってヘッドランプハウジングの上面に突出して設けられたブラケットには、クッションゴムが取り付けられて計器盤の振動が抑制されたことを特徴としている。
【０００８】
本発明によれば、計器盤は、ヘッドランプハウジングに接近し、上方の左右両側部と後方の中央部の三点でヘッドランプハウジングにクッションゴムを介し取り付けるので、車体の振動を軽減することができる。また、計器盤は前側の左右両側部をフック片を差込んで取り付け、後方の中央部を一本の螺子で螺着するので、螺子一本の着脱で取り付け、取外しが可能となり、計器盤の下方をヘッドランプハウジングの後面から抜き差しするランプバルブの保護ブーツとオーバーラップするように計器盤の位置を下げても、ランプバルブを容易に交換することができる。これにより、計器盤の前側に位置するカウリングの前面曲面を大きく寝かせることができ、空気抵抗を減少させるカウリングを得ることができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動二輪車の計器盤取付装置の実施形態を図１ないし図７によって説明する。
図中、１はヘッドランプハウジングで、このヘッドランプハウジング１は、左右両側部に二灯式のヘッドランプを内蔵し、前面にレンズ２が装着される。ヘッドランプハウジング１は、その左右両側部にピン３がそれぞれ突設され、各ピン３がカウリングブレース４に嵌入されている。ヘッドランプハウジング１の上下左右の両側部には取付部５がそれぞれ突設され、各取付部５がカウリング６に連結されることにより、カウリング６の前面の窓孔７にレンズ２が位置決めされる。
【００１０】
ヘッドランプハウジング１の上面の左右両側部には溝付きのクッションゴム９の嵌挿された上ブラケット８がそれぞれ突設されている。下ブラケット１０は、２灯のヘッドライトを左右に並べて内蔵したヘッドランプハウジング背面の左右のヘッドランプ間に倒Ｌ字形に屈曲形成されたクッションゴム１１にナットを入れ込んだウエルナットを嵌装して上方に突設される。
１２は計器盤で、この計器盤１２は、スピードメータ、タコメータ、積算計、及びインジケータ類を備え、下面前側の左右両側部にフック片１３がそれぞれ突設され、各フック片１３がクッションゴム９に押込んで装着されており、下面の後方中央部の下ステー１４に挿入した螺子１５がクッションゴム１１内のナットに螺着して取り付けられる。こうして計器盤１２は、後方から見易いように傾けて取り付けられた状態となる。
【００１１】
ヘッドランプハウジング１に内蔵したヘッドランプの左右両側部のランプバルブ１６は、ヘッドランプハウジング１の背面から抜差しできるように装着されている。１７は保護ブーツで、この保護ブーツ１７は埃の侵入を防ぐよう機能する。計器盤１２は取り付け位置が下げられ、計器盤１２の下方が保護ブーツ１７の上縁より下方に位置してオーバーラップして重なるよう設置されている。このため、カウリング６は、上端部を下方に寝かせる角度を大きくすることができる。その他の部分については従来例と同様である。
【００１２】
上記構成によれば、計器盤１２は、ヘッドランプハウジング１に直接取り付けてヘッドランプハウジング１に近接させることができ、しかも、クッションゴム９で三点保持するので、車体の振動を受けることが実に少ない。また、計器盤１２は、前側の左右両側部がフック片１３の差込み式で、後方が一本の螺子１５で着脱されるので、簡単に着脱することができ、ランプバルブ１６の交換の場合には計器盤１２を外せば良く、計器盤１２がランプバルブ１６の保護ブーツ１７の後方に重ってもなんら支障がない。
【００１３】
以上のことから、計器盤１２の取り付け位置を低くすることができ、カウリング６の上部を大きく寝かせて、空気抵抗の減少抑制が期待できる。また、カウリング６を前方に出す必要がない。さらに、計器盤１２の上側取付を計器盤１２の下面に設け、かつクッションゴムを介して嵌挿係止したので、カウリング６の上部と計器盤１２との間に取付ブラケット及びスクリュウの締付け工具のためのスペースが不要となる。したがって、計器盤１２とカウリング６の上部との間の隙間を小さくすることが可能になる。
【００１４】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ヘッドランプハウジングに直接計器盤を取り付けるので、間にカウリングブレースが入ることがなく、計器盤をヘッドランプハウジングに接近させることができる。また、計器盤はヘッドランプハウジングにクッションゴムを介して取り付けるので、振動の悪影響を抑制することができる。また、計器盤は、前側左右両側部をフック片の嵌込み式にし、後方一個所だけ螺子で螺着するので、ランプバルブの交換の場合には簡単に着脱することができ、ランプバルブの保護ブーツと重なる位置まで下げても支障がない。このため、計器盤の上方のカウリングは、上面を大きく寝かせ、空気抵抗の少ないものにすることが可能になる。さらに、カウリングの前側への張出しも少ないので、横風に煽られるのも抑制することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る自動二輪車の計器盤取付装置の実施形態におけるヘッドランプの正面図である。
【図２】図１のＸ−Ｘ矢視縦断面側面図である。
【図３】図１のＹ−Ｙ矢視縦断面側面図である。
【図４】図１のＺ−Ｚ矢視縦断面側面図である。
【図５】図１のＷ−Ｗ矢視部分を示す横断面平面図である。
【図６】本発明に係る自動二輪車の計器盤取付装置の実施形態を示す外側面図である。
【図７】本発明に係る自動二輪車の計器盤取付装置の実施形態を示す正面図である。
【図８】従来の自動二輪車の計器盤取付装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
１ ヘッドランプハウジング
６ カウリング
８ 上ブラケット
９ クッションゴム
１０ 下ブラケット
１１ クッションゴム
１２ 計器盤
１３ フック片
１４ 下ステー
１５ 螺子
１６ ランプバルブ
１７ 保護ブーツ
Claims (2)
- 自動二輪車のカウリング内に左右二灯式のヘッドランプを内蔵したヘッドランプハウジングが取り付けられ、ヘッドランプのランプバルブはヘッドランプハウジングの背面から抜き差しできるよう装着されるとともに、保護ブーツが装着され、計器盤が保護ブーツと重なる位置まで下げて配設された自動二輪車の計器盤取付装置において、
計器盤には、裏面上部から一体に突出される左右一対のフック片と裏面下部の左右方向中央部から下方に延出される下ステーを設け、
ヘッドランプハウジングには、計器盤のフック片に対応して上面に突設される左右一対の上ブラケットと計器盤の下ステーに対応して背面の左右に配設されたヘッドランプのランプバルブ間に突設される下ブラケットを設け、
計器盤のフック片をヘッドランプハウジングの上ブラケットにクッションゴムを介して嵌挿係止して上部の取付部を形成するとともに、計器盤の下ステーをヘッドランプハウジングの下ブラケットに螺子で螺着して下部の取付部を形成したことを特徴とする自動二輪車の計器盤取付装置。 - 自動二輪車のカウリング内に左右二灯式のヘッドランプを内蔵したヘッドランプハウジングが取り付けられ、ヘッドランプのランプバルブはヘッドランプハウジングの背面から抜き差しできるよう装着されるとともに、保護ブーツが装着され、計器盤が保護ブーツと重なる位置まで下げて配設された自動二輪車の計器盤取付装置において、
ヘッドランプハウジングにはピンが突出して設けられ、このピンによりヘッドランプハウジングが位置決めされた状態でカウリングの前面の窓孔にレンズが配設される一方、計器盤とヘッドランプハウジングの間であってヘッドランプハウジングの上面に突出して設けられたブラケットには、クッションゴムが取り付けられて計器盤の振動が抑制されたことを特徴とする自動二輪車の計器盤取付装置。
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