JP4135690B2 - ハイブリッド車両 - Google Patents

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Description

この発明は、ハイブリッド車両に関し、更に詳しくは、内燃機関あるいはモータジェネレータの少なくともいずれか一方から出力される動力により走行するハイブリット車両に関する。
一般に、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関の出力軸には、内燃機関の運動部品の慣性力が作用する。この運動部品は、例えば出力軸に固定されているバランスウェート、フライホイール、この出力軸に回転自在に支持されているコンロッド(ピストン)などがあり、これらの慣性質量に基づいて出力軸に慣性力が作用する。ここで、出力軸に作用する慣性力が大きいと、内燃機関の始動後、例えば、アイドリング時、高回転時において出力軸に作用するトルク変動を抑制することができる。一方、出力軸に作用する慣性力が大きいと、内燃機関の始動時において、スタータにより出力軸を回転させるために必要なトルクが大きくなり、内燃機関の始動に必要な時間が長くなるなどの問題がある。また、出力軸に作用する慣性力が小さいと、高回転時における加速性能を向上することができる。つまり、内燃機関の運転状態により、運動部品の慣性質量を変化させて出力軸に作用する慣性力を変化させることが好ましい。ここで、出力軸に作用する慣性力は、主にフライホールの慣性力が大部分である。そこで、従来においては、内燃機関の機関回転数に応じて、慣性質量を変化させることができるフライホイールが提案されている。
実開昭59−47144号公報
ところで、近年、内燃機関あるいはモータジェネレータの少なくともいずれか一方から出力される動力により走行するハイブリッド車両が提案されている。ハイブリッド車両における動力出力装置であるハイブリッドシステムには、シリーズハイブリッドシステム、パラレルハイブリッドシステム、パラレルシリーズハイブリッドシステムなどがある。このうちパラレルシリーズハイブリッドシステムを備えるハイブリッド車両としては、プラネタリギヤにより、3種類の方法で走行するものがある。具体的には、内燃機関から出力される動力を調整し、この動力により駆動軸(車軸)を回転させて走行する方法、内燃機関から出力される動力により第1モータジェネレータ(発電機として機能する)が発電を行い、第2モータジェネレータ(電動機として機能する)から出力される動力および上記内燃機関から出力される動力により駆動軸を回転させて走行する方法、内燃機関を機関停止し、第2モータジェネレータ(電動機として機能する)から出力される動力のみにより駆動軸を回転させて走行する方法がある。
このようなハイブリッド車両においては、内燃機関の機関回転数の変化、すなわち出力軸の回転数の変化により、この出力軸に慣性力が作用し、プラネタリギヤを介して、この出力軸に作用する慣性力が抵抗トルクとして駆動軸に作用する。例えば、内燃機関の始動時において、第1モータジェネレータ(内燃機関のスタータとして機能する)により出力軸を回転させようとすると、この出力軸に慣性力が作用するため、この駆動軸を車両の前進方向と逆方向に回転させようとする抵抗トルクが駆動軸に作用する。また、ハイブリッド車両の加速時、すなわち内燃機関の始動後における機関回転数の上昇時にも、この出力軸に慣性力が作用するため、この駆動軸を車両の前進方向と逆方向に回転させようとする抵抗トルクが駆動軸に作用する。従って、内燃機関あるいは第2モータジェネレータの少なくともいずれか一方から出力される動力により、この駆動軸に作用するこの駆動軸を車両の前進方向に回転させようとする駆動トルクが、この駆動軸に作用する抵抗トルクにより減少し、このハイブリッド車両の動力性能が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、駆動トルクの低減を抑制することで、動力性能の低下を抑制することができるハイブリッド車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、内燃機関と、前記内燃機関から出力される動力により発電あるいは当該内燃機関を始動する第1モータジェネレータと、駆動軸に連結され、少なくとも当該駆動軸に動力を出力する第2モータジェネレータと、前記内燃機関の出力軸、前記第1モータジェネレータの回転軸、前記駆動軸がそれぞれ連結され、かつ当該内燃機関から出力される動力を調整して駆動軸に伝達する動力分割手段と、前記内燃機関、前記第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの制御を行う制御手段と、を備えるハイブリット車両において、前記出力軸に作用する慣性力を変化させる慣性質量可変手段および前記慣性質量可変手段の慣性質量の変化により応答性が変化する応答性情報を検出する応答性情報検出手段をさらに備え、前記慣性質量可変手段は、前記内燃機関の機関回転数の上昇に応じて、慣性質量が増加し、前記制御手段は、前記検出された応答性情報に基づいて前記慣性質量可変手段の異常を判断することを特徴とする。
この発明によれば、慣性質量可変手段の慣性質量は、内燃機関の機関回転数の上昇に応じて増加する。従って、第1モータジェネレータにより内燃機関を始動する際の慣性質量可変手段の慣性質量は小さいため、出力軸に作用する慣性力は小さくなる。これにより、内燃機関の始動時において駆動軸に作用する抵抗トルクが減少し、駆動軸に作用する車両の前進方向に回転させようする駆動トルクの減少を抑制することができる。また、内燃機関の始動時において出力軸に作用する慣性力が小さいので、内燃機関の機関回転数を短時間で上昇させることができ、内燃機関の始動時間の短縮を図ることができる。さらに、内燃機関の始動後における慣性質量可変手段の慣性質量は大きいため、出力軸に作用する慣性力は大きくなり、駆動軸に対するトルクの変動を抑制することができる。
また、慣性質量可変手段の異常時には、内燃機関の自動停止を禁止する。これにより、ハイブリッド車両の運転時に内燃機関が再始動することを防止することができる。
また、この発明では、上記ハイブリッド車両において、前記慣性質量可変手段は、前記内燃機関の機関回転数が所定回転数以上となると、前記慣性質量が増加することを特徴とする。
この発明によれば、慣性質量可変手段の慣性質量は、内燃機関の機関回転数が所定回転数以上となるまで変化しないので、機関回転数が0の状態から慣性質量が増加する場合と比較して、第1モータジェネレータにより内燃機関を始動する際の出力軸に作用する慣性力はさらに小さくすることができる。これにより、内燃機関の始動時において駆動軸に作用する抵抗トルクはさらに減少し、駆動軸に作用する車両の前進方向に回転させようとする駆動トルクの減少をさらに抑制することができる。
また、この発明では、上記ハイブリッド車両において、前記出力軸に作用する慣性力に基づいて前記駆動軸に作用する抵抗トルクを算出する抵抗トルクをさらに備え、前記制御手段は、算出された抵抗トルクに基づいて、前記第2モータジェネレータの要求トルクを補正することを特徴とする。
この発明によれば、内燃機関の始動時や内燃機関の始動後における機関回転数の上昇時に駆動軸に作用する抵抗トルクを打ち消すトルクを第2モータジェネレータの要求トルクを補正することでこの駆動軸に作用させる。従って、駆動軸に作用する駆動トルクの減少を抑制することができる。
また、この発明では、上記ハイブリッド車両おいて、前記制御手段は、前記慣性質量可変手段の異常を判断した場合に、アイドリング時における前記内燃機関の自動停止を禁止することを特徴とする。
また、この発明によれば、慣性質量可変手段の異常時には、内燃機関の自動停止を禁止する。これにより、ハイブリッド車両の運転時に内燃機関が再始動することを防止することができる。
また、この発明では、上記ハイブリッド車両において、前記制御手段が慣性質量可変手段の異常を判断した場合に、前記応答性情報に基づいて前記出力軸に作用する慣性力を推定する慣性力推定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記推定された出力軸に作用する慣性力に基づいて前記内燃機関に供給する燃料供給量を補正することを特徴とする。
慣性質量可変手段が異常となると、出力軸に作用する慣性力が変化するため、内燃機関の始動時における機関回転数の上昇速度が変化する。従って、慣性質量可変手段の正常時および異常時において、内燃機関の始動時にこの内燃機関に供給する燃料供給量が同一であると、内燃機関の始動時間が変化する虞がある。しかしながら、この発明によれば、異常時のおける出力軸に作用する慣性力を推定し、この推定された出力軸に作用する慣性力に基づいて、燃料供給量を補正する。従って、内燃機関の始動時間のばらつきを抑制することができ、エミッションのばらつきを抑制することができる。
また、この発明では、上記ハイブリッド車両において、前記制御手段が慣性質量可変手段の異常を判断した場合に、前記応答性情報に基づいて前記出力軸に作用する慣性力を推定する慣性力推定手段をさらに備え、前記制御手段は、前記推定された出力軸に作用する慣性力に基づいて前記第2モータジェネレータの要求トルクを補正する。
この発明によれば、慣性質量可変手段の異常時における出力軸に作用する慣性力を推定することで、内燃機関の始動時や内燃機関の始動後における機関回転数の上昇時に駆動軸に作用する抵抗トルクを得ることができ、この駆動軸に作用する抵抗トルクを打ち消すトルクを第2モータジェネレータの要求トルクを補正することでこの駆動軸に作用させる。従って、慣性質量可変手段の異常時においても、駆動時に作用する駆動トルクの減少を抑制することができる。
この発明にかかるハイブリッド車両は、駆動軸に作用する駆動トルクの低減を抑制することで、動力性能の低下を抑制することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、この発明にかかるハイブリット車両の概略構成例を示す図である。図2−1は、フライホイールの構成例を示す図である。図2−2は、ウェートが移動した状態を示す図である。図2−3は、機関回転数と慣性質量との関係を示す図である。図1に示すように、このハイブリッド車両1の動力出力装置であるハイブリッドシステムは、内燃機関10と、主に発電機として機能するモータジェネレータ(以下、「MG1」と称する)と、主に電動機として機能するモータジェネレータ(以下、「MG2」と称する)と、動力分割手段であるプラネタリギヤ20と、制御手段である制御システム30とにより構成されている。なお、40は、MG1あるいはMG2を発電機として機能させた場合に発生する電力を蓄電するバッテリである。また、50は、直流と交流の変換を行うものであり、直流電流で充放電されるバッテリ40と、交流電流で電動機あるいは発電機として機能するMG1およびMG2との間における電力のやり取りを行うインバータである。
内燃機関10は、ガソリンエンジンあるいはディーゼルエンジンなどであり、図示しない燃料供給手段である燃料噴射弁から燃料を噴射し、噴射された燃料と図示しない吸気系統から吸気された空気との混合気が爆発し、図示しないピストンを往復運動させることで、この内燃機関10の出力軸であるクランクシャフト11を回転させるものである。つまり、内燃機関10から出力される動力により、このクランクシャフト11に車両の前進方向に回転させようとする出力トルクが作用する。この内燃機関10は、後述する制御ユニット30のECU(Engine Control Unit)32から出力される出力信号により運転制御される。この内燃機関10のクランクシャフト11には、フライホイール12が固定されている。なお、13は、内燃機関10の機関回転数を検出するクランク角センサである。また、14は、クランクシャフト11に発生する捻り振動を吸収するためのダンパある。
フライホイール12は、慣性質量可変手段であり、図2−1に示すように、フライホイール本体12aと、ウェート12b,12bと、スプリング12c,12cとにより構成されている。フライホイール本体12aは、円板形状であり、中央部に空間部12dが形成されている。この空間部12dには、ウェート12b,12bおよびスプリング12c,12cが配置されている。ウェート12b,12bは、クランクシャフト11に固定される固定部12eを挟んで対向するように配置されている。スプリング12c,12cは、それぞれ一端が固定部12eに固定され、他端がウェート12bに固定されている。
このフライホイール12は、クランクシャフト11の回転とともに回転する。フライホイール12が回転することで、ウェート12b,12bには遠心力が作用し、回転が上昇するとこのウェート12b,12bに作用する遠心力が増加する。この増加した遠心力がスプリング12c,12cの弾性力に勝ると、図2−2に示すように、ウェート12b,12bは、フライホイール12の径方向外側に移動する。ウェート12b、12bが移動すると、フライホイール12の慣性質量Iが増加する。つまり、慣性質量可変手段であるフライホイール12は、クランクシャフト11の回転数、すなわち内燃機関10の機関回転数Neの上昇に応じて、慣性質量Iが増加する。また、この慣性質量Iが増加することで、フライホイール12の慣性力を変化させることができ、クランクシャフト11に作用する慣性力を変化させることができるものである。
フライホイール12の慣性質量Iの増加が開始する機関回転数Neは、スプリング12c,12cのバネ定数により設定することができる。この発明では、スプリング12c,12cのバネ定数の設定は、図2−3に示すように、機関回転数Neが所定回転数Ne1以上となるまでは、フライホイール12の慣性質量Iが増加しない、つまり小さい慣性質量I0のままとなるように設定する。具体的には、クランクシャフト11が機関回転数Ne1よりも遅く回転している際には、ウェート12b,12bが移動しないように、スプリング12c,12cの弾性力がウェート12b,12bに作用する遠心力に勝るように、スプリング12c,12cのバネ定数を設定する。ここで、所定回転数Ne1とは、内燃機関10の始動時にファイアリングを開始する機関回転数Neである。つまり、内燃機関10に燃料を噴射し、図示しない点火プラグの点火、すなわち混合気の爆発を開始する際の機関回転数Ne、例えば400rpmである。機関回転数Neがさらに上昇し、所定回転数Ne2となると、ウェート12b,12bが最もフライホイール12の径方向外側に移動し、フライホイール12の慣性質量Iは、最も大きい慣性質量I1となる。なお、フライホイール12の慣性質量Iは、機関回転数Neが所定回転数Ne2より上昇しても慣性質量I1のまま変化しない。なお、所定回転数Ne2は、内燃機関10のアイドリング時における機関回転数Neよりも低いことが好ましい。これにより、内燃機関10のアイドリング時には、フライホイール12の慣性質量は最大となり、クランクシャフト11に作用する慣性力が大きくなり、駆動軸26に対するトルクの変動を抑制することができる。
MG1およびMG2は、同期モータジェネレータであり、それぞれ回転軸61,64と回転子62,65と、固定子63,66とにより構成されている。回転軸61,64には、永久磁石である回転子62,65が複数個それぞれ固定されている。固定子63,66は、それぞれ回転子62,65と対向する位置に配置され、図示しないハウジングに固定されている。また、この固定子63,66は、回転磁界を形成する図示しない三相コイルが巻回されている。このMG1およびMG2のそれぞれの図示しない三相コイルは、インバータ50に接続されている。インバータ50は、後述するモータ制御装置33から出力される出力信号により、MG1およびMG2を電動機あるいは発電機として機能するように力行制御あるいは回生制御される。具体的には、MG1およびMG2は、インバータ50を介して、バッテリ40に充電された電力、MG1あるいはMG2を発電機として機能させることで発電される電力を供給することで、各回転軸61,64を回転させる電動機として力行制御される。また、MG1およびMG2は、各回転軸61,64が外力により回転している場合には図示しない三相コイルに起電力が発生するため、発電機として回生制御され、発電された電力をバッテリ40に充電、MG1あるいはMG2に供給することもできる。
プラネタリギヤ20は、動力分割手段であり、内燃機関10と、MG1と、MG2とが機械的に連結されている。このプラネタリギヤ20は、主軸21と、サンギヤ22と、ピニオン23と、キャリヤ24と、リングギヤ25とにより構成されている。主軸21は、一端がダンパ14を介してクランクシャフト11と連結され、他端がキャリヤ24と連結されている。つまり、内燃機関10とキャリヤ24とが連結されている。サンギヤ22は、MG1の回転軸61と連結されており、このサンギヤ22にMG1が連結されている。ピニオン23は、サンギヤ22と噛み合い、その周囲に複数個(例えば、3個)配置されている。各ピニオン23は、サンギヤ22の周囲で一体に公転可能に支持するキャリヤ24に保持されている。リングギヤ25は、キャリヤ24に保持された各ピニオン23と噛み合い、駆動軸26に形成されている。駆動軸26の一端には、MG2の回転軸64が連結されており、この駆動軸26にMG2が連結されている。また、駆動軸26の他端には、チェーンドライブスプロケット27が固定され、このチェーンドライブスプロケット27と減速機80との間にチェーンベルト70が巻かれている。内燃機関10あるいはMG2の少なくとも一方から出力される動力は、駆動軸26、チェーンベルト70、減速機80を介して、車軸91,92に伝達され、さらにこの車軸91,92のそれぞれに装着された車輪101,102に伝達される。
制御システム30は、制御手段であり、ハイブリッド車両1の運転状態に応じて、内燃機関10、MG1、MG2などを制御するものである。この制御システム30は、ハイブリッド制御装置31と、このハイブリッド制御装置31に接続された複数の制御装置(ECU32、モータ制御装置33、バッテリ制御装置34など)とから構成されている。これら各制御装置は、入力信号や出力信号の入出力を行う入出力ポート(I/O)と、処理部と、各種マップなどが格納されている記憶部となどによりそれぞれ構成されている。
ハイブリッド制御装置31は、抵抗トルク算出手段、応答性情報検出手段、慣性力推定手段である。このハイブリッド制御装置31は、主に、アクセル開度と、車速と、図示しない記憶部に記憶されているアクセル開度および車速のマップとに基づいて、駆動軸26に作用させる駆動トルクTp(ここでは、車両を前進させる方向に駆動軸26を回転させるトルク)を算出するものである。そして、この算出された総トルクTpに基づいて、内燃機関10に要求する要求出力Pe、MG1に要求する要求トルクTg、MG2に要求する要求トルクTmを算出する。そして、ECU32に要求出力Pe、モータ制御装置33に要求トルクTg,Tmを出力する。ここで、アクセル開度は、図示しないアクセルペダルに取り付けられたアクセル開度センサにより検出されるものである。また、車速は、後述するモータ制御装置33を介して入力されたMG2の回転軸64の回転数Nmを用いたものである。
ECU32は、ハイブリッド制御装置31から出力された要求出力Peに基づいて内燃機関10の運転制御を行うものである。具体的には、ECU32は、この要求出力Peに基づいて、噴射信号、点火信号、開度信号などを内燃機関10に出力し、これらの出力信号によりこの内燃機関10に供給される燃料の燃料供給量や噴射タイミングなどの燃料噴射制御、図示しない点火プラグの点火制御、内燃機関10の図示しない吸気系統に設けられたスロットルバルブのバルブ開度制御などが行われる。なお、ECU32に入力された内燃機関10の運転状態に基づく情報、例えばクランクシャフト11に取り付けられたクランク角度センサ13により検出された機関回転数Neなどは、ハイブリッド制御装置31に出力される。
モータ制御装置33は、ハイブリッド制御装置31から出力された要求トルクTg,Tmに基づいて、インバータ50を介してMG1およびMG2を力行制御あるいは回生制御するものである。モータ制御装置33は、この要求トルクTg,Tmに基づいて、インバータ50を介して、MG1およびMG2を電動機あるいは発電機として機能するように制御する。なお、モータ制御装置33に入力されたMG1およびMG2の運転状態に基づく情報、例えばMG1およびMG2のそれぞれに取り付けられた図示しない回転センサにより検出されたMG1の回転軸61の回転数NgおよびMG2の回転軸64の回転数Nm、などがハイブリッド制御装置31に出力される。
バッテリ制御装置34は、バッテリ40の充電状態を監視するものである。このバッテリ制御装置34に入力されたバッテリ40の充電状態に基づく情報、例えば充電量SOC(State of Charge)は、ハイブリッド制御装置31に出力される。ここで、ハイブリッド制御装置31は、バッテリ40の充電状態に基づいて、ECU32に出力する要求出力Peを補正する。
次に、ハイブリッド車両1の動作について説明する。ここでは、ハイブリッド車両1の内燃機関10の始動時における動作について説明する。図3は、内燃機関の始動時における動作フローを示す図である。図4は、内燃機関の始動時における燃料噴射量と機関回転数との関係を示す図である。まず、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、内燃機関10を始動する条件を満たすか否かを判断する(ステップST1)。ここで、ハイブリッド制御装置31は、ハイブリッド車両1の起動直後に内燃機関10を始動させる。また、ハイブリッド制御装置31は、内燃機関10の暖機運転が終了し、内燃機関10から出力される動力を要求しない場合に、内燃機関10を自動停止させ、内燃機関10から出力される動力を要求する場合に再始動させる。従って、ハイブリッド制御装置31は、ハイブリッド車両1が起動されたか否か、あるいはこのハイブリッド車両1が起動した後、1度始動して自動停止させた内燃機関10を再度始動させるための条件を満たしたか否かを判断する。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、内燃機関10を始動する条件を満たすと判断すると、MG1の要求トルクTgを算出する(ステップST2)。つまり、ハイブリッド制御装置31は、内燃機関10の機関回転数Neを始動に必要な機関回転数である所定機関回転数Ne1以上とするために、プラネタリギヤ20を介して内燃機関10のクランクシャフト11を回転させるMg1の要求トルクTgを算出する。なお、ハイブリッド制御装置31は、内燃機関10を始動する条件を満たしていないと判断すると、満たすまでステップST1を繰り返す。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、内燃機関の始動を開始する(ステップST3)。具体的には、ハイブリッド制御装置31からモータ制御装置33にMG1の要求トルクTgが出力される。そして、モータ制御装置33は、インバータ50を介して、バッテリ40からMG1に電力を供給し、このMG1の回転軸61に要求トルクTgが作用するよう制御する。内燃機関10のクランクシャフト11は、MG1の回転軸61が作用する要求トルクTgにより回転することで、プラネタリギヤ20を介して回転し始める。制御システム30のECU32は、図示しないが機関回転数Neが所定機関回転数Ne1(例えば、400rpm)以上となると、ファイアリングを開始する。つまり、ECU32は、燃料噴射制御、点火制御、バルブ開度制御などを開始し、図示しない燃料噴射弁からの燃料噴射や、図示しない点火プラグの点火を開始する。
ここで、クランクシャフト11が回転し始め、機関回転数Neが上昇している間には、フライホイール12および内燃機関10の運動部品の慣性質量に基づいてクランクシャフト11に慣性力が作用する。この慣性力は、クランクシャフト11からプラネタリギヤ20の主軸21に伝達される。この主軸に伝達されたクランクシャフト11に作用する慣性力は、キャリヤ24、ピニオン23、リングギヤ25を介して抵抗トルクTrとして駆動軸26に作用する。この抵抗トルクTrは、プラネタリギヤ20の特性により、内燃機関10の始動時おいては、ハイブリッド車両1の前進方向と逆方向に駆動軸26を回転させようとする。
しかしながら、フライホイール12の慣性質量Iは、図2−3に示すように、機関回転数Neが所定回転数Ne1、すなわちファイアリングを開始するまで変化しない。従って、MG1により内燃機関10を始動する際のフライホイール12の慣性質量Iは、最小の慣性質量I0のままであるので、フライホイール12の最大の慣性質量I1と比較して小さいままとすることができる。また、MG1により内燃機関10を始動する際のフライホイール12の慣性質量Iは、最小の慣性質量I0のままであるので、機関回転数Neが0の状態から慣性質量Iが増加する場合と比較して、クランクシャフト11に作用する慣性力を小さくすることができる。つまり、内燃機関10の始動時において駆動軸26に作用する抵抗トルクTrは減少する。従って、例えば、ハイブリッド制御装置31が算出した駆動トルクTpに基づいて算出された要求トルクTmにより、モータ制御装置33がインバータ50を介して、バッテリ40からMG2に電力を供給し、このMG2の回転軸64と連結された駆動軸26に要求トルクTmが作用している場合などにおいて、駆動軸26に作用するハイブリッド車両1の前進方向に回転させようする駆動トルクTpの減少を抑制することができる。これにより、動力性能の低下を抑制することができる。また、内燃機関10の始動が完了するまでは、出力軸10に作用する慣性力が小さいので、内燃機関10の機関回転数Neを短時間で上昇させることができ、内燃機関10の始動時間の短縮を図ることができる。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、内燃機関10の機関回転数Neの上昇速度Vを検出する(ステップST4)。具体的には、ハイブリッド制御装置31は、機関回転数Neを検出し、機関回転数Neが0の状態から検出された機関回転数Neまで上昇するのに必要な速度Vを検出する。この上昇速度Vは、MG1の要求トルクTgが一定の場合にクランクシャフト11に作用する慣性力の変化に基づいて変化する。従って、上昇速度Vは、フライホイール12の慣性質量Iの変化により応答性が変化する応答性情報である。つまり、ハイブリッド制御装置31は、応答性情報検出手段として、応答性情報である機関回転数Neの上昇速度Vを検出する。なお、応答性情報としては、MG1の要求トルクTgに対する機関回転数Neの上昇速度Vのみならず、MG1の投入電力に対する機関回転数Neの上昇速度Vであっても良い。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、MG1の要求トルクTgと内燃機関10の機関回転数Neの上昇速度Vとに基づいてフライホイール12が異常か否かを判断する(ステップST5)。具体的には、予めハイブリッド制御装置31の図示しない記憶部に記憶されているフライホイール12が正常の場合における要求トルクTgに対する上昇速度Vと、実際に検出された要求トルクTgに対する上昇速度Vとを比較することで、フライホイール12が異常か否かを判断する。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、フライホイール12が正常であると判断すると、抵抗トルクTrを算出する(ステップST6)。具体的には、ハイブリッド制御装置31は、上記ステップST4で検出された機関回転数Neの上昇速度Vからクランクシャフト11の角加速度を算出する。次に、ハイブリッド制御装置31は、上記ステップST4で検出された機関回転数Neに基づいて、フライホイール12の慣性質量Iを算出する。この慣性質量Iは、検出された機関回転数Neと、予めこのハイブリッド制御装置31の図示しない記憶部に記憶されたフライホイール12の慣性質量Iと機関回転数Neとのマップとに基づいて算出することができる。次に、ハイブリッド制御装置31は、この算出されたフライホイールの慣性質量Iおよび内燃機関10の運動部品の慣性質量の和と、クランクシャフト11の角加速度とに基づいて、クランクシャフト11に作用する慣性力を算出することで、駆動軸26に作用する抵抗トルクTrを算出する。なお、予めハイブリッド制御装置31の図示しない記憶部は、機関回転数Neと抵抗トルクTrとのマップを記憶しておいても良い。この場合は、機関回転数Neが検出されれば、フライホイール12の慣性質量を算出せずに、駆動軸26に作用する抵抗トルクTrを算出することができる。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、算出された抵抗トルクTrに基づいて、MG2の要求トルクTmを補正する(ステップST7)。例えば、ハイブリッド制御装置31が算出した駆動トルクTpに基づいて算出されたMG2の要求トルクTmがハイブリッド車両の前進方向に回転するように駆動軸26に作用している場合では、このハイブリッド制御装置31は、この要求トルクTmに抵抗トルクTr分を加えたものをMG2の要求トルクTmとしてモータ制御装置33に出力する。従って、内燃機関10の始動時における機関回転数Neの上昇時に駆動軸26に作用する抵抗トルクTrを打ち消すトルクをMG2の要求トルクTmを補正することでこの駆動軸26に作用させる。これにより、駆動軸26に作用する駆動トルクTpの減少を抑制することができ、動力性能の低下を抑制することができる。また、内燃機関10の始動時に抵抗トルクTrが駆動軸26に作用することによるトルクの変動を抑制することができる。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、内燃機関10の始動が完了したか否かを判断し(ステップST8)、始動が完了している場合はハイブリッド車両1の始動動作を終了し、完了していない場合は上記ステップST4〜ステップST8を繰り返す。ここで、内燃機関の始動が完了するまでは、出力軸10に作用する慣性力は、小さいので内燃機関10の機関回転数Neを短時間で上昇させることができ、内燃機関10の始動時間の短縮を図ることができる。なお、内燃機関10の始動後における機関回転数Neは、内燃機関10のアイドリング時における機関回転数Neよりも高い所定機関回転数Ne2以上となり、フライホイール12の慣性質量は、最大の慣性質量I1となるので、出力軸26に作用する慣性力は大きくなり、駆動軸26に対するトルクの変動を抑制することができる。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、フライホイール12が異常であると判断すると、MG1の要求トルクTgと機関回転数Neの上昇速度Vとに基づいて出力軸26に作用する慣性力を推定する(ステップST9)。具体的には、予めハイブリッド制御装置31の図示しない記憶部に記憶されているフライホイール12が正常の場合における要求トルクTgに対する上昇速度Vと、実際に検出された要求トルクTgに対する上昇速度Vとの差から出力軸26に作用する慣性力を推定する。つまり、ハイブリッド制御装置31は、慣性質量推定手段として、クランクシャフト11に作用する慣性力を推定する。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、推定された出力軸11に作用する慣性質量に基づいて、内燃機関10に供給する燃料供給量およびMG2の要求トルクTmを補正する(ステップST10)。まず、燃料供給量を補正する場合について説明する。図4に示すように、フライホイール12の正常時には、ECU32は、内燃機関を始動させる場合は、初期の燃料噴射量、すなわち初期の燃料供給量QAとして、通常の燃料供給量よりも多い燃料を内燃機関10に供給する。ここで、フライホイール12の異常時では、クランクシャフト11に作用する慣性力が正常時において作用する慣性力と異なる。従って、内燃機関10の始動時における機関回転数Neの上昇速度Vがフライホイール12の正常時と異常時とでは異なるので、内燃機関10の始動時において、フライホイール12の正常時と異常時とではこの内燃機関10に供給する燃料供給量を異ならせる。
例えば、フライホイール12のスプリング12c、12cが故障し、ウェート12b,12bがフライホイール12の径方向において最も外側で移動できなくなった場合は、このフライホイール12の慣性質量Iは、最大の慣性質量I1となる。この場合は、フライホイール12に作用する慣性力は大きくなるため、内燃機関の機関回転数Neが所定機関回転数Ne1に到達するまでに長時間必量となる。そこで、この場合は、上記初期の燃料供給量QAよりもさらに多い燃料供給量QBを内燃機関に供給することで、内燃機関10のファイアリング時におけるクランクシャフト11を回転させるトルクを増加させ、内燃機関10の始動時間を短縮する。従って、フライホイール12の正常時と異常時とによる内燃機関10の始動時間のばらつきを抑制することができ、エミッションのばらつきを抑制することができる。なお、フライホイール12の正常時と異常時とでは、初期の燃料供給量を同一とし、機関回転数Neの上昇に応じて供給される燃料量給料の減衰する率を変更しても良い。
次に、MG2の要求トルクTmを補正する場合について説明する。具体的には、推定されたクランクシャフト11に作用する慣性力から抵抗トルクTrを推定し、この抵抗トルクTrに基づいてMG2の要求トルクTmを補正する。例えば、ハイブリッド制御装置31が算出した駆動トルクTpに基づいて算出されたMG2の要求トルクTmがハイブリッド車両の前進方向に回転するように駆動軸26に作用している場合では、このハイブリッド制御装置31は、この要求トルクTmに推定された抵抗トルクTr分を加えたものをMG2の要求トルクTmとしてモータ制御装置33に出力する。従って、内燃機関10の始動時における機関回転数Neの上昇時に駆動軸26に作用すると予測される抵抗トルクTrを打ち消すトルクをMG2の要求トルクTmを補正することでこの駆動軸26に作用させる。これにより、フライホイール12の異常時においても、駆動軸26に作用する駆動トルクTpの減少を抑制することができ、動力性能の低下を抑制することができる。また、フライホイール12の異常時においても、内燃機関10の始動時に抵抗トルクTrが駆動軸26に作用することによるトルクの変動を抑制することができる。
次に、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、内燃機関10の始動が完了したか否かを判断し(ステップST11)、始動が完了している場合はハイブリッド車両1の始動動作を終了し、完了していない場合は上記ステップST4〜ステップST10を繰り返す。
なお、ハイブリッド制御装置31は、フライホイール12が異常であると判断した場合において、例えばハイブリッド車両1の室内に取り付けられた警告灯を点灯するとなどで、ハイブリッド車両1に搭乗している運転者に警告を発しても良い。また、ハイブリッド制御装置31は、フライホイール12が異常であると判断した場合において、上記内燃機関10の自動停止を禁止しても良い。これにより、ハイブリッド車両1の運転時に内燃機関10が再始動することを防止することができ、上述したフライホイール12の異常時に内燃機関10を始動する際の弊害を抑制できる。
また、フライホイール12の正常時に行われる抵抗トルクTrの算出および算出された抵抗トルクTrに基づくMG2の要求トルクTmの補正(ステップST6,ステップST7)や、フライホイール12の異常時に行われるクランクシャフト11に作用する慣性力の推定および推定された抵抗トルクTrに基づくMG2の要求トルクTmの補正(ステップST9,ステップST10)は、内燃機関10の始動時以外にも行われることが好ましい。これにより、内燃機関の始動時以外でクランクシャフト11に慣性力が作用する内燃機関の始動後における機関回転数の上昇時、すなわちハイブリッド車両1の加速時に駆動軸26に作用する駆動トルクTpの減少を抑制することができ、動力性能の低下を抑制することができる。
また、上記実施例では、フライホイール12の慣性質量は、スプリング12c,12cの弾性力とこのフライホイール12に作用する遠心力との差によりウェート12b,12bが移動することで変化するが、内燃機関10の機関回転数Neに応じて、図示しないウェート移動手段により移動させても良い。
また、上記実施例において、制御システム30のハイブリッド制御装置31は、ジェネレータ異常検出手段として、MG2の異常を判断しても良い。ハイブリッド制御装置31がMG2の異常を判断した場合は、フライホイール12の慣性質量Iを所定値、例えば最小の慣性質量I0に固定する。フライホイール12の慣性質量Iを固定することで、内燃機関10の機関回転数Neの上昇速度Vが一定の場合におけるクランクシャフトに作用する慣性力が一定となる。これにより、ハイブリッド制御装置31は、内燃機関10の機関回転数Neの上昇に応じて変化するフライホイール12の慣性質量Iを考慮することなく内燃機関10を運転制御するための要求動力Peを算出することができるので、MG2の異常時においても、ハイブリッド車両1の運転を継続することが可能となる。
また、MG2の異常時に、フライホイール12の慣性質量Iを最小の慣性質量I0に固定することで、駆動軸26に作用する駆動トルクTpの減少を抑制することができ、動力性能の低下を抑制することができる。
以上のように、この発明にかかるハイブリッド車両は、駆動軸に抵抗トルクが作用するハイブリッド車両に有用であり、特に、駆動軸26に作用する駆動トルクの減少を抑制することができ、動力性能の低下を抑制するのに適している。
この発明にかかるハイブリット車両の概略構成例を示す図である。 フライホイールの構成例を示す図である。 ウェートが移動した状態を示す図である。 機関回転数と慣性質量との関係を示す図である。 内燃機関の始動時における動作フローを示す図である。 内燃機関の始動時における燃料噴射量と機関回転数との関係を示す図である。
符号の説明
1 ハイブリット車両
10 内燃機関
11 クランクシャフト(出力軸)
12 フライホイール(慣性質量可変手段)
13 クランク角センサ
20 プラネタリギヤ(動力分割手段)
21 主軸
22 サンギヤ
23 ピニオン
24 キャリヤ
25 リングギヤ
26 駆動軸
30 制御システム(制御手段)
31 ハイブリット制御装置(抵抗トルク算出手段、応答性情報検出手段、慣性力推定手段、ジェネレータ異常検出手段)
32 ECU
33 モータ制御装置
34 バッテリ制御装置
40 バッテリ
50 インバータ

Claims (6)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関から出力される動力により発電あるいは当該内燃機関を始動する第1モータジェネレータと、
    駆動軸に連結され、少なくとも当該駆動軸に動力を出力する第2モータジェネレータと、
    前記内燃機関の出力軸、前記第1モータジェネレータの回転軸、前記駆動軸がそれぞれ連結され、かつ当該内燃機関から出力される動力を調整して駆動軸に伝達する動力分割手段と、
    前記内燃機関、前記第1モータジェネレータ、第2モータジェネレータの制御を行う制御手段と、
    を備えるハイブリット車両において、
    前記出力軸に作用する慣性力を変化させる慣性質量可変手段および前記慣性質量可変手段の慣性質量の変化により応答性が変化する応答性情報を検出する応答性情報検出手段をさらに備え、
    前記慣性質量可変手段は、前記内燃機関の機関回転数の上昇に応じて、慣性質量が増加し、
    前記制御手段は、前記検出された応答性情報に基づいて前記慣性質量可変手段の異常を判断することを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記慣性質量可変手段は、前記内燃機関の機関回転数が所定回転数以上となると、前記慣性質量が増加することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記出力軸に作用する慣性力に基づいて前記駆動軸に作用する抵抗トルクを算出する抵抗トルクをさらに備え、
    前記制御手段は、算出された抵抗トルクに基づいて、前記第2モータジェネレータの要求トルクを補正することを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記制御手段は、前記慣性質量可変手段の異常を判断した場合に、アイドリング時における前記内燃機関の自動停止を禁止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  5. 前記制御手段が慣性質量可変手段の異常を判断した場合に、前記応答性情報に基づいて前記出力軸に作用する慣性力を推定する慣性力推定手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記推定された出力軸に作用する慣性力に基づいて前記内燃機関に供給する燃料供給量を補正することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
  6. 前記制御手段が慣性質量可変手段の異常を判断した場合に、前記応答性情報に基づいて前記出力軸に作用する慣性力を推定する慣性力推定手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記推定された出力軸に作用する慣性力に基づいて前記第2モータジェネレータの要求トルクを補正することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のハイブリッド車両。
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