JP4135572B2 - 加熱調理器 - Google Patents
加熱調理器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4135572B2 JP4135572B2 JP2003174340A JP2003174340A JP4135572B2 JP 4135572 B2 JP4135572 B2 JP 4135572B2 JP 2003174340 A JP2003174340 A JP 2003174340A JP 2003174340 A JP2003174340 A JP 2003174340A JP 4135572 B2 JP4135572 B2 JP 4135572B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heater
- heating
- heating chamber
- rod
- heated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Electric Ovens (AREA)
- Electric Stoves And Ranges (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱室内に電熱ヒータを設けて被加熱物を焦げ目をつける、いわゆる電熱ヒータ装置付加熱装置の電熱装置保護手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、高周波加熱だけによる調理では被加熱物に焦げ目が付かないために、加熱室内に電熱装置を設けた、いわゆる、電熱装置付高周波加熱装置が多く普及している。これらの電熱装置としては、主として2つの方式が採用されてきた。一つは、金属パイプの中に電熱線コイルと絶縁パウダを内蔵した、いわゆるシーズヒータを用いる方式である。もう一つは、石英管などの耐熱絶縁物のバルブの中に電熱コイルを内蔵しただけの、いわゆる赤外線ヒータを用いる方式である。
【0003】
また、高周波加熱とヒータ加熱との両機能を有することから利便性を高めることができるが、同時に構成部品が増加して製造コストが高くなる不利がある。そこで、少ない部品構成で良好な加熱調理を可能にする工夫が必要となる。例えばヒータ加熱による調理の場合では、加熱室の上部及び下部に1本の棒状ヒータを設けた場合であっても、被加熱物が万遍なく加熱されることが必要となる。したがって、特に上部の棒状ヒータは保護用の仕切板を設けずに加熱室内に露出させ、ヒータのエネルギーを食品に直接あてる構成である。
【0004】
図7(a)に赤外線ヒータを用いた従来の電熱装置付高周波加熱装置を示す。
【0005】
図7(a)に示すように、加熱室1の上部に電熱装置(棒状ヒータ)3が配設されていて、その電熱装置(棒状ヒータ)3は露出しているので、調理容器7が調理時に電熱装置3に接触するおそれのある構成になっていた。
【0006】
このような構成では、シーズヒータあるいは赤外線ヒータのような電熱装置が、保護装置なしで加熱室内に露出して取付けられているために、調理物を出し入れするときに使用者の手が電熱装置に触れやすく、火傷をする恐れもあった。また、図7(a)に示すように、しばしば調理容器や被加熱物が電熱装置と接触し、電熱装置を変形させたり、破損させたりしていた。すなわち、電熱装置としてシーズヒータを使用する場合は、外枠が金属パイプとは言え、直径が5〜6mmと細いのが通常であり、調理容器がシーズヒータに当って衝撃的な力がヒータに加わることによってヒータが変形し、被加熱物の均一な加熱を妨げていた。また、電熱装置として赤外線ヒータを使用する場合は、調理容器などの接触により石英管などで構成されたバルブが破損して電熱線コイルが露出して、感電の危険性が生じたり、石英管のバルブにヒビがはいり、使用中に破片が落下して食品に混入するといった恐れもあった。
【0007】
これらを解決する手段として、図7(b)に示すように、電熱装置と対向する位置に複数本の保護棒を取付けたことにより、調理物を出し入れするときに使用者の手が容易に電熱装置と接触するのを防止することができるだけでなく、容器や被加熱物が電熱装置と接触して電熱装置に衝撃力が加わるのを防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、他の手段として、できるだけ電熱装置(石英管ヒータ)29を加熱室後方に配設される構成がある。図8に示すように、加熱調理器31は、加熱室23内のターンテーブルの回転軸25より後方の加熱室上部及び下部に配置した石英管ヒータ27、29と、加熱室23の平坦な底板11上に載置する脚部13を有するトーストネット15とを備え、トーストネット15の短辺の長さは、加熱室23の左右方向とトーストネット15の長辺を平行にして加熱室23の後方に収納したとき、載置した被加熱物(トースト用のパン)17が石英管ヒータ27、29より万遍なく加熱できる位置にセットできる長さで構成されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
従って、上記した加熱調理器31によれば、石英管ヒータ27、29とパン17の距離を一定に保ち、いつもトーストの焦げ目を略同じとすることが期待できた。
【0010】
【特許文献1】
特開平3−87521号公報
【特許文献2】
特開平11−159770号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の加熱調理器は、保護棒部材に丸棒を用いた構造では、丸棒自身の熱容量が大きいため、丸棒自体に熱が奪われ、ヒータからの熱を有効に広げる効果がなく、実際には被加熱物を均一に焼くことはできなかった。さらに、加熱室内に、電熱装置(棒状ヒータ)と対向する位置に複数本の保護棒を配設したことにより、高周波によるスパークの要因になったり、保護棒がアンテナとなって電波漏洩の要因となっていた。
【0012】
また、上記した従来の加熱調理器は、トーストネット15の短辺の長さが、枠線材19を加熱室23の面材である後板21に当接したとき、石英管ヒータ27と29との位置がパン17の略中央に位置できるように調節された長さであることから、各ヒータ27,29とパン17との距離が常に一定にはできるものの、棒状のヒータがパン17の中央部を左右に横断するため、ヒータ直上のパン中央部に熱が集中した。このため、加熱室の奥行き方向の加熱温度分布が均一とならず、被加熱物の中央部位が過剰加熱される一方、被加熱物の前縁部及び後縁部が加熱不足となり、被加熱物の全体に均等な焦げ目がつかない場合があった。
【0013】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、電熱装置(棒状ヒータ)の保護棒を配設しない構成の加熱調理器において、安全性を向上し、1本の棒状ヒータによる安価なコストで、被加熱物に均等な焦げ目を全体につけることができる加熱調理器を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る加熱調理器は、前面に開口部を有する加熱室と、前記加熱室内に棒状ヒータを設け、載置台に置かれた被加熱物を加熱処理する加熱理器であって、前記加熱室の天面の中央より前方部でかつ天面の外側方向に設けた凸部と、前記凸部内に配設した少なくとも1本の棒状ヒータとを備え、前記凸部の内壁は前記開口部側を略垂直形状にし前記開口部とは反対側を前記加熱室中央方向に向かって傾斜を持たせ、前記棒状ヒータは前記凸部内の略垂直面側に納めると共に、前記加熱室天面の前記開口部近傍を前記棒状ヒータの長手方向に沿って上方向に広げ前記開口部近傍と前記凸部周辺の前記加熱室天面との間に段差を設けたことを特徴とする。
【0015】
これによって、被加熱物を取り出す際に、ヒータ部に接触することなく取り出しが可能である。更に、棒状ヒータの保護部材を廃止することができ、保護部材に熱を奪われたり、マイクロ波機能に対する悪影響の要因を排除することもできる。
【0016】
また、加熱室天面の凸部の形状を、加熱室の開口部側を略垂直にし、そこから加熱室後方に向かって傾斜を持たせることで、棒状ヒータの取り付け位置が加熱室天面の中央部を外れた構成でも、奥行き方向の加熱温度分布が均一化でき、被加熱物の中央部位と、比べて加熱不足となりがちであった被加熱物の前縁部及び後縁部とが等しく加熱されるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、加熱室内に棒状ヒータを設け、載置台に置かれた被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、前記加熱室の天面の外側方向に凸部を設け、その凸部に配設した少なくとも1本の棒状ヒータとを備え、前記凸部は、加熱室の開口部側を略垂直にし、そこから加熱室後方に向かって傾斜を持たせたことにより、被加熱物を取り出す際に、ヒータ部に接触することなく取り出しが可能である。また、棒状ヒータの保護部材を廃止することで、保護部材に熱を奪われることなく、加熱温度分布の均一化が実現できる。
【0018】
また、加熱室内に棒状ヒータを設け、載置台に置かれた被加熱物を加熱処理する加熱調理器であって、前記加熱室天面の中央より前方方向で、かつ天面の外側方向に凸部を設け、その凸部に配設した少なくとも1本の棒状ヒータとを備え、前記凸部は加熱室の開口部側を略垂直にし、そこから加熱室中央に向かって傾斜を持たせると共に、前記棒状ヒータをその略垂直面側で、かつ加熱室天面の凸部内に納めたことにより、被加熱物を取り出す際に、ヒータ部に接触することなく取り出しが可能である。また、棒状ヒータの取り付け位置が加熱室天面の中央部を外れた構成でも、奥行き方向の加熱温度分布が均一化にし、被加熱物の中央部位と、加熱不足となりがちであった被加熱物の前縁部及び後縁部とが等しく加熱されるようになる。
【0019】
また、凸部を構成する際に加熱室天面板を絞り加工にて一体成型することで、部品構成の簡素化と電波漏洩性能向上が実現できる。
【0020】
また、加熱室天面板の開口部近傍を棒状ヒータの長手方向に沿って上方向に広げたことで、加熱室の開口部が広がり、被加熱物の出し入れする際の作業性が向上すると共に、加熱室天面部と凸部との位置がより明確になり、被加熱物(食品や載置台や容器等)をヒータ部に接触し難くすることができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明に係る加熱調理器の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は本発明に係る加熱調理器の扉を開けた状態を前側から見た斜視図、図2は図1に示した加熱調理器のA−A矢視を(a)、B−B矢視を(b)に表した内部構造の説明図、図4は載置台の斜視図である。
【0023】
本実施の形態による加熱調理器100は、例えば直方体状に形成した本体31の前面が開口部33となり、この開口部には窓35を有した扉37が、下部に設けられたヒンジ38(図2参照)を介して開閉自在に取り付けられている。この扉37の開放は、ストッパ39によって略水平状態で規制されるようになっている。扉37の内面にはロック爪41が突設され、ロック爪41は本体31に設けられたロック孔43に進入して扉37を閉止状態にロック可能としている。また、扉37の内面には閉止検出突起45が突設され、閉止検出突起45は本体31に設けられた検出孔47に進入し、扉37の閉止状態が検出されるようになっている。なお、この閉止検出信号は、後述するマグネトロンの安全停止制御等に用いられる。
【0024】
本体31の内部には本体31の外装板49に覆われた加熱室51が設けられ、加熱室51は開口部33により開口されて扉37によって開閉される。加熱室51は、面材53である底板53a、側板53b、後板53c、天板53dによって、前面の開口した箱状に形成されている。これらの面材53としては、例えば自己浄化機能を有するセルフクリーニング層を有する鋼板や、表面に防汚性に優れるフッ素コーティングを施した鋼板等を好適に用いることができる。
【0025】
本体31の片端(右端)には電装室55が設けられ、電装室55には後述のマグネトロン等が設置される。電装室55の前面には操作パネル57が取り付けられ、操作パネル57は加熱時間などを表示する図示しない表示部、高周波加熱又はヒータ加熱を選択する図示しない選択ボタン、加熱時間等の加熱条件を入力する図示しない入力ボタン等を有している。
【0026】
図2に示すように、本体31は、加熱室51の上方に上部加熱部59、加熱室51の下方に下部加熱部61を有している。上部加熱部59は、天板53dに形成したヒータ室(凸部)63と、ヒータ室(凸部)63に内設される棒状ヒータ(石英ヒータ等)65と、電装室55に接続される導波路67と、天板53dに開口する導波路67の導波孔69とからなる。上部加熱部59の天板53dは、開口部33近傍を棒状ヒータ65の長手方向に沿って上部方向に広げた拡張部253を有している。
【0027】
ヒータ室(凸部)63は、開口部側を略垂直状にし、棒状ヒータ(石英ヒータ等)65の上部面に沿ってラウンドし、加熱室中央に向かって傾斜形状に形成され、凹部内面が棒状ヒータ65の反射板となっている。導波路67は、図2(b)に示すように、L字状のダクトとして形成され、一端が上記導波孔69として加熱室51に開口し、他端が電装室55に設けられたマグネトロン71に接続されている。マグネトロン71は、図示しない高圧トランスによって駆動電力が供給されることで、マイクロ波を発振させ、導波路67を介して導波孔69から加熱室51内へマイクロ波を発射する。なお、これらマグネトロン71等は、電装室55内に設けられた図示しない冷却ファンによって駆動時に冷却されるようになっている。
【0028】
下部加熱部61は、加熱室51の載置台73に置かれた被加熱物を加熱処理する。従って、被加熱物が近接する下部加熱部61は、上部加熱部59に比べてより高い加熱温度分布の均一性が要求される。したがって、より加熱室中央に配設することが望ましい。
【0029】
下部加熱部61は、加熱室51の外側で、底板(面材)53aに沿って配設した1本の棒状ヒータ(石英ヒータ等)81を有している。下部加熱部61は、底板53a、棒状ヒータ81の他に、熱遮蔽部材83、反射板85を備えている。熱遮蔽部材83は、細長に形成され、棒状ヒータ81と底板53aとの間で、棒状ヒータ81の長手方向に沿って設けられている。
【0030】
この熱遮蔽部材83は、アルミメッキ鋼板等の平板材料から成る。また、厚みは1〜2mm程度の薄厚のものが用いられ、熱容量が小さくなっている。即ち、熱遮蔽部材83は、薄厚の平板材料から成ることで、従来の丸棒からなる熱遮蔽部材に比べて熱容量が小さくなる。これにより、熱遮蔽部材83自体に奪われる熱が少なくなるとともに、より大きな熱の分散効果が得られ、加熱室51の奥行き方向における加熱温度分布がさらに均一化されるようになっている。
【0031】
また、熱遮蔽部材83は、平板材料が長手方向の中心線を境に折曲されて、棒状ヒータ81に向けて突出した断面V字形となり、平行な二つの傾斜面を有している。これにより、棒状ヒータ81からの熱が下方へ向けて反射されるようになっている。この熱遮蔽部材83によって反射された熱は、反射板85によって最終的に底板53aに向かって上向きに反射されるようになっている。なお、本実施の形態において、熱遮蔽部材83は、断面V字状に形成されているが、この他、熱遮蔽部材83は、半円等の凸曲面であってもよい。
【0032】
このようにして、棒状ヒータ81の直上に配設された熱遮蔽部材83が、棒状ヒータ81に向けて突出した断面凸状(断面V字形)となることで、棒状ヒータ81から上昇した加熱気流が、凸状部先端から二分されて、加熱室51の奥行き方向の前側と後側とに振り分けられ、底板53aの前側及び底板53aの後側の加熱効果が促進されるようになっている。また、棒状ヒータ81からの輻射熱は、熱遮蔽部材83の凸状部先端を挟む一対の傾斜面によって棒状ヒータ81より下方の前側及び下方の後側へと反射可能となる。従って、棒状ヒータ81の下方に断面V字形の反射板85が設けられている構成では、この反射輻射熱がさらにこの反射板85を介して底板53aの前側及び底板53aの後側に照射され、底板53aの前側及び底板53aの後側の加熱効果が促進されるようになっている。
【0033】
ここで、熱遮蔽部材83は、熱遮蔽面積が、熱遮蔽部材83の長手方向中央部で大きく、長手方向端部で小さくなるように設定されている。つまり、棒状ヒータ81から底板53aに伝わる熱が、棒状ヒータ81の長手方向で均一化されるようになっている。従って、本実施の形態のように、棒状ヒータ81の長手方向が開口部33の間口方向(図1の左右方向)に一致して配設された加熱室51では、間口方向の加熱温度分布も均一化されるようになっている。
【0034】
そして、熱遮蔽部材83は、開口孔を有し、この開口孔の開口面積の大小で上記の熱遮蔽面積を設定している。開口孔は、中央部の5つを小さく、両端側の2つずつを大きくすることで、端部より中央部の熱遮蔽面積を大きく設定している。
【0035】
このように、熱遮蔽面積が、熱遮蔽部材83に形成される開口孔によって設定されることで、熱遮蔽面積の形状(例えば熱遮蔽部材83の幅)に関係なく熱遮蔽面積が調整可能となる。これより、反射機能と熱遮蔽機能とを有する熱遮蔽部材83の設計自由度を高めることができるようになっている。なお、ここで開口面積の大小とは、単一の開口孔の大きさ調整による大小、複数の開口孔の増減調整による大小、或いは複数の開口孔のピッチ間隔調整による大小等を含むものとする。
【0036】
図3は、上部加熱部の天板部を示す斜視図である。図3に示すように、ヒータ室(凸部)63は、加熱室天面板を絞り加工にて一体成型されている。ヒータ室(凸部)63は、開口部側を略垂直状にした部分63aと、棒状ヒータ(石英ヒータ等)65の上部面に沿ってラウンドし、加熱室中央に向かって傾斜形状に形成された部分63bとを有し、凹部内面が棒状ヒータ65の反射板となっている。また、棒状ヒータ65を通すための貫通孔65aがある。さらに、開口部33近傍を棒状ヒータ65の長手方向に沿って上部方向に広げたために、天板53dの平板を2段階に折り曲げた拡張部353を有している。
【0037】
加熱室51には、底板53a上に、載置台73が置かれるようになっている。載置台73は、底板53aと略同面積で形成されて、加熱室51内へ挿入可能となっている。図4に示すように、載置台73は、アルミ等の金属板からなり四隅にキャップ状のガイシ製の脚部75を備え、底板53aに置いた際に、底板53aから所定間隔上方に配置されるようになっている。載置台73には例えば長円状の複数の穴77が穿設され、穴77は天板53dからの輻射熱を透過容易にするとともに、マイクロ波の乱反射効果を高めている。つまり、載置台73は、焼き網機能と、マイクロ波の攪拌機能とを有している。
【0038】
図5は本発明における、上部棒状ヒータ65のヒータ室63構成と温度分布の相関を表す説明図である。棒状ヒータ65から食品(例えばトースト)17に対して、照射されたエネルギーをトーストの焦げ目状況を用いて説明する。
【0039】
ヒータ室(凸部)63は、開口部側を略垂直状にし、棒状ヒータ(石英ヒータ等)65の上部面に沿ってラウンドし、加熱室中央に向かって傾斜形状に形成され、凹部内面が棒状ヒータ65の反射板となっているので、ヒータ室(凸部)63の略垂直状部分から加熱室中央後方に向かって焦げ目が強くなる。したがって、ヒータが加熱室中央より前面に配置されているが、ヒータ直下部分を中心に前後に均等に焦げ目がつくのではなく、開口部側に略垂直傾斜形状を形成することで、開口部前面側の熱エネルギーを制御し、後方とのバランスをとることで加熱室全体の加熱温度分布がほぼ均一となる。
【0040】
次に、従来の構成におけるヒータ室63構成と温度分布の相関を図6を用いて説明する。
【0041】
ヒータ室605は、断面台形状に形成され、棒状ヒータ(石英ヒータ等)603を収納し、加熱室中央から後方に配設し、棒状ヒータ(石英ヒータ等)603と対向する位置に複数本の保護棒を取付け、調理物を出し入れするときに使用者の手が容易にヒータと接触するのを防止するための保護棒606を設けた構成となっているので、保護棒部材自身の熱容量が大きいために棒自体に熱が奪われ、ヒータからの熱を有効に広げる効果が低下し、ヒータ直下部分を中心に焦げ目が強くつくが、保護棒が影響する食品の前面部分は焦げ目が薄くなってします。したがって、実際には被加熱物を均一に焼くことはできなかった。
【0042】
次に、このように構成される加熱調理器100の使用方法について説明する。
【0043】
上記構成において、高周波加熱によって被加熱物を加熱する場合は、先ず扉37を開放して被加熱物を載置台73上に載置する。そして、扉37を閉塞した後、操作パネル57の入力ボタンを操作して、加熱時間等の加熱条件を表示部で確認しながら入力する。次いで、加熱開始ボタンを操作して、加熱を開始する。これにより、マグネトロン71が駆動され、被加熱物にマイクロ波が照射されて、加熱調理が行われる。所定時間が経過すれば、マグネトロン71の駆動が停止され、加熱調理が終了する。これと同時に、調理終了アラームが鳴り、加熱調理終了の旨が使用者に知らされる。
【0044】
一方、棒状ヒータ65、81による加熱調理の場合には、先ず、扉37を開放して、被加熱物である例えばトーストを載置台73に載置する。次いで、扉37を閉塞した後に、操作パネル57の入力ボタンを操作してトースト調理を選択し、調理開始ボタンを操作する。これにより、トースト調理が開始され、棒状ヒータ65、81が連続通電されて、所定の加熱調理時間経過後に、棒状ヒータ65、81への通電が停止され、加熱調理が終了する。これと同時に、調理終了アラームが鳴り、加熱調理終了の旨が使用者に知らされる。
【0045】
この加熱調理器100によれば、加熱室51の外側で、棒状ヒータ81から底板53aの近接部位に伝わる熱が、熱遮蔽部材83によって適宜抑制可能となり、底板53aが均一に加熱可能となる。即ち、この加熱調理器100では、棒状ヒータ81の熱によって底板53aが一旦加熱され、この加熱された底板53aによって被加熱物が2次的に加熱される。従って、例えば棒状ヒータ81の長手方向が間口方向に一致して配設された加熱室51では、奥行き方向の加熱温度分布が均一化され、従来、過剰加熱されがちであった被加熱物の中央部位や、加熱不足となりがちであった被加熱物の前縁部及び後縁部が等しく加熱されるようになる。
【0046】
なお、上記した実施の形態では、ターンテーブル機構が設けられない場合を例に説明したが、加熱調理器100は、ターンテーブル、テーブル回転モータ等からなるターンテーブル機構が設けられたものであってもよい。加熱調理器100は、ターンテーブルを設けることにより、仮に集中加熱を行っても被加熱物の位置が変化するので、より均一な加熱が可能となる。高周波加熱については、ターンテーブル機構に限らずスタラー羽根により電波撹拌を行う構成であっても構わない。
【0047】
また、上記の実施の形態では、棒状ヒータ65、81が天板53dと、底板53aの下方にある場合を例に説明したが、棒状ヒータ65、81の設置位置はこれに限定されるものではなく、この他、側板53bや後板53cに設けられてもよい。
【0048】
さらに、上記の実施の形態では、熱遮蔽部材83、反射板85が、下側の棒状ヒータ81のみに設けられる場合を例に説明したが、これら熱遮蔽部材83、反射板85は、上側の棒状ヒータ65にも設けられても良く、この場合にも、上記した距離調整作用等によって、加熱室51の加熱量分布を有効に均一化させる効果が得られる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、棒状ヒータの保護部材を廃止することができ、保護部材に熱を奪われたり、マイクロ波機能に対する悪影響の要因を排除することもできる。
【0050】
また、加熱室天面の凸部の形状を、加熱室の開口部側を略垂直にし、そこから加熱室後方に向かって傾斜を持たせることで、棒状ヒータの取り付け位置が加熱室天面の中央部を外れた構成でも、奥行き方向の加熱温度分布が均一化でき、被加熱物の中央部位と、比べて加熱不足となりがちであった被加熱物の前縁部及び後縁部とが等しく加熱されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加熱調理器の扉を開けた状態を前側から見た斜視図
【図2】図1に示した加熱調理器のA−A矢視を(a)、B−B矢視を(b)に表した内部構造の説明図
【図3】加熱室の上部加熱部の天板部を示す斜視図
【図4】載置台の斜視図
【図5】本発明における上部棒状ヒータのヒータ室構成と温度分布の相関を表す説明図
【図6】従来の構成におけるヒータ室構成と温度分布の相関を表す説明図
【図7】従来の加熱調理器の縦断面図(a)、その加熱室に保護棒を用いた加熱調理器の縦断面図(b)
【図8】従来の加熱室の後方にヒータを配設した加熱調理器の縦断面図
【符号の説明】
51 加熱室
53d 天板(面材)
63 ヒータ室(凸部)
63a 略垂直部(垂直形状)
63b 傾斜部
65 棒状ヒータ(電熱装置)
73 載置台
253、353拡張部
Claims (1)
- 前面に開口部を有する加熱室と、前記加熱室内に棒状ヒータを設け、載置台に置かれた被加熱物を加熱処理する加熱理器であって、前記加熱室の天面の中央より前方部でかつ天面の外側方向に設けた凸部と、前記凸部内に配設した少なくとも1本の棒状ヒータとを備え、前記凸部の内壁は前記開口部側を略垂直形状にし前記開口部とは反対側を前記加熱室中央方向に向かって傾斜を持たせ、前記棒状ヒータは前記凸部内の略垂直面側に納めると共に、前記加熱室天面の前記開口部近傍を前記棒状ヒータの長手方向に沿って上方向に広げ前記開口部近傍と前記凸部周辺の前記加熱室天面との間に段差を設けたことを特徴とする加熱調理器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174340A JP4135572B2 (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 加熱調理器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003174340A JP4135572B2 (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 加熱調理器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005009765A JP2005009765A (ja) | 2005-01-13 |
JP4135572B2 true JP4135572B2 (ja) | 2008-08-20 |
Family
ID=34097850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003174340A Expired - Fee Related JP4135572B2 (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 加熱調理器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4135572B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5092625B2 (ja) * | 2007-08-28 | 2012-12-05 | パナソニック株式会社 | 加熱調理装置 |
WO2019077773A1 (ja) * | 2017-10-16 | 2019-04-25 | シャープ株式会社 | 加熱調理器 |
-
2003
- 2003-06-19 JP JP2003174340A patent/JP4135572B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005009765A (ja) | 2005-01-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2234456B1 (en) | Cooking device | |
US7199341B2 (en) | High-frequency heating apparatus | |
JP4278502B2 (ja) | 高周波加熱調理器 | |
JP2005147604A (ja) | 高周波加熱調理装置とその装置を用いた加熱調理法 | |
JP2004263884A (ja) | 加熱調理器 | |
JP4629085B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP2009129844A5 (ja) | ||
JP4135572B2 (ja) | 加熱調理器 | |
JP2006308114A (ja) | 高周波加熱装置 | |
JP3063643B2 (ja) | 加熱装置 | |
JP5470776B2 (ja) | 高周波加熱装置 | |
JP2011021767A (ja) | 高周波加熱装置 | |
JP2004360987A (ja) | 加熱調理器 | |
EP0367179B1 (en) | Heat cooking method and microwave heat cooking apparatus | |
JP3749112B2 (ja) | 加熱調理装置 | |
JP2538583B2 (ja) | 調理器 | |
JP2004360963A (ja) | ヒータ付き高周波加熱調理器 | |
KR100722022B1 (ko) | 전기 오븐 | |
JPH0444964Y2 (ja) | ||
JPS5942561Y2 (ja) | ヒ−タを備えた高周波加熱装置 | |
KR100601427B1 (ko) | 전자렌지의 해동방법 | |
JPS63210534A (ja) | 加熱装置 | |
JP2001182947A (ja) | 加熱調理器 | |
JPH116624A (ja) | 電子レンジ | |
JPH06101385B2 (ja) | 電子レンジ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060307 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20060412 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071211 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080207 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080513 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080526 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110613 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |