JP4134628B2 - 積層体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装用、特にリチウムイオン等の二次電池の外装に適した積層体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内容物を密封包装しバリアー性を有する種々の包装体又は包装容器として、プラスチックフィルムを主体とし、中間層にアルミニウム箔を設け、最内層に熱接着可能なヒートシール層を積層した積層体が使用されている。
【0003】
しかしながら、内容物に酸、アルカリ、有機溶媒等が含まれていると、これらの成分がヒートシール層を通してヒートシール層とアルミニウム箔との接着界面を侵し、経時的にヒートシール層とアルミニウム箔とが剥離し、内容物が包装体又は包装容器から漏出することが避けられない。
【0004】
従って、特に、強酸、強アルカリ等を内容物に含む製品及び酸、アルカリ、有機溶媒等を内容物に含む製品を長期に亘って保存する場合には、上記積層体を包装体又は包装容器として使用できない。そのため、トルエン等の薬品を含む内容物、溶剤を含んだ自動車用コンパウンド等の包装体又は包装容器として、主に金属缶を使用しているのが現状であった。
【0005】
また、最近では、リチウムイオン二次電池が、その高い体積効率及び重量効率から電子機器及び電子部品、特に携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカメラ、衛星、電気自動車等の高価な製品に広く用いられている。
【0006】
特にリチウムイオンポリマー二次電池は、電解質として導電性ポリマー等のゲル状電解質を用いているので、リチウムイオンポリマー二次電池は、非水電解質を用いているリチウムイオン電池と比較すると、電解液の液漏れの危険性が小さく安全性に優れると共に、小型化及び軽量化が可能であることから、今後市場での発展性が期待されている。
【0007】
リチウムイオンポリマー二次電池の外装には、金属板、金属箔等をプレス成形し、円柱状、直方体状等に加工した金属製の缶が、生産性、品質の安定性等の観点から一般的に用いられている。
【0008】
しかしながら、二次電池の外装に金属製の缶を用いた場合には、電池自体の形状及び意匠性において制約が多い上に、金属製の缶からなる電池を搭載する電子機器、電子部品内の該電池収納部の形状及び意匠性にも制約が課せられ、その結果として電子機器及び電子部品自体の形状が所望の形状にできないという問題があり、電子機器及び電子部品の更なる小型化及び軽量化の障害となっていた。
【0009】
そこで、電子機器及び電子部品自体の形状を所望する形状にすることができ、更なる小型化及び軽量化を図るために、電子機器及び電子部品の形状に合致した形状に容易に加工し得る外装の開発が要望されている。また、外装に用いる金属としては、アルミニウム箔が注目を集めている。
【0010】
リチウムイオンポリマー二次電池の外装に使用される電池外装用積層体には、以下に示す性質を備えていることが要求されている。
【0011】
(1) 外部から二次電池の外装内に水蒸気ガスが侵入すると、電解質が加水分解を受けてフッ酸が生成し、アルミニウム箔を腐食する。この不都合を避けるために、二次電池本体の基幹部及び、電極の一部を外気(特に水蒸気ガス)と遮断できるガスバリア性を備えていること。
【0012】
(2) 外装の最内層が、二次電池を構成する金属製の電極との接着性に優れていること。更に外装の最内層同士の熱接着性に優れていること。
【0013】
(3) 二次電池は、使用される温度環境、具体的には夏期における自動車内、冬期における寒冷地での使用等に耐えられる性質(耐熱性及び耐寒性)が求められている。更に、二次電池を使用する際の充電/放電により、二次電池内部の温度が一段と上昇する。このような厳しい環境下で二次電池を使用した場合においても、外装として安定した熱接着性、ガスバリア性等の性能を備えていること。
【0014】
(4) 二次電池に使用されているゲル状電解質(ゲル状電解液)により、外装の層間接着強度が低下しないこと。
【0015】
(5) 二次電池に使用されているゲル状電解質の劣化、加水分解等により発生するフッ酸に対して、耐腐食性を有していること。
【0016】
(6) 絞り成形性を有する等、成形加工が容易であり、生産性に優れていること。
【0017】
これらの条件を満たすものとして、アルミニウム箔表面の下地処理に、加工性及び耐腐食性の面で優れている、6価クロム又は3価クロムを用いたクロメート処理を施した電池外装用積層体の開発が進められてきた。しかしながら、近年の地球的環境保全の問題がクローズアップされてきたことに伴い、人体に対して有害物質の使用が全世界的に制約され、これらクロムを使用した処理方法の見直しが叫ばれている。そして、クロメート処理によらない電池外装用積層体の開発が要望されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、酸、アルカリ、有機溶媒等を含む内容物に対しても、ヒートシール層とアルミニウム箔とが剥離することがなく、内容物が漏出することのない包装体又は包装容器に適した積層体を提供することである。
【0019】
本発明の課題は、従来のクロメート処理による耐腐食性の面でも遜色がなく、ガスバリア性に優れたリチウムイオンポリマー二次電池の外装用積層体を提供することである。
【0020】
本発明の課題は、二次電池に使用されているゲル状電解質(ゲル状電解液)により、外装の層間接着強度が実質的に低下しないリチウムイオンポリマー二次電池の外装用積層体を提供することである。
【0021】
本発明の課題は、厳しい環境下で二次電池を使用した場合においても、外装として安定した熱接着性、ガスバリア性等の性能を備えたリチウムイオンポリマー二次電池の外装用積層体を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、外層とアルミニウム箔と内層とを積層した電池外装用積層体におけるアルミニウム箔と内層との間に、特定の樹脂膜層を介在させることにより、所望の電池外装用積層体が得られることを見い出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
1.本発明は、外層とアルミニウム箔と内層とを順次積層した積層体において、少なくともアルミニウム箔と内層との間に、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂からなる樹脂膜層を介在させたことを特徴とする積層体である。
2.本発明は、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂が、水酸基を有する単量体及びカルボキシル基を有する単量体を用いて得られる共重合体である上記1に記載の積層体である。
3.本発明は、樹脂膜層の膜厚が0.3〜3μmである上記1又は2に記載の積層体である。
4.本発明は、内層の最も内側の層がオレフィン系熱接着性樹脂からなり、その厚さが10〜100μmである上記1に記載の積層体である。
5.本発明は、アルミニウム箔が厚さ15〜100μmの軟質アルミニウム箔である上記1に記載の積層体である。
6.本発明は、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂を含有する水系エマルジョンをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥して、樹脂膜層をアルミニウム箔上に形成した後、外層及び内層を積層することを特徴とする積層体の製造方法である。
7.本発明は、アルミニウム用エッチング剤が更に配合された水系エマルジョンを使用する上記6に記載の積層体の製造方法である。
8.本発明は、上記1〜4のいずれかに記載の積層体を用いて、内部に電解質を密封できる状態となるように該積層体の内層同士を熱接着させて得られる電池用包装体である。
9.本発明は、電池がリチウムイオンポリマー二次電池である上記8に記載の電池用包装体である。
10.本発明は、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂を含有し、水、無機酸並びに該樹脂の製造時に使用される重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤及びこれらの分解物以外の無機物質を実質的に含有しない水系エマルジョンからなるアルミニウム用表面処理剤である。
11.本発明は、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂が、水酸基を有する単量体及びカルボキシル基を有する単量体を用いて得られる共重合体である上記10に記載の表面処理剤である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の積層体は、外層とアルミニウム箔と内層とを順次積層した積層体であって、少なくともアルミニウム箔と内層との間に、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂からなる樹脂膜層が設けられたものである。
【0024】
本発明の積層体は、電池外装用の積層体として特に好適に使用され得るが、その用途は電池外装用に限定されるものではない。本発明積層体に包装される内容物としては、内容物に酸、アルカリ、有機溶媒等が含まれている液状物、例えば、パテ(厚づけパテ、薄づけパテ等)、塗料(油性塗料等)、ラッカー(クリヤーラッカー等)、自動車用コンパウンド等の溶剤系のもの、スーパーオレンジ、オレンジパワー等(いずれも商品名、(株)植木製)等の強酸系のもの等を挙げることができる。本発明積層体は、これら内容物の包装体又は包装容器として使用され得る。
【0025】
アルミニウム箔
アルミニウム箔は、外部から電池内部に水蒸気ガス、酸素ガス等の気体が侵入するのを防止するためのガスバリア層として作用する。
【0026】
アルミニウム箔の厚さとしては、特に制限されるものではないが、ガスバリア性の確保、加工時の加工適性等を考慮すると、通常15〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
【0027】
アルミニウム箔の厚さが15μmより著しく薄くなると、アルミニウム箔単体にピンホールが生ずるのが避けられなくなり、そのためにガスバリア性が低下する虞れが生ずる。逆に、アルミニウム箔の厚さが100μmより極端に厚くなっても、ガスバリア性の更なる向上が期待できず、逆に体積及び重量エネルギー密度を低下させるために、費用対効果の面からも望ましくない。
【0028】
アルミニウム箔は軟質アルミニウム箔であるのが好ましい。
【0029】
樹脂膜層
樹脂膜層は、アルミニウム箔と内層とを強固に接着させると共に、アルミニウム箔の内層側の面を、例えば、電池に含まれるゲル状電解質及びゲル状電解質の劣化又は加水分解により発生するフッ酸等から保護するために設けられる。
【0030】
本発明においては、樹脂膜層を構成する樹脂として分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂を使用することが必須である。
【0031】
分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂としては、公知の樹脂を広く使用できる。このような樹脂としては、例えば水酸基を有する単量体及びカルボキシル基を有する単量体を用いて得られる共重合体を挙げることができる。
【0032】
水酸基を有する単量体及びカルボキシル基を有する単量体を用いて得られる共重合体としては、例えば、水酸基を有する単量体とカルボキシル基を有する単量体との共重合体、水酸基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体及びこれらの単量体と共重合可能な単量体との共重合体等が挙げられる。
【0033】
分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂に含まれる水酸基量は、通常0.2〜2.5ミリモル/g程度、好ましくは0.3〜2ミリモル/g程度であり、カルボキシル基量は、通常0.3〜3.5ミリモル/g程度、好ましくは0.5〜3ミリモル/g程度である。
【0034】
水酸基を有する単量体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のアクリル酸のヒドロキシ置換C2-4アルキルエステル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等のメタクリル酸のヒドロキシ置換C2-4アルキルエステル等が挙げられる。これら水酸基を有する単量体は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0035】
カルボキシル基を有する単量体としては、公知のものを広く使用できる。カルボキシル基は、1個であってもよく、2個以上であってもよい。
【0036】
カルボキシル基を1個有する単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
【0037】
カルボキシル基を2個有する単量体としては、例えば、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0038】
これらカルボキシル基を有する単量体は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0039】
更に、開環反応により水酸基及びカルボキシル基を生成するメタクリル酸グリシジル等を使用して、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂を製造することができる。
【0040】
本発明において、上記水酸基を有する単量体及びカルボキシル基を有する単量体と共重合可能な単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸C2-18アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸C2-18アルキルエステル等を挙げることができる。これらの単量体は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
【0041】
この樹脂膜層の厚みは、限定されるものではないが、アルミニウム箔との接着力を維持する観点から、通常0.3〜3μm程度、好ましくは0.5〜1.5μm程度がよい。樹脂膜層の厚みが0.3μmより薄くなると、電解液等に侵された場合に短時間でアルミニウム箔との接着力が低下する傾向が生ずるので、好ましくない。また、樹脂膜層の厚みが3μmを超えると、積層体の成形性が低下すると共に、樹脂膜層自身の凝集破壊により内層との接着力が低下する傾向が生じ、好ましくない。
【0042】
樹脂膜層の形成
樹脂膜層の形成に当たっては、公知の方法を広く採用することができる。本発明においては、現在広く使用されているクロメート処理の代わりに、例えば下記に示す表面処理剤をアルミニウム箔に塗布、乾燥して、アルミニウム箔上に樹脂膜を形成させる方法が、簡便であり、工業的な観点から好ましい。
【0043】
表面処理剤は、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂を含有する水系エマルジョンからなるものである。
【0044】
水系エマルジョン中の水酸基及びカルボキシル基含有樹脂濃度は、通常5〜50重量%程度、好ましくは10〜35重量%程度である。
【0045】
アルミニウム箔は、その表面に酸化皮膜を形成し、樹脂膜層との接着力を低下させる欠点を有している。そこで、上記方法でアルミニウム箔上に樹脂膜層を形成するに当たり、使用される水系エマルジョンにアルミニウム箔のエッチング剤を配合しておくのが好ましい。エッチング剤として、公知のものを広く使用でき、例えばフッ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸等が挙げられる。エッチング剤を配合する場合、水系エマルジョンのpHが1〜3.5程度、好ましくは1.5〜3程度の範囲内になるようにエッチング剤を配合するのがよい。
【0046】
分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂は、水酸基を有する単量体とカルボキシル基を有する単量体とを乳化重合することにより合成できる。本発明では、このような乳化重合で得られる水系エマルジョンをアルミニウム箔の表面処理剤として使用することができる。
【0047】
従って、水系エマルジョンは、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂並びに水の他、該樹脂の合成に使用される重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤又はこれらの分解物等を、更に必要に応じてエッチング剤を含有していてもよい。
【0048】
本発明で使用される表面処理剤(水系エマルジョン)の中では、Mn、Mg、Si等の無機物質を含有していない表面処理剤が好ましい。このような表面処理剤を用いてアルミニウムの表面を処理し、処理面上に他の素材を積層した場合、Mn、Mg、Si等の無機物質を含有する表面処理剤を用いるのと比べて、アルミニウムと素材とを強固に密着させることができ、アルミニウムと素材との剥離を大幅に抑制することができる。
【0049】
本発明の好ましい表面処理剤は、分子内に水酸基及びカルボキシル基を有する樹脂並びに水の他、重合開始剤、連鎖移動剤、乳化剤又はこれらの分解物等を、更に必要に応じてエッチング剤を含有し、且つ従来の表面処理剤に配合されているMn、Mg、Si等の無機物質を実質的に含有していない。
【0050】
樹脂膜層の形成は、アルミニウム箔面に上記水系エマルジョンを浸漬法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、スプレー法等の周知の塗布方法に従い塗布した後に、乾燥することにより行われる。
【0051】
乾燥は、水系エマルジョン中の水分を蒸発させ、樹脂膜を形成させることができる手段である限り特に限定されるものではない。そのため、乾燥は、自然乾燥でもよいが、工業的な見地から、通常加熱により行うのがよい。
【0052】
加熱乾燥のエネルギー源としては、公知のものを広く使用でき、例えばガス、電気、赤外線、高周波(誘導加熱)等を挙げることができる。
【0053】
加熱乾燥温度は、例えば60℃〜350℃の範囲が適当であり、より好ましくは80℃〜300℃である。加熱乾燥に要する時間は、加熱乾燥温度、塗布される水系エマルジョンの塗工量、ラインスピード等に対応して任意に設定すればよい。
【0054】
内層
本発明の積層体を構成する内層は、単層であっても複層であってもよい。内層の最も内容物側(例えば電解液側)に位置する層が熱接着性樹脂層であるのが好ましい。
【0055】
例えば、内層の最も電解液側に位置する層が熱接着性樹脂層であることにより、次の利点がある。即ち、電池外装用積層体を用いて電池とする時に、熱接着することにより、確実に外気(特に水蒸気ガス)と遮断した密封系に保持することができる。また、長期に亘って電解液と接触しても接着強度が低下することがない。更に、電池の高温保存試験(安全試験)において電解液の液漏れ、破裂等の不具合の発生を防止できる。
【0056】
熱接着性樹脂層を構成する樹脂としては、電池の高温保存試験(安全試験)等を考慮すると、融点が80℃以上の熱接着性樹脂を用いるのが望ましい。また、入手し易さ及びコストを考慮すると、オレフィン系熱接着性樹脂が好ましい。
【0057】
オレフィン系熱接着性樹脂としては、公知のものを広く使用でき、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等を挙げることができる。
【0058】
内層は、上記熱接着性樹脂層のみで構成したものであってもよいし、上記熱接着性樹脂層とアルミニウム箔との間に、単層ないし複層からなる合成樹脂層を設けてもよい。
【0059】
合成樹脂層を構成する樹脂としては、上記オレフィン系熱接着性樹脂の他に、公知のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
【0060】
この合成樹脂層は、合成樹脂層を構成する樹脂を未延伸又は一軸ないし二軸延伸してシート化し、次いでドライラミネーション法、サンドラミネーション法等の公知積層法に従い形成してもよいし、Tダイ押出機を用いてこれらの樹脂を押出し形成してもよい。なお、上記内層を形成する樹脂をシート化した場合には、シート表面に濡れ性を付与する目的で、必要とする面にコロナ放電処理及び/又は大気圧プラズマ処理等の易接着処理を施すことができる。
【0061】
内層の構成を具体的に示すと、例えば以下のものを挙げることができる。
▲1▼アルミニウム箔の樹脂膜層を形成した面に酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレンを上記酸変性ポリプロピレンが上記樹脂膜層に当接するように共押出しして内層を積層した構成
▲2▼アルミニウム箔の樹脂膜層を形成した面に酸変性ポリプロピレン溶液を塗布、乾燥した後に未延伸ポリプロピレンフィルムを熱ラミネートして積層した構成
▲3▼アルミニウム箔の樹脂膜層を形成した面と未延伸ポリプロピレンフィルムとをポリプロピレン樹脂を押出してサンドラミネートして積層した構成
▲4▼アルミニウム箔の樹脂膜層を形成した面とコロナ放電処理した未延伸ポリプロピレンフィルムとをドライラミネート用接着剤で接着積層した構成。
【0062】
内層を構成する上記熱接着性樹脂層は、電池に設けられる電極を隙間ができないように密封固着する必要があり、その厚さとしては10〜100μmが適当であり、20〜80μmが好適である。厚さが10μmより薄い場合は、熱接着時に電極と熱接着性樹脂層との間にピンホールが発生し易く、電解液に対する耐性が低下する危険性があり、好ましくない。また熱接着性樹脂層の厚さが100μmより厚い場合は、熱接着時に発生する電極と熱接着性樹脂層との間に発生するピンホールに顕著な改善効果が認められず、体積及び重量エネルギー密度を低下させるため、費用対効果の面から好ましくない。
【0063】
外層
本発明の電池外装用積層体は、内層に熱接着性樹脂層を設けることにより、この状態でも二次電池用包装材として使用可能であるが、金属製の缶を外装として用いたものと比べると、外力に対する抵抗性、特に耐突き刺し性を改善することが望ましい。このためアルミニウム箔の外側に耐突き刺し性を向上させる目的で外層を設けるのがよい。
【0064】
外層は、内層と同様に単層であっても複層であっても構わないが、特に単層である場合は、それ自体で上記目的を達成する必要があり、機械的強度に優れると共に、少なくとも熱接着時の熱に対する寸法安定性が要求される。これらを考慮すると、外層を構成する樹脂は、二軸方向に延伸したポリエステルフィルム、二軸方向に延伸したポリアミドフィルム等であるのが望ましい。二軸延伸ポリエステルフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリカーボネート等が挙げられる。二軸延伸ポリアミドフィルムとしては、例えば、ナイロン6、ナイロン66等が挙げられる。
【0065】
本発明の積層体を絞り成形する場合には、二軸延伸ポリエステルフィルムに比べて伸びが大きい二軸延伸ポリアミドフィルムが好ましい。
【0066】
外層を二軸延伸ポリエステルフィルム又は二軸延伸ポリアミドフィルムの単層で形成する場合、その厚さは6μm以上であるのが望ましい。6μmより厚さが極端に薄い場合は、外力に対するアルミニウム箔の保護効果が減少し、特に絞り成形を行う場合、アルミニウム箔にピンホールや破断が発生し易く、成形不良を起こし易くなる。また、上記外層が単層であれ、複層であれ、25μmより厚さが厚くなると、外力に対するアルミニウム箔の保護という点で顕著な改善効果が認められず、体積及び重量エネルギー密度を低下させるため、費用対効果の面からも好ましくない。
【0067】
また、上記外層とアルミニウム箔との積層は、例えば、ドライラミネート接着剤を用いて行う周知のドライラミネーション法で積層することができる。また、外層に用いる二軸延伸フィルムには、フィルム表面に濡れ性を付与する目的で、必要な面にコロナ放電処理及び/又は大気圧プラズマ処理等の易接着処理を施すことができる。
【0068】
本発明においては、更に、アルミニウム箔の外層側の面にも、必要に応じて内層側の面と同様に、上記樹脂膜層を設けることができる。
【0069】
【発明の効果】
本発明によれば、酸、アルカリ、有機溶媒等を含む内容物と接触した場合でも、ヒートシール層とアルミニウム箔とが剥離することがなく、内容物が漏出することのない包装体又は包装容器に適した積層体が提供される。
【0070】
本発明の積層体は、二次電池本体の基幹部及び、電極の一部を外気と遮断できるガスバリア性を備えている。
【0071】
本発明の積層体は、例えばこれを電池外装用として使用した場合に、外装の最内層が、二次電池を構成する金属製の電極との接着性に優れている。また、本発明の積層体は、外装の最内層同士の熱接着性に優れている。
【0072】
本発明の積層体は、厳しい環境下においても、外装として安定した熱接着性、ガスバリア性等の性能を備えている。
【0073】
本発明の積層体は、二次電池に使用されているゲル状電解質(ゲル状電解液)により、外装の層間接着強度が実質的に低下しない。
【0074】
本発明の積層体は、二次電池に使用されているゲル状電解質の劣化、加水分解等により発生するフッ酸に対して、耐腐食性を有している。
【0075】
本発明の積層体は、絞り成形性を有する等、成形加工が容易であり、生産性に優れている。
【0076】
【実施例】
以下に実施例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。尚、以下単に「部」とあるのは「重量部」を、「%」とあるのは「重量%」を意味する。
【0077】
参考例1(水系エマルジョンの調製)
【0078】
【表1】
【0079】
表1における単量体は、それぞれ以下の単量体である。
MMA:メタアクリル酸メチル
2EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
2EHMA:メタアクリル酸2−エチルヘキシル
EA:アクリル酸エチル
BA:アクリル酸ブチル
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル(水酸基含有単量体)
HEMA:メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル(水酸基含有単量体)
HPMA:メタアクリル酸2−ヒドロキシプロピル(水酸基含有単量体)
MAA:メタクリル酸(カルボキシル基含有単量体)
AA:アクリル酸(カルボキシル基含有単量体)。
【0080】
脱イオン水500部を反応槽に入れて、液温度を70℃に上昇させた。次に、(1) 表1に示す単量体組成の混合物300部、(2)過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水97部に溶解した液100部、並びに(3)酸性亜硫酸ナトリウム4部及び反応性乳化剤5部(商品名:アデカリアソープSE−10N、旭電化(株)製)を脱イオン水91部に溶解した液100部を、同時並行的に2時間で終了するように、攪拌しながら反応槽に滴下した。次いで引き続き70℃にて2時間攪拌しながら重合反応を行い、本発明の要件を満たす水系エマルジョンNo.A〜Dを合成した。
【0081】
また比較のために、本発明の要件を外れる水系エマルジョンNo.X〜Zを合成した。
【0082】
これら水系エマルジョンNo.A〜D及びX〜Zの中に含まれる樹脂の固形分濃度は、いずれも30%前後であった。
【0083】
参考例2(水系エマルジョン処理液の調製)
表1に示した水系エマルジョンにエッチング剤[55%フッ化水素酸(工業用、ステラケミファー社製)又は65%硝酸(工業用、日産化学(株)製)]を、得られる水系エマルジョンのpH値が下記表2に示すpH値になるように混合し、水系エマルジョン処理液I〜XIIを調製した。
【0084】
【表2】
【0085】
実施例1
(1)アルミニウム箔の調製
軟質アルミニウム箔(厚さ40μm、住軽アルミ箔(株)製、商品名:べスパ8021)を、予め50℃の10%水酸化ナトリウム溶液に30秒間浸漬し、次いで水洗し、更に脱イオン水で洗浄し、温風乾燥することにより、脱脂処理を施した軟質アルミニウム箔を得た。
【0086】
(2)アルミニウム箔面上への樹脂膜層の形成
脱脂処理済軟質アルミニウム箔の両面に表2に示す水系エマルジョン処理液Iをロールコーターで塗布し、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥して表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させた。
【0087】
膜厚の測定:
樹脂膜層の膜厚は、水系エマルジョン処理液塗工前後のアルミニウム箔の重量変化から算出した。
【0088】
(3)外層の形成
一方の樹脂膜層上に、ウレタン系ドライラミネート接着剤(東洋モートン(株)製、商品名:AD122/CAT10)を乾燥後に3g/m2となるように塗布して接着剤層を形成すると共に、該接着剤層と25μmの二軸延伸ナイロンフィルム(出光石油化学(株)製、商品名:G−100)のコロナ放電処理面とを貼り合わせて、樹脂膜層上に外層を形成させた。
【0089】
(4)内層の形成
他の一方の樹脂膜層上に、ウレタン系ドライラミネート接着剤(東洋モートン(株)製、商品名:AD−503/CAT10)を乾燥後に3g/m2となるように塗布して接着剤層を形成すると共に、該接着剤層と30μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学工業(株)製、商品名:FCZK)のコロナ放電処理面とを貼り合わせて、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0090】
実施例2
アルミニウム箔の調製、アルミニウム箔面上への樹脂膜層の形成及び外層の形成は、実施例1と同様に行った。次に内層の形成を以下のようにして行った。
【0091】
即ち、他の一方の樹脂膜層上に、Tダイ押出機を用いて無水マレイン酸変性ポリプロピレンを15μm厚さで押し出し、30μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学工業(株)製、商品名:FCZK)をサンドラミネーションして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0092】
実施例3
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液IIを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0093】
実施例4
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液IIIを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0094】
実施例5
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液IVを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0095】
実施例6
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液Vを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0096】
実施例7
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液VIを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0097】
実施例8
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液VIIを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0098】
実施例9
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液VIIIを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0099】
実施例10
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液IXを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、本発明の電池外装用積層体を製造した。
【0100】
比較例1
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液Xを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、電池外装用積層体を製造した。
【0101】
比較例2
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液XIを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、電池外装用積層体を製造した。
【0102】
比較例3
水系エマルジョン処理液Iの代わりに水系エマルジョン処理液XIIを用い、300℃の熱風乾燥機で20秒加熱乾燥した時の膜厚が表2に示す膜厚(片面の膜厚を示す)になるように、アルミニウム箔の両面に樹脂膜層を形成させる以外は、実施例2と同様にして、電池外装用積層体を製造した。
【0103】
上記で作成した電池外装用積層体について、85℃の電解液(6フッ化リン酸リチウムをエチレンカーボネートに溶解し、1モルの6フッ化リン酸リチウム溶液としたもの)に浸漬し、アルミニウム箔と無水マレイン酸変性ポリプロピレン又は無延伸ポリプロピレンフィルムとの接着強度を浸漬から3日後、5日後、7日後、10日後及び14日後に評価して、その結果を表3にまとめて示した。
【0104】
評価基準としては、アルミニウム箔と無水マレイン酸変性ポリプロピレン又は無延伸ポリプロピレンフィルムとが剥離できないものを良好とし◎印で示し、剥離可能であるがデラミしていないものを普通とし○印で示し、デラミしているものを不良として×印で示した。
【0105】
【表3】
【0106】
表3からも明らかなように、本発明の電池外装用積層体は、経時的なアルミニウム箔と無水マレイン酸変性ポリプロピレン又は無延伸ポリプロピレンフィルムとの間のデラミがなく、電解液に対する耐性に優れたものであった。
Claims (9)
- 外層とアルミニウム箔と内層とを順次積層した積層体において、少なくともアルミニウム箔と内層との間に、水酸基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体及びこれらの単量体と共重合可能な単量体を用いて得られる共重合体からなる樹脂膜層を介在させたことを特徴とする電池外装用積層体であって、
前記水酸基を有する単量体がアクリル酸のヒドロキシ置換C 2-4 アルキルエステル及びメタクリル酸のヒドロキシ置換C 2-4 アルキルエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
前記カルボキシル基を有する単量体がアクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
前記単量体と共重合可能な単量体がアクリル酸C 2-18 アルキルエステル及びメタクリル酸C 2-18 アルキルエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種である、
電池外装用積層体。 - 水酸基を有する単量体がアクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル又はメタクリル酸2−ヒドロキシプロピルであり、
カルボキシル基を有する単量体がアクリル酸又はメタクリル酸であり、
前記単量体と共重合可能な単量体がメタクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸エチル又はアクリル酸ブチルである、請求項1に記載の積層体。 - 樹脂膜層の膜厚が0.3〜3μmである請求項1又は2に記載の積層体。
- 内層の最も内側の層がオレフィン系熱接着性樹脂からなり、その厚さが10〜100μmである請求項1に記載の積層体。
- アルミニウム箔が厚さ15〜100μmの軟質アルミニウム箔である請求項1に記載の積層体。
- 水酸基を有する単量体、カルボキシル基を有する単量体及びこれらの単量体と共重合可能な単量体を用いて得られる共重合体を含有する水系エマルジョンをアルミニウム箔上に塗布し、乾燥して、樹脂膜層をアルミニウム箔上に形成した後、外層及び内層を積層する電池外装用積層体の製造方法であって、
前記水酸基を有する単量体がアクリル酸のヒドロキシ置換C 2-4 アルキルエステル及びメタクリル酸のヒドロキシ置換C 2-4 アルキルエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
前記カルボキシル基を有する単量体がアクリル酸及びメタクリル酸からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、
前記単量体と共重合可能な単量体がアクリル酸C 2-18 アルキルエステル及びメタクリル酸C 2-18 アルキルエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種である、
電池外装用積層体の製造方法。 - アルミニウム用エッチング剤が更に配合された水系エマルジョンを使用する請求項6に記載の積層体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の積層体を用いて、内部に電解質を密封できる状態となるように該積層体の内層同士を熱接着させて得られる電池用包装体。
- 電池がリチウムイオンポリマー二次電池である請求項8に記載の電池用包装体。
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