JP4131768B2 - 製紙用単層織物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙用織物に関し、特には抄紙用織物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
製紙方法は周知の技術であって、まずパルプ繊維等を含む製紙原料が、ヘッドボックスからエンドレスに形成されて抄紙機のロール間に掛け入れられ走行している抄紙用織物上に供給される。
抄紙用織物の原料が供給される側が製紙面、その反対側が走行面である。
供給された原料は抄紙用織物の走行に伴って移動し、移動中に織物の走行面側に設置されたサクションボックスやフォイル等の脱水装置によって、水分が除去され、湿紙が形成される。すなわち、抄紙用織物がフィルターとして機能し、パルプ繊維と水を分離するのである。
この抄紙ゾーンで形成された湿紙は、次にプレスゾーンとドライヤーゾーンに移送される。
プレスゾーンでは、湿紙は製紙用フェルトによって移送され、製紙用フェルトと共にプレスロール間でニップ圧によって搾水され、さらに水分が除去される。ドライヤーゾーンでは、湿紙は製紙用キャンバスによって移送され、乾燥されて紙が製造される。
製紙用織物は、合成樹脂モノフィラメント等の経糸、緯糸を用いて織機で製織される。無端状に形成するには周知の織継やピンシーム等によって無端状に形成されるか、袋織り織機により製織の段階で無端状に形成される。
袋織りの場合は織機上と使用時では経糸と緯糸の関係が逆になる。
【0003】
本明細書において、経糸とは、製紙機械の機械方向すなわち使用時に織物の進行方向に伸びている糸であり、緯糸とは、製紙機械の機械横断方面すなわち織物の巾方向に伸びている糸である。
製紙用織物、特に抄紙用織物に対しては従来より多くの要求がある。
表面平滑性の向上、紙のワイヤーマーク発生防止、製紙の歩留まりの向上、良好なろ水性、耐摩耗性、寸法安定性、走行安定性等である。
近年、抄紙スピードの高速化、中性抄造の増加、填料の使用量の増加、製紙会社のコストダウン政策にともない、上記要求に対しての早期解決が強く望まれている。
抄紙スピードが高速になると、必然的に脱水スピードが高速になり、脱水力も強力になる。製紙原料は抄紙用織物を介して脱水されるのであるから、水分は抄紙用織物の糸間に形成されている網目を通って除去されるのである。これが▲ろ▼水空間である。ところが、製紙原料から除去されるのは水分だけではなく、細かい繊維や填料等も一緒に抜け出すので、リテンション(製紙の歩留まり)が低下する。また、織物上に残って形成された湿紙も脱水力によって、織物製紙面に押しつけられるため、糸が存在している部分では、糸が湿紙にくい込み、逆に糸が存在しない網目間では湿紙が網目間にくい込んで、湿紙表面上に糸と網目のマークが発生する。
また、網目間には繊維がより滞留するために繊維密度が過密になり、紙の繊維密度の粗密も発生し、紙に厚薄が生ずる。
これがワイヤーマーク、ろ水マークと呼ばれるものである。
また、湿紙のくい込みが大きくなったり、繊維のささり込みが発生すると湿紙をフェルトへ移送する場合の抄紙織物からの湿紙剥離性が悪くなるという問題も発生する。ワイヤーマークを完全になくすことは不可能であるが、これを極力小さく、目立たなくするために、織物の製紙面を細かくして、繊維支持性と平滑性の向上を図らなくてはならない。
脱水スピードが高速になり、脱水力が強力になると、当然繊維の抜けやワイヤーマークの発生は顕著になるため、抄紙用織物の性能のさらなる向上が必要となる。
また、繊維は織物走行方向に配向するため、特に緯糸の繊維支持性を向上させる必要がある。
また、高速の条件下で良好に脱水するためには優れたろ水性が要求される。優れたろ水性を有すれば、脱水の真空圧を抑えることができ、前述した網目間への繊維のもぐり込みや抜けが少なくなり、ワイヤーマークの発生をなくし、リテンションを向上させることが可能となる。
また、抄紙スピードが高速になると、ロール回転部等で織物に含まれている水が飛び散って水しぶきが発生し、その水滴が湿紙に落ちてマークを発生させるので織物の保水性を小さくすることも要求される。
近年、ハイブリドフォーマーやギャップフォーマーのようなツインワイヤー方式の抄紙機が急激に増加してきたため、この問題が、解決しなくてはならない最重要課題の1つとなっている。
【0004】
一方、中性抄造の増加は耐摩耗性の向上に対する要求をさらに強いものとした。中性抄造は填料として炭酸カルシウムを使用するため、酸性抄造とは異なり走行面の糸を激しく摩耗させるのである。また、抄紙スピードの高速化や、繊維の歩留まりによるろ水低下に伴う過剰脱水が条件をさらに苛酷にする。
耐摩耗性を向上させるためには、織物組織を緯糸摩耗型の組織にしたり、糸の材質を変更したりという対策が取られている。
一般的に使用中の織物の耐摩耗性の向上と姿勢安定性の維持の点からは、織物の緯糸に耐摩耗作用を受け持たせることが好ましい。経糸が摩耗すると当然のことではあるが、引張強度が低下して織物の寸法が伸び、さらに摩耗して経糸が摩耗切断すると織物自体が切断して使用寿命が尽きてしまう。
また、耐摩耗性の優れているポリアミドモノフィラメントを緯糸に使用することも試みられているが、この試みは織物の構造自体を改善するものではなく、単に使用する材料の性質を利用するたけであって、画期的効果は得られず、半面ポリアミドモノフィラメントを用いた織物は姿勢安定性が悪いという欠点があった。
また、走行面の緯糸に太い糸を使用することも試みられたが、経糸と緯糸のバランスが崩れ、クリンプ性が悪化してワイヤーマーク発生の原因となる等の欠点があり実用上問題があった。
【0005】
紙のワイヤーマークの発生を防止するためには経糸および緯糸の本数密度を増やし、繊維の支持性を向上させることが考えられるが、そのためには経糸、緯糸の線径を細くする必要がある。
しかし、現在一般的に使用されている周知の経糸1重緯糸2重織物では線径を細くすると耐摩耗性、剛性、姿勢安定性が低下してしまう。
このように、製紙用織物は、耐摩耗性や剛性を向上させようと線径を太くすると表面性が損なわれ、紙にワイヤーマークが発生し、逆に表面性を向上させようと線径を細くして本数密度を増やすと耐摩耗性や剛性が低下してしまうというように、いわば相反する問題を抱えていた。
【0006】
上述の問題を解決するために製紙面側と走行面側とを夫々別々の経糸、緯糸を用いて構成して、両層の織物を接結糸によって一体化させた織物での試みもなされている。すなわち、製紙面側織物には線径の小さい経糸、緯糸を使用して緻密な製紙面を形成し、走行面側織物には線径の大きい経糸、緯糸を使用して耐摩耗性の大きい走行面を形成するのである。
しかしながら、これも必ずしも満足のいくものではなかった。なぜならば接結糸と製紙面側の糸とが交差する接結部において、接結糸が製紙面側織物を走行面側に引き込むために製紙面側織物表面に凹みが発生し、実際に紙を抄いた時に、この凹みのマークが紙に転写されワイヤーマークが発生する。
また、この凹みを極力少なくするために、接結糸の線径を小さくしたり接結糸の本数を少なくすると、接結糸が弱くなるため、接結糸が製紙面側織物と走行面側織物の間でもまれて内部摩耗が起こり、さらに接結力が弱くなって、製紙面側織物と走行面側織物の間に間隙が発生したり、分離して使用寿命が尽きる問題が生じた。また、2層織物であるので、抄紙用織物の厚さも厚くなり、前述した保水性が大きくなるという問題もあった。
【0007】
ところで、効果的に繊維の支持性を向上させ、紙にワイヤーマークを発生させずに、良質な紙を抄造するためには、好適には緯糸で繊維を支持する必要がある。なぜならば、一般的にヘッドボックスから抄紙用織物上に供給されるパルプ繊維は機械方向、すなわち経糸方向に配向するからである。経糸間の凹みを緯糸で分断して繊維を支持することにより、繊維が経糸間に滞留するのを防止するのである。
そこで、上記の複数の問題を解決するために、緯糸摩耗型の単層織物に補助緯糸を配置した製紙用単層織物が、特開平2−68383、特開平2−68384、特開平2−68385、特開平3−279485で提案されている。単層の織物であるため厚さが薄く保水性が小さく、織物本体が緯糸摩耗型であるため耐摩耗性も良好で、補助緯糸を配置して織物本体に形成されている凹みを埋め、表面平滑性、緯糸の繊維支持性を向上させることができ、上記目的を達成し、ある程度の効果が証明されているが、補助緯糸の織り込みが少なく、保持性が十分でないので、高圧のシャワーが当たったりすると補助緯糸が振動してフィブリル化するという問題もあった。
また、補助緯糸の織り込みが少ないために、補助緯糸の曲がり形状がしっかりと形成されてなく、織物を無端状に形成するための織り継ぎ作業時に、補助緯糸と経糸との噛み合わせが悪く、織り継ぎ部に凹凸が発生して、平滑性が損なわれるという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題に鑑みて、保水性が小さく、耐摩耗性、表面平滑性、緯糸の繊維支持性が良好で、補助緯糸の織り込みが強力で補助緯糸の移動が発生しない製紙用単層織物を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
「1. 経糸が連続する複数の緯糸の上側を通って製紙面にクリンプを形成し、緯糸が連続する複数の緯糸の下側を通って走行面にクリンプを形成する緯糸摩耗型の織物本体の、各緯糸間に緯糸より線径の小さい補助緯糸を配置した織物であって、
経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で、該緯糸と隣り合う補助緯糸を該経糸が上側から織り込むことを特徴とする製紙用単層織物。
2. 経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後以外の位置では、補助緯糸を経糸の上側に配置した、1項に記載された製紙用単層織物。
3. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下側を通った後連続する4本の緯糸の上を通る経糸を順次緯糸2本分ずらして配置した5シャフトの朱子織の織物である、1項または2項に記載された製紙用単層織物。
4. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経糸を綾を崩してずらして配置した4シャフトの崩し綾織の織物である、1項または2項に記載された製紙用単層織物。
5. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経糸を順次緯糸1本分ずらして配置した4シャフトの綾織の織物である、1項または2項に記載された製紙用単層織物。」
に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、織物本体を経糸が連続する複数の緯糸の上側を通って製紙面側に長いクリンプを形成し、緯糸が連続する複数の経糸の下側を通って走行面側に長いクリンプを形成する緯糸摩耗型の単層織物とし、織物本体の緯糸間に補助緯糸を配置し、経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で、該経糸が該緯糸と隣り合う補助緯糸を上側から織り込む構成としたことである。
単層織物であるため、織物の厚さを薄くして保水性を小さくすることができ、抄紙機が高速になってもロール回転部等で織物に含まれている水が飛び散って水滴が湿紙に落ちてマークを発生させる問題が発生しない。
また、緯糸摩耗型にしたことにより緯糸が経糸の摩耗を保護する構造となり耐摩耗性が良好となる。
また、緯糸間に補助緯糸を配置したことにより、緯糸の繊維支持性、表面平滑性が向上し、ワイヤーマークの発生防止、パルプ繊維の経糸間への滞留防止がなされる。補助緯糸は全緯糸間に配置することが表面の均一性からみて好ましい。
そして、この補助緯糸を経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で上側から織り込む構成としたことにより、補助緯糸が強力に組織内に織り込まれ、補助緯糸の移動が発生することなく保持性が良好であり、曲がり形状もしっかりと形成される。
【0011】
経糸が緯糸を下側から織り込む位置とは、経糸が緯糸の下側に配置される位置であり、経糸が最も下方に配置されている部分であり、その前後とは経糸が緯糸の上側から緯糸の下側へと向かう途中と、経糸が緯糸の下側から緯糸の上側へと向かう途中の2箇所であって、経糸が補助緯糸を上側から織り込む場合に最も下方で織り込める位置である。
その位置で織り込んでいるため、強力に補助緯糸を下側に引き込んで組織内に深く織り込むことができるのである。
また、前後で織り込むと結果として完全組織内で補助緯糸を2回織り込むこととなるため、織り込む箇所が多くなりこれも補助緯糸の保持性を増やす要因となっている。
さらに、経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後の補助緯糸を上側から織り込んだ位置以外の部分で、補助緯糸を経糸の上側に配置させることにより表面平滑性をさらに向上させることができる。
【0012】
織物を形成する糸は、経糸と緯糸の交差部で直角に曲がってクリンプが矩形状に形成されるわけではなく、交差部では通常曲線状に曲がるのでクリンプは弓状に形成される。
例えば製紙面側に形成される経糸のクリンプは、緯糸を下側から織り込む位置と次に緯糸を下側から織り込む位置の間で弓状に製紙面側に突き出して形成され、その織り込み位置間の中央部が最も製紙面側に突出する。したがって、製紙面に高低差ができて凹みが発生し表面平滑性が損なわれる。
前述した従来の補助緯糸を配置した製紙用単層織物は、この凹みに補助緯糸を配置して表面平滑性を向上させるという思想でなされたものであるが、前述したような問題があった。
【0013】
本発明は、従来の凹みを埋めるという思想とは異なり、経糸のクリンプの弓状の形状を直線状に近付けて高低差を少なくすることによって表面平滑性を向上させているのである。
すなわち、経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で、経糸が緯糸の上側から緯糸の下側へ下向かう途中と、経糸が緯糸の下側から緯糸の上側へと向かう途中の、補助緯糸が経糸の下側に配置されて織り込まれている部分では、補助緯糸が経糸を上側に押し上げ、その他の経糸が緯糸の上側に配置されて製紙面側にクリンプを形成している部分の補助緯糸が経糸の上側に配置されている部分では補助緯糸が経糸を下側に押し下げるため、経糸が補助緯糸を織り込む部分では経糸の屈曲が直角に近付き、経糸のクリンプ部分ではクリンプ形状が弓状から直線状になって製紙面が平滑になるのである。これについては後に図面を示して詳しく説明する。
【0014】
また、経糸が直線状に形成されることによって経糸方向の伸び剛性も良好になる。本発明に使用される糸としては製紙用織物に望まれる特性によって自由に選択でき特に限定されない。
例えば、モノフィラメントの他、マルチフィラメント、スパンヤーン、捲縮加工や崇高加工等を施した一般的にテクスチャードヤーン、バルキーヤーン、ストレッチヤーンと称される加工糸、モール糸、あるいはこれらをより合わせたりして組み合わせた糸等が使用できる。また、糸の断面形状も円形だけでなく四角形状、星型の矩形状、偏平形状、楕円形状、中空等の糸が使用できる。
また、糸の材質としても、自由に選択でき、ポリエステル、ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、綿、ウール、金属等が使用できる。
勿論、共重合体やこれらの材質に目的に応じて色々な物質をブレンドしたり含有させた糸を使用してもよい。
【0015】
一般的には、製紙面側経糸、走行面側経糸、製紙面側緯糸には剛性があり、寸法安定性が優れているポリエステルモノフィラメントを用いるのが好ましく、線径が小さく耐シャワー性、耐フィブリル化性が要求される補助緯糸にはナイロンモノフィラメントを用いるのが好ましい。
また、耐摩耗性が要求される走行面側緯糸にはポリエステルモノフィラメントとナイロンモノフィラメントを交互に配置する等、交織するのが剛性を確保しつつ耐摩耗性を向上できて好ましい。
また、組織上は本来1本の糸であるところに、同組織で糸を複数本引き揃えて配置することもできる。細かい線径の糸を引き揃えて配置することによって、表面性の向上と、織物の厚さを薄くすることが可能となる。
【0016】
【実施例】
本発明を実施例を示して説明する。
図1、2、3は本発明の実施例の完全組織を示す意匠図であり、図4、5は従来例の完全組織を示す意匠図である。
完全組織とは、織物組織の最小の繰り返し単位であって、この完全組織が上下左右につながって織物全体の組織が形成される。
図6は図1の実施例のI−I′線に沿った断面図であり、図7は図4のII−II′線に沿った断面図であり、図8は図5のIII−III′線に沿った断面図である。
図面において、経糸はアラビア数字、例えば1、2、3、で示し、緯糸はダッシュを付したアラビア数字、例えば1′、2′、3′、で示し、補助緯糸はダブルダッシュを付したアラビア数字、例えば1″、2″、3″、で示す。
また、×印は経糸が緯糸、補助緯糸の上側に位置している位置を示し、白抜きの□は経糸が緯糸、補助緯糸の下側に位置している位置を示す。
【0017】
図1が本発明の実施例1の完全組織を示す意匠図である。
図1の意匠図において1、2、3、4、5が経糸であり、1′、3′、5′、7′、9′が緯糸、2″、4″、6″、8″、10″が補助緯糸である。
本実施例の補助緯糸を除いた織物、すなわち本実施例の本体織物は5シャフトの4/1朱子織りの織物である。
これは、補助緯糸を除いた本体織物のみを見た場合、経糸1は緯糸1′の下側を通った後連続する4本の緯糸3′、5′、7′、9′の上側をっ通って製紙面側に長いクリンプを形成しており、この経糸1を順次緯糸2本分ずらすことによって経糸2、3、4、5と配置して完全組織を形成していることからよく理解できる。次に補助緯糸をみてみると、まず、補助緯糸はそれぞれの緯糸間に配置されていることが理解できる。
補助緯糸が配置されているため緯糸方向の繊維支持性が良好である。
本実施例では全ての緯糸間に補助緯糸を配置したが、これに限定されるわけではなく、例えば、1間隔ごとに配置することもできる。
そして、補助緯糸は経糸によって、経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で上側から織り込まれていることが理解できる。
例えば、経糸1は緯糸1′を下側から織り込んでおり、その前後に位置する下側に続く完全組織の補助緯糸10″と補助緯糸2″を上側から織り込んでいる。また、補助緯糸は完全組織で経糸によって2箇所で上側から織り込まれていることがわかる。例えば、補助緯糸2″は経糸1と経糸4によって上側から織り込まれている。また、本実施例では補助緯糸が前記位置で経糸により上側から織り込まれている位置以外の部分では全て経糸の上側に配置されている。
例えば、補助緯糸2″は経糸1と経糸4によって上側から織り込まれているが、それ以外の経糸2、3、5との交差部では上側に配置されている。
また、経糸1についてみると、経糸1が上側から織り込んでいる補助緯糸10″と補助緯糸2″以外の補助緯糸4″、6″、8″は経糸1の上側に配置されている。
経糸1に沿った断面図である図6からも上記の構成がよく理解される。
そして、補助緯糸10″と2″が経糸1を上方に押し上げ、補助緯糸4″、6″、8″が経糸1を下方に押し下げることによって、経糸1の形状を直線状にし製紙面の平滑性を向上させるのである。また、織物の厚さを薄くすることもできるのである。
【0018】
図4に示した従来例である補助緯糸を配置していない4/1朱子織りの単層織物の完全組織を示した意匠図のII−II′線に沿った断面図である図7の経糸1の形状と比較すると本発明の経糸がいかに直線状に形成されているかが理解できる。
また、図5は特開平2−68383公報に示される補助緯糸を配置した単層織物の完全組織を示した意匠図である。
図5のIII−III′線に沿った断面図である図8を見ると、経糸1が緯糸の下方から上方へ上がる部分等に形成される凹みに補助緯糸を配置、例えば経糸1が緯糸1′の下方から緯糸3′の上方に上がる部分に形成された凹みに補助緯糸2″を配置して平滑性を向上させていることが判り、本発明とは構成が全く異なることが理解できる。
また図5の例では、経糸が緯糸の上方から上方へ渡る部分で補助緯糸を上側から織り込んでいるため、補助緯糸を組織内の下方へ織り込む力が小さいので前述したような補助緯糸の保持性が十分でない等の問題があった。
【0019】
図2、図3は本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図である。
図2の実施例は本体織物が3/1綾織の実施例であって、図3の実施例は本体織物が3/1崩し綾織の実施例である。経糸、緯糸の符号は図11と同様である。
【0020】
比較試験
次に図1に示した実施例と、図4、5に示した例を比較例1、比較例2として比較試験を示し、本発明の効果を説明する。
織物構成と試験結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
Figure 0004131768
【0022】
(註)
シート平滑度:中質紙配合の原料パルプを使用し、タッピスタンダードシートテストマシンで坪量70g/m相当の紙シートを抄造し、常法に従って平滑シート作成し、ベックの平滑度計にて織物面に接していた紙の平滑度を測定した。
耐シャワー性:補助緯糸の保持性を比較するために、実施例と比較例を枠体に設置し、高圧シャワーを当てて補助緯糸がフィブリル化するまでの時間を測定した。
伸び剛性:巾10mmのサンプルを引張試験機にセットして7Kg張力時の伸びを測定した。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、前述のように単層構造の緯糸摩耗型であるため、厚さが薄くて保水性が小さく、ろ水性が良好であって、耐摩耗性が良好である。
また、補助緯糸が配置されているため表面平滑性、緯糸の繊維支持性、ワイヤーマーク性が良好である。
また、経糸を直線状の形成させる構造であるため、さらに厚さを薄くすることができるとともに伸び剛性をも向上させることができる。
また、補助緯糸の織り込みが強力なため補助緯糸の保持性が良好であり、補助緯糸が移動したりすることがなく耐フィブリル化性も良好となる。また、補助緯糸がしっかり曲がって形状が安定するため織り継ぎ作業に不便が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の完全組織を示す意匠図である。
【図2】本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図である。
【図3】本発明の他の実施例の完全組織を示す意匠図である。
【図4】従来例の完全組織を示す意匠図である。
【図5】従来例の完全組織を示す意匠図である。
【図6】図1のI−I′線に沿った断面図である。
【図7】図1のII−II′線に沿った断面図である。
【図8】図1のIII−III′線に沿った断面図である。
【符号の説明】
1 経糸
2 経糸
3 経糸
4 経糸
5 経糸
1′ 緯糸
3′ 緯糸
6′ 緯糸
9′ 緯糸
2″ 補助緯糸
4″ 補助緯糸
6″ 補助緯糸
8″ 補助緯糸
10″ 補助緯糸

Claims (5)

  1. 経糸が連続する複数の緯糸の上側を通って製紙面にクリンプを形成し、緯糸が連続する複数の緯糸の下側を通って走行面にクリンプを形成する緯糸摩耗型の織物本体の、各緯糸間に緯糸より線径の小さい補助緯糸を配置した織物であって、
    経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後で、該緯糸と隣り合う補助緯糸を該経糸が上側から織り込むことを特徴とする製紙用単層織物。
  2. 経糸が緯糸を下側から織り込む位置の前後以外の位置では、補助緯糸を経糸の上側に配置した、請求項1に記載された製紙用単層織物。
  3. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下側を通った後連続する4本の緯糸の上を通る経糸を順次緯糸2本分ずらして配置した5シャフトの朱子織の織物である、請求項1または2に記載された製紙用単層織物。
  4. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経糸を綾を崩してずらして配置した4シャフトの崩し綾織の織物である、請求項1または2に記載された製紙用単層織物。
  5. 補助緯糸を配置した織物本体が、1本の緯糸の下側を通った後連続する3本の緯糸の上を通る経糸を順次緯糸1本分ずらして配置した4シャフトの綾織の織物である、請求項1または2に記載された製紙用単層織物。
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