JP4131461B2 - レーダ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はレーダ装置に関し、特に、たとえば車両等の移動体に搭載されて、観測対象(以下目標と記す)を検知して、その距離や速度を測定するためのレーダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両等に搭載されるレーダ装置には、“Introduction to Radar Systems”,M. I. SKOLNIK, McGRAW-HILL BOOK COMPANY, INC. (1962) をはじめとして、“RADAR HANDBOOK” M. I. SKOLNIK, McGRAW-HILL BOOK COMPANY, INC. (1970)などに記載されているFMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式を用いることが多い。
【0003】
従来のFMCW方式のレーダ装置では、一般に時間の経過につれて周波数が高くなる変調期間(アップフェーズ)と時間の経過につれて周波数が低くなる変調期間(ダウンフェーズ)で観測を行うのが一般的である。図5は、このような周波数変調を使用するFMCW方式のレーダ装置における各信号の時間に対する周波数を示したものである。このように、変調周波数を増減させることを1サイクルとして、所定の繰り返し周期毎に1サイクル分変調周波数を増減させて、目標の検知を行う。図5は、当該1サイクル分だけを示している。
【0004】
図5において、図5の上段のグラフの実線で示されているStは送信信号、破線で示されているSrは受信信号、図5の下段のグラフのSbはビート信号である。なお、送信信号Stと受信信号Srとの周波数差が、ビート信号Sbの周波数となる(以下、ビート周波数という。)。このとき、アップフェーズにおけるビート信号Sbのビート周波数Uとダウンフェーズにおけるビート信号Sbのビート周波数Dは、B:周波数変調幅、T:周波数変調時間、c:光速、λ:電波の波長、U:アップフェーズのビート周波数、D:ダウンフェーズのビート周波数、r:目標までの相対距離、v:目標の相対速度、としたとき、それぞれ、下記の式(1)及び(2)で表される。
【0005】
【数1】
Figure 0004131461
【0006】
これらの関係により目標の距離rと速度vは、下式(3)及び(4)に示すUとDの減算と加算による結果を利用して、式(5)及び(6)から得られる。
【0007】
【数2】
Figure 0004131461
【0008】
ただし、現行のレーダ装置では測定可能なビート周波数の範囲が有限であるため、正しい測定結果を得ることが可能な距離と速度の組合せは、上式(1)や上式(2)の関係に基づいてある範囲内(以下では測距・測速度範囲と記す)に制限される。
【0009】
このような測定範囲を拡大するための従来の技術として、例えば、特開平10−142320号公報に開示されているレーダ装置がある。図6はその構成をしめしたものであり、図6において、101は制御部、102は送信信号を生成する送信信号生成部、103は生成された送信信号を分配する分配回路、104は送信信号を電波として空中へ放射する送信アンテナ、105は放射された送信信号が目標で反射されて戻ってくる反射波を受信信号として受信する受信アンテナ、106a及び106bは入力される2以上の信号の周波数和を求めるミクサ、107は周波数Sfのシフト信号を生成する発振器、108は受信信号の処理を行う信号処理部、109は信号処理部108の処理結果を用いて、目標の相対距離および速度を演算により求める距離・速度計算部である。また、送信信号生成部102の内部において、1021は所定の電圧を発生する電圧発生回路、1022は発生された電圧の制御を行うVCO(Voltage Controlled Oscilator)である。また、信号処理部108の内部において、1081はアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器(以下、ADC(Analog to Digital Converter)とする。)、1082はA/D変換結果を記憶するメモリ、1083はメモリ1082内のデータを用いてビート周波数U及びDを求める演算回路である。
【0010】
図6の従来のレーダ装置の動作について説明する。まず、制御部101の制御によって、例えば電圧発生回路1021とVCO1022で構成される送信信号生成部102で図5に示すような送信信号Stが生成される。ずなわち、電圧発生回路1021で所定の電圧が発生され、VCO1022で当該電圧を制御する。このようにして送信信号生成部102により生成された送信信号は、分配回路103を介して、一部がミクサ106aへ入力され、残りが送信アンテナ104へ入力される。送信アンテナ104が、送信信号Stを電波として空中へ放射して、受信アンテナ105が目標で反射した電波を受信して受信信号Srとする。ミクサ106aは、分配回路103から送信信号が入力され、発振器107から周波数Sfのシフト信号が入力されて、周波数が両信号の周波数和であるシフト送信信号を生成する。ミクサ106bは、ミクサ106aからシフト送信信号が入力され、受信アンテナ105から受信信号が入力されて、それらの信号の周波数差であるビート信号を生成する。生成されたビート信号は、信号処理部108に入力される。
【0011】
制御部101に制御される信号処理部108は、図6に示されるように、例えば、ADC1081や、メモリ1082、演算回路1083などから構成され、アナログ−ディジタル変換された時系列のビート信号電圧からFFT(高速フーリア変換:Fast Fourier Transform)などによって周波数スペクトルを求め、最大ピーク検出を行なうなどして、ビート周波数UとDを得て、距離・速度計算部109へ出力する。距離・速度計算部109は、ビート周波数UとDから上式(5)及び(6)により距離と速度を計算し結果を出力する。
【0012】
このとき、ビート周波数UとDは発振器107のシフト信号周波数Sfによりシフトされるので、測距・測速度範囲もシフトされる。例えば、Sf=0の場合の測距・測速度範囲が図7(a)の縦線領域200であるとして、Sf=s1とすると測距・測速度範囲は図7(b)の縦線領域201のようにシフトする。従って、Sf=0とSf=s1を繰り返すことで図7(c)の縦線領域202のように測距・測速度範囲が拡大される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーダ装置は以上のように構成されており、発振器107のシフト信号周波数Sfの値を変化させることで測距・測速度範囲を拡大している。しかしながら、図8に示すように、ビート周波数UやDが、FFTにおけるサンプリング周波数Fsよりも高い場合、ビート周波数UやDが、−Fs/2〜Fs/2の区間に折返された周波数として得られてしまう(以下では周波数折返しと記す)という現象はよく知られている。図8の例で説明すれば、正しいビート周波数が符号300で示されるものであるにもかかわらず、FFTにおけるサンプリング周波数Fsよりも高い場合には、符号301で示される誤ったビート周波数が、得られてしまう。従来のレーダ装置においてはこの周波数折返しの問題点は解決できていない。すなわち、周波数折返しが起きた場合、正しいビート周波数U(あるいはD)300を得ることができず、誤ったビート周波数U(あるいはD)301が得られてしまうため、目標の距離と速度を誤ってしまうという問題点があった。
【0014】
この発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、レーダ装置において周波数折返しが起きても、検知すべき目標の正しい距離と速度を測定することができるレーダ装置を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明は、観測対象の目標を検知して、当該目標との相対距離および当該目標の相対速度を測定するためのレーダ装置であって、所定の繰り返し周期毎に変調周波数を1サイクル増減させる送信信号を送信する送信信号送信手段と、前記送信信号に対する目標からの反射波を受信する反射波受信手段と、前記送信信号と前記反射波とが入力されて、それらの周波数の偏差を周波数にもつビート信号を出力するミクサと、前記ビート信号からビート周波数を計算する信号処理部と、前記ビート周波数に基づいて、前記目標との相対距離および前記目標の速度を計算する距離・速度計算手段と、所定のサンプリング周波数をFsとしたとき、Fs/2よりも高い周波数の領域に通過帯域を持ち、前記ミクサから前記ビート信号が入力されて前記通過帯域の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタの出力結果から周波数折返しの発生を判定して、前記ビート周波数を補正する周波数補正手段とを備え、前記周波数補正手段が前記ビート周波数を補正した場合には、前記距離・速度計算手段は補正後のビート周波数に基づいて前記目標との相対距離および前記目標の速度を演算するレーダ装置である。
【0017】
また、前記周波数補正手段は、前記1サイクル期間に渡って、前記バンドパスフィルタの出力信号電力を積分する積分回路と、前記積分回路の出力結果とあらかじめ設定されたしきい値とを比較する比較部とを備え、その比較結果から周波数折返しの発生を判定する。
【0018】
また、定のサンプリング周波数をFsとしたとき、Fs/2よりも高い周波数の領域で、かつ、前記バンドパスフィルタの通過帯域よりも高い周波数の領域に通過帯域を持ち、前記ミクサから前記ビート信号が入力されて当該通過帯域の周波数成分のみを通過させる第2のバンドパスフィルタをさらに備え、前記周波数補正手段は、前記バンドパスフィルタの出力結果及び前記第2のバンドパスフィルタの出力結果から周波数折返しの発生を判定する。
【0019】
また、前記周波数補正手段は、前記1サイクル期間に渡って、前記第2のバンドパスフィルタの出力信号電力を積分する第2の積分回路と、前記第2の積分回路の出力結果とあらかじめ設定されたしきい値とを比較する第2の比較部とをさらに備え、前記比較部の比較結果および前記第2の比較部の比較結果から周波数折返しの発生を判定する。
【0020】
また、前記比較部における前記しきい値と前記第2の比較部における前記しきい値とは異なる値である。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態であるレーダ装置の構成図である。
【0022】
図1において、1は制御部、2は送信信号を生成する送信信号生成部、3は生成された送信信号を分配する分配回路、4は送信信号を電波として空中へ放射する送信アンテナ、5は放射された送信信号が目標で反射されて戻ってくる反射波を受信信号として受信する受信アンテナ、6は入力される2以上の信号の周波数差を求めるミクサ、8はミクサ6から出力される受信信号の処理を行う信号処理部、9は目標の相対距離および速度を演算により求める距離・速度計算部、11はバンドパスフィルタ(Band Pass Filter)(以下、BPFとする。)、12は積分回路、13は比較部、14は周波数補正部である。なお、送信信号生成部2の内部の構成および信号処理部8の内部の構成は、例えば、上述した図6と同様にすればよいため、ここではその説明を省略する。
【0023】
次に動作について説明する。まず、制御部1の制御によって、所定の繰り返し周期毎に変調周波数を1サイクル増減させる送信信号を送信信号生成部2が生成し、分配回路3を介して当該送信信号の一部をミクサ6へ出力し、残りを送信アンテナ4へ出力する。送信アンテナ4は送信信号を電波として所定方向に向けて(当該方向は変化させてもよく、固定されたものでもよい。)、空中へ放射する。放射された電波が目標にぶつかり反射されて、受信アンテナ5が反射した当該電波(反射波)を受信して受信信号とする。一方、ミクサ6は分配回路3から送信信号が入力され、受信アンテナ5から受信信号が入力されて、それらの信号の偏差であるビート信号を生成する。生成されたビート信号は、信号処理部8とBPF11に入力される。
【0024】
制御部1に制御される信号処理部8は、アナログ−ディジタル変換された時系列のビート信号電圧からFFTなどによって周波数スペクトルを求め、最大ピーク検出を行なうなどして、アップフェーズおよびダウンフェーズのビート周波数UとDを得て、周波数補正部14へ出力する。
【0025】
一方、BPF11は、図2の一点鎖線で示すようなFs/2よりも高い周波数の領域に、幅B1の通過帯域35を持ち、入力されたビート信号のうち通過帯域35の周波数成分だけを通過させ、積分回路12へ出力する。積分回路12はアップフェーズやダウンフェーズの1変調にあたる期間の信号電力を積分して比較部13へ出力する。比較部13はあらかじめ設定されたしきい値P1と積分回路12から入力された積分信号電力Pを比較して、P≧P1であれば“1”を、P<P1であれば“0”を周波数補正部14へ出力する。周波数補正部14は、比較部13からの出力結果が“1”であれば、図2に示すように信号処理部8で得られたビート周波数UやDに周波数折返しが起きていると判断して、ビート周波数を補正して距離・速度計算部9へ出力する。このとき、信号処理部8から出力された(アップフェーズまたはダウンフェーズの)ビート周波数がfであるなら、補正後の(アップフェーズまたはダウンフェーズの)ビート周波数はf+Fsになる(次段落にてその理由につき補足説明する。)。比較部13からの出力結果が“0”であれば、周波数折返しは起きていないとしてビート周波数をそのまま距離・速度計算部9へ出力する。
【0026】
周波数補正部14での補正後のビート周波数がf+Fsとなる理由について説明する。周波数折り返しが起きている場合の“偽”のビート周波数をFfpとし、“正”のビート周波数をFtpとすると、周波数折り返しの特性に従って、“偽”のビート周波数Ffpと“正”のビート周波数Ftpとは、それぞれ、(−Fs/2)および(Fs/2)から同じ周波数分だけずれた値であるため、“正”のビート周波数Ftpは、“偽”のビート周波数Ffpと(−Fs/2)との周波数差の絶対値の値(|Ffp−(−Fs/2)|)を、(Fs/2)に加算した値となる。このとき、周波数差(Ffp−(−Fs/2))は必ず正の値をとるので、|Ffp−(−Fs/2)|=Ffp−(−Fs/2)となる。従って、“正”のビート周波数Ftpは、
Figure 0004131461
ここで、上記の説明に合わせて、Ffpをfとすると、
Ftp=f+Fs
となる。
従って、信号処理部8から出力されたビート周波数がfであるなら、補正後のビート周波数はf+Fsとなる。
【0027】
距離・速度計算部9は、アップフェーズ及びダウンフェーズのビート周波数UやDが−Fs/2〜Fs/2+B1の範囲であれば、上式(5)及び(6)により目標の正しい距離と速度を計算して出力することができる。
【0028】
以上のように、本実施の形態においては、Fs/2よりも周波数が高い領域に幅B1の通過帯域を有するBPF11を設けて、通過帯域の周波数成分だけを通過させ、当該周波数成分の信号電力を積分して、積分した結果Pと所定のしきい値とを比較して、所定のしきい値以下であれば、ミクサ6が生成したビート信号の周波数が当該通過帯域内にない(すなわち、周波数折り返しが起きている)と判断して、ビート周波数を補正するようにしたので、周波数折り返しが起きても正しい距離と速度を測定することができる。
【0029】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2について図を参照して説明する。図3は本発明の実施の形態2によるレーダ装置の構成を示した図である。
【0030】
図3において、符号1〜6,8,9及び11〜13については、上記実施の形態1の図1で示したものと同等であるため、ここではその説明は省略する。21は第2のBPF、22は第2の積分回路、23は第2の比較部、24は第2の周波数補正部である。
【0031】
動作について説明する。図3に示すレーダ装置では、制御部1、送信信号生成部2、分配回路3、送信アンテナ4、受信アンテナ5およびミクサ6が、上記実施の形態1と同様に動作してビート信号が生成される。また、信号処理部8によりビート周波数が得られ、さらに、BPF11、積分回路12、比較部13が上記実施の形態1と同様に動作してBPF11の通過帯域における周波数折返し有無の結果を第2の周波数補正部24へ出力する。
【0032】
一方、第2のBPF21は、図4の破線で示すようなFs/2+B1よりも高い周波数の領域に幅B2の通過帯域36を持ち、入力されたビート信号のうち通過帯域36の周波数成分だけを通過させ、第2の積分回路22へ出力する。第2の積分回路22はアップフェーズやダウンフェーズの1変調期間分の信号電力を積分して第2の比較部23へ出力する。第2の比較部23はあらかじめ設定されたしきい値P2と入力された積分信号電力Pを比較して、P≧P2であれば“1”を、P<P2であれば“0”を第2の周波数補正部24へ出力する。なお、比較部13と同様に、第2の比較部23からの出力が“1”の場合に周波数折り返しがおきているものとする。このとき、第2のBPF21を通過する信号成分の周波数はBPF11を通過する信号成分の周波数よりも高い。このため、式(1)及び(2)より、第2のBPF21を通過するビート周波数は、距離rが大きい目標である可能性が大きく、そのような目標に対する受信信号電力は小さい。そこで、P1>P2となるように設定して受信信号電力の小さい遠距離目標に対応する。
【0033】
第2の周波数補正部24は、比較部13からの出力結果と第2の比較部23からの出力結果との両方の結果により、信号処理部8で得られたビート周波数UやDに折返しが起きているかを判断し、折返しが起きているなら図4に示すようにビート周波数を補正して、折返しが起きていなければビート周波数をそのまま距離・速度計算部9へ出力する。距離・速度計算部9は、アップフェーズ及びダウンフェーズのビート周波数UやDが−Fs/2〜Fs/2+B1+B2の範囲であれば、上式(5)及び(6)により目標の正しい距離と速度を計算して出力することができる。後の処理については、実施の形態1と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0034】
以上のように、本実施の形態においても、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。さらに、本実施の形態においては、BPF11の通過帯域35よりも高い周波数の通過帯域36を有する第2のBPFを設けて、それぞれの通過帯域において周波数折り返しの発生の有無を確認するようにしたので、より確実に周波数折り返しを検知することができる。また、比較部13と第2の比較部23におけるしきい値を異なる値としたので、第2の通過帯域内のように周波数が高いものは遠距離の目標で、信号電力の小さいものである可能性が高いが、第2の比較部23のしきい値を低く抑えることにより、遠距離の目標にも対応することができる。
【0035】
【発明の効果】
この発明は、観測対象の目標を検知して、当該目標との相対距離および当該目標の相対速度を測定するためのレーダ装置であって、所定の繰り返し周期毎に変調周波数を1サイクル増減させる送信信号を送信する送信信号送信手段と、前記送信信号に対する目標からの反射波を受信する反射波受信手段と、前記送信信号と前記反射波とが入力されて、それらの周波数の偏差を周波数にもつビート信号を出力するミクサと、前記ビート信号からビート周波数を計算する信号処理部と、前記ビート周波数に基づいて、前記目標との相対距離および前記目標の速度を計算する距離・速度計算手段と、所定のサンプリング周波数をFsとしたとき、Fs/2よりも高い周波数の領域に通過帯域を持ち、前記ミクサから前記ビート信号が入力されて前記通過帯域の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、前記バンドパスフィルタの出力結果から周波数折返しの発生を判定して、前記ビート周波数を補正する周波数補正手段とを備え、前記周波数補正手段が前記ビート周波数を補正した場合には、前記距離・速度計算手段は補正後のビート周波数に基づいて前記目標との相対距離および前記目標の速度を演算するレーダ装置であるので、周波数折返しが起きても、周波数折り返し補償手段によりビート周波数を正しい値に補正することができるので、検知すべき目標の正しい距離と速度を測定することができるとともに、通過帯域を適切に設定したバンドパスフィルタを用いることにより、ビート周波数が正しい値(すなわち、通過帯域内)か、周波数折り返し発生による偽のビート周波数かを容易に判定することができる。
【0037】
また、前記周波数補正手段は、前記1サイクル期間に渡って、前記バンドパスフィルタの出力信号電力を積分する積分回路と、前記積分回路の出力結果とあらかじめ設定されたしきい値とを比較する比較部とを備え、その比較結果から周波数折返しの発生を判定するようにしたので、バンドパスフィルタの出力信号電力を積分することにより、容易に、かつ、確実に周波数折り返しの発生の判定を行うことができる。
【0038】
また、定のサンプリング周波数をFsとしたとき、Fs/2よりも高い周波数の領域で、かつ、前記バンドパスフィルタの通過帯域よりも高い周波数の領域に通過帯域を持ち、前記ミクサから前記ビート信号が入力されて当該通過帯域の周波数成分のみを通過させる第2のバンドパスフィルタをさらに備え、前記周波数補正手段は、前記バンドパスフィルタの出力結果及び前記第2のバンドパスフィルタの出力結果から周波数折返しの発生を判定するようにしたので、第2のバンドパスフィルタを通過するビート周波数は、相対距離の大きい目標である可能性が高いので、遠距離の目標の検出にも対応することができる。
【0039】
また、前記周波数補正手段は、前記1サイクル期間に渡って、前記第2のバンドパスフィルタの出力信号電力を積分する第2の積分回路と、前記第2の積分回路の出力結果とあらかじめ設定されたしきい値とを比較する第2の比較部とをさらに備え、前記比較部の比較結果および前記第2の比較部の比較結果から周波数折返しの発生を判定するようにしたので、遠距離の目標の検出においても、容易に、かつ、確実に周波数折り返しの発生の判定を行うことができる。
【0040】
また、前記比較部における前記しきい値と前記第2の比較部における前記しきい値とは異なる値であるので、相対距離が大きい目標に対する反射波の信号電力は小さいため、前記第2の比較部における前記しきい値を、前記比較部のしきい値よりも小さい値に設定することにより、信号電力の小さい目標についても対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を示したブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態1に係るレーダ装置での周波数折り返し発生を示した説明図である。
【図3】 本発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を示したブロック図である。
【図4】 本発明の実施の形態3に係るレーダ装置での周波数折り返し発生を示した説明図である。
【図5】 FMCWレーダ装置における各信号の時間に対する周波数を示した説明図である。
【図6】 従来のレーダ装置の構成を示したブロック図である。
【図7】 図6の従来のレーダ装置により拡大された測距・測速度を示した説明図である。
【図8】 図6の従来のレーダ装置での周波数折り返し発生を示した説明図である。
【符号の説明】
1,101 制御部、2,102 送信信号生成部、3,103 分配回路、4,104 送信アンテナ、5,105 受信アンテナ、6,106a,106b ミクサ、8,108 信号処理部、9,109 距離・速度計算部、11 BPF、12 積分回路、13 比較部、14 周波数補正部、21 第2のBPF、22 第2の積分回路、23 第2の比較部、24 第2の周波数補正部。

Claims (5)

  1. 観測対象の目標を検知して、当該目標との相対距離および当該目標の相対速度を測定するためのレーダ装置であって、
    所定の繰り返し周期毎に変調周波数を1サイクル増減させる送信信号を送信する送信信号送信手段と、
    前記送信信号に対する目標からの反射波を受信する反射波受信手段と、
    前記送信信号と前記反射波とが入力されて、それらの周波数の偏差を周波数にもつビート信号を出力するミクサと、
    前記ビート信号からビート周波数を計算する信号処理部と、
    前記ビート周波数に基づいて、前記目標との相対距離および前記目標の速度を計算する距離・速度計算手段と、
    所定のサンプリング周波数をFsとしたとき、Fs/2よりも高い周波数の領域に通過帯域を持ち、前記ミクサから前記ビート信号が入力されて前記通過帯域の周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、
    前記バンドパスフィルタの出力結果から周波数折返しの発生を判定して、前記ビート周波数を補正する周波数補正手段と
    を備え、
    前記周波数補正手段が前記ビート周波数を補正した場合には、前記距離・速度計算手段は補正後のビート周波数に基づいて前記目標との相対距離および前記目標の速度を演算することを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記周波数補正手段は、
    前記1サイクル期間に渡って、前記バンドパスフィルタの出力信号電力を積分する積分回路と、
    前記積分回路の出力結果とあらかじめ設定されたしきい値とを比較する比較部と
    を備え、
    その比較結果から周波数折返しの発生を判定することを特徴とする請求項に記載のレーダ装置。
  3. 定のサンプリング周波数をFsとしたとき、Fs/2よりも高い周波数の領域で、かつ、前記バンドパスフィルタの通過帯域よりも高い周波数の領域に通過帯域を持ち、前記ミクサから前記ビート信号が入力されて当該通過帯域の周波数成分のみを通過させる第2のバンドパスフィルタ
    をさらに備え、
    前記周波数補正手段は、前記バンドパスフィルタの出力結果及び前記第2のバンドパスフィルタの出力結果から周波数折返しの発生を判定することを特徴とする請求項に記載のレーダ装置。
  4. 前記周波数補正手段は、
    前記1サイクル期間に渡って、前記第2のバンドパスフィルタの出力信号電力を積分する第2の積分回路と、
    前記第2の積分回路の出力結果とあらかじめ設定されたしきい値とを比較する第2の比較部と
    をさらに備え、
    前記比較部の比較結果および前記第2の比較部の比較結果から周波数折返しの発生を判定することを特徴とする請求項に記載のレーダ装置。
  5. 前記比較部における前記しきい値と前記第2の比較部における前記しきい値とは異なる値である
    ことを特徴とする請求項に記載のレーダ装置。
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