JP4131173B2 - 船外機の電装品取付構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船外機の電装品取付構造に係り、特には整流器等の電装品の冷却に好適なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
船外機にあっては、エンジンまわりに吸・排気装置や電装品を取り付け、それら全体をエンジンカバーで覆っている。電装品はそれ自体が発熱体であるとともに、エンジンの熱が伝わる等の理由により高温になりやすいため、その機能を正常に保つために十分な冷却が必要とされる。
【0003】
電装品を冷却する構造として、例えば特許文献1には、冷却水ジャケットを閉成するカバーにボス部を形成し、そのボス部に、上面及び下面に空冷フィンが形成された電装品を取り付ける構造が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ウォータジャケットの蓋部材に電装品の設置部を一体形成する構造が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−100671号公報
【特許文献2】
特開2000−186567号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された構造では、電装品と冷却水との伝熱経路が長く、冷却水ジャケットによる冷却だけでは足りず空冷フィンが必要な構成とされており、更なる小型化が難しい。
【0007】
また、上記特許文献1、2に開示された構造では、ウォータジャケットのカバーや蓋部材に、電装品を取り付けるためのボス部や設置部が一体形成されるため、そこに取り付けられる電装品のタイプや数が決められてしまう。そのため、電装品を他のタイプのものに変更したり、電装品の数を増減させたりする場合に対応しにくく、汎用性に劣ってしまう。特に、船外機は、自動二輪車や自動車等のエンジンとは異なり、その用途や船体が特定されないで製造・販売される製品であり、電装品のタイプや数を容易に変更可能とすることが望まれる。
【0008】
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、冷却効果に優れ、コンパクトで汎用性の高い船外機の電装品取付構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の船外機の電飾品取付構造は、エンジン冷却用のウォータジャケットを備えた船外機の電装品取付構造であって、上記ウォータジャケットは、凹部を蓋部材で閉塞することで構成される一方、上記蓋部材は縦長の板形状であって、長手方向上部に開口を形成し、この開口を電装品が設置された電装品ケースで閉塞すると共に、犠牲金属を上記ウォータジャケット内の冷却水に浸漬させる貫通穴を上記開口の下方に形成し、犠牲金属が取付けられた犠牲金属支持体で上記貫通穴を閉塞するように構成した点に特徴を有する。
【0010】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記ウォータジャケットは上記エンジンの排気通路の周囲に配置された排気通路冷却用である点にある。
【0011】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記ウォータジャケットは上記エンジンのクランクケースに配置されたクランクケース冷却用である点にある。
【0012】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記蓋部材には上記開口が複数形成される点にある。
【0013】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記蓋部材には上記ウォータジャケット内の冷却水に浸漬させる犠牲金属が取り外し可能に装着可能である点にある。
【0014】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記電装品ケースには上記電装品とともに温度センサが設置される点にある。
【0015】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記電装品が設置されたケースには上記ウォータジャケット内の冷却水に浸漬させる放熱体が一体形成される点にある。
【0016】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記電装品ケースは略箱型であり、その底部に設置された電装品を防水用の樹脂材で覆う点にある。
【0017】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記電装品ケースには上記電装品に接続するカプラが設けられる点にある。
【0018】
また、本発明の船外機の電装品取付構造の他の特徴とするところは、上記複数の開口のうち少なくとも2つを整流器が設置された電装品ケースでそれぞれ閉塞し、上記各整流器を互いに別系統とした点にある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明による船外機の電装品取付構造の好適な実施形態について説明する。
【0020】
図1は船外機1の全体構成例を示す側面図、図2は船外機1の上部に配置されるエンジンブロックAの平面図、図3はエンジンブロックAが有するエンジン2の平面図である。なお、図1には、主要な構成要素を図示し、一部図示化を省略する。これらの図において矢印Frは船外機1の前方(船外機1が装備される船体の前進方向)側を、矢印Rrは船外機1の後方(船外機1が装備される船体の後進方向)側をそれぞれ表す。この場合、船外機1は、その前方側にて船体の後尾板Pに固定される。
【0021】
船外機1の概略構成において、上部に配置されたエンジン2を有するエンジンブロックAと、エンジン2の出力をプロペラ側へと伝達するドライブシャフト3を有するドライブシャフトハウジングBと、ドライブシャフト3の駆動力によりプロペラ4を回転駆動する駆動部5を有するギヤハウジングCとが上下に順に配置構成される。エンジンブロックA、ドライブシャフトハウジングB、及びギヤハウジングCにはそれぞれ外殻としてのカバー6a、6b、6cが被着する。これらカバー6a、6b、6cが相互に滑らかに接合することで、船外機1は全体として一体感のある形態を持つようにカバー6によって覆われ、例えば特にエンジンブロックAまわりは優れた外観構成を有する概略卵形(図2を参照)を呈する。その内部には吸気系や排気系あるいは潤滑系が配される。
【0022】
この例では、エンジン2としてV型6気筒(所謂、「V6」)エンジンを採用し、図2に示すように、左右のシリンダバンクにおける各気筒のシリンダボア軸線SがV字型をなすように交差して、そのV字の尖端側が前方Frを向くように配置される。この場合、エンジン2のクランクシャフト7が鉛直方向を向くように縦置きすべく、エンジンベース8によってエンジン2を搭載支持する。
【0023】
エンジンベース8の前縁及びドライブシャフトハウジングBの前縁には、それぞれ左右一対のマウント109、110が配設され、これらマウント109、110を介して、エンジンブロックA、ドライブシャフトハウジングB、及びギヤハウジングCが、スイベルブラケット9に設定された支軸10のまわりに一体に回動可能となるように支持される。スイベルブラケット9の左右両側にはクランプブラケット11が設けられ、このクランプブラケット11を介して船体の後尾板Pに固定されるようになっている。クランプブラケット11は、左右方向に設定されたチルト軸12のまわりに回動可能に支持される。
【0024】
ドライブシャフトハウジングB内の上部には、ドライブシャフト3の後方側に隣接配置された冷却水用の水タンク13が装架され、さらにその後方側には潤滑油用のオイルパン14が装架される。水タンク13の底部には冷却水パイプ15が垂下され、この冷却水パイプ15は、ギヤハウジングCに設けた水取入口118から取り込まれる水を給水する給水管119と接続する。冷却水パイプ15と給水管119の接続部には、ドライブシャフト3によって駆動される冷却水ポンプ16が取り付けられる。冷却水ポンプ20は、水取入口118に装着されたフィルタ121を介して船外機1外部から水を取りこんで冷却水パイプ15、さらに水タンク13へとその水を送り込む。
【0025】
ギヤハウジングCにおいて、ドライブシャフトハウジングBから下方に延出したドライブシャフト3が駆動部5とギヤ結合する。ドライブシャフト3と直交して駆動部5から後方に延出するプロペラシャフト122は、例えばボールベアリング123あるいはニードルベアリング124によりギヤハウジングC内で回転可能に支持され、その後端にプロペラ4が固着する。
【0026】
駆動部5において、プロペラシャフト122に遊嵌して回転自在に支持されるフォワード(前進)ギヤ125及びリバース(後進)ギヤ126を有し、これらのギヤ125、126は、ドライブシャフト3の下端に設けたドライブギヤ127と常時噛合する。この例ではフォワードギヤ125は船体前方Fr側に、リバースギヤ126は船体後方Rr側にそれぞれ配置され、これらのギヤ125、126にクラッチドッグ128が配設される。このクラッチドッグ128はフォワードギヤ125及びリバースギヤ126に選択的に連結し、この動作によりドライブシャフト3の駆動力をプロペラシャフト122に伝達させるようになっている。
【0027】
この場合、エンジンブロックAのエンジン2近傍から下方に延出したクラッチロッド129が、ドライブシャフトハウジングB及びギヤハウジングCの接合部付近でシフトロッド130と連結する。なお、クラッチロッド129は操船者によるシフトレバーの操作で作動可能である。シフトロッド130は、クラッチ機構を構成するシフトカム131あるいはプッシュロッド132を介してクラッチドッグ128を作動させ、これによりプロペラシャフト122を正転又は逆転させる。
【0028】
エンジンブロックAにおいて、エンジン2は、図2、3に示すように、この例では6つの気筒が上下方向交互にV字に沿って順に配列され、各気筒においてクランクシャフト7側からクランクケース18、シリンダブロック19、シリンダヘッド20、及びシリンダヘッドカバー21が配置・結合される。このようにクランクシャフト7を基点して各気筒が左右(平面視)に拡開するV6エンジンでは、左右3気筒によりV型のシリンダバンクが形成される。このシリンダバンクには、インテークマニホールド22が配設される。
【0029】
シリンダブロック19の内部には、図3に示すように、各気筒毎にシリンダボア23が形成され、ピストン24が往復動可能に内嵌する。ピストン24はコンロッド25を介してクランクシャフト7のクランクピン7aに連結し、これによりシリンダボア23内のピストン24の往復運動がクランクシャフト7の回転運動に変換され、さらにエンジン2の出力としてドライブシャフト3に伝達される。
【0030】
シリンダヘッド20には、シリンダボア23に整合する燃焼室26とこの燃焼室26にそれぞれ連通するインテークポート27及びエクゾーストポート28が形成される。インテークポート27は上述したシリンダバンクのV字内側に開口し、燃焼室26との連通部がインテークバルブ29によって開閉制御される。この場合、インテークバルブ29は、カムシャフト30に設けたカム31によって駆動される。また、エクゾーストポート28はシリンダバンクのV字外側に開口し、燃焼室26との連通部がエクゾーストバルブ32によって開閉制御される。この場合、エクゾーストバルブ32は、カムシャフト33に設けたカム34によって駆動される。なお、この実施形態では、各気筒において吸気側及び排気側にそれぞれ2つのバルブを持つ4バルブであってよい。
【0031】
カムもしくはカムシャフト駆動機構として、上下方向に延設された2つのカムシャフト30の下端部に設けたスプロケットと、ドライブシャフト3の上端部に設けたスプロケットとの間にカムチェーン150を装架し、ドライブシャフト3及びカムシャフト30を連結する。この場合、吸気側及び排気側でそれぞれカムシャフト30及び33がチェーン等を介して相互に連結される。また、ドライブシャフト3の上端部とクランクシャフト7の下端部はリダクションギヤ35を介して連結され、したがってクランクシャフト7によって駆動されるドライブシャフト3の動力を利用して、カムシャフト30及びカムシャフト33を回転駆動し、これにより複数のカム31、34を同期駆動することができる。
【0032】
各気筒の燃焼室26の頂部には点火プラグ36が装着され、各インテークポート27にはインテークマニホールド22の吸気通路が繋がる。インジェクタ37からは、各インテークポート27の深部に向けて燃料が噴射されるようになっている。そして、シリンダ内で爆発・燃焼した燃焼ガスは、エクゾーストポート28から後述する排気通路38へ排出される。
【0033】
V6エンジンの左右3気筒それぞれにおいて、各エクゾーストポート28には、シリンダブロック19のシリンダボア23外側部に設けられた排気通路38が接続する。図4に示すように、排気通路38は上下方向に形成されており、各エキゾーストポート28からの排気ガスを集合させる。排気ガスは排気通路38を通ってエンジン2の下方に導かれ、ドライブシャフトハウジングB乃至ギヤハウジングC内に形成された排気通路を経て水中に排出される。
【0034】
図3に示すように、特にシリンダボア23及び排気系、すなわちエクゾーストポート28乃至排気通路38の周囲には、エンジンブロックAの上下方向に沿って冷却用のウォータジャケット39が付設形成される。ウォータジャケット39内を冷却水が流通するようになっているが、この場合、上述した冷却水ポンプ16によって水タンク13へ水を送り込み、水タンク13からウォータジャケット39へ水を送り出す。
【0035】
概略図1の矢印Dのようにウォータジャケット39内を流通した冷却水は、エンジンブロックAの頂部から排水パイプ40を通って、ドライブシャフトハウジングB乃至ギヤハウジングC内に形成された排水通路を経て水中に排出される。このように構成される冷却系において、図3に示すように、排水パイプ40はシリンダバンクのV字内側スペースにコンパクトに収容される。なお、排水パイプ40にはサーモスタット157が装着され、冷却水の流通を制御するようになっている。
【0036】
また、エンジンブロックAの下部には、図1に示すように、オイルポンプ158が取り付けられる。オイルポンプ158のオイル吸入口にはオイルパン14内に垂下されたオイル吸入パイプ159が接続するとともに、オイル吐出口にはオイル給送パイプが接続する。この潤滑系において、オイルパン4内のオイルをオイルポンプ158によって吸い上げ、オイル給送パイプを通ってそのオイルをエンジンブロックAの上部から供給する。潤滑オイルはエンジンブロックA内の主要潤滑箇所を潤滑し、その後オイルパン14内に回収される。
【0037】
吸気系において、エンジン2の中央部後方にはインテークマニホールド22を介してコレクタ41が設けられる。コレクタ41は典型的には合成樹脂材料により成形されたコレクタ本体42と、このコレクタ本体42に蓋着する金属製(典型的にはアルミニウム合金)カバー43が閉合してなる密閉構造を有し、上部の左右両側に設けたスロットルボディ44から空気を取り込むようになっている。スロットルボディ44から取り込んだ空気は、コレクタ41が備える可変吸気長システムにて高速用及び低速用通路に切り替えられる。
【0038】
スロットルボディ44にはバタフライ式のスロットルバルブ45が装着され、図1に示すように、コントロールレバー46によってスロットルバルブ45の開度を制御するようになっている。また、スロットルボディ44は、エンジンブロックAの上部後方に装着されたサイレンサ47内に開口し、その開口部にて船外機1外部から取り込んだ空気を矢印Eのようにサイレンサ47を経て取り込む。
【0039】
以下、本発明でいう電装品に相当するレギュレータ付き整流器の取付構造について説明する。
【0040】
まず、図5に示すように、クランクシャフト7の上端はエンジン2から突出しており、フライホイール(兼マグネトロータ)48が一体回転可能に設けられる。フライホイール48の内部にはマグネト式発電装置が配置される。すなわち、エンジン2側には放射状に延出する複数のポール49が固定されており、これらポール49にステータコイル50が設けられる。一方、フライホイール48の内周壁(ステータコイル50と対向する位置)には磁石51が配置される。そして、クランクシャフト7の回転に伴ってフライホイール48を回転させることにより、ステータコイル50に交流電気を発生させる。発電された交流電気は整流器にて整流(直流に変換)され、電気製品の電源及びバッテリ充電に使用される。電気を消費しない場合はバッテリを充電し、満充電によりバッテリ電圧がレギュレータの設定電圧以上となったときは熱エネルギーに変換されて廃棄される。
【0041】
上記の機能を果たすレギュレータ付き整流器を、ウォータジャケット39のうち主として排気通路38を冷却する目的で設けられたウォータジャケット39aの蓋部材52に取り付ける。図5に示すように、シリンダブロック19の側面には排気通路38と略平行にウォータジャケット39aを構成する凹部53が形成され、その凹部53を蓋部材52で閉塞することによりウォータジャケット39aが構成される。
【0042】
蓋部材52は、図6に示すように縦長の板形状とされ、複数のボルト54によりシリンダブロック19の側面に固定される。蓋部材52にはその長手方向3箇所で開口55が形成されており、各開口55の周囲にOリング56を装着するためのシール溝57が形成される。そして、この例では、図6に示すように、蓋部材52の3つの開口55のうち2つをレギュレータ付き整流器が内蔵された電装品ケース58で閉塞し、残り1つを蓋59で閉塞する。
【0043】
電装品ケース58や蓋59で開口55を閉塞する際には、シール溝57にOリング56を装着した状態で、これら電装品ケース58や蓋59をボルト60により固定する。なお、Oリング56を装着するためのシール溝57を電装品ケース58の裏面側に形成してもよいが、電装品ケース58(典型的にはダイカスト品)を薄肉化、軽量化するためには、シール溝57を蓋部材52に形成するのが望ましい。また、凹部27にOリング56を装着して蓋部材52と電装品ケース58の間をシールする構成以外に、パッキンやガスケットを用いてシールすることも可能である。
【0044】
電装品ケース58の側部からはレギュレータ付き整流器の接続端子61が導出され、ワイヤハーネス(リード線)を介して上述したマグネト式発電装置側に接続される。
【0045】
また、電装品ケース58の裏面には放熱体として複数枚の水冷フィン62が一体形成されており、電装品ケース58を蓋部材52に取り付けると、水冷フィン62がウォータジャケット39a内の冷却水に浸漬する。なお、これら水冷フィン62は冷却水の流れ方向に沿って配置される。
【0046】
ここで、図7に電装品ケース58の一具体例を示す。この例の電装品ケース58は略箱型とされ、冷却水に接する裏面側に水冷フィン62が一体形成される。略箱型の電装品ケース58の底部、すなわち冷却水に接する面の内側にはレギュレータ付き整流器63が設置される。さらに、レギュレータ付き整流器63の隣にはサーミスタ等の温度センサ64が配置される。そして、電装品ケース58内には、レギュレータ付き整流器63及び温度センサ64を覆うように防水用の樹脂材65が充填される。
【0047】
排気通路38の周辺は、冷却系になんらかの不具合が発生して冷却水が不足したような場合に、その不具合を温度変化(例えば絶対値や温度上昇勾配)として検出しやすい部位である。一般的には、排気通路38の周辺に単体で温度センサを配置することが多いが、本例のように電装品ケース58内に温度センサ64を収容することにより、部品点数や組付工数を削減して、軽量化、コストダウンを図ることができる。また、電装品(レギュレータ付き整流器63)自体のオーバーヒートを検出することも可能である。
【0048】
また、図7に示す例では、電装品ケース58の一端にカプラ連結部66を介してカプラ67が設けられる。電装品ケース58の側部からはレギュレータ付き整流器63や温度センサ64の接続端子61が樹脂材65内から導出され、カプラ67に接続する。上述したようにワイヤハーネス(リード線)方式とするのではなく、カプラ67による結合方式を採用することによりコンパクト化が可能である。
【0049】
蓋部材52に説明を戻して、図6に示すように、蓋部材52には電気防食用の犠牲金属からなるアノード68を装着するためのアノード装着部69が設けられる。アノード装着部69は台座70を備え、その中央に貫通穴71が形成される。図3に示すように、台座70にアノード支持体72を固定するとともに、アノード支持体72から突出するアノード(犠牲陽極)68を貫通穴71からウォータジャケット39a内の冷却水に浸漬させる。なお、アノード68はアノード支持体72にボルト等を介して取替可能に固定される。
【0050】
電装品ケース58は電食(腐食)防止のために表面処理を施すが、薄肉で水冷フィン62も形成された電装品ケース58のさらなる電食(腐食)防止のため蓋部材52と同一あるいは電位の高い金属(例えばアルミニウム合金)を材料とし、電位の低い亜鉛等の犠牲金属からなるアノード68を装着することにしたものである。海水に接する金属部材は、その金属材料の微妙な違いによっても電位差を生じ、電位の低い金属が海水中に溶出して腐食が進行することから、アノード68を犠牲にすることで電装品ケース58や蓋部材52の腐食を防止することができる。
【0051】
以上述べたように、ウォータジャケット39aの蓋部材52に開口55を形成し、その開口55をレギュレータ付き整流器63が内蔵された電装品ケース58で閉塞する構成とすることにより、レギュレータ付き整流器63と冷却水との伝熱経路が非常に短く、電装品ケース58が冷却水により直接的に冷却されるので冷却効果に優れる。特に、排気通路38は発熱量が大きいことから、排気通路冷却用のウォータジャケット39aは通路面積が大きく、十分な冷却水量が常に安定して供給されるように配慮されているので、このウォータジャケット39aをレギュレータ付き整流器63の冷却に利用することで、効率的な冷却効果を得ることができる。
【0052】
また、ウォータジャケット39aの蓋部材52等に、電装品を取り付けるためのボス部や設置部を一体形成するのではなく、開口55を形成して、その開口55を電装品を利用して閉塞するようにしたので、コンパクト化を図ることができる。
【0053】
しかも、十分な冷却効果を得ることができるので、電装品ケース58自体を従来品と比較して非常に小型化、軽量化させることができる。図8(b)には本実施形態で説明した水冷方式の電装品ケース58を示し、図8(a)には従来品である空冷方式の電装品ケースを示す。この図8からも明らかなように、本実施形態で説明した電装品ケース58は、空冷フィンよりも小さくて数も少ない水冷フィン62が形成されるだけであり、小型化、軽量化を図ることができる。また、空冷フィンに対する冷却風の経路を確保する必要がないので、他の部品配置の自由度を高めるとともに、ケース58外部に防水や美観(デザイン)のためのカバー等を配置することも可能である。
【0054】
さらに、蓋部材52には複数の開口55が形成されており、電装品を他のタイプのものに変更したり、電装品の数を増減させたりする場合に対応しやすく、汎用性が高い。例えば、複数の開口55のうち一部を電装品ケース58で閉塞し、残りを蓋59で閉塞すればよいので、電装品の数を任意に取り付けることができる。また、電装品ケース58の形状は必ずしも同一である必要はなく、Oリング56を密着する平面とボルト60のボルト穴の位置や寸法が確保されていれば、電装品ケース58自身の形状や大きさの変更は自由である。したがって、レギュレータ付き整流器63だけでなく、他のタイプの電装品を取り付けることも容易である。
【0055】
特に、船外機は、既述したように自動二輪車や自動車等のエンジンとは異なり、その用途や船体が特定されないで製造・販売される製品であり、ユーザが必要とする発電量は用途により大きく異なる。例えば船舶用の電気製品としては魚群探知機、GPS(Global Positioning System)、無線、オーディオ、電動ウインチ、ビルジポンプ、照明等があり、用途により多種多様で、多大な発電量が要求される業務用途もあれば、照明さえほとんど使用しない用途もある。エンジン出力を消費して発電された電気は、レギュレータの設定電圧以上となったときは熱エネルギーに変換されて廃棄されることから、燃費を悪化させるような不具合を招くおそれもある。
【0056】
本実施形態では、上記のような不具合を防止するため、例えば図5に示すように、マグネト式発電装置の全ポール49のうち半分にステータコイル50を設け(図中斜線部)、それに対応するレギュレータ付き整流器を蓋部材52に標準装備しておく。そして、用途に応じて必要ならば全ポール49にステータコイル50を設け、蓋部材52にレギュレータ付き整流器を増設する。
【0057】
あるいは、図9に示すように、最大発電量の1/2のステータコイル50を標準装備しておき、用途に応じてステータコイル50を追加する。
【0058】
図10には2系統充電の場合の構成例を示す。例えば、複数(2個)の発電コイル101、102を装備し、それぞれ独立して対応する複数(2個)のレギュレータ付き整流器を複数103、104を装備する。レギュレータ付き整流器103、104のうち1つはエンジンの始動及び制御電源となるバッテリ105に接続し、残りは船舶用電気製品(アクセサリ)用バッテリ106に接続することで、エンジン始動用バッテリ105の過放電(バッテリあがり)を気にすることなく船舶用電気製品を使用することができる。また、複数の発電コイル101、102の発電量は同一とせず、コイル巻線数を変更して発電量の割合や発電特性を変更して利用することもでき、用途に応じて電気製品用バッテリ106に接続する発電コイルを選択することも可能である。
【0059】
(他の実施の形態)
図11に示す例は、レギュレータ付き整流器を、クランクケース18に付設形成されたウォータジャケット73の蓋部材74に取り付けるものである。図3にも示すように、エンジン2の前方側、すなわちクランクケース18の正面中央には、上下方向に延びる***部75が形成される。この***部75の表面にはウォータジャケット73を構成する凹部76が形成され、その凹部76を蓋部材74で閉塞することによりウォータジャケット73が構成される。
【0060】
蓋部材74は、上記蓋部材52と同様に縦長の板形状とされる。蓋部材74の周囲8箇所にはボルト穴79が形成され、これらボルト穴79にボルトを設けることにより蓋部材74がクランクケース18の正面に固定される。蓋部材74の下部にはウォータジャケット73の冷却水の取入部77が、上部には排出部78がそれぞれ設けられる。
【0061】
蓋部材74にはその長手方向2箇所で開口55が形成されており、上記実施形態で説明したのと同様に、これら開口55をレギュレータ付き整流器が内蔵された電装品ケース58や蓋59で閉塞する。
【0062】
なお、図3では、便宜上、左右の排気通路38の周囲に配置されたウォータジャケット39a、及び、クランクケース18に配置されたウォータジャケット73のすべてにレギュレータ付き整流器を取り付ける例を図示したが、いずれかの個所のみを利用してもかまわない。
【0063】
以上、本発明を種々の実施形態とともに説明したが、本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、上記実施形態においてV型6気筒エンジンの例を説明したが、本発明は直列型エンジンに対しても有効に適用可能であり、気筒数も限定されるものではない。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ウォータジャケットの蓋部材に開口を形成し、その開口を電装品が設置されたケースで閉塞する構成としたので、電装品と冷却水との伝熱経路が非常に短く、電装品ケースが冷却水により直接的に冷却されるので冷却効果に優れ、コンパクトで汎用性の高い船外機の電装品取付構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】船外機1の全体構成例を示す側面図である。
【図2】船外機1の上部に配置されるエンジンブロックAの平面図である。
【図3】エンジン2の平面図である。
【図4】図3のD−D線断面図である。
【図5】マグネト式発電装置とレギュレータ付き整流器の関係を説明するための図である。
【図6】蓋部材52の正面図である。
【図7】電装品ケース58の一具体例を示す図である。
【図8】電装品ケースを示す図であり、(a)が従来品である空冷方式の電装品ケースを示す図、(b)が本実施形態で説明した水冷方式の電装品ケース58を示す図である。
【図9】マグネト式発電装置の他の例を説明するための図である。
【図10】2系統充電の場合の構成例を示す図である。
【図11】クランクケース18の正面図である。
【符号の説明】
1 船外機
2 エンジン
18 クランクケース
19 シリンダブロック
39(39a)、73 ウォータジャケット
52、74 蓋部材
53、76 凹部
55 開口
58 電装品ケース
59 蓋
62 水冷フィン
63 レギュレータ付き整流器
64 温度センサ
65 樹脂材
66 カプラ連結部
67 カプラ
68 アノード

Claims (9)

  1. エンジン冷却用のウォータジャケットを備えた船外機の電装品取付構造であって、
    上記ウォータジャケットは、凹部を蓋部材で閉塞することで構成される一方、上記蓋部材は縦長の板形状であって、長手方向上部に開口を形成し、この開口を電装品が設置された電装品ケースで閉塞すると共に、犠牲金属を上記ウォータジャケット内の冷却水に浸漬させる貫通穴を上記開口の下方に形成し、犠牲金属が取付けられた犠牲金属支持体で上記貫通穴を閉塞するように構成したことを特徴とする船外機の電装品取付構造。
  2. 上記ウォータジャケットは上記エンジンの排気通路の周囲に配置された排気通路冷却用であることを特徴とする請求項1に記載の船外機の電装品取付構造。
  3. 上記ウォータジャケットは上記エンジンのクランクケースに配置されたクランクケース冷却用であることを特徴とする請求項1に記載の船外機の電装品取付構造。
  4. 上記蓋部材には上記開口が複数形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の船外機の電装品取付構造。
  5. 上記電装品ケースには上記電装品とともに温度センサが設置されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の船外機の電装品取付構造。
  6. 上記電装品ケースには上記ウォータジャケット内の冷却水に浸漬される放熱体が一体形成されることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の船外機の電装品取付構造。
  7. 上記電装品ケースは略箱型であり、その底部に設置された電装品を防水用の樹脂材で覆うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の船外機の電装品取付構造。
  8. 上記電装品ケースには上記電装品に接続するカプラが設けられることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の船外機の電装品取付構造。
  9. 上記複数の開口のうち少なくとも2つを整流器が設置された電装品ケースでそれぞれ閉塞し、上記整流器を互いに別系統としたことを特徴とする請求項4に記載の船外機の電装品取付構造。
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