JP4129547B2 - 震動変位計算精度の向上手段 - Google Patents

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Description

この発明は被計測対象の構造物の震動による歪みや基準位置からの変位等の震動変位を計測する場合の測位計算精度の向上手段に関するものである。
橋梁や加震機上に乗せられた建物等の構造物の震動変位を計測することは、構造物の耐震性向上や疲労破壊防止等の研究に大変有用である。この震動変位を計測するためには、構造物全体に分布する複数の計測点の位置を精密に測定する必要があるが、例えばビルの壁面の揺れを解析する場合の計測点は一般に広範囲に分散して存在している。従来の測位装置として、例えば特許文献1に記載されているように、電波を用いて被計測対象の構造物の震動変位を計測するものがある。
図8は上記特許文献1に記載された従来の測位装置の構成図である。この測位装置は、計測点毎に設けられて互いに異なる周波数の電波を送信する複数の送信機1と、互いに異なる位置に配置された複数の受信アンテナ3と、複数の受信アンテナ3のなかの2つの受信アンテナ3に係る少なくとも3つの異なる組み合わせについて、送信機1から送信される異なる周波数の電波毎に、それぞれの組み合わせに係る2つの受信アンテナ3間での受信電波の位相差を検出する位相差検出手段14と、送信機1から送信される異なる周波数の電波毎に、2つの受信アンテナ3に係る少なくとも3つの異なる組み合わせについての位相差からそれぞれ導かれる少なくとも3つの等位相面の交点を求めて、当該周波数の電波を送信する送信機1の位置を推定する測位計算手段16等を備えたものである。なお、図8では、位相差検出手段14と測位計算手段16により測位信号処理装置7が構成されている。
この測位信号処理装置において、複数の受信アンテナ3からの受信信号はA/D変換器6によりディジタル変換され、位相差検出手段14はディジタル受信信号ri とrj の位相差Δφij(i,j∈[1,・・・,M],i≠j)を算出する。測位計算手段16は、複数の位相差Δφijから得られる次式の連立方程式を解くことにより、計測点の位置、すなわち移動する送信機1の位置p=[x,y,z]を推定する。
Figure 0004129547
ここに、qi =[Xi ,Yi ,Zi ]は第i受信アンテナの位置を、qj =[Xj ,Yj ,Zj ]は第j受信アンテナの位置を、λは電波の波長を、kijは整数値バイアスを、Mは受信アンテナの個数を示す。なお,整数値バイアスkijは位相差2πのアンビギュィティ(曖昧さ)を表しているが、観測された各位相差を積算した位相差積算値を追尾すること等により整数値バイアスkijは決定される。
特開2001−272448号公報(段落0007)
従来の測位信号処理装置は以上のように構成され、上記式(1)の関係は受信信号が送信機1からの直接波のみからなる理想状態を前提にしている。ところが、このような測位信号処理装置を屋内やビル街、又は山岳地帯等で用いる場合には、受信アンテナ3には送信機1からの直接波に加えてマルチパス波(反射波)も受信される場合がある。このマルチパス波の干渉により位相差の観測値に誤差が生じる。この位相差の観測誤差が大きい場合には計測点の位置の推定精度が大幅に劣化するという課題があった。
また、位相差の観測誤差が大きいと位相差積算値の追尾処理を誤り、真の値からずれた整数値バイアスkijを用いて上記式(1)を解くことになり、推定された計測点の位置に大きなバイアス誤差を生じてしまう恐れがあるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、マルチパス波等の干渉が生じる場合でも、計測点の位置の推定精度の劣化を低減することができる測位計算精度の向上手段を得ることを目的とする。
この発明に係る震動変位計算精度の向上手段は、計測点の位置から送信された電波を受信する各受信アンテナからの受信信号の受信電力レベルを算出する受信電力算出手段と、算出された各受信信号の受信電力レベルを記憶する記憶手段と、各受信信号について、上記受信電力算出手段により算出された現時刻の受信電力レベルと、上記記憶手段に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルから求めたしきい値とを比較し、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定する判定手段と、2つの受信アンテナからの受信信号の位相差を検出する位相差検出手段と、上記判定手段の判定結果に基づき、上記位相差検出手段により検出された位相差の中から、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号に関する位相差を選択する位相差選択手段と、選択された位相差により計測点の位置を推定する測位計算手段とを備えたものである。

この発明は、マルチパス波等の干渉が生じる場合でも、3次元空間の計測点の位置の推定精度の劣化を低減することができるという効果がある。
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による測位計算精度の向上手段を実現する測位装置の構成図である。図1に示すように、構造物の壁面等の被計測対象である3次元空間の計測点の位置に電波を送信する送信機1と送信アンテナ2が設置されている。また、互いに異なる位置に計測点の位置から送信された電波を受信するM個の受信アンテナ3が配置され、複数の受信アンテナ3の中の少なくとも3つの異なる組み合わせの2つの受信アンテナ3に周波数変換を行うダウンコンバータ5がそれぞれ接続され、2つのダウンコンバータ5には局発信号を出力する局部発信器4が接続されている。さらに、各ダウンコンバータ5は、アナログの受信信号rm (m=1,・・・,M)からディジタルの受信信号rm に変換するA/D変換器6を介して、3次元空間の計測点の位置を推定する測位信号処理装置7に接続され、測位信号処理装置7は表示手段8に接続されている。
図1の測位信号処理装置7は、A/D変換器6からのディジタルの各受信信号rm の受信電力レベルを算出する受信電力算出手段11、受信電力算出手段11により算出された各受信信号rm の受信電力レベルを記憶する記憶手段12、各受信信号rm について、受信電力算出手段11により算出された現時刻の受信電力レベルと、記憶手段12に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルの平均値から求めたしきい値とを比較して、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定する判定手段13を備えている。
また、測位信号処理装置7は、2つの受信アンテナ3からの受信信号rm の位相差、すなわち、A/D変換器6からのディジタルの受信信号ri とディジタルの受信信号rj の位相差Δφij(i,j∈[1,・・・,M],i≠j)を検出する位相差検出手段14、判定手段13の判定結果に基づき、位相差検出手段14により検出された位相差Δφijの中から、現時刻の受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφijを選択する位相差選択手段15、位相差選択手段15により選択された位相差Δφijにより上記式(1)を用いて3次元空間の計測点の位置pを推定する測位計算手段16を備えている。なお、位相差検出手段14aに入力されるディジタルの受信信号r1 とr2 は、それぞれ他の位相差検出手段14に入力される。他のディジタルの受信信号rm についても同様である。
なお、上記式(1)により3次元空間の計測点の位置p=[x,y,z]を推定する場合には、未知変数が3個であるから、3個の方程式、すなわち最低4個の受信アンテナ3を用いれば済むが、ここでは、測位装置が冗長性を有し、受信アンテナ3の個数M>4個の場合を想定する。
図2はマルチパス波の干渉による受信アンテナ3の受信電界ベクトルを説明する図である。図2において、横軸は受信電界ベクトルの実数部(Re)で、縦軸は虚数部(Im)である。図2(a)はマルチパス波が送信アンテナ2からの直接波に比較して小さなレベルの場合を示し、図2(b)はマルチパス波が送信アンテナ2からの直接波に比較して大きなレベルで、かつ、マルチパス波の電界ベクトルが直接波の電界ベクトルと逆位相に近い場合を示している。
図2(a)に示すように、マルチパス波が小さなレベルである場合には、受信アンテナ3の合成された受信電界ベクトルは、直接波の電界ベクトルと大きく異ならないので、位相差検出手段14により算出された位相差Δφijの観測誤差は比較的小さい。一方、図2(b)に示すように、マルチパス波が大きなレベルで、かつ、マルチパス波の電界ベクトルが直接波の電界ベクトルと逆位相に近い場合には、受信アンテナ3の合成された受信電界ベクトルの長さは小さくなる。このとき、受信電力レベルがノイズ電力レベルと同等以下になると、受信信号rm から観測される位相値は、ほとんどノイズのランダムな位相になり正確な値が得られない。その結果、位相差検出手段14により算出された位相差Δφijの観測誤差は増大し測位精度が大幅に劣化する。
図3は受信電力算出手段11が算出する受信電力レベルの時間的変化を示す図である。3次元空間の計測点の位置が震動変位するに従ってマルチパスが強くなる位置にきたときに、上記のように受信電力レベルが小さくなるので、ある受信アンテナ3の受信信号rm の受信電力レベルは、3次元空間の計測点の震動変位の時間経過に伴って図3に示すように変化する。従って受信電力レベルが低下せずにしきい値より大きな受信信号rm を使用すると、位相差Δφijの大きな観測誤差を受けなくて済む可能性が高い。
そこで、この実施の形態1では、図1に示す構成により、受信電力レベルが過去の時刻の受信電力レベルの平均値から求めたしきい値より小さい場合に、その受信アンテナ3の受信信号rm から算出された位相差Δφijの観測値を使用せずに、残りの位相差Δφijの観測値のみで測位処理を行う。
次に動作について説明する。
図1において、3次元空間の計測点に設置された送信機1と送信アンテナ2から所定の周波数の電波が送信され、互いに異なる位置に配置されたM個の受信アンテナ3により受信されて受信信号rm が得られる。
複数の受信アンテナ3の中の少なくとも3つの異なる組み合わせの2つの受信アンテナ3に接続されたダウンコンバータ5は、局部発信器4からの局発信号により受信信号rm の周波数変換を行い、A/D変換器6はアナログの受信信号rm からディジタルの受信信号rm に変換して測位信号処理装置7に出力する。図1では、受信アンテナ3−1,3−2、局部発信器4、ダウンコンバータ5−1,5−2、A/D変換器6−1,6−2の1組しか図示されておらず、A/D変換器6−1,6−2からの受信信号r1 ,r2 を測位信号処理装置7に出力しているが、少なくとも3つの異なる組み合わせからの受信信号ri ,rj を測位信号処理装置7に出力する。
測位信号処理装置7において、受信電力算出手段11はA/D変換器6からのディジタルの受信信号rm の各時刻の受信電力レベルを算出し、算出された受信電力レベルは記憶手段12に記憶される。判定手段13は、受信電力算出手段11により算出された現時刻の受信電力レベルと、記憶手段12に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルの平均値から求めたしきい値とを比較して、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定し、例えば受信電力レベルがそれぞれのしきい値より小さい受信信号rm の番号を位相差選択手段15と測位計算手段16に通知する。
位相差検出手段14はA/D変換器6からのディジタルの受信信号ri とディジタルの受信信号rj の位相差Δφij(i,j∈[1,・・・,M],i≠j)を検出して位相差選択手段15に出力する。位相差選択手段15は、位相差検出手段14により検出された位相差Δφijの中から、判定手段13の判定結果に基づき、現時刻の受信電力レベルがそれぞれのしきい値より小さい受信信号rm に関する位相差Δφijを削除し、現時刻の受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφijを選択して測位計算手段16に出力する。
測位計算手段16は、判定手段13の判定結果に基づき、位相差選択手段15が選択した位相差Δφijの観測値のみに関する連立方程式の上記式(1)を解いて3次元空間の計測点の位置p=[x,y,z]を推定する。なお、上記式(1)において、(Δφij+2πkij)は測位計算手段16が各時刻の位相差Δφijを積算した位相差積算値であり、整数値バイアスkijは既知の初期値から位相差積算値を追尾すること等により決定可能な整数値である。推定された3次元空間の計測点の位置p=[x,y,z]は表示手段8に出力されて表示される。
例として、受信アンテナ3の個数M=6で、位相差Δφijの観測値として、受信信号r1 ,r2 ,r3 ,r4 ,r5 ,r6 により観測された位相差Δφ12,Δφ23,Δφ34,Δφ45,Δφ56が得られる場合で説明する。このとき、判定手段13による判定の結果、受信アンテナ3−4の受信信号r4 の受信電力レベルがしきい値より小さかったとする。この場合、判定手段13はしきい値より小さい受信信号r4 を位相差選択手段15と測位計算手段16に通知する。位相差選択手段15は受信信号r1 ,r2 ,r3 ,r5 ,r6 により観測された位相差Δφ12,Δφ23,Δφ56を選択して測位計算手段16に出力し、測位計算手段16は次の式(2)、式(3)、式(4)による3連立方程式により3次元空間の計測点の位置p=[x,y,z]を推定する。
Figure 0004129547
さらに、別の時刻になり、判定手段13による判定の結果、受信信号r2 の受信電力レベルがそのしきい値より小さい場合には、測位計算手段16は位相差選択手段15により選択された位相差Δφ34,Δφ45,Δφ56から3次元空間の計測点の位置p=[x,y,z]を推定する。
以上のように、この実施の形態1によれば、受信電力算出手段11が受信信号rm の受信電力レベルを算出し、判定手段13が受信電力算出手段11により算出された現時刻の受信電力レベルと、記憶手段12に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルの平均値から求めたしきい値とを比較して、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定し、位相差検出手段14が異なる2つの受信アンテナ3からの受信信号rm の位相差Δφijを検出し、位相差選択手段15が、位相差検出手段14により検出された位相差Δφijの中から、判定手段13の判定結果に基づき現時刻の受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφijを選択し、測位計算手段16が位相差選択手段15により選択された位相差Δφijにより3次元空間の計測点の位置pを推定することにより、マルチパス波等の干渉が生じる場合でも、3次元空間の計測点の位置pの推定精度の劣化を低減することができるという効果が得られる。
なお、上記実施の形態1では、判定手段13が受信電力レベルを判定する際に使用するしきい値を過去の受信電力レベルの平均値から求めているが、しきい値より小さな時点のデータは除外した平均値からしきい値を求めても良く、より安定した判定を行うことができる。また、しきい値を一定時間の移動平均から求めも良く、さらに、直接波の受信電力レベルが予め概算できる場合には、その値に基づいてしきい値を決定しても良い。
また、上記実施の形態1では、しきい値の設定を受信アンテナ3毎に設定したが、各受信信号rm の直接波の受信レベルが均一である場合は、全体の受信アンテナ3で共通のしきい値を設定しても良い。また、各受信アンテナ3の受信信号rm の直接波の受信レベルが均一である場合は、時間平均の代わりに、各受信アンテナ3の受信信号rm の受信電力レベルの平均値をしきい値としても同様な効果が得られる。
さらに、上記実施の形態1では、位相差選択手段15が観測する位相差Δφijを選択しているが、位相差検出手段14に入力される受信電力レベルが小さい受信信号rm を、受信電力レベルが大きい受信信号rm に切り替えるような構成でも構わない。
さらに、上記実施の形態1では、観測した位相差Δφijを選択して3次元空間の計測点の位置pの計算を実行するように構成しているが、各受信信号rm の受信電力レベルに比例した重み付けを掛けて、上記式(1)の連立方程式の重み付け最小二乗解を、3次元空間の計測点の位置pとして出力することもできる。
なお、上記実施の形態1では,受信信号rm 間の位相差Δφijから3次元空間の計測点の位置pを推定しているが、受信信号rm 間の到来時間差から求めることも可能である。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2による測位計算精度の向上手段を実現する測位信号処理装置の構成図である。この測位信号処理装置7は、上記実施の形態1の図1に示す測位信号処理装置7に平滑手段17を追加したものである。この平滑手段17は、位相差検出手段14からの位相差Δφijを入力し、判定手段13の指示に基づき、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφijをそのまま位相差選択手段15に出力すると共に、予め設定された所定時間(観測周期×サンプル数)内で受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号rm に関する位相差Δφijに対して、位相差選択手段15に出力せずに、受信電力レベルがしきい値より大きかった過去の受信信号rm に関する位相差Δφijを積算した位相差積算値を追尾処理(メモリトラック)して求めた平滑化推定された位相差Δφijを位相差選択手段15に出力する。
また、図4において、判定手段13は、受信電力算出手段11により算出された現時刻の受信電力レベルと、記憶手段12に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルの平均値から求めたしきい値とを比較して、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定し、ある受信信号rm の受信電力レベルが、予め設定された所定時間(観測周期×サンプル数)内の時間で、しきい値より小さくなったときに、その受信信号rm に関する平滑手段17に対して、位相差検出手段14からの位相差Δφijを出力せずに、平滑化推定された位相差Δφijを出力するよう指示を出すと共に、位相差選択手段15に平滑手段17から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφij及び平滑化推定された位相差Δφijを選択するよう指示を出す。
また、判定手段13は、判定の結果、ある受信信号rm の受信電力レベルが、予め設定された所定時間(観測周期×サンプル数)以上の時間で、継続してしきい値より小さいときに、判定手段12は、その受信信号rm に関する平滑手段17に対して平滑化推定された位相差Δφijを出力するよう指示を出すが、位相差選択手段15に対して、平滑手段17から出力された平滑化推定された位相差Δφijを選択せずに、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差Δφijのみを選択するよう指示を出す。
その他の受信電力算出手段11、記憶手段12、位相差検出手段14、測位計算手段16は、上記実施の形態1の図1に示す測位信号処理装置7と同じである。
次に動作について説明する。
計測点の位置を正しく推定するためには、上記式(1)中の位相差積算値(Δφij+2πkij)における位相差Δφijのみならず、整数値バイアスkijも正確に推定する必要がある。
図5は受信信号の受信電力レベルの時間的変化と計測点の位置の変位が地震等により往復運動を取る場合の位相差積算値の時間的変化の例を示す図である。図5において、白丸の点は受信電力レベルがしきい値より大きい場合に測位計算手段16が位相差検出手段14からの観測された位相差Δφijを用いて積算した位相差積算値(Δφij+2πkij)であり、黒三角の点は受信電力レベルがしきい値より小さい場合に測位計算手段16が位相差検出手段14からの観測された誤差の大きな位相差Δφijを用いて積算した位相差積算値(Δφij+2πkij)であり、白三角の点はそれ以降の整数値バイアスを誤った位相差積算値(Δφij+2πkij)であり、黒丸の点は受信電力レベルがしきい値より小さい場合に測位計算手段16が平滑手段17により過去の位相差Δφijに基づき平滑推定された位相差Δφijを用いて積算した位相差積算値(Δφij+2πkij)である。
計測点の位置の変位が地震等により往復運動を取る場合には、計測点の位置は初期位置より片方向へ変位を開始し、そのとき、送信機1と2つの受信アンテナ3間の位相差について考えた場合、送信機1と一方の受信アンテナ3の距離差が広がる方向に変位すれば、図5の白丸の点で示すように、測位計算手段16が求める位相差積算値(Δφij+2πkij)は大きくなる方向に変化する。そこから計測点の位置が逆方向へ変位した場合には、初期位置に戻るまで送信機1と受信アンテナ3間の距離差が縮まる方向に変位し、測位計算手段16が求める位相差積算値(Δφij+2πkij)は小さくなる方向に変化する。
受信電力レベルがしきい値より大きい場合には、測位計算手段16が位相検出手段14から出力された位相差Δφijを積算した位相差積算値(Δφij+2πkij)は、図5の白丸の点で示すように変化するが、マルチパス等により受信電力レベルがしきい値より小さくなった場合には、ノイズ電力レベルと同等以下となり、位相差検出手段14から出力された位相差Δφijは瞬時に大きな誤差を生じてしまい、測位計算手段16が誤差を生じた位相差Δφijをそのまま単純に積算し続けると、位相差積算値(Δφij+2πkij)は図5の黒三角や白三角の点で示すように、受信電力レベルが回復した後の時間でも大きな誤差を生じてしまい、整数値バイアスkijを大きく誤る恐れがある。
このような受信電力レベルが一旦低下した受信信号rm に関係する位相差積算値(Δφij+2πkij)をその後使用しなければ一時的には問題ないが、いずれ他の受信信号rm もマルチパスにより受信電力レベルが小さくなってしまうと、最後には受信信号数が不足してしまい計測点の位置が決定できなくなる。
そこで、この実施の形態2では、受信電力レベルが小さくなった場合に、位相差検出手段14から出力された位相差Δφijの代わりに、過去の位相差Δφijに基づき平滑化推定された位相差Δφijを用いて位相差積算値(Δφij+2πkij)を補間することにより整数値バイアスkijを正しく決定する。
図4において、判定手段13は、受信電力算出手段11により算出された現時刻の受信電力レベルと、記憶手段12に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルの平均値から求めたしきい値とを比較して、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定し、ある受信信号rm の受信電力レベルが、予め設定された所定時間(観測周期×サンプル数)内の時間で、しきい値より小さくなっているときに、その受信信号rm に関する平滑手段17に対して、位相差検出手段14からの位相差Δφijを出力せずに、平滑化推定された位相差Δφijを出力するよう指示を出すと共に、位相差選択手段15に対して平滑手段17から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφij及び平滑化推定された位相差Δφijを選択するよう指示を出す。
平滑手段17は、位相差検出手段14からの位相差Δφijを入力し位相差選択手段15に出力するが、判定手段13により指示された受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号rm に関する該当の平滑手段17は、位相差検出手段14からの位相差Δφijを出力せずに、受信電力レベルがしきい値より大きかった過去の受信信号rm による位相差Δφijを積算した位相差積算値を追尾処理(メモリトラック)して求めた平滑化推定された位相差Δφijを位相差選択手段15に出力する。位相差選択手段15は、判定手段13の指示に基づき、平滑手段17から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφij及び平滑化推定された位相差Δφijを選択して測位計算手段16に出力する。
測位計算手段16は、位相差選択手段15から出力された位相差Δφijを用いて位相差積算値(Δφij+2πkij)を求める。ここで、受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号rm に対しては、平滑手段17により平滑化推定された位相差Δφijを用いて予測補間することにより位相差積算値(Δφij+2πkij)を求めている。すなわち図5に示すように、受信電力レベルがしきい値より小さい場合に、平滑手段17により平滑化推定された位相差Δφijを用いて積算した黒丸の点で示す位相差積算値(Δφij+2πkij)を求めている。そして、測位計算手段16は、平滑化推定された位相差Δφijを用いて求めた位相差積算値(Δφij+2πkij)から整数値バイアスkijを正しく決定し、上記式(1)を用いて3次元空間の計測点の位置p=[x,y,z]を推定する。
また、判定手段13は、引き続いて受信電力算出手段11により算出された現時刻の受信電力レベルと、記憶手段12に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルの平均値から求めたしきい値とを比較して、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定し、ある受信信号rm の受信電力レベルが、予め設定された所定時間(観測周期×サンプル数)以上の時間で、継続してしきい値より小さい場合に、判定手段13は、その受信信号rm に関する平滑手段17に対して、平滑化推定された位相差Δφijを出力するよう指示を出すが、位相差選択手段15に対して、平滑手段17から出力された平滑化推定された位相差Δφijを選択せずに、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差Δφijのみを選択するよう指示を出す。
ここで、判定手段13が位相差選択手段15に対して受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差Δφijのみを選択するよう指示を出すのは、受信電力レベルが小さくなった時間が観測周期に比べて長く継続した場合には、平滑手段17によるメモリトラックが無効になり、平滑化推定された位相差Δφijに大きな誤差が生じてしまうためである。
位相差選択手段15は、判定手段13の指示に基づき、平滑手段17から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差Δφijのみを選択して測位計算手段16に出力する。測位計算手段16は位相差選択手段15から出力された位相差Δφijを用いて位相差積算値(Δφij+2πkij)を求めて整数値バイアスkijを決定し、上記式(1)を用いて3次元空間の計測点の位置p=[x,y,z]を推定する。
その他の動作は上記実施の形態1と同様である。
以上のように、この実施の形態2によれば、マルチパス等により受信電力レベルがしきい値より小さくなり、観測された位相差Δφijが瞬時に大きな誤差を生じる場合でも、平滑手段17により過去の位相差Δφijに基づき平滑化推定された位相差Δφijを用いて位相差積算値(Δφij+2πkij)を補間することにより、整数値バイアスkijを正しく決定して正確に計測点の位置を推定できると共に、一度、受信電力レベルが小さくなった受信信号rm について、その後、予め設定された所定時間(観測周期×サンプル数)内に受信電力レベルがしきい値より大きくなって回復した場合には、それまでの位相差積算値(Δφij+2πkij)を補間して求めていることにより、受信電力レベルが回復後の位相差Δφijを正しく積算することができ、マルチパスにより受信信号rm の受信電力レベルが一時的に次々に小さくなって最後には受信信号数が不足するということを避けるができるという効果が得られる。
なお、この実施の形態2では、判定手段13が予め設定された所定時間(観測周期×サンプル数)を管理し、管理している所定時間内か又は所定時間以上かにより平滑手段17及び位相差選択手段15を制御しているが、判定手段13が、測位計算手段16により推定された受信電力レベルが小さくなる前の計測点の位置と受信電力レベルが小さくなった後の計測点の位置との位置変化量を算出し、算出した位置変化量が予め設定された所定のしきい値以下か又は所定のしきい値以上かにより平滑手段17及び位相差選択手段15を制御しても良い。
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3における測位信号処理装置の構成図である。この測位信号処理装置7は、上記実施の形態1の図1に示す測位信号処理装置7に、平滑手段17と位相差推定手段18とを追加したもので、その他の構成は上記実施の形態1の図1に示す測位信号処理装置7と同じである。
ここで、位相差推定手段18は、測位計算手段16が受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφijを用いて推定した計測点の位置p=[x,y,z]を入力し、受信電力レベルがしきい値より小さい各受信信号rm に関する位相差Δφijを推定する。また、平滑手段17は、位相差検出手段14からの位相差Δφijを入力し、判定手段13の指示に基づき、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφijをそのまま位相差選択手段15に出力し、受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号rm に関する位相差Δφijについては、位相差選択手段15に出力せずに、位相差推定手段18により推定された位相差Δφijを平滑化推定された位相差Δφijとして位相差選択手段15に出力する。
次に動作について説明する。
図7は受信信号の受信電力レベルの時間的変化と計測点の位置の変位が地震等により往復運動を取る場合の位相差積算値の時間的変化の例を示す図であり、上記実施の形態2の図5よりも受信信号rm の受信電力レベルがしきい値より小さくなる時間が観測周期に対して長い場合を示している。
上記実施の形態2では、受信電力レベルがしきい値より小さいと判断した受信信号rm に対して、平滑手段17は、受信電力レベルがしきい値より大きかった過去の位相差積算値を追尾処理(メモリトラック)することにより求めた平滑化推定した位相差Δφijを出力していたが、図7に示すように、受信電力レベルが小さくなった時間が観測周期に比べて長い場合には、平滑手段17によるメモリトラックが無効になり、測位計算手段16が求める整数値バイアスに誤差が生じて計測点の位置を正確に推定できない恐れがある。
そこで、この実施の形態3では、受信電力レベルがしきい値より小さい場合には、平滑手段17は、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm による位相差Δφijを用いて推定された計測点の位置p=[x,y,z]から位相差推定手段18が求めた位相差Δφijを出力することにより、測位計算手段16が整数値バイアスkijを正しく決定し正確に計測点の位置を推定するものである。
図7において、白丸の点は受信電力レベルがしきい値より大きい場合に測位計算手段16が位相差検出手段14からの観測された位相差Δφijを用いて積算した位相差積算値(Δφij+2πkij)であり、黒三角の点は受信電力レベルがしきい値より小さい場合に測位計算手段16が位相差検出手段14からの観測された誤差の大きな位相差Δφijを用いて積算した位相差積算値(Δφij+2πkij)であり、白三角の点はそれ以降の整数値バイアスを誤った位相差積算値(Δφij+2πkij)であり、黒丸の点は受信電力レベルがしきい値より小さい場合に測位計算手段16が平滑手段17からの位相差推定手段18により推定された位相差Δφijを用いて積算した位相差積算値(Δφij+2πkij)である。
測位信号処理手段7において、判定手段13は、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定し、ある受信信号rm の受信電力レベルがしきい値より小さくなったときに、平滑手段17に対し位相差検出手段14からの位相差Δφijをそのまま位相差選択手段15に出力しないよう指示を出すと共に、位相差選択手段15に受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差Δφijのみを選択するよう指示を出す。
位相差選択手段15は、判定手段13の指示に基づき、平滑手段17から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差検出手段14からの位相差Δφijを選択して測位計算手段16に出力する。測位計算手段16は、判定手段13の指示に基づき、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差Δφijを用いて位相差積算値(Δφij+2πkij)を求め、整数値バイアスkijを決定して計測点の位置pを推定し、計測点の位置pを推定したことを判定手段13に通知する。
位相差推定手段18は、推定された計測点の位置pより計測点の送信アンテナ2と各受信アンテナ3までの距離を算出し,その距離から受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号rm に関する位相差積算値(Δφij+2πkij)を求めて位相差Δφijを推定し、推定した位相差Δφijを受信電力レベルがしきい値より小さくなった受信信号rm に関する平滑手段17に出力する。該当の平滑手段17は、位相差推定手段18より出力された位相差Δφijを記憶して次の観測周期のタイミングに備える。
次の観測周期のタイミングで、受信電力レベルがしきい値より小さい状態が継続している場合、判定手段13は、該当の平滑手段17に対して,位相差検出手段14からの位相差Δφijではなく、位相差推定手段18により推定された位相差Δφijを出力するように指示を出すと共に、位相差選択手段15に対して、平滑手段17から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφij及び平滑化推定された位相差Δφijを選択するように指示する。
平滑手段17は、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm による位相差Δφijをそのまま位相差選択手段15に出力し、受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号rm に関する位相差Δφijについては、位相差選択手段15に出力せずに、位相差推定手段18により推定された位相差Δφijを平滑化推定された位相差Δφijとして位相差選択手段15に出力する。
位相差選択手段15は、判定手段13からの指示に基づき、平滑手段17から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm に関する位相差Δφij及び平滑化推定された位相差Δφijを選択して測位計算手段16に出力する。測位計算手段16は、判定手段13からの指示に基づき、整数値バイアスの決定には推定された位相差も用いるが、測位処理には測位精度を高めるために受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm から得られた位相差Δφijのみにより計測点の位置pを推定する。
位相差推定手段18は、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm による位相差Δφijを用いて測位計算手段16により推定された計測点の位置p=[x,y,z]から、計測点の送信アンテナ2と各受信アンテナ3までの距離を算出し、その距離から位相差積算値(Δφij+2πkij)を推定して位相差Δφijの追尾を継続する。
その後、受信電力レベルがしきい値より大きくなって回復した場合には、判定手段13は、平滑手段17に対して位相差検出手段14からの位相差Δφijを位相差選択手段15に出力するよう指示し、位相差選択手段15に対して、全ての平滑手段17からの位相差Δφijを選択するよう指示する。
その他の動作は上記実施の形態1と同様である。
次に、例えば受信アンテナ3の個数M=6の場合で、位相差検出手段14から出力される観測された位相差として、Δφ12,Δφ23,Δφ34,Δφ45,Δφ56が得られるが、第4の受信アンテナ3−4の受信信号r4 がしきい値より小さかった場合の動作を説明する。
この場合、判定手段13は、平滑手段17に対してしきい値より小さい第4の受信信号r4 に関連する位相差Δφ34,Δφ45を出力しないように指示し、それ以外のしきい値より大きい受信信号に関連する位相差Δφ12,Δφ23,Δφ56を出力するよう指示し、位相差選択手段15に対してしきい値より大きい受信信号に関連する位相差Δφ12,Δφ23,Δφ56を選択するよう指示する。位相差選択手段15は観測された位相差Δφ12,Δφ23,Δφ56を測位演算手段16に出力し、測位演算手段16は上記のようにΔφ12,Δφ23,Δφ56によって決定される式(2)〜(4)の連立方程式により計測点の位置p=[x,y,z]を推定する。
位相差推定手段18は、この推定された位置p=[x,y,z]を入力し、位相差積算値(Δφ34+2πk34),(Δφ45+2πk45)をそれぞれ上記式(1)を変形した次の式(5)、式(6)から推定する。
Figure 0004129547
上記式(5)、式(6)において、右辺の{ }内の値が、観測された他の受信信号の位相差Δφ12,Δφ23,Δφ56より推定した計測点の位置p=[x,y,z]に基づき推定した送信アンテナ2と各受信アンテナ3までの距離を示している。位相差推定手段18は、推定した位相差積算値(Δφ34+2πk34),(Δφ45+2πk45)より、位相差Δφ34,Δφ45を求めて該当する平滑手段17に出力する。
該当の平滑手段17は位相差推定手段18により推定された位相差Δφ34,Δφ45をそれぞれ出力し、位相差Δφ34,Δφ45は位相差選択手段15により選択されて測位演算手段16に出力され、測位演算手段16は、位相差Δφ34,Δφ45を用いて、図7の黒丸の点に示すように、位相差積算値(Δφ34+2πk34),(Δφ45+2πk45)を求めて、整数値バイアスを正しく決定し、計測点の位置p=[x,y,z]を推定する。
以上のように、この実施の形態3によれば、マルチパス等により受信電力レベルがしきい値より小さくなり、観測された位相差Δφijが比較的長い時間で大きな誤差を生じる場合でも、位相差推定手段18が、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号rm による位相差Δφijを用いて推定された計測点の位置p=[x,y,z]から位相差Δφijを推定し、測位計算手段16が、推定された位相差Δφijを用いて位相差積算値(Δφij+2πkij)を補間することにより、整数値バイアスkijを正しく決定して正確に計測点の位置を推定できると共に、一度、受信電力レベルが小さくなった受信信号rm について、その後、受信電力レベルがしきい値より大きくなって回復した場合には、それまでの位相差積算値(Δφij+2πkij)を補間して求めていることにより、受信電力レベルが回復後の位相差Δφijを正しく積算することができ、マルチパスにより受信信号rm の受信電力レベルが一時的に次々に小さくなって最後には受信信号数が不足するということを避けるができるという効果が得られる。
なお、上記実施の形態3では、他の受信信号rm により観測された位相差Δφijより推定された計測点の位置p=[x,y,z]を用いて、マルチパス等により強い干渉を受けた受信信号rm の位相差Δφij推定しているが、計測点の移動速度が観測周期に比べて十分遅い場合には、他の受信信号rm により観測された位相差Δφijより推定した計測点の位置の代わりに、直前に推定された計測点の位置を用いて、強い干渉を受けた受信信号rm の位相差Δφijを推定することもできる。
上記実施の形態1〜3では、ディジタル処理で行う構成で説明したが、一部又は全部をアナログ処理で行う構成にしても構わない。
この発明の実施の形態1による測位計算精度の向上手段を実現する測位装置の構成図である。 マルチパス波の干渉による受信アンテナの受信電界ベクトルを説明する図である。 この発明の実施の形態1による測位計算精度の向上手段を実現する測位信号処理装置の受信電力算出手段が算出する受信電力レベルの時間的変化を示す図である。 この発明の実施の形態2による測位計算精度の向上手段を実現する測位信号処理装置の構成図である。 この発明の実施の形態2による測位計算精度の向上手段を実現する測位信号処理装置における受信信号の受信電力レベルの時間的変化と計測点の位置の変位が地震等により往復運動を取る場合の位相差積算値の時間的変化の例を示す図である。 この発明の実施の形態3による測位計算精度の向上手段を実現する測位信号処理装置の構成図である。 この発明の実施の形態3による測位計算精度の向上手段を実現する測位信号処理装置における受信信号の受信電力レベルの時間的変化と計測点の位置の変位が地震等により往復運動を取る場合の位相差積算値の時間的変化の例を示す図である。 従来の測位装置の構成図である。
符号の説明
1 送信機、2 送信アンテナ、3 受信アンテナ、4 局部発信器、5 ダウンコンバータ、6 A/D変換器、7 測位信号処理装置、8 表示手段、11 受信電力算出手段、12 記憶手段、13 判定手段、14 位相差検出手段、15 位相差選択手段、16 測位計算手段、17 平滑手段、18 位相差推定手段。

Claims (4)

  1. 計測点の位置から送信された電波を受信する各受信アンテナからの受信信号の受信電力レベルを算出する受信電力算出手段と、
    算出された各受信信号の受信電力レベルを記憶する記憶手段と、
    各受信信号について、上記受信電力算出手段により算出された現時刻の受信電力レベルと、上記記憶手段に記憶されている過去の時刻の受信電力レベルから求めたしきい値とを比較し、現時刻の受信電力レベルの大きさを判定する判定手段と、
    2つの受信アンテナからの受信信号の位相差を検出する位相差検出手段と、
    上記判定手段の判定結果に基づき、上記位相差検出手段により検出された位相差の中から、受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号に関する位相差を選択する位相差選択手段と、
    選択された位相差により計測点の位置を推定する測位計算手段とを備えた震動変位計算精度の向上手段。
  2. 判定手段の指示に基づき、位相差検出手段により検出された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号に関する位相差をそのまま位相差選択手段に出力すると共に、上記位相差検出手段により検出された予め設定された所定時間内で受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号に関する位相差に対して、過去の受信信号の位相差を積算した位相差積算値を追尾処理して求めた平滑化推定された位相差を上記位相差選択手段に出力する平滑手段を備え、
    上記位相差選択手段は、上記判定手段の指示に基づき、上記平滑手段から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号に関する位相差及び平滑化推定された位相差を選択することを特徴とする請求項1記載の震動変位計算精度の向上手段。
  3. 位相差選択手段は、判定手段の指示に基づき、位相差検出手段により検出された予め設定された所定時間以上で受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号に関する位相差に対して、平滑手段から出力された平滑化推定された位相差を選択しないことを特徴とする請求項2記載の震動変位位計算精度の向上手段。
  4. 測位計算手段が受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号に関する位相差を用いて推定した計測点の位置から、受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号に関する位相差を推定する位相差推定手段と、
    判定手段の指示に基づき、位相差検出手段により検出された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号に関する位相差をそのまま位相差選択手段に出力すると共に、上記位相差検出手段により検出された受信電力レベルがしきい値より小さい受信信号に関する位相差に対して、上記位相差推定手段により推定された位相差を平滑化推定された位相差として上記位相差選択手段に出力する平滑手段を備え、
    上記位相差選択手段は、上記判定手段の指示に基づき、上記平滑手段から出力された受信電力レベルがしきい値より大きい受信信号に関する位相差及び平滑化推定された位相差を選択することを特徴とする請求項1記載の震動変位計算精度の向上手段。
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