JP4129377B2 - 整髪剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は整髪剤組成物に関し、さらに詳しくは保存安定性に優れ、良好なセット力を保ちつつ、伸びが良く使いやすい整髪剤組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、整髪剤としてはスプレーやフォームに加え、融点の高いロウ類の固着力を利用したセット力の高いへアクリームやヘアワックスのような商品が多く開発されている。これらの整髪剤は使用感が良いという点で水中油型エマルションの形態がほとんどである。水中油型エマルションにおいては、界面活性剤の使用量を抑えつつ、有効成分である高融点のロウ類を、保存安定性を損なわずに多く配合し、肌への刺激を低減させるためアクリル酸系の水溶性高分子を用いたエマルション化がよく行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、融点の高いロウ類を多く配合すると、ロウ類と水中油型エマルションとがなじみが悪く、過剰のロウ類が析出しやすくなることから、整髪剤の保存安定性が不十分になるという問題があった。しかも、整髪剤を毛髪に塗布する際の伸びという点でも十分に満足できるものではなく、使用感の悪いものであった。また、伸びを良くするためにロウ類の配合量を減らすと十分なセット力が得られないという問題があった。
【0004】
本発明は上記従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、保存安定性を向上させることができるとともに、高いセット力を保ちつつ、伸びが良く使用感に優れる整髪剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の整髪剤組成物は、(A)融点60℃以上のロウ類、(B)油中水型の(メタ)アクリル系重合体エマルション及び(C)水を混合して水中油型エマルションとして得られることを特徴とするものである。
【0006】
請求項2に記載の発明の整髪剤組成物は、請求項1に記載の発明において、さらに(D)25℃で液状の油分を含有するものである。
請求項3に記載の発明の整髪剤組成物は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、さらに(E)低級アルコールを含有するものである
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態の整髪剤組成物は、(A)融点60℃以上のロウ類、(B)油中水型の(メタ)アクリル系重合体エマルション及び(C)水を含有するものである。そこで次に、これら各成分について順に説明する。
(A)融点60℃以上のロウ類
融点60℃以上のロウ類は、毛髪にセット力を付与するとともに、伸びと感触を良好にし、かつ毛髪につやを与えることを目的として配合される。
【0008】
このロウ類としては、カルナウバロウ(融点80〜86℃)、キャンデリラロウ(融点68〜72℃)、コメヌカロウ(融点70〜83℃)、サトウキビロウ(融点77〜80℃)、虫白ロウ(融点80〜83℃)、バームロウ(融点85〜86℃)、ミツロウ(融点61〜66℃)、モンタンロウ(融点65〜105℃)等が挙げられる。ここで使用するロウ類の融点は、上限が通常110℃程度である。これらのロウ類は、一種又は二種以上が混合して使用される。
【0009】
整髪剤組成物中における(A)成分の含有量は0.01〜20重量%が好ましく、0.1〜10重量%がより好ましい。この含有量が0.01重量%未満では十分なセット力が得られず、20重量%を超えると毛髪が硬くなり、使用しにくくなるおそれがある。
(B)油中水型の(メタ)アクリル系重合体エマルション
油中水型(W/O型ともいう)の(メタ)アクリル系重合体エマルションは、(A)成分である融点60℃以上のロウ類に対して相溶性が良く、ロウ類の析出を抑制して整髪剤組成物の保存安定性を向上させるために配合される。本明細書では、アクリルとメタクリルを(メタ)アクリルと総称する。この(メタ)アクリル系重合体エマルションは油中水型、すなわち油性成分中に水性粒子が分散された構造を有しているため、油性成分であるロウ類に対してなじみが良く、(C)成分である水を加えたときに(A)成分及び(B)成分が安定した状態で存在することができる。さらに、W/O型(メタ)アクリル系重合体エマルションは整髪剤組成物に粘性を付与する増粘性を有している。
【0010】
(メタ)アクリル系重合体エマルションは、アクリル酸、メタクリル酸若しくはそれらのエステル又はそれらの塩よりなる(メタ)アクリル系単量体を主成分とし、それらの単量体を重合して得られた(メタ)アクリル系重合体のエマルションを意味する。係る(メタ)アクリル系重合体は、その他の重合体に比べて安定性が高く、粘性が均一で、皮膜形成性が高くないので、整髪剤組成物の増粘剤として最も適切である。一方、セルロース系重合体、キサンタンガム、グアーガム等の天然重合体は、均一な粘性が得られにくく、ポリビニルアルコールは皮膜形成性が高すぎて整髪剤組成物の増粘剤として不適当である。
【0011】
(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸のほか、それらのメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエステル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等が挙げられる。さらに、(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸及びメタクリル酸のナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
【0012】
整髪剤組成物中における(B)成分の含有量は0.1〜10重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。この含有量が0.1重量%未満では整髪剤組成物に十分な粘度が得られず、10重量%を超えると整髪剤組成物が硬くなるため製造しにくくなるおそれがある。
(C)水
水は上記(A)成分及び(B)成分の溶媒又は分散媒として配合され、整髪剤組成物を水溶液、分散液又は乳化液にするために適量配合される。
【0013】
この水の含有量は好ましくは40〜95重量%、さらに好ましくは50〜90重量%である。水の含有量が40重量%未満の場合、水溶液、分散液又は乳化液を安定して形成することが困難となるおそれがある。一方、水の含有量が95重量%を超える場合、整髪剤組成物の均一性及び安定性を確保しにくくなるおそれがある。
【0014】
本実施形態の整髪剤組成物には、(A)、(B)及び(C)成分に加えて(D)成分として25℃で液状の油分を含有することができる。(D)成分を含有することにより、(A)成分のロウ類等の溶解を促進することができ、(A)成分の機能に加え、毛髪に対する指通りをよくすることができる。(D)成分として複数の成分を組合せて使用することにより、(A)成分に対する溶解性と、毛髪に対する指通り性を調整することができる。
【0015】
25℃で液状の油分の具体例としては、炭化水素、動植物油、ロウ類、高級アルコール、高級脂肪酸、脂肪酸エステル類、シリコーン類等が挙げられる。これらの一種又は二種以上が適宜混合して使用される。
【0016】
炭化水素としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン等が挙げられる。
【0017】
動植物油としては、オリーブ油、ツバキ油、茶実油、サザンカ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油、ゴマ油、トウモロコシ油、落花生油、ナタネ油、コメヌカ油、コメ胚芽油、小麦胚芽油、ハトムギ油、ブドウ種子油、アルモンド油、アボカド油、カロット油、マカデミアナッツ油、ヒマシ油、アマニ油、ヤシ油、ミンク油、卵黄油等が挙げられる。ロウ類は融点が60℃未満のものであり、その例としては、ホホバ油(融点6.8〜7.0℃)等が挙げられる。高級アルコールとしては、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール、オレイルアルコール、2−ヘキシルデカノール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール等が挙げられる。
【0018】
高級脂肪酸としては、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。脂肪酸エステル類としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ−2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソステアリル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、セバシン酸ジイソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ジエトキシエチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、パルミチン酸オクチル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、カプリル酸セチル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。
【0019】
シリコーン類としては、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ベタイン変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等が挙げられる。
【0020】
これらの中でも、脂肪酸エステル類及びシリコーン類から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。(D)成分の含有量は、0.01〜40重量%が好ましく、0.1〜20重量%がより好ましい。この含有量が0.01重量%未満では伸びの良い整髪剤組成物が得られず、40重量%を超えると重い感触となりセット力が低下するおそれがある。
【0021】
本実施形態の整髪剤組成物には、さらに(E)低級アルコールを含有することができる。(E)成分を含有することにより、整髪剤組成物に抗菌性を付与できると同時に、整髪剤組成物を手に取って毛髪に塗布するとき、又は毛髪に手を触れたときに整髪剤組成物の手残りを少なくすることができる。
【0022】
この低級アルコールは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルコールであって、例えばエタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
【0023】
整髪剤組成物中の(E)成分の含有量は、1〜20重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましい。この含有量が1重量%未満の場合、抗菌性を十分に付与することができず、整髪剤組成物の手残りを少なくする効果の発現も不足する。一方、含有量が40重量%を超える場合、毛髪にべたつき感が生じやすくなり、好ましくない。
【0024】
本実施形態の整髪剤組成物には、その他の成分として界面活性剤、整髪用高分子化合物、水溶性高分子増粘剤、保湿剤、溶剤等を配合することができる。
界面活性剤は整髪剤組成物に安定性を付与するとともに、整髪剤組成物の伸び及び毛髪の感触を改善するために配合される。界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
【0025】
陰イオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン等のアルキル硫酸塩、スルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸二ナトリウム等のスルホコハク酸塩等が挙げられる。
【0026】
陽イオン性界面活性剤としては、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0027】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類等が挙げられる。
【0028】
両性界面活性剤としては、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム等のイミダゾリン系両性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のベタイン系両性界面活性剤等が挙げられる。
【0029】
これらの界面活性剤は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。界面活性剤の配合量は、0.1〜5.0重量%が好ましい。この配合量が0.1重量%未満の場合、整髪剤組成物の安定性、伸び及び毛髪の感触に対して十分な効果が得られない。一方、5.0重量%を超える場合、毛髪にべたつきを生じて感触が悪くなる。
【0030】
整髪用高分子化合物は、整髪剤組成物のセット力をさらに向上させるために配合される。その具体例としては、造膜性のある非イオン性、陰イオン性、両性及び陽イオン性高分子化合物から選ばれる一種又は二種以上の組み合わせである。使用し得るものとしては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコール系重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸ブチル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸アルキルエステル/ジアセトンアクリルアミド/メタクリル酸共重合体等のアクリル酸系高分子化合物、N−メタクリロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル共重合体等の両性アクリル酸系高分子化合物、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド共重合体等の含窒素陽イオン性高分子化合物等が挙げられる。
【0031】
これらの整髪用高分子化合物の配合量は、整髪剤組成物中に固形分として0.1〜10.0重量%が好ましい。この配合量が0.1重量%未満の場合、セット力の向上に関して十分な効果が得られない。一方、10.0重量%を超える場合、使用時にべたつき等の問題が生ずるおそれがある。
【0032】
また、上記の整髪用高分子化合物のうち、陰イオン性及び両性高分子については、そのままでは水に不溶な場合、必要に応じて官能基の一部又は全部を無機又は有機アルカリ剤で中和し、水溶性としても良い。
【0033】
上記の中和を目的として用いられるアルカリ剤は、無機アルカリ剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。また、アンモニア、モルホリン等の揮発性アルカリ剤、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等のアルカノールアミン類、L−アルギニン、リジン等のアミノ酸類等が挙げられる。
【0034】
水溶性高分子増粘剤は、整髪剤組成物の粘性を改良するために配合される。水溶性高分子増粘剤の具体例としてはアラビアガム、カラギーナン、グアーガム等の天然系高分子、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子等が挙げられる。
【0035】
保湿剤は、毛髪にしっとり感を付与するために配合される。保湿剤の具体例としては、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、ヒアルロン酸等が挙げられる。
【0036】
溶剤としては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。
本実施形態の整髪剤組成物には、その他化粧品分野で通常用いられる他の任意成分を本発明の目的達成を妨げない範囲で加えることができる。このような任意成分としては、例えばオレイン酸ジエタノールアミド等のアミド類、コラーゲン、大豆蛋白、ゼラチン等のポリペプタイド、酸化防止剤としてアスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、チオグリコール酸等が挙げられる。殺菌剤として安息香酸、サリチル酸、石炭酸、フェノキシエタノール等が挙げられる。金属封鎖剤としてエチレンジアミン四酢酸及びその塩等、紫外線吸収剤としてパラアミノ安息香酸等が挙げられる。安定化剤としてフェナセチン、8−オキシキノリン等が挙げられる。pH調整剤としてクエン酸等が挙げられ、防腐剤としてメチルパラベン等が挙げられる。その他、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、色素、香料、顔料等が挙げられる。これらの任意成分は単独で配合してもよいし、二種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0037】
次に、整髪剤組成物を調製するには前述した(A)〜(E)成分及びその他の成分を各々所定量混合し、撹拌することにより行われ、整髪剤組成物がO/W型のエマルションとして得られる。この場合、(A)成分である融点60℃以上のロウ類と(B)成分であるW/O型の(メタ)アクリル系重合体エマルションとのがなじみが良く、水を加えてO/W型のエマルションとしたときに油性粒子の分散性が良くなり、安定した状態で存在することができる。
【0038】
このようにして得られる整髪剤組成物の剤型は特に制限がなく、他の成分との混合や収容される容器の構造に応じてクリーム状、液体状、ゲル状、ワックス状、乳濁液状、ミスト状、フォーム状等通常市販されている整髪剤組成物の剤型のいずれでも良い。
【0039】
本実施形態における整髪剤組成物は噴射剤と混合してエアゾール容器に充填し、噴射することにより、ミスト状にすることができる。なお、噴射剤は通常エアゾール製品において使用されている液化石油ガス、ジメチルエーテル、窒素ガス、炭酸ガス、圧縮空気等の噴射剤であれば特に限定されない。また、本実施形態における整髪剤組成物はハンドポンプスプレー容器等に充填し、噴射することによってもミスト状にすることができる。このようにミスト状にした場合には、整髪剤組成物を手に付けずに毛髪表面全体に容易に薄く塗布することができる。
【0040】
さて、整髪剤組成物を使用するときには、適量を手に取って毛髪に塗布するか、又は直接毛髪にスプレーする。次いで、手櫛或いはコーム(櫛)等によって毛髪を梳かしながら、整髪剤組成物を毛髪全体になじませることにより整髪する。
【0041】
このとき、整髪剤組成物は(A)成分である融点60℃以上のロウ類が(B)成分であるW/O型の(メタ)アクリル系重合体エマルション、さらには(D)成分である25℃で液状の油分により均一に分散され、析出が抑制されている。そのため、整髪剤組成物による整髪操作を円滑に行うことができ、所望とする髪型に速やかに仕上げることができ、かつその髪型が維持される。
【0042】
上記実施形態によって発揮される効果を以下にまとめて記載する。
・ 実施形態で説明した整髪剤組成物によれば、(A)成分である融点60℃以上のロウ類と(B)成分であるW/O型の(メタ)アクリル系重合体エマルションとの相溶性が良いことから、整髪剤組成物は安定性の良いものとなり、保存安定性を向上させることができる。また、ロウ類が均一に分散されるため、伸びが良く使用感に優れている。しかも、整髪剤組成物の安定性が良いことから、ロウ類の含有量を増大させても析出しにくくなり、整髪剤組成物のセット力を高く保つことができる。
【0043】
・ 整髪剤組成物にさらに(D)成分として25℃で液状の油分を含有することにより、ロウ類の溶解性を高めることができるとともに、毛髪に対する指通りをよくすることができる。
【0044】
・ 整髪剤組成物にさらに(E)成分として低級アルコールを含有することにより、整髪剤組成物に抗菌性を付与できると同時に、整髪剤の手残りを少なくすることができる。
【0045】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げ、前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
表1に示す組成にて整髪剤組成物を調製した。すなわち、実施例1〜6並びに比較例3及び4においては、(A)成分である融点60℃以上のロウ類、(B)成分である油中水型のアクリル酸アルキル共重合体エマルション及び(D)成分である25℃で液状の油分を60℃以上に加熱して溶解した。次いで、(C)成分である水を加えてエマルション化した後冷却し、その他の成分を加えてクリーム状の整髪剤組成物を得た。
【0046】
一方、比較例1及び2においては、(A)成分である融点60℃以上のロウ類及び(D)成分である25℃で液状の油分を60℃以上に加熱して溶解後、(C)成分である水を加えてエマルション化した。その後冷却し、水中油型アクリル酸アルキル共重合体エマルション(2)又はカルボキシビニルポリマーの水溶液を加え、さらにその他の成分を添加してクリーム状の整髪剤組成物を得た。
【0047】
得られた整髪剤組成物をガラス瓶に入れ、40℃の恒温漕中で6月間保存した後に整髪剤組成物の分離状態を目視にて確認し、保存安定性について下記に示す評価基準に従って評価した。さらに整髪剤組成物を、専門のパネラーが20代女性の健康毛に塗布し、伸びの良さ及び毛髪のセット力について下記に示す評価基準に従って評価した。それらの結果を表1に併せて示した。
【0048】
なお、表1における油中水型アクリル酸アルキル共重合体エマルション(1)は、BASF社製の商品名ルビジェルEM、すなわち、油相がトリ(カプリル・カプリン酸)グリセリルで、水相がポリアクリル酸ナトリウムを主体とする共重合体の水性体であるW/O型エマルションを表す。また、水中油型アクリル酸アルキル共重合体エマルション(2)はISP社製の商品名アキュリン33及びカルボキシビニルポリマーはBFグッドリッチ社製の商品名カーボポール980を示す。さらに、ラノリンの融点は37〜43℃である。
【0049】
保存安定性:
◎;分離が全く認められないもの、○;分離がほとんど認められないもの、
△;分離がやや認められるもの、×;分離がかなり認められるもの。
【0050】
伸び:
整髪剤をハンドポンプスプレー容器に充填した後、頭髪に噴霧して手で頭髪を梳いた際の伸びについて、次の4段階で評価した。
【0051】
◎;非常に良好、○;良好、△;やや悪い、×;悪い。
セット力:
頭髪のセット力(くせ毛直し効果)について、次の4段階で評価した。
【0052】
◎;非常に良好、○;良好、△;やや弱い、×;弱い。
【0053】
【表1】
Figure 0004129377
表1に示したように、実施例1〜6の整髪剤組成物は保存安定性に優れるとともに、伸びが良く、セット力も良好であった。これに対し、水中油型(O/W型)のアクリル系重合体を用いた整髪剤組成物(比較例1)及びその他のカルボキシビニルポリマーを用いた整髪剤組成物(比較例2)は、保存安定性及び伸びが低下した。さらに、(A)成分である融点60℃以上のロウ類を用いなかった整髪剤組成物(比較例3)はセット力が悪く、融点60℃未満のロウ類を用いた整髪剤組成物(比較例4)はセット力が低下した。
【0054】
なお、前記実施形態を次のように変更して実施することも可能である。
・ 前記実施形態の整髪剤組成物を、染料を含有させることにより染毛剤組成物として構成してもよい。
【0055】
・ 整髪剤組成物を、(B)成分であるW/O型の(メタ)アクリル系重合体エマルションにO/W型の(メタ)アクリル系重合体エマルションを併用して構成することも可能である。
【0056】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ (B)油中水型の(メタ)アクリル系重合体エマルションは、アクリル酸、メタクリル酸若しくはそれらのエステル又はそれらの塩よりなる(メタ)アクリル系単量体を主成分とし、それらの単量体を重合して得られた(メタ)アクリル系重合体のエマルションである請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の整髪剤組成物。このように構成した場合、整髪剤組成物の保存安定性を効果的に向上させることができる。
【0057】
・ 前記(D)25℃で液状の油分は、複数の成分からなるものである請求項2又は請求項3に記載の整髪剤組成物。このように構成した場合、(A)成分に対する溶解性と、毛髪に対する指通り性を調整することができる。
【0058】
・ 前記(D)25℃で液状の油分は、脂肪酸エステル類及びシリコーン類から選ばれる少なくとも一種である請求項2又は請求項3に記載の整髪剤組成物。このように構成した場合、(A)成分に対する溶解性と、毛髪に対する指通り性を向上させることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の整髪剤組成物によれば、保存安定性を向上させることができるとともに、高いセット力を保ちつつ、伸びが良く使用感に優れている。
【0060】
請求項2に記載の発明の整髪剤組成物によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、ロウ類の溶解性を高めることができるとともに、毛髪に対する指通りを良くすることができる。
【0061】
請求項3に記載の発明の整髪剤組成物によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、抗菌性を付与できると同時に、整髪剤の手残りを少なくすることができる。

Claims (3)

  1. (A)融点60℃以上のロウ類、(B)油中水型の(メタ)アクリル系重合体エマルション及び(C)水を混合して水中油型エマルションとして得られることを特徴とする整髪剤組成物。
  2. さらに(D)25℃で液状の油分を含有する請求項1に記載の整髪剤組成物。
  3. さらに(E)低級アルコールを含有する請求項1又は請求項2に記載の整髪剤組成物。
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